説明

施設表示装置

設定受付部1により設定された表示方法にしたがって施設特定部6により特定された施設の画像を広域地図に3次元表示してから、その施設の画像をズームアップする。また、ズームアップと同時、あるいは、ズームアップの完了後に施設の画像を回転させる。これにより、施設の位置を大まかに確認してから、施設の全体像を把握することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、例えば、目的地の施設(施設は、建築物などの人工物の他、樹木・自然公園などの自然物も含むものとする)を表示する施設表示装置に関するものである。
【背景技術】
従来の施設表示装置は、ユーザの音声を認識する音声認識手段を搭載しており、ユーザが施設の名称を発声すると、音声認識手段がその施設を特定する。
そして、施設表示装置は、データベースから当該施設の3次元データを読み出し、その3次元データにしたがって施設の静止画像を3次元表示する(例えば、特許文献1参照)。
[特許文献1]
特開平9−171348号公報(段落番号[0042]から[0058]、第1図)
従来の施設表示装置は以上のように構成されているので、表示対象の施設を特定して、その施設の静止画像を3次元表示することができる。しかし、ユーザが施設の表示方法を自由に設定することができず、また、施設の動画像を表示することができないため、施設の全体像を容易に把握することができないことがあるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、施設の全体像を容易に把握することができる施設表示装置を得ることを目的とする。
【発明の開示】
この発明に係る施設表示装置は、設定手段により設定された表示方法にしたがって施設特定手段により特定された施設の動画像又は静止画像を地図上に表示するようにしたものである。
このことによって、施設の全体像を容易に把握することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施の形態1による施設表示装置を示す構成図である。
第2図はこの発明の実施の形態1による施設表示装置の処理内容を示すフローチャートである。
第3図は広域地図上に表示された施設の画像を示す説明図である。
第4図はズームアップされている途中の施設の画像を示す説明図である。
第5図はズームアップされている途中の施設の画像を示す説明図である。
第6図はズームアップ完了後の施設の画像を示す説明図である。
第7図は施設の表示方法の設定処理を示すフローチャートである。
第8図は施設の一覧表を示す説明図である。
第9図は地図データのダウンロードを示すフローチャートである。
第10図はこの発明の実施の形態2による施設表示装置の処理内容を示すフローチャートである。
第11図はこの発明の実施の形態3による施設表示装置を示す構成図である。
第12図は施設の詳細表示内容を示す説明図である。
第13図はこの発明の実施の形態6による施設表示装置を示す構成図である。
第14図は現在地から施設を見る方向を示す説明図である。
第15図は方向Aから見たときの施設の画像を示す説明図である。
第16図は現在地から施設を見る方向を示す説明図である。
第17図は方向Bから見たときの施設の画像を示す説明図である。
第18図は表示対象の施設を遮る周辺施設が存在する場合の表示対象の施設の表示内容を示す説明図である。
第19図はこの発明の実施の形態9による施設表示装置を示す構成図である。
第20図はこの発明の実施の形態10による施設表示装置を示す構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
第1図はこの発明の実施の形態1による施設表示装置を示す構成図であり、図において、設定受付部1は例えばリモコンから送信される赤外線等の操作信号を受信する外部インタフェース、あるいは、ユーザの操作を受け付けるキースイッチなどのマンマシンインタフェースから構成され、設定受付部1は目的地の設定や施設の表示方法の設定など、ユーザが各種の設定を行う際に利用する。
なお、設定受付部は設定手段を構成している。
マイク2はユーザの音声を入力し、音声認識部3はマイク2により入力されたユーザの音声の認識処理を実施する。
地図データ格納部4は3次元表示用の地図データや2次元表示用の地図データを格納しているメモリであり、施設データ格納部5は各種の施設の画像データ(例えば、ポリゴンデータ)や位置データなどをテキストデータに対応させて格納するとともに、デフォルトの表示方法などを格納しているメモリである。
施設特定部6は施設データ格納部5に格納されている施設の画像データや位置データの中から、音声認識部3の認識結果であるテキストデータに対応する施設の画像データや位置データを検索する。
