説明

未処理材料の処理のための機械

【課題】強化された特性を持つカプセルを生産する。
【解決手段】パウダー、たとえば薬剤のパウダーは、好ましくは機械的なパウダーの圧縮によって、また、材料(好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)によるフィルムの形成によって、上記圧縮されたパウダーの表面についての真空又は圧縮作動装置によって圧縮されコーティングされた圧縮パウダースラグを生産する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、薬剤、ビタミン、食物サプリメントなど、および、生分解性および/または水溶性フィルム、たとえばゼラチンでないフィルム(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)によって封入されるこのような圧縮されたパウダーを含み、投与形態(たとえば人の摂取用)に適した圧縮パウダーの封入体を製造するための、パウダーの圧縮に関する。本発明は、タブレットを含むすべての関連する投与形態に適用できるが、単純なものを除いたすべてのこのような形態カプセルはここに一般的に言及されているであろう。
【背景技術】
【0002】
タブレットは、投与形態の一般的なタイプであり、それらの特性を改善するためのさまざまな手段が試みられてきた。薬剤のタブレットなどのタブレットをコーティングするための最新の方法は、低分子量HPMCグレードをスプレーする、acelacoaters又はpan coatersの使用を含み、タブレットの上に、均一で滑らかだが不透明で輝きが少ない表面層を非常に与える。そのタブレットはその上にエンボス模様を有することができる。しかしながら、このタブレットのコーティングの方法は、非常に時間がかかり、満足する結果を得るには高いレベルの専門的知識が必要である。タブレットの結合のように製品の複雑化は一般的であり、二つのタブレットは、スプレーコーティング操作の間に互いに結合させられる。これらの問題に加えて、タブレットがコーティング工程の間分解しないように、それぞれ高圧下でタブレットの圧縮が必要である。このハイレベルの圧縮は、カプセルに含まれる活性成分の分解および溶解の速度に逆効果であり、例えば患者への薬剤のリリースを遅れさせてしまい、タブレットは患者の胃でゆっくり溶けてしまう。
【0003】
スプレー又はパンコーティング(pan coating)の代わりのものは2ピースの硬いカプセルに使用する。これらは浸漬方法によって製造され、一般的にはHPMC溶液が使用され、組み合わせて封入されたカプセルを生ずるハーフシェルが製造される。これらのカプセルは、一般的には不透明だが輝きがありいかなるエンボス模様も有さない。これはオーバーラップにより組み合わせる工程によるものである。カプセルの性質は、パウダーの充填レベルの上に空間がいつもできるという影響を与える。また、これらのタブレットにパウダーを圧縮することはできず、このことは封入できるパウダーの量を非常に制限する。この圧縮不足は、封入できる(例えば薬剤)量を減らしてしまう結果になる。カプセル中の空気のスペースの存在及び、カプセル内に含まれるパウダーの圧縮不足は、必然的に必要以上に大きいカプセルにしてしまう。
【0004】
2ピースのハードカプセルの製造および/または販売の後、カプセルに悪いところがあるというユーザーの示唆に対し、カプセルの外観を明らかに変えることなく、カプセルを半分にして、カプセルの成分を変更し、二つの半分のスラグを元通りにするということができるというように、カプセルは容易に及び不法にいじれることもわかっている。このことは成分を調節したカプセルを検出することを困難にする可能性があることを意味する。ゼラチン壁をもつカプセルは、消化可能なカプセル(例えば、正確に測定された投与量の薬の調剤及び食物サプリメントの送達用で、ゼラチンベースカプセルとの取替えができるようなもの)としての潜在的使用が見られるので、HMPC及びある他のゼラチンでない材料はヒトの消化に適している。従来のタブレットはコーティングがすでにされている。例えば特許文献1参照。
【特許文献1】国際公開第02/098394号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
本発明の一面は、強化された特性を持つカプセルを生産するための、新規な、パウダーの圧縮方法及びコーティング方法に関する。
【0006】
