説明

検体処理装置

【課題】洗浄液容器に検体容器が後続する場合に、検体に対する処理を円滑に行うことが可能な検体処理装置を提供する。
【解決手段】検体分析装置1は、検体容器Tに収容された検体を吸引して処理する測定ユニット31、32と、測定ユニット31、32に容器を順次供給する搬送ユニット2と、容器の種類を順次識別するバーコードユニットと、洗浄液容器Cが識別されると、洗浄液容器Cを測定ユニット31、32に供給し、自動的に洗浄を実行するよう搬送ユニット2および測定ユニット31、32を制御するCPUを備える。CPUは、洗浄液容器Cが識別されてから洗浄が実行されるまでの間に、検体容器Tが識別された場合、洗浄液容器Cを用いた洗浄を中止する。これにより、自動的に洗浄が開始されることを回避でき、後続する検体容器Tに対する処理を円滑に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の検体を処理する検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの検体を収容した検体容器から、吸引管を介して検体を吸引して処理する検体処理装置が知られている。
【0003】
検体処理装置を長期使用すると、吸引管、流路、バルブ、反応容器、分析部等の流体系に汚れが蓄積して精度低下や動作不良を引き起こす原因となる。このため、定期的に、たとえば所定の処理検体数ごとに、流体系の洗浄が行なわれている。
【0004】
特許文献1には、液体容器に収容された洗浄液を、吸引部を介して吸引し、内部の流体回路を洗浄する試料分析装置が開示されている。この構成では、洗浄液容器を保持するラックが試料分析装置にセットされると、セットされたラックが搬送される。ラックに保持された洗浄液容器を装置が認識すると、自動的に洗浄液容器から洗浄液が吸引されて、流体回路の洗浄が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−254980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗浄液を用いた流体回路の洗浄は、試料調製に用いられるチャンバ、検出部およびそれらを接続する流路を洗浄液で満たし、一定時間放置することにより、チャンバおよび流路の内部に沈着した汚れを落とすことによって行うために、1回の洗浄には長時間を要する。このため、洗浄液を用いた自動洗浄を行う場合には、処理すべき検体を先に検体処理装置に供給し、最後に洗浄液が供給されるように容器を配置するのが一般的である。
【0007】
しかしながら、誤って洗浄液容器、検体容器の順に検体処理装置に供給されるように検体容器と洗浄液容器がセットされると、検体容器に収容された検体の処理の前に自動洗浄が始まってしまい、洗浄後に検体を処理しなくてはならず洗浄が無駄になることがある。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、洗浄液容器に検体容器が後続する場合に、検体に対する処理を円滑に行うことが可能な検体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、検体処理装置に関する。本態様に係る検体処理装置は、検体容器に収容された検体を吸引して処理する検体処理部と、複数の容器を搬送して前記検体処理部に容器を順次供給する搬送部と、前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別する識別手段と、前記識別手段によって洗浄液容器が識別されると、前記洗浄液容器を前記検体処理部に供給し、前記洗浄液容器から洗浄液を吸引して自動的に洗浄を実行するよう前記搬送部および前記検体処理部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記識別手段によって前記洗浄液容器が識別されてから洗浄が実行されるまでの間に、前記識別手段によって検体容器が識別された場合、前記洗浄液容器を用いた洗浄を中止する。
【0010】
本態様に係る検体処理装置によれば、洗浄液容器が識別されてから洗浄が実行されるまでの間に検体容器が識別された場合、洗浄液容器を用いた洗浄を中止することで、自動的に洗浄が開始されることが回避される。よって、後続する検体容器に対する処理を円滑に行うことができる。
【0011】
この場合、前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記検体容器の処理も中止するように構成され得る。
【0012】
また、この場合、前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記検体容器から検体を吸引して処理を実行するよう前記搬送部および前記検体処理部を制御するように構成され得る。こうすると、洗浄を中止した後、後続して識別された検体容器から自動的に検体を吸引して処理が実行されるため、ユーザが再度、検体容器をセットする手間を軽減することができる。
【0013】
さらに、この場合、前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記検体容器から検体を吸引して処理を実行した後、再び前記洗浄液容器を用いた洗浄を実行するよう前記搬送部および前記検体処理部を制御するように構成され得る。こうすると、洗浄を中止した後、後続して識別された検体容器の処理を実行した後、自動的に、洗浄液容器を用いた洗浄が実行されるため、ユーザが再度、洗浄液容器をセットする手間を軽減することができる。
【0014】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記搬送部は、複数の容器を保持可能なラックを搬送するように構成され得る。こうすると、搬送部の動作によって、洗浄液が検体処理部に供給されることを回避することができる。
【0015】
この場合、前記識別手段は、搬送されるラックに並んで保持された複数の容器を、搬送方向の下流側から順に識別するように構成され得る。
【0016】
また、この場合、前記搬送部は、同一搬送経路上で二つのラックを搬送可能であり、前記識別手段は、二つのラックにおける容器の種類を連続して識別するように構成され得る。こうすると、後続ラックに検体容器が保持されている場合に、先行ラックに保持された洗浄液容器により自動的に洗浄が開始されることを回避できる。
【0017】
また、本態様に係る検体処理装置は、出力部をさらに備え得る。ここで、前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記出力部に、警告を出力させるよう構成され得る。こうすると、ユーザは、洗浄液容器の装着に不備があったことを知ることができる。
【0018】
本態様に係る検体処理装置において、前記検体処理部は、洗浄を実行した後、自動的にシャットダウンを行うよう構成され得る。こうすると、ユーザは、長時間の洗浄処理を待った後に、シャットダウン操作を行うことを回避することができる。これにより、ユーザの手間が軽減され得る。
【0019】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記検体処理装置は、検体を処理して分析を行う検体分析装置であるよう構成され得る。
【0020】
本発明の第2の態様は、検体処理装置に関する。本態様に係る検体処理装置は、検体容器に収容された検体を吸引して処理する検体処理部と、複数の容器を搬送して前記検体処理部に容器を順次供給する搬送部と、前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別する識別手段と、前記識別手段によって洗浄液容器が識別され、且つ洗浄液容器に後続して検体容器が識別されなければ、その洗浄液容器から洗浄液を自動的に吸引して洗浄を実行するよう検体処理部および搬送部を制御し、前記識別手段によって洗浄液容器が識別
され、且つ洗浄液容器に後続して検体容器が識別されれば、その洗浄液容器を用いた洗浄以外の動作を実行するよう検体処理部および搬送部を制御する制御部とを備える。
【0021】
本態様に係る検体処理装置において、前記洗浄以外の動作は、前記洗浄液容器および前記検体容器を、前記検体処理部に供給されないように前記搬送部によって搬送する動作、前記洗浄液容器を前記検体処理部に供給せずに前記搬送部によって搬送するとともに、前記搬送部によって前記検体容器を前記検体処理部に供給して処理する動作、または、前記検体容器を前記洗浄液容器よりも先に前記搬送部によって前記検体処理部に供給して処理した後、前記搬送部によって前記洗浄液容器を前記検体処理部に供給して洗浄を実行する動作のいずれかであるよう構成され得る。
【0022】
本態様に係る検体処理装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0023】
以上のとおり、本発明によれば、洗浄液容器に検体容器が後続する場合に、検体に対する処理を円滑に行うことが可能な検体処理装置を提供することができる。
【0024】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態に係る検体分析装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器およびラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る洗浄液容器および洗浄液容器の配置ルールを示す図である。
【図4】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットを上側から見た構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係る測定ユニットの検体容器および洗浄液容器の取込み動作の流れを示す図である。
【図6】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットの構成の概要を示す図である。
【図7】実施の形態に係る測定ユニットの流体回路の概要を示す図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図9】実施の形態に係るラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図10】実施の形態に係る警告メッセージが表示されているときの表示内容を示す図である。