なお、マイク2、音声認識部3、施設データ格納部5及び施設特定部6から施設特定手段が構成されている。
表示制御部7は例えば液晶ディスプレイなどの表示装置8を制御し、設定受付部1により設定された表示方法にしたがって施設特定部6により特定された施設の動画像又は静止画像を地図上に表示する。
なお、表示制御部7及び表示装置8から表示手段が構成されている。
第2図はこの発明の実施の形態1による施設表示装置の処理内容を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
第1図の施設表示装置は、表示装置8の表示領域を2分割して、一方の表示領域に3次元地図を表示して、他方の表示領域に2次元地図を表示することが可能であり、ユーザは、3次元地図や2次元地図に重ねて表示される施設(施設は、建築物などの人工物の他、樹木・自然公園などの自然物も含むものとする。)の表示方法を任意に設定することができる。
即ち、ユーザは、第7図に示すように、設定受付部1を操作することにより、施設の表示方法を設定するための入力画面を表示装置8に表示する(ステップST11)。
ユーザは、設定受付部1を操作することにより、入力画面上で施設の表示方法を設定すると(ステップST12)、設定受付部1がその設定内容を施設データ格納部5に格納する(ステップST13)。
施設の表示方法の設定としては、例えば、施設の画像を動画像で表示するか、静止画像で表示するかの設定、施設の画像を動画像で表示する場合には動画パターンの設定などがあり、施設の画像を静止画像で表示する場合には施設の縮尺率の設定などがある。
ここでは説明の便宜上、施設の画像を動画像で表示する設定がなされ、その動画パターンとして、施設の画像を広域地図に3次元表示してから、その施設の画像をズームアップし、ズームアップの完了後に施設の画像を回転させる設定がなされたものとする。施設の画像をズームアップする手法は特に問うものではないが、例えば、コンピュータグラフィック技術を利用して、データの補間や間引きを実施することにより、ズームアップを実施するようにしてもよい。
なお、施設の表示方法が設定されると、その表示方法にしたがって例えばサンプル施設の画像が表示装置8に表示され、ユーザは、その表示方法を確認することができる。ユーザが当該表示方法を了承すると、その表示方法が施設データ格納部5に格納される。
ユーザが設定受付部1を操作して、施設の表示方法を設定すると、以後、施設の表示が可能になり、ユーザがマイク2に向けて施設の名称を発声すると(ステップST1)、マイク2がユーザの音声を入力し、音声認識部3がマイク2により入力されたユーザの音声の認識処理を実施する(ステップST2)。
例えば、ユーザが施設の名称として、“レインボーブリッジ”を発声すると、音声認識部3がユーザの音声を認識して、“レインボーブリッジ”を示すテキストデータを施設特定部6に出力する。
施設特定部6は、音声認識部3から音声の認識結果を示すテキストデータを受けると、そのテキストデータをキーにして、施設データ格納部5に格納されている施設の画像データや位置データの中から、表示対象の施設の画像データや位置データを検索する(ステップST3)。
この例では、“レインボーブリッジ”の画像データや位置データを検索する。
表示制御部7は、施設特定部6が表示対象の施設の画像データや位置データを検索することができれば(ステップST4)、その位置データを参照して、地図データ格納部4から当該施設が存在している地域の3次元表示用の地図データを取得する(ステップST5)。
なお、地図データ格納部4から取得する地図データは、施設が存在していることを確認できる程度の広域地図のデータ(例えば、1/10000の縮尺率の地図データ)であるが、その地図データの縮尺率は、ユーザが設定受付部1を操作して任意に設定することができる。
表示制御部7は、地図データ格納部4から地図データを取得すると、設定受付部1により設定された表示方法にしたがって施設特定部6により特定された施設の画像を地図上に表示する(ステップST6)。
即ち、表示制御部7は、第3図に示すように、地図データ格納部4から取得した地図データにしたがって表示装置8に広域地図を表示するとともに、施設特定部6により検索された施設の画像データにしたがって施設の画像を広域地図に3次元表示する。
表示制御部7は、その後、施設の画像を予め決められた増加単位で徐々にズームアップし(第4図→第5図→第6図の順に参照)、施設の一部が表示装置8の表示領域から逸脱しない範囲内で、施設の画像を最大限ズームアップする(第6図を参照)。
表示制御部7は、施設の画像のズームアップが完了すると、施設の全体を把握することができるようにするため、施設の画像を水平面内で回転させて(予め設定された回転数だけ回転)、全ての方向から施設の画像を表示する。
