説明

昇降駆動用噛合チェーンユニット

【課題】一対の噛合チェーンを自立させるとともにリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、しかも座屈強度を向上させる昇降駆動用噛合チェーンユニットを提供すること。
【解決手段】複数の一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び複数の他方側座屈規制用アタッチプレート116Bが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーン111A、111Bのそれぞれに含まれるフック状外歯プレート113A、113Bの外側にそれぞれ添設されている昇降駆動用噛合チェーンユニット110。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種製造分野の製造設備、運輸分野の移送設備、医療福祉分野の介護設備、芸術分野の舞台設備などに用いて被駆動物を設置面に対して昇降させる駆動装置に組み込まれる昇降駆動用噛合チェーンユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、噛合チェーンに係合する駆動用スプロケットを回転させて一対の噛合チェーンを昇降させるもの(例えば、特許文献1参照。)がある。
上述の昇降装置に用いられる噛合チェーンは、図8に示すように、リンクプレート213のプレート噛合面の反対側に臨む平坦なプレート端面213Sを昇降方向に対して斜めに相互に接触させた状態で昇降駆動されて荷重支持部材などの被駆動体220を昇降駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−278797号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の昇降装置では、図8に示すように、一対の噛合チェーン211、211を相互に噛み合わせて上昇させた際に荷重の水平分力Fを発生させて一対の噛合チェーン211、211を傾かせてしまうため、垂直方向すなわち鉛直方向に沿って真っ直ぐ一対の噛合チェーン211、211を自立させて一定のチェーン長の範囲内で高い位置まで被駆動体220を搬送することを困難にさせてしまい、しかも相互に噛み合うリンクプレート213間に隙間を生じさせて噛合わせ精度を低下させてしまうとともにリンクプレート213に作用する荷重負担を不均一にして一対の噛合チェーン211、211の座屈強度向上を困難にさせてしまうという問題点があった。
また、一旦傾いた一対の噛合チェーン211、211に垂直方向の上方から下方に継続して荷重を作用させて荷重の水平分力Fを増大させた状態では一対の噛合チェーン211、211の傾きをより一層増大させて座屈強度をさらに低下させてしまうため、一対の噛合チェーン211、211を補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担を発生させてしまうとともに装置の部品点数を増加させ、しかも所定の座屈強度を確保するために噛合チェーン211のサイズすなわち相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン211、211の断面積を増大させてしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させて高い位置まで被駆動体を搬送するとともにリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、しかも一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させる昇降駆動用噛合チェーンユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、チェーン幅方向に沿って離間配置される一対のフック状内歯プレートおよび該一対のフック状内歯プレートの外側にそれぞれ隣接配置されるフック状外歯プレートを前後一対の連結ピンでチェーン長手方向に多数連結して構成し一対の噛合チェーンを相互に対向配置して噛み合わせて一体化するとともに相互に噛み外して分岐させる昇降駆動用噛合チェーンユニットであって、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の一方側座屈規制用アタッチプレートが、前記チェーン長手方向に沿って配列されているとともに前記一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記チェーン長手方向に沿って配列されているとともに前記一対の噛合チェーンの他方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記複数のフック状外歯プレートのプレートピッチの半ピッチだけ前記チェーン長手方向に沿って相互にずれていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0007】
請求項2に係る本発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーン及び他方の噛合チェーンのそれぞれに含まれる連結ピンにより前記一方の噛合チェーンおよび他方の噛合チェーンにそれぞれ連結固定されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0008】
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2に記載の構成に加えて、前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面が、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で水平に延びていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0009】
請求項4に係る本発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面が、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれのプレート面に沿って前記一対の噛合チェーンの中心線を跨いでいることにより、前述した課題を解決したものである。
【0010】
請求項5に係る本発明は、請求項4に記載の構成に加えて、前記一方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記他方の噛合チェーンに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレートに重なっていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0011】
