説明

改善された金合金電解質

【課題】改善された輝きおよび色の一様性を有する堆積物をもたらす、カドミウムを含まない金合金電解質の提供。
【解決手段】金合金を堆積させるための組成物および方法が開示される。組成物は、特定のジチオカルボン酸およびこれらの塩およびエステルと、メルカプト基含有化合物を含み、一様な色を呈する輝いた金合金堆積物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金合金を堆積させるための改善された電解質を対象とするものである。より詳細には、本発明は、イオウを含有する有機化合物の特定の組合せを含み、改善された輝きおよび色の一様性を呈する金合金堆積物を提供する、金合金を堆積させるための改善された電解質を対象とするものである。
【背景技術】
【0002】
金合金は、長年にわたり、一般的には時計のケース、時計のバンド、眼鏡のフレーム、筆記用具、宝飾品上に、ならびに様々な他の物品上に堆積させられてきた。例えば、これらの用途で最もよく使用されてきた電気メッキ金合金は、金−銅−カドミウムであった。しかし、カドミウムは非常に有毒な金属であるため、電気メッキ業界は、低減された毒性レベルを有する代替物を探し求めてきた。無毒であることに加え、そのようなカドミウム代替物を用いて生産される金合金堆積物は、以下の物理的特徴を備えていなければならない:
1.堆積物は、要求されている通りの色を有していなければならない。通常、これらの色は、スイス基準(Swiss standard)「1−5N」(特定の黄白色からピンクまでの範囲にわたる金合金)であり、「2N」イエローグレードが好適である。
2.堆積物は、メッキ後に更なる研磨を必要としないような輝きを有していなければならない。20ミクロン程の高さの厚みを有する堆積物であっても、この輝きの程度が維持されなければならない。
3.メッキ浴は、素地金属における極めて小さな欠陥が平坦化または被覆されるような平滑化を示す堆積物を作り出さなければならない。
4.堆積物のカラットが求められるはずである。これらのカラットは、一般的に、12から18までであり、50〜75%の金である。
5.すべての堆積物は適度の延性を有していなければならず、20ミクロン程の高さの厚みを有する場合であっても、要求される延性試験に合格することができなければならない。
6.堆積物は耐食性を有しているべきであり、要求される耐食性試験に合格することができなければならない。
【0003】
上述のすべての必要条件を容易に満たすことができる方法で、カドミウムを含有しない合金を堆積させるべく、これまでに数多くの試みがなされてきた。しかし、どれも、上で説明されている望ましい特性を備えた堆積物を生成することができる、商業的に許容可能なメッキ浴をもたらさなかった。カドミウム金属の毒性は、多くの産業におけるカドミウムの使用を排除するための、多くの権限による法的措置を招いた。従って、産業界にとっては、カドミウムを含有する金合金の代替物を見出すことが非常に望ましい。
【特許文献1】米国特許第5,256,275号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米国特許第5,256,275号は、カドミウムを排除した金合金電解質を開示している。この金合金は、金、銀および銅を含む。水溶性の金、銀および銅塩に加え、合金を電気メッキするための電解質は、様々な有機イオウ化合物、例えばチオ尿素、チオバルビツル酸、イミダゾリジンチオン、チオリンゴ酸、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウムおよびイソチオシアン酸ナトリウムを含み得る。金−銀−銅合金は、上で述べられている望ましい特性のうちの幾つかに対応している。それは、多くの場合、同等の厚みおよびカラットにおいて、カドミウムを伴う金合金よりもより輝きのある堆積物をもたらす。この米国特許第5,256,275号特許の金合金は、カドミウムを含有した金合金を上回る改良ではあるが、尚も、許容可能なメッキ速度において改善された輝きおよび色の一様性を有する堆積物をもたらす、カドミウムを含まない金合金電解質を見出すことに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
組成物は、一以上の金イオン源と、一以上の銀イオン源と、一以上の銅イオン源と、メルカプト−テトラゾールおよびメルカプト−トリアゾールならびにそれらの塩から選択される一以上の化合物と、ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルと、を含む。金属塩およびイオウ含有有機化合物に加え、組成物は、これらの組成物を安定化させるための添加剤および基体上における金合金堆積物の形成を補助するための添加剤も含むことができる。金合金はカドミウムを含まない金合金である。
【0006】
別の態様において、組成物は、基本的に、一以上の金イオン源と、一以上の銀イオン源と、一以上の銅イオン源と、ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルと、一以上の界面活性剤と、一以上のアルカリ性物質と、メルカプト−テトラゾール、メルカプト−トリアゾールおよびそれらの塩からなる群から選択される一以上の化合物とを含む。
【0007】
更なる態様において、方法は、一以上の金イオン源と、一以上の銀イオン源と、一以上の銅イオン源と、メルカプト−テトラゾール、メルカプト−トリアゾールおよびそれらの塩から選択される一以上の化合物と、ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルとを含む組成物を提供する工程;基体を該組成物中に入れる工程;ならびに金合金を該基体上に堆積させる工程;を含む。