ここでは、施設の画像のズームアップが完了してから、施設の画像を回転させるものについて示したが、施設の画像をズームアップしながら、施設の画像を回転させるようにしてもよい。また、画像の回転は、水平面内に限る必要はなく、垂直面内で回転させてもよいし、斜めの面内で回転させてもよい。また、これらを組み合せてもよい。
表示制御部7は、施設特定部6が表示対象の施設の画像データや位置データを検索することができなければ(ステップST4)、即ち、ユーザの音声に対応する施設の画像データや位置データが施設データ格納部5に格納されていなければ、ユーザの音声に対応する施設の画像データ等が施設データ格納部5に格納されていない旨を示すメッセージを表示装置8に表示する(ステップST7)。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、設定受付部1により設定された表示方法にしたがって施設特定部6により特定された施設の動画像又は静止画像を地図上に表示するように構成したので、施設の全体像を容易に把握することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、ユーザの音声を認識して表示対象の施設を特定するように構成したので、ユーザが面倒な操作を行うことなく、所望の施設の画像を表示することができる効果を奏する。
この実施の形態1によれば、施設特定部6により特定された施設の画像を広域地図に3次元表示してから、その施設の画像をズームアップするように構成したので、施設の位置を大まかに確認してから、施設の全体像を把握することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、ズームアップと同時、あるいは、ズームアップの完了後に施設の画像を回転させるように構成したので、施設の全体像を容易に把握することができる効果を奏する。
さらに、この実施の形態1によれば、施設の全体が表示装置8の表示領域に収まる範囲内で、施設の画像をズームアップするように構成したので、施設の一部がカットされることなく、施設の全体が大きく表示されるようになる。
なお、この実施の形態1では、音声認識部3がユーザの音声を認識して表示対象の施設を特定するものについて示したが、ユーザが設定受付部1を操作して、表示対象の施設を特定するようにしてもよい。
具体的には、ユーザが設定受付部1を操作することにより、表示可能な施設の一覧表を表示装置8に表示して(第8図を参照)、その一覧表から表示対象の施設を選択するようにすればよい。
この場合も、ユーザが面倒な操作を行うことなく、所望の施設の画像を表示することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1では、施設特定部6により特定された施設の画像を地図上に3次元表示するものについて示したが、施設の画像を地図上に2次元表示するようにしてもよい。
なお、施設の画像を2次元表示する場合、施設の画像を広域地図に表示してから、施設の画像を拡大表示することは可能である。
さらに、この実施の形態1では、地図データ格納部4が地図データを格納しているものについて示したが、地図データ格納部4のメモリ容量を節約するため、一部の地域の地図データのみを格納している場合がある。
したがって、地図データ格納部4が表示対象の施設が存在している地域の地図データを格納していないことがあり、このような場合には、外部のサーバから当該地域の地図データをダウンロードして、地図データ格納部4に格納するようにする。
即ち、表示制御部7は、第9図に示すように、例えば、GPS衛星からGPSデータを受信して現在地を検出し(ステップST21)、現在地から目的地(表示対象の施設の位置データを参照)に至る経路を含む地域の地図データが地図データ格納部4に格納されているか否かを判定する(ステップST22)。
表示制御部7は、その地域の地図データが地図データ格納部4に格納されていない場合、外部のサーバから当該地域の地図データをダウンロードして(ステップST23)、地図データ格納部4に格納する(ステップST24)。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設特定部6により検索された施設の画像データにしたがって施設の画像を広域地図に3次元表示したのち、その施設の画像を徐々にズームアップするものについて示したが、その後、ユーザから施設の拡大表示要求を受けると、表示制御部7がズームアップした施設の画像を更にズームアップするようにしてもよい。あるいは、施設内の特定物(例えば、商品)を拡大表示するようにしてもよい。
