説明

植物成長調節剤

【課題】 ブラシノステロイド生合成の特異的阻害剤を提供する。
【解決手段】 下記の式(I):
【化1】


(式中、R1及びR2は水素原子などを示し、R3及びR4は置換基を有することもあるフェニル基などを示し、R5は窒素原子を含むヘテロアリール基を示し、Xは単結合などを示し、Yは酸素原子などを示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分として含む植物成長調節剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラシノステロイド生合成阻害作用を有する化合物を含む植物成長調節剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラシノステロイドは、近年、分子遺伝学と生合成研究が結びつくことにより新しい分類の植物ホルモンとして認識されるようになった (Yokota, Trends in Plant Sci. 2, 137-143, 1997)。ブラシノステロイドの化学が確立されて以来、それら同族体の生物活性が広く研究されており、茎の伸長、花粉管の生長、葉の屈曲、葉の開放、根の抑制、プロトンポンプの活性化 (Mandava, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 39, pp.23-52, 1988)、エチレン生産の促進 (Schlagnhaufer et al., Physiol. Plant, 61, pp.555-558, 1984)、導管要素の分化 (Iwasaki et al., Plant Cell Physiol. 32, pp.1007-1014, 1991; Yamamoto et al.,Plant Cell Physiol. 38, pp.980-983, 1997)、植物のバイオマス生産増加(Sakamoto et. al., Nature Bioch. 24, pp105-109, 2005)、細胞伸長 (Azpiroz et al., Plant Cell, 10, pp.219-230, 1998)、植物ストレス応答機能発現(Nakashita, H., et al, Plant J ., 33,pp.887-898, 2003)を含む注目すべき植物生長反応が示されている。
【0003】
また、ブラシノステロイドの生合成に関する広範囲の研究から、その生理作用のメカニズム及び調節が解明され始めている (Clouse, Plant J. 10, pp.1-8, 1996; Fujioka et al., Physiol. Plant, 100, pp.710-715, 1997)。現在のところ、40個以上のブラシノステロイドが同定されているが、C28-ブラシノステロイドのほとんどはごく一般的な植物ステロールであり、側鎖の炭素骨格がブラシノライドと同じであるカンペステロールから生合成されると考えられている。
【0004】
特有の矮小化を示すシロイヌナズナ変異体が幾つか単離されており、dwarf1 (dwf1: Feldman et al., Science, 243, pp.1351-1354, 1989; dim: Takahashi etal., Genes Dev., 9, pp.97-107, 1995; cbb1: Kauschmann et al., Plant J.,9, pp.701-703, 1996)、構造的な光形態形成及び矮小化 (cpd; Szekeres et al., Cell, 85, pp.171-182, 1997)、並びに脱黄化 (det2: Li et al., Science, 272, pp.398-401, 1996; Fujioka et al., Plant Cell, 9, pp.1951-1962, 1997)が知られている。これらはブラシノステロイド生合成経路に欠損を有している。また、エンドウマメのdwarf変異体が決定されており、ブラシノステロイド欠損体であることが報告された(Nomura et al., Plant Physiol., 113, pp.31-37, 1997)。これらの例では、ブラシノライドを使用すると変異体の重度の矮小化が打ち消されることが知られている。これらの知見はブラシノステロイドが植物の生長及び発達に必要不可欠な役割を持つことを示唆しているが、ブラシノライドの生理学的重要性を解明するには変異体解析よりも生合成阻害剤を含む別の有効な道具が求められている。
【0005】
一般に、内生生物活性物質の作用機構研究法で見られるようにその物質の生合成の特異的阻害剤は内因性物質の生理機能を知る上で非常に有効である。ブラシノステロイド生合成の特異的阻害剤は、ブラシノステロイドの機能を理解するための新たな手段を提供することが期待される。これまでにブラシノステロイド生合成を阻害する物質は幾つか知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【0006】
一方、下記の式(I)に包含される化合物のうち、R1及びR2が水素原子であり、R3がフェニル基であり、R4が2,4-ジクロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である化合物は殺菌作用を示す物質として報告されていた(特許文献5)。しかしながら、この化合物の植物成長調節作用は従来知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許公開2000-53657号公報
【特許文献2】特許公開2001-247412号公報
【特許文献3】特許公開2001-247413号公報
【特許文献4】特許公開2001-247553号公報
【特許文献5】米国特許第4338327号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、ブラシノステロイド生合成の特異的阻害剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
生合成酵素遺伝子を欠損した変異体がシロイヌナズナでいくつか知られており、その形態的変化はブラシノステロイド生合成欠損に特有であるところから、本発明者らはブラシノステロイド生合成の特異的阻害剤を見出すべく、ブラシノステロイド生合成酵素欠損株に特有な形態変化を惹起する化合物を鋭意探索した。その結果、1−[4−(2−エトキシフェノキシメチル)-2-(4-クロロフェニル-[1,3]ジオキラン-2-イルメチル)-1H-[1,2,4]トリアゾール化合物などが所望の阻害作用を有していることを見出した。
【0010】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)を提供する。
(1)下記の式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示し、R3は置換基を有することもあるフェニル基又はナフチル基を示し、R4は置換基を有することもあるフェニル基又はナフチル基を示し、R5は窒素原子を含むヘテロアリール基を示し、Xは単結合又は-CH2-を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、NH又は-CH2-を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分として含む植物成長調節剤。
(2)R1及びR2が水素原子であり、R3が2-クロロフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である(1)に記載の植物成長調節剤。
(3)R1及びR2が水素原子であり、R3が2,5-ジクロロフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である(1)に記載の植物成長調節剤。
(4)R1及びR2が水素原子であり、R3が2-エトキシフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である(1)に記載の植物成長調節剤。
(5)R1及びR2が水素原子であり、R3が2-プロピオキシフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である(1)に記載の植物成長調節剤。
(6)R1及びR2が水素原子であり、R3が2-アリルオキシフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である(1)に記載の植物成長調節剤。
(7)植物成長調節が、植物の矮化、開花時期の調節、直立葉の誘導、又は生殖制御による雑草防除である(1)乃至(6)のいずれかに記載の植物成長調節剤。
(8)(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の植物成長調節剤を植物に作用させる植物の成長調節方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の植物成長調節剤の有効成分である式(I)の化合物又はその塩は、ブラシノステロイド生合成の特異的阻害作用を有しており、例えば、植物の伸長抑制、植物バイオマス生産増加、花粉成長抑制、花の鮮度保持、植物の抗ストレス剤、雑草防除、植物の老化抑制、根の肥大化などの植物成長調節剤として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】化合物7bのブラシノステロイド生合成阻害作用をブラシナゾール(Brz)の作用と比較して示した図である。
【図2】化合物7bの開花時期調節作用を示した図である。
【図3】化合物7bの成長調節作用を示した図である。
【図4】化合物7bのイネに対する成長調節作用(直立葉の誘導)を示した図である。
【図5】化合物7bのイネに対する成長調節作用(茎の矮化)を示した図である。
【図6】化合物7qの芝草(ペンクロス)に対する成長調節作用を示した図である。
【図7】化合物7qの芝草(ペンクロス)に対する成長調節作用(成長抑制)を示した図である。左から順に、コントロール、30g ai/haの化合物7q処理、100 g ai/haの化合物7q処理、プリオマックス処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
上記式(I)において、R1、R2が示す低級アルキル基としては、炭素数1個〜6個程度の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる(低級アルキル部分を有するアルコキシ基などのアルキル部分についても同様である。)。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などを挙げることができる。
【0017】
R1及びR2は、ともに水素原子である場合が好ましい。
【0018】
R3が示すナフチル基としては、1-ナフチル基、2-ナフチル基を挙げることができる。
【0019】
R3が示すフェニル基又はナフチル基が置換基を有する場合には、その置換基の種類、個数、又は結合位置は特に限定されない。例えば、1個ないし3個、好ましくは1個又は2個程度の置換基を有していることが好ましく、2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0020】
R3が示すフェニル基又はナフチル基上の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよい)、低級アルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基など)、低級アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基、アリル基(2-プロペニル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基など)、低級シクロアルキル基(シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基など)、ハロゲン化低級アルキル基(トリフルオロメチル基など)、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n-プロピオキシ基、イソプロピオキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基など)、低級アルケニルオキシ基(ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、3-メチル-2-ブテニルオキシ基)、低級シクロアルキルオキシ基(シクロプロピオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基などなど)、アミノ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基など)、アルカノイル基(アセチル基など)、アロイル基(ベンゾイル基など)、アラルキル基(ベンジル基など)、アリール基(フェニル基など)、ヘテロアリール基(ピリジル基など)、ヘテロ環基(ピロリジニル基など)、水酸基、ニトロ基、シアノ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。フェニル基上の置換基として、低級アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキシ基、ハロゲン化低級アルコキシ基、水酸基が好ましく、塩素原子、プロピオキシ基、アリルオキシ基がより好ましい。
【0021】
R3が示す置換フェニル基としては、例えば、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2,5-ジフルオロフェニル基、2,6-ジフルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、2-トリフルオロメトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-メトキシフェニル基、2-メチルフェニル基、2-プロピオキシフェニル基、2-アリルオキシフェニル基、2-ブトキシフェニル基、2-(3-ブテニルオキシ)フェニル基、2-イソブトキシフェニル基、2-tert-ブトキシフェニル基、2-シクロペンチルオキシフェニル基、2-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)フェニル基、2-(3-メチルブトキシ)フェニル基、ビフェニル-2-イル基、ビフェニル-4-イル基、2-アリルフェニル基、2-ベンジルフェニル基などを挙げることができる。これらのうち、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2-フルオロフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-メトキシフェニル基、2-プロピオキシフェニル基、2-アリルオキシフェニル基が好ましく、2-クロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-プロピオキシフェニル基、2-アリルオキシフェニル基がより好ましい。
【0022】
R4が示すフェニル基又はナフチル基が置換基を有する場合には、その置換基の種類、個数、又は結合位置は特に限定されない。例えば、1個ないし3個、好ましくは1個又は2個程度の置換基を有していることが好ましく、2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0023】
R4が示すフェニル基又はナフチル基上の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよい)、低級アルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基など)、低級アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基、アリル基(2-プロペニル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基など)、低級シクロアルキル基(シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基など)、ハロゲン化低級アルキル基(トリフルオロメチル基など)、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n-プロピオキシ基、イソプロピオキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基など)、低級アルケニルオキシ基(ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、3-メチル-2-ブテニルオキシ基)、低級シクロアルキルオキシ基(シクロプロピオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基などなど)、アミノ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基など)、アルカノイル基(アセチル基など)、アロイル基(ベンゾイル基など)、アラルキル基(ベンジル基など)、アリール基(フェニル基など)、ヘテロアリール基(ピリジル基など)、ヘテロ環基(ピロリジニル基など)、水酸基、ニトロ基、シアノ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。フェニル基又はナフチル基上の置換基として、低級アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン化低級アルコキシ基、水酸基が好ましく、ハロゲン原子又はハロゲン化低級アルキル基がより好ましい。
【0024】
R4が示すナフチル基としては、1-ナフチル基、2-ナフチル基を挙げることができる。
【0025】
R4が示す置換フェニル基としては、例えば、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、4-ブロモフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、4-メチルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2-クロロ−4-トリフルオロメチルフェニル基、3-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル基、4-ブロモ-2-クロロフェニル基、ビフェニル基などを挙げることができる。これらのうち、4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-クロロ−4-トリフルオロメチルフェニル基が好ましい。
【0026】
R5が示す窒素原子を含むヘテロアリール基としては、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基、1H-イミダゾール-1-イル基、4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル基、1H-ピラゾール-1-イル基などを挙げることができる。これらのうち、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基が好ましい。
【0027】
Xは単結合であることが好ましい。なお、「単結合」とは、式(I)においてXに隣接する酸素原子と炭素原子が直接結合していることをいう。
【0028】
Yは酸素原子であることが好ましい。
【0029】
上記式(I)で表される化合物は1個又は2以上の不斉炭素を有する場合がある。不斉炭素に基づく純粋な形態の光学活性体又はジアステレオ異性体のほか、任意の異性体混合物(例えば、2以上のジアステレオ異性体の混合物)又はラセミ体などはいずれも本発明の植物成長調節剤の有効成分として利用できる。また、式(I)で表される化合物は酸付加塩を形成することができ、置換基の種類に応じて酸付加塩を形成することもある。塩の種類は特に限定されず、塩酸、硫酸などの鉱酸類との塩、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酒石酸などの有機酸類との塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミンなどの有機アミンとの塩、グリシンなどのアミノ酸との塩を挙げることができる。
【0030】
式(I)で表される化合物の具体例を以下の表に示すが、本発明の植物成長調節剤に利用可能な化合物はこれらに限定されることはない。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
上記化合物のうちで、好ましい化合物としてI-1(化合物7a)、I-2(化合物7b)、I-3(化合物7c)、I-4(化合物7d)、I-5(化合物7e)、I-6(化合物7f)、I-7(化合物7g)、I-8(化合物7h)、I-9(化合物7i)、I-10(化合物7j)、I-11(化合物7k)、I-12(化合物7l)、I-13(化合物7m)、I-14(化合物7n)、I-15(化合物7o)、I-136(化合物7p)、I-137(化合物7q)を挙げることができ、より好ましい化合物としてI-2、I-7、I-13、I-136、I-137を挙げることができる。
【0037】
上記式(I)で表される化合物は、公知の文献(例えば、Tetrahedron Asymmetry, 14, pp.3487-3493, 2003)に記載された方法に従って、あるいはその記述を参照しつつそれらの方法に適宜に改変や修飾を加えた方法に従って合成することができる。例えば、上記式(I)においてR1及びR2が水素原子であり、R3が置換基Rを有するフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である化合物は、以下のScheme 1に従って合成することができる。
【0038】
【化2】