ゼラチンでないフィルム層は、熱及び/又は真空及び/又は圧力の影響で適切なタブレットの成形したポケットで熱成形される。予め決められた量のパウダーが、フィルムを敷いているポケットに投与され、例えば一以上のピストンの支援によって、タブレットの形に圧縮される。部分的にコーティングされた「ソフト」タブレットはこの方法により生じ、プラテンの上にタブレットを上げて、圧縮されたタブレットのコーティングされていない部分を二番目のフィルムによってコーティングすることを含む、二番目の工程によって十分にコーティングされる。適当なタブレットの成形されたポケットは、例えば、シリンダー内でスライドできるペアのピストンを使用して製造することができ、このようなピストンは(部分的に)コーティングされたタブレットから望ましくない過剰なフィルムをきり除くために有用な、プラテンとシリンダーのトップとの間のピンチポイントを形成することができる利点も有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的の一つは性質の明らかなカプセルを生産することである。
本発明の別の目的は、「ぴったりあう(skin tight)ラップ」を形成でき又は形成しない材料でパウダーがコーティングされているパウダー充填カプセルを生産することである。
【0008】
本発明の別の目的は、例えば、薬剤タブレットを特定するための、潜在的にエンボス加工に適用できる、非常に輝いている表面を持つカプセルを生産することである。
【0009】
本発明の別の目的は、ほとんど認識できないフランジを持つカプセルを生産することである。
【0010】
本発明の別の目的は、非常に様々な形及びサイズの投与形態での生産ができることであり、本発明の工程の性質及び生産物の特性のため、従来生産できずまたは実用できなかった投与形態の形及びサイズを含んでいる。
【0011】
本発明の他の目的は、望ましい特性を持ち、パウダー、又は、圧縮及び/又は組成物及び又は媒体封入に望ましい状態である流動性を有する他の固体材料、及び/又は速やかに溶解し又は溶解可能な(コントロールを有する)薬剤グレードの材料で可塑化された薬剤グレードのフィルムであるカプセル封入媒体を含むカプセルを生産することである。
【0012】
本発明の別の目的は、カプセルの性質によって、飲み込みやすく、及び活性成分が最も有利にリリースされるという望ましい部位に運ぶことがより容易にできるカプセルを生産することである。
【0013】
本発明の別の面は、(例えば、上記従来のタブレットの強化された分解性及び溶解性を持つカプセルを生産するためコーティングできる)パウダーを圧縮したスラグを生産するパウダー圧縮方法である。
【0014】
本発明の別の面は、従来のコーティングされたタブレット同様の機能を少なくとも発揮できるが、従来のタブレット圧縮及びコーティング方法が単一のパウダーのコーティング方法によって取ってかわるカプセルの生産方法である。
【0015】
本発明の別の面は、パウダーのコーティングによるパウダー生産方法であって、生産されたカプセルの性質に起因して従来のカプセル製造に必要な、ある補助的な成分を省くことができる。例えば、タブレットに完全な構造を与えるために添加されるタブレットの成分を省くことができる。その活性成分はパウダー状であり、それぞれゆるく圧縮され、フィルムで封入されており、このようなフィルムはパウダー/成分をしっかり封入する。かくして完全なものとし、及び別の効果的な投与形態を形成する。送達部位に到達したときに、分散するようデザインされたタブレット内に含まれ、タブレットを分解する上記成分を省くことができる。本発明に係るカプセル中の活性成分は、従来のタブレットと比較して、圧縮されておらず又はゆるくしか圧縮されていないからである。また、ひとたびカプセルフィルムが溶解したら、このよりゆるい圧縮はたとえば意図した送達部位で容易にリリースさせることができ、活性成分を分解させることができる。
【0016】
本発明の他の面は、圧縮されたパウダーのコーティング方法であって、ポケットの中にフィルムを真空形成することを含み、前記ポケット中のパウダーを圧縮し、ポケット中で部分的にコーティングされたパウダースラグを生じる方法である。パウダースラグを完全にコーティングするためのこのパウダースラグを包む第二のフィルムを形成する真空は、投与形態の使用に適している別の圧縮されたパウダー充填カプセルを形成する。
【0017】
本発明の更に別の面は、一以上のフィルムを使用する、圧縮されたパウダーをコーティングする方法を提供し、圧縮されたパウダー充填カプセルを形成し、その一以上のフィルムは、互いにオーバーラップされて圧縮されたパウダー充填カプセルの壁を形成する。
【0018】