具体的には、ユーザが設定受付部1を操作することにより、施設の拡大表示要求を入力した場合、あるいは、音声認識部3がユーザの音声を認識し(第10図のステップST31,ST32)、その音声の認識結果が例えば“しせつかくだい”である場合(ステップST33)、表示制御部7がズームアップした施設の画像を更にズームアップし、その施設の画像を回転表示させる(ステップST34)。
また、表示制御部7は、その音声の認識結果が例えば“しせつないかくだい”である場合(ステップST35)、ズームアップした施設の画像を更にズームアップして施設内の特定物(例えば、商品)を拡大表示する(ステップST36)。
この実施の形態2によれば、ユーザが希望する大きさになるまで、施設の画像を拡大することができるので、上記実施の形態1よりも更に施設の把握が容易になるとともに、施設内の特定物を確認することができる効果を奏する。
実施の形態3.
第11図はこの発明の実施の形態3による施設表示装置を示す構成図であり、図において、第1図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
設定受付部9は第1図の設定受付部1と同様に、目的地の設定や施設の表示方法の設定を受け付けるほか、施設の画像のズームアップ速度や、施設の画像の回転速度の設定を受け付ける機能を備えている。
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設の画像をズームアップするとともに、施設の画像を回転させるものについて示したが、表示制御部7が設定受付部9により設定されたズームアップの速度又は回転の速度で、施設の画像をズームアップ又は回転させるようにしてもよい。
即ち、ユーザが設定受付部9を操作することにより、施設の画像のズームアップ速度と、施設の画像の回転速度とを設定すると、表示制御部7は、設定受付部9により設定されたズームアップ速度で施設の画像をズームアップし、設定受付部9により設定された回転速度で施設の画像を回転させる。
これにより、ユーザの希望する速度で、施設の画像のズームアップや、施設の画像の回転を実現することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設の画像をズームアップするとともに、施設の画像を回転させるものについて示したが、ユーザから施設の再表示要求を受けると、再度、施設の画像を広域地図に3次元表示してから、その施設の画像をズームアップするとともに、その施設の画像を回転させるようにしてもよい。
即ち、表示制御部7が施設の画像のズームアップや、施設の画像の回転を実施した後に、ユーザから施設の再表示要求を受けると、上記実施の形態1と同様にして、表示制御部7が、再度、施設特定部6により検索された施設の画像データにしたがって施設の画像を広域地図に3次元表示したのち、施設の画像を徐々にズームアップしてから、施設の画像を回転させるようにする。
ただし、施設の再表示要求は、ユーザが設定受付部1を操作することにより入力してもよいし、音声認識部3がユーザの音声(例えば、“さいひょうじ”)を認識することにより入力してもよい。
この実施の形態4によれば、施設の画像のズームアップや、施設の画像の回転が完了した後に、再度、施設の画像をリプレイして見ることができるので、施設の全体像を確実に把握することができるようになる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設の画像をズームアップするとともに、施設の画像を回転させるものについて示したが、ユーザから施設の詳細表示要求を受けると、その施設内の目的地の画像を表示するようにしてもよい。
例えば、目的地が高層ビル内のテナントである場合、上記実施の形態1では、ユーザが高層ビルのビル名を施設名として発声すると、高層ビルの画像が表示されるが、高層ビル内のテナントを特定する画像は表示されない。
この実施の形態5では、表示制御部7が高層ビルの画像を表示した後、ユーザから施設の詳細表示要求を受けると、第12図に示すように、例えば、高層ビルの全体像を半透明に表示して、そのテナントが入っているフロア(階数)を明示し、そのフロア内のテナントの位置を表示する。
ただし、施設の詳細表示要求は、ユーザが設定受付部1を操作することにより入力してもよいし、音声認識部3がユーザの音声(例えば、“しょうさいひょうじ”)を認識することにより入力してもよい。
また、フロア内のテナントの位置を表示したのち、そのテナントをズームアップすることにより、そのテナントに展示されている特定物(例えば、商品)を拡大表示するようにしてもよい。
この実施の形態5によれば、ユーザから施設の詳細表示要求を受けると、その施設内の目的地の画像を表示するように構成したので、施設内の目的地の位置を確認することができる効果を奏する。
実施の形態6.
