説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】被写体特定用としての外部機器を利用することで、撮影時に特別な操作を行うことなく、外部機器(被写体)にとって最適な撮影を実現できるようにする。
【解決手段】携帯電話機CPは、撮像部8による撮影の際に、被写体特定用としての外部機器(腕時計WT)を検出すると、この腕時計WTに対応付けられている撮影制御情報に基づいてその撮影を制御する。そして、腕時計WTが検出された場合に、この腕時計WTに対応付けられている「送信先」に対して、撮影画像を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ機能を備えた携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カメラ装置で被写体を撮影する場合に、より正確な照度等の撮影条件を取得するために、被写体の近傍でカメラマンのアシスタントが露出計を使用して明るさなどを測定するようにしているが、補助者を必要とするため、従来では、例えば、被写体の近傍に撮像装置を配置して、通信手段によりその位置に依存した照度などの情報を送信して正確な撮影制御情報を得て撮影を行うようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−32025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、補助者を不要とする技術であるが、例えば、被写体の動きが速かったり、突然、向きが変わったりしたような場合に、素早い対応が困難となり、不適切な明るさで撮影されてしまうことがある。このことは、被写体の動きや向きの変化に関わらず、被写体が人物の場合には人物による違い(個性の違い)を考慮した木目細かな撮影制御情報を得る場合にも同様で、人物による違いに対応することが困難となり、不適切な撮影が行われてしまうことがあった。
【0005】
本発明の課題は、被写体特定用としての外部機器を利用することで、撮影時に特別な操作を行うことなく、外部機器(被写体)にとって最適な撮影を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、カメラ機能を備えた携帯端末装置であって、被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う近距離通信手段と、前記外部機器に関する情報とその外部機器を撮影する際の撮影制御情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記カメラ機能による撮影の際に、前記近距離通信を介して所定の外部機器を検出する検出手段と、この検出手段によって所定の外部機器が検出された場合に、当該外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記検出手段によって所定の外部機器が検出された場合に、この外部機器の検出位置を表示する表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記検出手段は、所定の外部機器を検出した場合に、前記カメラ機能の撮影範囲内に当該外部機器が存在しているか否かを更に検出する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項3に従属する発明として、前記検出手段によって検出された所定の外部機器が前記撮影範囲内に存在していない場合には、この外部機器が存在している方向を表示する方向表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記検出手段は、前記外部機器から発信出力される信号を受信することによって所定の外部機器を検出する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、前記検出手段は、前記外部機器から発信出力される信号として当該外部機器に関する情報を受信した場合に、この外部機器に関する情報に基づいて前記情報記憶手段を検索することによって、所定の外部機器を検出する、請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記検出手段により検出された所定の外部機器が前記カメラ機能の撮影範囲内に含まれるように前記カメラ機能の撮影を制御するようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、撮影モードを選択する選択手段を更に備え、前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、外部機器の所持者に関する個人情報であり、前記選択手段は、前記検出手段によって検出された外部機器に関する情報に基づいて前記情報記憶手段を検索し、当該外部機器に関する情報に対応する撮影制御情報としての個人情報に基づいて撮影モードを選択する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、画質パラメータであり、前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に撮影制御情報として記憶されている画質パラメータに基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、ズーム撮影時のズーム値であり、前記制御手段は、前記検出手段により検出された外部機器に関する情報に対応付けて前記記憶手段に撮影制御情報として記憶されているズーム値に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項1に従属する発明として、前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、画像サイズであり、前記制御手段は、前記検出手段により検出された外部機器に関する情報に対応付けて前記記憶手段に撮影制御情報として記憶されている画像サイズに基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