説明

映像再生装置及び映像再生方法

【課題】コンテンツファイルの映像を表示する際の、映像品位に適した画質処理を低コストで行うことを可能とする。
【解決手段】実施形態の映像再生装置は、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る読取手段と、読み取ったコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルを選択する選択手段と、選択されたコンテンツファイルの映像に所定の画質処理を施す画質処理手段と、選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に所定の名称が含まれる場合、その所定の名称に対応したパラメータで画質処理を行わせる画質制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像再生装置及び映像再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶テレビ等の映像再生装置には、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体に記憶されたコンテンツファイルを読み出し、この読み出したコンテンツファイルに記憶されているコンテンツ(番組)の映像を表示するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−108843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した記憶媒体に記憶されたコンテンツファイルのコンテンツには、解像度の高いコンテンツや解像度の低いコンテンツなど、映像のステータス(映像品位)が異なるコンテンツが混在している。コンテンツの映像を表示する際に行う、ノイズ除去等の画質を改善するための画質処理については、映像のステータスに対応して画質処理に関するパラメータを調整することが好ましい。したがって、記憶媒体に記憶されたコンテンツファイルを読み出して映像を表示する際に、映像品位に適した画質処理を行うためには、読み出した映像を解析して映像品位を確認するための構成を別途備える必要があり、高コストであった。また、ソフトウエアで映像を解析して映像品位を確認する場合も高負荷となってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンテンツファイルの映像を表示する際の、映像品位に適した画質処理を低コストや低負荷で行うことを可能とする映像再生装置及び映像再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の映像再生装置は、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る読取手段と、前記読み取ったコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルを選択する選択手段と、前記選択されたコンテンツファイルの映像に所定の画質処理を施す画質処理手段と、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に所定の名称が含まれる場合、当該所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる画質制御手段と、を備え、前記画質制御手段は、前記所定の名称ごとに、前記画質処理にかかるパラメータが予め設定された設定データを参照して、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に含まれる所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせ、前記画質処理は、前記映像に含まれるノイズを除去する処理であり、前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に含まれる所定の名称に対応したパラメータが示す強さで前記映像に含まれるノイズの除去を行わせる。
また、実施形態の映像再生装置は、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る読取手段と、前記読み取ったコンテンツファイルの映像に所定の処理を施す画質処理手段と、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に所定の文字が含まれる場合、当該所定の文字に対応したパラメータで前記処理を行わせる制御手段と、を備える。
【0007】
また、実施形態の映像再生方法は、映像再生装置の映像再生方法であって、読取手段が、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る工程と、画質処理手段が、前記読み取ったコンテンツファイルの映像に所定の処理を施す工程と、制御手段が、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に所定の文字が含まれる場合、当該所定の文字に対応したパラメータで前記処理を行わせる工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施形態にかかる映像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、リモコンの操作ボタンの配置例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態にかかる映像再生装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、記憶されるコンテンツファイルを例示する概念図である。
【図5】図5は、フォルダに格納されるコンテンツファイルを例示する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態の映像再生装置及び映像再生方法を詳細に説明する。なお、本実施形態では映像再生装置として一般的なテレビを例示するが、放送波を受信するチューナを備えたハードディスクレコーダーやセットトップボックス等の機器であってもよいことは言うまでもないことである。