第13図はこの発明の実施の形態6による施設表示装置を示す構成図であり、図において、第1図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
現在地検出部11は例えばGPS衛星から発信されるGPS信号を受信するGPS受信機などから構成され、DGPS(ディファレンスGPS)、リアルタイムキネマティック、VRS、PASなどの既存の測位技術を用いて、車両の現在地を検出して位置データを出力する。
方向特定部12は現在地の位置データと表示対象の施設の位置データとを入力して、現在地から施設を見る方向を特定する。
表示制御部13は第1図の表示制御部7と同様の処理機能を有するほかに、方向特定部12により特定された方向に合わせて施設の画像を3次元表示する機能を有する。なお、現在地検出部11、方向特定部12、表示制御部13及び表示装置8から表示手段が構成されている。
次に動作について説明する。
現在地検出部11及び方向特定部12が追加され、表示制御部13の機能が追加されている点以外は、上記実施の形態1と同様であるため、相違点のみを説明する。
現在地検出部11は、GPS衛星から発信されるGPS信号を受信し、そのGPS信号から公知の測位技術を用いて、車両の現在地を検出して位置データを出力する。
方向特定部12は、現在地検出部11から現在地の位置データを入力し、施設特定部6から表示対象の施設の位置データを入力すると、これらの位置データに基づいて現在地から施設を見る方向を特定する。
例えば、車両が第14図に示す位置を走行している場合には、施設を見る方向は方向Aであると特定し、車両が第16図に示す位置を走行している場合には、施設を見る方向は方向Bであると特定する。
表示制御部13は、施設特定部6が表示対象の施設の画像データや位置データを検索すると、上記実施の形態1と同様に、その位置データを参照して、地図データ格納部4から当該施設が存在している地域の3次元表示用の地図データを取得する。
表示制御部13は、地図データ格納部4から地図データを取得すると、上記実施の形態1と同様に、その地図データにしたがって表示装置8に広域地図を表示するとともに、施設特定部6により検索された施設の画像データにしたがって施設の画像を広域地図に3次元表示する。
ただし、表示制御部13は、施設の画像を含む広域地図を表示する際、コンピュータグラフィック技術を用いて、方向特定部12により特定された方向に合わせて施設の画像を3次元表示する。
即ち、施設を見る方向が方向Aであれば(第14図を参照)、方向Aから見たときの施設の画像を広域地図に3次元表示して、その施設の画像をズームアップする(第15図を参照)。
また、施設を見る方向が方向Bであれば(第16図を参照)、方向Bから見たときの施設の画像を広域地図に3次元表示して、その施設の画像をズームアップする(第17図を参照)。
表示制御部13は、施設の画像のズームアップが完了すると、施設の全体を把握することができるようにするため、上記実施の形態1と同様に、施設の画像を回転させて、全ての方向から施設の画像を表示する。
ここでは、施設の画像のズームアップが完了してから、施設の画像を回転させるものについて示したが、施設の画像をズームアップしながら、施設の画像を回転させるようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、現在地から施設特定部6により特定された施設を見る方向を特定し、その方向に合わせて施設の画像を3次元表示するように構成したので、現在地から施設を見ることができる状況にあれば、実際に見える施設と表示装置8に表示されている施設の画像との見比べが容易になり、実際の施設を容易に確認することができるようになる効果を奏する。
実施の形態7.
