説明

樹脂成形体およびその製造方法

【課題】厚みが薄く、かつ裏側の面が平坦な樹脂成形体を提供する。
【解決手段】内側に空間を有する外殻部18を備える第1の樹脂層14と、光硬化性樹脂60からなり、空間を埋めるように第1の樹脂層14の裏側に積層される第2の樹脂層16と、を有する樹脂成形体10において、第2の樹脂層16を、第1の樹脂層14の裏側に光硬化性樹脂60を未硬化状態で塗布した後、平滑な面を有する離型体62を光硬化性樹脂60の裏面に貼り合わせ、光硬化性樹脂60に光を照射して光硬化性樹脂60を硬化させた後、硬化した光硬化性樹脂60から離型体62を剥離することにより平坦な面に形成される層とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、押ボタンシート等の樹脂成形体の製造方法として、最終製品の外形形状に成形された樹脂フィルムの凹部に樹脂を射出して、当該樹脂フィルムと当該樹脂とを一体化する方法が知られている(特許文献1を参照)。また、キートップ部材の製造方法として、表示部が印刷された樹脂シートにキートップの外形形状に合わせた凸部を成形し、該凸部の内側に光硬化性樹脂を注入し、さらに光線を照射して光硬化性樹脂を硬化させる方法が知られている(特許文献2を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−305746号公報(特許請求の範囲、図1〜図4)
【特許文献2】特開2001−148214号公報(発明の詳細な説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている製造方法を用いた場合、樹脂と樹脂フィルムを高圧下で一体化させるため、ゲートを樹脂フィルムに近づけて射出すると、樹脂フィルムが破れてしまう。そのため、キートップ部材の高さをある程度以上に設計しなければならないという制約がある。したがって、キートップ部材の薄型化を図る上で支障がある。
【0005】
また、特許文献2に開示されている製造方法を用いた場合、光硬化性樹脂は硬化時の収縮が大きく、かつ注入される未硬化の状態の光硬化性樹脂は高い表面張力を有するため、平坦な面を有する成形体を製造することは難しい。したがって、キートップの下面を平坦にするために、別のシートを貼り付ける必要がある。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、厚みが薄く、かつ裏側の面が平坦な樹脂成形体およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、内側に空間を有する外殻部を備える第1の樹脂層と、光硬化性樹脂からなり、空間を埋めるように第1の樹脂層の裏側に積層される第2の樹脂層と、を有する樹脂成形体において、第2の樹脂層は、第1の樹脂層の裏側に光硬化性樹脂を未硬化状態で塗布した後、平滑な面を有する離型体を光硬化性樹脂の裏面に貼り合わせ、光硬化性樹脂に光を照射して光硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した光硬化性樹脂から離型体を剥離することにより平坦な面に形成される層である。
【0008】
このように構成した場合には、外殻部の空間内に第2の樹脂層が埋められているため、外殻部の強度を向上させつつ樹脂成形体全体の強度を向上させることが可能となる。その結果、樹脂成形体の信頼性、寸法安定性および剛性を高めることができる。また、光硬化性樹脂の裏面に平面状の離型体を貼り合わせた後、当該離型体を剥離して第2の樹脂層を形成している。このため、第2の樹脂層の裏面を平坦にすることが可能となる。したがって、樹脂成形体を第2の樹脂層側から他の平滑な面を有する部材の上に載置する場合、安定した状態を維持できる。加えて、第2の樹脂層を外殻部の空間内に確実に埋めることが可能となる。
【0009】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、光硬化性樹脂を、第1の樹脂層の裏側における外殻部以外の領域に塗布したものである。このように構成した場合には、離型体を貼り合わせることにより、塗布された光硬化性樹脂を外殻部の空間内に流し込むことが可能となる。
【0010】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、離型体は、光硬化性樹脂を塗布した側から、第1の樹脂層に対して実質的に平行な状態を保ちながら貼り付けられるものである。
【0011】