【0039】
本発明の植物成長調節剤の有効成分である上記式(I)の化合物又はその塩は、ブラシノステロイド生合成に対して特異的な阻害作用を有している。本明細書において用いられる「植物成長調節」という用語は、例えば、植物の矮化(伸長抑制)、開花時期の調節、直立葉の誘導(及びそれに伴う光合成効率の向上、バイオマス増加作用)、花粉成長抑制、花の鮮度保持、植物の抗ストレス剤(熱、乾燥、寒さなど)、生殖制御による雑草防除、植物の老化抑制、根の肥大化などを含めて、最も広義に解釈する必要がある。例えば、植物成長矮化剤、植物成長抑制剤、除草剤などは、本発明の植物成長調節剤の典型的な例であるが、本発明の植物成長調節剤はこれらに限定されることはない。
【0040】
本発明の植物成長調節剤は、例えば、当業界で周知の製剤用添加物を用いて、農薬用組成物として調製することができる。農薬用組成物の形態は特に限定されず、当業界で利用可能な形態であればいかなる形態を採用してもよい。例えば、乳剤、液剤、油剤、水溶剤、水和剤、フロアブル、粉剤、微粒剤、粒剤、エアゾール、くん蒸剤、又はペースト剤などの形態の組成物を用いることができる。農薬用組成物の製造方法も特に限定されず、当業者に利用可能な方法を適宜採用することができる。本発明の植物成長調節剤の有効成分としては、上記式(I)で表される化合物またはその塩の2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤、除草剤などの他の農薬の有効成分を配合してもよい。本発明の植物成長調節剤の適用方法及び適用量は、適用目的、剤型、適用場所などの条件に応じて当業者が適宜選択可能である。好適な適用量は、1ha当り有効成分量で0.1〜1000g程度である。
【0041】
本発明の植物成長調節剤の適用対象となる植物は、ブラシノステロイドを生合成する植物であれば特に限定されない。適用対象となる植物の具体例としては、シロイヌナズナ、トマト、キュウリなどの双子葉植物、イネ、小麦、大麦、トウモロコシなどの単子葉植物などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【0043】
〔実施例1〕 シロイヌナズナの下胚軸の伸長阻害
下記の式(Ia)で表される化合物(7a-z、7aa-7ad)、式(Ib)で表される化合物(8a-h)、及び式(Ic)で表される化合物(9a-c)を用いて、暗黒下で生育させたシロイヌナズナの下胚軸の伸長阻害作用を検討した。
【0044】
【化3】

