説明

播種済み育苗容器搬送方法および播種済み育苗容器搬送装置

【課題】小規模育苗作業における育苗容器の搬送が人手による手作業で行うため、重労働であるという課題がある。
【解決手段】育苗容器Aごと所定期間育苗する育苗器12と、該育苗器12の近傍所定位の重ね出し装置10の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて待機させ、播種済みの一枚目育苗容器Aの下に播種済みの二枚目育苗容器Aを受け入れ、受け入れた二枚目育苗容器Aに前記上下支持枠体27ごと一枚目育苗容器Aを下降させて上下二段に重ねて播種済み育苗容器Aを積み上げ、二段積み育苗容器Aを搬送用移送台11により、播種用移送台1により送り出される後続の二段積み育苗容器Aにより先行二段積み育苗容器Aを押して搬送用移送台11上を移動させて前記育苗器12にまで搬送し、前記搬送用移送台11の終端に搬送された播種済み育苗容器Aを育苗器12内に搬入して所定期間育苗する播種済み育苗容器搬送方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、播種済み育苗容器搬送方法および播種済み育苗容器搬送装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、育苗容器を移送する移送ロールを複数並設した移送台の上方に、床土供給装置と種子供給装置と覆土供給装置を設け、播種用移送台で播種済み育苗容器を積み上げ、10段ほど積み上げた育苗容器を、パレット上に押し出し、数百枚の育苗容器をフォークリフトにより運搬する構成は、公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−323828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、数百枚の育苗容器をフォークリフトにより運搬する構成のため、規模の大きな場合有効であるが、規模の小さい場合、コストが高くなるという課題がある。
播種済みの育苗容器は一枚当たり約7Kgもあり、規模の小さい場合でも、手作業での播種済みの育苗容器の運搬は非常な重労働となるが、播種済みの育苗容器は多くの場合所定期間育苗器で育苗するので、育苗器への搬入のため、この運搬の重労働は避けられない。
そこで、本願は、播種済み育苗容器の重ねる段数と運搬を簡便な方法で行えるように工夫し、播種育苗作業の設備も含めた全体コストを低くし、労働の軽減化を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、播種済み育苗容器Aを所定期間育苗する育苗器12と、該育苗器12の近傍所定位置に設置した播種用移送台1との間に重ね出し装置10および搬送用移送台11を設置し、播種用移送台1に空の育苗容器Aを供給して、播種用移送台1により移送中の育苗容器Aに上方から床土と水と種子と覆土を供給して播種し、播種用移送台1の終端から重ね出し装置10の早送り移送部15に播種済み育苗容器Aを受け渡し、重ね出し装置10の早送り移送部15にて受け渡された播種済み育苗容器Aを早送りして後続の播種済み育苗容器Aとの間に間隔を形成し、前記早送り移送部15に受け渡された育苗容器Aを受け入れる下側待機位置と播種済みの二枚目育苗容器Aの受入れ可能となる上側待機位置との間往復上下動する、重ね出し装置10の重ね出し用移送部16の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて支持して待機させ、この播種済みの一枚目育苗容器Aの下に播種済みの二枚目育苗容器Aを受け入れ、受け入れた播種済みの二枚目育苗容器Aに前記上下支持枠体27ごと播種済みの一枚目育苗容器Aを下降させて上下二段に重ね、上下二段に重ねた先行の二段積み育苗容器Aを移送手段24により搬送用移送台11の始端部に送り出して搬送用移送台11に受け渡し、先行の二段重ね育苗容器Aは重ね出し用移送部16から送り出された後続の二段重ね育苗容器Aにより押され、これを反復して、二段積み育苗容器Aを搬送用移送台11の終端まで移動させ、前記搬送用移送台11の終端に搬送された播種済み育苗容器Aを育苗器12内に搬入して所定期間育苗する播種済み育苗容器搬送方法としたものである。
請求項2の発明は、前記早送り移送部15の早送りベルト18は、早送り移送部15に受け渡された播種済み育苗容器Aを早送りして後続の播種済み育苗容器Aとの間に間隔を形成し、この一枚目育苗容器Aと二枚目育苗容器Aとの間の間隔を二枚目育苗容器Aが通過する間に、前記重ね出し用移送部16の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて支持して待機させ、前記二枚目育苗容器Aと三枚目育苗容器Aとの間の間隔を三枚目育苗容器Aが通過する間に、前記上下支持枠体27により持ち上げていた播種済みの一枚目育苗容器Aを下降させて二枚目育苗容器A上に重ね、次に、前記二段重ね育苗容器Aの搬出と三枚目育苗容器Aの重ね出し用移送部16への早送りとを行い、この作業を反復する播種済み育苗容器搬送方法としたものである。