請求項6に係る本発明は、請求項4又は請求項5に記載の構成に加えて、前記他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一方の噛合チェーンに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレートに重なっていることにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明の昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、チェーン幅方向に沿って離間配置される一対のフック状内歯プレートおよび該一対のフック状内歯プレートの外側にそれぞれ隣接配置されるフック状外歯プレートを前後一対の連結ピンでチェーン長手方向に多数連結して構成し一対の噛合チェーンを相互に対向配置して噛み合わせて一体化するとともに相互に噛み外して分岐させることができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
すなわち、本請求項1に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の一方側座屈規制用アタッチプレートが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の他方側座屈規制用アタッチプレートが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーンの他方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で複数のフック状外歯プレートのプレートピッチの半ピッチだけチェーン長手方向に沿って相互にずれていることにより、チェーン長手方向に沿って相互に隣り合う2枚の一方側座屈規制用アタッチプレートの座屈規制面同士と2枚の他方側座屈規制用アタッチプレートの座屈規制面同士とを接触させるため、一対の噛合チェーンの対向面に沿って一方の噛合チェーンから他方の噛合チェーンに向かって一対の噛合チェーンを傾かせる荷重の分力と一対の噛合チェーンの対向面に沿って他方の噛合チェーンから一方の噛合チェーンに向かって一対の噛合チェーンを傾かせる荷重の分力とに対して均一に対抗した状態で一対の噛合チェーンの傾き発生を規制し、しかも一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体を搬送するとともにフック状内歯プレート同士やフック状外歯プレート同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、さらに一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させることができる。
【0013】
そして、本請求項2に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、請求項1に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニットが奏する効果に加えて、一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーン及び他方の噛合チェーンのそれぞれに含まれる連結ピンにより前記一方の噛合チェーンおよび他方の噛合チェーンにそれぞれ連結固定されていることにより、一対の噛合チェーンを相互に噛みあわせて一体化させた状態で複数の一方側座屈規制用アタッチプレート及び複数の他方側座屈規制用アタッチプレートを含む一対の噛合チェーン全体を一体の剛体とするため、一対の噛合チェーンの対向面に沿って一方の噛合チェーンから他方の噛合チェーンに向かって一対の噛合チェーンを傾かせることと他方の噛合チェーンから一方の噛合チェーンに向かって一対の噛合チェーンを傾かせることとをより一層規制して一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体を搬送するとともにリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、しかも一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させることをより一層実現することができる。
【0014】
そして、本請求項3に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、請求項1または請求項2に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニットが奏する効果に加えて、一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面が、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で水平に延びていることにより、垂直方向に沿って上方から下方に向かって一対の噛合チェーンに作用する荷重を一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面に均一に分担させて水平分力を低減するため、一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなく一対の噛合チェーンの座屈強度をより一層向上させて一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体を搬送するとともにフック状内歯プレート同士やフック状外歯プレート同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避することができる。
【0015】
そして、本請求項4に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の昇降駆動用噛合チェーンユニットが奏する効果に加えて、一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面が、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれのプレート面に沿って前記一対の噛合チェーンの中心線を跨いでいることにより、一方側及び他方側座屈規制用アタッチプレートのプレート面に沿って一方の噛合チェーンから他方の噛合チェーンに渡って一対の噛合チェーンの中心線の両側で一方側座屈規制用アタッチプレートの座屈規制面に荷重を分散して負担させるとともに他方の噛合チェーンから一方の噛合チェーンに渡って一対の噛合チェーンの中心線の両側で他方側座屈規制用アタッチプレートの座屈規制面に荷重を分散して負担させるため、一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなく一対の噛合チェーンの対向面に沿って一対の噛合チェーンの座屈強度をより一層向上させて一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体をより正確に搬送するとともにフック状内歯プレート同士やフック状外歯プレート同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下をより一層回避することができる。