【0045】
【化4】

【0046】
【化5】

【0047】
購入したシロイヌナズナ種子の表面を1% NaOCl溶液で20分間滅菌し、滅菌蒸留水で5回洗浄した。この種子を1% アガロース固形培地(アグリポット(Agripot、Kirin Brew Co., Tokyo)中に0.5×Murashige and Skoog塩、1.5%シュークロースを含む)に蒔いた。植物を22℃のグロースチャンバー中で、暗条件で成長させた。化合物7bを用いた場合のシロイヌナズナの下胚軸長を図1に示す。また、各化合物の構造と50%阻害濃度(IC50)を表6〜10に示す。なお、IC50は、無処理のシロイヌナズナの胚軸の長さを0%阻害とし、シロイヌナズナの胚軸の長さが0mmを100%阻害として算出した。また、データは15-20の幼植物から集め、実験は再現性を確立するため少なくとも二回行った。
【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
【表8】

【0051】
【表9】

【0052】
【表10】

【0053】
図1及び表6〜10に示すように、式(Ia)、式(Ib)、及び式(Ic)で表される化合物は、既知のブラシノステロイド生合成阻害物質であるブラシナゾール(Brz)よりも高い阻害効果を示した。特に化合物7m、7p、及び7qの阻害効果が高かった。
【0054】
〔実施例2〕 ブラシノライドによる阻害剤処理に起因する植物下胚軸伸長阻害の抑制
試験化合物がブラシノステロイド生合成阻害剤であるか否かは、ブラシノステロイドの活性本体と考えられているブラシノライドの添加により、その阻害効果が抑制されるか否かで調べることができる。そこで、前記した式(Ia)、式(Ib)、及び式(Ic)で表される化合物の阻害効果に対するブラシノライドの抑制作用を調べた(表11〜15)。
【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
【表14】

【0059】
【表15】

【0060】
表11〜15に示すように、シロイヌナズナ下胚軸伸長阻害効果は、ブラシノライド(BL)の添加により抑制されたが、ジベレリン(GA)の添加によっては抑制されなかった。この結果により、式(Ia)、式(Ib)、及び式(Ic)で表される化合物がブラシノステロイド生合成を特異的に阻害していることが確認された。
【0061】
〔実施例3〕 シロイヌナズナの開花時期の調節
シロイヌナズナの種子を、10 cm平方のプラスティックポットに入れ、標準的な鉢植え用ミックス(1:1 v/v プロミックス:ベロー砂土)に播き、光照射条件(2000ルクス)16時間、暗条件8時間の周期で、22℃のグロースチャンバー中で生育させた。4葉期になるシロイヌナズナに4〜400 g ai/haの薬量で均一噴霧することにより薬剤処理を行った。その後、植物の生育を経時的に測定した。化合物7bで処理したシロイヌナズナの外観を図2に示す。また、化合物7bで処理したシロイヌナズナのロゼットの直径の経時的変化を図3に示す。
【0062】
図2及び図3に示すように、化合物7bで処理されたシロイヌナズナは、生育が抑制されていた。また、未処理のシロイヌナズナ(Control)では、発芽から42日目には開花していたが、化合物7bで処理されたシロイヌナズナでは開花はみられなかった。
【0063】
〔実施例4〕 イネの直立葉化
あきたこまち種子を3葉期になるまで30度で光照射条件(5000ルクス)16時間、暗条件8時間の周期で、グロースチャンバー中で生育させた後、10 cm平方の湛水プラスティックポットに移植した。基肥はN 5g/平方メートル,P 8g/平方メートル,K 10g/平方メートルで施用した。薬剤処理は4〜1000 g ai/haの薬量で湛水土壌に加えることにより行った。引き続き同条件下で生育させた後、稲の葉角を測定した。化合物7bで処理したイネの外観を図4に示す。
【0064】
図4に示すように、化合物7bで処理したイネの葉はほぼ直立していた。
【0065】
〔実施例5〕 稲の矮化
比重1.13で塩水選したあきたこまち種子を湛水苗代で中苗になるまで育て、実施年の平成23年5月17日に移植した。栽植様式は、一株一本植えの正方形植えで、栽植密度は、平方メートル当たりの60株とした。基肥はN 5g/平方メートル,P 8g/平方メートル,K 10g/平方メートルで施用し、同年7月18日に追肥としてN 6g/平方メートル,K 5g/平方メートルを施用した。薬剤処理として、同年7月21日に4〜1000 g ai/haの薬量で稲に噴霧した。その後、植物の生育を経時的に測定し、8月20日の稲の外観を図5に示した。
【0066】
図5に示すように、化合物7bで処理したイネの茎の成長は抑制された。
【0067】
〔実施例6〕 ゴルフ場芝草成長の抑制
市販されたペンクロスの苗を3センチまで生育させた段階で、化合物7qを30〜100 g ai/haの薬量で芝草に噴霧した。その後、植物の生育を経時的に測定した。芝草の成長の経時変化を図6に示す。図に示されたように、無処理区では、時間経過に伴い芝草の成長が観測され、約2カ月経過した時点で芝草は約8.5 cmに伸長した。ジベレリン生合成阻害型薬剤であるプリモマックス処理区では、芝草の長さは約4.5 cmであった。一方、7q処理区では、約4.2 cmであることが明らかとなった。また、芝草の外観を図7に示した。図7に示されたように、芝草の成長は抑制された。
【0068】
〔合成例1〕 1-[[2-(4-クロロフェニル)-4-(フェノキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7a)の合成
【0069】
【化6】

