説明

植物処理剤における又は植物処理剤に関する改良

本発明は、1又は複数の植物処理剤のデリバリーのための緩除放出顆粒組成物に関する。当該顆粒組成物は、珪藻岩の周囲層及び外塗を有するゼオライト中心を含む。場合により、当該顆粒組成物はドロマイトをさらに含む。当該顆粒組成物は、植物への肥料及び栄養素の制御デリバリー用として、及び土壌改良として特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、植物処理剤の制御デリバリーに関する。より特には、肥料、及び/又は土壌改良としての適用に好適な緩除放出顆粒組成物をも提供する。
【背景技術】
【0002】
液体形態の肥料は適用に便利であるが、それらは通常、小川、川、帯水層、及び地下集水層への製品の流出に起因して、環境的に不利になるとみなされる。肥料の他の形態は、肥料で処理された土壌からの、例えば過リン酸肥料で空気のように追肥された土壌からの流出に曝される、水の態様における富栄養化の如き汚染問題もまた導く。このことは、標的植物に栄養素を緩除放出し、及び汚染物質の流出を著しく低減する肥料の需要を創出する。
【0003】
改良された緩除放出顆粒組成物を提供すること;及び/又は、改良された緩除放出肥料剤を提供すること;及び/又は公衆に有用な選択肢を少なくとも提供することが、本発明の目的である。
【0004】
本発明の他の目的は、ほんの一例として与えられる以下の説明から明らかとなるかもしれない。
【0005】
本願明細書中に含まれる文書、行為、材料、装置、品目など他の議論は、本発明の事情を提供することの目的に過ぎない。これらの問題の一部又は全てが、優先日より前に存在するような、先行技術の基礎の一部を形成し又は本発明に関する分野における一般的知識であることを承認するものとして取り上げられることはない。
【発明の開示】
【0006】
発明の要約
第1態様において、本発明は、植物処理剤を含む緩除放出顆粒組成物であって、以下の:
(a)ゼオライト中心;
(b)前記ゼオライト中心の周囲の珪藻岩の層;及び
(c)外塗、
をさらに含む、上記緩除顆粒放出組成物を提供する。
【0007】
さらなる態様において、本発明は、珪藻岩とドロマイトとの混合物でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、ゼラチンを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0008】
他の態様において、本発明は、珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、セラックを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層、ケイ酸カリウムの下塗りの層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、樹木及び植物浸出液を含む水性樹脂を含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0010】
他の態様において、本発明は、珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層、消石灰の層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、セラックを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0011】
他の態様において、本発明は、本発明の緩除放出顆粒組成物を適用することを含む、植物処理剤で植物を処理する方法を提供する。
【0012】
他の態様において、本発明は、植物処理剤を含む緩除放出顆粒組成物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)液体でゼオライト中心を湿らせ;
(b)前記湿らせたゼオライト中心を珪藻岩でコートし;及び
(c)好適な外塗材を適用する、
を含む上記製造方法を提供する。
【0013】
他の態様において、本発明は、本発明の方法により製造される際の緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0014】
本発明は、個別に又はまとめて本願の明細書中に言及され又は示される部分、要素、及び特徴、並びに、他の複数の当該部分、要素、及び特徴のいくつかの又は全ての組み合わせに存するように広範に言及され得、そして、本発明に関する分野において等量と知られている特定の整数が本願明細書中に述べられる際には、かかる知られた等量は、まるで個別に説明されるかのように、本願明細書中に援用されるものとみなされる。
【0015】
本明細書及び請求項において使用される用語「含んでいる」又は「含む」の如き変形は、「少なくとも一部からなる」を意味する。すなわち、当該用語を含む本明細書及び請求項における記述を解釈するとき、各全記述における当該用語により始められる特徴が存在することを必要するが、しかし他の特徴もまた存在し得る。
【0016】
本発明は、上記の定義のように広範だけれども、当業者は、本発明がそれらに制限されないこと、及び本発明が下記の説明が与える実施例の態様も含むことを理解するだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、多くの有効な剤形の製造のために、多種の天然及び合成の植物処理剤のカプセル化を可能とする緩除放出顆粒組成物を提供することが、本分野における当業者により理解されるだろう。有利なことに、当該緩除放出顆粒組成物は、土壌改良剤としても作用する。
【0018】
第1態様において、本発明は、植物処理剤を含む緩除放出顆粒組成物であって、以下の:
(a)ゼオライト中心;
(b)前記ゼオライト中心の周囲の珪藻岩の層;及び
(c)外塗、
をさらに含む、上記緩除顆粒放出組成物を提供する。
【0019】
本明細書中に使用される用語「植物処理剤」は、天然又は合成のいずれかにより供給され、植物の成長、健康、及び/又はそれらの肥料を調節するための植物処理用の慣習によるものである、農薬活性物質又はそれらの混合物を意味する。好ましい植物処理剤は、非制限的に、農薬(例えば、ダニ駆除剤;アルジサイド;防カビ剤;殺菌剤;殺ウイルス剤;殺虫剤;アブラムシ用殺虫剤;ダニ殺虫剤;殺線虫剤;軟体動物駆除剤など);花粉発育破壊剤;除草剤;枯葉剤;乾燥剤;植物成長調整剤(成長ホルモンを含む);肥料;植物栄養素;及びそれらの混合物を含む。
【0020】
好ましくは、当該植物処理剤は、植物の成長、健康、及び/又は繁殖を維持又は促進する。
【0021】
さらに好ましくは、当該植物処理剤は、農薬、植物成長調整剤、肥料、植物栄養素、又はそれらの混合物を含む。
【0022】
さらに好ましくは、当該植物処理剤は、肥料、植物栄養素、又はそれらの混合物を含む。
【0023】