【0008】
更なる態様において、当該方法により金合金組成物が堆積された物品が提供される。該物品は、8カラット〜23カラットで、且つ2Nカラーまたは3Nカラー(望ましいイエローカラー〜ディープイエローカラーのグレード)の金合金堆積物を含む。このような物品は、宝飾品および他の装飾品を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書全体を通じ、使用されている場合、以下の略語は、文脈が明確に他を示していない限り、以下の意味を有しているものとする:℃=摂氏温度;g=グラム;mg=ミリグラム;L=リットル;mL=ミリリットル;μm=ミクロン=マイクロメートル;ASD=アンペア/平方デシメートル=A/dm;DC=直流;およびms=ミリ秒。
【0010】
用語「堆積」および「メッキ」は本明細書全体を通じて互換可能に使用される。「アルキル」は直鎖状、分枝状および環状のアルキルを表す。「ハロゲン化物」はフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物を表す。同様に、「ハロ」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。他に示さない限り、二以上の置換基を有する芳香族化合物は、オルト−、メタ−およびパラ−置換物を包含する。用語「カラット」=「キャラット」は金の純度の単位であり、物品中における金の百分率を示し、例えば24カラット=100%の金であり、18カラット=75%の金(または7500/00とも表される)である。「N」は金の色を表すためのスイス時計産業基準(Swiss watch industry standard)を表し、即ち、1N=グリーン系ゴールド、2N=イエローゴールド、3N=ディープイエローゴールド、4N=ピンク系ゴールド、および5N=イエロー−レッドゴールドである。
【0011】
すべての百分率は、他に注記されていない限り、重量による百分率である。すべての数値範囲は境界値を含み、およびかかる数字範囲が合計して100%になることが必然である場合を除き、任意の順序で組み合わせることができる。
【0012】
組成物は、一以上の金イオン源と、一以上の銀イオン源と、一以上の銅イオン源と、メルカプト−テトラゾールおよびメルカプト−トリアゾールならびにそれらの塩から選択される一以上の化合物と、ジチオカルボキシル官能基(−C(S)SX)に対するアルファ(α)位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルとを含み、前述の式中のXは水素または好適な対イオンである。また、電解質組成物は、組成物を安定化させるための添加剤、および基体上に輝きのある一様な色の金合金を堆積させる上で助けとなる添加剤も含んでいてよい。
【0013】
水溶性の任意の好適な金イオン源を使用することができる。かかる化合物は、組成物に金(I)を提供する。かかる金イオン源には、これらに限定するものではないが、シアン化金アルカリ化合物、例えばシアン化金カリウム、シアン化金ナトリウム、およびシアン化金アンモニウム、チオ硫酸金アルカリ化合物、例えばチオ硫酸金三ナトリウムおよびチオ硫酸金三カリウム、亜硫酸金アルカリ化合物、例えば亜硫酸金ナトリウムおよび亜硫酸金カリウム、亜硫酸金アンモニウム、ならびに金(I)ハロゲン化物、例えば塩化金(I)が包含される。典型的には、シアン化金アルカリ化合物、例えばシアン化金カリウムが使用される。
【0014】
一以上の水溶性金化合物の量は0.5g/L〜15g/L、または例えば2g/L〜12g/L、もしくは例えば5g/L〜10g/Lである。かかる水溶性金化合物は、一般的に、様々な供給業者から商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法により調製することができる。
【0015】
任意に、広範囲にわたる様々な金錯化剤が組成物に含められ得る。好適な金錯化剤には、これらに限定するものではないが、アルカリ金属シアン化物、例えばシアン化カリウム、シアン化ナトリウムおよびシアン化アンモニウム、チオ硫酸、チオ硫酸塩、例えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、およびチオ硫酸アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸およびその塩、ならびにニトリロ三酢酸が包含される。典型的にはアルカリ金属シアン化物が使用される。
【0016】
一以上の錯化剤は通常の量で、または例えば0.5g/L〜50g/L、もしくは例えば5g/L〜25g/L、もしくは例えば10g/L〜20g/Lの量で加えることができる。一以上のこれらの錯化剤は、一般的に、商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法から調製することができる。
【0017】
組成物に銀イオンを提供する広範囲の様々な任意の水溶性銀化合物を使用することができる。好適な銀化合物には、これらに限定するものではないが、シアン化銀アルカリ化合物、例えばシアン化銀カリウム、シアン化銀ナトリウム、およびシアン化銀アンモニウム、銀ハロゲン化物、例えば塩化銀、ならびに硝酸塩、例えば硝酸銀が包含される。典型的には、シアン化銀アルカリ化合物が使用される。
【0018】