項1に従属する発明として、前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、優先順位であり、前記制御手段は、前記検出手段によって複数の外部機器が検出された場合に、この個々の外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に撮影制御情報として記憶されている優先順位に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項1に従属する発明として、前記撮影制御情報を過去の撮影履歴から生成する生成手段を更に備え、この生成手段によって生成された撮影制御情報に基づいて前記情報記憶手段の内容を更新する、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記検出手段によって複数の外部機器が検出された場合に、この各外部機器が前記カメラ機能の撮影範囲内に含まれるように前記カメラ機能の撮影を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項15記載の発明は、カメラ機能を備えた携帯端末装置であって、被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う近距離通信手段と、前記外部機器に関する情報と送信先情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記カメラ機能による撮影の際に、前記外部機器を検出する検出手段と、この検出手段によって外部機器が検出された場合は、この外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に記憶されている送信先情報に対して、前記カメラ機能によって撮影された画像を送信する送信手段と、を具備したことを特徴とする。
【0021】
請求項15に従属する発明として、前記検出手段によって外部機器が検出された場合に、この外部機器の検出位置を表示する表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項16記載の発明であってもよい。
【0022】
請求項15に従属する発明として、前記検出手段は、外部機器を検出した場合に、前記カメラ機能の撮影範囲内に当該外部機器が存在しているか否かを更に検出する、ようにしたことを特徴とする請求項17記載の発明であってもよい。
【0023】
請求項17に従属する発明として、前記検出手段によって検出された外部機器が前記影範囲内に存在していない場合には、この外部機器が存在している方向を表示する方向表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項18記載の発明であってもよい。
【0024】
また、上述した課題を解決するために請求項19記載の発明は、コンピュータに対して、
被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う機能と、前記外部機器に関する情報とその外部機器を撮影する際の撮影制御情報とを対応付けて記憶している状態において、カメラ機能による撮影の際に、前記外部機器を検出する機能と、前記外部機器が検出された場合に、当該外部機器に関する情報に対応付けて記憶されている前記撮影制御情報に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0025】
また、上述した課題を解決するために請求項20記載の発明は、コンピュータに対して、被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う機能と、前記外部機器に関する情報と送信先情報を対応付けて記憶している状態において、カメラ機能による撮影の際に、前記外部機器を検出する機能と、前記外部機器が検出された場合は、この外部機器に関する情報に対応付けて前記送信先情報に対して、前記カメラ機能によって撮影された画像を送信する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、被写体特定用としての外部機器を利用することで、撮影時に特別な操作を行うことなく、外部機器(被写体)にとって最適な撮影を実現することができ、利便性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(1)は、携帯端末装置として適用したカメラ機能付き携帯電話機CPの基本的な構成要素を示したブロック図、(2)は、所定の外部機器(腕時計)WTの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】携帯電話機CP側に設けられている撮影制御テーブルPTを説明するための図。
【図3】携帯電話機CP側に設けられている各種のフラグとして、連携フラグF1、撮影フラグF2、更新フラグF3を説明するための図。
【図4】電源投入に応じて実行開始される携帯電話機CPの全体動作の概要を示したフローチャート。
【図5】図4の動作に続くフローチャート。
【図6】図5の動作に続くフローチャート。
【図7】図4の動作に続くフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図1〜図7を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、携帯端末装置として、カメラ機能付き携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1(1)は、カメラ機能付き携帯電話機CPの基本的な構成要素を示したブロック図であり、(2)は、所定の外部機器(腕時計)WTの基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話機CPは、例えば、2つの筐体を折り畳み自在に取り付けた折り畳みタイプで、この携帯電話機CPには、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、人物などの被写体を撮影するカメラ機能が備えられている。腕時計WTは、時計機能などのほか、携帯電話機CP側のカメラ機能を遠隔操作によって動作させる遠隔操作機能と、周囲の明るさを計測する照度機能が備えられている。