上記議論の通り、肥料は、通常、適用前に液体として配合され、又は溶解する環境に即座に栄養素を放出する水溶性固体物として適用される。
【0024】
本発明において、当該植物処理剤は、好ましくは、ゼオライト及び/又は珪藻岩に吸収され、あるいは、ゼオライト及び/又は珪藻岩により吸着される。次いで、当該植物処理剤は、当該ゼオライト及び/又は珪藻岩が土壌環境中に水和され及び分解されるように、長時間に渡り放出される。
【0025】
ある態様において、当該植物処理剤は、植物、及び/又は動物源由来の肥料を含む。好適な源の例は、非制限的に:家畜糞尿;たい肥及び他の腐乱した動物性及び植物性素材;食肉処理の廃棄物;ホエーの如き酪農廃棄物;大豆ミール、大豆蛋白質、及びアルファルファミールの如き植物性素材;海藻;魚;及びそれらの混合物である。
【0026】
好ましくは、当該肥料は有機認定できる肥料である。好ましい有機認定できる肥料は、フィッシュエマルジョンであって、例えばEuropean Carpのエマルジョンである。約9:2:6のN:P:K比における窒素、リン酸、及びカリウムを供給するのと同様に、European Carpのエマルジョンもまた多くの微量元素の有用なレベルを供給し、当該微量元素の例は、ホウ素、鉄、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、セレニウム及び亜鉛である。
【0027】
肥料の混合物もまた企図される。このように当該N:P:K比及び微量元素含量は、特定の目的のために最適となり得る。
【0028】
好ましくは、当該植物処理剤は、ゼオライト及び/又は珪藻岩中に吸収され、あるいはゼオライト及び/又は珪藻岩により吸着される水溶液、乳濁液又は懸濁液として、当該緩除放出顆粒組成物の中に組み入れられる。しかしながら、他の態様は、当該植物処理剤が溶液又は懸濁液として、他の溶媒又は溶媒の混合物中に組み入れられることを企図する。
【0029】
当該植物処理剤がフィッシュエマルジョンを含む態様において、当該エマルジョンは、水で希釈され得、当該緩除放出顆粒組成物中に組み込まれる水性混合溶媒を形成する。この態様において、当該フィッシュエマルジョンは、通常、当該水性混合溶媒の約95%〜約40%を形成する。
【0030】
他の態様において、当該植物処理剤は、粉末肥料を、好ましくは超微粒状態で含み、NPK、及び/又は微量元素を供給する。この態様において、当該粉末肥料は、ゼオライト、珪藻岩、及び外塗材と混合され得る。さらに他の態様において、当該粉末肥料は、1又は複数のゼオライト、珪藻岩、及び外塗材と混合する前に又はその間に、好適な結合剤又はコーティング剤と混合され得る。
【0031】
植物処理剤の第1溶液、乳濁液又は懸濁液は、ゼオライトに吸収され又は当該ゼオライトにより吸着され、一方、異なる植物処理剤の第2溶液、乳濁液又は懸濁液は、珪藻岩に吸収され又は当該珪藻岩により吸着される態様が企図される。当該植物処理剤の溶液、懸濁液又は乳濁液が、ゼオライトのみ又は珪藻岩のみに吸収され、あるいは、当該ゼオライトのみ又は珪藻岩のみにより吸着される他の態様もまた企図される。
【0032】
特に好まれる態様において、当該植物処理剤は、水で希釈され、かつ、ゼオライト及び珪藻岩の両方に吸収され又は当該ゼオライト及び珪藻岩の両方により吸着されるフィッシュエマルジョンを含む。
【0033】
当業者は、緩除放出顆粒組成物中に使用される植物処理剤の量が、以下の:当該植物処理剤のための好ましい適用比;当該植物処理剤又はそれらの溶液、乳濁液又は懸濁液の濃度;及び当該植物処理剤又はそれらの溶液、乳濁液又は懸濁液に対する吸収性又は吸着力を含み得る多くの因子に依存することを理解するだろう。
【0034】
好ましくは、当該ゼオライトはクリノプチロライトである。
【0035】
クリノプチロライトは、ゼオライト群において最も豊富なミネラルであり、世界中の広範な堆積物中に存在する。クリノプチロライトは、多くの目的に使用され得、例えばキャットリッター;工業潤滑油の吸収剤;飼料添加物;及び吸収油がある。クリノプチロライトは、肥料配合に特に有用な強力な陽イオン交換特性を有する。例えば、クリノプチロライトの陽イオン交換特性は、高塩分の如き不都合な化学的状況の影響を改善することにおいて、助力すると信じられる。
【0036】
ニュージーランドから供給されるクリノプチロライトは、強力な土壌改良特性を有し、適度な期間で土壌中に化学変化を起こす。本明細書中に使用される用語「土壌改良」は、水分保持、浸透性、水分浸潤、排水、及び構造の如きその物理的特性を改良するために土壌に添加される物質を意味する。
【0037】
さらに、クリノプチロライトは、当該植物処理剤が肥料を含む態様における使用に特に有用とさせる特有の微量元素含有量を有する。
【0038】
通常、ゼオライトは、本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約40重量%〜約90重量%を含み、ここで用語「固形物」は、当該植物処理剤を除いて受け取られる。好ましくは、ゼオライトは、当該緩除放出顆粒組成物中の固形物の約60重量%〜約80重量%を含む。
【0039】
珪藻岩は、非常に微細な多孔質であって、低密度を有する非晶質のケイ質堆積物岩である。珪藻岩は、大抵の液体及び気体中で本質的に化学的不活性であり、肥料目的として特に使用されるが、しかし多くの他の目的を有する。例えば、珪藻岩は、以下の:工業流出物の吸収;ペットリッター;塗料から粉末薬品まで様々な製品のろ過剤;絶縁材;研磨における軽い研磨剤;並びにセメント及び様々な他の材料におけるシリカ添加剤として使用される。
【0040】
好ましくは、当該珪藻岩は、淡水性珪藻岩である。さらに好ましくは、当該珪藻岩は、Middlemarch,Otago,New Zealandより入手される淡水性珪藻岩である。海水性珪藻岩はより一般的であるが、この地方から供給される淡水性珪藻岩は、良好な陽イオン交換特性、並びに優れた水及び油の吸収及び吸着特性を有する。この珪藻岩は、微量元素及び有機炭素の有用な量をも含む。さらに、この珪藻岩は、当該緩除放出顆粒組成物に有利な放出特性を提供し得る。
【0041】
他の与えられた堆積物中の珪藻岩の組成物は変化し得る。例えば、珪藻岩は、白色、灰色、及び/又は黒色であって、それらの色に加えて、有機炭素含量に基づいて区別され得る珪藻岩として生じる。通常、白色珪藻岩は、酸化され、より高い有機炭素濃度を含む黒色珪藻岩よりも高濃度のモノ-及びオルトーケイ酸を含む。当該堆積物は、白色及び黒色珪藻岩の層の間に灰色珪藻岩の移行帯もまた含み得る。当該有機炭素含量は、白色珪藻岩についての約1%未満〜黒色珪藻岩についての約40%超まで変化し得る。珪藻岩は、当該炭素含量を低減するためにか焼され又は焼結される。
【0042】