【0070】
化合物7aはトルエン-4-スルホン酸 2-(4-クロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステル(トシレート6)とフェノールを反応させることにより調製した(Scheme 1参照)。トシレート6は、以下の方法に従い、調製した。
【0071】
50 mlナスフラスコに0.88 gの1-(4-クロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルエタノン (2)を(4 mmol)入れ、トルエン(10 ml)を加えた。そこに1 gのトルエン-4-スルホン酸 2,3-ジヒドロキシプロピルエステル(5)(4 mmol)とTfOH(1.5 ml)を加え、窒素雰囲気下で71時間、室温で反応させた。反応終了後、反応混合物に5.8%炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)を加えて中和した(pH=7)。得られた混合物を酢酸エチル(30 ml×3)で液々分配し、有機層を集めて飽和食塩水(30 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。目的化合物のトルエンスルホン酸塩の結晶を得るために濃縮した残存物と750 mgのp-トルエンスルホン酸(3.9 mmol)をそれぞれ10 mlの酢酸エチルに溶かし、混合して30分撹拌した。結晶を形成した後、吸引濾過し、アセトニトリルを用いて再結晶を行なうことにより目的化合物トルエン-4-スルホン酸 2-(4-クロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステル (6)が得られた(収率50.4%)。1H NMR(CD3OD)δ 2.48 (s, 3H), 3.58 (dd, J=5.9, 9.7 Hz, 1H), 3.72 (dd, J=5.9, 9.7 Hz, 1H), 3.78-3.84 (m, 2H), 4.21-4.27 (m, 2H), 7.35 (s, 4H), 7.39 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.79 (d, J= 8.3 Hz, 2H), 7.87 (s, 1H), 8.22(s, 1H)
【0072】
化合物7aは、以下の方法に従い、調製した。dry DMF (5 mL)中のトシレート6 (485 mg, 0.78 mmol)及びフェノール(70 mg, 0.72 mmol)に、水酸化カリウム(160 mg, 2.8 mmol)を加え、反応混合液を50 ℃で一晩加熱した。室温まで冷やした後、反応混合液を水(20 mL)とEtOAc(20 mL)で希釈し、有機相を分離した。水相をEtOAc (3 x 20 mL)で抽出した。すべての有機層を組み合わせ、鹹水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー (EtOAc/hexanes = 1:1)で精製し、目的の化合物7aを得た(178.8 mg, 収率74.6%)。 mp 113.3-113.8 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.51 (dd, J = 5.9, 9.9 Hz, 1H), 3.73 (dd, J = 4.9, 9.7 Hz, 1H), 3.78 (dd, J = 5.1, 8.4 Hz, 1H), 3.83-3.86 (m, 1H), 4.28-4.33 (m, 1H), 4.48 (s, 2H), 6.77 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 6.91 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.21-7.25 (m, 2H), 7.31-7.33 (m, 2H), 7.39-7.41 (m, 2H), 7.89 (s, 1H), 8.30 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H18ClN3O3Na [M+Na]+ 394.0928, found 394.0891.
【0073】
〔合成例2〕 1-[[4-[(2-クロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7b)の合成
【0074】
【化7】

【0075】
フェノールの代わりに2-クロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7bを得た(収率 24.3%)。mp 117.6-119.3 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.87-3.92 (m, 1H), 3.94-9.98 (m, 2H), 4.41-4.47 (m, 1H), 4.50-4.58 (m, 2H), 6.82-6.84 (m, 1H), 6.91-6.95 (m, 1H), 7.20-7.24 (m, 1H), 7.33-7.38 (m, 3H), 7.42-7.45 (m, 2H), 7.90 (s, 1H), 8.17 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H17Cl2N3O3Na [M+Na]+ 428.0539, found 428.0496.
【0076】
〔合成例3〕 1-[[4-[(3-クロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(7c)の合成
【0077】
【化8】

【0078】
フェノールの代わりに3-クロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7cを得た(収率 72.4%)。mp 120.4-121.2 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.65 (dd, J = 5.3, 10 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 4.8, 9.9 Hz, 1H), 3.84 (dd, J = 5.5, 8.4 Hz, 1H), 3.90-3.95 (m, 1H), 4.33-4.39 (m, 1H), 4.58 (s, 2H), 6.74-6.76 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 6.95-6.97 (m, 1H), 7.21-7.23 (m, 1H), 7.37-7.40 (m, 2H), 7.44-7.48 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 8.61 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H17Cl2N3O3Na [M+Na]+ 428.0539, found 428.0496.
【0079】
〔合成例4〕 1-[[4-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(7d)の合成
【0080】
【化9】

【0081】
フェノールの代わりに4-クロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7dを得た(収率 69.0%)。mp 92.4-94.2 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.54 (dd, J = 5.5, 9.9 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 4.8, 9.5 Hz, 1H), 3.83 (dd, J = 4.9, 8.2 Hz, 1H), 3.89-3.92 (m, 1H), 4.33-4.39 (m, 1H), 4.55 (s, 2H), 6.77 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.97 (s, 1H), 8.40 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H17Cl2N3O3Na [M+Na]+ 428.0539, found 428.0499.
【0082】
〔合成例5〕 1-[[4-[(2,3-ジクロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7e)の合成
【0083】
【化10】

【0084】
フェノールの代わりに2,3-ジクロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7eを得た(収率 15.1%)。mp 129.8-13.2 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.42-3.46 (m, 1H), 3.83-3.87 (m, 1H), 3.93-3.95 (m, 2H), 4.42-4.47 (m, 1H), 4.50-4.58 (m, 2H), 6.72-6.74 (m, 1H), 7.11-7.16 (m, 2H), 7.18-7.39 (m, 2H), 7.43-7.46 (m, 2H), 7.91 (s, 1H), 8.17 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H16Cl3N3O3Na [M+Na]+ 462.0149, found 462.0105.
【0085】
〔合成例6〕 1-[[4-[(2,4-ジクロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]- 1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7f)の合成
【0086】
【化11】

【0087】
フェノールの代わりに2,4-ジクロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7fを得た(収率 32.2%)。mp 122.1-124.8 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.44 (dd, J = 6.6, 9.5 Hz, 1H), 3.82 (dd, J = 4.6, 9.7 Hz, 1H), 3.92-3.94 (m, 2H), 4.41-4.44 (m, 1H), 4.53-4.54 (m, 2H), 6.75 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.18-7.22 (m, 1H), 7.35-7.38 (m, 3H), 7.43-7.45 (m, 2H), 7.90 (s, 1H), 8.16 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H16Cl3N3O3Na [M+Na]+ 462.0149, found 462.0106.
【0088】
〔合成例7〕 1-[[4-[(2,5-ジクロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]- 1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7g)
【0089】
【化12】