【図11】実施の形態に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図12】実施の形態に係る通常検体処理時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図13】実施の形態に係る検体容器と洗浄液容器の配置例別に出力される警告メッセージを示す図である。
【図14】変更例1に係る検体分析装置の外観を示す図である。
【図15】変更例1に係る洗浄液容器の配置ルールとラックの動作の流れを示す図である。
【図16】変更例2に係るラックの動作の流れと警告メッセージを示す図である。
【図17】変更例3に係るラックの動作の流れを示す図である。
【図18】変更例4に係るラックの動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析装置に本発明を適用したものである。
【0027】
以下、本実施の形態に係る検体分析装置について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、検体処理装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体処理装置1は、搬送ユニット2と、血球計数装置からなる測定ユニット31、32と、情報処理ユニット4から構成されている。
【0029】
搬送ユニット2は、測定ユニット31、32の前方に配置されており、右テーブル21と、左テーブル22と、右テーブル21と左テーブル22とをつなぐラック搬送部23とを備えている。右テーブル21と左テーブル22は、10本の検体容器T、洗浄液容器Cを保持可能なラックLを複数収容することができる。
【0030】
搬送ユニット2は、ユーザが右テーブル21に載置したラックLを収容する。また、搬送ユニット2は、右テーブル21に収容しているラックLを搬送し、検体容器Tおよび洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給されるよう、ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付ける。さらに、搬送ユニット2は、ラック搬送部23上にあるラックLを搬送して、左テーブル22に回収する。このように、ラックLは、右テーブル21から、左テーブル22に向かって流れるように搬送される。以下、かかる搬送経路において、右テーブル21に近づく方向を「搬送方向の上流」、左テーブル22に近づく方向を「搬送方向の下流」と称する。
【0031】
本実施の形態において、ラックLに収容された容器は、ラック搬送部23上の取込位置P31aまたはP32a(図4参照)において、搬送方向の下流側から順番に、測定ユニット31、32により取り込まれ、処理される。
【0032】
図2(a)、(b)は、検体容器TとラックLの構成を示す図である。図2(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、図2(b)は、10本の検体容器Tが保持されているラックLの外観を示す斜視図である。なお、図2(b)には、ラックLが搬送ユニット2に載置されるときの向き(図1の前後左右と搬送方向の上流下流)が併せて示されている。
【0033】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された全血の血液検体が収容され、上端の開口はゴム製の蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを含むバーコードが印刷されている。
【0034】
図2(b)を参照して、ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。なお、便宜上、各保持位置には、搬送方向の下流から上流に向かって昇順で番号が割り振られて示されている。
【0035】
また、ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを含むバーコードが印刷されている。
【0036】
図3(a)、(b)は、洗浄液容器Cと、洗浄液容器CのラックL上の配置ルールを示す図である。図3(a)は、洗浄液容器Cの外観を示す斜視図であり、図3(b)は、ラックLを上面から見たときの洗浄液容器Cの配置を示す図である。なお、図3(b)には
、搬送方向の上流下流と、図2(b)に示したラックLの保持位置の番号が併せて示されている。
【0037】
図3(a)を参照して、洗浄液容器Cは、有色のガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。なお、洗浄液容器Cの色は、検体容器Tの色と異なっており、視覚的に区別し易くなっている。洗浄液容器Cの内部には、測定ユニット31および32内の流体回路を洗浄するための次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる洗浄液が収容され、洗浄液の塩素濃度の低下を防止するため、上端の開口にはフィルムFMにより密封されている。洗浄液は、たとえば、シスメックス株式会社製のセルクリーンオートが用いられる。
【0038】
洗浄液容器Cの側面には、バーコードラベルBL3が貼付されている。バーコードラベルBL3には、洗浄液IDを含むバーコードが印刷されている。洗浄液IDは、検体IDと識別可能となっている。また、洗浄液容器Cは、検体容器Tと同様の形状、大きさを有しており、検体容器Tと同様にラックLに垂直状態(立位状態)で保持される。
【0039】
図3(b)を参照して、洗浄液容器Cは、所定の配置ルールに則って、ラックLに設置される。洗浄液容器Cは、洗浄動作を速やかに実施できるように、搬送方向の下流側に詰めて設置される。また、洗浄液容器Cが設置される保持位置によって、洗浄する測定ユニットが定められる。
【0040】
測定ユニット31および測定ユニット32の両方を洗浄する場合、図3(b)の上段に示すように、保持位置1と保持位置2に洗浄液容器Cが設置される。通常、それ以外の保持位置3〜10には、検体容器Tおよび洗浄液容器Cのどちらも設置されない。この場合、保持位置1の洗浄液容器Cが測定ユニット31に割り振られ、保持位置2の洗浄液容器Cが測定ユニット32に割り振られる。
【0041】
また、測定ユニット32のみを洗浄する場合、図3(b)の中段に示すように、保持位置2にのみ洗浄液容器Cが設置され、測定ユニット31のみを洗浄する場合、図3(b)の下段に示すように、保持位置1にのみ洗浄液容器Cが設置される。これらの場合、測定ユニット31、32の何れか一方に洗浄液容器Cが割り振られる。
【0042】
このように、通常、測定ユニット31、32を洗浄する場合は、ラックLの保持位置1および保持位置2のどちらか一方、または両方に洗浄液容器Cのみが設置される。
【0043】
図1に戻って、検体の測定時には、測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある検体容器Tに対して処理を行う。すなわち、測定ユニット31は、ラック搬送部23の取込位置P31a(図4参照)において、ハンド部31a(図4参照)によりラックLから検体容器Tを取り出して測定ユニット31の内部に搬送し、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット31内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット31は、この検体容器Tを再び元のラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして検体の測定を行う。
【0044】
また、洗浄時には、測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある洗浄液容器Cに対して処理を行う。上記の検体容器Tの測定時と同様に、測定ユニット31は、ラック搬送部23の取込位置P31a(図4参照)において、ハンド部31a(図4参照)により洗浄液容器Cに収容された洗浄液Cを取り出して測定ユニット31の内部に搬送する。そして、測定ユニット31は、この洗浄液容器Cに収容された洗浄液を測定ユニット31内の検体の測定に用いられた流路、検出器に流したり、その洗浄液を所定時間滞留させたりして汚れを落とす。
【0045】
なお、洗浄処理は、たとえば、1日に1回程度行われ、それまでに行われた検体の測定による汚れの残留を防ぐために、長時間を掛けて洗浄液を滞留させて、流路、検出器等を洗浄する。洗浄が完了すると、測定ユニット31は、この洗浄液容器Cを再び元のラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして、洗浄を行う。そして、洗浄された測定ユニット31、32は、自動的に電源がシャットダウンされる。
【0046】
情報処理ユニット4は、入力部41と表示部42を備えている。また、情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と、測定ユニット31、32と、ホストコンピュータ5(図8参照)に、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0047】
情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の動作を制御する。また、情報処理ユニット4は、搬送ユニット2内のバーコードユニットB2(図4参照)と、測定ユニット31、32内のバーコードユニットB31、B32(図4参照)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ5(図8参照)に測定オーダの問い合わせを行う。さらに、情報処理ユニット4は、測定ユニット31、32で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ5(図8参照)に送信する。そして、情報処理ユニット4は、ホストコンピュータ5(図8参照)によって検体の再検査の要否判定が行われた結果を取得する。
【0048】
以下、検体の測定後に行われる検体の再検査を単に「再検」という。なお、本実施の形態において、再検は、1回に限り行われるものとして説明する。
