説明

映像音声機器

【課題】子供が泣き出した場合に大人の手を煩わせることなく子供を泣き止ますことができ利便性の高い映像音声機器を提供する。
【解決手段】表示部5および音声出力部8の少なくともいずれかと、子供が泣いているか否かを検出する検出部45とを備えた映像音声機器100において、前記検出部45が子供が泣いていることを検出すると、前記検出部45が子供が泣いていないことを検出するまで映像信号および/または音声信号を順次切替えて前記表示部5および/または前記音声出力部8に出力する制御を行う制御部13を備えた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泣き出した子供をあやすことを目的とする映像音声機器(映像表示、音声出力の少なくともいずれかの機能を有する機器)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子供を後部座席に乗せて車両の運転を行うことがあるが、このようなとき運転者が子供の様子を確認したい場合がある。そこで、従来、例えば特許文献1には、後部の座席ごとに子供が着座しているか否かを判定し、子供が着座している座席のみ撮影して表示するモニタ装置が開示されている。このようなモニタ装置によれば、子供の様子を表示するための領域を必要最小限の広さにすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−221989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、子供が泣いている場合、上記特許文献1のモニタ装置では子供の泣いている様子を確認することはできるが、大人が一人である場合や、大人が複数いる場合でもすぐに後部座席に移動して子供をあやすことができない場合があるという問題があった。
【0005】
上記問題点を鑑み、本発明は、子供が泣き出した場合に大人の手を煩わせることなく子供を泣き止ますことができ利便性の高い映像音声機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の映像音声機器は、表示部および音声出力部の少なくともいずれかと、子供が泣いているか否かを検出する検出部とを備えた映像音声機器において、
前記検出部が子供が泣いていることを検出すると、前記検出部が子供が泣いていないことを検出するまで映像信号および/または音声信号を順次切替えて前記表示部および/または前記音声出力部に出力する制御を行う制御部を備えた構成とする。
【0007】
このような構成によれば、子供が泣き出した場合でも子供が泣き止むまで映像が表示されたり音声が出力されたりするので、大人の手を煩わせることなく子供を泣き止ますことができ利便利の高いものとなる。
【0008】
また、上記構成において、前記映像信号および/または前記音声信号は、保存部に保存されたコンテンツの映像信号および/または音声信号か、テレビ放送番組の映像信号および音声信号か、ラジオ放送番組の音声信号の少なくともいずれかであってもよい。
【0009】
また、上記構成において、前記保存部に保存されたコンテンツの映像信号および/または音声信号を前記表示部および/または前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該コンテンツにフラグを付加し、
前記制御部は前記保存部に保存されたコンテンツのうち前記フラグが付加されたコンテンツの映像信号および/または音声信号を優先的に前記表示部および/または前記音声出力部に出力する構成としてもよい。
【0010】
このような構成によれば、フラグを付加したコンテンツは子供が泣き止んだ実績があるので、優先的にそのコンテンツの映像を表示したり音声を出力したりすることで、子供が泣き止むまでの時間を短縮することができる。
【0011】
また、上記いずれかの構成において、テレビ放送番組の映像信号および音声信号を前記表示部および前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該テレビ放送番組の番組情報を保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存された番組情報のテレビ放送番組の映像信号および音声信号を優先的に前記表示部および前記音声出力部に出力する構成としてもよい。
【0012】
このような構成によれば、子供が泣き止んだ実績のあるテレビ放送番組の番組情報を保存し、優先的にその番組情報のテレビ放送番組の映像を表示し音声を出力することで、子供が泣き止むまでの時間を短縮することができる。
【0013】
また、上記いずれかの構成において、テレビ放送番組の映像信号および音声信号を前記表示部および前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該テレビ放送番組の映像信号および音声信号をコンテンツとしてフラグを付加して前記保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存されたコンテンツのうち前記フラグが付加されたコンテンツの映像信号および音声信号を優先的に前記表示部および前記音声出力部に出力する構成としてもよい。
【0014】