一以上の水溶性銀化合物の量は、10mg/L〜1000mg/L、または例えば50mg/L〜500mg/L、もしくは例えば100mg/L〜250mg/Lである。かかる銀化合物は、一般的に、商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法により調製することができる。
【0019】
組成物に銅を提供する広範囲の様々な任意の水溶性銅化合物を使用することができる。好適な銅化合物には、これらに限定するものではないが、シアン化銅(I)、塩化銅(I)および塩化銅(II)、硫酸銅(II)五水和物、水酸化銅(II)が包含される。典型的にはシアン化銅(I)が使用される。
【0020】
一以上の水溶性銅化合物の合計量は、1g/L〜150g/L、または例えば10g/L〜75g/L、もしくは例えば20g/L〜50g/Lである。かかる銅化合物は、一般的に、商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法により調製することができる。
【0021】
使用される有機イオウ含有化合物は、ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸、ならびそれらの塩およびエステルとの組合せにおいて、一以上のメルカプト−テトラゾールもしくはそれらの塩、または一以上のメルカプト−トリアゾールもしくはそれらの塩、またはメルカプト−テトラゾールおよびメルカプト−トリアゾールもしくはそれらの塩の混合物から選択される。理論によって拘束されるものではないが、メルカプト−テトラゾールおよびメルカプト−トリアゾールならびにそれらのそれぞれの塩のうちの一以上との組合せにおける一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルが、金−銀−銅合金堆積物に改善された輝きおよび色の一様性をもたらすものと考えられる。
【0022】
メルカプト−テトラゾールおよびメルカプト−トリアゾールとの組合せにおいて、金−銀−銅合金の望ましい輝きおよび色の一様性を提供する、ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する任意の好適なジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルを組成物において使用することができる。ジチオカルボキシル酸官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素を有するかかる好適なジチオカルボン酸には、これらに限定するものではないが、例えば下式を有するイミダゾール4(5)−ジチオカルボン酸およびそれらの塩をはじめとする種々の化合物が包含される。
【0023】
【化1】

【0024】
式中、Rは水素、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは非置換(C−C20)炭化水素基、またはフェニル基であり;Rは水素、または直鎖状、分枝状の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは非置換(C−C)炭化水素基であり;Xは水素、または好適な対イオンであり、これらの対イオンには、これらに限定するものではないが、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムおよびリチウムなどが含まれる。R炭化水素基は、例えばメチル、エチル、ウンデシルおよびヘプタデシルである。典型的には、Rはメチル、エチルまたはフェニルである。より典型的には、Rはメチルまたはエチルである。最も典型的には、Rはメチルである。Rは、例えばメチルおよびエチルである。典型的には、Rはメチルである。置換基には、これらに限定するものではないが、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシル、アミノおよびハロゲン、例えば塩素および臭素、が包含される。酸はXが水素のときに形成され、塩はXが対イオン、例えばアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウムおよびリチウム)のときに形成される。
【0025】
式(I)により包含される酸は、例えばイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸、2−メチルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸、2−エチルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸、2−ウンデシルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸、2−ヘプタデシルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸、2−フェニルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸、4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸、2,4−ジメチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸、2−エチル−4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸、2−ウンデシル−4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸および2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸である。