ミドルマーチ(Middlemarch)の珪藻岩は、気候の極端な状態の有害効果から本発明の緩除放出顆粒組成物を保護することに関与する有利な暑さと寒さに対する抵抗性を有し、それ故、温度の極端な状態において当該組成物の使用を可能とする。この地方から供給される黒色珪藻岩は、当該植物処理剤が肥料を含む態様において特に有用とさせる、比較的高い濃度のフミン酸塩及びフルボ酸塩もまた含む。
【0043】
有利なことに、土壌内への分解に関して、当該植物処理剤中の珪藻岩の有機炭素含量は、例えば、植物の成長及び発達に関する有利な効果を有するフミン酸塩及びフルボ酸塩として放出される。従って、本出願は、本発明の緩除放出顆粒組成物の製造において使用される珪藻岩の炭素含量の適した選択が、当該組成物の特性に有利な影響を与え、特に当該植物処理剤が肥料を含む態様において影響を与えることを見つけ出した。珪藻岩の炭素含量は、栄養素としてすぐに利用でき、特に砂地において、土壌の構造及び色を改良する。
【0044】
好ましい態様において、白色及び/又は灰色及び/又は黒色珪藻岩の組み合わせは、当該珪藻癌の平均有機炭素含量が約5%〜約25%であるような緩除放出顆粒組成物の製造において使用される。
【0045】
他の態様において、本発明の緩除放出顆粒組成物は、外来源由来の付加的フミン酸塩及び/又はフルボ酸塩を含む。これらは、例えば、泥炭の水抽出物又は再循環される腐敗しやすい材料から入手され得る。
【0046】
珪藻岩は、ゼオライト中心の周囲に1の層を形成し得る。あるいは、当該珪藻岩は、複数の層を形成し得る。当該珪藻岩の層の数及び厚さは、顆粒からの植物処理剤の放出比に影響を与えるだろう。
【0047】
通常、珪藻岩は、本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約10重量%〜約40重量%より成る。好ましくは、当該珪藻岩は、緩除放出顆粒組成物中の固形物の約15重量%〜約25重量%より成る。
【0048】
有利なことに、土壌中への分解に関して、本発明の緩除放出顆粒組成物は、植物により素早く吸収されるモノ−ケイ酸、及びオルト−ケイ酸を放出する。植物において、ケイ素は、成長、無機栄養、機械的強度、及び真菌病への耐性の役割、そして不都合な化学的及び物理的状態に対する反応を調節する役割を担うと信じられる。ケイ素は、いくつかの主要及び微量栄養素の吸収及び転流に影響を及ぼす。さらに、ケイ素は、細胞壁の強度及び厚さに寄与し、それにより、植物の機械的強度、並びに菌類及び虫による攻撃に対するその耐性、並びに熱及び霜に耐える能力を改良する。
【0049】
当該緩除放出顆粒組成物の放出特性に影響を及ぼすことに加えて、外塗は、耐摩耗性を提供し、そして機械的強度を改良する。
【0050】
外塗としての使用に好適な材料は、土壌環境から当該緩除放出顆粒組成物の物体内への水及び水蒸気の移動を可能とする。好適な外塗材は、当業者に知られる天然及び合成材料を含む。最終的なコーティング材の選択は、次元強度、コスト、色、水蒸気の浸透性、及び耐屈曲性の如き因子に依存することが理解されるだろう。
【0051】
好適な外塗材は、以下の:蛋白質;樹脂;ゴム;ろう;及びポリサッカリドを非制限的に含む。さらに、メチルセルロース及びアクリルの如き合成材料が使用され得る。
【0052】
好ましい外塗材は、土壌中に分解し、ミネラルの残留物又は足跡を残す。
【0053】
好ましい外塗材は、以下の:樹脂;でんぷん;グルテン;カゼイン;ホエー蛋白質分離物;大豆蛋白質分離物;ゼイン;ゼラチン;及び卵白を含む。粘液{蛋白質及びポリサッカリドを含み、植物ゴムと同様の様々な植物(例えば、マメ科植物又は海草類)から入手されるゼラチン状の物質。}もまた使用され得る。さらに、加工でんぷん(例えば、アミロペクチン)が適し得る。
【0054】
より好ましくは、当該外塗材は、セラック又はゼラチンを含む。
【0055】
当該外塗は、1つの層として又は複数の層として形成され得る。当該外層の厚さは、コーティング材の選択及び濃度、及び層の数の如き因子により決定される。通常、当該外塗は、約1μm〜約500μmの厚さを有し得る。
【0056】
当該外塗の厚さ及び組成は、当該顆粒からの植物処理剤の放出比に著しい影響を有することが理解されるだろう。
【0057】
さらに、温度、pH、湿度、及び雨量の如き他の因子もまた当該植物処理剤の放出比に影響を与えるだろう。
【0058】
土壌における分解に関して、蛋白質は、主及び微生物相の刺激を提供するアミノ酸を放出する。従って、蛋白質成分を含む外塗材の選択は、地上の植物の成長、健康及び/又は繁殖に加えて、植物の根構造の成長、及び/又は健康に、有利に影響を与える。
【0059】
もし均質混合物を製造することが可能ならば、材料の混合物は、当該外塗を形成するために使用され得る。個々の層の組成が変化する際、いくつかの層を有する外塗もまた企図される。当該外塗は、植物処理剤、色素剤(例えば、クロロフェリル)、及び微生物の如き他の成分もまた含み得る。
【0060】
通常、当該外塗は、本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約0.5重量%〜約10重量%より成る。好ましくは、当該外塗は、緩除放出顆粒組成物中の固形物の約0.5重量%〜約5重量%より成る。
【0061】
好ましい態様において、本発明の緩除放出顆粒組成物の製造において利用される成分の全ては、有機認定できる。
【0062】
特に好ましい態様において、当該植物処理剤は肥料であり、当該緩除放出顆粒組成物は有機認定できる。
【0063】
ゼオライトを基礎とする肥料を製造するための以前の取り組みは、非有機成分を使用していた。さらに、それらは弱い緩除放出特性、及び主要栄養素と微量栄養素の不均衡を有していた。他の緩除放出肥料剤は、非有機成分及び合成コーティングを使用して配合される。
【0064】
有利なことに、当該緩除放出顆粒組成物は、当該顆粒を製造するために使用される材料に由来する混入水もまた含む。
【0065】
場合により、当該緩除放出顆粒組成物は、ドロマイトをさらに含む。当該ドロマイトは追加の栄養素を供給し得る。
【0066】
当該ドロマイトは、珪藻岩と混合され得る。あるいは、当該ドロマイトは、ゼオライト中心又は外塗に隣接して、あるいは、1又は複数の珪藻岩の層によりゼオライト中心及び/又は外塗から離れてのいずれかで、顆粒内部に1又は複数の不連続層を形成する。
【0067】
存在するとき、ドロマイトは本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約3重量%〜約15重量%より成る。好ましくは、当該ドロマイトは、本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約5重量%〜約12重量%より成る。
【0068】
場合により、当該緩除放出顆粒組成物は消石灰をさらに含む。ある態様において、当該消石灰は、外塗に隣接する不連続層を形成する。
【0069】
存在するとき、消石灰は、本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約0.5重量%〜約2重量%を含む。好ましくは、消石灰は、当該緩除放出顆粒組成物中の固形物の約0.5重量%〜約1重量%より成る。