本発明の更なる面は、圧縮されたパウダーの圧縮レベルが、タブレットとして記述される圧縮パウダーのスラグの工業的な標準に達するのに必要な圧力以下で圧縮されたスラグの形成及び又はコーティング方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の方法においては、フィルムを、ポケット及び、圧縮されたパウダースラグの外表面にぴったり合うように変形させ、フィルムでパウダースラグの周りをラップすることによって、しっかりしたカプセルを効果的に形成する。真空チャンバーまたは真空ベッド装置(適当な成形支持体に置かれ、真空(または実質的に減圧)の条件にさらされる)は、この目的のために変形することができ及び使用することができる。そのような装置は、市販の真空チャンバー又は真空ベッド装置を基礎とできる。真空形成技術は、フィルム内に完全に密封され封入された圧縮パウダーを生産し、圧縮されたパウダーを含むカプセルを生じ、このようなカプセルは、従来のタブレットなどの現在使用できる投与形態より強化されコントロールできる特性を持つ。圧縮されるパウダーは、一般的には5から15メガパスカルに限られない圧力にさらされる。圧縮され及びコーティングされたパウダーの例として、パラセタモール、イブプロフェン、ソルビトール及びマルチビタミンが挙げられる。意図された他のパウダー充填物は、制酸剤、抗刺激剤、抗ヒスタミン抗生物質及び高コレステロール薬である。
【0020】
フィルムは、ヒトの消費に適した真空形成できる十分な柔軟性及び可塑性を持つ材料であるべきである。いくつかのフィルム材料は、これらの性質の条件に適当な特性を持つが、真空形成ができるように、一般的にはフィルム材料を前処理する必要があるであろう。したがって、たとえば、フィルム材料を溶媒にさらすことが必要であるかもしれない;例えば、あるグレードのポリビニルアルコール(PVA)は、その表面に微量の水分を適用した後又は高湿条件にさらされるとき、真空形成するであろう。さらに一般的に望まれる可能性としては、真空にさらされることによって熱可塑性となる前の加熱軟化条件のフィルムを持つ、熱可塑性材料(即ち、熱で可塑的に変形できる材料)のフィルムを使用することであろう。適切な熱可塑性材料は、変性セルロース材料、特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、酸化ポリエチレン(PEO)、ペクチン、アルギン酸塩、でんぷん及び変性でんぷん、及び大豆または乳清タンパクフィルムなどのタンパクフィルムを含む。適切なフィルム材料が現在使用できる。
熱可塑性フィルムを使用する場合、フィルムが熱軟化変形条件におかれるように、フィルムはポケット又は圧縮されたパウダースラグに適用する前に一般的に加熱される。このことは、熱源(例えば、赤外線ヒーター、赤外線ランプ、加熱されたプレート、熱風源など)にフィルムが曝されることにより達成される。記載された方法において、ある温度範囲が使用されうるが、単なる例としては、工程において、異なる厚さのフィルムが第一の及び第二のフィルムとして利用でき、第一のフィルムは約150℃の温度を使用でき、第二のフィルム形成段階では、約70から80℃の範囲を使用できる。
【0021】
コーティング工程の間、フィルムは、好ましくは最小1.5mmから2mmのオーバーラップをさせることができる。圧縮されたパウダースラグは、好ましくは約3mmの側壁高を有し、フィルムは、側壁領域をしっかりと完全にオーバーラップさせることができる。
【0022】
フィルム材料は、任意のカラーリング、例えば、食品染料の形態(例えば、FD及びC黄色No.5)及び/または任意の香料(例えば甘味料)及び/又は既知の種類の任意のテキスチャーなどを含む。
【0023】
フィルム材料は、一般的に、既知の方法で、フィルムの柔軟性について望ましい特性を与える可塑剤を含む。可塑剤として使用される材料は、乳酸及びその塩などのα−ヒドロキシ酸、マレイン酸、ベンジルアルコール、あるラクトース類、ジアセチン、トリアセチン、プロピレングリコール、グリセリン又はそれらの混合物を含む。典型的な熱可塑性フィルムの構成は、HPMC77重量%、可塑剤23重量%である。
【0024】
適切なフィルムは、タブレットのサイズ及び形態を含む要素に依存する好ましいフィルムの厚さを有し、20−200ミクロンの範囲、便利には、50−100ミクロン、例えば80ミクロンの範囲の厚さを有している。異なる厚さのフィルムを使用することができ、例えば、より厚いフィルム、コーティング第一工程において約125ミクロンの厚さを使用でき、コーティングの第二工程においてより薄い厚さのフィルム、約80ミクロンを使用できる。
【0025】
ある環境下(例えば圧縮されたパウダーが粒子を含む場合)での本発明に係るフィルム形成工程の性質により、圧縮下でフィルムを突き刺す性質を有し、(圧縮されたパウダーのコーティングの第二の工程及び最後の段階で)ポケットで形成される圧縮されたパウダースラグの残りをカバーするフィルムのそれより厚いフィルムの厚さを有するという利点がありうる。そのような異なる厚さは、得られたカプセルのある有利な構造特性を生じうる;そのカプセルは、一般的により頑丈であり、よって、(カプセル上の一般的な厚いフィルムを)より安全に保管でき操作できる。しかし、そのようなカプセルはより弱い限られたエリア(窓)も有する。より薄いフィルムにより、より速くリリースさせる特性を生じうるより薄いフィルムは、与えられた溶媒にさらされたとき、より早く溶解するであろう。異なる厚さの壁を持つカプセルを形成する異なるフィルムの厚さの利点は、頑丈であるが、より薄いフィルムの窓を通じてそれらの成分を速やかにリリースするカプセルを生産するための、例えば、70/90ミクロンのフィルム調整ができることである。
