説明

新規オルガノポリシロキサンエラストマー及びその利用

【課題】様々な油剤との親和性を有しており、また、増粘特性、ゲル化特性、乳化特性に優れており、更に、優れた触感、特にベルベット調の厚みのある滑らかさに特長づけられる優れた触感を与え、優れた使用感をもたらす、新規な有機変性オルガノポリシロキサンエラストマー及びその製法を提供すること。
【解決手段】ケイ素原子に結合した糖アルコール変性基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサンエラストマー。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素原子に結合した糖アルコール変性基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項2】
前記糖アルコール変性基が、下記一般式(4−1):
【化1】

(式中、
Rは二価有機基を表し、
eは1又は2である)、又は、下記一般式(4−2):
【化2】

(式中、
Rは上記のとおりであり、
e’は0又は1である)で表される、請求項1記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項3】
前記一般式(4−1)又は(4−2)において、Rである二価有機基が炭素原子数3〜5の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基である、請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項4】
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(B)反応性不飽和基を有する糖アルコール基含有有機化合物、並びに
(C)(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物、及び、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物からなる群から選択される1種類以上の有機化合物
を反応させることにより得られる、請求項1乃至3のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項5】
前記架橋部を構成する前記(C)成分の反応性不飽和基と反応する(A)成分の1分子当たりのケイ素原子結合水素原子数の平均値が1.5以上である、請求項4記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項6】
前記(A)成分が、平均組成式(1):
【化3】

(式中、Rは、互いに独立して、一価有機基を表し、1.0≦a≦3.0、及び、0.001≦b≦1.5である)で表される、請求項4又は5記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項7】
前記(C)成分が下記(C1−1)〜(C1−5)及び(C2−1)〜(C2〜2)
(C1−1) 一般式(2−1):
【化4】

(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−ジエン、
(C1−2) 一般式(2−2):
【化5】

(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−ジイン、
(C1−3) 一般式(2−3):
【化6】

(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−エン−イン、
(C1−4) 一般式(2−4):
【化7】

(式中、2≦m≦20、2≦n≦4、yはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位の繰返し数の合計値であり、1≦y≦180である)で表されるビスアルケニルポリエーテル化合物、
(C1−5) 平均組成式(2−5):
【化8】

(式中、R2は、互いに独立してもよいがRとは異なる一価有機基を表し、
は、互いに独立して、炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基を表し、1.0≦p≦2.5、及び、0.001≦q≦1.5である)で表される不飽和基含有シリコーン化合物、
(C2−1) 一般式 (2−6):
【化9】

(式中、Rは、1つの反応性不飽和基を有しており、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を表す)で表される不飽和エポキシ化合物、
(C2−2) 一般式(2−7):
【化10】

(式中、Rは、1つの反応性不飽和基を有しており、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を表し、
は、水素原子又はメチル基を表し、
は水素原子又はメチル基を表す)で表される、不飽和基含有脂環式エポキシ化合物
から選ばれる1種類以上の有機化合物である、請求項4乃至6のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項8】
平均組成式(1)において、Rである一価有機基が、以下の(D1)〜(D10)
(D1)炭素原子数1〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、
(D2)−RO(AO)(式中、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を表し、Rは炭素原子数3〜5の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、Rは水素原子、炭素原子数1〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、又は、炭素原子数2〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアシル基を表し、z=1〜100である)で表されるポリオキシアルキレン基、
(D3)炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、
(D4)水酸基、
(D5)−R10−COOR11 (式中、R10は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R11は炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるエステル基、
(D6)−R17−OCOR18 (式中、R17は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R18は炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるエステル基
(D7) L
ここで、Lはi=1のときの下記一般式(3);
【化11】

(式中、
12は、炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表し、
13は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、
Zは二価有機基を表し、
iはLで示されるシリルアルキル基の階層を表し、該シリルアルキル基の繰り返し数である階層数がkのとき1〜kの整数であり、階層数kは1〜10の整数であり、Li+1はiがk未満のときは該シリルアルキル基であり、i=kのときはR13であり、hは0〜3の範囲の数である)で表される、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基、
(D8)下記一般式(4)
【化12】

(式中、R14は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数1〜30の一価炭化水素基、水酸基又は水素原子であり、R14のうち少なくとも一つは前記一価炭化水素基である。tは2〜10の範囲の数であり、rは1〜100の範囲の数である)で表される、鎖状ポリシロキサン構造で置換されたアルキル基、
(D9)下記一般式(5)
【化13】