【0026】
式(I)により包含される塩は例えば:イミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸ナトリウム、2−メチルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸ナトリウム、2−エチルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸ナトリウム、2−ウンデシルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸ナトリウム、2−ヘプタデシルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸ナトリウム、2−フェニルイミダゾール−4(5)−ジチオカルボン酸ナトリウム、4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸ナトリウム、2,4−ジメチル−5−ジチオカルボン酸ナトリウム、2−エチル−4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸カリウム、2−ウンデシル−4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸ナトリウムおよび2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−ジチオカルボン酸ナトリウムである。
【0027】
ジチオカルボキシ官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する他の好適なジチオカルボン酸には、これらに限定するものではないが、例えばS−(チオベンゾイル)チオグリコール酸およびイミダゾール−ジチオカルボン酸エピクロロ−ヒドリン重縮合物をはじめとする種々の化合物が包含される。
【0028】
一般的に、ジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルのうちの一以上は、組成物中において、0.5mg/L〜500mg/Lの量で、または例えば10mg/L〜250mg/Lの量で、もしくは例えば50mg/L〜150mg/Lの量で使用され得る。かかるジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルは、一般的に、商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法により調製することができる。イミダゾール4(5)−ジチオカルボン酸およびそれらの塩を生成するための方法の例が米国特許第4,394,511号、米国特許第4,431,818号および米国特許第4,469,622号に開示されている。
【0029】
ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素を有するジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルのうちの一以上との組合せにおいて、金−銀−銅合金の望ましい輝きおよび色の一様性をもたらす任意の好適なメルカプト−テトラゾールおよびこれらの塩が組成物において使用されてよい。また、このようなメルカプト−テトラゾールは、メソイオン化合物、例えばテトラゾリウム化合物なども含む。
【0030】
好適なメルカプト−テトラゾールは、例えば、下式を有している。
【0031】
【化2】

【0032】
式中、Rは水素、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の(C−C20)炭化水素基、(C−C20)アラルキル、置換もしくは非置換フェニルもしくはナフチル基、A−SOYもしくはA−COOY(式中、Aは例えばメチル、エチルおよびブチルをはじめとする(C−C)アルキであり、及びYは水素または好適な対イオン、例えばアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウムおよびリチウム)もしくはカルシウムまたはアンモニウムなどである)であり;Xは水素または好適な対イオンであり、対イオンには、これらに限定するものではないが、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムおよびリチウムなどが含まれる。フェニルおよびナフチルにおける置換基には、これらに限定するものではないが、分枝状もしくは非分枝状の(C−C12)アルキル、分枝状もしくは非分枝状の(C−C20)アルキレン、分枝状もしくは非分枝状の(C−C12)アルコキシ、ヒドロキシル、ならびにハロゲン、例えば塩素および臭素などが包含される。
【0033】
典型的には、Rは水素、直鎖(C−C)アルキル、A−SOYまたはA−COOY(式中、Yはナトリウム(Na)である)であり、Xは水素、ナトリウムまたはカリウムである。より典型的には、Rは水素またはA−SONaであり、Xは水素である。最も典型的には、RはA−SONaであり、Xは水素である。
【0034】