請求項3の発明は、空の育苗容器Aを移送する播種用移送台1の上方に床土供給装置2と種子供給装置3と覆土供給装置4を設け、前記播種用移送台1の終端には播種済み育苗容器Aを上下二段に重ねる重ね出し装置10を設け、該重ね出し装置10の終端には播種済み育苗容器Aを搬入して所定期間育苗する育苗器12に搬送する搬送用移送台11の始端部を接続し、該搬送用移送台11は、フレーム60に自由回転の搬送ローラー62を複数並設し、前記重ね出し装置10から送り出された播種済み二段育苗容器Aが前記重ね出し装置10から送り出される後続の播種済み二段育苗容器Aにより押されて搬送用移送台11の終端まで搬送する構成とし、前記重ね出し装置10は、播種用移送台1の終端から受け渡された播種済み育苗容器Aを受け入れ前記搬送用移送台11に搬出する移送手段24と、該移送手段24の左右両側に上下往復自在に設けて播種済みの育苗容器Aを一旦持ち上げ待機させた先行育苗容器Aを、移送ベルト25に受け入れた後続育苗容器A上に下降させて先行育苗容器Aを後続育苗容器A上に二段重ねにする左右一対の上下支持枠体27とを設けて構成した播種済み育苗容器搬送装置としたものである。
請求項4の発明は、前記上下支持枠体27は、育苗容器Aを支持する支持位置と支持位置から退避する退避位置の間回動自在に設け、一旦持ち上げて待機させた先行播種済み育苗容器Aを、後続の播種済みの育苗容器Aに重ねて退避し、後続播種済み育苗容器Aを受け入れる受け入れ位置まで下降すると支持位置に復帰する構成とした播種済み育苗容器搬送装置としたものである。
請求項5の発明は、前記上下支持枠体27は、該上下支持枠体27を取付けた上下移動体35の前後方向の案内孔42に、前記育苗容器Aの移送方向と平行に回転するアーム44のローラ43を嵌合させてローラ43の円移動により上下する構成とした播種済み育苗容器搬送装置としたものである。
請求項6の発明は、前記重ね出し装置10の早送り移送部15には、播種用移送台1から受け入れた育苗容器Aを重ね出し用移送部16に早送りする早送りベルト18を設け、前記重ね出し用移送部16には早送り移送部15からの育苗容器Aを受け入れる移送ベルト25を設け、早送りベルト18と移送ベルト25は同一の移送用モータ23により駆動する構成とした播種済み育苗容器搬送装置としたものである。
請求項7の発明は、前記重ね出し装置10の前記重ね出し用移送部16には、少なくとも、重ね出し用移送部16の所定位置に育苗容器Aが進入したのを検出する進入検出スイッチ66と、上下支持枠体27により持ち上げた育苗容器Aが上側待機位置にまで上昇したのを検出する上方待機検出スイッチ67と、上側待機位置の先行育苗容器Aを後続の育苗容器Aに重なるまで上下支持枠体27が下降させたことを検出する下降検出スイッチ68とを設け、前記進入検出スイッチ66が育苗容器Aを検出すると、移送用モータ23への通電を切って、積み上げ用モーター18に通電する構成とし、もって、移送用モータ23は、早送りベルト18および移送ベルト25を同時に駆動して、先行育苗容器Aを前記上下支持枠体27により上方に持ち上げるための後続の育苗容器Aとの間に間隔を形成すると共に、上下支持枠体27により二段に重ねた育苗容器Aの前記搬送用移送台11への搬出と該二段重ね育苗容器Aの後続育苗容器Aの重ね出し用移送部16への早送りとを行う構成とした播種済み育苗容器搬送装置としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、播種用移送台1と重ね出し装置10と搬送用移送台11とを設置するだけで、播種用移送台1の始端部で空の育苗容器Aを播種用移送台1に供給する作業者と、搬送用移送台11の終端で育苗器12に育苗容器Aを搬入する作業者の二人で作業を行うことができ、人件費を低くでき、それゆえ、小規模な作業場においても、コストを掛けず、連続播種作業を行って、播種作業に要する作業時間を短縮し、しかも、重い播種済み二段育苗容器Aの運搬作業から解放され、供給作業者と搬入作業者の二人作業も可能となって、人件費を低くできる。
また、上下支持枠体27は育苗容器Aを一旦持ち上げて二枚目育苗容器Aの上に降ろして上下二段に重ねるので、動きに無駄が無く、円滑且つ確実に作業を行うことができる。
請求項2の発明では、先行育苗容器Aと後続育苗容器Aとの間に早送りすることにより稼いだ時間を利用して、育苗容器Aの持ち上げと、持ち上げた育苗容器Aの下降と、重ねた育苗容器Aの搬出を行えるので、動きに無駄が無く、円滑且つ確実に作業を行うことができる。
請求項3の発明では、播種用移送台1と重ね出し装置10と搬送用移送台11とを設置するだけで、播種用移送台1の始端部で空の育苗容器Aを播種用移送台1に供給する作業者と、搬送用移送台11の終端で育苗器12に育苗容器Aを搬入する作業者の二人で作業を行うことができ、人件費を低くでき、それゆえ、小規模な作業場においても、コストを掛けず、連続播種作業を行って、播種作業に要する作業時間を短縮し、しかも、重い播種済み二段育苗容器Aの運搬作業から解放され、供給作業者と搬入作業者の二人作業も可能となって、人件費を低くできる。