【0010】
図1は、実施形態にかかる映像再生装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、映像再生装置1は、デジタル放送/アナログ放送の受信用チューナーを搭載するテレビであり、アンテナ2、チューナー3、信号処理部4、映像処理部5、表示処理部6、ディスプレイ表示部7、音声処理部8、スピーカー9、制御部10、通信ライン11、RAM12(Random Access Memory)、ROM13(Read Only Memory)、キーボード14、受光部15、入出力部16及び通信部17を備えて構成されている。
【0011】
アンテナ2は、BS、CS、地上波等のデジタル放送/アナログ放送を受信する。チューナー3は、ユーザーが指示した視聴用のチャンネルを選局する。信号処理部4は、制御部10の制御のもと、チューナー3で復調された信号や入出力部16より入力された信号を様々なデジタル信号として取り出し処理する。なお、アナログ放送については、信号処理部4によりA/D変換されてデジタル信号として処理される。また、信号処理部4では、入力された信号を映像信号と音声信号とに分離し、映像信号を映像処理部5へ、音声信号を音声処理部8へ出力する。
【0012】
映像処理部5は、信号処理部4から入力した映像信号を正しい画面サイズに調整し、さらに様々な映像処理を行う。映像処理部5が行う様々な映像処理には、映像についての画質を改善する画質処理として、映像信号に含まれるノイズを除去する処理が含まれる。具体的には、アナログ放送での映像に含まれるアナログノイズを除去する処理や、デジタル放送での映像に含まれるモスキートノイズやブロックノイズを除去する処理がある。上述した映像処理部5が行う画質処理の強さ(パラメータ)は、画質制御部103により制御される。具体的には、ノイズ除去による映像のボケ具合が、画質処理の強さとして制御される。
【0013】
表示処理部6は、調整後の映像信号に対して、さらに文字情報等のOSD(On-Screen Display)表示を重ねる。ディスプレイ表示部7は、映像信号を画面に表示する。そして、視聴者(ユーザ)はディスプレイ表示部7の画面を見ることにより、テレビ映像を見る。音声処理部8は、音声信号を音響処理するとともに増幅する。スピーカー9は、音声信号を音声として出力する。そして、視聴者はスピーカー9からの音声を聴くことにより、テレビ音声を聴く。
【0014】
制御部10は、映像再生装置1の各部を制御する。制御部10は、具体的にはマイクロコントローラであり、ROM13に記憶されたプログラムをRAM12に展開して順次実行することで、映像再生装置1の各部に制御信号を出力して、映像再生装置1の動作を中央制御する。制御部10は、上述したプログラムを実行することで、コンテンツ読取部101、コンテンツ選択部102及び画質制御部103としての機能を有する(詳細は後述する)。
【0015】
通信ライン11は、チューナー3、信号処理部4、映像処理部5、表示処理部6、音声処理部8、および、制御部10を互いに接続し、制御部10と、チューナー3、信号処理部4、映像処理部5、表示処理部6及び音声処理部8の間で、データの受け渡しを行う。通信ライン11は、具体的にはIIC−BUSなどであってよい。RAM12およびROM13は、様々なデータを記憶しており、制御部10との間で、これらのデータの受け渡しが行われる。特に、ROM13は、制御部10が実行するプログラムや各種設定が記述された設定データ131を記憶している。
【0016】
ここで、設定データ131に記述される各種設定には、コンテンツファイル211のファイル名称などに含まれる所定の名称ごとに、その名称に対応して映像処理部5が行う画質処理の強さ(パラメータ)を設定する設定値などがある。例えば、「special(特殊)」、「normal(標準)」等の名称ごとに、その名称に対応した画像処理のパラメータが記述されている。
【0017】
キーボード14は、視聴者の操作指示を受け付けるスイッチである。受光部15は、視聴者の操作指示を受け付けたリモコン40が発信する信号を受信する。視聴者は、リモコン40の各種ボタンを操作することで、映像再生装置1及び映像再生装置1と接続する各機器を操作することができる。上述したキーボード14、リモコン40が映像再生装置1の操作手段である。
【0018】
ここで、リモコン40を例に、操作手段の詳細を説明する。図2は、リモコン40の操作ボタンの配置例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、信号処理部4には、映像再生装置1及び映像再生装置1と接続する各機器を操作するための各種ボタンが配置されている。数字ボタン410は、チャンネルの番号を入力したり、操作入力を行う機器を切り換える入力切換操作の時の接続機器の番号を選択したりする際の、数字入力を視聴者が行うボタンである。
【0020】
チャンネルアップボタン413とチャンネルダウンボタン414とは、チャンネルを昇順又は降順に変更するための操作を視聴者が行うボタンである。音量アップボタン415と音量ダウンボタン416とは、音声出力のボリュームを増減するための操作を視聴者が行うボタンである。メニューボタン417は、映像再生装置1の設定操作等のメニューを表示させて、その設定操作を開始する際に、視聴者が操作するボタンである。選択ボタン418は、視聴者が選択指示を行うためのボタンである。
【0021】
電源ボタン419は、映像再生装置1の電源のオン/オフを視聴者が操作するボタンである。入力切換ボタン420は、入力切換操作を開始する際に、視聴者が操作するボタンである。上ボタン421、下ボタン422、左ボタン423、右ボタン424は、設定操作中のメニュー表示や、カーソルの位置を変更するための操作を視聴者が行うボタンである。OKボタン425は、選択内容や変更内容を決定する際に、視聴者が操作するボタンである。
【0022】