かかる酸の例には、5−メルカプト−1H−テトラゾール−1−酢酸、5−メルカプト−1H−テトラゾール−1−プロピオン酸および5−メルカプト−1H−テトラゾール−1−酪酸、ならびにこれらの塩が含まれる。また、5−メルカプト−1H−テトラゾール−1−アルカンスルホン酸およびメルカプト−テトラゾールスルホン酸も含まれる。
【0035】
電解質組成物において使用され得る例えばテトラゾリウム化合物をはじめとするメソイオン化合物は、例えば下式を有する。
【0036】
【化3】

【0037】
式中、Xは上で定義されている通りであり;Rは、置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、チオアルコキシ、または1〜28の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基;3〜28の炭素原子を有する置換もしくは非置換シクロアルキル基;6〜33の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基;1〜28の炭素原子と一以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素、イオウまたはこれらの組合せ)とを有する置換もしくは非置換ヘテロ環式環;置換もしくは非置換芳香環に接続されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アリールもしくはフェノキシ基;または、1〜28の炭素原子と一以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素、イオウまたはこれらの組合せ)とを有する置換もしくは非置換ヘテロ環式環に接続されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アリールもしくはフェノキシ基であり;および
は、0〜25の炭素原子、典型的には1〜8の炭素原子を有する置換もしくは非置換アミン基;1〜28の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル、アルケニルもしくはアルコキシ基;3〜28の炭素原子を有する置換もしくは非置換シクロアルキル基;2〜25の炭素原子を有する置換もしくは非置換アシルオキシ基;6〜33の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基;1〜28の炭素原子と一以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素、イオウまたはこれらの組合せ)とを有する置換もしくは非置換ヘテロ環式環;置換もしくは非置換芳香環に接続されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アリールもしくはフェノキシ基;または1〜25個の炭素原子と一以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素、イオウまたはこれらの組合せ)とを有する置換もしくは非置換ヘテロ環式環に接続されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アリールもしくはフェノキシ基である。
【0038】
一般的に、メルカプト−テトラゾール(テトラゾリウム化合物を含む)は、電解質組成物中に0.5mg/L〜200mg/Lの量で、または例えば10mg/L〜150mg/Lの量で、もしくは例えば50mg/L〜100mg/Lの量で含められる。このようなメルカプト−テトラゾールは、一般的に、商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法により調製することができる。
【0039】
ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにこれらの塩およびエステルとの組合せにおいて金−銀−銅合金の望ましい輝きおよび色の一様性をもたらす、任意の好適なメルカプト−トリアゾール化合物およびこれらの塩を組成物において使用することができる。また、メルカプト−トリアゾールは、メソイオン化合物、例えば1,2,4−トリアゾールも含む。
【0040】
好適なメルカプト−トリアゾールは、例えば下式を有する。
【0041】
【化4】

【0042】
式中、Rは水素、または直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の(C−C20)炭化水素基、(C−C20)アラルキル、置換もしくは非置換フェニルもしくはナフチル基であり;Xは水素または好適な対イオンであり、前述の対イオンには、これらに限定されるものではないが、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムおよびリチウムが含まれる。フェニルおよびナフチルにおける置換基には、これらに限定するものではないが、分枝状または非分枝状の(C−C12)アルキル、分枝状または非分枝状の(C−C20)アルキレン、分枝状もしくは非分枝状の(C−C12)アルコキシ、ヒドロキシル、ならびにハロゲン(例えば塩素および臭素など)が含まれる。典型的には、Rは水素または直鎖(C−C)アルキルであり、Xは水素、ナトリウムまたはカリウムである。より典型的には、Rは水素、メチルまたはエチルであり、Xは水素またはナトリウムである。最も典型的には、Rは水素またはメチルであり、Xは水素である。
【0043】
電解質組成物において使用され得る例えばトリアゾリウム化合物をはじめとするメソイオン化合物は、例えば下式を有する。
【0044】
【化5】

【0045】