また、上下支持枠体27は育苗容器Aを一旦持ち上げて二枚目育苗容器Aの上に降ろして上下二段に重ねるので、動きに無駄が無く、円滑且つ確実に作業を行うことができる。
請求項4の発明では、上下支持枠体27は、一旦持ち上げて待機させた先行播種済み育苗容器Aを、後続の播種済みの育苗容器A上に重ねるとき退避し、後続播種済み育苗容器Aを受け入れる受け入れ位置まで下降すると支持位置に復帰するので、一旦持ち上げた育苗容器Aを下方の育苗容器Aの上に降ろし上下二段に重ねる重ね出し作業に無駄が無く、円滑且つ確実に作業を行うことができる。
請求項5の発明では、上下支持枠体27を上下させる作動機構を、育苗容器Aの移送方向と平行に移動させて行うことができるので、構成および作動スペースをコンパクトにすることができ、設置スペースおよび作業スペースをコンパクトにすることができる。
請求項6の発明では、先行育苗容器Aと後続育苗容器Aとの間に早送りすることにより稼いだ時間を利用して、育苗容器Aの持ち上げと、持ち上げた育苗容器Aの下降と、重ねた育苗容器Aの搬出を行え、しかも、早送りベルト18と移送ベルト25は同一の移送用モータ23により駆動するので、構成を簡素にでき、円滑且つ確実に作業を行うことができる。
請求項7の発明では、移送用モータ23と重ね用モータ28とを円滑に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】播種済み育苗容器搬送装置の概略図。
【図2】重ね出し装置の概略側面図。
【図3】同概略正面図。
【図4】同概略正面図。
【図5】同拡大正面図。
【図6】同二段重ね状態概略正面図。
【図7】上下支持枠体の概略斜視図。
【図8】同支持状態の概略斜視図。
【図9】同退避状態の概略斜視図。
【図10】先行育苗容器の受け入れ状態側面図。
【図11】先行育苗容器の上昇開始前状態側面図。
【図12】先行育苗容器の上方待機状態側面図。
【図13】後続育苗容器の受け入れおよび先行育苗容器の下降開始状態側面図。
【図14】先行育苗容器の重ね合わせ状態側面図。
【図15】二段重ね育苗容器搬出状態側面図。
【図16】先行育苗容器の受け入れから二段重ね育苗容器搬出までの概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は育苗容器Aに床土と種子と覆土を供給を移送する播種用移送台であり、播種用移送台1の上方始端部側には移送中の育苗容器Aに床土を供給する床土供給装置2を設け、床土供給装置2の移送方向下手側には移送中の育苗容器Aに種子を供給する種子供給装置3を設け、種子供給装置3の移送方向下手側には移送中の育苗容器Aに覆土を供給する覆土供給装置4等を設けている。
即ち、播種用移送台1上には、前記床土供給装置2等の他に、床土を均平する回転ブラシや灌水装置を設け、移送中の育苗容器Aに播種するように構成されていればよい。
【0009】
播種用移送台1の終端には、重ね出し装置10を設ける。重ね出し装置10は、播種された育苗容器Aを上下二段重ねにし、二段重ねにした育苗容器Aを搬送用移送台11により育苗器(育苗ハウス)12まで搬送し、播種済み二段育苗容器Aを育苗器12に搬入して所定期間育苗する。
したがって、小規模な圃場に移植する苗を得るための播種作業と育苗作業を連続して行え、省力化を図る。
前記重ね出し装置10は、前記播種用移送台1の終端に接続する早送り移送部15早送り移送部15と早送り移送部15に続く重ね出し用移送部16とを有する。
早送り移送部15には、早送り手段17を設ける。早送り手段17はローラーあるいはベルトにより構成し、実施例では左右一対の早送りベルト18により構成している。
【0010】
早送りベルト18は前後一対のプーリー(図示省略)に掛け回し、移送方向下手側(前側)のプーリーの回転軸21には歯車22を設ける。歯車22には移送用モータ23の駆動力を伝達する。
前記重ね出し用移送部16には、前記搬送用移送台11へ二段重ねした育苗容器Aを移送させる移送手段24を設ける。移送手段24はローラーあるいはベルトにより構成し、実施例では左右一対の移送ベルト25および移送ローラ25Aにより構成している。
前記早送りベルト18は移送用モータ23により駆動回転し、先行の育苗容器Aを早送り移送して、後続の育苗容器Aとの間に間隔を形成させ、先行の育苗容器Aとの間の間隔を後続の育苗容器Aが通過する間に、後述する上下支持枠体27を重ね用モータ28により駆動して、先行育苗容器Aを上方に持ち上げて待機させる。
【0011】
即ち、前記早送り移送部15の早送りベルト18は、早送り移送部15に受け渡された播種済み育苗容器Aを早送りして後続の播種済み育苗容器Aとの間に間隔を形成し(図16イ)、この一枚目育苗容器Aと二枚目育苗容器Aとの間の間隔を二枚目育苗容器Aが通過する間に、前記重ね出し用移送部16の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて支持して待機させ、前記二枚目育苗容器Aと三枚目育苗容器Aとの間の間隔を三枚目育苗容器Aが通過する間に、前記上下支持枠体27により持ち上げていた播種済みの一枚目育苗容器Aを二枚目育苗容器A上に重ね(図16ハ)、次に、前記二段重ね育苗容器Aの搬出と三枚目育苗容器Aの早送りとを行い(図16ニ)、この作業を反復する。
