説明

架橋性バインダー分散体

【課題】本発明は、エチレングリコールモノアリルエーテルをベースとするヒドロキシ官能性コポリマーを含有する水性架橋性バインダー分散体、その製造方法、および塗料材料への上記分散体の使用方法に関し、本発明の目的は、良好な膜光学特性および良好な抵抗性、特に良好なグラフィティ抵抗性を有する水性2K−PU塗料材料を作製することができるヒドロキシ官能性樹脂をベースとするバインダー分散体を提供することである。
【解決手段】ヒドロキシ官能性および酸官能性コポリマー(A)および/または(A’)を含む水性架橋性バインダー分散体であって、該コポリマー(A)または(A’)がエチレングリコールモノアリルエーテル(a1)を含むことを特徴とする水性架橋性バインダー分散体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレングリコールモノアリルエーテルをベースとしたヒドロキシ官能性コポリマーを含有する水性架橋性バインダー分散体、その製造方法および上記分散体の塗料材料への使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキシ官能性コポリマーをベースとしたバインダーを塗料系に用いることは、塗料工業において公知であり、よく知られた実施である。これらのバインダーは、水性分散体として本質的に溶解された形で、および溶剤系または水性塗料材料中での水希釈可能な形で用いられることができる。OH基によって、上記塗料材料では、1成分系または2成分系として加工することができる塗料材料を形成するため、例えば、メラミン樹脂または(ブロックした)ポリイソシアネートを用いて、これらのコポリマーを架橋することが可能である。
【0003】
水性塗料系は、揮発性有機化合物(VOCs)の放出を低減するために、ますます用いられている。溶剤系塗料材料に比較して、それらはかなり低減された有機溶剤(共溶媒)のフラクションを含有する。しかしながら、しばしば、水性塗料系への移行により他の塗料特性、例えば耐溶剤性および耐薬品性の低下を伴う。これは、溶剤系のものに比較して、上記水性または水希釈性バインダーのより高い親水性によるものである。
【0004】
特に満足することが困難な1つの要求は、グラフィティ抵抗性(anti−graffiti resistance)、即ち、例えば市販のペイントスプレー、カラースティックまたはペイントスティックが、ペイントフィルムに損傷(例えば、光沢を損なうこと)を与えることなくクリーニング製品を用いて除去できないペイントフィルムの色斑点を残すことである(上記要求は、例えばTL 918 300、セクション4.11、ドイツ鉄道株式会社(Deutsche Bahn AG))。
【0005】
ヒドロキシ官能性コポリマー分散体をベースとする水性塗料の上記抵抗性は、上記塗料材料中で架橋剤としての遊離NCO基を含有するポリイソシアネートと組み合わせて、水性2成分系ポリウレタン(2K−PU)塗料材料を形成することによって向上することができる。そのような塗料材料は、例えば特許文献1または特許文献2に記載されている。これらの塗料分散体をベースとする上記コポリマーは、水性相中で(1次分散体と呼ばれる)または得られる水中分散体を用いて有機相中で(2次分散体と呼ばれる)、ビニルモノマーのフリーラジカル重合によって生成される。上記モノマー混合物は概して、樹脂のOH官能価に対して、ブロックを形成するように、ヒドロキシ(メタ)アクリレートモノマーを含有する。これにより、総合的に高いレベルの塗料特性を有する塗料膜を形成するが、これらの塗料膜のグラフィティ抵抗性はなお上記要求を満足するものではない。
【0006】
特許文献3には、OH基がアリルアルコールまたはプロポキシル化アリルアルコールを混合することによって導入されるヒドロキシ官能性コポリマー樹脂が開示されている。特許文献4および特許文献5には、塗料組成物用の水希釈性ヒドロキシ官能性樹脂が開示されており、上記OH基は上記樹脂中にプロポキシル化アリルアルコールを混合することによって導入される。
【0007】
特許文献6には、遊離NCO基を含有するポリイソシアネートの水性分散体およびアリルアルコールまたはプロポキシル化アリルアルコールをベースとするヒドロキシ官能性樹脂を含有する2成分系ポリウレタン塗料材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第A 0 358 979号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第A 0 947 557号明細書
【特許文献3】米国特許第A 5,475,073号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第A 0 900 243号明細書
【特許文献5】国際公開第A 00/00527号パンフレット
【特許文献6】国際公開第号A 99/51658パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、良好な膜光学特性および良好な抵抗性、特に良好なグラフィティ抵抗性を有する水性2K−PU塗料材料を作製することができるヒドロキシ官能性樹脂をベースとするバインダー分散体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ヒドロキシモノマーとして少なくともエチレングリコールモノアリルエーテルを含有するヒドロキシ官能性および酸官能性コポリマーをベースとする水性バインダー分散体を含有する塗料材料によって、上記目的を達成することができた。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従って、本発明は、ヒドロキシ官能性および酸官能性コポリマー(A)および/または(A’)を含む水性架橋性バインダー分散体であって、該コポリマー(A)または(A’)がエチレングリコールモノアリルエーテル(a1)を含むことを特徴とする水性架橋性バインダー分散体を提供する。
【0012】
前記コポリマー(A)は、望ましくは
(a1)少なくともエチレングリコールモノアリルエーテル
(a2)1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)任意に、1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー
を含有し、(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる。
【0013】
前記コポリマー(A)は、特に望ましくは
(a1)5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜45重量%のエチレングリコールモノアリルエーテル
(a2)0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは1.5〜4重量%の1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%の環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%の1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)0〜40重量%、好ましくは0〜25重量%、特に好ましくは0〜10重量%の1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー
を含有し、上記成分の合計量が100重量%になるまで加え、かつ(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる。
【0014】
同様に、前記コポリマー(A’)は、望ましくは
(a1)少なくともエチレングリコールモノアリルエーテル
