説明

携帯端末

【課題】セキュリティ性を確保しながら使用者にとっては容易な操作で、タッチパネル機能を無効化したり、タッチパネル機能の無効化を解除したりする。
【解決手段】タッチパネル機能によって情報が入力される正面LCD12と、タッチパネル機能を無効化したり無効化を解除したりする制御部16とを少なくとも有するタブレット端末において、タブレット端末の動作を制御するための電源ボタン14及びスイッチ15を有し、制御部16は、電源ボタン14及びスイッチ15に対する操作を含む第1の操作が行われた場合にタッチパネル機能を無効化し、電源ボタン14及びスイッチ15に対する操作を含む第2の操作が行われた場合にタッチパネル機能の無効化を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル機能を有する携帯端末に関し、特に、タッチパネル機能の無効化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを搭載したタブレット端末が普及している。このようなタブレット端末は、直感的なタッチ操作にてゲームやアプリケーション等を楽しむことができるが、それゆえに使用者が期待しない誤動作が生じる可能性が高い。例えば、カーナビアプリケーションによる誘導中や動画再生中等に誤ってタッチパネルに触れてしまい、誤動作となるケースがある。また、年齢の幼い子供に手渡して動画等を見させる場合に、年齢の幼い子供は操作方法を理解していないために、誤って電話発信やデータ消去等の操作をされてしまう虞れがある。
【0003】
そこで、タッチパネルに対して暗証コードの入力等の所定の操作を行うことにより、タッチパネル機能を無効化する技術が実用化されているが、無効化の解除もタッチパネルに対する操作によって行われるため、第三者にタッチパネル機能の無効化を解除されてしまう虞れがある。また、タッチパネルに対する入力自体が無効化されることにより、ロックの解除を行うことができなくなる場合もある。
【0004】
ここで、2つの筐体がスライド可能に連結した携帯端末において、その形態に応じてタッチパネル機能を無効化したり、無効化を解除したりする技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−157809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、携帯端末の形態に応じてタッチパネル機能を無効化したり、無効化を解除したりするものであるため、携帯端末の形態を決められた形態としなければ、タッチパネル機能を無効化したり、無効化を解除したりすることができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、セキュリティ性を確保しながら使用者にとっては容易な操作で、タッチパネル機能を無効化したり、タッチパネル機能の無効化を解除したりすることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
タッチパネル機能によって情報が入力される入力手段と、前記タッチパネル機能を無効化したり該無効化を解除したりする制御手段とを少なくとも有する携帯端末において、
前記携帯端末の動作を制御するための物理的スイッチを有し、
前記制御手段は、前記物理的スイッチに対する操作を含む第1の操作が行われた場合に前記タッチパネル機能を無効化し、前記物理的スイッチに対する操作を含む第2の操作が行われた場合に前記無効化を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、携帯端末に設けられた物理的スイッチに対する操作を含む第1の操作が行われた場合にタッチパネル機能を無効化し、物理的スイッチに対する操作を含む第2の操作が行われた場合にタッチパネル機能の無効化を解除する構成としたため、セキュリティ性を確保しながら使用者にとっては容易な操作で、タッチパネル機能を無効化したり、タッチパネル機能の無効化を解除したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の携帯端末の実施の一形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)に示したスイッチの状態を示す図、(d)は(b)に示したスイッチの状態を示す図である。
【図2】図1に示したタブレット端末の機能ブロック図である。
【図3】図1及び図2に示したタブレット端末の制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1及び図2に示したタブレット端末の制御方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の携帯端末の実施の一形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)に示したスイッチ15の状態を示す図、(d)は(b)に示したスイッチ15の状態を示す図である。
【0013】