【0049】
また、情報処理ユニット4は、後述するように、警告メッセージ等の所定の情報を表示部42に表示する。
【0050】
図4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32を上側からみた場合の構成を模式的に示す図である。
【0051】
まず、図4を参照して、バーコード情報の読取動作について説明する。
【0052】
右テーブル21に載置されたラックLは、ラック送込機構21aによって前方側面が押されることにより、ラック搬送部23の右端の送込位置P1に搬送される。ラック搬送部23の送込位置P1に位置付けられたラックLは、ラック搬送部23のベルト(図示せず)によって左方向に搬送される。なお、ラック搬送部23のベルトは、前後方向に2つ並んで配されており、ラック搬送部23にラックLが2台位置付けられた場合、各ベルトによって、それぞれのラックLが独立して左右方向に搬送される。
【0053】
ラック搬送部23の中央近傍には、バーコードリーダB2aを備えるバーコードユニットB2が設置されている。バーコードリーダB2aの前方の読取位置P1に、ラックLの保持部が位置付けられると、バーコードユニットB2の保持判定機構(図示せず)により、この保持部に容器(検体容器Tまたは洗浄液容器C)が保持されているか否かが判定される。かかる保持判定機構は、前後方向(Y軸方向)から容器を挟み込むことが可能な機構からなる。容器を挟み込むことができると、読取位置P1に位置付けられた保持部に容器が保持されていると判定される。
【0054】
この保持部に検体容器Tが保持されていると、検体容器Tが回転されながらバーコードリーダB2aにより検体容器TのバーコードラベルBL1から検体IDが読み取られ、この保持部に洗浄液容器Cが保持されていると、洗浄液容器Cが回転されながらバーコード
リーダB2aにより洗浄液容器CのバーコードラベルBL3から洗浄液IDが読み取られる。また、バーコードリーダB2aの前方に、ラックLのバーコードラベルBL1が位置付けられると、バーコードリーダB2aによりラックLのバーコードラベルBL2からラックIDが読み取られる。
【0055】
このようにして、ラックLのバーコード情報と、ラックLの保持位置1〜10の全ての保持部についての容器有無情報とバーコード情報が取得される。
【0056】
次に、ラックLの検体容器Tおよび洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給動作について説明する。
【0057】
上述のようにして、バーコード情報が読み取られると、ラックLの保持部に設置された検体容器Tは、原則、搬送方向の下流(左方向)の保持位置に配置された容器から順に、測定ユニット31、測定ユニット32の順に供給される。たとえば、ラックLの保持位置1、2、3に、それぞれ、検体容器T1、T2、T3が設置されている場合、まず、検体容器T1が、測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられる。取込位置P31aには、ハンド部31aが、上下方向(Z軸方向)に移動可能となるように、測定ユニット31に設置されている。取込位置P31aに位置付けられた検体容器T1は、ハンド部31aにより把持されて、ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出され、測定ユニット31内に取り込まれる。
【0058】
そして、検体容器T1が測定ユニット31によって取り出された後、当該検体の測定中に、検体容器T2が、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられる。取込位置P32aに位置づけられた検体容器T2は、ハンド部32aにより把持されて、ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出され、測定ユニット32内に取り込まれる。
【0059】
その後、測定ユニット31において、検体容器T1の検体の測定が完了すると、検体容器T1が配置されていた保持位置1が、測定ユニット31の取込位置P32aに再度位置付けられる。そして、測定ユニット31のハンド部31aによって把持された検体容器T1が、上方向(Z軸正方向)からラックLの保持位置1に設置される。
【0060】
これにより、測定ユニット31が空き状態になるため、続いて、検体容器T3が、測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、測定ユニット31に取り出される。
【0061】
このように、ラックLに設置された検体容器Tは、ラック搬送部23により、奇数番目の保持位置が測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、偶数番目の保持位置が、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられることによって、順次測定ユニット31、32に供給される。
【0062】
なお、測定および分析後に、検体の再検が必要になり、測定済みの検体容器Tが割り込んで測定ユニットに供給される場合がある。この場合、未測定の検体容器Tに優先して、再検が必要な検体を収容する検体容器Tが、何れかの測定ユニットに供給される。
【0063】
他方、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給は、図3(b)に示した配置ルールに従って、まず、保持位置1の洗浄液容器Cが測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、測定ユニット31により取り出される。そして、保持位置2の洗浄液容器Cが測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられ、測定ユニット32により取り出される。
【0064】
このように、ラックLに設置された洗浄液容器Cは、ラック搬送部23により、図3(
b)に示した配置ルールに従って、測定ユニット31、32に供給される。
【0065】
なお、検体容器Tが取込位置P31a、P32aに位置付けられると、自動的に、検体容器Tが測定ユニット31、32内に取り込まれて、検体の測定が行われる。また、洗浄液容器Cが取込位置P31a、P32aに位置付けられると、自動的に、洗浄液容器Cが測定ユニット31、32内に取り込まれて、対応する流体回路の洗浄が行われる。かかる動作は、後述するCPU401(図8参照)による制御のもとで行われる。
【0066】
図5(a)は、測定ユニット31、32による検体容器Tの取込動作を示す図である。
【0067】
図4と、図5(a)を参照して、検体容器Tが、測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けられると、ハンド部31a、32aによって検体容器Tが把持されて、上方向(Z軸正方向)に取り出される(S31)。そして、ハンド部31a、32aは、検体容器Tを振り子状に移動させ、検体を攪拌する(S32)。このとき、容器セット部31b、32bが取込位置P31a、P32aの上方に移動される(S33)。攪拌終了後、ハンド部31a、32aは、下方向(Z軸負方向)に移動し、ハンド部31a、32aにより把持されている検体容器Tが、容器セット部31b、32bにセットされる(S34)。
【0068】
その後、容器セット部31b、32bがバーコード読取位置P31b、P32bに搬送され(S305)、バーコードリーダB31a、B32aを備えるバーコードユニットB31、B32により、検体容器Tの確認が行われる(S36)。
【0069】
続いて、容器セット部31b、32bがピアサ31d、32dの真下位置の吸引位置P31c、32cに位置付けられる(S37)。そして、ピアサ31d、32dが下方向に移動され、吸引位置P31c、32cに位置付けられている検体容器Tから検体が吸引される(S38)。
【0070】
ピアサ31d、32dによる検体の吸引が終わると、容器セット部31b、32bが前方に移動され、再び取込位置P31a、P32aに位置付けられる(S39)。取込位置P31a、P32aにおいて、検体容器Tは、容器セット部31b、32bからハンド部31a、32aにより上方向に取り出される(S40)。この状態で、容器セット部31b、32bが後方に移動される。その後、ハンド部31aが下方向(Z軸負方向)に移動され、この検体容器Tが、ラック搬送部23に位置付けられているラックLの元の保持部に戻される(S41)。
【0071】
図5(b)は、測定ユニット31、32による洗浄液容器Cの取込動作を示す図である。
【0072】
図5(b)において、S51と、S52〜S60は、図5(a)のS31と、S33〜S41の対象となる容器が、検体容器Tから洗浄液容器Cに置き換わったものである。このため、ここでは、各ステップの説明を省略する。また、図5(b)の取り込み動作では、図5(a)のS32に対応するステップが省略されている。これは、対象となる容器が洗浄液容器Cであるため、攪拌動作が不要なためである。
【0073】
なお、検体容器TがラックLに保持されている場合には、全ての検体の測定が完了し、全ての検体容器TがラックLの保持部に戻された後も、検体の再検によって、再度、検体容器Tが測定ユニット31、32に供給される可能性がある。通常、測定結果の情報処理ユニット4およびホストコンピュータ5への通信、測定結果の分析処理等によって、測定ユニット31、32における検体の測定にかかる時間よりも、再検の要否取得完了までの
時間のほうが長くなる(たとえば、検体の測定時間が略36秒、再検の要否取得完了までの時間が略75秒)。
【0074】
ラック搬送部23の取込位置P31aの左方向には、ラックLの左右方向の長さよりも長い搬送スペース231が配されている。ラックLは、全ての検体容器Tの検体の再検要否の取得が完了するまで、この搬送スペース231に位置づけられる。これにより、後続のラックに対する処理が可能となる。
【0075】
こうして全ての検体容器Tについて再検に関する処理が完了すると、ラックLは、左テーブル22の後方位置に位置付けられ、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。
【0076】