このように構成した場合には、光硬化性樹脂を第1の樹脂層上において同じ速度で、かつ一様に拡散させることができる。そのため、外殻部の側方から少量ずつ空間内に光硬化性樹脂を流し込むことが可能となる。その結果、外殻部の空間内に埋められる第2の樹脂層に気泡ができるのを防止できる。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第1の樹脂層が押釦スイッチ部材のキートップ若しくはプランジャーシートの押圧子の外形形状に合わせた外殻部を備える樹脂フィルムであり、第2の樹脂層をその外殻部の内側の空間を埋めるように樹脂フィルムの裏側に積層されるコア層としたものである。このように構成した場合には、外殻部の空間内にコア層が埋められているため、外殻部の強度を向上させつつ、押釦スイッチ部材若しくはプランジャーシート全体の強度を向上させることが可能となる。その結果、押釦スイッチ部材若しくはプランジャーシートの信頼性、寸法安定性および剛性を高めることができる。
【0013】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第2の樹脂層の平坦な面に、さらに加飾層を形成したものである。このように構成した場合には、樹脂成形体の意匠性が向上する。
【0014】
また、本発明の樹脂成形体の製造方法は、第1の樹脂層に、内側に空間を有する外殻部を設けるように成形を行う成形工程と、空間を埋めるように、第1の樹脂層の裏側に光硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、塗布された光硬化性樹脂の表面に、平滑な面を有する離型体を貼り合わせる貼り付け工程と、光硬化性樹脂に光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させ、第2の樹脂層を形成する硬化工程と、第2の樹脂層から離型体を剥離する剥離工程と、を有するものである。
【0015】
このような樹脂成形体の製造方法を用いた場合には、光硬化性樹脂の表面に平面状の離型体を貼り合わせているため、第2の樹脂層の表面を平坦にすることが可能となる。また、第2の樹脂層から離型体を剥離しているため、離型体の厚み分、樹脂成形体の薄型化を図ることが可能となる。
【0016】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、離型体を板状の石英ガラスと樹脂の積層体としたものである。このように構成した場合には、離型体の表面は平滑な面となる。そのため、第2の樹脂層の表面を確実に平坦に保持することが可能となる。また、石英ガラスは紫外線の透過に優れているため、紫外線を第2の樹脂層まで確実に透過することが可能となる。
【0017】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、光硬化性樹脂を、第1の樹脂層の裏側における外殻部以外の領域に塗布したものである。このように構成した場合には、離型体を貼り合わせることにより、塗布された光硬化性樹脂を外殻部の空間内に流し込むことが可能となる。
【0018】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、離型体は、光硬化性樹脂を塗布した側から、第1の樹脂層に対して実質的に平行な状態を保ちながら貼り付けられるものである。
【0019】
このように構成した場合には、光硬化性樹脂を第1の樹脂層上において同じ速度で、かつ一様に拡散させることができる。そのため、外殻部の側方から少量ずつ空間内に光硬化性樹脂を流し込むことが可能となる。その結果、外殻部の空間内に埋められる第2の樹脂層に気泡ができるのを防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、厚みが薄く、かつ裏側の面が平坦な樹脂成形体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る樹脂成形体の一例である押釦スイッチ部材10について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明(各実施の形態に共通)において、図1および図2、図4〜図14並びに図16〜図20に示す矢示X1方向を上、矢示X2方向を下、矢示Y1方向を左、矢示Y2方向を右、矢示Z1方向を表および矢示Z2方向を裏とそれぞれ規定する。また、以下の説明において、外殻部18とは、樹脂フィル部14において、裏側から表側に向かって押し出されるように突出した部分を指すものとする。
【0022】
図1は、押釦スイッチ部材10の斜視図である。図2は、図1におけるA−A線で切断した断面を示す図である。
【0023】