【0016】
そして、本請求項5に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、請求項4に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニットが奏する効果に加えて、一方側座屈規制用アタッチプレートが、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記他方の噛合チェーンに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレートに重なっていることにより、チェーン幅方向から一方側座屈規制用アタッチプレートで2枚のフック状外歯プレートを支持するため、一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなくチェーン幅方向に沿った座屈強度を向上させて一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体をより正確に搬送することができる。
【0017】
そして、本請求項6に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットによれば、請求項4又は請求項5に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニットが奏する効果に加えて、前記他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一方の噛合チェーンに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレートに重なっていることにより、チェーン幅方向から他方側座屈規制用アタッチプレートで2枚のフック状外歯プレートを支持するため、一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなくチェーン幅方向に沿った座屈強度を向上させて一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体をより正確に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニットを採用した噛合チェーン式昇降装置の全体斜視図。
【図2】図1に示す噛合チェーン式昇降装置の平面図。
【図3】図1に示す噛合チェーン式昇降装置の正面図。
【図4】図3に示す駆動用スプロケットおよび噛合チェーン近傍の一部拡大図。
【図5】本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニットの分解組み立て状態と噛み外れ状態を示す斜視図。
【図6】本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニットの側面図及び正面図。
【図7】図6のC方向から見た昇降駆動用噛合チェーンユニットの拡大平面図。
【図8】比較例に係る昇降駆動用噛合チェーンユニットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の昇降駆動用噛合チェーンユニットは、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の一方側座屈規制用アタッチプレートが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の他方側座屈規制用アタッチプレートが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーンの他方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で複数のフック状外歯プレートのプレートピッチの半ピッチだけチェーン長手方向に沿って相互にずれ、一対の噛合チェーンの対向面に沿って一方の噛合チェーンから他方の噛合チェーンに向かって一対の噛合チェーンを傾かせる荷重の分力と一対の噛合チェーンの対向面に沿って他方の噛合チェーンから一方の噛合チェーンに向かって一対の噛合チェーンを傾かせる荷重の分力とに対して均一に対抗した状態でアタッチプレートの破壊及び損傷を回避して一対の噛合チェーンの傾き発生を規制し、しかも一対の噛合チェーンを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体を搬送するとともにフック状内歯プレート同士やフック状外歯プレート同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、さらに一対の噛合チェーンを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーンの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させるものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニット110を採用した噛合チェーン式昇降装置100を図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニットを採用した噛合チェーン式昇降装置の全体斜視図であり、図2は、図1に示す噛合チェーン式昇降装置の平面図であり、図3は、図1に示す噛合チェーン式昇降装置の正面図であり、図4は、図3に示す駆動用スプロケットおよび噛合チェーン近傍の一部拡大図であり、図5は、本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニットの分解組み立て状態と噛み外れ状態を示す斜視図であり、図6は、本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニットの側面図及び正面図であり、図7は、図6のC方向から見た昇降駆動用噛合チェーンユニットの拡大平面図である。
【0021】
まず、本発明の一実施例である昇降駆動用噛合チェーンユニット110を採用した噛合チェーン式昇降装置100は、図1に示すように、昇降駆動用噛合チェーンユニット110の端部に被駆動体120を固定接続して垂直方向すなわち鉛直方向に沿って被駆動体120を昇降させるものである。
【0022】
そして、噛合チェーン式昇降装置100は、図1乃至図4に示すように、一対の噛合チェーン111A、111Bを有する昇降駆動用噛合チェーンユニット110と、相互に分岐した一対の噛合チェーン111A、111Bを案内して収納するチェーン収納用溝131およびこのチェーン収納用溝131に連接されて一対の噛合チェーン111A、111Bを剛直位置に誘導するチェーン誘導用溝132を設けたチェーン案内プレート130と、このチェーン案内プレート130に形成されて噛合チェーン111Aの側方に開口する凹状の駆動用スプロケット収容溝133に収容されているとともに噛合チェーン111Aに係合して一対の噛合チェーン111A、111Bを進退自在に駆動する駆動用スプロケット140と、この駆動用スプロケット140に駆動力を供給する直交ギヤ151および駆動用モータ152からなる駆動源150とを基本的な装置構成として備え、一対の噛合チェーン111A、111Bの剛直状態を維持すると同時に剛直方向D1および分岐方向D2に一対の噛合チェーン111A、111Bを案内し、被駆動体120を昇降自在に作動させるようになっている。