このような構成によれば、子供が泣き止んだ実績のあるテレビ放送番組の映像信号および音声信号をフラグを付加してコンテンツとして保存し、優先的にフラグを付加したコンテンツの映像を表示し音声を出力することで、子供が泣き止むまでの時間を短縮することができる。
【0015】
また、上記いずれかの構成において、ラジオ放送番組の音声信号を前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該ラジオ放送番組の番組情報を保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存された番組情報のラジオ放送番組の音声信号を優先的に前記音声出力部に出力する構成としてもよい。
【0016】
このような構成によれば、子供が泣き止んだ実績のあるラジオ放送番組の番組情報を保存し、優先的にその番組情報のラジオ放送番組の音声を出力することで、子供が泣き止むまでの時間を短縮することができる。
【0017】
また、上記いずれかの構成において、ラジオ放送番組の音声信号を前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該ラジオ放送番組の音声信号をコンテンツとしてフラグを付加して前記保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存されたコンテンツのうち前記フラグが付加されたコンテンツの音声信号を優先的に前記音声出力部に出力する構成としてもよい。
【0018】
このような構成によれば、子供が泣き止んだ実績のあるラジオ放送番組の音声信号をフラグを付加してコンテンツとして保存し、優先的にフラグを付加したコンテンツの音声を出力することで、子供が泣き止むまでの時間を短縮することができる。
【0019】
また、上記いずれかの構成において、前記制御部を有した車載ナビゲーション装置を備え、前記表示部は車両後部座席から視認可能に車両に設けられる構成としてもよい。
【0020】
このような構成によれば、ナビゲーション機能を有すると共に、車両後部座席に座った子供が泣き出した場合でも、運転席や助手席に座った大人が子供のそばに移動しなくても子供を泣き止ますことができ利便性が高いものとなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の映像音声機器によれば、子供が泣き出した場合に大人の手を煩わせることなく子供を泣き止ますことができ利便性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態である映像音声システムの概略構成図である。
【図2】本発明の映像音声システムにおける動作フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る保存コンテンツ再生処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係るテレビ受信処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るラジオ受信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本発明に係る映像音声機器の一実施形態としての映像音声システムの概略構成を図1に示す。図1に示す映像音声システムは、車載ナビゲーション装置100と、それに接続された映像表示装置30、音声出力装置35、子供検出センサ40並びに泣き声検出センサ45を備えており、車両に搭載されるものである。
【0024】
図1に示すように、車載ナビゲーション装置100は、DTVチューナ部1と、デコード部2と、FMチューナ部3と、FM復調部4と、表示部5と、音声出力部6と、映像信号出力部7と、音声信号出力部8と、操作部9と、通信部10と、保存部11と、外部インタフェース12と、制御部13と、を備えており、車両の運転席と助手席との間の位置においてダッシュボードに設けられる。なお、図示はしていないが車載ナビゲーション装置100は、当然に現在位置検出部や地図記憶部を備えており、自車位置に応じた地図表示機能や経路探索機能を有している。
【0025】
DTVチューナ部1は、車両に設けられたアンテナ20から入力される地上デジタル放送信号を選局・復調しトランスポートストリームを取り出す。デコード部2は、トランスポートストリームから映像データ・音声データを抽出しデコードすることで、デジタル映像信号およびデジタル音声信号を出力する。また、デコード部2は、番組情報等のデータもトランスポートストリームから抽出しデコードすることができる。
【0026】
FMチューナ部3は、車両に設けられたアンテナ25から入力されるFMラジオ放送信号を選局し中間周波数信号を出力する。FM復調部4は、中間周波数信号を復調し音声信号を取り出す。
【0027】
表示部5は、地図画像や最適経路画像等、各種画像を表示して使用者が視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイ等で構成される。
【0028】
音声出力部6は、経路案内における案内報知等、各種音声報知を行うものでありスピーカ等で構成され、音声は車両前方から出力される。
【0029】
操作部9は、ハードキーおよびタッチパネルを含み、ユーザの操作による操作信号を出力する。
【0030】