色ボタン426(図示例では「青」、「赤」、「緑」、「黄色」)は、映像再生装置1のデジタルテレビ放送に関係する操作などを行う際に、視聴者が使用するボタンである。ソース機器操作ボタン430は、映像再生装置1に接続されたソース機器(図1の例ではレコーダー20)が記憶するコンテンツに関係する操作(例えば再生)などを行う際に、視聴者が使用するボタンである。図示例では、「再生」、「停止」、「早戻し」、「早送り」などがある。
【0023】
入出力部16は、レコーダー20が接続可能なHDMI(High-Definition Multimedia Interface)や、USB機器21が接続可能なUSB(Universal Serial Bus)の通信インタフェース、フラッシュメモリなどのメディアカード22が挿抜可能なカードスロットである。通信部17は、制御部10の制御のもと、インターネット23等の通信ネットワークとデータ通信を行う通信インタフェースである。
【0024】
入出力部16は、制御部10の制御のもと、HDMIを介して接続するHDMI対応のレコーダー20よりデジタル映像の入力を受け付ける。また、入出力部16は、USBケーブルを介して接続するレコーダー20、カードスロットに挿入されたメディアカード22におけるデータの読み書きを行う。これにより、記憶手段としてのUSB機器21に記憶されたコンテンツファイル211の読み出しが行われる。
【0025】
コンテンツファイル211は、ディスプレイ表示部7で表示される映像、スピーカー9より出力される音声等のコンテンツデータを記録したファイルである。具体的には、映像や音声のストリームデータが記述されたファイルであり、コンテンツ(番組)ごとにファイル名が付されてファイル分けされている。なお、本実施形態では、コンテンツファイル211がUSB機器21に記憶される構成を例示するが、コンテンツファイル211は、レコーダー20やメディアカード22の他、インターネット23を介して接続可能な外部機器などに記憶されてもよいことは言うまでもないことである。
【0026】
ここで、コンテンツファイル211のファイル名には、コンテンツの映像品位に対応した画質処理の強さ(パラメータ)を設定する場合、設定すべき画質処理のパラメータを指示する名称を含めるものとする。具体的には、設定データ131において画質処理のパラメータを設定するための名称として記述されている、「special(特殊)」、「normal(標準)」等の名称をコンテンツファイル211のファイル名に含める。したがって、視聴者は、「special(特殊)」、「normal(標準)」等の名称の中で、コンテンツの映像品位に対応した画質処理のパラメータを設定するための名称をコンテンツファイル211のファイル名に含ませることで、その名称に対応したパラメータを映像処理部5で行う画質処理に反映させることができる。
【0027】
ここで、制御部10が有する機能部である、コンテンツ読取部101、コンテンツ選択部102及び画質制御部103の詳細を説明する。
【0028】
コンテンツ読取部101は、入出力部16を介してUSB機器21が接続された場合に、接続されたUSB機器21に記憶されたコンテンツファイル211を読み出す。コンテンツ選択部102は、コンテンツ読取部101が読み出したコンテンツファイル211をファイル分けされたコンテンツごとに表示した選択画面、すなわちコンテンツファイル211の中から再生するコンテンツファイルを選択する選択画面をディスプレイ表示部7に表示する。そして、コンテンツ選択部102は、リモコン40による操作指示をもとにディスプレイ表示部7より表示して再生を行うコンテンツファイル211の選択を受け付ける。
【0029】
画質制御部103は、映像処理部5が行う画質処理の強さを制御する。具体的には、画質制御部103は、コンテンツ選択部102により選択されたコンテンツファイル211を読み出してディスプレイ表示部7より表示して再生を行う際に映像処理部5が行う画質処理の強さを、コンテンツファイル211を特定するための名称(ファイル名)をもとに制御する。より具体的には、画質制御部103は、コンテンツファイル211のファイル名に、設定データ131において「special(特殊)」、「normal(標準)」等の画質処理のパラメータが設定された名称が含まれている場合、その名称に対応したパラメータで映像処理部5の画質処理を行わせる。したがって、映像再生装置1は、コンテンツファイル211の映像品位に対応した画質処理の強さ(パラメータ)を設定するための名称をファイル名に含めるようにすることで、その映像品位に対応した画質処理を実現できるため、コンテンツファイル211の映像を解析して映像品位を確認するための構成を別途備える必要がなく、映像品位に適した画質処理を低コストで実現できる。
【0030】
ここで、上述したコンテンツ読取部101、コンテンツ選択部102及び画質制御部103による制御内容について、図3を参照して詳細に説明する。図3は、実施形態にかかる映像再生装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0031】
図3に示すように、電源の投入などにより処理が開始されると、コンテンツ読取部101は、記憶媒体の挿入の有無、すなわち入出力部16へのUSB機器21の接続の有無を判定する(S1)。入出力部16へUSB機器21が接続された場合(S1:YES)、コンテンツ読取部101は、USB機器21に記憶されたコンテンツファイル211を読み出す(S2)。
【0032】
図4は、記憶されるコンテンツファイルF1を例示する概念図である。図4に示すように、USB機器21には、ルートフォルダなどの下に、コンテンツファイルF1、F2、F3等のコンテンツファイルが格納されている。ここで、コンテンツファイルF1は、ファイル名が”xxx_special.mpg”であり、設定データ131において画質処理のパラメータが設定された「special(特殊)」の名称を含むものとする。また、コンテンツファイルF2は、ファイル名が”YYY.mpg”であり、設定データ131において画質処理のパラメータが設定された名称を含まないものとする。また、コンテンツファイルF3は、ファイル名が”zzz_Hi_special.mpg”であり、設定データ131において画質処理のパラメータが設定された「special(特殊)」の名称と、そのパラメータを調整するための単語(ターム)である「Hi」を含むものとする。