(a2)1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)任意に、1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー、および
(a6)少なくとも1種以上のポリエステルオリゴマー
を含有し、(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる。
【0015】
前記コポリマー(A’)は、特に望ましくは
(a1)5〜60重量%、好ましくは20〜50重量%のエチレングリコールモノアリルエーテル
(a2)0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)5〜60重量%、好ましくは5〜50重量%の環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)5〜60重量%、好ましくは5〜30重量%の1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)0〜40重量%、好ましくは15〜25重量%の1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー、および
(a6)10〜50重量%、好ましくは10〜45重量%の少なくとも1種以上のポリエステルオリゴマー
を含有し、上記成分の合計量が100重量%になるまで加え、かつ(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる。
【0016】
本発明のバインダー中に含まれる上記コポリマー(A)または(A’)は、モノマー(a1)としてエチレングリコールモノアリルエーテルを含有する。成分(a1)は、例えば米国特許第A 4,618,703号明細書(第2欄第56行〜第3欄第56行)またはユンク(Jungk)等のオーガニック・プリパレーション・アンド・プロセデュア・インターナショナル(Organic Preparation and Procedure International)、1983年、第15巻第3号、第152頁以降に従って、作製してもよい。
【0017】
成分(a2)には、カルボキシ/カルボキシレート基またはスルホン酸/スルホネート基を含有する不飽和フリーラジカル重合性化合物が好適に挙げられる。そのような酸官能性モノマー(a2)の例には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β‐カルボキシルエチルアクリレート、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸(無水物)、イタコン酸、二塩基酸/無水物のモノアルキルエステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、およびスルホン酸/スルホネート基を含有するオレフィン系不飽和モノマーが挙げられ、それらの内、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸が例示のために挙げられている国際公開第A 00/39181号パンフレット(第8頁第13行〜第9頁第19行)に記載されている。カルボキシ官能性モノマーを用いることが好ましく、特に好ましいのはアクリル酸および/またはメタクリル酸である。
【0018】
好適な環状基を含有する重合性モノマー(a3)の例には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、上記環上をアルキル基で置換したシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートまたはノルボルニル(メタ)アクリレートが挙げられるが、スチレン、ビニルトルエンまたはα‐メチルスチレンもある。イソボルニル(メタ)アクリレートおよび/またはスチレンを用いることが好ましい。
【0019】
好適なモノマー(a4)の例には、アルコール部分中のC〜C18炭化水素基を有する(メタ)アクリルエステル、例えばエチルアクリレート、n‐ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2‐エチルヘキシルメタクリレートが挙げられるが、ビニルエステル、アルキレンオキサイドユニットを含有するビニルモノマー、例えば(メタ)アクリル酸のオリゴアルキレンオキサイドモノアルキルエーテルとの縮合物、および更なる官能基、例えばエポキシ基、アルコキシシリル基、尿素基、ウレタン基、アミド基またはニトリル基を含有するモノマーがある。2官能性および多官能性(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはビニルモノマー、例えばヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートを、上記モノマー(a1)〜(a6)の合計量をベースとして、0〜2重量%の量で用いることができる。メチルメタクリレート、n‐ブチルアクリレート、n‐ブチルメタクリレートまたは2‐エチルヘキシルアクリレートを用いることが好ましい。
【0020】
成分(a5)には、原則としてすべて(a1)と異なる、重合性C=C二重結合を有するOH‐またはNH‐官能性モノマーが好適に挙げられる。ヒドロキシ官能性モノマーが好ましい。好適なヒドロキシ官能性モノマー(a5)の例には、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートまたはアルキレンオキサイドユニットを含有するヒドロキシモノマー(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはブチレンオキサイドの(メタ)アクリル酸による付加物)が挙げられる。ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートまたはヒドロキシブチルメタクリレートを用いることが好ましい。
【0021】
好適なポリエステル(a6)は、平均分子量(Mn)500〜3000、好ましくは750〜1500、酸価0〜15mgKOH/g、好ましくは酸価5〜10mgKOH/g、OH価50〜300、好ましくは100〜200を有する化合物である。上記ポリエステル(a6)は、更に不飽和C=C二重結合(Mw=24)含量0.1〜1.1重量%、好ましくは0.2〜0.4重量%を有する。
【0022】
成分(a6)として用いられるポリエステルポリオールは、
(I)0〜40重量%、好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜5重量%の1種以上の炭素原子8〜30個を有する脂肪族、飽和または不飽和モノカルボン酸、
(II)0.6〜5重量%、好ましくは0.6〜2重量%の炭素原子3〜8個を有するα,β‐不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸および/またはそれらの無水物、
(III)20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%の1種以上の炭素原子2〜40個を有する脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸、トリカルボン酸またはテトラカルボン酸および/またはそれらの無水物、
(IV)20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%の1種以上の1分子当たり1〜4個のOH基を有する脂肪族アルコール、
(V)0〜10重量%、好ましくは0〜1重量%の1種以上のOH基を有する芳香族モノカルボン酸、
(VI)0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%の1分子当たり1〜4個、好ましくは1.9〜2.5個の官能基を有する更なるCOOH‐またはOH‐反応性化合物、例えばエポキシド、イソシアネート、アミンまたはオキサゾリン