【0029】
携帯電話機CPは、図1(1)に示すように構成され、その制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機CPの全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、図示しないプログラム領域とデータ領域とを有し、この記憶部3内のプログラム領域には、後述する図4〜図7に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。
【0030】
また、記憶部3内のデータ領域には、後述する連携フラグ、撮影フラグ、更新フラグなどの各種のフラグ情報、携帯電話機CPの動作に必要な各種の情報を一時記憶するほか、後述する撮影制御テーブルPTなどが設けられている。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、あるいは図示しない所定の外部サーバ上に記憶部3が有する構成であってもよい。操作部4は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、この操作部4には、カメラ機能用のシャッターキーなどが設けられている。制御部1は、操作部4からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理、電子メール受信処理、カメラ機能処理など、各種の処理を行う。
【0031】
通信部5は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、音声通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から発信出力させる。表示部7は、例えば、高精細液晶、有機ELなどを使用し、アイコン、文字データ、撮影画像、待受画像などを表示する。
【0032】
撮像部8は、カメラ機能を構成する構成要素で、撮像素子(例えば、CCDあるいはCMOS)を有し、静止画撮影のほかに動画撮影も可能となっている。そして、撮像部8は、撮影レンズ、ミラーなどのレンズ・ミラーブロック、照明用のフラッシュ、それらの駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備え、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランスなどを制御したりする。また、撮像部8は、被写体に応じて望遠/広角の切り替えができる2焦点式レンズやズームレンズを備え、焦点距離を可変する画角変更機構を作動させて望遠/広角やズーム撮影を行うようにしている。
【0033】
カメラ機能用の各種の撮影制御情報として、例えば、露出値、ホワイトバランス、彩度、シャープネス、コントラスト、ズーム値、画像サイズなどを任意に設定可能となっている。この場合、撮像部8によって撮影された画像に対してデジタル画像処理を施すことで、彩度調整処理、シャープネス調整処理、コントラスト調整処理などを行うようにしているが、被写体を撮影して得られた映像信号に符号化処理を施す前の段階での映像信号に対して彩度、シャープネス、コントラストなどを調整するようにしてもよい。また、予め用意されている撮影モードとして、絞り優先モード、シャッター速度優先モード、風景モード、夜景モードのほか、一定の条件下でフラッシュ制御を行って肌を美しく引き出すようにした若い女性向けの撮影モード、美しいぼかし制御を行って全体的な印象を高めるようにした高齢女性向けの撮影モードなどを任意に設定可能となっている。
【0034】
近距離通信部9は、カメラ機能の起動に応じて動作し、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの非接触タイプの近距離通信によって、被写体(人物)が所持(装着)している外部装置(腕時計)WTとの間でアンテナAT2を介して交信を行うもので、制御部1は、近距離通信部9からの交信結果に基づいてその通信可能エリア内(例えば、半径10m以内)の腕時計WTを検出するようにしている。すなわち、制御部1は、近距離通信が可能なエリア内に1又は2以上の腕時計WTが存在しているか否かを検出すると共に、そのエリア内に存在している腕時計WTを連携対象(ペアリング対象)として特定するようにしている。
【0035】
この場合、制御部1は、人体に装着されている腕時計WTから発信出力される機器識別情報を近距離通信部9から受信取得して、予め設定されている機器識別情報と照合した結果、受信した機器識別情報が設定されている機器識別情報に該当することを条件に、その腕時計WTを連携対象として特定するようにしている。このようにして連携対象の腕時計WTを特定することによってその所持者(装着者)である被写体(人物)を特定することができるため、腕時計WTと被写体とは略同義となる。このため、以下、腕時計WT(被写体)と表現する場合がある。
【0036】
腕時計WTは、図1(2)に示すように、CPUやメモリなどが設けられている制御部11を中核とするもので、例えば、太陽電池を備えた電源部12、プログラムやデータを記憶する記憶部13、現在日時を計時する時計部14、液晶パネルなどを備えた表示部15のほか、操作部16、近距離通信部17、照度計測部18を有する構成となっている。記憶部13は、図示しないプログラム領域とデータ領域を有し、上述したように携帯電話機CPに対して近距離通信される自己の機器識別情報SMを記憶する。この機器識別情報SMは、製造No、一連Noなどの固有の識別情報であるが、腕時計WTを識別可能であれば、その内容は問わない。
【0037】
操作部16は、各種のキーを備えたもので、携帯電話機CP側のカメラ機能を遠隔操作で制御してその撮影を開始させるための遠隔操作用のシャッターキー(図示省略)を有し、被写体側の所望するタイミングで行われたシャッター操作(遠隔操作)でも撮影可能となっている。近距離通信部17は、上述した遠隔操作機能の構成要素で、例えば、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信などの非接触タイプの近距離通信によって携帯電話機CPとの間でアンテナAT3を介して交信を行う。制御部11は、上述のシャッター操作に応じた操作信号を近距離通信部17から発信出力されて携帯電話機CP側に送信するようにしている。