【0026】
したがって、異なる厚さのフィルムは、コーティング工程で使用でき、更なる例として、より厚いフィルムは、コーティング工程の第一工程で使用でき、最大200ミクロンで最小70ミクロンであるが、好ましくは約125ミクロンであり、より薄いフィルムは、コーティングの第二工程で使用でき、最大125ミクロンであり、最小50ミクロンであるが、好ましくは、約80ミクロンの厚さである。多層の、コーティングされ圧縮されたパウダースラグを生成する場合、圧縮されたパウダースラグの間隔は重要でありうる。圧縮されたパウダースラグが、共により近くに位置づけられている場合、フィルムは、パウダースラグの間で熱成形を十分にすることができない。例えば、近接の圧縮されたパウダースラグの間隔が約4mmの場合良い結果が得られ、フィルムは、圧縮パウダースラグの側からカーブし始める前、約2mmの圧縮パウダースラグの天辺の側壁を十分にカバーできる。
【0027】
本発明の一面において本発明の方法は、圧縮パウダースラグに効果的な、二つのスラグをフィルムで別々に半分ずつオーバーラップすることを含む。その方法は、最初にポケットでフィルム形成し、次いでフィルムを敷いたポケットでパウダースラグを圧縮し、それによって、カプセルの部分へ形成されたフィルム内のパウダースラグの十分な量を効果的にコーティング/封入し、例えば切断によって圧縮パウダースラグをコーティングしない残りのフィルム材料を除き、次いで、スラグを完全に密封するため2つのコーティングのオーバーラップ部分で圧縮パウダースラグの残りの半分をコーティングし、及びスラグのコーティングされていない残りの表面のフィルム材料を再び取り除くこと、を好ましくは含む。それらの間の効果的な密封の形成を確実に行なうために、また、結果として生じるカプセル不正開封防止機能を形成するために、例えばフィルム層の表面へオーバーラップしているフィルムコーティングの間で粘着性材料を適用する必要がありうる。粘着性材料はフィルムと同様の組成を有すると都合がよく、より低い粘性の材料を提供するために、例えば93重量%から98重量%の、高い割合の可塑剤を有する。粘着性材料は、例えばローラー、スプレーなどの使用によって適用されうる。典型的な粘着材構成は、重量%で、HPMC4重量%、乳酸77重量%、水19重量%である。
【0028】
圧縮パウダースラグ及びカプセルは、都合のよいことに、この側壁にオーバーラップしている2つのハーフコーティングを持つ、一般的な円筒形の側壁部分を一般的に含む。
曲面の円筒形側壁を持つ円形対称形のタブレットは、非常に一般的であるが、一般的な円筒形の側壁もまた含む他の形状(一般的な長円形及び卵形)もまた知られている。
【0029】
例えば、コーティングの最後の工程の前に、圧縮パウダースラグの表面に、例えば上記のとおり粘着性材料を適用することは第二の部分のフィルムの粘着性を促進するために、有利でもありまたは望ましくもありうる。またこのことは、例えばローラー、スプレーなどの使用によって達成できうる。
多数のタブレットは、都合のよいことに、フィルム材料の適当な大きなシートを使用して同時にコートされる。
【0030】
この発明は、図面を単に参照することによって、更に詳細に説明されるであろう。工程aからkは、基本的な圧縮及びコーティング装置及び方法を示す。
【0031】
図面は、さまざまなパウダーの圧縮段階/コーティング方法を示している。
【0032】
図1はパウダー圧縮の基本工程のメカニズム及び工程a−1を介したコーティングを示している。
a. 第一のフィルム(1)は、プラテン(2)の上におかれる。下側のピストン(3)は、シリンダーにおいてスライドでき(4)、真空部位(5)を組みこんでいる。
b. フィルム(1)は真空部位(5)によって作られた真空によって、シリンダー(4)に完全に押し込まれており、前記フィルム(1)は下側のピストン(3)の天辺にしかれ、ポケット形状を形成する。
c.ある量のパウダー(6)はフィルムの上に導かれ、上側のピストン(9)は、ある量のパウダー(6)を圧縮するために下側のピストンに向かって下がる。
d. 工程cの完了により生じる圧縮パウダースラグ(7)である。
e. カッティングツール(10)の誘導によりフィルムを切断し、切りはなされた半分コーティングされた圧縮パウダーを形成する。
f. 下側のピストン(3)は上に動き始め、それにより、圧縮パウダースラグ(7)を上に押し上げる。