【0023】
さらに、噛合チェーン式昇降装置100では、図4に示すように、駆動用スプロケット収容溝133が相互に噛み合って剛直化した一対の噛合チェーン111A、111Bに開口していることにより、噛合チェーン111Aおよび駆動用スプロケット140間のコーダルアクションに起因した上下動(脈動)、振動、騒音、速度変動の発生が回避されるため、噛合チェーン式昇降装置100は、チェーン駆動時における噛合チェーン111A、111Bの振動騒音をより一層低減するとともにチェーン駆動を安定させて円滑に一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて自立させるようになっている。
【0024】
次に、図1乃至図7に基づいて、本実施例に係る昇降駆動用噛合チェーンユニット110を詳細に説明する。
図1乃至図5に示すように、本実施例に係る昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、チェーン幅方向Wに沿って離間配置される一対のフック状内歯プレート112A、112A及び112B、112Bとこれら一対のフック状内歯プレート112A、112A及び112B、112Bの外側にそれぞれ隣接配置されるフック状外歯プレート113A、113A及び113B、113Bとを前後一対の連結ピン114A、114A及び114B、114Bでチェーン長手方向に多数連結して構成し一対の噛合チェーン111A、11Bを相互に対向配置して噛み合わせて一体化するとともに相互に噛み外して分岐させる。
【0025】
より具体的には、一対の噛合チェーン111A、111Bは、所謂、チャックチェーンと称するものであって、フック状内歯プレート112A、112Bと、フック状内歯プレート112A、112Bに対してチェーン長手方向に半ピッチ分ずらして重なり合うフック状外歯プレート113A、113Bと、フック状内歯プレート112A同士及びフック状内歯プレート112B同士のそれぞれをチェーン幅方向Wに連結固定するとともに連結ピン114A、114Bを挿嵌したブシュ115A、115Bとを備えており、前述したチェーン案内プレート130に沿って分岐方向D2から剛直方向D1へ偏向しながら相互にフック状内歯プレート112A同士及びフック状内歯プレート112Bとフック状外歯プレート113A同士及びフック状外歯プレート113B同士とを噛み合わせて一体に自立状態で昇降動作するとともに剛直方向D1から分岐方向D2へ偏向しながら相互にフック状内歯プレート112A同士およびフック状内歯プレート112B同士、フック状外歯プレート113A同士及びフック状外歯プレート113B同士を噛み外して分岐する。
【0026】
次に、前述した本実施例の昇降駆動用噛合チェーンユニット110が最も特徴とする構成の具体的な形態について、図1乃至図7に基づいてより詳しく説明する。
図1乃至図7に示すように、本実施例の昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、
一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面116AS、116ASをそれぞれ備えた複数の一方側座屈規制用アタッチプレート116Aが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーン111A、111Bの一方の噛合チェーン111Aに含まれるフック状外歯プレート113Aの外側にそれぞれ添設され、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面116BSをそれぞれ備えた複数の他方側座屈規制用アタッチプレート116BSが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーン111A、111Bの他方の噛合チェーン111Bに含まれるフック状外歯プレート113Bの外側にそれぞれ添設され、一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bが、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で複数のフック状外歯プレート113A、113BのプレートピッチP1の半ピッチすなわちピッチP2だけチェーン長手方向に沿って相互にずれている。
これにより、チェーン長手方向に沿って相互に隣り合う2枚の一方側座屈規制用アタッチプレート116A、116Aの座屈規制面116AS、116AS同士と2枚の他方側座屈規制用アタッチプレート116B、116Bの座屈規制面116BS、116BS同士とを接触させるため、昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って一方の噛合チェーン111Aから他方の噛合チェーン111Bに向かって一対の噛合チェーン111A、111Bを傾かせる荷重の分力と一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って他方の噛合チェーン111Bから一方の噛合チェーン111Aに向かって一対の噛合チェーン111A、111Bを傾かせる荷重の分力とに対して均一に対抗した状態で一対の噛合チェーン111A、111Bの傾き発生を規制し、しかも一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120を搬送するとともにフック状内歯プレート112A同士及びフック状内歯プレート112B同士やフック状外歯プレート113A同士及びフック状外歯プレート113B同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、さらに一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させるようになっている。
【0027】
また、昇降駆動用噛合チェーンユニット110では、一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bが、一対の噛合チェーン111A、111Bの一方の噛合チェーン111A及び他方の噛合チェーン111Bのそれぞれに含まれる連結ピン114A、114Bにより一方の噛合チェーン111Aおよび他方の噛合チェーン111Bにそれぞれ連結固定されている。