【0070】
本発明の緩除放出顆粒組成物は、外塗の適用に先立ち、接着を改良するために顆粒表面に適用される下塗りシーラーをさらに含む。好適な下塗りシーラーは、カルシウムベントナイト、及びケイ酸カリウムを非制限的に含む。下塗りシーラーが使用されるとき、当該緩除放出顆粒組成物を製造するために使用される外塗の量は、典型的に、下塗りシーラーのない場合に使用される量未満である。土壌中の当該緩除放出顆粒組成物の分解に関して、当該下塗りシーラーもまた、土壌構造に有利な効果を有し得る。
【0071】
カルシウムベントナイトが下塗りシーラーとして使用される態様において、当該カルシウムベントナイトは、通常、当該組成物中の固形物の約0.5重量%〜約6重量%より成る。
【0072】
特に好ましい態様において、本発明は、珪藻岩とドロマイトとの混合物でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、ゼラチンを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0073】
特に好ましい態様において、本発明は、珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、セラックを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0074】
特に好ましい態様において、本発明は、珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層、ケイ酸カリウムの下塗りの層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、樹木及び植物浸出液を含む水性樹脂を含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物を提供する。
【0075】
特に好ましい態様において、本発明は、珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層、消石灰の層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、セラックを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物である。
【0076】
本発明は、本発明の緩除放出顆粒組成物を適用することを含む、植物処理剤で植物を処理する方法も提供する。好ましくは、当該緩除放出顆粒組成物は、微生物群及び根の成長を促進するために、土壌表面に適用される。
【0077】
他の態様において、本発明は、植物処理剤を含む緩除放出顆粒組成物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)液体でゼオライト中心を湿らせ;
(b)前記湿らせたゼオライト中心を珪藻岩でコートし;及び
(c)好適な外塗材を適用する、
を含む上記製造方法を提供する。
【0078】
好ましくは、当該液体は、植物処理剤の溶液、懸濁液又は乳濁液である。より好ましくは、当該液体は、植物処理剤の水溶液、水性懸濁液又は水性乳濁液である。しかしながら、他の態様は、当該植物処理剤が、他の溶媒又は溶媒の混合物において溶解され、乳濁され又は懸濁されることを企図される。
【0079】
あるいは又はさらに、当該植物処理剤は、本発明の方法における使用に先立ち、1又は複数のゼオライト中心、珪藻岩、及び外塗剤と混合される、液体又は固形物となり得る。
【0080】
液体でゼオライト中心を湿らせることは、ゼオライト中心の表面への珪藻岩の接着を可能とする。使用される液体の量は、当該中心への接着する珪藻岩の量に影響を及ぼすだろう。ある態様において、当該ゼオライト中心は、それらが浸かるように、十分な液体で湿らされ、それ故、珪藻岩の複数の層の接着が可能となる。この態様において、前記ステップ(b)は、繰り返され、当該ゼオライト中心の周囲に珪藻岩の所望の数の同心円層を構築する。
【0081】
他の態様において、各々の珪藻岩の層は、追加量の液体で湿らされ、さらなる珪藻岩の層又は他の材料の接着を可能とする。この方法は、さらに繰り返され、要求される数の珪藻岩の層を有する顆粒を与える。この態様において、当該珪藻岩を湿らせるために使用される液体は、ゼオライト中心を湿らせるために使用された液体と同じか又は異なり得る。
【0082】
特に好ましい態様において、前記ステップ(b)は、当該ゼオライト中心の周囲の少なくとも1つの珪藻岩層の構築に続いて、当該珪藻岩コートされたゼオライト中心の周囲に1又は複数のドロマイトの層が構築される追加のステップをさらに含む。好ましくは、当該1又は複数のドロマイトの層の周囲に、少なくとも1つのさらなる珪藻岩の層が構築される。この態様において、当該ゼオライト中心は、追加量の液体の添加なしで、当該液体で浸され得、珪藻岩及びドロマイトの層の接着を可能とする。あるいは、追加の液体は、当該珪藻岩及び/又はドロマイトを湿らせるために使用され得、その後の層の接着を可能とする。
【0083】
他の態様において、ステップ(a)は、1又は複数のドロマイトの層が、当該湿らされたゼオライト中心の周囲に構築される追加のステップをさらに含む。次いで、少なくとも1つの珪藻岩の層は、当該ドロマイトコートされたゼオライト中心の周囲に構築される。この態様において、当該ゼオライト中心は当該液体で浸され得、追加量の液体の添加なしで、ドロマイト及び珪藻岩の層の接着を可能とする。あるいは、追加の液体は、当該ドロマイト及び/又は珪藻岩を湿らせるために使用され得、その後の層の接着を可能とする。
【0084】
従って、本発明の方法は、第1液体がゼオライト中心を湿らせるために使用され、一方、第2液体及び異なる液体が珪藻岩を浸らせるために使用される態様を、包含する。このように、顆粒は、第1植物処理剤が当該ゼオライト中心に吸収され及び/又はゼオライト中心により吸着され、一方、第2植物処理剤が珪藻岩に吸収され又は珪藻岩により吸着され、製造され得る。1又は複数のドロマイト層の剤形を含む態様において、第3及び異なる液体が、当該ドロマイトを湿らせるために使用され得、それ故、第3植物処理剤が当該ドロマイトに吸収され又はドロマイトにより吸着されることを可能とすることが、さらに理解されるだろう。
【0085】
植物処理剤の溶液、乳濁液又は懸濁液が、ゼオライト中心のみ、珪藻岩のみ及び/又はドロマイトのみに吸収され又はそれらにより吸着される他の態様もまた、企図される。複数の植物処理剤が、複数の不連続な珪藻岩及び/又はドロマイトの層に吸収され又はそれらにより吸着されるさらに他の態様もまた、企図される。
【0086】