【0012】
したがって、先行の育苗容器Aと後続の育苗容器Aとの間の間隔は、先行育苗容器Aの上昇に要する時間と、先行育苗容器Aの下降に要する時間より長く設定し、二段重ねする(なお、図16の各図は概略を示すものであり、図16に示された先行の育苗容器Aと後続の育苗容器Aとの間の間隔の構成に限定されない)。
育苗容器Aを上方に持ち上げる構成は、左右一対の上下支持枠体27により構成する。上下支持枠体27は前後に取付部30を有し、取付部30を縦板部31により連結する。縦板部31には円弧部32に続いて略水平の支持部33を設ける。
そのため、縦板部31と円弧部32と支持部33により、上下支持枠体27の剛性を向上させている。
上下支持枠体27は、その取付部30を上下移動体35の前後一対の取付腕部36に軸37により回動自在に取付ける。上下移動体35は重ね出し用移送部16のフレーム38に設けた縦の一対の支持軸39に上下摺動自在に取付ける。左右の上下移動体35の縦板部40には育苗容器Aの移送方向に長い案内孔42を夫々形成する。案内孔42には軸心が左右方向のローラ43を夫々嵌合させる。ローラ43はアーム44の先端に回転自在に左右方向の軸45により軸装する。
【0013】
各アーム44の基部は重ね出し用移送部16のフレーム38の縦フレーム46に左右方向の軸47により軸装し、軸47には歯車48を設ける。各歯車48には左右方向の中間軸49に設けた中間歯車50との間にチェン51を掛け回す。前記中間軸49の左右何れか一方には従動歯車52を設け、従動歯車52には前記重ね用モータ28の出力歯車53の間にチェン54を掛け回す。
中間軸49は、上下二段に積み上げた育苗容器Aの上面より上方に位置するように、重ね出し用移送部16のフレーム38に軸装する。
55は左右一対の受板であり、軸56に上下動自在に取付ける。57は受板55を常時上動するように付勢するバネである。バネ57は、一枚の育苗容器Aは支持するが、二段重ねの育苗容器Aが載ると受板55を下降させる弾力に構成している。
58は上下支持枠体27が通過する受板55に形成した透孔である。
【0014】
即ち、受板55は、上方の受け入れ位置のとき育苗容器Aを受け入れ、一枚目の育苗容器Aを下降させて二段重ねにすると、下降して二段重ねの育苗容器Aを移送手段24上に載置する。
重ね用モータ28に通電すると、ローラ43とアーム44は育苗容器Aの移送方向に対して交差方向を軸心として回転し、この回転運動をローラ43と上下移動体35の案内孔42により上下運動に変換させるので、小さい作動スペースで上下支持枠体27を上下させられる。
【0015】
上下支持枠体27は、図10のように、受板55より下方に待機し、受板55上の育苗容器Aの底面に当接し、そのまま育苗容器Aを持ち上げ、一旦育苗容器Aが持ち上げられた状態で、下方の受板55上に次の育苗容器Aを受け入れ、持ち上げてある育苗容器Aを受け入れた後続の育苗容器A上に下降させると、退避して、二段重ねにする。
二段に育苗容器Aが重ねられると、移送ベルト25は上下二段に重ねた育苗容器Aを搬送用移送台11に移送(搬出)し、上下支持枠体27は自重で退避位置から支持位置に復帰する。
搬送用移送台11は、左右一対のフレーム60に支脚61を所定間隔を置いて複数設け、育苗器12と播種用移送台1との間に設置する。フレーム60には複数の搬送ローラー(図示省略)を所定間隔置いて複数設ける。搬送ローラーは全て自由回転とし、駆動回転させない。
【0016】
また、搬送用移送台11は、所定長さのものを複数用意し、播種用移送台1と育苗器(育苗ハウス)12までの距離により複数の搬送用移送台11を接続しても良い。
しかして、重ね出し装置10は、前記したように、前記早送り移送部15の早送りベルト18が、早送り移送部15に受け渡された播種済み育苗容器Aを早送りして後続の播種済み育苗容器Aとの間に間隔を形成し、この一枚目育苗容器Aと二枚目育苗容器Aとの間の間隔を二枚目育苗容器Aが通過する間に、前記重ね出し用移送部16の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて支持して待機させ、前記二枚目育苗容器Aと三枚目育苗容器Aとの間の間隔を三枚目育苗容器Aが通過する間に、前記上下支持枠体27により持ち上げていた播種済みの一枚目育苗容器Aを二枚目育苗容器A上に重ね、次に、前記二段重ね育苗容器Aの搬出と三枚目育苗容器Aの早送りとを同時に行い、この作業を反復する(図16)。
【0017】
この作業を行う移送用モータ23と積み上げ用モーター18は、重ね出し装置10に設けた各検出手段であるスイッチにより入切制御を行う。