g. 下側のピストン(3)は停止し始め、圧縮パウダースラグはプラテン(2)から覗く位置に押し上げられる。
h. 第二のフィルム(8)はプラテン(2)の上に誘導され、圧縮パウダースラグ(7)の上にゆるく広げられる。
i.第二の真空により、圧縮パウダースラグ(7)の上部の周り又は密着した第二のフィルム(8)をかぶせられ、それにより第二のフィルム(8)は、圧縮パウダースラグの上部の周りにラッピングされる。
j. カッティングツール(12)が下がって、パウダースラグ(7)の過剰のラップされていないフィルムをトリミングする。
k. 十分コーティングされたパウダースラグは、下側のピストン(3)の更なる上方への動きによってシリンダー(4)から取り外されて、アイロンを掛けられるフィルムの緩んだ末端を有し、アイロン(13)によってシールされる。
l. アイロンを掛けられたシームを持つ十分にコーティングされたタブレットを示している。
【0033】
図2は、図1に記載された基本方法のバリエーションを示している。
工程a1及びb1は、第二のプレフォームド(pre-formed)フィルムポケットを示し、図1の工程fに示されるように部分的にコーティングされたパウダースラグ上の真上のプラテンの上に下りる真空を形成する第二のポケット(14)によって形成される。反対側のフィルムポケットが下側のピストン(3)が上に動き部分的にコーティングされた圧縮パウダースラグを上に押し圧縮パウダースラグが第二のフィルムポケットの空洞に入るとすぐに、部分的にコーティングされたパウダースラグをキャッピングし、二つのポケットにあるフィルムによってコーティングされ十分にコーティングされたカプセルを形成する。次いで、カプセルはリリースされ、上記のとおり、トリミングされアイロンを掛けられる。
【0034】
図3は図1に記載された基本方法の更なるバリエーションを示す。
工程a2は、図1の工程fのようなパウダースラグを示す。図2のように第二のプレフォームドフィルムポケットに誘導されるが、このとき第二のプレフォームドフィルムポケットは浅いポケットであり、真空を形成する浅い第二のポケット(15)によって形成され、パウダースラグの天辺にコートだけし、及びパウダースラグの円筒形部分の末端周辺でシールを形成する。工程a2−d2はこの修正された方法を示す。この方法は、カプセルの異なる特性をもたらす、異なるタイプのシールを有するカプセルを生じる。
【0035】
図4は、図1に記載された方法の別のバリエーションを示している。
しかしながら、その基本方法は、二つの半分の投与量のパウダーを含むカプセルの形成を原則として再現している。図1に記載されたような基本方法は、工程fまで同様に実施され、図4の基本的な工程a3からc3に相当する。この点での図4の主な違いは、圧縮されたパウダー(16,17)を充填した二つの相反するポケットが半分の深さであって、パウダースラグの天辺が基本的に曲面よりむしろ平面であるということである。工程c3は、半分のスラグの表面に中間のフィルムを敷くことを含む。工程d3からf3は、2つの半分のスラグを一緒に運び、2つの半分のスラグを含む単一のカプセルを形成することを示している。工程g3は、組み合わされたカプセルを示している。利点は、おそらく異なる圧力などの下で、少なくとも2つの投与量の活性成分を1カプセルに組み込むことができることにある。このことは新しい投与形態を実施するための更なる柔軟性及びオプションをもたらす。
【0036】
記載された方法は、圧縮工程の間、共動するピストンの念入りな位置決めで、使用される量のパウダーの結合において、圧縮のさまざまなレベルを持つパウダースラグの形成を容易にする。上記のとおり、スラグはフィルムでコーティングされているから、さまざまなレベルの圧縮がパウダースラグにおいて許容され、それは、従来のとおり及び安定した投与形態として機能できるように、完全に必要なものを持つスラグを提供する、このフィルムコーティングである。その工程および装置はさまざまな特性を持つカプセル(すでに技術が知られているタブレットおよび従来のカプセルを超える利点を有している)を生産するためにそのような変形ができる。例えば、低圧縮のパウダーを含む本発明に係るカプセルは、きわめて好ましい急速にリリースする特性を生み出し、たとえば即効性の鎮痛剤に適している。そのフィルムはスムース/フレキシブルの双方のデザインをすることができ、速やかにカプセルを受け入れ及び無痛で消化管を通過させ、薬剤送達の意図した部位またはその近くで溶解するようデザインすることもできる。カプセルのパウダーの圧力が低いことは、カプセルの成分として、消化管でカプセルのスムースな送達をも援助できる。それはカプセルの成分は圧縮性で携帯できるようデザインできるからである。かくして、困難が少なく消化管を通じての送達を続けるよう、通過、圧迫により狭まった部分の形状に一致させうるよう、体を通じたカプセルの輸送のとき、曲がったおよび/または固めたカプセルを許容している。患者が嚥下で苦しんでいる場合、消化管の痛み又は狭くなった消化管を有している場合、又は、投与形態として、より携帯しやすく、また、体の内部により刺激が少ないものが要求されるいくつかの理由がある場合、そのような投与形態は特に有用であるとわかる。