【0038】
照度計測部18は、上述した照度計測機能を構成するもので、周辺の明るさを当該腕時計WTの所持者位置の明るさとして検出する照度計であり、制御部11は、照度計測部18の計測結果を近距離通信部17から発信出力させて携帯電話機CP側に送信するようにしている。なお、腕時計WTを腕などに装着している所持者は、携帯電話機CP側のカメラ機能から見れば、撮影対象の被写体となり、腕時計WT側の照度計測部18によって計測された周囲の明るさは、所持者位置の明るさ(被写体位置の明るさ)となる。ここで、携帯電話機CP側のカメラ機能では、腕時計WT側から送信されてきた被写体位置の明るさを受信すると、この被写体位置の明るさに応じて撮影時の露出値(EV値)を設定するようにしている。
【0039】
図2は、携帯電話機CP側に設けられている撮影制御テーブルPTを説明するための図である。
撮影制御テーブルPTは、被写体に適合する撮影制御情報を決定するためのテーブルで、「機器識別情報」、「撮影制御情報」、「送信先」の各項目を有する構成で、その内容は、ユーザ操作によって予め任意に設定されたものである。「機器識別情報」は、腕時計WTを識別する機器識別情報で、例えば、家族、友人などの個々が所持している腕時計WTを識別するための機器識別情報(例えば、腕時計WTの製造No、一連Noなど)を記憶する項目である。
【0040】
「撮影制御情報」は、各種の撮影制御情報を記憶する項目で、「個人情報」、「彩度」、「シャープネス」、「コントラスト」、「ズーム値」、「画像サイズ」、「優先順位」の各項目を有している。「個人情報」は、腕時計WTの所持者(被写体)に関する個人情報として、例えば、性別、年齢などを記憶する項目である。この撮影制御情報としての「個人情報」は、例えば、上述した若い女性向けの撮影モード、高齢女性向けの撮影モードなどの撮影モードに対応付けられる。また、「彩度」は、色を構成する三要素の一つである鮮やかさを示し、図示の例では彩度の高低に応じて“+2”、“0”、“−1”などが記憶されている。「シャープネス」は、輪郭強調の仕方を示し、図示の例ではシャープネスの高低に応じて“+2”、“0”、“−1”などが記憶されている。「コントラスト」は、濃淡差を示し、図示の例ではコントラストの高低に応じて“+2”、“0”、“−1”などが記憶されている。
【0041】
「ズーム値」は、ズーム機能の調整による画角調整値を示し、図示の例では人物撮影における構図として、例えば、顔全体を収める構図の“アップショット”、胸から頭部を収める構図の“バストショット”、頭部から足先まで収める構図の“全身ショット”などが記憶されている。「画像サイズ」は、画像の解像度を示し、図示の例では“640×480(VGA)”、“2048×1536(QXGA)”などが記憶されている。「優先順位」は、被写体が複数の場合、つまり、複数個の腕時計WTが周辺に存在している場合に、その撮影順序を示すもので、図示の例では、「個人情報」が“女性25歳”、“男性32歳”、“男性40歳”、…に対応して、“3”、“2”、“6”、…が記憶されている。「送信先」は、腕時計WTに対応付けて、撮影画像を送信する送信先情報として、電子メールによって撮影画像を送信する際のメールアドレスを示している。
【0042】
図3は、携帯電話機CP側に設けられている各種のフラグとして、連携フラグF1、撮影フラグF2、更新フラグF3を説明するための図である。
連携フラグF1は、近距離通信が可能なエリア内に連携対象の腕時計WTが存在しているか否かを示したり、存在している場合にはその腕時計WTの数は単数か複数かを示したりするフラグである。すなわち、連携フラグ“0”は、連携対象の腕時計WTが存在していない場合(腕時計との連携がない場合)を示している。連携フラグ“1”は、連携対象の腕時計WTが1個存在している場合(単数の腕時計と連携がある場合)を示し、連携フラグ“2”は、連携対象の腕時計WTが複数個存在している場合(複数の腕時計と連携がある場合)を示している。
【0043】
撮影フラグF2は、連携フラグF1が“2”の場合における撮影方法を示すフラグで、撮影フラグ“0”は、複数の腕時計と連携がある場合に、上述の「優先順位」にしたがった順番で撮影を行うべきことを示す撮影順番である。撮影フラグ“1”は、複数の腕時計と連携がある場合にその全てが撮影範囲内に収まるような画角で撮影を行うべきことを示している。この撮影フラグF2はユーザによって任意に設定可能となっている。更新フラグF3は、過去の撮影で使用した撮影制御情報(撮影履歴)から撮影制御テーブルPTの内容を更新するか否かを示すフラグで、更新フラグ“1”は、撮影履歴から撮影制御情報を生成して撮影制御テーブルPTの内容を更新することを示し、更新フラグ“0”は、その更新を行わないことを示している。この更新フラグF3はユーザによって任意に設定可能となっている。
【0044】
次に、この実施形態における携帯電話機CPの動作概念を図4〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0045】
図4〜図7は、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機CPの全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、電源投入操作が行われると、所定のメモリをクリアしたり、連携フラグF1を“0”としたりする初期設定を行った後(図4のステップS1)、待ち受け状態となる(ステップS2)。この待ち受け状態において、カメラ機能の開始を指示する操作が行われたかを調べたり(ステップS3)、電話着信の有無を調べたり(図7のステップS52)、その他の操作が行われたかを調べたりする(図7のステップS57)。
【0046】