洗浄液容器CがラックLに保持されている場合、全ての洗浄液容器Cについて洗浄液の吸引が行われた後、ラックLは、左テーブル22の後方位置に位置付けられ、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。
【0077】
こうして、右テーブル21にある全てのラックLについて、測定処理または洗浄処理が行われる。
【0078】
図6は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の電気的な接続関係を示す図である。
【0079】
搬送ユニット2は、駆動部201と、センサ部202と、バーコードユニットB2と、通信部203を備える。
【0080】
駆動部201は、搬送ユニット2内でラックLを搬送するための機構を含んでおり、センサ部202は、搬送ユニット2の搬送経路上の所定の位置においてラックLを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットB2は、上述したように、保持判定機構(図示せず)と、バーコードリーダB2aを含んでいる。
【0081】
通信部203は、情報処理ユニット4と通信可能に接続されている。搬送ユニット2内の各部は、通信部203を介して、情報処理ユニット4により制御される。また、搬送ユニット2内の各部から出力される信号は、通信部203を介して情報処理ユニット4に送信される。
【0082】
測定ユニット31、32は、それぞれ、吸引部311、321と、試料調製部312、322と、検出部313、323と、駆動部314、324と、センサ部315、325と、バーコードユニットB31、B32と、通信部316、326を備える。なお、測定ユニット31、32は全く同様に構成されるため、以下、便宜上、測定ユニット31についてのみ説明する。
【0083】
図7は、測定ユニット31の流体回路の概要を示す図である。測定ユニット17は、血球計数装置であって、検体容器Tに収容された全血の血液検体に含まれる血球を計数することができる。
【0084】
吸引部311は、容器に挿入されて測定ユニット31内に搬送された検体容器Tに収容されている検体および洗浄液容器Cに収容されている洗浄液を吸引するピアサ31dと、ピアサ31dに負圧を与えるシリンジポンプSPを含んでいる。試料調製部312は、赤血球および血小板を測定するための試料を調製する反応チャンバMC1と、白血球を測定するための試料を調製する反応チャンバMC2を備えている。検出部313は、赤血球お
よび血小板を測定するための電気抵抗式検出器DC1と、白血球を光学的に測定するための光学式検出器DC2を備えている。また、測定ユニット31は、廃液を収容する廃液チャンバWCを備えている。
【0085】
検体容器Tに収容された検体を測定する場合、吸引部311は、シリンジポンプSPによってピアサ31dに負圧を与えることにより、ピアサ31dを介して検体を吸引し、反応チャンバMC1、MC2のそれぞれに検体を吐出する。試料調製部312は、反応チャンバMC1内で、検体と試薬とを混合攪拌し、赤血球および血小板測定用の試料を調製する。また、試料調製部312は、反応チャンバMC2内で、検体と試薬とを混合攪拌し、白血球測定用の試料を調製する。反応チャンバMC1で調製された試料は、流路を介して電気抵抗式検出器DC1に送られ、反応チャンバMC2で調製された試料は流路を介して光学式検出器DC2に送られる。検出部313は、この光学式検出器DC2によって試料中の白血球、有核赤血球等から光学情報(側方蛍光信号、前方散乱光信号、側方散乱光信号)を検体のデータとして検出する。また、検出部313は、電気抵抗式検出器DC1によって試料中の赤血球、血小板から電気情報を検体のデータとして検出する。検出部313を通過した試料は、流路を介して廃液チャンバWCに送られる。
【0086】
洗浄液容器Cに収容された洗浄液を用いて洗浄を行う場合、洗浄液は、検体と同様の経路を辿って送液される。つまり、洗浄液は、吸引部311によって洗浄液容器Cから吸引され、試料調製部312の各反応チャンバに吐出されることにより、各反応チャンバから廃液チャンバWCに至る流路が洗浄液によって満たされる。この状態で長時間放置されることにより、反応チャンバの内壁に付着した検体および試薬が除去される。
【0087】
図6に戻り、駆動部314は、測定ユニット31内で検体容器Tおよび洗浄液容器Cを搬送するための機構を含んでいる。センサ部315は、測定ユニット31内の搬送経路上の所定の位置において検体容器Tおよび洗浄液容器Cを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットB31は、上述したように、保持判定機構(図示せず)と、バーコードリーダB31aを含んでいる。
【0088】
通信部316は、情報処理ユニット4と通信可能に接続されている。測定ユニット31内の各部は、通信部316を介して、情報処理ユニット4により制御される。また、測定ユニット31内の各部から出力される信号は、通信部316を介して情報処理ユニット4に送信される。
【0089】
図8は、情報処理ユニット4の構成を示す図である。
【0090】
情報処理ユニット4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成されている。本体40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0091】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0092】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードデ
ィスク404には、測定ユニット31、32から送信された検体のデータを解析して赤血球数、白血球数等の測定結果を生成し、生成した測定結果に基づいて表示部42に表示を行うプログラム等がインストールされている。また、ハードディスク404には、後述する操作画面M1と、警告メッセージを表示するヘルプダイアログD1等を表示し、これら画面を介した入力を受け付けるためのプログラム等がインストールされている。
【0093】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部41が接続されており、ユーザが入力部41を使用することにより、情報処理ユニット4に指示およびデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部42に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部42に出力する。
【0094】
表示部42は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。表示部42には、後述する操作画面M1と、ヘルプダイアログD1の他、各種プログラム画面が表示される。また、通信インターフェース408により、搬送ユニット2と測定ユニット31、32に対してデータの送受信が可能となる。
【0095】
図9は、情報処理ユニット4のCPU401によるラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0096】
まずは、ラックLの保持位置1〜2に配置された容器の種別によって、ラックLについて、洗浄およびシャットダウン処理を行うか検体処理を行うかが判断される。
【0097】
具体的には、CPU401は、右テーブル21にラックLがセットされると、ラック送込機構21aにより、ラックLをラック搬送部23の送込位置P1へ搬送する(S1)。そして、CPU401は、ラックLの保持位置1〜2が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように、ラックLを順次搬送する(S2)。このとき、バーコードユニットB2によって、保持位置1における容器の有無が判定され、さらに、保持位置1に設置された容器のバーコード情報が読み取られる。これにより、CPU401は、保持位置1に検体容器Tがあるかを判定する(S3)。保持位置1に検体容器Tがない場合(S3:NO)、CPU401は、保持位置1または保持位置2に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S4)。S3、S4の判定により、図3(b)に示した、洗浄液容器Cが正常な配置ルールと成り得るか、すなわち、ラックLについて、洗浄・シャットダウン処理が行われ得るか、検体処理が行われ得るかが判断される。
【0098】
保持位置1に検体容器Tがなく(S3:NO)、かつ、保持位置1または2に洗浄液容器Cがある場合(S4:YES)、さらに、CPU401は、保持位置2に検体容器Tがあるかを判定する(S11)。保持位置2に検体容器Tがない場合(S11:NO)、少なくとも、保持位置1、2が、図3(b)に示した、洗浄液容器Cの正常な配置ルールであることが判定される。この場合、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を実行し、保持位置1、2に後続する保持位置3〜10における容器の有無に応じた処理を実行する(S12)。洗浄・シャットダウン処理(S12)の詳細については、図11を参照して、後述する。
【0099】
S11において、保持位置2に検体容器Tがあると判定されると(S11:YES)、保持位置1に洗浄液容器Cがあり、保持位置2に検体容器Tがあることになる。この場合、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を中止し、図10(a)に示すように、表示部42の操作画面M1にヘルプダイアログD1を表示させて、検体検知警告メッセージEr1を表示する。(S13)。
【0100】
図10(a)には、検体検知警告メッセージEr1が表示される場合の操作画面M1と、ヘルプダイアログD1の表示内容が示されている。
【0101】
操作画面M1には、洗浄液容器Cの後続の保持位置に検体が検知されたことにより、ステータス通知部P11の色が、正常を示す緑色からエラーを示す赤色となっている。また、エラーメッセージ表示領域P12には、検体検知警告メッセージEr1として、“セルクリーンオート以外の検体がセットされています”のメッセージが表示されている。また、操作画面M1の上部にヘルプダイアログD1が表示されている。
【0102】