の従来の重縮合によって作製され、上記全成分の合計量が100重量%である。
【0023】
成分(I)〜(VI)の反応は、要すれば、通常のエステル化触媒の補助を伴って、好ましくは水分除去と共に140〜240℃での溶融縮合または共沸縮合(azeotropic condensation)の原理に従って、行ってもよい。
【0024】
成分(I)として、本発明のバインダー分散体の上記ポリエステル成分(a6)は、要すれば、1種以上の炭素原子3〜8個を有する脂肪族モノカルボン酸を含有する。炭素原子3〜8個を有する飽和モノカルボン酸の例には、2‐エチルヘキサン酸、オクタン酸(カプリル酸)、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)、ヘキサデカン酸(セチル酸)またはオクタデカン酸(ステアリン酸)が挙げられる。また、炭素原子3〜8個を有する脂肪族、モノまたはポリ不飽和モノカルボン酸、例えばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸も好適である。天然油脂のケン化により生成されるようなモノカルボン酸の混合物を用いることが好ましい。そのような脂肪酸の例には、大豆油脂肪酸、トールオイル脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、ココヤシ油脂肪酸、グラウンドナッツ(groundnut)オイル脂肪酸またはヒマワリ油脂肪酸が挙げられる。特に好ましいのは、天然由来の不乾性油および/または脂肪をケン化することによって得られるモノカルボン酸である。そのような油脂の例には、ココヤシ油、パーム核油およびグラウンドナッツオイルが挙げられる。更に好適な炭素原子3〜8個を有するモノカルボン酸の例には、水素化脂肪酸、パラフィンの酸化またはコッホ(Koch)合成(J.ファルブ(Falbe)のニュー・シンセシーズ・ウイズ・カーボン・モノオキサイド(New Syntheses with Carbon Monoxide)、ベルリン、ハイデルバーグ、ニューヨーク (1980年)、第372頁以降)から得られる合成脂肪酸が挙げられる。
【0025】
成分(II)として、上記ポリエステル成分(a6)は、炭素原子3〜8個を有するα,β‐不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸を含む。そのようなカルボン酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸またはテトラヒドロフタル酸が挙げられる。遊離カルボン酸の代わりに、カルボン酸の誘導体、例えば上記ポリエステルを作製するための出発材料としての無水物またはエステルを用いることもできる。マレイン酸無水物が好ましい。
【0026】
上記ポリエステル成分(a6)用の好適な成分(III)には、炭素原子2〜40個を有する脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸、トリカルボン酸またはテトラカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸およびコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸が挙げられる。同様に好適であるのは、天然または合成脂肪酸から作製されるダイマー脂肪酸である。遊離カルボン酸の代わりに、カルボン酸の誘導体、例えば上記ポリエステルを作製するための出発材料としての無水物またはエステルを用いることもできる。ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸またはアゼライン酸を用いることが好ましい。
【0027】
1分子当たり1〜4個のOH基を有するOH成分(IV)として、例えば、ブタノール、ペンタノールまたは2‐エチルヘキサノール等の脂肪族モノアルコールを用いることができる。2つのOH基を有するアルコール成分の例には、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールまたは水素化ビスフェノールが挙げられる。用いられる好ましいOH成分(IV)は、要すれば2価アルコールと組み合わせた、3以上の官能価を有するアルコール成分である。例示として、ペンタエリスリトール、グリセロールまたはトリメチロールプロパンが挙げられる。
【0028】
好適なモノカルボン酸(V)には、例えば安息香酸またはアルキル安息香酸が挙げられる。
【0029】
ポリエステル成分(a6)は、通常、文献(R.デイン(Dhein)、K.ロイター(Reuter)、G.ラフ(Ruf)の「Houben−Weyl、Methoden der Organischen Chemie Vol.E20/2」、H.バートル(Bartl)、J.ファルベ(Falbe)編集、第4版、第1429〜1435頁、シュトゥットガルト、ニューヨーク(1987年))に記載のように作製される。
【0030】
しかしながら、更なる化合物(VI)、例えばポリイソシアネート等のOH反応性化合物、或いはエポキシド、アミノまたはオキサゾリン基を含有する物質等のCOOH反応性化合物等との反応を行って、上記ポリエステルを変性することもできる。好適なポリイソシアネートには、好ましくは脂肪族ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4‐イソシアナトシクロヘキサン)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、或いは変性脂肪族タイプ、例えばイソシアヌレート、ウレトジオンまたはビウレット基を含有するポリイソシアネートが挙げられる。原則としてこれらと並んで好適なものとして、芳香族ポリイソシアネート、例えばトリレンジイソシアネートまたはメチレンビス(4‐イソシアナトベンゼン)が挙げられる。好適なエポキシドの例には、ビスフェノールAジグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂、またはレゾルーション・ネーダーランド(Resolution Nederland)B.V.、Hoovliet、ネザーランズ(Netherlands))から市販のカージュラ(Cardula)E10(炭素原子10個を有する高分岐モノカルボン酸の混合物のグリシジルエステル)、バーサティック(Versatic)10が挙げられる。好適なアミンには、例えばヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミンまたはエチレンジアミンが挙げられる。
【0031】
本発明の水性バインダー分散体の作製は、成分(a1)〜(a5)を反応させてコポリマー(A)を生成するか、または成分(a1)〜(a6)を反応させてコポリマー(A’)を生成し、上記コポリマー(A)または(A’)を水性相に移行することによって行われ、上記酸基は上記分散操作の前またはその間に少なくとも部分的に中和される。
【0032】
本発明のバインダー分散体中に含有するコポリマー(A)または(A’)は、原則として、従来の重合方法によって作製されてもよい。しかしながら、好ましくは、上記作製は有機相中での重合により行われ、次いで上記樹脂を水性相へ分散し、上記酸基は上記樹脂を分散する操作の前またはその間に少なくとも部分的に中和される。例えば、欧州特許出願公開第A 0 947 557号明細書(第3頁第2行〜第4頁第15行)または欧州特許出願公開第A 1 024 184号明細書(第2頁第53行〜第4頁第9行)に記載の多段階重合方法によって、上記コポリマー(A)または(A’)を作製することが特に好ましく、上記方法においては、最初に低酸基含量を有するか、または酸基を含まない比較的疎水性のモノマー混合物、および次いで上記重合の後期で、酸基を含有する、より親水性のモノマー混合物を計り入れる。