図1に示すように、押釦スイッチ部材10は、携帯電話の押釦の操作に用いられる略長方形の形状を有するパネルである。押釦スイッチ部材10は、数字の「0」から「9」、アスタリスク(*)およびシャープ(#)が印刷された合計12個のキートップ12を有する。当該キートップ12は、操作者が押圧して操作するための領域である。キートップ12は、矩形状を有しており、押釦スイッチ部材10の裏側からその表側に向かって突出している。
【0024】
図2に示すように、押釦スイッチ部材10は、第1の樹脂層である樹脂フィルム14と、その裏側に積層される第2の樹脂層であるコア層16と、から主に構成されている。樹脂フィルム14は、裏側から表側に向かって押し出された外殻部18と、外殻部18以外の平坦な部分である平面部20を有している。外殻部18は、図1におけるキートップ12の一部を構成している。コア層16は、外殻部18の内側を埋めると共に、樹脂フィルム14の裏側全体に行き渡るように積層されている。外殻部18の長さHおよび幅Iの寸法は、それぞれ8mmおよび8mmである(図2および図8を参照)。しかしながら、外殻部18の各寸法は、これらの大きさに限定されるものではない。
【0025】
樹脂フィルム14は、裏側樹脂フィルム22と、その表側に積層される加飾層24と、当該加飾層24の表側に積層される表側樹脂フィルム26と、から主に構成されている。表側樹脂フィルム26は、略長方形の形状をした透光性を有する樹脂製のフィルムである。当該表側樹脂フィルム26は、加飾層24の表側に積層されている。表側樹脂フィルム26の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ABS樹脂またはポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。しかし、表側樹脂フィルム26の素材は、これらの素材に特に限定されるものではない。表側樹脂フィルム26の厚みは、0.05mm以上0.3mm以下の範囲であるのが好ましい。しかしながら、表側樹脂フィルム26の厚みは、これらの範囲内の値に限定されるものではない。
【0026】
加飾層24は、裏側樹脂フィルム22の表側(表側樹脂フィルム26の裏側)に積層されている。具体的には、加飾層24は、表側樹脂フィルム26の裏面側にスクリーン印刷により形成されている。しかしながら、加飾層24の形成方法は、特にスクリーン印刷に限定されるものではない。加飾層24には、押釦スイッチ部材10におけるキートップ12の表示部等を表す模様あるいは色彩が施されている(本実施の形態では、キートップ12に相当する部分に加飾が施されている。)。表側樹脂フィルム26は透明であるため、操作者が押釦スイッチ部材10を表側からみた場合、加飾層24に施された模様、色彩もしくは記号等を視認することが可能である。加飾層24の厚みは、0.1μm以上10μm以下の範囲であるのが好ましい。しかしながら、加飾層24の厚みは、これらの範囲内の値に限定されるものではない。
【0027】
裏側樹脂フィルム22は、表側樹脂フィルム26と略同一の矩形状をした透光性を有する樹脂製のフィルムである。裏側樹脂フィルム22は、加飾層24の裏側に不図示の接着剤を介して積層されている。該裏側樹脂フィルム22は、加飾層24を覆う保護層としての役割を果たしている。裏側樹脂フィルム22の素材としては、例えば、PET、PEN、アクリル樹脂、PC、ABS樹脂またはPBT等の熱可塑性樹脂が挙げられる。しかし、裏側樹脂フィルム22の素材は、これらの素材に特に限定されるものではない。なお、裏側樹脂フィルム22の厚みは、0.03mm以上0.2mm以下の範囲であるのが好ましい。しかしながら、裏側樹脂フィルム22の厚みは、これらの範囲内の値に限定されるものではない。
【0028】
上述したように、樹脂フィルム14の裏側にはコア層16が積層されている。図2に示すように、コア層16は、外殻部18の内部および平面部20の裏側、すなわち樹脂フィルム14の裏側全面に渡って積層されている。また、コア層16の裏面16aは平坦な面となっている。平面部20におけるコア層16の厚み(平面部20における裏側樹脂フィルム22と裏面16aとの間の厚み)Aは、0.001mm以上0.3mm以下の範囲であるのが好ましい。コア層16の素材としては、紫外線硬化性樹脂に代表される光硬化性樹脂を用いるのが好ましい。また、光硬化性樹脂に代わりに電子線硬化性樹脂を採用しても良い。
【0029】
次に、押釦スイッチ部材10の製造方法について説明する。
【0030】