ヘルプダイアログD1には、エラーメッセージリストD11と、取扱説明書表示ボタンD12と、詳細手順表示ボタンD13と、閉じるボタンD14と、確認ボタンD15が表示されている。エラーメッセージリストD11には、操作画面M1のエラーメッセージ表示領域P12と同様のエラーメッセージが表示されている。また、エラーメッセージリストD11の、下のアクション欄には、検体検知警告メッセージEr1が表示されたときの動作として、ラックLの容器を確認して、確認ボタンD15を押すことを案内するメッセージが表示されている。
【0103】
取扱説明書表示ボタンD12が押下されると、検体検知警告メッセージEr1についての原因、対処、エラー復帰条件等の情報が記載された電子マニュアルの該当ページが、表示される。詳細手順表示ボタンD13が押下されると、検体検知警告メッセージEr1についての対処方法(操作手順)が記載された電子マニュアルの該当ページが、表示される。閉じるボタンD14が押下されると、ヘルプダイアログD1が閉じられる。確認ボタンD15が押下されると、図9のS14に処理が進められる。
【0104】
図9に戻り、検体検知警告メッセージEr1のヘルプダイアログD1にて、確認ボタンD15が押下されると、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4へ搬送する(S14)。
【0105】
そして、CPU401は、右テーブル21に後続のラックLがあるかを判定する(S15)。後続のラックLがある場合(S15:YES)、処理がS1に戻され、上述の処理が繰り返される。後続のラックLがない場合(S15:NO)、全てのラックLについて、処理が完了する。
【0106】
このように、ラックLの保持位置1に洗浄液容器Cがあり、保持位置2に検体容器Tがある場合は、洗浄・シャットダウン処理は行われない。すなわち、ラックLが左テーブル22に排出されて、洗浄液容器Cに収容された洗浄液の、対応する測定ユニットへの供給がスキップされる。このとき、ラックLが左テーブル22に排出されるため、同じラックLに配置された保持位置2の検体容器Tの測定処理もスキップされる。
【0107】
他方、S3において、保持位置1に検体容器Tがあると判定した場合(S3:YES)、CPU401は、さらに、保持位置2に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S21)。保持位置2に洗浄液容器Cがない場合(S21:NO)、少なくとも、保持位置1、2に、洗浄液容器Cが設置されていないことになる。この場合、CPU401は、通常検体処理を実行し、保持位置1、2に後続する保持位置3〜10における容器の有無に応じた処理を実行する(S22)。通常検体処理(S22)の詳細については、図12を参照して、後述する。
【0108】
また、保持位置1に検体容器Tがなく(S3:NO)、かつ、保持位置1または2に洗浄液容器Cがない場合(S4:NO)、保持位置1に容器がなく、保持位置2に容器がな
いか検体容器Tがあることになる。この場合も、少なくとも、保持位置1、2に洗浄液容器Cが設置されていないこととなるため、CPU401は、通常検体処理を実行する(S22)。
【0109】
また、保持位置1に検体容器Tがあって(S3:YES)、かつ、保持位置2に洗浄液容器Cがある場合(S4:YES)、CPU401は、図10(b)に示すように、表示部42の操作画面M1にヘルプダイアログD1を表示させて、洗浄液検出位置警告メッセージEr2を表示する。(S23)。
【0110】
図10(b)には、洗浄液検出位置警告メッセージEr2が表示される場合の操作画面M1と、ヘルプダイアログD1の表示内容が示されている。
【0111】
操作画面M1には、図3(b)に示した洗浄液容器Cの配置ルールとは異なった配置で洗浄液容器Cが検知されたことにより、ステータス通知部P11の色が、正常を示す緑色からエラーを示す赤色となっている。また、エラーメッセージ表示領域P12には、洗浄液検出位置警告メッセージEr2として、“セルクリーンオートが正しい位置にセットされていません”のメッセージが表示されている。また、操画面M1の上部にヘルプダイアログD1が表示されている。
【0112】
ヘルプダイアログD1には、図10(a)に示した検体検知警告メッセージEr1が表示されたときと同様にエラーメッセージリストD11と、各種ボタンが表示されている。各種ボタンの動作は、検体検知警告メッセージEr1のときと同様である。エラーメッセージリストD11には、操作画面M1のエラーメッセージ表示領域P12と同様のエラーメッセージが表示されている。また、エラーメッセージリストD11の下のアクション欄には、洗浄液検出位置警告メッセージEr2が表示されたときの動作として、確認ボタンD15を押すことで、洗浄液容器C(セルクリーンオート)の吸引がスキップされることを案内するメッセージが表示されている。確認ボタンD15が押下されると、図9のS22に処理が進められ、CPU401は、通常検体処理を実行する(S22)。
【0113】
そして、ラックLについて、通常検体処理S22が所定の処理まで完了し、次のラックLが送り込み可能になると、CPU401は、右テーブル21に後続のラックがあるかを判定する(S15)。具体的には、次のラックLが送り込み可能になるタイミングは、ラックLの所定本数の検体容器Tの再検要否が取得されることによって、先行のラックLをラック搬送部23の送込位置P1に掛かる位置に位置付ける必要がなくなったタイミングである。たとえば、先行ラックLについて、6本目まで、再検要否が取得されると、先行ラックLは、送込位置P1に掛かる位置に戻されることがなくなり、後続のラックLを送込位置P1に位置付けることができる。
【0114】
かかる状況において、後続のラックLがある場合(S15:YES)、処理をS1に戻すことで、後続ラックLを送込位置P1へ搬送し、上述の処理が繰り返され、検体処理または洗浄処理が行われる。
【0115】
後続のラックLがない場合(S15:NO)、全てのラックLについて、処理が完了する。
【0116】
図11は、図9のS12の洗浄・シャットダウン処理時におけるCPU401によるラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0117】
図9に示した処理によって、ラックLの保持位置1、2が図3(b)に示した洗浄液容器Cの正常な配置ルールであると判断されると、CPU401は、当該洗浄液容器Cの配
置に対応する測定ユニットの洗浄予約を行う(S101)。たとえば、保持位置1および保持位置2の両方に洗浄液容器Cがセットされている場合は、測定ユニット31、32に洗浄の予約がなされ、保持位置1にのみ洗浄液容器Cがセットされている場合は、測定ユニット31のみに洗浄の予約がなされる。
【0118】
次に、CPU401は、後続の保持位置3〜10が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように順次搬送する(S102)。このとき、バーコードユニットB2によって、各保持位置における容器の有無が判定され、さらに、各保持位置に設置された容器のバーコード情報が読み取られる。その結果に基づき、CPU401は、各保持位置に容器がセットされている否かを判定する(S103)。当該保持位置に容器がセットされていない場合(S103:YES)、処理がS108に進められる。また、当該保持位置に容器がセットされている場合(S103:NO)、CPU401は、当該保持位置に洗浄液容器Cがあるか否かを判定する(S104)。
【0119】
当該保持位置に洗浄液容器Cがある場合(S104:YES)、CPU401は、正常な配置ルール以外の保持位置に洗浄液容器Cが設置されたと判断し、図10(b)に示すように洗浄液検出位置警告メッセージEr2を表示する(S105)。洗浄液検出位置警告メッセージEr2のヘルプダイアログD1にて、確認ボタンD15が押下されると、CPU401は、当該保持位置に設置された洗浄液容器Cをスキップし、処理をS108に進める。
【0120】
他方、当該保持位置に洗浄液容器Cがない場合(S104:NO)、すなわち、当該保持位置に検体容器Tがある場合、CPU401は、予約された洗浄・シャットダウン処理を中止し、図10(a)に示すように検体検知警告メッセージEr1を表示する(S106)。検体検知警告メッセージEr1のヘルプダイアログD1にて、確認ボタンD15が押下されると、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4へ搬送する(S107)。そして、回収位置P4に搬送されたラックLは、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出され、当該ラックLに対する処理が完了する。
【0121】
このように、ラックLの保持位置1、2に正しい配置ルールで洗浄液容器Cが配置されている場合であっても、その後続の保持位置3〜10に検体容器Tが含まれる場合は、洗浄・シャットダウン処理は行われない。このとき、ラックLが左テーブル22に排出されるため、同じラックLに配置された保持位置3〜10の検体容器Tの測定処理も行われない。また、後続の保持位置3〜10に洗浄液容器Cが含まれる場合は、当該洗浄液容器Cはスキップされ、正しくセットされた洗浄液容器Cによる洗浄処理(S110)が行われる。
【0122】
以上の処理が保持位置3〜10の全てのバーコードの読み取りが完了するまで、繰り返される(S108:NO)。保持位置3〜10の全てのバーコードの読み取りが完了すると(S108:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、洗浄予約された測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに洗浄液容器Cを搬送する(S109)。そして、洗浄予約された測定ユニット31、32において、対応する洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S110)。なお、洗浄は、付け置き洗い等が含まれ、長時間を掛けて行われる。洗浄処理が完了すると、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4へ搬送する(S111)。そして、回収位置P4に搬送されたラックLは、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。その後、CPU401は、測定ユニット31、32の両方の洗浄が完了した場合、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4をシャットダウンする(S112)。なお、測定ユニット31、32の片方のみが洗浄される場合は、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4のシャットダウンは実行されず、測定ユニット31、32の両方の洗浄が完