ここで、電話着信を検出したときには(図7のステップS52でYES)、回線接続させるオフフック操作に応じて(ステップS53でYES)、通話可能状態とする通話処理を開始する(ステップS54)。また、その後のオンフック操作に応じて(ステップS55でYES)、回線切断処理を実行したのち(ステップS56)、上述の待ち受け状態に戻る(図4のステップS3)。また、その他の操作が行われたときには(ステップS57でYES)、操作に応じた処理として、発信処理、電子メール送信処理などを行った後(ステップS58)、上述の待ち受け状態に戻る(図4のステップS3)。
【0047】
いま、待ち受け状態からカメラ機能のメニュー項目を選択するなどのカメラ機能開始操作を検出したときには(図4のステップS3でYES)、カメラ機能を起動させて撮像部8を動作させた後(ステップS4)、腕時計WTから発信出力される信号(機器識別情報)SMを近距離通信部9から受信取得する(ステップS5)。そして、この機器識別情報SMに基づいて撮影制御テーブルPTを検索して、予め設定されている機器識別情報と照合した結果(ステップS6)、受信した機器識別情報が撮影制御テーブルPTに設定されている機器識別情報に該当するか、つまり、撮影制御テーブルPTに設定されている所定の腕時計WTが周囲に存在しているかを検出する(ステップS7)。
【0048】
ここで、所定の腕時計WT(被写体)が周囲に存在していなければ(ステップS7でNO)、露出、焦点距離、ズームなどの各種の撮影制御情報を手動によって設定する操作が行われたかを調べる(ステップS8)。ここで、手動撮影設定操作が行われたときには(ステップS8でYES)、その操作に応じた設定処理として、例えば、露出値、焦点距離、ズーム値、撮影モード、彩度、シャープネス、コントラスト、画像サイズなどを設定する処理を行った後(ステップS9)、図6のフローに移り、操作部4側のシャッターキーが操作されたかを調べる(ステップS33)。
【0049】
ここで、シャッター操作に応答して(ステップS33でYES)、撮像部8で現在設定の撮影制御情報に応じた撮影が行われると、更に、この撮影画像に対してデジタル画像処理(彩度調整処理、シャープネス調整処理、コントラスト調整処理など)を施した後(ステップS34)、この調整後の画像を画像ファイルとして記憶部3内に記録保存させる(ステップS35)。そして、連携フラグF1を参照して、その値は“1”以上であるかを調べ(ステップS36)、1”以上でなければ(ステップS36でNO)、更にステップS44に移って、連携フラグF1の値は“2”であるかを調べるが、いま、更新フラグF3は初期値“0”のままとなっているので(ステップS36でNO、S44でNO)、図4のステップS5に戻る。以下、周囲に所定の腕時計WTが存在していない状態において、シャッター操作が行われる毎に上述の動作が繰り返される。
【0050】
一方、所定の腕時計WT(被写体)が周囲に存在している場合には(図4のステップS7でYES)、その検出数は複数個かを調べ(ステップS10)、それが単数であれば(ステップS10でNO)、連携フラグF1の値を“1”とした後(ステップS11)、この単数の腕時計WTを連携対象の腕時計WTとして特定する(ステップS12)。また、所定の腕時計WTの検出数が複数個であれば(ステップS10でYES)、連携フラグF1の値を“2”とした後(ステップS13)、撮影フラグF2を参照して、その値は“0”であるかを調べる(ステップS14)。
【0051】
撮影フラグF2が“1”の場合(ステップS14でNO)、つまり、撮影範囲内に複数の腕時計WT(被写体)が全て納まるような画角で一同に撮影する場合には、この複数個の腕時計WTを連携対象の腕時計WTとしてそれぞれ特定する(ステップS15)。また、撮影フラグF2が“0”の場合(ステップS14でYES)、つまり、複数の腕時計WT(被写体)を「優先順位」にしたがって個別に順次撮影する場合には、撮影制御テーブルPTの「優先順位」を参照し(ステップS16)、複数個の腕時計WTの中で最優先の腕時計WTを連携対象の腕時計WTとして特定する(ステップS17)。
【0052】
このようにして連携対象(ペアリング対象)の腕時計WTを特定すると、携帯電話機CPの周囲に連携対象として存在している腕時計WTの位置を検出する(ステップS18)。そして、図5のフローに移り、検出した腕時計WTの位置は撮影範囲内にあるかを調べ(ステップS19)、撮影範囲内であれば(ステップS19でYES)、腕時計WTの位置をモニタ画面内にポイント表示させるが(ステップS20)、撮影範囲から外れていれば(ステップS19でNO)、腕時計WTが存在している位置の方向を案内する矢印マークをモニタ画面内に案内表示させる(ステップS21)。そして、上述のステップS19に戻り、カメラの向きが変更されることによってその腕時計WTが撮影範囲内に収まるようになるまで待機状態となる。
【0053】
そして、連携対象の腕時計WTに対して照度情報の要求を行い(ステップS22)、それに応答して腕時計WTから送信されてきた照度情報を受信取得すると、この照度情報に基づいてカメラ機能の露出値を設定する(ステップS23)。この場合、腕時計WT側においてその制御部11は、携帯電話機CPからの照度要求に応答して照度計測部18を動作させ、周辺の明るさを被写体の明るさとして検出し、その検出結果を近距離通信部17から発信出力させる。なお、連携対象の腕時計WTとして特定された際に、照度計測部18を動作させて、周囲の明るさ検出して近距離通信部17から発信出力させるようにしてもよい。
【0054】
次に、連携フラグF1及び撮影フラグF2を参照し、連携フラグF1が“2”で撮影フラグF2が“1”であるかを調べ(ステップS24)、連携フラグF1が“2”で、かつ、撮影フラグF2が“1”の場合、つまり、連携対象として複数の腕時計WTを特定してその全てを一同に撮影する場合には(ステップS24でYES)、撮影範囲内に複数の腕時計WT(被写体)が納まるような画角に設定する(ステップS25)。更に、人物撮影として標準の露出値、画像パラメータ(彩度、シャープネス、コントラストなど)に設定すると共に(ステップS26)、人物撮影として標準の撮影モードに設定した後(ステップS27)、図6のステップS33に移り、シャッター操作が行われたかを調べる。
【0055】