この各スイッチの配置構成は任意であるが、一例を示すと、重ね出し用移送部16の待機位置にある受板55上の所定位置まで育苗容器Aが侵入すると、この侵入を検出する進入検出スイッチ66を重ね出し用移送部16のフレーム16に設ける。
即ち、前記早送り移送部15の移送用モータ23は、重ね出し作業開始前には通電し、早送り手段17の早送りベルト18を駆動させている。
したがって、播種用移送台1から重ね出し装置10の早送り移送部15に育苗容器Aが乗り移ると、この先行育苗容器Aを早送りし、後続の育苗容器Aとの間に間隔を形成し、この早送りされた育苗容器Aが待機位置の受板55上の所定位置まで侵入して、進入検出スイッチ66に接触すると、移送用モータ23を一旦停止させる(図11)。
【0018】
また、進入検出スイッチ66に先行育苗容器Aが接触すると、積み上げ用モーター18に通電し、上下支持枠体27により育苗容器Aを次の育苗容器Aが侵入しうる高さまで上昇させる(図11、図12)。
前記重ね出し用移送部16の所定位置には、先行育苗容器Aが後続の育苗容器Aが侵入しうる高さまで上昇したことを上方待機検出スイッチ67を設ける(図12)。
また、重ね出し用移送部16のフレーム38の所定位置には、前記待機高さ位置より下方に受板55および上下支持枠体27が下降して、移送手段24上に二段重ね育苗容器Aが載置されると、接触する下降検出スイッチ68を設ける。
上下支持枠体27は下降検出スイッチ68に接触すると、下降移動から上昇移動に転じ、待機高さ位置(受板55の上動位置)にまで上昇して下方待機検出スイッチ69に接触する。
【0019】
即ち、上下支持枠体27は、アーム44のローラ43が軸47中心に円移動することにより上下し、この上下支持枠体27とローラ43の位置関係を説明すると、ローラ43が最下降位置より僅かに上昇した位置を、上下支持枠体27が育苗容器Aを受け入れる下方待機位置とし(図10)、受け入れ位置の受板55より僅かに下方に位置させ、この下方待機位置の上下支持枠体27に前記下方待機検出スイッチ69が接触するように配置する。
したがって、図10のように、下方待機検出スイッチ69のみが接触しているとき、育苗容器Aが無い下方待機状態となる。
【0020】
次に、前記したように、早送り移送部15に育苗容器Aが乗り移って早送りされた育苗容器Aが待機位置の受板55上の所定位置まで侵入すると、この侵入を検出する進入検出スイッチ66に接触し(図11)、移送用モータ23を一旦停止させ、重ね用モータ28に通電し、アーム44とローラ43は図10から図12のように反時計回転して上下支持枠体27を上昇させ、育苗容器Aが上方待機検出スイッチ67に接触すると、重ね用モータ28への通電を一旦切りにする。
このとき、上下支持枠体27を上昇させて先行育苗容器Aが進入検出スイッチ66から離れると、一旦停止させていた移送用モータ23に通電し、後続育苗容器Aを早送りする(図11から図12への先行育苗容器Aの上昇中)。
【0021】
次に、進入検出スイッチ66が受板55へ上下二段のうちの下段となる後続(二枚目)の育苗容器Aの進入を検知すると、上方待機検出スイッチ67と進入検出スイッチ66とが同時に接触し、重ね用モータ28に再通電し、アーム44とローラ43を反時計回転させて上下支持枠体27を下降させる。
このとき、上下支持枠体27は下方待機位置で下方待機検出スイッチ69に接触するが、更にアーム44および上下支持枠体27は下降し、上下支持枠体27が下降検出スイッチ68に接触する。
【0022】
したがって、進入検出スイッチ66と下降検出スイッチ68と下方待機検出スイッチ69とが同時に接触するので、重ね用モータ28の回転を停止させ、同時に、移送用モータ23に通電して、二段重ねした育苗容器Aを搬送用移送台11へ搬出する。
二段重ね育苗容器Aが搬出されると、重ね用モータ28へ再通電して、最下方位置にあるローラ43が待機位置まで上昇回転させ、下降検出スイッチ68から上下支持枠体27が離脱して待機高さになって、重ね用モータ28への通電を切断する。
なお、前記早送り移送部15には、育苗容器Aの乗り移りを検出する乗り移り検出スイッチ65を設け、前記進入検出スイッチ66と下降検出スイッチ68と下方待機検出スイッチ69とが同時に接触した状態で、乗り移り検出スイッチ65が早送り移送部15への育苗容器Aの乗り移りを検知したときは、播種用移送台1の全ての作動を停止させる。
【0023】
(実施例の作用)
播種済み育苗容器Aを所定期間育苗する育苗器12の近傍所定位置に播種用移送台1を設置し、播種用移送台1の終端に重ね出し装置10の早送り移送部15の始端部を接続し、重ね出し装置10の重ね出し用移送部16の終端に搬送用移送台11の始端部を接続し、搬送用移送台11の終端を育苗器12の搬入口近傍に設置する。
次に、播種用移送台1の始端部に空の育苗容器Aを供給し、移送中の育苗容器Aは床土供給装置2の下方で床土の供給を受け、灌水され、種子供給装置3の下方で種子の供給を受け、覆土供給装置4の下方で覆土の供給を受ける。
【0024】