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設の画像を地図上に3次元表示するものについて示したが、その施設の周辺に大きな建物や山など(以下、周辺施設という)がある場合、表示対象の施設が周辺施設に遮られて明確に表示することができないことがある。
そこで、この実施の形態7では、施設特定部6により特定された施設を遮る周辺施設が存在する場合、表示制御部7が施設の周辺施設の表示トーンを下げて、施設特定部6により特定された施設を明確に表示する。
具体的には、表示制御部7は、第18図Aに示すように、周辺施設の画像を半透明に表示して、施設特定部6により特定された表示対象の施設を強調表示する。第18図Bは第18図Aの施設を回転させた状態を示している。
あるいは、周辺施設の画像をモノクロ表示して、施設特定部6により特定された表示対象の施設をカラー表示する。
あるいは、施設特定部6により特定された表示対象の施設を拡大表示して、周辺施設の画像を縮小表示又は等倍表示する。
あるいは、施設特定部6により特定された表示対象の施設を点滅表示する。
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、表示対象の施設を遮る周辺施設が存在する場合でも、表示対象の施設を明確に表示することができる効果を奏する。
実施の形態8.
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設の画像を地図上に3次元表示するものについて示したが、表示制御部7が施設特定部6により特定された施設の表示色を現在の時間帯又は天候に応じて切り替えるようにしてもよい。
例えば、現在の時間帯が日中であれば、表示制御部7が日差しを浴びている施設の画像を表示し、現在の時間帯が夜間であれば、表示制御部7が照明が点灯している施設の画像を表示するようにする。
また、天候が晴れであれば、表示制御部7が施設の画像の明度を高くし、天候が曇りや雨であれば、表示制御部7が施設の画像の明度を低くするようにする。なお、天候の情報は、例えば、インターネットなどから取得してもよいし、表示対象の施設の近傍を走行している車両のワイパの動きを検出して取得するようにしてもよい。
これにより、施設の画像を現在の状況に近づけることができる効果を奏する。
また、表示制御部7は、施設特定部6により特定された施設の周囲の表示色を現在の季節に応じて切り替えるようにしてもよい。
例えば、表示対象の施設の周囲に街路樹などが植えられている場合、現在の季節が春であれば、その街路樹を若草色で表示し、現在の季節が秋であれば、その街路樹を紅色で表示するようにする。
これにより、施設の周囲の画像を現在の状況に近づけることができる効果を奏する。
実施の形態9.
上記実施の形態1では、表示制御部7が施設の画像を地図上に3次元表示するものについて示したが、施設データ格納部5に各種の施設のガイダンス(例えば、施設の特徴、展示物や商品情報など)が格納されている場合、表示制御部7が施設特定部6により特定された施設の画像を地図上に3次元表示する際、施設データ格納部5から施設のガイダンスを取得して、そのガイダンスを表示装置8に表示するようにしてもよい。
また、第19図に示すように、音声出力手段である音声合成部14を実装し、その音声合成部14が施設特定部6により特定された施設のガイダンスを音声出力するようにしてもよい。
この実施の形態9によれば、ユーザに有益な情報を提供することができる効果を奏する。
実施の形態10.