【0037】
以下の方法は、例として与えられ、それはいかなる方法においても本発明を制限するものと意図されない。
【0038】
(実施例1)
フィルム1−乳酸15%およびトリアセチン5%を有する125ミクロンの厚さの可塑化されたhpmc、加工支援デンプン1%およびソルビトールモノステアラート
フィルム1のようにフィルム2は80ミクロンの厚さ。
第一のフィルムのオーバーラップエリアに適用される接着剤―ベンジルアルコール45%、トリアセチン50%、hpmcE15プレミアム(Dow Chemical Corp.)5%
【0039】
方法の記述
フィルム1は、標準サイズのタブレットおよびカプセルに適している必要があるため、プラテン中の、単一または多層のタブレット/カプセルが成形されるポケットの中で熱成形され、各ポケットは上げたり下げたりできる下側のピストンを含む。タブレット成形ポケットはポケットの天辺周辺で隆起した縁のプロファイル(raised edge profile)を有する。この隆起した縁のプロファイルはプラテン表面上で1mm上げられていて、0.35mmのランド幅を有する。これらのポケットの縦の側壁は一般的には3mmの深さである。
【0040】
熱成形操作は、二つの半分の真空チャンバーを分ける膜としてのフィルムの動きを含み、別々にコントロールされる。フィルムの上のチャンバーは約150度の温度で平面の加熱されたプラテンを含む。1から5秒間、好ましくは3秒間、熱したプレートに置かれるようフィルムの上は真空とする。上側のチャンバーの真空は下側のチャンバーが真空にされる間維持される。この段階でフィルムは熱されたプラテンにおかれたままにする。下のチャンバーの真空レベルが、少なくとも−0.65バールにひとたび達すると、下のチャンバーの真空は大気中にリリースされ、又は陽圧に取って代わられる。これにより熱したプラテンは下方へ動き、下のタブレットポケット成形型の上へ動く。この方法で、フィルムは下側の型(tooling)のタブレットポケットの成形に適用する。
【0041】
パウダー投与およびフィルム1の切断
次いで、投与するものの集合物はフィルムを敷いているポケットの上に置かれる。これは、プラテンのロケーションダボの上にあるロケーションマスク、フィルムを敷いているポケット上に直接あり、および隆起した縁のプロファイルの上にある投与用スリーブ(dosing sleeve)からなる。投与用スリーブはフィルム形成されたポケットの大きさと正確に一致する。ある投与量のパウダーは投与用スリーブに入れられ、フィルムポケットに落ちる。圧縮は、投与用スリーブを通じて達成し、下のフィルムポケットへ残りのパウダーを一掃し、固定されたストップにそれを圧縮する圧縮ピストンを介して達成する。フィルムはカットせず、かわりにフィルムに直接密着するようになる。圧縮レベルは、投与スリーブに落とされるパウダーの量によってコントロールされる。次いで、圧縮されたパウダータブレットの下側のピストンは下げられ、圧縮ピストンは隆起した縁のプロファイルの内側で動作するようフィルムを通じてパンチカットを起こすように進行する。圧縮ピストンは、隆起した縁のプロファイルでのパンチカットを起こすカットピストンによって取って代わられる。カットピストンと隆起した縁のプロファイルとの間の許容範囲は、組み合わせの隙間は35ミクロンより小さい範囲である。
【0042】
装置は一般的にステンレススチールであり、硬化鋼からつくられたピストンクラウンを有する。装置は、イギリスのバーミンガムのMidland tool and Designによって、操作され提供された。
【0043】
かくして、タブレットはポケットの領域にカットピストンによって押し下げられ、下側のピストンは停止する。次いでロケーションマスク及び投与用スリーブ及びむだなフィルムウェブは、除かれる。
【0044】
第二のフィルム適用、切断及びアイロン