播種されて播種用移送台1の終端に移送された育苗容器Aは、重ね出し装置10の早送り移送部15の早送りベルト18に乗り移り、既に通電されている移送用モータ23により早送りベルト18を駆動させて育苗容器Aを早送り移送し、後続の育苗容器Aとの間に間隔を形成させる。
早送りベルト18により一枚目の育苗容器Aが受板55上に乗り移って重ね出し用移送部16に進入すると、育苗容器Aが進入検出スイッチ66に接触し、重ね用モータ28に通電して、上下支持枠体27を上昇させる。
このとき、育苗容器Aと進入検出スイッチ66との接触により移送用モータ23は一旦停止させておく。
【0025】
上下支持枠体27が一枚目の育苗容器Aを所定高さまで上昇させると、育苗容器Aが上方待機検出スイッチ67に接触し、積み上げ用モーター18への通電を一旦切り、同時に移送用モータ23に再通電する。
一枚目の育苗容器Aが上下支持枠体27により支持されている間に、後続の二枚目育苗容器Aが重ね出し装置10の早送り移送部15の早送りベルト18に乗り移って、早送りベルト18により二枚目の育苗容器Aが重ね出し用移送部16の受板55上に進入して進入検出スイッチ66に接触すると、重ね用モータ28に通電して、上下支持枠体27の下降開始する。
【0026】
なお、厳密に詳述すると 一枚目の育苗容器Aが上下支持枠体27により上昇開始して、育苗容器Aが進入検出スイッチ66から離れて非接触状態となると、移送用モータ23に再通電し、一枚目の育苗容器Aの上昇時間も後続育苗容器Aとの間隔に算入でき、作業効率を向上させている。
次に、上下支持枠体27の下降により二枚目の育苗容器Aの上方に一枚目の育苗容器Aが重ねると、受板55と二段重ね育苗容器Aと上下支持枠体27が下方待機検出スイッチ69に接触し、更に受板55と二段重ね育苗容器Aと上下支持枠体27が下降して下降検出スイッチ68に接触すると、積み上げ用モーター18への通電を切り、上下二段重ねが終了する。
【0027】
このとき、下段の二枚目の育苗容器Aは進入検出スイッチ66に接触しているので、移送用モータ23は停止状態であり、受板55と二段重ね育苗容器Aと上下支持枠体27の更なる下降により下降検出スイッチ68に接触すると、二段重ね育苗容器Aは移送手段24上に載置されており、進入検出スイッチ66と下降検出スイッチ68と下方待機検出スイッチ69の全てが接触し、積み上げ用モーター18への通電を切ると共に、移送用モータ23に通電して、重ね出し用移送部16から搬送用移送台11へ二段重ね育苗容器Aを搬出し、同時に、早送り移送部15からの三枚目の後続育苗容器Aを早送りする。
【0028】
このように、播種用移送台1にて播種された播種済み育苗容器Aは上記作動を反復して上下二段に積み上げられ、搬出される。
したがって、一枚目の育苗容器Aへの二枚目の育苗容器Aの二段重ねおよび二段重ね育苗容器Aの搬出は、早送りベルト18による早送りで生じる後続の育苗容器Aとの間の間隔を、後続の育苗容器Aが移動する間に行う。
また、上下支持枠体27は、アーム44とローラ43を一回転させることにより、育苗容器Aを上昇させてから下降させるので、制御を容易に且つ確実にし、また、各スイッチの配置の設定も容易となる。
なお、上下支持枠体27は、前後の取付部30を上下移動体35の前後一対の取付腕部36に軸37により回動自在に取付けているので、上下支持枠体27の下降により二枚目の育苗容器Aの上方に一枚目の育苗容器Aを重ねると、上下支持枠体27は二枚目の育苗容器Aの側壁正面に当たって退避し、退避状態で下降し、上下支持枠体27が下段の育苗容器Aの下面を通過すると、支持位置に自重回動して復帰する。
【0029】
また、播種用移送台1から移送された播種済み育苗容器Aが受板55上に乗り移って進入検出スイッチ66に接触し、重ね用モータ28に通電して、受板55を下方に残して上下支持枠体27は受板55よりも下方位置から上昇して育苗容器Aの下面に当接し、受板55は下方に残して、そのまま、上下支持枠体27は育苗容器Aを上昇させる。
そのため、上下支持枠体27による播種済み育苗容器Aの下面の支持の確実性を向上させている。
【0030】
上下支持枠体27が保持している一枚目の育苗容器Aの下方の受板55に、二枚目の育苗容器Aが進入すると、受板55により支持され、更に、進入して進入検出スイッチ66に接触し、重ね用モータ28に通電して、上下支持枠体27の下降を開始する。
上下支持枠体27の下降により二枚目の育苗容器Aの上方に一枚目の育苗容器Aが重なると、上下支持枠体27は二枚目の育苗容器Aの側壁上面に接触して退避位置に回動する。
【0031】
そして、受板55を上方付勢しているバネ57の弾力は二枚の育苗容器Aを支持できない設定としているので、二枚目の育苗容器Aの上方に一枚目の育苗容器Aが重なると、受板55は二段重ねの育苗容器Aを下降させ、下方待機検出スイッチ69に接触し、更に二段重ねの育苗容器Aが下降して、移送手段24の移送ベルト25および移送ローラ25A上に載置されると、下降検出スイッチ68に接触し、積み上げ用モーター18への通電を切り、上下二段重ねが終了し、移送用モータ23に通電して、重ね出し用移送部16から搬送用移送台11へ二段重ね育苗容器Aを搬出する。