【0033】
パラメータを調整するためのタームは、例えば映像の解像度などを示す「Hi」や「Low」、元映像の出所(例えばアナログ放送/デジタル放送/ネット配信)を示す「アナログ」、「デジタル」、「ネット」などであってよい。設定データ131には上述したタームに対応した調整量が設定されており、画質制御部103は、再生を行うコンテンツファイル211のファイル名に含まれるタームをもとに、設定データ131に設定された調整量を画質処理のパラメータに反映させる(詳細は後述する)。
【0034】
次いで、コンテンツ選択部102は、読み出したコンテンツファイル211の中から再生するコンテンツファイルを選択する選択画面をディスプレイ表示部7に表示し、リモコン40による操作指示をもとにディスプレイ表示部7より表示して再生を行うコンテンツファイル211の選択を受け付ける(S3)。
【0035】
次いで、画質制御部103は、選択されたコンテンツファイル211のファイル名に設定データ131において画質処理のパラメータが設定された所定の名称(例えば「special(特殊)」、「normal(標準)」等)が含まれているか否かを判定する(S4)。所定の名称が含まれていない場合(S4:NO)、画質制御部103は、映像処理部5が行う画質処理のパラメータとしてROM13等に予め設定されている標準のパラメータを設定する(S5)。
【0036】
所定の名称が含まれている場合(S4:YES)、画質制御部103は、その名称に対応した画質処理のパラメータを設定データ131より読み出して設定する(S6)。例えば、図4の例では、コンテンツファイルF1やF3が選択された場合は、「special(特殊)」に対応した画質処理のパラメータが設定されることとなる。
【0037】
次いで、画質制御部103は、選択されたコンテンツファイル211のファイル名に上述した調整用のタームが含まれているか否かを判定する(S7)。調整用のタームが含まれている場合、画質制御部103は、そのタームに対応した調整量を設定データ131より読み出して、S6で設定された画質処理のパラメータに付加する(S8)。これにより、調整用のタームをコンテンツファイル211のファイル名に付加することで、画質処理のパラメータを調整することが可能となる。例えば、図4の例では、コンテンツファイルF3が選択された場合は、「special(特殊)」に対応した画質処理のパラメータに、映像の解像度が「Hi」である場合の調整量が付加されることとなる。
【0038】
解像度が高い映像は、比較的綺麗な映像であることから、映像処理部5のノイズ除去による映像のボケ具合を強くしない方がよいことがある。したがって、視聴者は、解像度が高い映像であることを示す「Hi」のタームをコンテンツファイル211のファイル名に含めるようにすることで、画質処理のパラメータを解像度が高い映像に合わせて調整することができる。
【0039】
次いで、制御部10は、S3で選択されたコンテンツファイルをUSB機器21より読み出し(S9)、設定されたパラメータでの画質処理を映像処理部5で行わせて(S10)、ディスプレイ表示部7より表示させる(S11)。
【0040】
なお、本実施形態では、コンテンツファイル211を特定するための名称としてファイル名を例示し、画質制御部103は、選択されたコンテンツファイル211のファイル名に応じたパラメータで映像処理部5の画質処理を行わせる場合を説明した。しかしながら、コンテンツファイル211を特定するための名称は、ファイル名以外に、例えばフォルダ名であってもよい。画質制御部103は、選択されたコンテンツファイルのフォルダ名に、設定データ131において画質処理のパラメータが設定されている名称を含む場合は、その名称に対応したパラメータで映像処理部5の画質処理を行わせる。これにより、視聴者は、所定の名称を付したフォルダの下にコンテンツファイル211を格納することで、そのコンテンツファイル211における画質処理を一括して行わせることができる。
【0041】
図5は、フォルダF10、F20に格納されるコンテンツファイルを例示する概念図である。図5に示すように、USB機器21には、フォルダF10の下にコンテンツファイルF11、F12が格納され、フォルダF20の下にコンテンツファイルF21が格納されている。ここで、フォルダF10はフォルダ名が”Special”であり、設定データ131において画質処理のパラメータが設定されている「special(特殊)」の名称を含むものとする。また、フォルダF20はフォルダ名が”normal”であり、設定データ131において画質処理のパラメータが設定されている「normal(標準)」の名称を含むものとする。これにより、コンテンツファイルF11、F12が選択された場合には、「special(特殊)」に対応したパラメータで映像処理部5の画質処理を行わせることができる。
【0042】
なお、本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0043】
さらに、本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0044】
本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(コンテンツ読取部101、コンテンツ選択部102、画質制御部103)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、生成されるようになっている。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0046】
以下に、原出願の分割直前の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0047】
(付記1)