また、連携フラグF1が“2”で撮影フラグF2が“1”でなければ(ステップS24でNO)、例えば、連携フラグF1が“2”の場合であっても撮影フラグF2が“0”の場合、(複数の被写体を優先順位にしたがって個別に撮影する場合)、あるいは連携フラグF1が“1”の場合(単数の被写体を撮影する場合)には、撮影制御テーブルPTを参照し(ステップS28)、連携対象の腕時計WT(被写体)に対応付けられている撮影制御情報を読み出して(ステップS29)、その被写体にとって最適なズーム値(例えば、“バストショット”)を設定すると共に(ステップS30)、最適な露出値、画像パラメータを設定し(ステップS31)、更に、「個人情報」に対応付けられている最適な撮影モードを設定した後(ステップS32)、図6のステップS33に移り、シャッター操作が行われたかを調べる。
【0056】
このように連携対象の腕時計WTを特定した状態において、シャッター操作が行われると(図6のステップS33でYES)、撮像部8で現在設定の撮影制御情報に応じた撮影が行われ、更に、この撮影された画像に対して撮影制御情報に応じたデジタル画像処理(彩度調整処理、シャープネス調整処理、コントラスト調整処理など)を施した後(ステップS34)、この調整後の画像を記憶部3内に画像ファイルとして記録保存させる(ステップS35)。そして、連携フラグF1は“1”以上であるかを調べるが(ステップS36)、いま、連携フラグF1は“1”以上であるから(ステップS36でYES)、更新フラグF3を参照し、それが“1”であるかを調べる(ステップS37)。
【0057】
いま、更新フラグF3が“1”であれば(ステップS37でYES)、連携対象の腕時計WTに基づいて撮影制御テーブルPTを検索し、対応する「表示制御情報」の内容を今回の撮影履歴(ズーム値、ホワイトバランス、彩度、シャープネス、コントラストなど)に基づいて更新することによって、撮影制御テーブルPTの内容を最新の「表示制御情報」に書き換える(ステップS38)。なお、撮影フラグF2が“1”の場合(連携対象が複数個の場合)には、各腕時計WTに対応する「表示制御情報」の個々をそれぞれ更新するようにしている。
【0058】
そして、撮影画像をメール送信するかを確認させるためのメッセージを表示させた後(ステップS39)、その確認表示に応答して画像送信を指示するユーザ操作が行われたときには(ステップS40でYES)、撮影制御テーブルPTを参照し、連携対象の腕時計WTに対応付けられている「送信先」を読み出す(ステップS41)。そして、今回の撮影画像を添付した電子メールを生成し(ステップS42)、この「送信先」に対して送信する(ステップS43)。なお、撮影フラグF2が“1”の場合(連携対象が複数個の場合)には、各「送信先」の個々に対してそれぞれメールを生成して送信するようにしている。
【0059】
次に、連携フラグF1が“2”で(ステップS44でYES)、撮影フラグF2が“0”の場合(連携対象の複数の腕時計WT(被写体)を「優先順位」にしたがって個別に撮影した場合)であるかを調べ(ステップS45)、それ以外の場合には(ステップS44でNO又はステップS45でNO)、図4のステップS5に戻るが、連携フラグF1が“2”で(ステップS44でYES)、撮影フラグF2が“0”の場合には(ステップS45でYES)、連携対象の各腕時計WTを全て特定し終わったか(複数の被写体を全て撮影し終わったか)を調べる(ステップS46)。
【0060】
いま、最優先の腕時計WTを特定して最初の撮影が終了した場合であるから(ステップS46でNO)、撮影制御テーブルPT内の「優先順位」を参照し、連携対象である複数の腕時計WTの中から次に優先すべき腕時計WTを特定した後(ステップS47)、図4のステップS18に移り、今回新たに特定した腕時計WTの位置を検出し、以下、図5のフローにしたがって撮影制御情報の設定処理を行うと共に、図6のフローにしたがって撮影・記録・送信処理を行う(図6のフロー)。これによって全ての腕時計WTを特定し終わった場合には(図6のステップS46でYES)、図4のステップS5に戻る。
【0061】
このように操作部4側のシャッター操作によって上述の撮影・記録・送信処理(図6のフロー)が行われるが、腕時計WT側において、携帯電話機CP側のカメラ機能を遠隔操作で制御してその撮影を開始させるための遠隔操作用のシャッターキーが操作されて、その操作信号(シャッター信号)を、近距離通信を介して受信した場合にも(図6のステップS48でYES)、上述の撮影・記録・送信処理を実行する(ステップS33〜S47)。なお、カメラ機能の終了を指示する操作が行われた場合には(ステップS49でYES)、連携フラグF1を“0”に戻して(ステップS50)、カメラ機能を終了させる処理を行った後(ステップS51)、図4のステップS3に戻る。
【0062】
以上のように、この実施形態において携帯電話機CPは、撮像部8による撮影の際に、被写体特定用としての外部機器(腕時計WT)を検出すると、この腕時計WTに対応付けられている撮影制御情報に基づいてその撮影を制御するようにしたので、撮影時に特別な操作を行うことなく、腕時計WT(被写体)にとって最適な撮影を実現することができ、利便性に富んだものとなる。
【0063】
腕時計WTが検出された場合に、この腕時計WTの検出位置を表示するようにしたので、腕時計WT(被写体)の位置を正確に確認してから撮影を行うことができる。
【0064】
腕時計WTを検出した場合に、撮影範囲内にその腕時計WTが存在しているか否かを更に検出するようにしたので、腕時計WT(被写体)をより正確に撮影することができる。
【0065】
腕時計WTが撮影範囲内に存在していない場合には、この腕時計WTが存在している方向を表示するようにしたので、腕時計WTが存在している方向にカメラを方向表示に合わせて素早く向けることができる。
【0066】
腕時計WTから発信出力される信号(機器識別情報)を受信することによって腕時計WTを検出するようにしたので、撮影対象となる被写体の位置を容易に特定することができる。
【0067】
腕時計WTから発信出力される機器識別情報に基づいて撮影制御テーブルPTを検索することによって、所定の腕時計WTを検出するようにしたので、腕時計WTの検出を容易に行うことができる。