【0090】
フェノールの代わりに2,5-ジクロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7gを得た(収率 33.4%)。mp 167.0-168.3 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.76-3.88 (m, 4H), 4.36-4.39 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 6.86 (dd, J = 2.2, 8.4 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.24-7.27 (m, 3H), 7.31-7.33 (m, 2H), 7.58 (s, 1H), 8.13 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H16Cl3N3O3Na [M+Na]+ 462.0149, found 462.0106.
【0091】
〔合成例8〕 1-[[4-[(2,6-ジクロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]- 1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7h)
【0092】
【化13】

【0093】
フェノールの代わりに2,6-ジクロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7hを得た(収率 33.1%)。mp 102.7-104.8 ℃. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.65 (dd, J = 5.9, 9.9 Hz, 1H), 3.84-3.89 (m, 2H), 4.38 (s, 1H), 4.52 (s, 2H), 7.05-7.09 (m, 1H), 7.29-7.34 (m, 4H), 7.37-7.39 (m, 2H), 7.61 (s, 1H), 8.17 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H16Cl3N3O3Na [M+Na]+ 462.0149, found 462.0106.
【0094】
〔合成例9〕 1-[[4-[(3,4-ジクロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]- 1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7i)
【0095】
【化14】

【0096】
フェノールの代わりに3,4-ジクロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7iを得た(収率 23.8%)。mp 112.2-113.6 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.47 (dd, J = 5.9, 9.5 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 5.1, 9.5 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 4.8, 8.4 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 6.6, 8.4 Hz, 1H), 4.32-4.37 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 6.69 (dd, J = 2.9, 8.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.38-7.40 (m, 2H), 7.45-7.49 (m, 2H), 7.92 (s, 1H), 8.18 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H16Cl3N3O3Na [M+Na]+ 462.0149, found 462.0104.
【0097】
〔合成例10〕 1-[[4-[(3,5-ジクロロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7j)
【0098】
【化15】

【0099】
フェノールの代わりに3,5-ジクロロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7jを得た(収率 28.9%)。mp 109.4-112.1 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.49 (dd, J = 5.9, 8.8 Hz, 1H), 3.71 (dd, J = 5.3, 9.3 Hz, 1H), 3.78 (dd, J = 4.9, 8.6 Hz, 1H), 3.88-3.92 (m, 1H), 4.32-4.36 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 6.74-6.75 (m, 2H), 6.98-7.00 (m, 1H), 7.39 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.93 (s, 1H), 8.18 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H16Cl3N3O3Na [M+Na]+ 462.0149, found 462.0104.
【0100】
〔合成例11〕 1-[[4-[(2-フルオロフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7k)
【0101】
【化16】

【0102】
フェノールの代わりに2-フルオロフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7kを得た(収率 48.5%)。mp 97.8-99.7 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.51-3.55 (m, 1H), 3.83-3.94 (m, 3H), 4.40-4.44 (m, 1H), 4.53 (s, 2H), 6.86-6.96 (m, 2H), 7.05-7.10 (m, 2H), 7.36-7.39 (m, 2H), 7.43-7.47 (m, 2H), 7.91 (s, 1H), 8.18 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C19H17ClFN3O3Na [M+Na]+ 412.0834, found 412.0795.
【0103】
〔合成例12〕 1-[[4-[(2-トリフルオロメトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7l)
【0104】
【化17】

【0105】
フェノールの代わりに2-トリフルオロメトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7lを得た(収率 58.2%)。mp 79.5-81.6 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.40-3.44 (m, 1H), 3.86-3.94 (m, 3H), 4.38-4.44 (m, 1H), 4.48-4.57 (m, 2H), 6.87-6.89 (m, 1H), 6.96-7.00 (m, 1H), 7.21-7.28 (m, 2H), 7.36-7.39 (m, 2H), 7.43-7.46 (m, 2H), 7.92 (s, 1H), 8.17 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C20H17ClF3N3O4Na [M+Na]+ 478.0751, found 478.0705.
【0106】
〔合成例13〕 1-[[4-[(2-エトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7m)
【0107】
【化18】

【0108】
フェノールの代わりに2-エトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7mを得た(収率 51.8%)。mp 104.6-105.9 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 3.60-3.64 (m, 1H), 3.90-4.06 (m, 5H), 4.43-4.45 (m, 1H), 4.52-4.62 (m, 2H), 6.85-6.96 (m, 4H), 7.34-7.49 (m, 2H), 7.40-7.43 (m, 2H), 7.87 (s, 1H), 8.18 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C21H22ClN3O4Na [M+Na]+ 438.1191, found 438.1149.
【0109】
〔合成例14〕 1-[[4-[(2-メトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7n)
【0110】
【化19】

【0111】
フェノールの代わりに2-メトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7nを得た(収率 52.9%)。mp 121.9-124.1 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.54-3.58 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.86-3.95 (m, 3H), 4.43-4.46 (m, 1H), 4.54 (s, 2H), 6.82-6.98 (m, 4H), 7.35-7.37 (m, 2H), 7.41-7.45 (m, 2H), 7.89 (s, 1 H), 8.19 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C20H20ClN3O4Na [M+Na]+ 424.1034, found 424.0992.
【0112】
〔合成例15〕 1-[[4-[(2-メチルフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物7o)
【0113】
【化20】

【0114】
フェノールの代わりに2-メチルフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7oを得た(収率 69.3%)。mp 112.6-114.5 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.46 (m, 1H), 3.85-3.94 (m, 3H), 4.37-4.41 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 6.70-6.72 (m, 1H), 6.86-6.90 (m, 1H), 7.11-7.17 (m, 2H), 7.36-7.39 (m, 2H), 7.43-7.46 (m, 2H), 7.91 (s, 1H), 8.16 (s, 1H). HRMS-ESI calcd for C20H20ClN3O3Na [M+Na]+ 408.1085, found 408.1051.
【0115】
〔合成例16〕 1-[[4-[(2-プロピオキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7p)
【0116】
【化21】

【0117】
フェノールの代わりに2-プロピオキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7pを得た(収率 20.0%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.00 (t, J=7.3 Hz, 3H), 1.74-1.80 (m, 2H), 3.61(dd, J=6.6, 9.9 Hz, 1H), 3.90-3.96 (m, 5H), 4.41-4.44 (m, 1H), 4.51-4.60 (m, 2H), 6.84-6.98 (m, 4H), 7.34-7.42 (m, 4H9, 7.87 (s, 1H), 8.17 (s, 1H)). The HRMS-ESI calculated for C22H24ClN3O4Na [M+Na]+ was 452.1348, with 452.1352 found experimentally.
【0118】
〔合成例17〕 1-[[4-[(2-アリルオキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7q)
【0119】
【化22】

【0120】
フェノールの代わりに2-アリルオキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7qを得た(収率 13.4%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.69 (dd, 1H, J=6.2, 9.9 Hz, 1H), 3.90-3.99 (m, 3H), 3.97-3.99 (m, 2H), 4.42-4.48 (m, 1H), 4.53-4.64 (m, 4H), 5.22-5.24 (m, 1H), 5.34-5.38 (m, 1H), 5.95-6.05 (m,1H), 6.84-6.98 (m, 4H), 7.34-7.41 (m, 4H), 7.93 (s, 1H), 8.29 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C22H22ClN3O4Na [M+Na]+ was 450.1191, with 450.1195 found experimentally.
【0121】
〔合成例18〕 1-[[4-[(2-ブトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7r)
【0122】
【化23】