記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る読取手段と、
前記読み取ったコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルを選択する選択手段と、
前記選択されたコンテンツファイルの映像に所定の画質処理を施す画質処理手段と、
前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に所定の名称が含まれる場合、当該所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる画質制御手段と、
を備える映像再生装置。
【0048】
(付記2)
前記画質制御手段は、前記所定の名称ごとに、前記画質処理にかかるパラメータが予め設定された設定データを参照して、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に含まれる所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる、
(付記1)に記載の映像再生装置。
【0049】
(付記3)
前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に、前記所定の名称の他に、前記パラメータの調整にかかる所定のタームが含まれる場合、当該所定のタームに対応した調整量を前記パラメータに付加して前記画質処理を行わせる、
(付記1)又は(付記2)に記載の映像再生装置。
【0050】
(付記4)
前記所定のタームは、前記コンテンツファイルの映像の解像度を示すタームであり、
前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に、前記解像度を示すタームが含まれている場合、当該解像度に対応した調整量を前記パラメータに付加して前記画質処理を行わせる、
(付記3)に記載の映像再生装置。
【0051】
(付記5)
前記画質処理は、前記映像に含まれるノイズを除去する処理であり、
前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に含まれる所定の名称に対応したパラメータが示す強さで前記映像に含まれるノイズの除去を行わせる、
(付記1)乃至(付記4)のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【0052】
(付記6)
前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称は、コンテンツファイルのファイル名であり、
前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルのファイル名に所定の名称が含まれる場合、当該所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる、
(付記1)乃至(付記5)のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【0053】
(付記7)
前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称は、当該コンテンツファイルが格納されたフォルダのフォルダ名であり、
前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルが格納されたフォルダ名に所定の名称が含まれる場合、当該所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる、
(付記1)乃至(付記5)のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【0054】
(付記8)
前記記憶手段は所定の通信路を介した接続及び切断が可能であり、
前記読取手段は、前記記憶手段が接続された場合に、当該記憶手段に記憶されるコンテンツファイルを読み取る、
(付記1)乃至(付記7)のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【0055】
(付記9)
映像再生装置の映像再生方法であって、
読取手段が、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る工程と、
選択手段が、前記読み取ったコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルを選択する工程と、
画質処理手段が、前記選択されたコンテンツファイルの映像に所定の画質処理を施す工程と、
画質制御手段が、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称が所定の名称である場合、当該名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる工程と、
を含む映像再生方法。
【符号の説明】
【0056】
1…映像再生装置、2…アンテナ、3…チューナー、4…信号処理部、5…映像処理部、6…表示処理部、7…ディスプレイ表示部、8…音声処理部、9…スピーカー、10…制御部、11…通信ライン、12…RAM、13…ROM、14…キーボード、15…受光部、16…入出力部、17…通信部、20…レコーダー、21…USB機器、22…メディアカード、23…インターネット、40…リモコン、101…コンテンツ読取部、102…コンテンツ選択部、103…画質制御部、131…設定データ、211…コンテンツファイル、F1、F2、F3、F11、F12、F21…コンテンツファイル、F10、F20…フォルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る読取手段と、
前記読み取ったコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルを選択する選択手段と、
前記選択されたコンテンツファイルの映像に所定の画質処理を施す画質処理手段と、