了したタイミングでシャットダウンされる。このようにして、測定ユニットの洗浄処理およびシャットダウン処理を行い、処理を完了する。
【0123】
図12は、図9のS22の通常検体処理時におけるCPU401によるラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0124】
図9に示した処理によって、ラックLの保持位置1、2が通常検体処理を行う配置であると判断されると、CPU401は、後続の保持位置3〜10が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように順次搬送する(S201)。このとき、バーコードユニットB2によって、各保持位置における容器の有無が判定され、さらに、各保持位置に設置された容器のバーコード情報が読み取られる。その結果に基づき、CPU401は、各保持位置に容器がセットされているか否かを判定する(S202)。当該保持位置に容器がセットされていない場合(S202:YES)、処理がS205に進められる。また、当該保持位置に容器がセットされている場合(S202:NO)、CPU401は、当該保持位置に検体容器Tがあるか否かを判定する(S203)。
【0125】
当該保持位置に検体容器Tがある場合(S203:YES)、処理がS205に進められる。また、当該保持位置に検体容器Tがない場合(S203:NO)、すなわち、当該保持位置に洗浄液容器Cがある場合、CPU401は、正常な配置ルール以外の保持位置に洗浄液容器Cが設置されたと判断し、図10(b)に示すように洗浄液検出位置警告メッセージEr2を表示する(S204)。洗浄液検出位置警告メッセージEr2のヘルプダイアログD1にて、確認ボタンD15が押下されると、CPU401は、当該保持位置に設置された洗浄液容器Cをスキップし、処理をS205に進める。
【0126】
このように、ラックLの保持位置1、2に洗浄液容器Cが含まれず、検体処理を行う配置であっても、後続の保持位置3〜10が洗浄液容器Cであった場合は、洗浄液容器Cはスキップされ、正しくセットされた検体容器Tのみが測定ユニット31、32によって処理される。
【0127】
以上の処理が保持位置3〜10の全てのバーコードの読み取りが完了するまで、繰り返される(S205:NO)。保持位置3〜10の全てのバーコードの読み取りが完了すると(S205:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aまたは測定ユニット32の取込位置P32aに検体容器Tを順次搬送する(S206)。上述したように、検体容器Tは、搬送方向の下流から順に、測定ユニット31、32の順に割り振られる。また、測定ユニット31、32の両方が測定中の場合は、測定が完了するまで待機する。保持部に容器がない、もしくは、保持部に洗浄液容器Cが設置されている場合は、当該保持部はスキップされる。そして、CPU401は、測定ユニット31、32において、搬送された検体容器Tを用いた測定処理を行い(S207)、適宜、再検処理を行う。
【0128】
こうして、検体の測定処理および再検処理が完了すると、CPU401は、ラックLに収容された全ての検体容器Tについて、検体の測定および再検が完了したかを判定する(S208)。全ての検体の測定および再検が完了していない場合(S211:NO)、S206、S207の処理が繰り返される。全ての検体の測定および再検が完了すると(S208:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4へ搬送する(S209)。そして、回収位置P4に搬送されたラックLは、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出され、当該ラックLに対する通常検体処理が完了する。
【0129】
図13は、上述の処理によって出力される警告メッセージを検体容器Tと洗浄液容器C
の配置例別に示す図である。
【0130】
図13(a)に示すように、保持位置1、2に正常な配置ルールで洗浄液容器Cが保持されている場合でも、洗浄液容器Cの保持位置よりも上流側に検体容器Tが含まれると、図13(d)に示す検体警告メッセージEr1が表示され、洗浄・シャットダウン処理が中止される。この場合、洗浄液容器Cに収容された洗浄液の吸引がスキップされ、ラックLが左テーブル22に排出される。したがって、検体容器Tに対する処理もスキップされる。
【0131】
また、図13(b)に示すように、保持位置1、2に正常な配置ルールで洗浄液容器Cが保持されており、それよりも上流側に、さらに、洗浄液容器Cが含まれる場合には、図13(e)に示す洗浄液検出位置警告メッセージEr2が表示され、正常な配置位置にない洗浄液容器Cに対する洗浄液の吸引がスキップされる。この場合、正常に配置された洗浄液容器Cによる洗浄が実行される。
【0132】
さらに、図13(c)に示すように、検体容器Tが洗浄液容器Cに先行し、あるいは、洗浄液容器Cが正常な配置位置にない場合、図13(e)に示す洗浄液検出位置警告メッセージEr2が表示され、全ての洗浄液の吸引がスキップされる。この場合、検体容器Tに対する処理は、実行される。
【0133】
なお、本実施の形態において、洗浄・シャットダウン処理が中止されると、洗浄液容器Cは測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けられず、ラックLが回収位置P4に搬送される。
【0134】
以上、本実施の形態によれば、洗浄液容器Cに検体容器Tが後続する場合、測定ユニット31、32に対する洗浄液容器Cの供給がスキップされるため、自動的に洗浄が開始されることを回避できる。よって、ユーザは、検体容器Tに対する処理を適宜円滑に行うことができる。
【0135】
また、本実施の形態によれば、洗浄液容器Cの供給がスキップされる場合、検体容器Tの供給もスキップされ、ラックLが左テーブル22に排出されるため、ラックLに配置された容器について、検体の処理を行うか、洗浄の処理を行うかを、ユーザにより判断して、後続の処理を行うことができる。
【0136】
また、本実施の形態によれば、洗浄液容器Cをスキップする場合、情報処理ユニット4の表示部42に、検体検知警告メッセージEr1が表示されるため、ユーザは、洗浄液容器Cの装着に不備があったことを容易に知ることができる。また、ユーザは、警告メッセージを確認しながら、警告を解除するための処理を実行させることができる。
【0137】
また、本実施の形態によれば、洗浄を実行した後、測定ユニット31、32が自動的にシャットダウンされ、さらに、情報処理ユニット4が自動的にシャットダウンされるため、ユーザは、長時間の洗浄処理を待って、装置の電源を手動でシャットダウンさせる操作を省略することができる。これにより、ユーザの手間が軽減され得る。
【0138】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0139】
たとえば、上記実施の形態では、検体の測定および分析を行う、検体分析装置1を例示したが、検体の測定または処理のみが行われる、検体処理装置にも本発明を適用することができる。
【0140】
また、上記実施の形態では、測定ユニットとして血球計数装置を例示したが、測定ユニットは尿分析装置であってもよいし、血液凝固分析装置であってもよい。
【0141】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32のハンド部31a、32aによって、検体容器Tが内部に取り込まれた後に、ピアサ31d、32dによって、検体が吸引される検体分析装置1を例示したが、検体容器Tを内部に取り込まず、取込位置P31a、P32aにピアサが設けられ、ラック搬送部23上の検体容器Tの検体を吸引する検体分析装置にも本発明を適用することができる。
【0142】
また、上記実施の形態では、ラック搬送部23を制御し、洗浄液容器Cを測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けず、回収位置P4に位置付けることで、測定ユニット31、32への洗浄液の供給をスキップさせたが、ラック搬送部23は、取込位置P31a、P32aには、位置付けるが、測定ユニット31、32のハンド部31a、32aが、ラックLの保持部の洗浄液容器Cを内部に取込まないことによって、洗浄液の供給がスキップされてもよい。また、ハンド部31a、32aによって、洗浄液容器Cを内部に取り込むが、容器搬送部31c、32cが洗浄液容器Cを吸引位置P31c、P32cに位置付けない、または、ピアサ31d、ピアサ32dによって、洗浄液を吸引しないことによって、洗浄液の供給がスキップされてもよい。
【0143】
また、上記実施の形態では、2つの測定ユニット31、32を備える検体分析装置1を例示したが、測定ユニットが3つ以上配置されていても良く、測定ユニットのほか、塗抹標本作成装置が備えられてもよい。また、図14の変更例1に示すように、1つの測定ユニット503を備える検体分析装置500であってもよい。この場合、搬送ユニット502は、ラック搬送部521が、上記実施の形態よりも短く構成されるが、情報処理ユニット504およびその他の構成は、上記と同様に構成される。
【0144】
図15(a)は、変更例1の場合の洗浄液容器CのラックL上の配置ルールを示す図である。洗浄液容器Cは、搬送方向の最も下流側に位置する保持位置1に設置される。
【0145】
図15(b)は、変更例1の場合のラックLの制御動作の流れを示す図である。なお、図9に示した、上記実施の形態の場合と同様の処理については、同様の符号が付されており、詳細な説明は省略する。
【0146】
変更例1の場合、保持位置1に配置された容器の種別によって、洗浄およびシャットダウン処理を行うか検体処理を行うかが判断される。