【0068】
所定の腕時計WTが撮影範囲内に含まれるように撮影を制御するようにしたので、例えば、腕時計WT(被写体)が移動していたとしても被写体を中心とした画角に制御した撮影が可能となる。
【0069】
機器識別情報に基づいて撮影制御テーブルPTを検索した結果、対応する撮影制御情報としての個人情報に基づいて撮影モードを選択するようにしたので、例えば、個人に応じて上述した若い女性向けの撮影モード、高齢女性向けの撮影モードを選択することができ、個人にとって最適な撮影モードで撮影を行うことができる。
【0070】
機器識別情報に基づいて撮影制御テーブルPTを検索した結果、対応する撮影制御情報としての画質パラメータに基づいて撮影を制御するようにしたので、例えば、彩度、シャープネス、コントラストといった被写体にとって最適な画質で撮影することができる。
【0071】
機器識別情報に基づいて撮影制御テーブルPTを検索した結果、対応する撮影制御情報としてのズーム値に基づいて撮影を制御するようにしたので、アップショット、バストショット、全身ショットといった被写体にとって最適なズーム値で撮影することができる。
【0072】
機器識別情報に基づいて撮影制御テーブルPTを検索した結果、対応する撮影制御情報としての画像サイズに基づいて撮影を制御するようにしたので、被写体である人物が利用する画像サイズで撮影することができる。
【0073】
機器識別情報に基づいて撮影制御テーブルPTを検索した結果、対応する撮影制御情報としての優先順位に基づいて撮影を制御するようにしたので、腕時計WT(被写体)を複数検出した場合でも優先順位により混乱なく撮影することができる。
【0074】
過去の撮影履歴から生成された撮影制御情報に基づいて撮影制御テーブルPTの内容を更新するようにしたので、一度撮影すると二回目以降は手動設定が不要になり、更に撮影の回数が増える毎により最適な撮影制御情報に更新することができる
【0075】
複数の腕時計WTが検出された場合に、この各腕時計WT(被写体)が撮影範囲内に含まれるように撮影を制御するようにしたので、画角の自動制御によって集合写真にも対応することができる。
【0076】
腕時計WTが検出された場合に、この腕時計WTに対応付けられている「送信先」に対して、撮影画像を送信するようにしたので、手動による送信操作を行わなくとも、撮影画像を被写体としての人物宛に送信することができ、利便性に富んだものとなる。
【0077】
なお、上述した実施形態においては、所定の腕時計WTが撮影範囲内に含まれるように撮影を制御する場合に、被写体を中心とした画角(ズーム値)に制御するようにしたが、画像の一部を切り出すトリミング加工を施すことによって被写体を中心とした画像を得るようにしてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態においては、「個人情報」として、年齢、性別を示したが、眼鏡の有無、人種などであってもよく、また、「個人情報」に対応して、例えば、ビジネス用、プライベート用などのように複数種の撮影制御情報を記憶するようにしてもよい。
【0079】
上述した実施形態においては、外部機器として腕時計WTを例示したが、ICチップ、発信機、電子装身具などであってもよい。また、携帯端末装置として携帯電話機CPを示したが、これに限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置であってもよい。更に、折り畳みタイプの端末装置に限らず、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよい。
【0080】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 制御部
3 記憶部
4 操作部
7 表示部
8 撮像部
9 近距離通信部
11 制御部
13 記憶部
15 表示部
16 操作部
17 近距離通信部
18 照度計測部
CP 携帯電話機
F1 連携フラグ
F2 撮影フラグ
F3 更新フラグ
PT 撮影制御テーブル
SM 自己の機器識別情報
WT 腕時計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ機能を備えた携帯端末装置であって、
被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う近距離通信手段と、
前記外部機器に関する情報とその外部機器を撮影する際の撮影制御情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記カメラ機能による撮影の際に、前記近距離通信を介して所定の外部機器を検出する検出手段と、
この検出手段によって所定の外部機器が検出された場合に、当該外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記検出手段によって所定の外部機器が検出された場合に、この外部機器の検出位置を表示する表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記検出手段は、所定の外部機器を検出した場合に、前記カメラ機能の撮影範囲内に当該外部機器が存在しているか否かを更に検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記検出手段によって検出された所定の外部機器が前記撮影範囲内に存在していない場合には、この外部機器が存在している方向を表示する方向表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記外部機器から発信出力される信号を受信することによって所定の外部機器を検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記外部機器から発信出力される信号として当該外部機器に関する情報を受信した場合に、この外部機器に関する情報に基づいて前記情報記憶手段を検索することによって、所定の外部機器を検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記検出手段により検出された所定の外部機器が前記カメラ機能の撮影範囲内に含まれるように前記カメラ機能の撮影を制御する