当該方法において使用する前に、当該植物処理剤が、1又は複数のゼオライト中心、珪藻岩、及び外塗材と混合される液体又は固体である態様において、当該液体は、同じか又は異なる植物処理剤の溶液、乳濁液又は懸濁液となり得、あるいは、当該液体は、水、又は溶液又は溶液の混合物となり得、そして単に接着を可能とする。
【0087】
好ましくは、当該緩除放出顆粒組成物は、総計で1〜10の珪藻岩の層を有する。特に好ましい態様において、当該組成物は、2〜7の珪藻岩の層を有する。
【0088】
好ましくは、当該珪藻岩の粒径は、約30μm〜約400μmの範囲である。より好ましくは、当該珪藻岩の粒径は、約75μm〜約200μmの範囲である。特に好ましい態様においては、当該珪藻岩の粒径は、約100μmである。
【0089】
好ましくは、当該形成された顆粒の表面は、外塗を適用する前に、少なくとも部分的に乾燥される。当該顆粒の表面は、熱の適用により乾燥され得る。あるいは又はさらに、当該顆粒の表面は、吸水性材料の添加により乾燥され得る。
【0090】
ある態様において、当該吸収性材料は消石灰である。この態様において、当該消石灰は、通常、本発明の緩除放出顆粒組成物中の固形物の約0.5重量%〜約2重量%より成る。好ましくは、消石灰は、当該緩除放出顆粒組成物中の固形物の約0.5重量%〜約1重量%より成る。
【0091】
通常、当該外塗は、当該顆粒上に噴霧される溶液、乳濁液又は懸濁液として適用される。得られたコートされた顆粒は、次いで、場合により熱の適用により乾燥される。当該外塗が複数の層に適用されるこれらの態様において、当該コートされた顆粒は、典型的に、各々の追加層の適用の前に、少なくとも部分的に乾燥される。
【0092】
本発明の方法は、本分野においてよく知られる装置を使用して適用され得る。かかる装置は、オービタルミキサーなどを含む。
【0093】
本発明は、本発明の方法により製造される際の緩除放出顆粒組成物をも提供する。
【0094】
典型的に、本発明の緩除放出顆粒組成物は、約5mmの直径を有する顆粒である。かかる顆粒は、粉砕され約1mm〜約4mmの粒径となったゼオライトから製造され得る。しかしながら、適した大きさのゼオライト中心、並びに珪藻岩及び/又はドロマイトの層の数を選択することにより、様々な大きさの顆粒が製造され得ることが理解されるだろう。従って、少なくとも10〜12mmの顆粒が、製造され得る。顆粒の大きさは、当該顆粒からの植物処理剤の放出比にも影響を及ぼし得る。しかしながら、より大きな顆粒は、より重くなり、飛行機又は機械的な投射による適用に適さないだろう。
【0095】
下記の比制限的な実施例は、本発明の例証のために提供され、それらの範囲を制限することを目的とするものではない。
【実施例】
【0096】
材料
(a)起源
ゼオライトは、ニュージーランドのNorth IslandのMatamataでの堆積物由来のクリノプチロライトとして入手され、Resource Refineries Ltd,Waharoa,New Zealandを通じて調達される。当該ゼオライトは、1mm〜4mmの粒径に粉砕される。
【0097】
白色珪藻岩及び黒色珪藻岩は、Middlemarch,Central Otago,New Zealandから入手され、そしてFeatherston Resources Ltd,Wellington,New Zealandを通じて調達される。当該珪藻岩は、列に並べられ、そして続いて、使用前に、約30%の含水率まで乾燥される。当該珪藻岩は、約100μmの平均粒径に挽く前に、約15mmの最大粒径まで粉砕される。
【0098】
ドロマイトは、Omya New Zealand Ltd,Auckland,New Zealandから入手される。当該ドロマイトは、約150μmの平均粒径を有する。
【0099】
European Carpエマルジョン(Charlie Carp)(登録商標)は、Four Seas(NSW)Pty Ltd,Denaliquin,New South Wales,Australiaから入手される。
【0100】
他の材料は、標準的商業源から入手される。
【0101】
(b)分析
白色珪藻岩のサンプル及び黒色珪藻岩のサンプルを、炭素及び窒素含量として分析し、以下の結果を得た。
黒色珪藻岩:12.2%の炭素;0.34%の窒素
白色珪藻岩:0.8%の炭素;0.07%の窒素
【0102】
白色珪藻岩及び黒色珪藻岩の二重のサンプルのフルボ酸及びフミン酸含量を、決定した。使用された方法は、Anderson and Schoenau Soil−humus fractions in M.R. Carter(ed.)”Soil sampling and methods of analysis”(1993)Canadian Society of Soil Sience,Lewis Publishers,Boca Raton,Floridaに記載される。当該サンプルを処理し、下記の結果を得るための有機炭素について分析されるフルボ酸及びフミン酸抽出物を得た、ここで当該有機炭素はフルボ酸及びフミン酸の約50%を構成する。
【0103】
黒色珪藻岩−サンプル1:3067.4mg/kgのフルボ酸;5760.1mg/kgのフミン酸、サンプル2:1853.9mg/kgのフルボ酸;4068.5mg/kgのフミン酸
白色珪藻岩−サンプル1:1022.2mg/kgのフルボ酸;227.4mg/kgのフミン酸、サンプル2:1162.6mg/kgのフルボ酸;122.5mg/kgのフミン酸
【0104】
実施例1
ゼオライト(600kg)を、水平から約15°〜約40°で変化され得る回転軸の変速管型オービタルミキサー中にロードし、当該ミキサーをスタートした。European Carpエマルジョン(300kg、50重量%)の水性混合溶媒をゆっくり添加した。白色珪藻岩(70kg)、黒色珪藻岩(70kg)、及びドロマイト(66kg)の混合物を製造した。約10分後、当該珪藻岩混合物を、3つの等量のEuropean Carp油の水性媒体(総290kg、50重量%)と交互に、3つの等分の湿らされたゼオライトに添加した。得られた顆粒を、次いで、当該ミキサーの口に直接のガス燃焼強制空気加熱を使用して、約140℃まで、約3分間、急速加熱した。水(114kg、60℃)中に溶解されたゼラチン(6kg)の溶液を、次いで、当該顆粒上に噴霧し、次いで乾燥し、総重量約1400kgの製品を得た。
【0105】
実施例2
European Carpエマルジョン(186リットル)と水(20リットル)を混合することにより、栄養混合物を製造した。白色珪藻岩(22kg)と黒色珪藻岩(22kg)との混合物を製造した。ゼオライト(200kg)を、実施例1に記載のオービタルミキサーの中にロードし、当該ミキサーをスタートした。当該ゼオライトを、総栄養混合物の約半分量でゆっくり湿らせた。約10分後、当該珪藻岩混合物を、いくつかの部分の当該湿らされたゼオライトに、得られた顆粒の表面を湿らせるのに十分な栄養混合物と交互に、添加した。次いで、当該珪藻岩でコートされた顆粒を、追加の栄養混合物で湿らせ、そしてドロマイト(30kg)を添加した。次いで、黒色珪藻岩(6kg)を、残留栄養混合物と交互に、いくつかの部分に添加した。当該得られたコートされていない顆粒を、実施例1のように急速加熱した。エタノール(45リットル)中に溶解されたセラック(5kg)の溶液を、次いで、約5つの部分において当該顆粒上で噴霧し、そして、当該顆粒を、各々の部分の添加の間、急速加熱により少なくとも部分的に乾燥した。当該得られた顆粒を、次いで、加熱し乾燥し、総製品重量約500kgを得た。