【0033】
上記コポノマー(A’)の作製に成分(a6)を用いる場合、疎水性部分では溶液中で行われてもよく、また親水性部分では比例して溶解されてもよい。しかしながら、好ましくは、成分(a6)を初期段階に導入する。特に好ましくは、成分(a6)を成分(a1)と共に初期段階に導入し、共溶媒を含有しないことが好ましいが、成分(a6)が共溶媒を含有することができる。次いで、欧州特許出願公開第A 0 947 557号明細書(第3頁第2行〜第4頁第15行)または欧州特許出願公開第A 1 024 184号明細書(第2頁第53行〜第4頁第9行)に記載のように、成分(a2)〜(a4)、および要すれば(a5)を最初に導入した成分(a6)に計り入れて、重合を行う。上記親水性ポリマーを、疎水性ポリマーの存在下で作製する。
【0034】
多段階重合方法の代わりに、上記操作を連続的に行うこと(グラディエント(gradient)重合)、即ち、モノマー混合物またはモノマー/ポリエステル混合物を組成を変化しながら加え、親水性モノマーフラクションが供給の終点に向かって初期段階より高くなること、も同様に好ましい。
【0035】
(メタ)アクリレートモノマーに比較してビニルエーテルおよびアリルエーテルの公知の比較的乏しいフリーラジカル重合(例えば、B.ボルマート(Vollmert)のGrundriss der Makromolekularen Chemie、I、87)、および他の成分(a6)、(a2)〜(a4)および(a5)に比較してエチレングリコールモノアリルエーテル(a1)の得られる比較的低い速度に関して、成分(a1)のいくらかまたはすべてを重合の初期段階に導入し、前述のように上記モノマー混合物の残りに計り入れることは特に好ましい。これにより、上記エチレングリコールモノアリルエーテル(a1)を、さもなければ初期タンク投入分として必要となる重合の反応媒体としての上記共溶媒のいくらかまたはすべてとこのようにして置き換えることができるという優位性を有する。更に(対応して低い導入速度の場合)、成分(a1)を他のモノマーと同時に計り入れることができる。(a1)の導入速度は、反応条件(圧力、温度)によっても影響される。要すれば、重合の終わりに未導入の(a1)の残量は蒸留によって容易に除去され、再度使用してもよい。
【0036】
上記共重合は概して、90〜180℃、好ましくは100〜160℃で行われる。
【0037】
上記反応は、有機溶媒の存在下で行われてもよい。好適な溶媒は、塗料工業技術において公知の如何なる所望の溶媒、好ましくは水性分散体中で共溶媒として通常用いられる溶媒、例えばアルコール、エーテル、エーテル基を有するアルコール、エステル、ケトン、N‐メチルピロリドンまたは無極性炭化水素、或いはこれらの溶媒の混合物であってもよい。上記溶媒は、最終分散体中でのそれらの量が0〜12重量%、好ましくは0〜6重量%、特に好ましくは0〜1重量%となるような配合量で用いられる。特に低い有機溶媒含量が要求される場合、要すれば、用いられる溶媒は蒸留によって再び部分的に除去されてもよい。
【0038】
好適な重合反応開始剤には、有機過酸化物、例えばジ‐t‐ブチルパーオキサイドまたはt‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエートおよびアゾ化合物が挙げられる。用いられる開始剤の配合量は、所望の分子量に依存する。操作の信頼性および取り扱いの容易さから、過酸化物開始剤は、前述のタイプの好適な有機溶媒中の溶液の形で用いられてもよい。
【0039】
上記コポリマー(A)または(A’)の数平均分子量Mnは、操作パラメータ、例えばモノマー‐開始剤モル比、反応時間または温度の目標選択によって制御されてもよく、概して500〜30000、好ましくは500〜20000、特に好ましくは500〜15000に定められる。100%コポリマー(A)のOH含量は、2〜10重量%、好ましくは2.5〜8.5重量%、特に好ましくは3〜7重量%であり、用いられたヒドロキシ官能性モノマー(a1)並びに(a5)および(a6)の相対量によって決定される。
【0040】
100%コポリマー(A)または(A’)中のカルボキシル/カルボキシレートおよびスルホン酸/スルホネート基の合計量によって構成される上記酸基の配合量は、5〜100meq/100g、好ましくは10〜80meq/100g、特に好ましくは20〜60meq/100gであり、用いられた酸官能性モノマー(a2)の相対量および上記コポリマー(A’)用に用いられる(a6)量によって決定される。要すれば、親水化のために、上記コポリマー(A)または(A’)は、酸基に加えて更におよび比例して、アルキレンオキサイドを含有するモノマーユニットを結合した形で、または他の外部乳化剤を含有してもよい。しかしながら、好ましくは、上記コポリマー(A)または(A’)は酸基によってのみ親水化される。
【0041】
上記コポリマー(A)または(A’)中の共重合によって導入された上記酸基の中和のために、有機アミンまたは水溶性無機塩基(例えば、可溶性金属水酸化物)を用いることができる。好適なアミンの例には、N‐メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ブタノールアミン、モルホリン、2‐アミノメチル‐2‐メチルプロパノールまたはイソホロンジアミンが挙げられる。アンモニアもなお用いることができる。上記中和剤を、中和度(即ち、中和剤の酸に対するモル比)が40〜150%、好ましくは60〜120%となるような配合量で加える。本発明の水性バインダー分散体のpHは、6.0〜11.0、好ましくは6.5〜9.0である。
【0042】
本発明の水性架橋性バインダー分散体は、固形分25〜60%、好ましくは30〜50%を有し、有機溶媒含量0〜12%、好ましくは0〜6%を有する。前述のように、本発明により、実際に共溶媒を含有しない水性分散体を作製することができる。
【0043】
上記コポリマー(A)または(A’)以外にも、本発明のバインダー分散体は、要すれば、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエポキシドまたはポリアクリレートをベースとする他のバインダーまたは分散体、要すれば塗料工業において公知の顔料および他の添加剤および補助剤、を含有してもよい。
【0044】
本発明のバインダー分散体は、水性塗料組成物に加工されることができる。結果として、本発明のバインダー分散体および少なくとも1種の架橋剤、好ましくはポリイソシアネート架橋剤、特に好ましくは遊離NCO基を含有するポリイソシアネート架橋剤を含有する水性塗料組成物が同様に本発明によって提供される。
【0045】
架橋剤との組み合わせによって、この場合、反応性または要すれば、架橋剤のブロッキングに依存して、1成分系塗料材料および2成分系塗料材料の両方を作製することができる。本発明の目的のために、1成分系塗料材料は、顕著な程度または次の適用に不利益な程度に生じる架橋反応なしに、バインダー成分および架橋剤成分が共に貯蔵され得る塗料組成物である。上記架橋反応は、適用時、次の架橋剤の活性化時においてのみ起こる。上記活性化は、例えば温度を上昇することによって行うことができる。2成分系塗料材料は、本発明の目的のために、バインダー成分および架橋剤成分がそれらの高い反応性のために別の容器中で貯蔵されなければならない塗料組成物である。上記2成分は、それらが概して付加的な活性化なしに反応する場合、適用の直前まで混合しない。しかしながら、上記架橋反応を促進するため、触媒を使用したり、より高温を用いたりすることもできる。
【0046】