これにより、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛みあわせて一体化させた状態で複数の一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び複数の他方側座屈規制用アタッチプレート116Bを含む一対の噛合チェーン全体を一体の剛体とするため、昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って一方の噛合チェーン111Aから他方の噛合チェーン111Bに向かって一対の噛合チェーン111A、111Bを傾かせることと他方の噛合チェーン111Bから一方の噛合チェーン111Aに向かって一対の噛合チェーン111A、111Bを傾かせることとをより一層規制して一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120を搬送するとともにリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、しかも一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させることをより一層実現するようになっている。
【0028】
また、昇降駆動用噛合チェーンユニット110では、一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bのそれぞれの座屈規制面116AS、116BSが、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で水平に延びている。
これにより、垂直方向に沿って上方から下方に向かって一対の噛合チェーン111A、111Bに作用する荷重を一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bのそれぞれの座屈規制面116AS、116BSに均一に分担させて水平分力を低減するため、昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなく一対の噛合チェーン111A、111Bの座屈強度をより一層向上させて一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120を搬送するとともにフック状内歯プレート112A同士及びフック状内歯プレート112B同士やフック状外歯プレート113A同士及びフック状外歯プレート113B同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避するようになっている。
【0029】
また、昇降駆動用噛合チェーンユニット110では、一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bのそれぞれの座屈規制面116AS、116BSが、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bのそれぞれのプレート面116AP、116BPに沿って一対の噛合チェーン111A、111Bの中心線CLを跨いでいる。
これにより、一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bのプレート面116AP、116BPに沿って一方の噛合チェーン111Aから他方の噛合チェーン111Bに渡って一対の噛合チェーン111A、111Bの中心線CLの両側で一方側座屈規制用アタッチプレート116Aの座屈規制面116ASに荷重を分散して負担させるとともに他方の噛合チェーン111Bから一方の噛合チェーン111Aに渡って一対の噛合チェーン111A、111Bの中心線CLの両側で他方側座屈規制用アタッチプレート116Bの座屈規制面116BSに荷重を分散して負担させるため、昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなく一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って一対の噛合チェーン111A、111Bの座屈強度をより一層向上させて一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120をより正確に搬送するとともにフック状内歯プレート112A同士及びフック状内歯プレート112B同士やフック状外歯プレート113A同士及びフック状外歯プレート113Bなどのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下をより一層回避するようになっている。
【0030】
また、昇降駆動用噛合チェーンユニット110では、一方側座屈規制用アタッチプレート116Aが、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で他方の噛合チェーン111Bに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレート113B、113Bに重なっている。
これにより、チェーン幅方向Wから一方側座屈規制用アタッチプレート116Aで2枚のフック状外歯プレート113B、113Bを支持するため、昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなくチェーン幅方向Wに沿った座屈強度を向上させて一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120をより正確に搬送するようになっている。
【0031】
また、昇降駆動用噛合チェーンユニット110では、他方側座屈規制用アタッチプレート116Bが、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一方の噛合チェーン111Aに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレート113A、113Aに重なっている。
これにより、チェーン幅方向Wから他方側座屈規制用アタッチプレート116Bで2枚のフック状外歯プレート113A、113Aを支持するため、昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなくチェーン幅方向Wに沿った座屈強度を向上させて一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120をより正確に搬送するようになっている。
【0032】