図3は、押釦スイッチ部材10の製造方法を示すフローチャートである。図4は、押釦スイッチ部材10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、加飾工程を説明するための図であり、(B)は、積層工程を説明するための図であり、(C)は、加圧工程後に製造された樹脂フィルム14の構成を示す図である。図5は、押釦スイッチ部材10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、樹脂フィルム14を表側金型36aと、裏側金型36bによって狭持する工程を説明するための図であり、(B)は、加熱工程を説明するための図である。図6は、押釦スイッチ部材10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、加熱工程を経た樹脂フィルム14を上金型41と下金型42とによって狭持する工程を説明するための図であり、(B)は、樹脂フィルム14を、上金型41と下金型42によって挟持した状態を示す図である。図7は、押釦スイッチ部材10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、成形工程を説明するための図であり、(B)は、配置工程を説明するための図である。
【0031】
まず、略矩形状の透光性を有する表側樹脂フィルム26を用意する。次に、図4(A)に示すように、表側樹脂フィルム26の裏面にスクリーン印刷を施して加飾層24を形成する(加飾工程:S101)。この際、加飾層24には、表示部等を表す所定の模様あるいは色彩が施されている。
【0032】
次に、図4(B)に示すように、加飾層24の裏側に、接着剤(不図示)を挟んで、略矩形状の透光性を有する裏側樹脂フィルム22を配置する(積層工程:S102)。次に、表側樹脂フィルム26、加飾層24および裏側樹脂フィルム22を積層した状態で、これらに熱を加えて加圧する(加圧工程:S103)。すると、図4(C)に示すように、加飾層24を挟み表側樹脂フィルム26と裏側樹脂フィルム22が一体となる成形用の樹脂フィルム14が形成される。
【0033】
次に、図5(A)に示すように、加熱用の金型36を用意する。金型36は、表側に配置される表側金型36aと裏側に配置される裏側金型36bとから構成されている。表側金型36aに設けられているキャビティ36cと、裏側金型36bに設けられているキャビティ36dは、それぞれ対向するように形成されている。キャビティ36c,36dは、樹脂フィルム14において外殻部18が形成される部分に設けられている。次に、同じく、図5(A)に示すように、表側金型36aと、裏側金型36bとの間に樹脂フィルム14を配置する。そして、図5(B)に示すように、表側金型36aを裏側に移動させると共に、裏側金型36bを表側に移動させる。これにより、図5(B)に示すように、表側金型36aと裏側金型36bとによって樹脂フィルム14が狭持される。次に、金型36を加熱する。すると、樹脂フィルム14において、金型36の成型面37と接触している部分が熱される(加熱工程:S104)。すなわち、樹脂フィルム14において、外殻部18が形成されない部分(平面部20)は加熱されない。金型36の加熱温度は、100℃以上250℃以下の範囲であるのが好ましいが、樹脂フィルム14の素材によって適宜変更することができる。
【0034】
次に、図6(A)に示すように、圧空真空成形を行うための成形用の金型40を用意する。金型40は、上金型41と下金型42とから構成されており、軟化した樹脂フィルム14を冷却固化できるように所定の低い温度に保たれている。上金型41は、図6中の左右両端部から裏側に向かって突出する左裏突部41aと右裏突部41bを有する。また、右裏突部41bには左右に向かって貫通するエア孔41cが形成されている。下金型42は、成形面43が形成される成形部44と、その成形部44の裏側に設けられる中空状の中空部45を囲む壁部46を有している。壁部46は、底部に位置する底壁部46aと、底壁部46aの左端から成形部44に連接する左壁部46bと、底壁部46aの右端から成形部44に連接する右壁部46cとを有する。成形面43には、左右に並ぶように4つのキャビティ42aが設けられている。このキャビティ42aによって、下金型42の左右両端には表側に向かって突出する左表突部42bと右表突部42cが形成されている。また、左表突部42bと右表突部42cの間には、表側に向かって突出する3つの中突部42dが形成されている。中突部42dは、押釦スイッチ部材10の外殻部18の位置に対応するように設けられている。右壁部46cには、左右に向かって貫通する排気孔47が設けられている。また、成形部44には、各キャビティ42aと中空部45とを連通する連通孔48が設けられている。
【0035】