【0123】
フェノールの代わりに2-ブトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7rを得た(収率 40.4%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.93 (t, J=7.5 Hz, 3H), 1.39-1.48 (m, 2H), 1.65-1.73 (m, 2H), 3.75 (dd, J=5.7, 10.1 Hz, 1H), 3.90-4.04 (m, 5H), 4.42-4.47 (m, 1H), 4.54-4.70 (m, 2H), 6.84-6.98 (m, 4H), 7.33-7.40 (m, 4H), 7.95 (s, 1H), 8.42 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C23H26ClN3O4Na [M+Na]+ was 466.1504, with 466.1509 found experimentally.
【0124】
〔合成例19〕 1-[[4-[(2-(3-ブテニルオキシ)フェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7s)
【0125】
【化24】

【0126】
フェノールの代わりに2-(3-ブテニルオキシ)フェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7sを得た(収率 45.3%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 2.49(q, J=6.5 Hz, 2H), 3.90 (d, J=4.0 Hz, 2H), 4.00-4.13 (m, 4H), 4.45-4.48 (m, 1H), 4.58-4.76 (m, 2H), 5.05-5.16 (m, 2H), 5.81-5.91 (m, 1H), 6.87-7.01 (m, 4H), 7.35-7.41 (m, 4H), 8.04 (s, 1H), 8.71 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C23H24ClN3O4Na [M+Na]+ was 464.1348, with 464.1351 found experimentally.
【0127】
〔合成例20〕 1-[[4-[(2-イソブトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7t)
【0128】
【化25】

【0129】
フェノールの代わりに2-イソブトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7tを得た(収率 37.2%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.00 (dd, J=4.6, 6.6 Hz, 6H), 2.00-2.10 (m, 1H), 3.66 (dd, J=6.3, 10.0 Hz, 1H), 3.72 (d, J=6.6Hz, 2H), 3.92-3.97 (m, 3H), 4.39-4.44 (m, 1H), 4.51-4.60 (m, 2H), 6.84-7.00 (m, 4H), 7.33-7.36 (m, 2H), 7.39-7.42 (m, 2H), 7.89 (s, 1H), 8.23 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C23H26ClN3O4Na [M+Na]+ was 466.1504, with 466.1509 found experimentally.
【0130】
〔合成例21〕 1-[[4-[(2-ターシャルーブトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7u)
【0131】
【化26】

【0132】
フェノールの代わりに2-ターシャルーブトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7uを得た(収率 14.5%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.32 (s, 9H), 3.60 (dd, J=6.4, 9.7 Hz, 1H), 3.86-3.97 (m, 3H), 4.39-4.41 (m, 1H), 4.51-4.61 (m, 2H), 6.82-7.06 (m, 4H), 7.35-7.43 (m, 4H), 7.97 (s, 1H), 8.32 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C23H26ClN3O4Na [M+Na]+ was 466.1504, with 466.1509 found experimentally.
【0133】
〔合成例22〕 1-[[4-[(2-シクロペンチルオキシフェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7v)
【0134】
【化27】

【0135】
フェノールの代わりに2-シクロペンチルオキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7vを得た(収率 57.5%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.56-1.89 (m, 8H), 3.78 (dd, J=5.7, 10.1 Hz, 1H), 3.90-3.93 (m, 1H), 3.99-4.07 (m, 2H), 4.42-4.47 (m, 1H), 4.55-4.77 (m, 3H), 6.88-6.98 (m, 4H), 7.34-7.40 (m, 4H), 7.97 (s, 1H), 8.45 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C24H26ClN3O4Na [M+Na]+ was 478.1504, with 478.1510 found experimentally.
【0136】
〔合成例23〕 1-[[4-[(2-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)フェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7w)
【0137】
【化28】

【0138】
フェノールの代わりに2-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)フェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7wを得た(収率 47.9%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.67 (s, 3H), 1.71 (s, 3H), 3.68-3.73 (m, 1H), 3.92-4.00 (m, 3H), 4.42-4.65 (m, 5H), 5.38-5.41 (m, 1H), 6.85-6.95 (m, 4H), 7.32-7.39 (m, 4H), 7.88 (s, 1H), 8.25 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C24H26ClN3O4Na [M+Na]+ was 478.1504, with 478.1510 found experimentally.
【0139】
〔合成例24〕 1-[[4-[(2-(3-メチルブトキシ)フェノキシ)メチル]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7x)
【0140】
【化29】

【0141】
フェノールの代わりに2-(3-メチルシブトキシ)フェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7xを得た(収率 37.2%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.92 (d, J=3.3 Hz, 3H), 0.94 (d, J=3.3 Hz, 3H), 1.54-1.65 (m, 2H), 1.73-1.80 (m, 1H), 3.84 (dd, J= 3.8, 10.1 Hz, 1H), 3.91-3.95 (m, 1H), 3.98-4.09 (m, 4H), 4.44-4.50 (m, 1H), 4.57-4.76 (m, 2H), 6.86-7.00 (m, 4H), 7.35-7.40 (m, 4H), 8.01 (s, 1H), 8.60 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C24H28ClN3O4Na [M+Na]+ was 480.1661, with 480.1665 found experimentally.
【0142】
〔合成例25〕 1-[[4-[(ビフェニル‐2‐イルオキシメチル)]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7y)
【0143】
【化30】

【0144】
フェノールの代わりに2-フェニルフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7yを得た(収率 7.3%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.57-3.61 (m, 1H), 3.72-3.75 (m, 1H), 3.80-3.83 (m, 1H), 3.88-3.92 (m, 1H), 4.25-4.28 (m, 1H), 4.34 (s, 2H), 6.91 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.06-7.10 (m, 1H), 7.23-7.38 (m, 9H), 7.44-7.47 (m, 2H), 7.86 (s, 1H), 8.08 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C25H22ClN3O3Na [M+Na]+ was 470.1242, with 470.1250 found experimentally.
【0145】
〔合成例26〕 1-[[4-[(ビフェニル-4-イルオキシメチル)]-2-(4-クロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物7z)
【0146】
【化31】

【0147】
フェノールの代わりに4-フェニルフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7zを得た(収率 20.8%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.56 (dd, J=6.2, 9.8Hz, 1H), 3.82-3.86 (m, 2H), 3.90-3.94 (m, 1H), 4.36-4.41 (m, 1H), 4.53 (s, 2H), 6.89-6.92 (m, 2H), 7.29-7.33(m, 1H), 7.37-7.44 (m, 4H), 7.46-7.56 (m, 6H), 7.92 (s, 1H), 8.21 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C25H22ClN3O3Na [M+Na]+ was 470.1242, with 470.1249 found experimentally.
【0148】
〔合成例27〕 1-[2-(4-クロロフェニル)-4-(ナフタレン-1-イルオキシメチル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]-トリアゾール(化合物7aa)
【0149】
【化32】