好適な架橋剤の例には、ポリイソシアネート架橋剤、アミド‐およびアミン‐ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルデヒド樹脂およびケトン樹脂、例えばフェノール‐ホルムアルデヒド樹脂、例えばH.ワグナー(Wagner)、H.F.サークス(Sarx)の”Lackkunstharze”、Carl Hanser Verlag Munich、1971年に記載のような、レゾール、フラン樹脂、尿素樹脂、カルバミン酸エステル樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シアナミド樹脂、およびアニリン樹脂が挙げられる。
【0047】
得られる上記水性1成分系および2成分系ポリウレタン塗料材料が特に高いレベルの塗料特性を示すため、架橋剤として、遊離および/またはブロックNCO基を含有するポリイソシアネートを用いることが好ましい。好適な架橋剤樹脂の例として、一方では、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4‐ジイソ‐シアナトシクロヘキサン、ビス(4‐イソシアナトシクロヘキサン)メタンまたは1,3‐ジイソ‐シアナトベンゼンをベースとする、或いは塗料ポリイソシアネート、例えば1,6‐ジイソシアナトヘキサン、イソホロンジイソシアネートまたはビス(4‐イソシアナトシクロヘキサン)メタンのビウレット基含有またはイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートをベースとするブロックポリイソシアネート;または2,4‐および/または2,6‐ジイソシアナトトルエンまたはイソホロンジイソシアネートをベースとするウレタン基含有塗料ポリイソシアネートが挙げられ、他方では、低分子量ポリヒドロキシ化合物、例えばトリメチロールプロパン、異性体プロパンジオールまたはブタンジオール、またはそのようなポリヒドロキシ化合物の所望の混合物が挙げられる。
【0048】
これらポリイソシアネート用の好適なブロッキング剤には、1価アルコール、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール;オキシム、例えばアセトキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム;ラクタム、例えばε‐カプロラクタム、フェノール;アミン、例えばジイソプロピルアミンまたはジブチルアミン、ジメチルピラゾールまたはトリアゾール、およびジメチルマロネート、ジエチルマロネートまたはジブチルマロネートが挙げられる。
【0049】
そのようにして特に高いレベルの抵抗性を有する塗料膜を得ることができるので、遊離イソシアネート基を含有し、脂肪族、脂環式、アラリファティック(araliphatic)および/または芳香族イソシアネート、好ましくは脂肪族または脂環式イソシアネートをベースとする、低粘度を有する疎水性または親水化ポリイソシアネートを用いることが好ましい。これらのポリイソシアネートは概して、23℃で粘度10〜3500mPaを有する。要すれば、上記ポリイソシアネートは、上記粘度を上記範囲内のレベルに低下するために、少量の不活性溶媒とのブレンドの形で用いられてもよい。トリイソシアナトノネートもなお、架橋剤成分として、単独または混合して用いてもよい。
【0050】
本明細書中に記載の上記コポリマー(A)または(A’)は概して、それらが如何なる場合も水溶性または水分散性である物質でない場合に、架橋剤樹脂の分散性を確保するのに十分な親水性を有する。
【0051】
水溶性または水分散性ブロックポリイソシアネートは、カルボキシレートおよび/またはポリエチレンオキサイド基および/またはポリエチレンオキサイド/ポリエチレンオキサイド基を用いた変性によって得ることができる。
【0052】
ポリイソシアネートの親水化は、例えば半化学量論量(sub−stoichiometric amount)の1価の親水性ポリエーテルアルコールとの反応によって行うことができる。このようにして親水化したポリイソシアネートの調製が、例えば欧州特許出願公開第A 0 540 985号明細書第3頁第55行〜第4頁第5行に記載されている。また、アロファネート基を含有し、アロフェン化(allophanatization)条件下で低モノマー含量ポリイソシアネートをポリエチレンオキサイドポリエーテルアルコールと反応させることによって調製される欧州特許出願公開第A 0 959 087号明細書第3頁第39〜51行に記載されたポリイソシアネートが非常に好適である。独国特許出願公開第A 100 078 21号明細書第2頁第66行〜第3頁第5行に記載の水分散性トリイソシアナトノナン系ポリイソシアネート混合物も好適である。同様に、市販の乳化剤の添加による親水化も可能である。
【0053】
特にグラフィティ抵抗性に関連し、このようにして非常に高レベルを達成することができるので、低粘度を有する非親水化ポリイソシアネート架橋剤を用いることが本明細書中で特に好ましい
【0054】
勿論、原則的には、異なる架橋剤樹脂の混合物を用いることも好ましい。
【0055】
個々の成分(a1)〜(a5)または成分(a1)〜(a6)をブレンドすることによる本発明の水性バインダー分散体の調製の前、間および後に、および少なくとも1種の架橋剤を添加することによって塗料組成物を調製する場合に、塗料工業技術において通常の補助剤および添加剤、例えば脱泡剤、増粘剤、顔料、分散助剤、触媒、皮張り防止剤、沈降防止剤または乳化剤を添加することができる。
【0056】
本発明のバインダー分散体を含有する得られた水性塗料組成物は、水性塗料およびコーティング系を、上記膜の抵抗性に課せられる厳しい要求に関して用いるような全ての適用に好適であり、そのような例には、鉱物建材表面のコーティング、木および木材のコーティングおよびシーリング、金属表面のコーティング(金属コーティング)、アスファルトまたはビチューメンを含有するカバーのコーティングおよびワニス塗り、種々のプラスチック表面のコーティングおよびシーリング(プラスチックコーティング)および高光沢塗料材料がある。
【0057】
本発明のバインダー分散体を含有する水性塗料組成物を被覆した支持体も、同様に本明細書によって提供される。
【0058】
本発明のバインダー分散体を含有する水性塗料組成物は、プライマー、サーフェサー、着色または透明トップコート材料、クリヤコート材料および高光沢塗料材料、並びにワンコート塗料材料を作製するのに用いられ、それらは個々の適用および製造ラインの適用、工業用塗料、自動車OEM仕上げおよび自動車再仕上げに用いてもよい。
【0059】
好ましくはポリイソシアネートと組み合わせた、または特に好ましくは低粘度を有する非親水化ポリイソシアネートと組み合わせた本発明のバインダー分散体を含有する水性塗料組成物の好ましい使用は、室温〜140℃での金属表面またはプラスチックのコーティングまたは塗装である。これらのコーティングは、非常に良好な膜光学特性を高レベルの耐溶剤性および耐薬品性、特に優れたグラフィティ抵抗性と組み合わせる。
【0060】
上記コーティングは、1成分または要すれば、2成分スプレーユニットを用いて、種々のスプレー技術、例えばエアプレッシャースプレー、エアレススプレーまたは静電スプレーによって作製することができる。しかしながら、本発明のバインダー分散体を含有する塗料および塗料材料は、他の方法、例えばブラッシング、ローリングまたはナイフコーティングによって適用してもよい。
【実施例】
【0061】
%で表される全ての数字は重量%である。粘度測定は、剪断速度40s−1で、DIN 53019に従ったコーン・プレート粘度計を用いて行った。
【0062】
(実施例1)本発明のヒドロキシル含有分散体の調製
撹拌、冷却および加熱装置付き6リットル反応容器に、990gのエチレングリコールモノアリルエーテル、83.2gのメチルメタクリレート、83.3gのイソボルニルメタクリレート、3.5gのアクリル酸および10.8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの混合物(I)を入れて、この初期内容物を143℃に加熱した。