前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に所定の名称が含まれる場合、当該所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる画質制御手段と、
を備え、
前記画質制御手段は、前記所定の名称ごとに、前記画質処理にかかるパラメータが予め設定された設定データを参照して、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に含まれる所定の名称に対応したパラメータで前記画質処理を行わせ、
前記画質処理は、前記映像に含まれるノイズを除去する処理であり、
前記画質制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称に含まれる所定の名称に対応したパラメータが示す強さで前記映像に含まれるノイズの除去を行わせる映像再生装置。
【請求項2】
記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る読取手段と、
前記読み取ったコンテンツファイルの映像に所定の処理を施す画質処理手段と、
前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に所定の文字が含まれる場合、当該所定の文字に対応したパラメータで前記処理を行わせる制御手段と、
を備える映像再生装置。
【請求項3】
前記所定の処理は、所定の画質処理であることを特徴とする、
請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記画質制御手段は、前記所定の文字ごとに、前記画質処理にかかるパラメータが予め設定された設定データを参照して、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に含まれる所定の文字に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる、
請求項3に記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記画質制御手段は、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に、前記所定の文字の他に、前記パラメータの調整にかかる所定のタームが含まれる場合、当該所定のタームに対応した調整量を前記パラメータに付加して前記画質処理を行わせる、
請求項3又は4に記載の映像再生装置。
【請求項6】
前記所定のタームは、前記コンテンツファイルの映像の解像度を示すタームであり、
前記画質制御手段は、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に、前記解像度を示すタームが含まれている場合、当該解像度に対応した調整量を前記パラメータに付加して前記画質処理を行わせる、
請求項5に記載の映像再生装置。
【請求項7】
前記画質処理は、前記映像に含まれるノイズを除去する処理であり、
前記画質制御手段は、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に含まれる所定の文字に対応したパラメータが示す強さで前記映像に含まれるノイズの除去を行わせる、
請求項3乃至6のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称は、コンテンツファイルのファイル名であり、
前記画質制御手段は、前記読み取ったコンテンツファイルのファイル名に所定の文字が含まれる場合、当該所定の文字に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる、
請求項3乃至7のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項9】
前記選択されたコンテンツファイルを特定するための名称は、当該コンテンツファイルが格納されたフォルダのフォルダ名であり、
前記画質制御手段は、前記読み取ったコンテンツファイルが格納されたフォルダ名に所定の文字が含まれる場合、当該所定の文字に対応したパラメータで前記画質処理を行わせる、
請求項3乃至7のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項10】
前記記憶手段は所定の通信路を介した接続及び切断が可能であり、
前記読取手段は、前記記憶手段が接続された場合に、当該記憶手段に記憶されるコンテンツファイルを読み取る、
請求項3乃至9のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項11】
映像再生装置の映像再生方法であって、
読取手段が、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルを読み取る工程と、
画質処理手段が、前記読み取ったコンテンツファイルの映像に所定の処理を施す工程と、
制御手段が、前記読み取ったコンテンツファイルを特定するための名称の中に所定の文字が含まれる場合、当該所定の文字に対応したパラメータで前記処理を行わせる工程と、
を含む映像再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−93858(P2013−93858A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255484(P2012−255484)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2011−229080(P2011−229080)の分割
【原出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【特許番号】特許第5185467号(P5185467)
【特許公報発行日】平成25年4月17日(2013.4.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】