本形態は図1に示すように、筐体11の正面に正面LCD12及びホームボタン13が設けられているとともに、筐体1の側面に電源ボタン14及びスイッチ15が設けられて構成されたタブレット端末1である。
【0014】
正面LCD12は、表示機能及びタッチパネル機能を具備し、タッチパネル機能によって情報が入力される入力手段となるものであって、その全面がタッチパネルとなっている。また、ホームボタン13は、正面LCD11の下部に設けられ、ホーム画面に遷移するときに押下するものであって、物理的なスイッチからなる。
【0015】
電源ボタン14は、タブレット端末1の電源をON/OFFする際に押下するものであって、物理的なスイッチからなる。また、スイッチ15は、マナーモード切り替え用のスイッチであり、図1(c),(d)に示すように、スライドさせることによってON/OFFを切り替えることができる物理的なスイッチである。
【0016】
図2は、図1に示したタブレット端末1の機能ブロック図である。
【0017】
図1に示したタブレット端末1は、ホームボタン13、電源ボタン14及びスイッチ15に対する操作に応じて正面LCD12を制御する制御部16を有している。制御部16は、正面LCD12における表示を制御するとともに、ホームボタン13、電源ボタン14及びスイッチ15に対する操作を含む第1の操作が行われた場合に正面LCD12のタッチパネル機能を無効化し、また、ホームボタン13、電源ボタン14及びスイッチ15に対する操作を含む第2の操作が行われた場合に正面LCD12のタッチパネル機能の無効化を解除する。
【0018】
以下に、上記のように構成されたタブレット端末1における正面LCD12のタッチパネル機能の制御方法について説明する。
【0019】
図3は、図1及び図2に示したタブレット端末1の制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0020】
まず、正面LCD12に表示されたメニュー画面にある無効スイッチ機能設定メニューを選択して、無効スイッチ機能を有効にするか無効にするか設定する(ステップ11)。
【0021】
無効スイッチ機能を有効にした場合(ステップ12)、電源ボタン14やスイッチ15を組み合わせた第1の操作により正面LCD12のタッチパネル機能が無効化される。一例として、電源ボタン14を押しながらスイッチ15をOFFからONにした場合にタッチパネル機能が無効化される(ステップ13)。
【0022】
その後、電源ボタン14を押しながらスイッチ15をONからOFFする等の第2の操作が行われると、正面LCD12のタッチパネル機能の無効化が解除され、正面LCD12のタッチパネル機能が有効化される(ステップ14)。
【0023】
また、無効スイッチ機能が無効であった場合は、正面LCD12のタッチパネル機能が無効化されずに、通常動作が行なわれることになる(ステップ15)。
【0024】
なお、上述した物理的スイッチの組み合わせ操作は一例であり、使用するタブレット端末1や、使用者が任意に決めた様々な方法により実現できる。
【0025】
上述した処理を行うことにより、タブレット端末1にて動画ファイルを再生している状態で、正面LCD12のタッチパネル機能の無効化を行った後に、タブレット端末1を年齢の幼い子供に手渡すことで、誤って操作されることを防ぎつつ使用することが可能となる。動画ファイルの再生終了後は、上述したようにタッチパネルの有効化を行い、通常状態に戻す。
【0026】
(他の実施の形態1)
図3に示した方法の場合、ホームボタン13等の物理的スイッチを実装するタブレット端末の場合、タッチパネル以外の入力操作による誤動作が想定されるため、更に強い制限をかける方法を以下に示す。
【0027】
図4は、図1及び図2に示したタブレット端末1の制御方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0028】
まず、正面LCD12に表示されたメニュー画面にある全操作無効スイッチ機能設定メニューを選択して、全操作無効スイッチ機能を有効にするか無効にするか設定する(ステップ21)。
【0029】
全操作無効スイッチ機能を有効にした場合(ステップ22)、ホームボタン13や電源ボタン14、スイッチ15を組み合わせた第1の操作により、タブレット端末1に対する全操作が無効化される。一例として、ホームボタン13と電源ボタン14を押しながらスイッチ15をOFFからONにした場合に全操作が無効化される(ステップ23)。
【0030】
その後、ホームボタン13と電源ボタン14を押しながらスイッチ15をONからOFFする等の第2の操作が行われると、タブレット端末1に対する全操作無効化が解除される(ステップ24)。
【0031】
また、全操作無効スイッチ機能が無効であった場合は、タブレット端末1に対する全操作が無効化されずに、通常動作が行なわれることになる(ステップ25)。
【0032】
なお、上述した物理的スイッチの組み合わせ操作は一例であり、使用するタブレット端末1や、使用者が任意に決めた様々な方法により実現できる。
【0033】