【0063】
次いで、407.2gのメチルメタクリレートおよび407.3gのイソボルニルメタクリレートの混合物(II)、および同時に39.2gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドを、同様の温度で4.5時間撹拌しながら計り入れた。更に143℃で30分後、217.5gのメチルメタクリレート、190gのブチルアクリレートおよび60gのアクリル酸の混合物(IV)、および再度同時に16gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100中8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの溶液を1.5時間均一速度で計り入れ、次いで反応温度で60分間以上撹拌した。
【0064】
次に、未反応エチレングリコールモノアリルエーテルを真空下(最大140℃/20mbar)で蒸留して除去した。これにより、89.8gの蒸留物、即ち、用いたエチレングリコールモノアリルエーテル量9%を得た。得られた樹脂のGC分析により、残余遊離エチレングリコールモノアリルエーテル含量0.5重量%未満を示した。
【0065】
次いで、この樹脂1204gを、35.3gのジメチルエタノールアミンを用いて95℃で中和し、2300gの蒸留水を加えることによって、分散を行って、固形分33.6%、粘度4350mPaおよびpH7.7を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は本質的に共溶媒を含有しない。上記樹脂のOH含量(100%)は6.1%(OH価:201mgKOH/g)であり、酸価(100%)は21.5mgKOH/gであった。
【0066】
(実施例2)本発明のヒドロキシル含有分散体の調製
蒸留後に得られた上記樹脂990.5gを、87.4gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100および87.4gのブチルグリコールと95℃で混合した以外は実施例1の操作を繰り返した。次いで、29.0gのジメチルエタノールアミンを用いて95℃で中和し、1850gの蒸留水を加えることによって、分散を行って、固形分32.3%、粘度1560mPaおよびpH7.9を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は共溶媒含量5.7%を有した。上記樹脂のOH含量(100%)は6.1%(OH価:201mgKOH/g)であり、酸価(100%)は22mgKOH/gであった。
【0067】
(実施例3)本発明のヒドロキシル含有分散体の調製
撹拌、冷却および加熱装置付き6リットル反応容器に、750gのエチレングリコールモノアリルエーテル、83.2gのメチルメタクリレート、83.3gのイソボルニルメタクリレート、10.8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドおよび78gのブチルグリコールの混合物(I)を入れて、この初期内容物を143℃に加熱した。
【0068】
次いで、407.2gのメチルメタクリレート、407.3gのイソボルニルメタクリレート、125gのブチルアクリレートおよび115gのスチレンの混合物(II)、および同時に39gのブチルグリコール中の39.2gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの溶液を、同様の温度で4.5時間撹拌しながら計り入れた。更に143℃で30分後、217.5gのメチルメタクリレート、190gのブチルアクリレートおよび60gのアクリル酸の混合物(IV)、および再度同時に8gのブチルグリコール中8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの溶液を1.5時間均一速度で計り入れ、次いで反応温度で60分間以上撹拌した。
【0069】
次に、上記ブチルグリコールのほとんどの部分が除去される内に、未反応エチレングリコールモノアリルエーテルを真空下(最大140℃/20mbar)で蒸留して除去した。これにより、約2g、即ち、約0.3%量の用いたエチレングリコールモノアリルエーテルを含有する75gの蒸留物(残り:ブチルグリコール)を得た。得られた樹脂のGC分析により、残余遊離エチレングリコールモノアリルエーテル含量0.8重量%および残余ブチルグリコール含量1重量%を示した。次いで、この樹脂溶解物を206gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100中に溶解した。
【0070】
次いで、この樹脂溶解物1243gを95℃に加熱し、22.7gのジメチルエタノールアミンを用いて中和し、次に1250gの蒸留水を加えた。これによって、固形分45.5%、平均粒度126nm、粘度2500mPaおよびpH7.6を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は共溶媒含量4%を有した。上記樹脂のOH含量(100%)は4.1%(OH価:134mgKOH/g)であり、酸価(100%)は18mgKOH/gであった。
【0071】
(実施例4)本発明のヒドロキシル含有分散体の調製
撹拌、冷却および加熱装置付き6リットル反応容器に、990gのエチレングリコールモノアリルエーテル、83.2gのメチルメタクリレート、83.3gのイソボルニルメタクリレート、3.5gのアクリル酸および10.8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの混合物(I)を入れて、この初期内容物を143℃に加熱した。
【0072】
次いで、407.2gのメチルメタクリレートおよび407.3gのイソボルニルメタクリレートの混合物(II)、および同時に39.2gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドを、同様の温度で4.5時間撹拌しながら計り入れた。更に143℃で30分後、217.5gのメチルメタクリレート、205gのブチルアクリレートおよび45gのアクリル酸の混合物(IV)、および再度同時に16gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100中8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの溶液を1.5時間均一速度で計り入れ、次いで反応温度で60分間以上撹拌した。
【0073】
次に、未反応エチレングリコールモノアリルエーテルを真空下(最大140℃/20mbar)で蒸留して除去した。これにより、100.5gの蒸留物、即ち、用いたエチレングリコールモノアリルエーテル量10%を得た。得られた樹脂のGC分析により、残余遊離エチレングリコールモノアリルエーテル含量0.7重量%未満を示した。
【0074】
次いで、この樹脂溶解物を195.8gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100中に溶解し、54.3gのジメチルエタノールアミンを用いて95℃で中和し、次に4450gの蒸留水を加えた。これによって、固形分33.2%、粘度2400mPaおよびpH8.0を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は共溶媒含量2.7%を有した。上記樹脂のOH含量(100%)は5.9%(OH価:195mgKOH/g)であり、酸価(100%)は15mgKOH/gであった。
【0075】
(実施例5)本発明のヒドロキシル含有分散体の調製
a)ポリエステル樹脂の調製