【0147】
CPU401は、ラックLが送込位置P1へ搬送されると(S1)、ラックLの保持位置1が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように搬送する(S71)。そして、CPU401は、バーコードユニットB2によって、保持位置1に設置された容器のバーコード情報が読み取られ、保持位置1に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S72)。保持位置1に洗浄液容器Cがある場合(S72:YES)、保持位置1が、図15(a)に示した、洗浄液容器Cの正常な配置ルールであることが判定される。この場合、さらに、保持位置1に後続する保持位置2〜10における容器の有無に応じた処理を実行する(S12)。保持位置1に洗浄液容器Cがない場合(S72:NO)、洗浄が実施される配置ではないと判定される。この場合、CPU401は、通常検体処理を実行し、保持位置1に後続する保持位置2〜10における容器の有無に応じた処理を実行する(S22)。なお、洗浄・シャットダウン処理S12における後続の保持位置判定ステップS102〜S108(図11参照)、および通常検体処理S22における後続の保持位置判定ステップS201〜S205(図12参照)は、保持位置2を含むように修正
され、保持位置2〜10が判定対象とされるが、ここでは、図示省略する。
【0148】
こうすることで、変更例1では、測定ユニットが1台の構成であっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
【0149】
また、上記実施の形態では、洗浄液容器Cよりも上流に検体容器Tが保持されている場合、洗浄液容器Cと検体容器Tの測定ユニット31、32への供給がスキップされ、ラックLが回収位置P4へ搬送されたが、図16の変更例2に示すように、洗浄液容器Cのみをスキップし、上流に配置された検体容器Tを、測定ユニット31、32に供給し、測定処理が実行されてもよい。
【0150】
図16(a)は、図9の一部を変更する図、図16(b)は図11の一部を変更する図である。
【0151】
図16(a)を参照して、変更例2の場合、保持位置2が検体容器Tの場合(S11:YES)、CPU401は、図16(c)に示すように検体検知警告メッセージEr3を表示する(S81)。ヘルプダイアログD1には、洗浄液容器Cの処理をスキップして、検体の測定を優先する旨のメッセージが表示される。そして、ヘルプダイアログD1の確認ボタンD15が押下されると、CPU401は、検知した保持位置1の洗浄液容器Cの処理をスキップする(S82)。この場合、CPU401は、通常検体処理を実行し、保持位置1に後続する保持位置2〜10における容器の有無に応じた処理を実行する(S22)。
【0152】
また、図16(b)を参照して、変更例2の場合、保持位置3〜10の保持位置に洗浄液容器Cがない場合、すなわち、保持位置3〜10の保持位置に検体容器Tがある場合、(S104:NO)、図16(c)に示すように検体検知警告メッセージEr3を表示する(S181)。ヘルプダイアログD1には、洗浄液容器Cの処理をスキップして、検体の測定を優先する旨のメッセージが表示される。そして、ヘルプダイアログD1の確認ボタンD15が押下されると、検知した保持位置1の洗浄液容器Cの処理をスキップする(S182)。この場合、CPU401は、通常検体処理を実行し、当該保持位置に後続する保持位置における容器の有無に応じた処理を実行する(S201)。
【0153】
変更例2の場合、洗浄液容器Cがスキップされた後、確認ボタンD15を押下することで、自動的に後続の検体容器Tの処理が開始されるため、ユーザが再度、検体容器Tのみを設置したラックLを右テーブル21にセットする手間を軽減することができる。
【0154】
また、上記実施の形態および変更例2では、洗浄液容器Cをスキップした後、洗浄液容器Cは、自動的に、測定ユニット31、32に供給されずに左テーブル22に排出されるが、図17に示す変更例3のように、洗浄液容器Cをスキップし、検体容器Tの処理を行った後、さらに、洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給されるようにしてもよい。この形態は、1つのラックLに洗浄液容器Cと検体容器Tとが混在している場合であれば、検体容器Tを先に測定ユニット31、32に供給し、最後に洗浄液容器Cを測定ユニット31、32に供給することで実現できる。また、先行のラックLに洗浄液容器Cが保持され、後続のラックLに検体容器Tが保持されている場合であれば、次のようにして実現できる。先行のラックLを搬送スペース231に待機させておき、後続のラックLの検体容器Tを測定ユニット31、32に順次供給する。そして、後続のラックLのすべての検体容器Tの供給が終わったら、後続のラックLを先に左テーブル22に排出し、最後に、先行ラックLを測定ユニット31、32に供給する。
【0155】
図17は、上記のように、1つのラックLに洗浄液容器Cと検体容器Tとが混在してい
る場合のラックLの制御動作の流れを示す図である。なお、図17においては、便宜上、警告メッセージの表示処理が省略されているが、上記実施の形態と同様に、ラックLに配置された容器の順序が正常な配置ルールと異なる場合、表示部42に警告メッセージが表示されてもよい。
【0156】
まず、CPU401は、上記実施の形態と同様に、ラックLを送込位置P1へ搬送し(S501)、ラックLの保持位置1〜10が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように、ラックLを順次搬送する(S502)。そして、CPU401は、読み取ったバーコード情報に基づき、保持位置1、2に配置された容器が洗浄処理を行う配置であるかを判定する(S503)。具体的には、図9のS3、S4およびS21の判定処理を行う。
【0157】
保持位置1、2に配置された容器が洗浄処理を行う配置でない場合(S503:NO)、CPU401は、上記実施の形態と同様にして、ラックLに配置された検体容器Tの測定処理を順次行う(S504〜S506)。測定処理が完了すると(S506:YES)、CPU401は、ラックLを回収位置P4に搬送し(S507)、後続ラックの有無の判定を行う(S508)。そして、後続ラックLがある場合(S508:YES)、CPU401は、処理をS1に戻し、後続ラックLがない場合(S508:NO)、全てのラックLについて、処理が完了する。
【0158】
他方、保持位置1、2に配置された容器が洗浄処理を行う配置である場合(S503:YES)、CPU401は、検体容器Tが洗浄液容器Cに後続する保持位置に配置されているかを判定する(S509)。検体容器Tが洗浄液容器Cに後続しない場合(S509:NO)、CPU401は、処理をS513に進める。検体容器Tが洗浄液容器Cに後続する場合(S509:YES)、CPU401は、洗浄液容器Cの洗浄処理を行う前に、ラックLに配置された検体容器Tの測定処理を順次行う(S510〜S512)。
【0159】
そして、CPU401は、測定処理が完了すると(S512:YES)、ラックLに配置された洗浄液容器Cを用いて、測定ユニット31、32の洗浄処理を行う(S513、S514)。
【0160】
こうして、ラックLに配置された検体容器Tの測定処理が完了した後に、洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が完了すると、CPU401は、上述の如く、ラックLを回収位置P4に搬送する(S515)。そして、CPU401は、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4をシャットダウンし(S516)、処理を完了する。
【0161】
このように、変更例3の場合、一旦、洗浄液容器Cをスキップして、検体容器Tの測定処理を行った後、再び洗浄液容器Cを用いて洗浄を実行するため、ユーザが再度、洗浄液容器Cのみを設置したラックLを右テーブル21にセットする手間を軽減することができる。
【0162】
また、上記実施の形態および変更例2では、洗浄液容器Cをスキップする際、検体検知警告メッセージEr1、Er3が表示され、確認ボタンD15が押下されることにより、後続の処理が実行されたが、確認ボタンD15を押下しなくとも、後続の処理が実行されるようにしてもよいし、警告メッセージが表示されなくてもよい。
【0163】
ユーザが洗浄液容器Cの配置ルールを十分に把握しているときは、このような警告メッセージを表示せず、自動的に後続の処理が実行されるようにすることで、円滑に後続の処理を実施できる。
【0164】
また、上記実施の形態では、検体容器Tおよび洗浄液容器Cは、ラックLに設置されて、測定ユニット31、32に供給されたが、ラックLに設置されず、検体容器Tおよび洗浄液容器Cが1本ずつ直接ラック搬送部23に設置されて搬送され、測定ユニット31、32に供給されてもよい。
【0165】
また、上記実施の形態では、ラックLは、容器10本分の保持部を備えたが、保持部の数は、他の数であってもよい。また、洗浄液容器Cの配置ルールは、ラックLの搬送方向の最も下流に位置付けられたが、他の位置に位置付けられてもよい。たとえば、保持位置5、6に洗浄液容器Cが配置されるルールの場合、それよりも上流の保持位置7〜10に検体容器Tが含まれている場合に、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされる。
【0166】
さらには、ラックL上の洗浄液容器Cの配置ルールが決められておらず、洗浄液容器Cが到来すると自動的に洗浄動作が実行される構成であってもよい。この場合も、洗浄液容器Cに検体容器Tが後続する場合に、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされる。
【0167】
なお、配置ルールに従って洗浄液容器CがラックLに保持されている場合に、さらに、後続のラックLに検体容器Tが含まれているかが判断され、検体容器Tが含まれている場合に、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされるようにしても良い。こうすると、たとえば、最も上流の保持位置9、10に洗浄液容器Cが配置されるルールが用いられる場合にも、ラックを跨いで後続する検体の処理が円滑に行われ得る。