【0150】
フェノールの代わりに1-ナフタノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7aaを得た(収率 13.9%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.76 (dd, J=6.2, 9.6 Hz, 1H), 3.98-4.06 (m, 3H), 4.51-4.57 (m, 3H), 6.73-6.75 (m, 1H), 7.36-7.42 (m, 3H), 7.45-7.52 (m, 5H), 7.78-7.82 (m, 1H), 7.94 (s, 1H), 8.11-8.13 (m, 1H), 8.31 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C23H20ClN3O3Na [M+Na]+ was 444.1085, with 444.1091 found experimentally.
【0151】
〔合成例28〕 1-[2-(4-クロロフェニル)-4-(ナフタレン-2-イルオキシメチル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]-トリアゾール(化合物7ab)
【0152】
【化33】

【0153】
フェノールの代わりに2-ナフタノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7abを得た(収率 42.5%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.72 (dd, J=5.8, 10.0 Hz, 1H), 3.85-3.97 (m, 3H), 4.42-4.45 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 7.05 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.12 (dd, J=2.5, 9.0 Hz, 1H), 7.33-7.41 (m, 3H), 7.43-7.50 (m, 3H), 7.74-7.78 (m,3H), 7.95 (s, 1H), 8.31 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C23H20ClN3O3Na [M+Na]+ was 444.1085, with 444.1092 found experimentally.
【0154】
〔合成例29〕 1-[4-(2-アリルフェノキシメチル)-2-(4-クロロフェニル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]-トリアゾール(化合物7ac)
【0155】
【化34】

【0156】
フェノールの代わりに2-アリルフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7acを得た(収率 45.7%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.31 (d, J=6.7 Hz, 2H), 3.50 (dd, J=6.7, 9.8 Hz, 1H), 3.85-3.96 (m, 3H), 4.37-4.40 (m, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.96-5.02 (m, 2H), 5.87-5.97 (m, 1H), 6.74 (d, J=6.7 Hz, 1H), 6.91-6.95 (m, 1H), 7.12-7.22 (m, 1H), 7.36-7.39 (m, 2H), 7.42-7.45 (m, 2H), 7.93 (s, 1H), 8.24 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C22H22ClN3O3Na [M+Na]+ was 434.1242, with 434.1248 found experimentally.
【0157】
〔合成例30〕 1-[4-(2-ベンジルフェノキシメチル)-2-(4-クロロフェニル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]-トリアゾール(化合物7ad)
【0158】
【化35】

【0159】
フェノールの代わりに2-ベンジルフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物7adを得た(収率 42.4%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.40 (dd, J=6.9, 9.4 Hz, 1H), 3.56-3.59 (m, 1H), 3.71-3.81 (m, 2H), 3.87-3.96 (m, 2H), 4.23-4.29 (m, 1H), 4.45 (d, J=3.7 Hz, 2H), 6.73 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.91-6.95 (m, 1H), 7.10-7.15 (m, 4H), 7.19-7.23 (m, 3H), 7.35-7.42 (m, 4H), 7.91 (s, 1H), 8.10 (s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C26H24ClN3O3Na [M+Na]+ was 484.1398, with 484.1404 found experimentally.
【0160】
〔合成例31〕 1-[[4-[(2-トリフルオロメトキシフェノキシ)メチル]-2-フェニル-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物8a)
【0161】
【化36】

【0162】
化合物8aは、2−トリフルロフェノールとトルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステル(トシレート6a)とを反応させることにより調製した。トシレート6aは、以下の方法に従い、調製した。
【0163】
500 ml容の三口フラスコにDMF(12 ml)を加え、氷冷しながら8.14 gのトリアゾール(0.12 mol)を溶かした。そこに5.9 gのトリエチルアミン(0.06 mol)一滴ずつ加えて30分撹拌した後に12 gの2-ブルモ-アセトフェノン(0.06 mol)を薬さじで少しずつ撹拌しながら加えて17時間反応させた。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル500 mlを加えて30分氷冷した。析出した結晶を吸引濾過により除き、ろ液を蒸留水(200 ml×3)で液々分配後、その水層を酢酸エチル(200 ml×3)で液々分配した。有機層を集めて飽和食塩水(30 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。濃縮した残存物を酢酸エチル:メタノール(1:1)の溶液20 mlに溶かし、カラムベッド体積200 ml(高さ10 cm)のシリカゲルカラムを用いて酢酸エチル:メタノール(1:1)により目的化合物を溶出した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶した。目的化合物1-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イル-エタノン(2a)が得られた。次いで、2aとトルエン-4-スルホン酸 2,3-ジヒドロキシプロピル エステルとの反応により、合成例1のトシレート6の合成法に準じて、トシレート6aを調製した。得られたトシレート6aと2−トリフルロフェノールから、合成例1の方法に従い、化合物8aを調製した(収率:58.9%)。δ 3.34-3.38(m, 1H), 3.86-3.95(m, 3H), 4.40-4.44(m, 1H), 4.51-4.60(m, 2H), 6.87-6.89(m, 1H), 6.95-7.00(m, 1H), 7.21-7.28(m, 2H), 7.40-7.44(m, 3H), 7.51-7.54(m, 2H), 7.93(s, 1H), 8.17(s, 1H)
【0164】
〔合成例32〕 1-[[4-[(2-トリフルオロメトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-メチルフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物8b)
【0165】
【化37】

【0166】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-(4-メチルフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例31と同様の方法で目的の化合物8bを得た(収率:69.6%)。δ 2.37(s, 3H), 3.33-3.37(m, 1H), 3.84-3.94(m, 3H), 4.37-4.43(m, 1H), 4,49-4.57(m, 2H), 6.86-6.89(m, 1H), 6.95-6.99(m, 1H), 7.20-7.28(m, 4H), 7.38-7.41(m, 2H), 7.93(s, 1H), 8.16(s, 1H)
【0167】
〔合成例33〕 1-[2-ビフェニル-4-イル-4-(2-トリフルオロメトキシフェノキシメチル)-[1,3]ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]トリアゾール (化合物8c)
【0168】
【化38】

【0169】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-ビフェニル-4-イル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール- 1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例31と同様の方法で目的の化合物8cを得た(収率:30.6%)。δ 3.35-3.40(m, 1H), 3.87-3.91(m, 2H), 3.96-4.00(m, 1H), 4.44-4.48(m, 1H), 4.55-4.64(m, 2H), 6.88-6.91(m, 1H), 6.96-7.00(m, 1H), 7.21-7.29(m, 2H), 7.36-7.40(m, 1H), 7.45-7.48(m, 2H), 7.58-7.64(m, 6H), 7.95(s, 1H), 8.21(s, 1H)
【0170】
〔合成例34〕 1-[[4-[(2-トリフルオロメトキシフェノキシ)メチル]-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物8d)
【0171】
【化39】

【0172】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例16と同様の方法で目的の化合物8dを得た(収率:28.2%)。δ 3.43-3.48(m, 1H), 3.83-3.93(m, 3H), 4.41-4.45(m, 1H), 4.51-4.60(m, 2H), 6.88-6.90(m, 1H), 6.97-7.02(m, 1H), 7.22-7.29(m, 2H), 7.63-7.68(m, 4H), 7.92(s, 1H), 8.19(s, 1H)
【0173】
〔合成例35〕 1-[[4-[(2-トリフルオロメトキシフェノキシ)メチル]-2-(2,4-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物8e)
【0174】
【化40】