夏には、エタノールは約3リットルの水で希釈され得る。
【0106】
実施例3
(a)製造
実施例2に記載の方法に従い、コートされていない顆粒の2つのサンプルを製造した。第1サンプル(肥料#1 100%)を、実施例2のようにEuropean Carpエマルジョンと水から製造された、同様の栄養混合物を使用して製造し、一方、第2サンプル(肥料#2 50%)を、水で希釈された(1:1、v/v)栄養混合物を使用して製造した。両方のサンプルを、ケイ酸カリウムの下塗りで処理し、接着性を改良し、そして、樹木及び植物浸出液を含む天然水性樹脂でコートした。このコーティング系を、当該顆粒組成物から流出するのを防ぐために選択し、それ故、製造と分析の間の完全な状態を維持し、そしてその理由は、分析結果に著しく寄与することがありそうにないと考えられたからである。
【0107】
(b)分析
当該サンプルを、次いで、60℃で乾燥し、そして、分析し以下の結果を得た。
肥料#1 100% 肥料#2 50%
窒素の% w/w 3.1 1.5
炭素の% w/w 6.1 5.1
総リンの% w/w 0.64 0.3
カリウムの% w/w 2.32 1.34
硫酸−硫黄の% w/w 0.42 0.24
カルシウムの% w/w 1.25 1.19
マグネシウムの% w/w 0.36 0.38
鉄のmg/kg 5304 6774
銅のmg/kg 40 21
亜鉛のmg/kg 120 82
ホウ素のmg/kg 270 420
マンガンのmg/kg 206 147
アルミニウムのmg/kg 12704 12138
塩化物の% w/w 1.84 1.06
Si0% 54.75 60.26
【0108】
実施例4
ゼオライト(420kg)を、実施例1に記載のオービタルミキサー中にロードし、当該ミキサーをスタートした。水(63リットル)中のEuropean Carpエマルジョン(336リットル)の混合物を製造し、ゆっくり添加した。白色珪藻岩(39kg)と黒色珪藻岩(78kg)との混合物を製造した。約10分後、当該珪藻岩混合物の半分を、浸透されたゼオライトに添加した。次いで、ドロマイト(53kg)を添加し、その後、残りの珪藻岩混合物を添加した。次いで、得られた顆粒の表面から余分な湿気を吸収するために、消石灰(4.5kg)を添加した。当該顆粒を、実施例1のように急速加熱した。エタノール(60リットル)中に溶解されたセラック(12.6kg)の溶液を、次いで、約4つ又は5つの部分に当該顆粒上で噴霧し、そして、当該顆粒を、各々の部分の添加の間、急速加熱により少なくとも部分的に乾燥した。当該得られた顆粒を、次いで、加熱し乾燥し、総製品重量約1000kgを得た。
夏には、エタノールは約5リットルの水で希釈され得る。
【0109】
産業上の利用性
使用において、本発明は、制御下で当該植物処理剤を植物にデリバリーし得る手段を提供することが理解されるだろう。特に、本発明は、空気で運ばれるデリバリー、散布、手作業による適用に好適な顆粒形態において緩除放出肥料剤形を提供する。かかる肥料は、促進された植物の成長が望まれる場合に使用されるだろう、例えば、果樹園、ぶどう園、苗床、牧場、広大な土地の農作物、及び家庭用の鉢植えにおいてである。
【0110】
有利なことに、本発明は、機械的散布又は最小のウインドリフト(windrift)で空気により運ばれる適用に適した重さの緩除又は制御放出肥料ペレットの製品を提供する。
【0111】
炭素の結合と共に好適な比における主要及び微量元素の組み合わせ、及びモノ−及びオルト−ケイ酸を放出する能力は、本発明が肥料剤形の製造に特に適用できることを意味する。本発明の剤形を製造するために使用される材料は、当該剤形が有利な土壌改良特性をも有するためのものである。
【0112】
本発明に関して製造された肥料剤の放出特性は、顆粒の大きさ及びゼオライト中心の周りの層の数を変化することにより、そして、さらに外塗層の数及び厚さを変えることにより、調整され得ることが、当業者により理解されるだろう。
【0113】
上記の実施例のみに本発明の範囲を制限することは、意図していない。当業者により理解されるとおり、多くの変化が、本発明の範囲を逸脱することなく可能である(添付の請求項において示した通りである。)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物処理剤を含む緩除放出顆粒組成物であって、以下の:
(a)ゼオライト中心;
(b)前記ゼオライト中心の周囲の珪藻岩の層;及び
(c)外塗、
をさらに含む、上記緩除顆粒放出組成物。
【請求項2】
前記植物処理剤が、以下の:
農薬;花粉発育破壊剤;除草剤;枯葉剤;乾燥剤;植物成長調整剤;肥料;植物栄養素;及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項3】
前記農薬が、以下の:
ダニ駆除剤;アルジサイド;防カビ剤;殺菌剤;殺ウイルス剤;殺虫剤;アブラムシ用殺虫剤;ダニ殺虫剤;殺線虫剤;及び軟体動物駆除剤からなる群より選択される、請求項2に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項4】
前記植物成長調整剤が成長ホルモンである、請求項2に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項5】
前記植物処理剤が、農薬、植物成長調整剤、肥料、植物栄養素又はそれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項6】
前記植物処理剤が、肥料、植物栄養素又はそれらの混合物を含む、請求項1、2、及び5のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項7】
前記植物処理剤が、植物及び/又は動物源由来の肥料を含む、請求項1、2、5及び6のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項8】
前記肥料が、以下の:
家畜糞尿;たい肥又は他の腐乱した動物性及び植物性素材;食肉処理の廃棄物;酪農廃棄物;植物性素材;海藻;魚;及びそれらの混合物に由来する、請求項7に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項9】
前記植物処理剤が、有機認定できる肥料を含む、請求項1、2、及び5〜8のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項10】