【0032】
このように、受板55は二段に育苗容器Aを重ねたときのみ移送手段24の移送ベルト25および移送ローラ25A上に載置するので、作動が確実にできる。
したがって、


しかして、上記作動を反復して上下二段に積み上げられ、搬送用移送台11に送り出され、搬送用移送台11に送り出された二段重ね育苗容器Aは、搬送用移送台11により育苗器12まで搬送し、播種済み育苗容器Aを育苗器12に搬入する。
この場合、搬送用移送台11は、左右一対のフレーム60に支脚61を所定間隔を置いて複数設け、育苗器12と播種用移送台1との間に設置し、フレーム60には複数の搬送ローラー62を所定間隔置いて複数設け、該搬送ローラー62は全て自由回転とし、駆動回転させないので、重ね出し用移送部16の25により搬出された播種済み二段育苗容器Aにより先行する播種済み二段重ね育苗容器Aを押し、播種済み二段重ね育苗容器Aは順に送られて、搬送用移送台11の終端に至る。
【0033】
搬送用移送台11の終端まで送られた播種済み育苗容器Aを育苗器12に搬入して所定期間育苗する。
したがって、搬送用移送台11は一切の駆動装置を不要とし、極めて軽量に構成することができる。
そのため、搬送用移送台11の設置は容易であり、播種用移送台1の設置場所と育苗器12の設置場所の選択範囲を広げることができ、播種育苗作業全般を容易にする。
【0034】
また、播種用移送台1により播種された播種済み育苗容器Aは、そのまま、重ね出し装置10で自動的に上下二段に積み上げられ、積み上げが終わると、搬送用移送台11により自動的に育苗器12まで搬送されるので、重い播種済み育苗容器Aの運搬作業から解放され、播種・育苗作業の軽減化を向上させる。
また、搬送用移送台11は、早送り手段により育苗容器Aを早送りするものの、重ね出し装置10から送り出された後続育苗容器Aにより先行育苗容器Aを搬送できる。
したがって、播種用移送台1と重ね出し装置10と搬送用移送台11を設置すると、播種用移送台1の始端部で空の育苗容器Aを播種用移送台1に供給する作業者と、搬送用移送台11の終端で育苗器12に育苗容器Aを搬入する作業者の二人で作業を行うことができ、人件費を低くできる。
【0035】
それゆえ、小規模な作業場においても、コストを掛けず、連続播種作業を行って、播種作業に要する作業時間を短縮し、しかも、重い播種済み育苗容器Aの運搬作業から解放され、供給作業者と搬入作業者の二人作業も可能となって、人件費を低くできる。
【符号の説明】
【0036】
1…播種用移送台、2…床土供給装置、3…種子供給装置、4…覆土供給装置、10…積み出し装置、11…搬送用移送台、12…育苗器(育苗ハウス)、15…早送り移送部、16…重ね出し用移送部、17…早送り手段、18…早送りベルト、21…回転軸、22…歯車、23…移送用モータ、24…移送手段、25…移送ベルト、27…上下支持枠体、28…重ね用モータ、30…取付部、31…縦板部、32…円弧部、33…支持部、35…上下移動体、36…取付腕部、37…軸、39…支持軸、42…案内孔、43…ローラ、44…アーム、45…軸、46…縦フレーム、47…軸、48…歯車、49…中間軸、50…中間歯車、51…チェン、52…従動歯車、53…出力歯車、54…チェン、60…フレーム、61…支脚、65…乗り移り検出スイッチ、66…進入検出スイッチ、67…上方待機検出スイッチ、68…下降検出スイッチ、69…下方待機検出スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
播種済み育苗容器Aを所定期間育苗する育苗器12と、該育苗器12の近傍所定位置に設置した播種用移送台1との間に重ね出し装置10および搬送用移送台11を設置し、播種用移送台1に空の育苗容器Aを供給して、播種用移送台1により移送中の育苗容器Aに上方から床土と水と種子と覆土を供給して播種し、播種用移送台1の終端から重ね出し装置10の早送り移送部15に播種済み育苗容器Aを受け渡し、重ね出し装置10の早送り移送部15にて受け渡された播種済み育苗容器Aを早送りして後続の播種済み育苗容器Aとの間に間隔を形成し、前記早送り移送部15に受け渡された育苗容器Aを受け入れる下側待機位置と播種済みの二枚目育苗容器Aの受入れ可能となる上側待機位置との間往復上下動する、重ね出し装置10の重ね出し用移送部16の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて支持して待機させ、この播種済みの一枚目育苗容器Aの下に播種済みの二枚目育苗容器Aを受け入れ、受け入れた播種済みの二枚目育苗容器Aに前記上下支持枠体27ごと播種済みの一枚目育苗容器Aを下降させて上下二段に重ね、上下二段に重ねた先行の二段積み育苗容器Aを移送手段24により搬送用移送台11の始端部に送り出して搬送用移送台11に受け渡し、先行の二段重ね育苗容器Aは重ね出し用移送部16から送り出された後続の二段重ね育苗容器Aにより押され、これを反復して、二段積み育苗容器Aを搬送用移送台11の終端まで移動させ、前記搬送用移送台11の終端に搬送された播種済み育苗容器Aを育苗器12内に搬入して所定期間育苗する播種済み育苗容器搬送方法。