第20図はこの発明の実施の形態10による施設表示装置を示す構成図であり、図において、第19図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
経路探索部15は現在地から目的地に至る経路を探索するとともに、目的地の関連駐車場を探索する。
表示制御部16は第19図の表示制御部13と同様の処理機能を有するほかに、経路探索部15により探索された現在地から目的地に至る経路や目的地の関連駐車場を表示装置8に表示する機能を備えている。
なお、現在地検出部11、方向特定部12、経路探索部15、表示制御部16及び表示装置8から表示手段が構成されている。
次に動作について説明する。
経路探索部15が追加され、表示制御部16の機能が追加されている点以外は、上記実施の形態9と同様であるため、相違点のみを説明する。
経路探索部15は、一般的なナビゲーション装置の経路探索機能を備えており、ユーザが設定受付部1を操作して目的地を設定し、あるいは、音声認識部3がユーザの音声を認識して目的地を設定し、現在地検出部11が車両の現在地を検出して位置データを出力すると、地図データ格納部4に格納されている地図データを参照して、現在地から目的地に至る経路を探索するとともに、目的地の関連駐車場を探索する。
表示制御部16は、経路探索部15が現在地から目的地に至る経路や目的地の関連駐車場を探索すると、現在地から目的地に至る経路や目的地の関連駐車場を表示装置8に表示する。
以上で明らかなように、この実施の形態10によれば、施設特定部6により特定された施設の画像の他に、現在地から目的地に至る経路や目的地の関連駐車場を表示するように構成したので、ユーザが容易に目的地に訪れることができる効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
以上のように、この発明に係る施設表示装置は、例えば、目的地の施設を設定する際に、その施設の画像を表示する機能を実装するカーナビ等のナビゲーション装置に搭載するのに適している。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】


【図19】

【図20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の表示方法を設定する設定手段と、表示対象の施設を特定する施設特定手段と、上記設定手段により設定された表示方法にしたがって上記施設特定手段により特定された施設の動画像又は静止画像を地図上に表示する表示手段とを備えた施設表示装置。
【請求項2】
施設特定手段は、ユーザの音声を認識して表示対象の施設を特定することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項3】
施設特定手段は、ユーザのキー操作から表示対象の施設を特定することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項4】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の画像を広域地図に3次元表示してから、その施設の画像をズームアップすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項5】
表示手段は、ズームアップと同時、あるいは、ズームアップの完了後に施設の画像を回転させることを特徴とする請求の範囲第4項記載の施設表示装置。
【請求項6】
表示手段は、施設の全体がディスプレイの表示領域に収まる範囲内で、施設の画像をズームアップすることを特徴とする請求の範囲第4項記載の施設表示装置。
【請求項7】
表示手段は、ユーザから施設の拡大表示要求を受けると、ズームアップした施設の画像を更にズームアップすることを特徴とする請求の範囲第4項記載の施設表示装置。
【請求項8】
表示手段は、設定手段により設定されたズームアップの速度又は回転の速度で、施設の画像をズームアップ又は回転させることを特徴とする請求の範囲第5項記載の施設表示装置。
【請求項9】
表示手段は、ユーザから施設の再表示要求を受けると、再度、施設の画像を広域地図に3次元表示してから、その施設の画像をズームアップするとともに、その施設の画像を回転させることを特徴とする請求の範囲第5項記載の施設表示装置。
【請求項10】
表示手段は、ユーザから施設の詳細表示要求を受けると、その施設内の目的地の画像を表示することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項11】
表示手段は、現在地から施設特定手段により特定された施設を見る方向を特定し、その方向に合わせて施設の画像を3次元表示することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項12】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の表示トーンより、その施設の周辺施設の表示トーンを下げることを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項13】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の周辺施設の画像を半透明又はモノクロで表示することを特徴とする請求の範囲第12項記載の施設表示装置。
【請求項14】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の画像を拡大して表示する一方、その施設の周辺施設の画像を縮小表示又は等倍表示することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項15】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の画像を点滅表示することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項16】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の表示色を現在の時間帯又は天候に応じて切り替えるとともに、施設の周囲の表示色を現在の季節に応じて切り替えることを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項17】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設のガイダンスを表示することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項18】
施設特定手段により特定された施設のガイダンスを音声出力する音声出力手段を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。
【請求項19】
表示手段は、施設特定手段により特定された施設の画像の他に、現在地から目的地に至る経路又は目的地の関連駐車場を表示することを特徴とする請求の範囲第1項記載の施設表示装置。

【国際公開番号】WO2005/104063
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【発行日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519128(P2006−519128)
【国際出願番号】PCT/JP2004/005726
【国際出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】