撹拌、冷却および加熱装置並びに水分離器付き15リットル反応容器中で、1665gのトリメチロールプロパンおよび5161gのネオペンチルグリコールを、窒素雰囲気下120℃で溶融した。次いで、120℃で、189gのマレイン酸無水物、5581gのフタル酸無水物および2065gのイソフタル酸を計り入れた。窒素を上記反応混合物に通した。上記バッチを6時間で210℃まで加熱した。この温度で、強い窒素流(約30リットル/時間)を上記バッチに通して、酸価が8mgKOH/g以下に低下するまで縮合を行った。OH価は133mgKOH/gであり、酸価は7.5mgKOH/gであった。
【0076】
b)分散体の調製
撹拌、冷却および加熱装置付き6リットル反応容器に、450gのエチレングリコールモノアリルエーテル、700gの上記ポリエステル樹脂a)、13.3gのメチルメタクリレート、8.7gのスチレン、1.3gのn‐ブチルアクリレートおよび29.3gのヒドロキシプロピルアクリレートの混合物(I)を140℃で入れた。78.0gのブチルグリコール中に溶解した39.0gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドを含有する開始剤溶液を4時間かけて上記混合物(I)に滴下して加え、温度を140℃に保持した。開始剤の計量添加の開始5分後、120.0gのメチルメタクリレート、78.0gのスチレン、12.0gのn‐ブチルアクリレートおよび264.0gのヒドロキシプロピルアクリレートを含有する混合物(II)を、反応温度140℃で2時間かけて同時に計り入れた。上記混合物(II)の計量添加に続いて、66.7gのメチルメタクリレート、43.3gのスチレン、6.7gのn‐ブチルアクリレート、146.7gのヒドロキシプロピルアクリレートおよび60gのアクリル酸を含有する混合物(III)を、反応温度140℃で1時間かけて計り入れた。すべての開始剤溶液を計り入れた後、撹拌を140℃で1時間以上続けて、次いで未反応エチレングリコールモノアリルエーテルを真空下(最大145℃/20mbar)で蒸留して除去した。これにより、約10%量の用いたエチレングリコールモノアリルエーテルと、ブチルグリコールとから成る123gの蒸留物を得た。得られた樹脂のGC分析により、残余遊離エチレングリコールモノアリルエーテル含量0.5重量%未満を示した。
【0077】
上記樹脂溶解物を、61.8gのジメチルエタノールアミンを用いて95℃で中和し、次に2070gの蒸留水を加えた。これによって、固形分43.2%、粘度2400mPaおよびpH7.6を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は共溶媒を含有しない。上記樹脂のOH含量(100%)は7.7%(OH価:253mgKOH/g)であり、酸価(100%)は26mgKOH/gであった。
【0078】
(実施例6)本発明でないヒドロキシル含有分散体の調製(比較例)
撹拌、冷却および加熱装置付き6リットル反応容器に、990gのエチレングリコールモノアリルエーテル、83.2gのメチルメタクリレート、83.3gのブチルアクリレート、3.5gのアクリル酸および10.8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの混合物(I)を入れて、この初期内容物を143℃に加熱した。
【0079】
次いで、407.2gのメチルメタクリレートおよび407.3gのブチルアクリレートの混合物(II)、および同時に39.2gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドを、同様の温度で4.5時間撹拌しながら計り入れた。更に143℃で30分後、217.5gのメチルメタクリレート、190gのブチルアクリレートおよび60gのアクリル酸の混合物(IV)、および再度同時に16gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100中8gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドの溶液を1.5時間かけて均一速度で計り入れ、次いで反応温度で60分間以上撹拌した。
【0080】
次に、未反応エチレングリコールモノアリルエーテルを真空下(最大140℃/20mbar)で蒸留して除去した。これにより、124gの蒸留物、即ち、用いたエチレングリコールモノアリルエーテル量約12%を得た。得られた樹脂のGC分析により、残余遊離エチレングリコールモノアリルエーテル含量0.5重量%未満を示した。
【0081】
次いで、この樹脂溶解物1930gを、170.3gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)100および170.3gのブチルグリコールの混合物中に溶解し、57.2gのジメチルエタノールアミンを用いて95℃で中和し、次いで2114gの蒸留水を加えた。これにより、固形分45.0%、粘度5100mPaおよびpH7.9を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は共溶媒含量7.9%を有した。上記樹脂のOH含量(100%)は6.1%であり、酸価(100%)は21mgKOH/gであった。
【0082】
(実施例7)本発明でないヒドロキシル含有分散体の調製(比較例)
撹拌、冷却および加熱装置付き6リットル反応容器に、186gのブチルグリコールおよび186gのソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)を入れて、この初期内容物を143℃に加熱した。次いで、875gのメチルメタクリレート、445gのヒドロキシエチルメタクリレートおよび625gのブチルアクリレートの混合物(I)を3時間かけて計り入れ、次いで直接、128gのメチルメタクリレート、180gのヒドロキシエチルメタクリレート、100gのブチルアクリレートおよび60gのアクリル酸の混合物(II)を1.5時間かけて計り入れた。同時にそこへ、ブチルグリコールおよびソルベント・ナフサ(Solvent Naphtha)の1:1混合物70g中の88gのジ‐t‐ブチルパーオキサイドを5時間かけて計り入れた。更に145℃で2時間撹拌後、上記バッチを100℃まで冷却し、上記混合物を2600gの水中に均質化し、分散した。これにより、固形分45.6%、粘度1500mPaおよびpH8.1を有する安定な水性分散体を得た。上記分散体は共溶媒含量8%を有した。上記樹脂のOH含量(100%)は3.3%であり、酸価(100%)は21mgKOH/gであった。
【0083】
(適用例)水性2K PUクリヤコート
表1の配合量に従って、バインダー分散体Iおよび添加剤II〜IVを攪拌機(約2000rpmで約10分間)を用いて分散して、1日間脱気させた水性原料ワニス成分を得た。次いで、蒸留水を添加して目標粘度(DIN 6 カップで約40秒)に調節し、再度、1日間脱気させた。この原料ワニスを次いで、国際公開第A 01/14092号パンフレットのEx.(1A)に従って調製した、架橋剤成分VとしてのNCO含量23.7%および粘度(100%の形で)約650mPaを有する非対称ヘキサメチレンジイソシアネート三量体と混合し、2000rpmで2分間攪拌機を用いて導入した3‐メトキシ‐n‐ブチルアセテート中に溶解した。NCO:OH比は1.5:1であった。上記生成物を次いで、蒸留水で蒸留して、スプレー粘度約25秒(DIN 4 カップ)とした。
【0084】
市販の水希釈性または溶剤系ベースコート(例えば、スピーズ・ヘッケル(Spies Hecker)社のペルマハイド(Permahyd)またはペルマクロン(Permacron))で被覆した以下のコイル被覆金属シートへの適用(スプレーガン HVLP NR 2000;3.0〜3.5バール)、上記コーティングを室温で30分間蒸発分離し、オーブン中60℃で30分間乾燥し、次いで室温で7〜10日間乾燥した。これにより、塗料試験結果が表1に示される光沢のある塗料膜が得られた。
【0085】