式中、R、RおよびXは、メソイオン1,2,4−トリアゾールに関して上で定義されている通りのものであり;Rは、0〜25の炭素原子、例えば1〜8の炭素原子を有する置換または非置換アミン基;1〜28の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル、アルコキシまたはアルケニル基;3〜28の炭素原子を有する置換または非置換シクロアルキル基;2〜25の炭素原子を有する置換または非置換アシルオキシ基;6〜33の炭素原子を有する置換または非置換アリール基;1〜28の炭素原子と一以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素、イオウまたはこれらの組合)とを有する置換または非置換ヘテロ環式環;1〜25の炭素原子を有し、且つ、一以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素、イオウまたはこれらの組合せ)を含む置換もしくは非置換ヘテロ環式環に接続されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アリールまたはフェノキシ基であり;また、R、RおよびRは、更に、相互に結合して5員環、6員環または7員環を形成していてもよい。
【0046】
一般的に、メルカプト−トリアゾール(1,2,4−トリアゾリウム化合物を含む)は、電解質組成物中に0.5mg/L〜200mg/Lの量で、または例えば10mg/L〜150mg/Lの量で、もしくは例えば50mg/L〜100mg/Lの量で含められる。かかるメルカプト−トリアゾールは、一般的に、商業的に入手可能であり、または当技術分野においてよく知られた方法により調製することができる。
【0047】
また、アルカリ性物質も、組成物のpHを7〜14、または例えば8〜12もしくは例えば9〜11に維持するために加えられ得る。かかるアルカリ性物質には、これらに限定するものではないが、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムの硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩および他の塩が包含される。例えば、KCO、NaCO、NaSO、MgSO、KHPO、NaHPO、NaPOおよびこれらの混合物が好適なアルカリ性物質である。
【0048】
上記アルカリ性物質のほかに、次亜リン酸塩も上記pH範囲を維持するために加えることができる。典型的には、一水和物塩が使用される。かかる次亜リン酸塩には、これらに限定するものではないが、アルカリ金属次亜リン酸塩、例えば次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸ルビジウム、次亜リン酸セシウム、次亜リン酸アンモニウムおよびこれらの混合物が包含される。
【0049】
電解質組成物中において使用されるアルカリ性物質は、組成物のpHを上記範囲に維持することができる量で組成物に含めら得る。一般的に、これらのアルカリ性物質は組成物に0.5g/L〜25g/Lの量で、または例えば1g/L〜20g/Lの量で、もしくは例えば5g/L〜15g/Lの量で加えられる。
【0050】
また、電解質組成物は一以上の界面活性剤も含むことができる。任意の好適な界面活性剤を組成物において使用することができる。かかる界面活性剤には、これらに限定するものではないが、アルキル硫酸塩、アルコキシアルキル硫酸塩(アルキルエーテル硫酸塩)およびアルコキシアルキルリン酸塩(アルキルエーテルリン酸塩)のアルカリ金属塩が包含される。これらのアルキルおよびアルコキシ基は、典型的には、10〜20の炭素原子を含む。かかる界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、カプリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、C12−C18直鎖アルコールのエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルリン酸ナトリウムおよびこれらに対応するカリウム塩である。
【0051】
使用され得る他の好適な界面活性剤には、これらに限定するものではないが、N−オキシド界面活性剤が包含される。かかるN−オキシド界面活性剤には、これらに限定するものではないが、ココジメチルアミンN−オキシド、ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシド、ドデシルジメチルアミンN−オキシド、オクチルジメチルアミンN−オキシド、ビス−(ヒドロキシエチル)イソデシルオキシプロピルアミンN−オキシド、デシルジメチルアミンN−オキシド、コカミドプロピルジメチルアミンN−オキシド、ビス(ヒドロキシエチル)C12−C15アルコキシプロピルアミンN−オキシド、ラウラミンN−オキシド、ラウラミ−ドプロピルジメチルアミンN−オキシド、C14−C16アルキルジメチルアミンN−オキシド、N,N−ジメチル(水素化牛脂アルキル)アミンN−オキシド、イソステアラミドプロピルモルホリンN−オキシドおよびイソステアラミドプロピルピリジンN−オキシドが包含される。
【0052】
他の好適な界面活性剤には、これらに限定するものではないが、ベタイン、およびアルコキシレート、例えばエチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)化合物などが包含される。このような界面活性剤は当技術分野においてよく知られている。