次いで、部分的にコーティングされた核は、半分形成されたタブレットの側壁が、隆起した縁のプロファイルの上に出るように型(tooling)内で上方に上げられる。第二のフィルムは、グラビアローラーを解してその表面に適用される15gsmの接着剤を有し、これはタブレットに適用される。次いで、フィルムがスペーサープレートによってタブレット上に置かれることを除いて、フィルムの位置がタブレットの天辺の表面に損傷を与えないように、そのフィルムは、第一のフィルムについて記載したのと同様の方法で熱成形される。フィルムが、より薄くて接着剤の適用によって柔らかくされているので、第二の熱成形のために加熱された下側のプラテン温度(50−150℃)を使用することができる。これは、パウダー表面が熱にさらされることを制限することができる。次いで、ロケーションマスクは、タブレットの上に置かれ、第二のカットピストンは下げられる。第二のカットピストンは、25ミクロンを超えない範囲の正反対のかみ合いを有する、下側の装置の隆起した縁のプロファイルの外側の縁でパンチカットを形成する。ロケーションマスク、及び第二のカットピストン及び無駄なフィルムウェブは次いで取り除かれる。十分にコーティングされたパウダーの核は、オーバーラップシールが形成されるのを確実にするよう加熱されたシリンダー(40℃)で形成された、ぴったりフィットしているタブレットを完成させる。
【0045】
(実施例2)
実施例1と同じ条件であるが、下記の工程は「パウダー投与及びフィルム1切断」工程と取ってかわっている。
【0046】
パウダー投与及びフィルム1切断
次いで、投与するものの組み合わせは、フィルム形成されたポケットに置かれる。これは、プラテンのロケーションダボに置かれ、フィルム形成されたポケットの上に直接ある、投与用スリーブ、及び、隆起した縁のプロファイルにあるロケーションマスクからなる。投与用スリーブはフィルム形成されたポケットの大きさに正確に一致する。ある投与量のパウダーは、投与用スリーブに挿入され、フィルムポケットに落ちる。切断は投与用スリーブを通じて動作するカットピストンを介して達成され、下記のフィルムポケットに残りのパウダーを一掃する。圧縮の程度は投与用スリーブに挿入されるパウダーの量によってコントロールされる。切断ピストンは、更に1mmの一段高い縁にかみ合い続け、フィルムシェルにいれて更にパウダーを圧縮する。切断ピストンと隆起した縁のプロファイルの内部径との間の許容範囲は、両方の隙間が25mmを超えないような範囲である。
【0047】
装置は一般的にステンレススチール製であり、硬化鋼から作られたピストンクラウンを持つ。装置は、イギリスのバーミンガムのMidland tool and Designによって、操作され提供された。
【0048】
かくして、タブレットはポケットの領域にカットピストンによって押され、下側のピストンは停止する。次いでロケーションマスク及び投与用スリーブ及びむだなフィルムウェブは、除かれる。
【0049】
装置は一般的にステンレススチールであり、硬化鋼からつくられたピストンクラウンを有する。装置は、イギリスのバーミンガムのMidland tool and Designによって、操作され提供された。
【0050】
(実施例3)
実施例1と同様であるが、第一のカットピストンの許容範囲は、第二のカットピストンと同様であり、即ち25ミクロンである。
【0051】
(実施例4)
実施例2と同様であるが、第一のカットピストンの許容範囲は、第二のカットピストンと同様であり、即ち25ミクロンである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1はパウダー圧縮の基本工程のメカニズム及び工程a−1を介したコーティングを示している。
【図2】図1に記載された基本工程のバリエーションを示している。
【図3】図3は図1に記載された基本工程の更なるバリエーションを示す。
【図4】図4は、図1に記載された方法の別のバリエーションを示している。
【符号の説明】
【0053】
1 第一のフィルム
2 プラテン
3 下側のピストン
4 シリンダーにおけるスライド
5 真空部位
6 ある量のパウダー
7 圧縮パウダースラグ
8 第二のフィルム
9 上側のピストン
10 カッティングツール
12 カッティングツール
13 アイロン
14 真空を形成する第二のポケット
15 真空を形成する浅い第二のポケット
16 圧縮されたパウダー
17 圧縮されたパウダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポケットの中にフィルムを真空形成することを含み、真空形成されたフィルムの中でパウダーを圧縮してスラグを形成し、及び部分的にコーティングされたパウダーのスラグをフィルムで完全にコートする第二のフィルムを形成することを含む、フィルムで被覆された圧縮パウダースラグの形成方法。
【請求項2】
前記フィルムが20から200ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
圧縮パウダースラグの上に、フィルム材料の二つに分けられたハーフコーティングを形成することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ポケットの中にフィルムを真空形成することを含み、フィルムが真空形成されたポケットの中で、パウダーを圧縮してスラグを形成して、部分的にコーティングされたパウダースラグを形成し、第二のポケットの中に第二のフィルムを真空形成し、第二の真空形成されたフィルムが部分的にコーティングされたパウダーのスラグ上に導かれてフィルムでスラグを完全にコートする、カプセルに包まれたパウダースラグの形成方法。