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項8】
撮影モードを選択する選択手段を更に備え、
前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、外部機器の所持者に関する個人情報であり、
前記選択手段は、前記検出手段によって検出された外部機器に関する情報に基づいて前記情報記憶手段を検索し、当該外部機器に関する情報に対応する撮影制御情報としての個人情報に基づいて撮影モードを選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、画質パラメータであり、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に撮影制御情報として記憶されている画質パラメータに基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、ズーム撮影時のズーム値であり、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された外部機器に関する情報に対応付けて前記記憶手段に撮影制御情報として記憶されているズーム値に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項11】
前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、画像サイズであり、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された外部機器に関する情報に対応付けて前記記憶手段に撮影制御情報として記憶されている画像サイズに基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記情報記憶手段に記憶されている撮影制御情報は、優先順位であり、
前記制御手段は、前記検出手段によって複数の外部機器が検出された場合に、この個々の外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に撮影制御情報として記憶されている優先順位に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項13】
前記撮影制御情報を過去の撮影履歴から生成する生成手段を更に備え、
この生成手段によって生成された撮影制御情報に基づいて前記情報記憶手段の内容を更新する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記検出手段によって複数の外部機器が検出された場合に、この各外部機器が前記カメラ機能の撮影範囲内に含まれるように前記カメラ機能の撮影を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項15】
カメラ機能を備えた携帯端末装置であって、
被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う近距離通信手段と、
前記外部機器に関する情報と送信先情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記カメラ機能による撮影の際に、前記外部機器を検出する検出手段と、
この検出手段によって外部機器が検出された場合は、この外部機器に関する情報に対応付けて前記情報記憶手段に記憶されている送信先情報に対して、前記カメラ機能によって撮影された画像を送信する送信手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項16】
前記検出手段によって外部機器が検出された場合に、この外部機器の検出位置を表示する表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項15記載の携帯端末装置。
【請求項17】
前記検出手段は、外部機器を検出した場合に、前記カメラ機能の撮影範囲内に当該外部機器が存在しているか否かを更に検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項15記載の携帯端末装置。
【請求項18】
前記検出手段によって検出された外部機器が前記影範囲内に存在していない場合には、この外部機器が存在している方向を表示する方向表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項17記載の携帯端末装置。
【請求項19】
コンピュータに対して、
被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う機能と、
前記外部機器に関する情報とその外部機器を撮影する際の撮影制御情報とを対応付けて記憶している状態において、カメラ機能による撮影の際に、前記外部機器を検出する機能と、
前記外部機器が検出された場合に、当該外部機器に関する情報に対応付けて記憶されている前記撮影制御情報に基づいて前記カメラ機能の撮影を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータに対して、
被写体特定用としての外部機器との間で近距離通信を行う機能と、
前記外部機器に関する情報と送信先情報を対応付けて記憶している状態において、カメラ機能による撮影の際に、前記外部機器を検出する機能と、
前記外部機器が検出された場合は、この外部機器に関する情報に対応付けて前記送信先情報に対して、前記カメラ機能によって撮影された画像を送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−4211(P2011−4211A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146079(P2009−146079)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】