前記植物処理剤が、フィッシュエマルジョンを含む、請求項1、2、及び5〜9のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項11】
前記フィッシュエマルジョンが、約5%〜約60%の水で希釈される、請求項10に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項12】
前記フィッシュエマルジョンが、European Carpのエマルジョンである、請求項10又は11に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項13】
前記植物処理剤が、NPK、及び/又は微量元素を供給する粉末肥料を含む、請求項1、2、及び5〜7のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項14】
前記ゼオライトがクリノプチロライトである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項15】
前記ゼオライトが、前記組成物中の固形物の約40重量%〜約90重量%より成る、請求項1〜14のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項16】
前記ゼオライトが、前記組成物中の固形物の約60重量%〜約80重量%より成る、請求項1〜15のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項17】
前記珪藻岩が淡水性珪藻岩である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項18】
前記珪藻岩の平均有機炭素含量が、約5%〜約25%である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項19】
外来源由来の付加的フミン酸塩及び/又はフルボ酸塩をさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項20】
前記珪藻岩が、前記ゼオライト中心の周囲に1つの層を形成する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項21】
前記珪藻岩が、前記ゼオライト中心の周囲に複数の層を形成する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項22】
前記珪藻岩が、前記組成物中の固形物の約10重量%〜約40重量%より成る、請求項1〜21のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項23】
前記珪藻岩が、前記組成物中の固形物の約15重量%〜約25重量%より成る、請求項1〜22のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項24】
前記外塗材が、以下の:
合成材料;蛋白質;樹脂;ゴム;ろう;ポリサッカリド;及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項25】
前記外塗材が、メチルセルロース又はアクリルである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項26】
前記外塗材が、以下の:
樹脂;でんぷん;グルテン;カゼイン;ホエー蛋白質分離物;大豆蛋白質分離物;ゼイン;ゼラチン;粘液;加工でんぷん;卵白;及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項27】
前記外塗材が、セラック又はゼラチンを含む、請求項1〜24又は26のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項28】
前記外塗層が、前記組成物中の固形物の約0.5重量%〜約10重量%より成る、請求項1〜27のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項29】
前記外塗層が、前記組成物中の固形物の約0.5重量%〜約5重量%より成る、請求項1〜28のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項30】
ドロマイトをさらに含む、請求項1〜29のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項31】
前記ドロマイトが珪藻岩と混合される、請求項30に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項32】
前記ドロマイトが、前記顆粒内部に1又は複数の不連続層を形成する、請求項30に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項33】
前記ドロマイトが、前記組成物中の固形物の約3重量%〜約15重量%より成る、請求項30〜32のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項34】
前記ドロマイトが、前記組成物中の固形物の約5重量%〜約12重量%より成る、請求項30〜33のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項35】
下塗りシーラーをさらに含む、請求項1〜34のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項36】
前記下塗りシーラーが、カルシウムベントナイト又はケイ酸カリウムである、請求項35に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項37】
前記カルシウムベントナイトが、前記組成物中の固形物の約0.5重量%〜約6重量%より成る、請求項36に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項38】
消石灰をさらに含む、請求項1〜37のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項39】
前記消石灰が、前記組成物中の固形物の約0.5重量%〜約2重量%より成る、請求項38に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項40】
前記消石灰が、前記組成物中の固形物の約0.5重量%〜約1重量%より成る、請求項38又は39に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項41】
珪藻岩とドロマイトとの混合物でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、ゼラチンを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物。