【0053】
これらの界面活性剤の多くは商業的に入手することができ、または文献に記載されている方法により作ることができる。典型的には、界面活性剤は、組成物中に0.1mL/L〜20mL/Lの量で、または例えば1mL/L〜15mL/Lの量で、もしくは例えば5mL/L〜10mL/Lの量で含められる。
【0054】
また、電解質組成物は、合金の堆積プロセスにおいて助けとなる通常の添加剤も含むことができる。かかる添加剤は、通常の量で含められる。
【0055】
組成物の成分は、当技術分野において知られている任意の好適な方法により混ぜ合わせ得る。典型的には、これらの成分は、任意の順序で混合され、及び充分な水を加えることにより、組成物は望ましい体積にされる。特定の組成物の成分を可溶化するため、幾分かの加熱が必要になる場合がある。
【0056】
これらの金−銀−銅合金は、任意の好適な堆積プロセスにより電解質組成物から基体上に堆積され得る。このようなプロセスは、これらに限定するものではないが、電流操作法(current manipulation method)、例えば断続電流法、パルスメッキ、パルス反転メッキ(pulse reverse plating)、周期的反転(periodic reverse)、DCメッキおよびこれらの組合せなを含む。例えば、電流操作の一つの方法は、1:4(即ち、25msの電流オン状態と、それに続く100msの電流オフ状態)から4:1(即ち、100msの電流オン状態と、それに続く25msの電流オフ状態)までの範囲にわたる反復サイクルを使用することを含む。別の例は、1:5(即ち、1秒の電流オン状態と、それに続く5秒の電流オフ状態)から5:1(即ち、5秒の電流オン状態と、それに続く1秒の電流オフ状態)の反復サイクルを使用することである。典型的には、このサイクルは1:2〜8:1である。
【0057】
輝きがあり、且つ、色の一様な金−銀−銅合金の堆積を可能にする任意の好適な電流密度を使用することができる。典型的には、使用される電流密度は、0.05ASD〜10ASD、または例えば0.1ASD〜5ASD、もしくは例えば1ASD〜3ASDの範囲である。典型的には、電流密度は0.1ASD〜4ASDであり、より典型的には0.2ASD〜2ASDである。
【0058】
組成物は、任意の好適な基体上に金−銀−銅合金を堆積させるために使用され得る。かかる基体は、これらに限定するものではないが、非導電性物質、例えば当技術分野において知られている一以上の方法により導電性にされた導電性ポリマーなど、非貴金属含有基体、例えば鉄含有基体、銅および銅合金、スズおよびスズ合金、鉛および鉛合金、亜鉛および亜鉛合金、ニッケルおよびニッケル合金、クロムおよびクロム合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金、ならびにコバルトおよびコバルト合金などを含む。電解質組成物から金−銀−銅合金と共に堆積され得る貴金属の例は、金、銀、白金、パラジウムおよびこれらの合金を含む。
【0059】
任意の好適なメッキ装置を用いて基体上に金−銀−銅合金を堆積させることができる。通常の電気メッキ装置が使用され得る。基体は陰極として機能し、可溶性または不溶性の電極が陽極として機能し得る。典型的には、不溶性陽極が使用される。不溶性陽極の例は、二酸化白金および二酸化ルテニウムである。
【0060】
メッキ時間は変化し得る。メッキ時間の長さは、基体上における金−銀−銅合金の所望の厚みに依存する。典型的には、合金の厚みは0.5ミクロン〜25ミクロン、または例えば2ミクロン〜20ミクロン、もしくは5ミクロン〜10ミクロンである。
【0061】
合金中における金の量は8カラット〜23カラットの範囲、または例えば12カラット〜18カラットであり得る。典型的には、本金−銀−銅合金中における金の量は18カラットである。18カラットで2Nの金−銀−銅合金は、75%の金、16%の銀および9%の銅に相当する。18カラットで3Nの金−銀−銅合金は、75%の金、12.5%の銀および12.5%の銅に相当する。本電解質組成物から堆積される金−銀−銅合金には曇りがない。
【実施例】
【0062】
実施例1
以下の組成を有する水性メッキ浴を調製する。
【0063】
【表1】

【0064】
この浴のpHは10であり、温度は60℃である。浴は、モーター駆動された円形不溶性金陽極および溶液の攪拌によってかき混ぜられる。真鍮およびステンレス鋼試験片(陰極)は、5秒間のオン状態および1秒間のオフ状態の電流断続法を用いて0.4ASDで上述の電解質浴中において電気メッキされる。電気メッキを30分間続けることにより、真鍮およびステンレス鋼試験片に10ミクロンの金−銀−銅合金層がメッキされた。
【0065】
期待される該合金堆積物は、2Nの一様な色、即ち、輝きのある黄色い外観の18カラットである。これらの合金上に曇りは見られない。
【0066】
実施例2
以下の配合の水性メッキ浴を調製する。
【0067】
【表2】

【0068】
この浴のpHは、65℃で9である。この浴を、電気メッキしている間、モーター駆動された円板型二酸化白金不溶性電極および溶液の攪拌よってかき混ぜる。
【0069】
真鍮試験片(陰極)は、電流が3秒間オン状態になり、1秒間オフ状態になる電流断続法を用いて上述の配合物でメッキされる。金−銀−銅合金の堆積は、0.5ASDの電流密度で60分間行われる。20ミクロンの金−銀−銅の層が各真鍮試験片上に堆積される。
【0070】
これらの金−銀−銅合金層は、18カラットで輝きのある2Nの一様な色、即ち、黄色を有していることが期待される。これらの金−銀−銅合金層の表面上には曇りが見られないことが期待される。