図6(A)に示すように、加熱工程(S104)を経た樹脂フィルム14を上金型41と下金型42との間に配置する。そして、上金型41を裏側に移動させると共に、下金型42を表側に移動させる(図6(A)を参照)。すると、図6(B)に示すように、樹脂フィルム14は、上金型41と下金型42とによって挟持される。上金型41のエア孔41cには、コンプレッサー50が接続される。当該コンプレッサー50を作動すると、エア孔41cを介して成形用の空気圧がかけられる。該空気圧は、樹脂フィルム14の成形性に合わせて調整されるが、0.1MPa以上2.0MPa以下の範囲とするのが好適である。また、下金型42の排気孔47には真空ポンプ52が接続されている。当該真空ポンプ52を作動すると、排気孔47を介して真空圧がかけられる。
【0036】
部分的に加熱された樹脂フィルム14を金型40に狭持した状態で、コンプレッサー50および真空ポンプ52を作動すると、樹脂フィルム14には、表側から空気圧がかけられると共に、裏側が真空に引かれる。すると、図7(A)に示すように、樹脂フィルム14において加熱された部分が、表側からの空気圧と、裏側からの真空圧で変形する。具体的には、図7(A)に示すように、樹脂フィルム14は、下金型42のキャビティ42aおよび中突部42dに沿って変形する。その結果、樹脂フィルム14に外殻部18が形成される。この際、外殻部18の天面となるべき部分は、比較的低い温度に保たれているので、実質的に外殻部18の天面部分は全く引き延ばされずに所定の成形がなされる。次に、下金型42に接触した樹脂フィルム14を下金型42で冷却し、固化する。以上のようにして、外殻部18の成形が完了し、外殻部18が形成された樹脂フィルム14が製造される(成形工程:S105)。また、外殻部18が形成された樹脂フィルム14の外縁には、不要部分である縁部54が存在する。当該縁部54には、底縁部54aと周縁部54bとが含まれる。
【0037】
次に、図7(B)に示すように、成形工程の後の樹脂フィルム14を裏返して、表側から配置用金型58上に配置する(配置工程:S106)。配置用金型58には、樹脂フィルム14に形成されている合計12個の外殻部18に対応するように凹部58aが設けられている。そのため、図7(B)に示すように、樹脂フィルム14を表側から配置用金型58上に配置すると、各外殻部18が凹部58aにそれぞれ嵌まる。
【0038】
図8は、樹脂フィルム14の裏側に光硬化性樹脂60を塗布した状態を示す斜視図である。図9は、押釦スイッチ部材10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、樹脂フィルム14の裏側に光硬化性樹脂60を塗布した状態を示す断面図であり、(B)は、貼り付け工程を説明するための図である。図10は、貼り付け工程における光硬化性樹脂60の状態について説明するための図であり、(A)は、離型体62を光硬化性樹脂60の裏側に配置した状態を示す図であり、(B)は、離型体60を押圧した状態を示す図である。図11は、押釦スイッチ部材10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、貼り付け工程によって、離型体62が光硬化性樹脂60の塗布された樹脂フィルム14に貼り合わされた状態を示す図であり、(B)は、硬化工程を説明するための図である。図12は、押釦スイッチ部材10の製造方法における剥離工程を説明するための図である。
【0039】
次に、樹脂フィルム14を配置用金型58上に配置した状態で、樹脂フィルム14の裏側に、未硬化状態の光硬化性樹脂60を塗布する(塗布工程:S107)。具体的には、図8に示すように、ノズルを用いて外殻部18の内部に光硬化性樹脂60を注入し、その後、樹脂フィルム14の平面部20における裏面(以下、裏平面という。)14aに光硬化性樹脂60を塗布する。外殻部18の内部への光硬化性樹脂60の注入は、外殻部18の容積と同程度もしくは外殻部18から多少溢れ出すまで行うのが好ましい。また、裏平面14aには、図1に示す左右方向中央に1列に設けられた外殻部18を上下方向に跨ぐように直線状に光硬化性樹脂60が塗布される(図8および図9(A)を参照)。光硬化性樹脂60としては、例えば、アクリル系光硬化樹脂、メタクリル系光硬化樹脂、不飽和ポリエステル系光硬化樹脂、スチレン系光硬化樹脂、ウレタン系光硬化樹脂、ジアリルフタレート系光硬化樹脂等や、これらの混合物が挙げられる。
【0040】