保存部11は、放送録画ファイル、静止画像ファイル、音声ファイル、アプリケーション等のコンテンツを保存可能であり、ハードディスクや半導体メモリ等から構成される。
【0031】
外部インタフェース12は、USBメモリやメモリカード等の外部メディアを接続可能であり、外部メディアから外部インタフェース12を介して保存部11にコンテンツを保存可能である。
【0032】
制御部13は、マイクロコンピュータを中心に構成され、車載ナビゲーション装置100の各部を制御する。
【0033】
映像表示装置30は、映像信号出力部7が出力する映像信号に基づきコンテンツ映像、放送映像等を表示するもので、液晶ディスプレイ等で構成され、車両後部座席から視認できるよう例えば、運転席か助手席の背面に設けられる。
【0034】
音声出力装置35は、音声信号出力部8が出力する音声信号に基づき放送音声、コンテンツ音声等を出力するもので、スピーカ等から構成され、車両後部座席から音声が聴こえるよう例えば、運転席か助手席の背面に設けられる。
【0035】
子供検出センサ40は、例えば赤外線センサを有し、赤外線センサが出力する後部座席の温度分布情報に基づき後部座席に乗っている人の体型を推定し、後部座席に子供が乗っているか否かを判定し、後部座席に子供が乗っているか否かの情報を通信部10を介して制御部13に送信する。なお、子供検出センサ40は、重量センサを有し、検出された重量に基づき後部座席に子供が乗っているか否かを判定してもよい。
【0036】
泣き声検出センサ45は、マイクにより得られた音声信号を解析して子供の泣き声が発生しているか否かを判定し、その判定結果を通信部10を介して制御部13に送信する。なお、泣き声検出センサ45に代えて、後部座席をカメラにより撮影し撮影画像データを解析して子供の泣き顔を検出するセンサを設けるようにしてもよい。
【0037】
次に、以上のような構成である本発明に係る映像音声システムの動作について図2〜図5に示すフローチャートに沿って説明する。なお、以下の処理は定期的に行われるものとする。
【0038】
処理が開始されると、まずステップS1(図2)で、制御部13は、通信部10を介して子供検出センサ40から受信した検出情報に基づき後部座席に子供が座っているか否かを判定する。もし子供が座っていなければ(ステップS1のN)、そのまま処理終了となるが(エンド)、子供が座っていれば(ステップS1のY)、ステップS2に進む。
【0039】
ステップS2で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定する。もし子供が泣いていなければ(ステップS2のN)、そのまま処理終了となるが(エンド)、子供が泣いていれば(ステップS2のY)、ステップS3に進む。
【0040】
ステップS3で、制御部13は、保存部11にコンテンツが保存されているか否かを判定し、もし保存されていれば(ステップS3のY)、ステップS4の保存コンテンツ再生処理に進む。保存コンテンツ再生処理を図3に示す。なお、ステップS3で、コンテンツが保存されていないと判定された場合は(ステップS3のN)、後述するステップS5のテレビ受信処理に進む。
【0041】
保存コンテンツ再生処理が開始されると、まずステップS30で、制御部13は、お気に入りフラグが付加されたコンテンツが保存されているか否かを判定する。もしお気に入りフラグが付加されたコンテンツが保存されていれば(ステップS30のY)、ステップS31に進み、制御部13は、お気に入りフラグが付加された一つのコンテンツの映像信号および音声信号を映像信号出力部7および音声信号出力部8を介して映像表示装置30および音声出力装置35に出力し、映像表示装置30にコンテンツ映像を表示させ、音声出力装置35にコンテンツ音声を出力させる。なお、コンテンツが静止画像ファイルの場合は、当然に音声信号出力はせず、コンテンツが音声ファイルの場合は、当然に映像信号出力はせず、以下同様である。
【0042】
そして、ステップS32で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定し、もし子供が泣いていれば(ステップS32のY)、ステップS33に進み、制御部13は、お気に入りフラグが付加されたコンテンツを全て再生したか否かを判定する。全てを再生していなければ(ステップS33のN)、ステップS31に戻り、お気に入りフラグが付加された次のコンテンツを再生する。そして、ステップS32で、子供が泣いていないと判定されれば(ステップS32のN)、図2の処理終了となる(エンド)(2番の場合)。
【0043】
また、ステップS33で、お気に入りフラグが付加されたコンテンツを全て再生したと判定されれば(ステップS33のY)、ステップS34に進む。なお、ステップS30で、お気に入りフラグが付加されたコンテンツが保存されていないと判定された場合も(ステップS30のN)、ステップS34に進む。ステップS34で、制御部13は、お気に入りフラグが付加されていないコンテンツが保存部11に保存されているか否かを判定し、もし保存されていれば(ステップS34のY)、ステップS35に進み、制御部13は、お気に入りフラグが付加されていない一つのコンテンツの映像信号および音声信号を映像信号出力部7および音声信号出力部8を介して映像表示装置30および音声出力装置35に出力し、映像表示装置30にコンテンツ映像を表示させ、音声出力装置35にコンテンツ音声を出力させる。