(式中、R15は、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の二価炭化水素基を表す)で表される、エポキシ基、
(D10)下記一般式(6)
【化14】

(式中、R16は、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の二価炭化水素基を表し、R及びRは前記の通りである)で表される、脂環式エポキシ基
から選ばれる、請求項6又は7記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項9】
粒子の形態である、請求項1乃至8のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項10】
体積平均粒子径が20〜1000μmの範囲内にある粒子の形態である、請求項9記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項11】
自重以上の量の油剤を含んで膨潤しうる、請求項1乃至10のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー、及び、少なくとも1種の油剤を含む組成物。
【請求項13】
ペーストの形態である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマーを機械力を用いて粉砕した後に少なくとも1種の油剤と混合するか、前記オルガノポリシロキサンエラストマーと少なくとも1種の油剤の混合物を機械力を用いて粉砕することにより得られる、請求項12又は13記載の組成物。
【請求項15】
請求項1乃至11のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー又は請求項12乃至14のいずれかに記載の組成物に、1種類以上の酸性物質を加えて処理した後、加熱又は減圧によって揮発成分を除去してなる、オルガノポリシロキサンエラストマー又はその組成物。
【請求項16】
エマルション組成物である、請求項12乃至15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
請求項1乃至11及び15のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー又は請求項12乃至16のいずれかに記載の組成物を含有する外用剤用原料又は化粧料用原料。
【請求項18】
増粘剤、ゲル化剤、感触改良剤、界面活性剤、乳化剤、又は、粉体の分散安定剤である、請求項17記載の外用剤又は化粧料用原料。
【請求項19】
請求項1乃至11及び15のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエラストマー又は請求項12乃至16のいずれかに記載の組成物を含有する外用剤又は化粧料。
【請求項20】
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(B)反応性不飽和基を有する糖アルコール基含有有機化合物、並びに
(C)(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物、及び、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物からなる群から選択される1種類以上の有機化合物
を反応させる工程を含む、オルガノポリシロキサンエラストマーの製造方法。
【請求項21】
前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分を必須成分とする反応の一部又は全部が、以下の(P−1)〜(P−2)に示される群から選ばれる1以上の溶媒の存在下で行われることを特徴とする、請求項20記載のオルガノポリシロキサンエラストマーの製造方法。
(P−1): 有機化合物
(P−2): ケイ素原子を含有する化合物
【請求項22】
前記オルガノポリシロキサンエラストマーの製造方法において、前記(A)成分と前記(B)成分とを先に反応させ、しかる後に前記(C)成分を添加して架橋反応を行うことを特徴とすると共に、以下に示す任意成分(Q)を、前記(A)成分と前記(B)成分の反応前に前記(A)成分と反応させるか、前記(A)成分と前記(B)成分の反応後に更に反応させるか、又は前記(C)成分による架橋後に更に反応させてもよい、請求項20又は請求項21記載のオルガノポリシロキサンエラストマーの製造方法。
(Q): 1分子中に1の不飽和基を有する化合物(但し、前記(C2)であるものを除く)
【請求項23】
前記オルガノポリシロキサンエラストマーの製造方法において、架橋部を導く前記(A)成分と前記(C)成分との反応を先に行い、しかる後に前記(B)成分を添加して反応させることを特徴とすると共に、以下に示す任意成分(Q)を、前記(A)成分と前記(C)成分の反応前に前記(A)成分と反応させるか、前記(A)成分と前記(C)成分の反応後に更に反応させるか、又は前記(B)成分の反応後に更に反応させてもよい、請求項20又は請求項21記載のオルガノポリシロキサンエラストマーの製造方法。
(Q): 1分子中に1の不飽和基を有する化合物(但し、前記(C2)であるものを除く)
【請求項24】
請求項20乃至23のいずれかに記載の反応により得られたオルガノポリシロキサンエラストマー、又はこれを含む組成物に、1種類以上の酸性物質を加えて処理した後、加熱又は減圧により揮発成分を除去してなることを特徴とする、オルガノポリシロキサンエラストマー又はその組成物の製造方法。
【請求項25】
前記酸性物質を加えて処理したのちに、1種類以上の塩基性物質を加えて中和することを特徴とする請求項24記載のオルガノポリシロキサンエラストマー又はその組成物の製造方法。

【公開番号】特開2013−10744(P2013−10744A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−116561(P2012−116561)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】