【請求項2】
請求項1において、前記早送り移送部15の早送りベルト18は、早送り移送部15に受け渡された播種済み育苗容器Aを早送りして後続の播種済み育苗容器Aとの間に間隔を形成し、この一枚目育苗容器Aと二枚目育苗容器Aとの間の間隔を二枚目育苗容器Aが通過する間に、前記重ね出し用移送部16の上下支持枠体27により播種済みの一枚目育苗容器Aを一旦持ち上げて支持して待機させ、前記二枚目育苗容器Aと三枚目育苗容器Aとの間の間隔を三枚目育苗容器Aが通過する間に、前記上下支持枠体27により持ち上げていた播種済みの一枚目育苗容器Aを下降させて二枚目育苗容器A上に重ね、次に、前記二段重ね育苗容器Aの搬出と三枚目育苗容器Aの重ね出し用移送部16への早送りとを行い、この作業を反復する播種済み育苗容器搬送方法。
【請求項3】
空の育苗容器Aを移送する播種用移送台1の上方に床土供給装置2と種子供給装置3と覆土供給装置4を設け、前記播種用移送台1の終端には播種済み育苗容器Aを上下二段に重ねる重ね出し装置10を設け、該重ね出し装置10の終端には播種済み育苗容器Aを搬入して所定期間育苗する育苗器12に搬送する搬送用移送台11の始端部を接続し、該搬送用移送台11は、フレーム60に自由回転の搬送ローラー62を複数並設し、前記重ね出し装置10から送り出された播種済み二段育苗容器Aが前記重ね出し装置10から送り出される後続の播種済み二段育苗容器Aにより押されて搬送用移送台11の終端まで搬送する構成とし、前記重ね出し装置10は、播種用移送台1の終端から受け渡された播種済み育苗容器Aを受け入れ前記搬送用移送台11に搬出する移送手段24と、該移送手段24の左右両側に上下往復自在に設けて播種済みの育苗容器Aを一旦持ち上げ待機させた先行育苗容器Aを、移送手段24に受け入れた後続育苗容器A上に下降させて先行育苗容器Aを後続育苗容器A上に二段重ねにする左右一対の上下支持枠体27とを設けて構成した播種済み育苗容器搬送装置。
【請求項4】
請求項3において、前記上下支持枠体27は、育苗容器Aを支持する支持位置と支持位置から退避する退避位置の間回動自在に設け、一旦持ち上げて待機させた先行播種済み育苗容器Aを、後続の播種済みの育苗容器Aに重ねて退避し、後続播種済み育苗容器Aを受け入れる受け入れ位置まで下降すると支持位置に復帰する構成とした播種済み育苗容器搬送装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4において、前記上下支持枠体27は、該上下支持枠体27を取付けた上下移動体35の前後方向の案内孔42に、前記育苗容器Aの移送方向と平行に回転するアーム44のローラ43を嵌合させてローラ43の円移動により上下する構成とした播種済み育苗容器搬送装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4または請求項5において、前記重ね出し装置10の早送り移送部15には、播種用移送台1から受け入れた育苗容器Aを重ね出し用移送部16に早送りする早送りベルト18を設け、前記重ね出し用移送部16には早送り移送部15からの育苗容器Aを受け入れる移送ベルト25を設け、早送りベルト18と移送ベルト25は同一の移送用モータ23により駆動する構成とした播種済み育苗容器搬送装置。
【請求項7】
請求項6において、前記重ね出し装置10の前記重ね出し用移送部16には、少なくとも、重ね出し用移送部16の所定位置に育苗容器Aが進入したのを検出する進入検出スイッチ66と、上下支持枠体27により持ち上げた育苗容器Aが上側待機位置にまで上昇したのを検出する上方待機検出スイッチ67と、上側待機位置の先行育苗容器Aを後続の育苗容器Aに重なるまで上下支持枠体27が下降させたことを検出する下降検出スイッチ68とを設け、前記進入検出スイッチ66が育苗容器Aを検出すると、移送用モータ23への通電を切って、積み上げ用モーター18に通電する構成とし、もって、移送用モータ23は、早送りベルト18および移送ベルト25を同時に駆動して、先行育苗容器Aを前記上下支持枠体27により上方に持ち上げるための後続の育苗容器Aとの間に間隔を形成すると共に、上下支持枠体27により二段に重ねた育苗容器Aの前記搬送用移送台11への搬出と該二段重ね育苗容器Aの後続育苗容器Aの重ね出し用移送部16への早送りとを行う構成とした播種済み育苗容器搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−135216(P2012−135216A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287806(P2010−287806)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000132219)株式会社スズテック (25)
【Fターム(参考)】