【0044】
そして、ステップS36で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定し、もし子供が泣いていれば(ステップS36のY)、ステップS37に進み、制御部13は、お気に入りフラグが付加されていないコンテンツを全て再生したか否かを判定する。全てを再生していなければ(ステップS37のN)、ステップS35に戻り、お気に入りフラグが付加されていない次のコンテンツを再生する。そして、ステップS36で、子供が泣いていないと判定されれば(ステップS36のN)、ステップS38に進み、制御部13は、再生したコンテンツにお気に入りフラグを付加する。そして、図2の処理終了となる(エンド)(2番の場合)。
【0045】
また、ステップS37で、お気に入りフラグが付加されていないコンテンツを全て再生したと判定された場合は(ステップS37のY)、図2のステップS5のテレビ受信処理に進む(1番の場合)。
【0046】
なお、ステップS34で、お気に入りフラグが付加されていないコンテンツが保存されていないと判定された場合は(ステップS34のN)、図2のステップS5のテレビ受信処理に進む(1番の場合)。
【0047】
ステップS5のテレビ受信処理(図2)を図4に示す。テレビ受信処理が開始されると、まずステップS40で、制御部13は、テレビ番組情報が保存部11に保存されているか否かを判定し、もし保存されていれば(ステップS40のY)、ステップS41に進む。ここで、テレビ番組情報は、放送チャンネルと番組名とを含んでいる。ステップS41で、制御部13は、保存された放送チャンネルのチャンネルをDTVチューナ部1に選局させ、デコード部2から番組情報を取得する。この番組情報は、選局した放送局の番組情報となる。そして、ステップS42に進み、制御部13は、取得した番組情報において現在時刻に対応する番組名を特定し、特定した番組名と保存された番組名とが一致するか否かを判定する。もし番組名が一致した場合は(ステップS42のY)、ステップS43に進み、制御部13は、デコード部2が出力する映像信号および音声信号を映像信号出力部7および音声信号出力部8を介して映像表示装置30および音声出力装置35に出力し、映像表示装置30にテレビ番組映像を表示させ、音声出力装置35にテレビ番組音声を出力させる。
【0048】
そして、ステップ44で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定し、もし子供が泣いていなければ(ステップS44のN)、図2の処理終了となる(エンド)(3番の場合)。
【0049】
また、子供が泣いていれば(ステップS44のY)、ステップS45に進む。なお、ステップS42で、番組名が一致しなかった場合も(ステップS42のN)、ステップS45に進む。ステップS45で、制御部13は、保存されたテレビ番組情報の全てについて実行したか否かを判定する。保存されたテレビ番組情報の全てについて実行していない場合は(ステップS45のN)、次の保存されたテレビ番組情報についてステップS41を実行する。
【0050】
また、ステップS45で、保存されたテレビ番組情報の全てについて実行したと判定されれば(ステップS45のY)、ステップS46に進み、制御部13は、未だ選局していないチャンネルが有るか否かを判定する。もし選局していないチャンネルがあれば(ステップS46のY)、ステップS47に進み、制御部13は、選局していないチャンネルをDTVチューナ部1に選局させ、デコード部2が出力する映像信号および音声信号を映像信号出力部7および音声信号出力部8を介して映像表示装置30および音声出力装置35に出力し、映像表示装置30にテレビ番組映像を表示させ、音声出力装置35にテレビ番組音声を出力させる。
【0051】
そして、ステップS48で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定し、もし子供が泣いていれば(ステップS48のY)、ステップS46に戻る。また、子供が泣いていなければ(ステップS48のN)、ステップS49に進み、制御部13は、選局チャンネルおよび選局により取得した番組情報に含まれる現在時刻の番組名をテレビ番組情報として保存部11に保存させると共に、この際、録画ファイルにお気に入りフラグも付加する。その後、図2の処理終了となる(エンド)(3番の場合)。ここでフラグを付加されて保存された録画ファイルは、保存コンテンツ再生処理(図3)において優先的に再生されることとなる。
【0052】
また、ステップS46で、選局していないチャンネルがないと判定されれば(ステップS46のN)、図2のステップS6のラジオ受信処理に進む(4番の場合)。ステップS6のラジオ受信処理を図5に示す。
【0053】
ラジオ受信処理が開始されると、まずステップS50で、制御部13は、ラジオ番組情報が保存部11に保存されているか否かを判定し、もし保存されていれば(ステップS50のY)、ステップS51に進む。ここで、ラジオ番組情報は、放送周波数と時間帯とを含む。ステップS51で、制御部13は、現在時刻が保存されたラジオ番組情報の時間帯に属するか否かを判定し、属する場合は(ステップS51のY)、ステップS52に進む。ステップS52で、制御部13は、保存されたラジオ番組情報の放送周波数をFMチューナ部3に選局させ、FM復調部4が出力する音声信号を音声信号出力部8を介して音声出力装置35に出力し、音声出力装置35にラジオ番組音声を出力させる。