【請求項42】
珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、セラックを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物。
【請求項43】
珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層、ケイ酸カリウムの下塗りの層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、樹木及び植物浸出液を含む水性樹脂を含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物。
【請求項44】
珪藻岩の層、ドロマイトの層、珪藻岩のさらなる層、消石灰の層でコートされるゼオライト中心を含み、かつ、セラックを含む外塗を有する顆粒中に、吸収されるフィッシュエマルジョンの水性混合溶媒を含む、緩除放出顆粒組成物。
【請求項45】
本発明の組成物の製造に利用される全ての成分が、有機認定できる、請求項1〜44のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物。
【請求項46】
請求項1〜45のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を適用することを含む、植物処理剤で植物を処理する方法。
【請求項47】
前記緩除放出顆粒組成物が、微生物群及び根の成長を促進するために、土壌表面に適用される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
植物処理剤を含む緩除放出顆粒組成物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)液体でゼオライト中心を湿らせ;
(b)前記湿らせたゼオライト中心を珪藻岩でコートし;及び
(c)好適な外塗材を適用する、
を含む上記製造方法。
【請求項49】
前記ゼオライト中心の周囲に珪藻岩の多くの同心円層を構築するために、前記ステップ(b)が繰り返される、請求項48に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項50】
1〜10の珪藻岩層が、前記ゼオライト中心の周囲に構築される、請求項48又は49に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項51】
2〜7の珪藻岩層が、前記ゼオライト中心の周囲に構築される、請求項48〜50のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項52】
前記ステップ(b)が、前記ゼオライト中心の周囲の少なくとも1つの珪藻岩層の構築に続いて、当該珪藻岩コートされたゼオライト中心の周囲に1又は複数のドロマイトの層が構築される追加のステップをさらに含む、請求項48〜51のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項53】
前記1又は複数のドロマイトの層の周囲に、少なくとも1つのさらなる珪藻岩の層が構築される、請求項52に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項54】
前記ステップ(a)が、前記ゼオライト中心の湿らせることに続いて、当該ゼオライト中心の周囲に1又は複数のドロマイトの層が構築される追加のステップをさらに含む、請求項48〜51のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項55】
前記珪藻岩の粒径が、約30μm〜約400μmの範囲である、請求項48〜54のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項56】
前記珪藻岩の粒径が、約75μm〜約200μmの範囲である、請求項48〜55のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項57】
前記珪藻岩の粒径が、約100μmである、請求項48〜56のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項58】
前記液体が、植物処理剤の溶液、乳濁液又は懸濁液である、請求項48〜57のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項59】
前記形成された顆粒の表面が、前記外塗を適用する前に、少なくとも部分的に乾燥される、請求項48〜58のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項60】
前記形成された顆粒の表面が、熱の適用により、少なくとも部分的に乾燥される、請求項59に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項61】
前記形成された顆粒の表面が、吸水性材料の添加により、少なくとも部分的に乾燥される、請求項59に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項62】
前記吸水性材料が消石灰である、請求項61に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項63】
前記ステップ(c)が、複数の前記外塗を構築するために、繰り返される、請求項48〜62のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項64】
前記コートされた顆粒を乾燥することをさらに含む、請求項48〜63のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項65】
前記ゼオライトの中心が、約1mm〜約4mmの直径を有する、請求項48〜64のいずれか1項に記載の緩除放出顆粒組成物を製造する方法。
【請求項66】
請求項48〜65のいずれか1項の方法により製造される緩除放出顆粒組成物。

【公表番号】特表2008−501604(P2008−501604A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514965(P2007−514965)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/NZ2005/000113
【国際公開番号】WO2005/117581
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506402551)エンバイロフォーカス リミティド (1)
【Fターム(参考)】