【0168】
図18は、先行のラックLに洗浄液容器Cが配置されており、後続のラックLに検体容器Tが配置されている場合、先行のラックLの洗浄液の供給をスキップし、後続のラックLの検体が測定ユニット31、32に供給される変更例4の場合の流れを示す図である。
【0169】
図18(a)を参照して、変更例4の場合、図9に示したS11がNOと判定されると、CPU401は、後続ラックLがあるか否かを判定する(S91)。後続ラックLがない場合(S92:NO)、処理がS13に進められ、洗浄・シャットダウン処理が行われる。後続ラックLがある場合(S91:YES)、CPU401は、後続ラックLに対する処理(S1)を進め(S92)、後続ラックLに対する容器判定が完了するまで先行ラックLに対する処理を待機する(S93)。そして、後続ラックLに対する容器判定が完了すると(S93:YES)、後続ラックLに対する処理が通常検体処理であったかを判定する(S94)。
【0170】
後続ラックLに対する処理が通常検体処理である場合(S94:YES)、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を中止し、図10(a)に示すように検体検知警告メッセージEr1を表示する(S95)。検体検知警告メッセージEr1のヘルプダイアログD1にて、確認ボタンD15が押下されると、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4へ搬送する(S96)。そして、CPU401は、右テーブル21にさらに後続するラックがあるかを判定し(S15)、後続するラックLがあれば(S15:YES)、処理をS1に戻して、当該ラックLに対する処理を行う。さらに後続するラックLがない場合(S15:NO)、処理が完了する。
【0171】
他方、S94において、後続ラックLに対する処理が通常検体処理でないと判定されると(S94:NO)、処理がS12に進められ、先行ラックLによる洗浄・シャットダウン処理が行われる。このとき、後続ラックLは、左テーブル22に排出される。そして、回収位置P4に搬送された先行ラックLは、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出され、先行ラックLに対する処理が完了する。
【0172】
このように、変更例4では、洗浄液が保持された先行ラックLの後続ラックLに検体容器Tが保持されている場合、測定ユニット31、32に対する先行ラックLの洗浄液容器Cの供給がスキップされ、自動的に洗浄が開始されることを回避できる。また、この場合、自動的に後続ラックLの検体容器Tの処理が開始されるため、ユーザが再度、後続ラックLを右テーブル21にセットする手間を軽減することができる。
【0173】
なお、図18のフローチャートでは、後続ラックLに対する処理が通常検体処理である場合、先行ラックLを用いた洗浄・シャットダウン処理を中止するようにしたが、先行ラックLによる洗浄・シャットダウン処理の対象が測定ユニット31、32の何れか一方のみである場合は、先行ラックLによる洗浄・シャットダウン処理を実行させ、後続ラックLに対する通常検体処理は、洗浄・シャットダウン処理の対象とされなかった測定ユニットによって実行するようにしても良い。
【0174】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットB2によって、容器の有無と、検体容器T、洗浄液容器Cの種別が識別されたが、他の識別手段で識別されてもよい。たとえば、容器に検体IDと洗浄液IDを示すICチップが配され、ICチップリーダが用いられてもよいし、検体と洗浄液で容器の形状を異ならせることによって、形状を識別する光センサが用いられてもよい。また、線状のバーコードに代えて、QRコード(登録商標)のように点を配置した二次元コードを用いてもよい。
【0175】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32の洗浄を実行した後、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4が自動的にシャットダウンを行うようにされたが、シャットダウンでなく、再起動であってもよいし、情報処理ユニット4のアプリケーションによって、ユーザがシャットダウンを行うか再起動を行うかを設定可能となっていてもよい。
【0176】
また、上記実施の形態では、分析結果をホストコンピュータ5に送信し、ホストコンピュータ5が再検の要否を判定し、情報処理ユニット4が再検の要否を取得したが、情報処理ユニット4によって再検の要否が判定されてもよい。
【0177】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32がそれぞれ、検体の測定と、再検の処理を行ったが、上流側の測定ユニット32が、検体測定の処理のみを行い、下流側の測定ユニット31が、再検の処理のみを行うように構成されてもよい。
【0178】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0179】
1 … 検体分析装置(検体処理装置)
2 … 搬送ユニット(搬送部)
31、32 … 測定ユニット(検体処理部)
42 … 表示部(出力部)
401 … CPU(制御部)
B2 … バーコードユニット(識別手段)
T … 検体容器
C … 洗浄液容器
L … ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を処理する検体処理装置において、
検体容器に収容された検体を吸引して処理する検体処理部と、
複数の容器を搬送して前記検体処理部に容器を順次供給する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別する識別手段と、
前記識別手段によって洗浄液容器が識別されると、前記洗浄液容器を前記検体処理部に供給し、前記洗浄液容器から洗浄液を吸引して自動的に洗浄を実行するよう前記搬送部および前記検体処理部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記識別手段によって前記洗浄液容器が識別されてから洗浄が実行されるまでの間に、前記識別手段によって検体容器が識別された場合、前記洗浄液容器を用いた洗浄を中止する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記検体容器の処理も中止する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記検体容器から検体を吸引して処理を実行するよう前記搬送部および前記検体処理部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記検体容器から検体を吸引して処理を実行した後、再び前記洗浄液容器を用いた洗浄を実行するよう前記搬送部および前記検体処理部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4に記載の検体処理装置において、
前記搬送部は、複数の容器を保持可能なラックを搬送するように構成されている、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検体処理装置において、
前記識別手段は、搬送されるラックに並んで保持された複数の容器を、搬送方向の下流側から順に識別する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の検体処理装置において、
前記搬送部は、同一搬送経路上で二つのラックを搬送可能であり、
前記識別手段は、二つのラックにおける容器の種類を連続して識別する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の検体処理装置において、
出力部をさらに備え、
前記制御部は、洗浄を中止した場合、前記出力部に、警告を出力させる、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理部は、洗浄を実行した後、自動的にシャットダウンを行う、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記検体処理装置は、検体を処理して分析を行う検体分析装置である、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項11】
検体を処理する検体処理装置において、
検体容器に収容された検体を吸引して処理する検体処理部と、
複数の容器を搬送して前記検体処理部に容器を順次供給する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別する識別手段と、
前記識別手段によって洗浄液容器が識別され、且つ洗浄液容器に後続して検体容器が識別されなければ、その洗浄液容器から洗浄液を自動的に吸引して洗浄を実行するよう検体処理部および搬送部を制御し、前記識別手段によって洗浄液容器が識別され、且つ洗浄液容器に後続して検体容器が識別されれば、その洗浄液容器を用いた洗浄以外の動作を実行するよう検体処理部および搬送部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の検体処理装置において、
前記洗浄以外の動作は、
前記洗浄液容器および前記検体容器を、前記検体処理部に供給されないように前記搬送部によって搬送する動作、
前記洗浄液容器を前記検体処理部に供給せずに前記搬送部によって搬送するとともに、前記搬送部によって前記検体容器を前記検体処理部に供給して処理する動作、または
前記検体容器を前記洗浄液容器よりも先に前記搬送部によって前記検体処理部に供給して処理した後、前記搬送部によって前記洗浄液容器を前記検体処理部に供給して洗浄を実行する動作のいずれかである、
ことを特徴とする検体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−72744(P2013−72744A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211828(P2011−211828)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】