【0054】
そして、ステップS53で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定し、もし子供が泣いていなければ(ステップS53のN)、図2の処理終了となる(エンド)。
【0055】
一方、子供が泣いていれば(ステップS53のY)、ステップS54に進む。なお、ステップS51で、現在時刻が保存されたラジオ番組情報の時間帯に属さないと判定された場合も(ステップS51のN)、ステップS54に進む。ステップS54で、制御部13は、保存されたラジオ番組情報の全てについて実行したか否かを判定し、全てについて実行していなければ(ステップS54のN)、次の保存されたラジオ番組情報についてステップS51を実行する。
【0056】
また、ステップS54で、保存されたラジオ番組情報の全てについて実行したと判定された場合は(ステップS54のY)、ステップS55に進み、制御部13は、未だ選局していない放送周波数が有るか否かを判定する。もし有る場合は(ステップS55のY)、ステップS56に進み、制御部13は、選局していない放送周波数をFMチューナ部3に選局させ、FM復調部4が出力する音声信号を音声信号出力部8を介して音声出力装置35に出力し、音声出力装置35にラジオ番組音声を出力させる。
【0057】
そして、ステップS57で、制御部13は、通信部10を介して泣き声検出センサ45から受信した検出情報に基づき子供が泣いているか否かを判定し、もし子供が泣いている場合は(ステップS57のY)、ステップS55に戻る。一方、子供が泣いていない場合は(ステップS57のN)、ステップS58に進み、制御部13は、選局した放送周波数および現在時刻が属する時間帯をラジオ番組情報として保存部11に保存させると共に、FM復調部4が出力する音声信号を音声ファイルとして保存部11に保存させる。この際、音声ファイルにお気に入りフラグも付加する。その後、図2の処理終了となる(エンド)。ここでフラグを付加されて保存された音声ファイルは、保存コンテンツ再生処理(図3)において優先的に再生されることとなる。
【0058】
なお、ステップS55で、選局していない放送周波数がないと判定された場合は(ステップS55のN)、図2の処理終了となる(エンド)。
【0059】
以上のように、本発明の映像音声システムでは、子供が後部座席に座っており、かつ、子度が泣いていることが検出されると、子供が泣いていないことが検出されるまで保存されたコンテンツを順次再生するので、車両の運転席や助手席に座った大人が子供のそばに移動しなくても子供を泣き止ますことができ利便性が高い。また、子供が泣いていないことが検出された場合、コンテンツにお気に入りフラグを付加し、お気に入りフラグが付加されたコンテンツを優先的に再生するので、子供が泣き止むまでの時間を短縮することができる。
【0060】
また、コンテンツ再生で子供が泣き止まない場合は、子供が泣いていないことが検出されるまで順次放送局を選局しテレビ番組映像音声を出力するので、大人が子供のそばに移動しなくても子供を泣き止ますことができる。また、子供が泣いていないことが検出された場合、テレビ番組情報が保存され、保存されたテレビ番組情報のチャンネルが優先的に選局され番組映像音声が出力されるので、子供が泣きやむまでの時間を短縮することができる。また、子供が泣いていないことが検出された場合、番組の録画ファイルをお気に入りフラグを付加して保存するので、保存した録画ファイルをコンテンツとして優先的に再生することができ、子供が泣き止むまでの時間を短縮できる。
【0061】
また、テレビ放送番組の視聴でも子供が泣きやまない場合は、子供が泣いていないことが検出されるまで順次放送局を選局しラジオ番組音声を出力するので、大人が子供のそばに移動しなくても子供を泣き止ますことができる。また、子供が泣いていないことが検出された場合、ラジオ番組情報が保存され、保存されたラジオ番組情報の放送周波数が優先的に選局され番組音声が出力されるので、子供が泣きやむまでの時間を短縮することができる。また、子供が泣いていないことが検出された場合、番組の音声ファイルをお気に入りフラグを付加して保存するので、保存した音声ファイルをコンテンツとして優先的に再生することができ、子供が泣き止むまでの時間を短縮できる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々変更が可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態では、映像表示装置30および音声出力装置35を車両後部座席に座った子供が視聴できるよう設けたが、助手席に座った子供を対象とする場合、車載ナビゲーション装置100の表示部5および音声出力部6を利用すればよく、映像表示装置30、音声出力装置35、映像信号出力部7並びに音声信号出力部8は不要である。この場合、表示部5の表示領域のうち所定の部分領域を子供用の表示に使用すればよい。
【0064】
また、ラジオ放送についてはアナログ放送のみならず、デジタル放送のラジオ放送にも本発明は適用してもよい。
【0065】
また、本発明の映像音声機器は、コンテンツ再生機能、テレビ放送受信機能、ラジオ放送受信機能の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0066】