【0071】
実施例3
以下の配合物を有する水性メッキ浴を調製する。
【0072】
【表3】

【0073】
上述のメッキ浴は、pHが8であり、温度は70℃である。真鍮試験片(陰極)が浴に入れられ、この浴が、モーターに接続された二酸化白金円板陽極および溶液の攪拌によりかき混ぜられる。この溶液の攪拌は、金−銀−銅堆積の間中ずっと続けられる。
【0074】
電流密度は0.6ASDである。電流は、60ms間適用され、その後、100ms間停止される。この電流断続パターンが40分間続けられ、10ミクロンの厚みを有する金−銀−銅合金が真鍮試験片上に堆積される。
【0075】
この合金堆積物は、18カラットであり、輝きのある黄色い3Nの一様な色を有していることが期待される。合金面の表面上には曇りがないことが期待される。
【0076】
実施例4
以下の配合を有する水性メッキ浴を調製する。
【0077】
【表4】

【0078】
このメッキ浴のpHは9であり、浴の温度は70℃である。この浴が、二酸化白金からなるモーター駆動式の円形不溶性陽極および溶液の攪拌によりかき混ぜられる。鉄鋼試験片(陰極)が浴に入れられ、金−銀−銅合金でメッキされる。電流密度は1ASDである。電流は、0.5秒間適用され、1秒間停止される。この電流断続パターンが60分間行われ、各鉄鋼試験片上に金−銀−銅合金が形成される。
【0079】
各試験片上の合金堆積物は、3Nディープイエローの曇りのない外観を有する18カラットであることが期待される。各試験片上の色は、輝きを有すると共に一様であることが期待される。
【0080】
実施例5(比較例)
以下の配合を有する水性メッキ浴を調製する。
【0081】
【表5】

【0082】
この配合物のpHは、20℃で10である。この配合物が、モーター駆動された円形不溶性二酸化白金陽極および溶液の攪拌によりかき混ぜられる。浴を70℃に上昇させ、真鍮試験片(陰極)がこの配合物中に入れられ、金−銀−銅合金でメッキされる。
【0083】
電流密度は1ASDであり、電流断続法が使用される。電流は、0.3秒間提供され、1秒間停止される。このパターンが30分間繰り返される。10ミクロンの金−銀−銅合金が試験片上に堆積される。この合金は、18カラットであり、2Nカラーを有していることが期待される。しかし、この2Nカラーは、輝きを有し、且つ、一様であることが期待されない。5ミクロン以上の厚みにおいて、目に見える望ましくない曇りを示すことが想定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の金イオン源と;一以上の銀イオン源と;一以上の銅イオン源と;メルカプト−テトラゾール、メルカプト−トリアゾールおよびこれらの塩から選択される一以上の化合物と;ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにこれらの塩およびエステルと;を含む組成物。
【請求項2】
ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルが、該組成物の0.5mg/L〜200mg/Lの範囲におよぶ、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
一以上の界面活性剤を更に含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
一以上のアルカリ性物質を更に含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
一以上の金イオン源と;一以上の銀イオン源と;一以上の銅イオン源と;ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有するジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルの、一以上の供給源と;一以上の界面活性剤と;一以上のアルカリ性物質と;メルカプト−テトラゾール、メルカプト−トリアゾールおよびそれらの塩からなるグループから選択される一以上の化合物;から本質的になる組成物。
【請求項6】
a)一以上の金イオン源と;一以上の銀イオン源と;一以上の銅イオン源と;ジチオカルボキシル官能基に対するアルファ位に非プロトン性炭素原子を有する一以上のジチオカルボン酸ならびにそれらの塩およびエステルと;メルカプト−テトラゾール、メルカプト−トリアゾールおよびそれらの塩の一以上の供給源と;を含む組成物を提供する工程;
b)基体を上記組成物中に浸漬する工程;および
c)金−銀−銅合金を上記基体上に堆積させる工程;
を含む方法。
【請求項7】
前記金−銀−銅合金が、1:2〜8:1の反復サイクルを用いる電流の断続により基体上に堆積される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
電流密度が0.05ASD〜10ASDである、請求項6記載の方法。
【請求項9】
請求項6記載の方法により作られる物品であって、該物品が8カラット〜23カラットである物品。
【請求項10】
物品が2Nまたは3Nカラーである、請求項9記載の物品。

【公開番号】特開2006−348383(P2006−348383A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−153257(P2006−153257)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】