次に、図9(B)に示すように、光硬化性樹脂60が塗布された樹脂フィルム14の裏側に離型体62を平行に貼り合わせる(貼り付け工程:S108)。離型体62を貼り合わせる際には、当該離型体62を押圧して塗布された光硬化性樹脂60を樹脂フィルム14の外側へオーバーフローさせる。このように光硬化性樹脂60をオーバーフローさせることで、均一な厚みを有する押釦スイッチ部材10を製造することが可能となる。離型体62は、熱可塑性樹脂層63とその裏側に積層されるガラス層64とから構成されている。熱可塑性樹脂層63の素材としては、例えば、PET、PEN、フッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂またはPBT等の熱可塑性樹脂が挙げられる。しかし、熱可塑性樹脂層63の素材は、これらの素材に特に限定されるものではない。また、ガラス層64の素材としては、シリカ(SiO)の純度の高い石英ガラスを用いるのが好ましい。中でも、化学的に合成されたSiOを溶融して作製される高純度の合成石英ガラスは、特に短波長領域の光の透過に優れているため、紫外線硬化性樹脂を用いる場合に好適である。しかしながら、ガラス層64の素材は、石英ガラスに特に限定されるものではなく、他の素材から成るガラスを採用しても良い。
【0041】
離型体62の押圧方法は、図10(A)に示すように、離型体62を実質的に平行な状態で樹脂フィルム14の裏側に配置させ、実質的に平行な状態を保ったまま押圧する。押圧動作は、圧力0.5MPa の条件にて、30〜60秒間、加圧することにより行われる。
【0042】
次に、貼り付け工程において、離型体62を押圧した際の光硬化性樹脂60の状態について詳細に説明する。
【0043】
図10(A)に示すように、離型体62を樹脂フィルム14の裏側に配置させ、表側に向かって押圧すると、図10(B)に示すように、直線状に塗布された光硬化性樹脂60が裏平面14aと離型体62の間の空間部66に向かって移動する。光硬化性樹脂60が空間部66に向かって移動することにより、空間部66内に存在する空気は当該空間部66から外側に放出される。さらに、離型体62を押圧し続けると、離型体62と光硬化樹脂60は密着し、空間部66内に存在する空気は完全に当該空間部66から外側に放出される。このため、光硬化性樹脂60が樹脂フィルム14からオーバーフローするまで離型体62を押圧した状態では、光硬化性樹脂60と離型体62とが完全に密着した状態となり、裏平面14aと離型体62との間には気泡が残ることはない。以上のようにして、図11(A)に示すように、離型体62と樹脂フィルム14との間に気泡が残ることなく、光硬化性樹脂60が樹脂フィルム14の裏側に均一に塗布される。
【0044】
次に、図11(B)に示すように、離型体62の裏側から紫外線ランプ等によって紫外線等の光を照射して、光硬化性樹脂60を硬化させる(硬化工程:S109)。光硬化樹性脂60は硬化時の収縮が大きいが、比較的高い硬度を有するガラス層64を備えた離型体62が光硬化性樹脂60の裏側に貼り合わされているため、光硬化性樹脂60は離型体62と貼り付いた状態で収縮する。
【0045】
次に、配置用金型58から、離型体62が貼り合わされた樹脂フィルム14(以下、離型体付きフィルム68という。)を取り出す。そして、図12に示すように、離型体付きフィルム68から離型体62を剥離する(剥離工程:S110)。剥離工程後に、コア層16が形成された樹脂フィルム14から縁部54およびその裏側に積層されているコア層16を切断する(切断工程:S111)。以上のような工程を経て、押釦スイッチ部材10が製造される。なお、離型体62は、当該離型体62における熱可塑性樹脂層63側が光硬化性樹脂60に貼り合わされている。ここで、熱可塑性樹脂層63とガラス層64とは接着剤等を介さずに密着力のみで積層されている。そのため、熱可塑性樹脂層63から、ガラス層64を容易に外すことができる。さらに、熱可塑性樹脂層63の厚みを300μm以下とすることでより容易に剥離が可能となる。したがって、離型体付きフィルム68からガラス層64を外した後、光硬化性樹脂60から熱可塑性樹脂層63を剥離することで、離型体付きフィルム68から離型体62を容易に剥離することができる。また、離型体62は平滑な面を有する共に、比較的硬度の高いガラス層64を有しているため、離型体62は、光硬化性樹脂60の収縮に伴い変形しにくい。このため、押釦スイッチ部材10におけるコア層16の裏面16aは平坦な面を保つことができる。なお、離型体62をガラス層64のみから構成するようにしても良い。
【0046】
以上のようにして構成された押釦スイッチ部材10では、外殻部18の内部にもコア層16が積層されているため、外殻部18の強度を向上させつつ押釦スイッチ部材10全体の強度を向上させることが可能となる。その結果、押釦スイッチ部材10の信頼性や寸法安定性および剛性を高めることができる。また、コア層16の裏面16aは平坦な面であるため、押釦スイッチ部材10におけるコア層16側を、基板やプランジャーシート等の他の部材の上に載置する場合、安定した状態を維持できる。加えて、裏面16aに加飾する際にも、容易に加飾可能である。
【0047】