また、本発明の映像音声機器は、車両搭載用のみならず、例えば、家庭における子供用ベッドに搭載できるようにしてもよい。これにより、大人が別の部屋に居たような場合でも、大人が子供のそばまで行かなくても子供を泣き止ますことができる。
【符号の説明】
【0067】
1 DTVチューナ部
2 デコード部
3 FMチューナ部
4 FM復調部
5 表示部
6 音声出力部
7 映像信号出力部
8 音声信号出力部
9 操作部
10 通信部
11 保存部
12 外部インタフェース
13 制御部
20 アンテナ
25 アンテナ
30 映像表示装置
35 音声出力装置
40 子供検出センサ
45 泣き声検出センサ
100 車載ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部および音声出力部の少なくともいずれかと、子供が泣いているか否かを検出する検出部とを備えた映像音声機器において、
前記検出部が子供が泣いていることを検出すると、前記検出部が子供が泣いていないことを検出するまで映像信号および/または音声信号を順次切替えて前記表示部および/または前記音声出力部に出力する制御を行う制御部を備えたことを特徴とする映像音声機器。
【請求項2】
前記映像信号および/または前記音声信号は、保存部に保存されたコンテンツの映像信号および/または音声信号か、テレビ放送番組の映像信号および音声信号か、ラジオ放送番組の音声信号の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の映像音声機器。
【請求項3】
前記保存部に保存されたコンテンツの映像信号および/または音声信号を前記表示部および/または前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該コンテンツにフラグを付加し、
前記制御部は前記保存部に保存されたコンテンツのうち前記フラグが付加されたコンテンツの映像信号および/または音声信号を優先的に前記表示部および/または前記音声出力部に出力することを特徴とする請求項2に記載の映像音声機器。
【請求項4】
テレビ放送番組の映像信号および音声信号を前記表示部および前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該テレビ放送番組の番組情報を保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存された番組情報のテレビ放送番組の映像信号および音声信号を優先的に前記表示部および前記音声出力部に出力することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の映像音声機器。
【請求項5】
テレビ放送番組の映像信号および音声信号を前記表示部および前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該テレビ放送番組の映像信号および音声信号をコンテンツとしてフラグを付加して前記保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存されたコンテンツのうち前記フラグが付加されたコンテンツの映像信号および音声信号を優先的に前記表示部および前記音声出力部に出力することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の映像音声機器。
【請求項6】
ラジオ放送番組の音声信号を前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該ラジオ放送番組の番組情報を保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存された番組情報のラジオ放送番組の音声信号を優先的に前記音声出力部に出力することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の映像音声機器。
【請求項7】
ラジオ放送番組の音声信号を前記音声出力部に出力後、前記検出部が子供が泣いていないことを検出すると、前記制御部は当該ラジオ放送番組の音声信号をコンテンツとしてフラグを付加して前記保存部に保存させ、
前記制御部は前記保存部に保存されたコンテンツのうち前記フラグが付加されたコンテンツの音声信号を優先的に前記音声出力部に出力することを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の映像音声機器。
【請求項8】
前記制御部を有した車載ナビゲーション装置を備え、
前記表示部は車両後部座席から視認可能に車両に設けられることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の映像音声機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−61933(P2012−61933A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206804(P2010−206804)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】