(他の実施の形態2)
一般に、電源ボタン14は、機器のフリーズや強制電源切断用に、ソフトウェア処理であれば比較的高い優先度で、また、ハードウェアであれば本体システムとは違う電源サブシステム内や本体システムの割り込みを使った比較的高い優先度で、それぞれ、長押しで電源をON/OFFできるように設計されている場合が多い。また、省電力のためにサスペンド操作用として短押しがアサインされている。
【0034】
そこで、電源ボタン14が所定時間以上押下された(長押し)場合に電源をON/OFFする電源制御手段を有する携帯端末においては、電源ボタン14が所定時間未満押下されて(短押し)離された場合にサスペンド動作を行い、また、電源ボタン14が長押しされている状態にて電源OFF動作を表示し、その状態から電源ボタン14が離された場合に電源OFF処理を開始し、また、電源ボタン14が長押しされている状態(電源OFF動作表示中)にて、スイッチ15を組み合わせた入力をおこなうことでタッチパネル機能の無効/解除処理を行うことが考えられる。
【0035】
ただし、スイッチ15の他にスイッチが1個以上(専用のロックスイッチ等)ある場合でも、電源ボタン14を先に長押しし、電源OFF動作表示中にスイッチ15とスイッチ15以外の設置されたスイッチを組み合わせた条件によるタッチパネル機能の無効/解除についても設定することができる。
【0036】
(他の実施の形態3)
電源ボタン14を長押し中に、タッチパネル機能を一時的に有効にして、正面LCD12に対して、所定時間内に予め設定した入力内容(ジェスチャー、図形入力等)が入力された場合、タッチパネル機能を有効化して正面LCD12のロック状態を解除することも考えられる。なお、この場合、電源OFF処理はされない。
【0037】
なお、上述した2つの他の実施の形態において、電源ボタン14が長押しされている状態においてスイッチ15やジェスチャー等を組み合わせた入力を行うことによってタッチパネル機能の無効化の解除を行う際は、必ずしも電源OFF処理の開始及びその表示を行う必要はない。
【0038】
また、電源ボタン14が長押しされた状態での上記無効化の解除のための操作は、必ずしも電源ボタン14が押された状態で所定時間以上経過する必要はない。電源ボタン14が押され、かつその後に無効化の解除のための操作が行われればタッチパネル機能の無効化を解除してもよいし、電源ボタン14が押され、または離されてから所定時間以内に無効化の解除のための操作が行われるかを待って、その操作が行われればタッチパネル機能の無効化を解除し、上記無効化の解除のための操作が行われない場合は短押し、または長押しそれぞれに割り当てられた動作を行ってもよい。なお、この場合の所定時間とは、長押し判定の時間と異なっても良い。つまり電源ボタン14を長押し、解放した後しばらくの間は、無効化の解除のための操作の待ち時間としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 タブレット端末
11 筐体
12 正面LCD
13 ホームボタン
14 電源ボタン
15 スイッチ
16 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル機能によって情報が入力される入力手段と、前記タッチパネル機能を無効化したり該無効化を解除したりする制御手段とを少なくとも有する携帯端末において、
前記携帯端末の動作を制御するための物理的スイッチを有し、
前記制御手段は、前記物理的スイッチに対する操作を含む第1の操作が行われた場合に前記タッチパネル機能を無効化し、前記物理的スイッチに対する操作を含む第2の操作が行われた場合に前記無効化を解除することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記物理的スイッチを複数有し、
前記制御手段は、前記複数の物理的スイッチを用いた前記第1の操作が行われた場合に前記タッチパネル機能を無効化し、前記複数の物理的スイッチを用いた前記第2の操作が行われた場合に前記無効化を解除する携帯端末。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記制御手段は、前記物理的スイッチに対する操作と前記入力手段に対する操作とによる前記第1の操作が行われた場合に前記タッチパネルを無効化し、前記物理的スイッチに対する操作と前記入力手段に対する操作とによる前記第2の操作が行われた場合に前記無効化を解除する携帯端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記制御手段は、前記物理的スイッチに対する操作を含む第1の操作が行われた場合に前記携帯端末に対する全操作を無効化し、前記物理的スイッチに対する操作を含む第2の操作が行われた場合に前記全操作無効化を解除する携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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