実施例1および2の本発明の分散体をベースとした上記水性2K PUコーティングは、非常に良好な膜光学特性、高硬度、非常に良好な耐溶剤性および耐薬品性を、優れたグラフィティ抵抗性を結合することがわかった。実施例5および6の比較例の分散体をベースとしたコーティングは、光沢および硬度が不十分であり(分散体5)、耐溶剤性および耐薬品性が不十分であるが(分散体6)、同様に良好なレベルの特性を示す。実施例1および2からの上記分散体をベースとしたコーティングは、ドイツ鉄道グラフィティテスト(Dt.Bundesbahn Graffiti Test)(TL 918 300、セクション(Section)4.11に準拠したドイツ鉄道のグラフィティテスト)(10サイクル)をパスしたが、実施例5および特に実施例6をベースとした対応するコーティングはこのテストの要求に適合しなかった。
【0086】
表1:水性2K PUクリヤコート用ワニスバッチ
【0087】
【表1】

【0088】
:評価0〜5;0=ベストスコア、5=ワーストスコア
**:グラフィティ抵抗性に関するドイツ鉄道試験(Deutsche Bundesbahn Test for Graffiti resistance)
:エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社(Air Products & Chemicals,Inc.);
:ドイツのボルヒェルス社(Borchers GmbH,DE);
:ドイツのボルヒェルス社(Borchers GmbH,DE)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ官能性および酸官能性コポリマー(A)および/または(A’)を含む水性架橋性バインダー分散体であって、該コポリマー(A)または(A’)がエチレングリコールモノアリルエーテル(a1)を含むことを特徴とする水性架橋性バインダー分散体。
【請求項2】
前記コポリマー(A)が、
(a1)少なくともエチレングリコールモノアリルエーテル、
(a2)1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)任意に、1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー
を含有し、(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる請求項1記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項3】
前記コポリマー(A)が、
(a1)5〜60重量%のエチレングリコールモノアリルエーテル、
(a2)0.5〜10重量%の1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)5〜60重量%の環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)5〜60重量%の1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)0〜40重量%の1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー
を含有し、該成分の合計量が100重量%になるまで加え、かつ(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる請求項2記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項4】
前記コポリマー(A’)が、
(a1)少なくともエチレングリコールモノアリルエーテル、
(a2)1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)任意に、1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー、および
(a6)少なくとも1種以上のポリエステルオリゴマー
を含有し、(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる請求項1記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項5】
前記コポリマー(A’)が、
(a1)5〜60重量%のエチレングリコールモノアリルエーテル、
(a2)0.5〜10重量%の1種以上の酸官能性重合性モノマー、
(a3)5〜60重量%の環状基を含有する1種以上の重合性モノマー、
(a4)5〜60重量%の1種以上の更なる重合性モノマー、
(a5)0〜40重量%の1種以上のOH‐および/またはNH‐官能性重合性モノマー、および
(a6)10〜50重量%の少なくとも1種以上のポリエステルオリゴマー
を含有し、該成分の合計量が100重量%になるまで加え、かつ(a4)が(a1)〜(a3)および(a5)と異なる請求項4記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項6】
前記成分(a6)が、平均分子量(Mn)500〜3000、酸価0〜15mgKOH/g、OH価50〜300および不飽和C=C二重結合含量0.1〜1.1重量%を有するポリエステルオリゴマーである請求項5記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項7】
OH含量2〜10重量%、平均分子量(Mn)500〜20000および酸基含量5〜100meq/100gを有し、酸基の少なくともいくつかが中和された形である請求項1〜6のいずれか1項記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項8】
溶媒含量0〜12%を有する請求項1〜7のいずれか1項記載の水性架橋性バインダー分散体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の水性バインダー分散体および少なくとも1種の架橋剤を含有する水性塗料組成物。
【請求項10】
前記架橋剤が、遊離イソシアネート基を含有する低粘度、疎水性または親水化ポリイソシアネートであり、かつ脂肪族、脂環式、アラリファティックおよび/または芳香族イソシアネートをベースとする請求項9記載の水性塗料組成物。
【請求項11】
前記架橋剤が、低粘度、非親水化ポリイソシアネートである請求項9記載の水性塗料組成物。
【請求項12】
まず第1に架橋剤を請求項1〜8のいずれか1項記載の水性バインダー分散体中に分散し、次いで該分散体を支持体に適用し、乾燥することを特徴とする被覆支持体の製造方法であって、任意に補助剤および添加剤を添加することが可能である被覆支持体の製造方法。
【請求項13】
前記支持体が、鉱物表面、木材、金属、アスファルト含有またはビチューメン含有表面およびプラスチックから成る群から選択される請求項12記載の方法。
【請求項14】
プライマー、サーフェサー、着色または透明トップコート材料、クリヤコート材料および高光沢塗料を製造するための請求項1〜8のいずれか1項記載の水性バインダー分散体の使用方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項記載の水性バインダー分散体で被覆した支持体。

【公開番号】特開2009−144163(P2009−144163A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3753(P2009−3753)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【分割の表示】特願2003−578486(P2003−578486)の分割
【原出願日】平成15年3月10日(2003.3.10)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】