【0175】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例31と同様の方法で目的の化合物8eを得た(収率:43.6%)。δ 3.42-3.46(m, 1H), 3.82-3.98(m, 3H), 4.40-4.46(m, 1H), 4.75-4.88(m, 2H), 6.88-6.90(m, 1H), 6.96-7.02(m, 1H), 7.22-7.29(m, 3H), 7.47-7.55(m, 2H), 7.90(s, 1H), 8.19(s, 1H)
【0176】
〔合成例36〕 1-[[4-[(2-トリフルオロメトキシフェノキシ)メチル]-2-(3,4-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール (化合物8f)
【0177】
【化41】

【0178】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-(3,4-ジクロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例31と同様の方法で目的の化合物8fを得た(収率:42.7%)δ 3.43-3.47(m, 1H), 3.86-3.96(m, 3H), 4.40-4.46(m, 1H), 4.48-4.57(m, 2H), 6.87-6.90(m, 1H), 6.97-7.01(m, 1H), 7.22-7.33(m, 3H), 7.46-7.48(m, 1H), 7.60-7.61(m, 1H), 7.92(s, 1H), 8.18(s, 1H)
【0179】
〔合成例37〕 1-[2-ナフタレン-2-イル-4-(2-トリフルオロメトキシフェノキシメチル)-[1,3]ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]トリアゾール(化合物8g)
【0180】
【化42】

【0181】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-ナフタレン-2-イル-2-1H-[1,2,4] トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例31と同様の方法で目的の化合物8gを得た(収率:42.6%)。δ 3.39-3.43(m, 1H), 3.88-3.99(m, 3H), 4.47-4.48(m, 1H), 4.59-4.68(m, 2H), 6.89-7.02(m, 2H), 7.21-7.28(m, 2H), 7.51-7.61(m, 3H), 7.85-8.02(m, 5H),8.21(s, 1H)
【0182】
〔合成例38〕 1-[2-(4-フルオロフェニル)-4-(2-トリフルオロメトキシフェノキシメチル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-[1,2,4]-トリアゾール(化合物8h)
【0183】
【化43】

【0184】
トルエン-4-スルホン酸 2-フェニル-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルの代わりにトルエン-4-スルホン酸 2-(4-フルオロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル エステルを用い、合成例31と同様の方法で目的の化合物8hを得た(収率:31.6%)。mp. =60.8-62.5 ℃。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.40(dd, J=7.1, 9.3 Hz, 1H), 3.86-3.94(m, 3H), 4.39-4.43(m, 1H), 4.53(d, J=5.1 Hz, 2H), 6.87-6.89(m, 1H), 6.96-7.05(m, 1H), 7.06-7.10(m, 2H), 7.21-7.28(m, 2H), 7.46-7.50(m, 2H), 7.91(s, 1H), 8.16(s, 1H). The HRMS-ESI calculated for C20H17F4N3O4Na [M+Na]+ was 462.1047, with 462.0999 found experimentally.
【0185】
〔合成例39〕 1-[2-(4-クロロフェニル)-4-(2-エトキシフェノキシメチル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-イミダゾール(化合物9a)
【0186】
【化44】

【0187】
1-(4-クロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルエタノンの代わりに、1-(4-クロロフェニル)-2-イミダゾール-1-イルエタノンを用い、また、フェノールの代わりに2-エトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物9aを得た(収率:16.6%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.38 (t, J=7.0 Hz, 3H), 3.52 (dd, J=6.5, 10.0 Hz, 1H), 3.84-3.93 (m, 3H), 4.00-4.06 (m, 2H), 4.14-4.25 (m, 2H), 4.38-4.44 (m, 1H), 6.83-6.97 (m, 6H), 7.29-7.42 (m, 5H). The HRMS-ESI calculated for C22H23ClN2O4Na [M+Na]+ was 437.1239, with 437.1238 found experimentally.
【0188】
〔合成例40〕 1-[2-(4-クロロフェニル)-4-(2-エトキシフェノキシメチル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-4H-[1,2,4]-トリアゾール(化合物9b)
【0189】
【化45】

【0190】
1-(4-クロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルエタノンの代わりに、1-(4-クロロフェニル)-2-4H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルエタノンを用い、また、フェノールの代わりに2-エトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物9bを得た (収率:16.9%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.37 (t, J=8.5 Hz, 3H), 3.66 (dd, J=6.0, 10.1 Hz, 1H), 3.87-3.92 (m, 2H), 3.96-4.06 (m, 3H), 4.23-4.38 (m, 2H), 4.41-4.47 (m, 1H), 6.85-6.98 (m, 4H), 7.35-7.40 (m, 4H), 8.10 (s, 2H).
【0191】
〔合成例41〕 1-[2-(4-クロロフェニル)-4-(2-エトキシフェノキシメチル)-[1,3]-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-ピラゾール(化合物9c)
【0192】
【化46】

【0193】
1-(4-クロロフェニル)-2-1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イルエタノンの代わりに、1-(4-クロロフェニル)-2-ピラゾール-1-イルエタノンを用い、また、フェノールの代わりに2-エトキシフェノールを用い、合成例1と同様の方法で目的の化合物9cを得た(収率:69.9%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.34 (t, J=7.0 Hz, 3H), 3.71-3.79 (m, 2H), 3.88-4.02 (m, 4H), 4.23-4.29 (m, 1H), 4.41 (s, 2H), 6.25 (t, J=2.1 Hz, 1H), 6.76-6.93 (m, 4H), 7.27-7.30 (m, 2H), 7.39-7.42 (m, 2H), 7.46-7.50 (m, 2H).
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明の植物成長調節剤は、植物の伸長抑制、植物バイオマス生産増加、花粉成長抑制、花の鮮度保持、植物の抗ストレス剤、雑草防除、植物の老化抑制、根の肥大化などに有用なので、農業分野において利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I):
【化1】

(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示し、R3は置換基を有することもあるフェニル基又はナフチル基を示し、R4は置換基を有することもあるフェニル基又はナフチル基を示し、R5は窒素原子を含むヘテロアリール基を示し、Xは単結合又は-CH2-を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、NH又は-CH2-を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分として含む植物成長調節剤。
【請求項2】
R1及びR2が水素原子であり、R3が2-クロロフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である請求項1に記載の植物成長調節剤。
【請求項3】
R1及びR2が水素原子であり、R3が2,5-ジクロロフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である請求項1に記載の植物成長調節剤。
【請求項4】
R1及びR2が水素原子であり、R3が2-エトキシフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である請求項1に記載の植物成長調節剤。
【請求項5】
R1及びR2が水素原子であり、R3が2-プロピオキシフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である請求項1に記載の植物成長調節剤。
【請求項6】
R1及びR2が水素原子であり、R3が2-アリルオキシフェニル基であり、R4が4-クロロフェニル基であり、R5が1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル基であり、Xが単結合であり、Yが酸素原子である請求項1に記載の植物成長調節剤。
【請求項7】
植物成長調節が、植物の矮化、開花時期の調節、直立葉の誘導、又は生殖制御による雑草防除である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の植物成長調節剤。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の植物成長調節剤を植物に作用させる植物の成長調節方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−100266(P2013−100266A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223936(P2012−223936)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【出願人】(306024148)公立大学法人秋田県立大学 (74)
【Fターム(参考)】