このようにして得られた本実施例の昇降駆動用噛合チェーンユニット110は、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面116AS、116ASをそれぞれ備えた複数の一方側座屈規制用アタッチプレート116Aが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーン111A、111Bの一方の噛合チェーン111Aに含まれるフック状外歯プレート113Aの外側にそれぞれ添設され、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面116BSをそれぞれ備えた複数の他方側座屈規制用アタッチプレート116BSが、チェーン長手方向に沿って配列されているとともに一対の噛合チェーン111A、111Bの他方の噛合チェーン111Bに含まれるフック状外歯プレート113Bの外側にそれぞれ添設され、一方側座屈規制用アタッチプレート116A及び他方側座屈規制用アタッチプレート116Bが、一対の噛合チェーン111A、111Bを相互に噛み合わせて一体化させた状態で複数のフック状外歯プレート113A、113BのプレートピッチP1の半ピッチすなわちピッチP2だけチェーン長手方向に沿って相互にずれていることにより、一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って一方の噛合チェーン111Aから他方の噛合チェーン111Bに向かって一対の噛合チェーン111A、111Bを傾かせる荷重の分力と一対の噛合チェーン111A、111Bの対向面Sに沿って他方の噛合チェーン111Bから一方の噛合チェーン111Aに向かって一対の噛合チェーン111A、111Bを傾かせる荷重の分力とに対して均一に対抗した状態で一対の噛合チェーン111A、111Bの傾き発生を規制し、しかも一対の噛合チェーン111A、111Bを垂直方向に沿って真っ直ぐ自立させた状態で高い位置まで被駆動体120を搬送するとともにフック状内歯プレート112A同士及びフック状内歯プレート112B同士やフック状外歯プレート113A同士及びフック状外歯プレート113B同士などのリンクプレート間の噛み合わせ精度の低下を回避し、さらに一対の噛合チェーン111A、111Bを補強する補強具を設置する装置組立時における作業負担の増大および部品点数の増加や相互に噛み合わせて一体化させた一対の噛合チェーン111A、111Bの断面積の増大を伴うことなく座屈強度を向上させることができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0033】
100 ・・・ 噛合チェーン式昇降装置
110 ・・・ 昇降駆動用噛合チェーンユニット
111A、111B、211 ・・・ 噛合チェーン
112A、112B ・・・ フック状内歯プレート
113A、113B ・・・ フック状外歯プレート
114A、114B ・・・ 連結ピン
115A、115B ・・・ ブシュ
116A、116B ・・・ 座屈規制用アタッチプレート
116AS、116BS ・・・ 座屈規制面
116AP、116BP ・・・ 座屈規制用アタッチプレートのプレート面
120、220 ・・・ 被駆動体
130 ・・・ チェーン案内プレート
131 ・・・ チェーン収納用溝
132 ・・・ チェーン誘導用溝
133 ・・・ 駆動用スプロケット収容溝
140 ・・・ 駆動用スプロケット
150 ・・・ 駆動源
151 ・・・ 直交ギヤ
152 ・・・ 駆動用モータ
213 ・・・ リンクプレート
213S ・・・ リンクプレートのプレート端面
CL ・・・ 相互に噛み合って一体化した一対の噛合チェーンの中心線
D1 ・・・ 一対の噛合チェーンの剛直方向
D2 ・・・ 一対の噛合チェーンの分岐方向
F ・・・ 水平分力
S ・・・ 一対の噛合チェーンの対向面
W ・・・ チェーン幅方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン幅方向に沿って離間配置される一対のフック状内歯プレートおよび該一対のフック状内歯プレートの外側にそれぞれ隣接配置されるフック状外歯プレートを前後一対の連結ピンでチェーン長手方向に多数連結して構成し一対の噛合チェーンを相互に対向配置して噛み合わせて一体化するとともに相互に噛み外して分岐させる昇降駆動用噛合チェーンユニットにおいて、
前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の一方側座屈規制用アタッチプレートが、前記チェーン長手方向に沿って配列されているとともに前記一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、
前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一対の噛合チェーンの対向面に沿って座屈を規制する前後一対の座屈規制面をそれぞれ備えた複数の他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記チェーン長手方向に沿って配列されているとともに前記一対の噛合チェーンの他方の噛合チェーンに含まれるフック状外歯プレートの外側にそれぞれ添設され、
前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記複数のフック状外歯プレートのプレートピッチの半ピッチだけ前記チェーン長手方向に沿って相互にずれていることを特徴とする昇降駆動用噛合チェーンユニット。
【請求項2】
前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンの一方の噛合チェーン及び他方の噛合チェーンのそれぞれに含まれる連結ピンにより前記一方の噛合チェーンおよび他方の噛合チェーンにそれぞれ連結固定されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニット。
【請求項3】
前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面が、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で水平に延びていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニット。
【請求項4】
前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれの座屈規制面が、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一方側座屈規制用アタッチプレート及び他方側座屈規制用アタッチプレートのそれぞれのプレート面に沿って前記一対の噛合チェーンの中心線を跨いでいることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の昇降駆動用噛合チェーンユニット。
【請求項5】
前記一方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記他方の噛合チェーンに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレートに重なっていることを特徴とする請求項4に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニット。
【請求項6】
前記他方側座屈規制用アタッチプレートが、前記一対の噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体化させた状態で前記一方の噛合チェーンに含まれてチェーン長手方向に隣り合う2枚のフック状外歯プレートに重なっていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の昇降駆動用噛合チェーンユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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