【請求項5】
前記第二のポケットが十分浅い、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
二つの別々のポケットの中にそれぞれフィルムを真空形成することを含み、それぞれのポケットの中でそれぞれの投与量のパウダーを圧縮し、それぞれの真空形成されたフィルムポケット中で、部分的にフィルムで被覆されたパウダースラグを形成し、同じパウダースラグを一緒に運び、区切られたカプセルに2つの各々の投与量のパウダーを含む封入されたパウダースラグを形成する、封入されたパウダースラグの形成方法。
【請求項7】
粘着性材料がフィルム封入方法を支援するため使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
圧縮されたパウダースラグを完全にコートするためのフィルムの真空形成の前に、圧縮パウダースラグの表面に粘着性材料を適用する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数のパウダースラグが同時に形成される請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
複数のパウダースラグが形成され同時に完全にコートされる請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記パウダースラグがオーバーラップするフィルムによってコートされる請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
スラグの形態が、側壁部分にオーバーラップする二つのハーフコーティングを有する、一般的な円筒形の側壁部分を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
封入壁および請求項1から12のいずれか一項に記載のパウダースラグ核を有する送達カプセル。
【請求項14】
封入壁を形成するフィルムがオーバーラップしている、請求項13に記載の送達カプセル。
【請求項15】
前記送達カプセルが一以上のオーバーラップしているフランジを有する請求項13に記載の送達カプセル。
【請求項16】
使用されるフィルム、またはカプセルの封入壁がゼラチンではないポリマー材料、変性セルロース材料、でんぷん材料、変性でんぷん材料、又はタンパクフィルム又は側鎖酸化ポリエチレンを有する酸化ポリエチレンのグラフトコポリマーから作られる、請求項13から15のいずれか一項に記載の送達カプセル、または、請求項1から12のいずれか一項の記載に従って前記カプセルを調製する方法。
【請求項17】
前記使用されるフィルム、またはカプセルの封入壁が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酸化ポリエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、酸化ポリエチレン(PEO)、ペクチン、アルギン酸塩、大豆または乳清タンパクから作られる、請求項13から16のいずれか一項に記載の送達カプセル、または、請求項1から12、16のいずれか一項の記載にしたがって前記カプセルを調製する方法。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のパウダースラグ。
【請求項19】
真空および/又は圧力を使用してポケットにフィルムを形成し;
機械的手段によってポケットでパウダーを圧縮し、部分的にコーティングされたパウダースラグを生じ;及び
パウダースラグの残りをコーティングすること:
を含む、フィルムでコーティングされた圧縮パウダースラグの形成方法。
【請求項20】
前記パウダースラグの残りをコーティングする工程が、オーバーラップするフィルムを供給する、請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−7381(P2009−7381A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254690(P2008−254690)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【分割の表示】特願2004−504962(P2004−504962)の分割
【原出願日】平成15年5月19日(2003.5.19)
【出願人】(504079900)バイオプログレス・テクノロジー・インターナショナル・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】