また、押釦スイッチ部材10では、樹脂フィルム14は、加飾層24を有しているので、押釦スイッチ部材10の意匠性が向上する。また、加飾層24の裏側には、該加飾層24を保護するための裏側樹脂フィルム22が積層されている。そのため、加飾層24は、コア層16を注入しても、損傷しにくい。
【0048】
また、押釦スイッチ部材10の製造方法では、コア層16から離型体62を剥離させることにより、離型体62の厚み分、押釦スイッチ部材10の薄型化を図ることが可能となる。また、未硬化状態の光硬化性樹脂60を樹脂フィルム14に注入して硬化させているので、耐熱、耐圧性の樹脂を用いる必要がない。その結果、安価に、かつ大量に押釦スイッチ部材10を生産することができる。また、樹脂フィルム14の裏側に光硬化性樹脂60を塗布し、その裏側から離型体62を水平に貼り合せているため、樹脂フィルム14の裏側に塗布される光硬化性樹脂60に気泡が残るのを防止できる。
【0049】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る樹脂成形体の一例であるプランジャーシート70について、図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態に係るプランジャーシート70において、第1の実施の形態と共通する事項については、同一の符号を付すと共に、その説明を省略または簡略化する。
【0050】
図13は、プランジャーシート70の斜視図であり、表側から見た状態を示す図である。図14は、図13におけるK−K線で切断した断面を示す図である。
【0051】
プランジャーシート70は、携帯電話等における操作部の押圧操作に連動して、その圧力をスイッチ等の電源部分に伝達するためのシートである。図13に示すように、プランジャーシート70は、略長方形の形状を有するシート部72と、当該シート部72から表側に向かって突出する押圧子74とから構成されている。
【0052】
押圧子74は、シート部72の中央上方に設けられる円弧状の円弧押圧子76と、円弧押圧子76の内部に設けられる略円柱状の大径押圧子78と、左右および中央のそれぞれにおいて上下に向かって各一列に設けられる合計19個の略円柱状の小径押圧子80とを有している。大径押圧子78は、小径押圧子80の直径より大径となるように形成されている。また、大径押圧子78および小径押圧子80は、それぞれ根元から先端に向かって徐々に小径となるように設けられている。小径押圧子80は、左右の列にそれぞれ7個ずつ設けられており、中央の列に5個設けられている。しかしながら、左右および中央の各列に設けられる小径押圧子80の数は、当該個数に限定されるものではない。また、小径押圧子80の配置は、左右および中央のそれぞれに各一列に配置されることに限定されず、他の形態に配置しても良い。
【0053】
シート部72の厚みは、0.050mm以上0.6mm以下の範囲であるのが好ましいが、当該範囲内の値に限定されるものではない。大径押圧子78の根元における直径の寸法は、3.0mmに形成されている。また、小径押圧子80の根元における直径の寸法は、1.2mmに形成されている。
【0054】
図14に示すように、プランジャーシート70は、第1の樹脂層である樹脂フィルム82と、その裏側に積層される第2の樹脂層であるコア層84と、から主に構成されている。樹脂フィルム82は、裏側から表側に向かって押し出された押圧外殻部86と、押圧外殻部86以外の平坦な部分である平面部88を有している。押圧外殻部86は、図13における押圧子74の一部を構成している。押圧外殻部86は、円弧押圧子76、大径押圧子78および小径押圧子80のそれぞれに対応する円弧押圧外殻部86a、大径押圧外殻部86bおよび小径押圧外殻部86cとを有する(図16を参照)。また、平面部88は、シート部72の一部を構成している。コア層84は、押圧外殻部86の内側を埋めると共に、樹脂フィルム82の裏側全体に行き渡るように積層されている。樹脂フィルム82の素材としては、例えば、PET、PEN、アクリル樹脂、PC、ABS樹脂またはPBT等の熱可塑性樹脂が挙げられる。しかし、樹脂フィルム82の素材は、これらの素材に特に限定されるものではない。樹脂フィルム82の厚みは、0.05mm以上0.3mm以下の範囲であるのが好ましい。しかしながら、樹脂フィルム82の厚みは、これらの範囲内の値に限定されるものではない。
【0055】
上述したように、樹脂フィルム82の裏側にコア層84が積層されている。図14に示すように、コア層84は、押圧外殻部86の内部および平面部88の裏側、すなわち、樹脂フィルム82の裏側全面に渡って積層されている。また、コア層84の裏面84aは平坦な面となっている。平面部88におけるコア層84の厚み(平面部88における樹脂フィルム82と裏面84aとの間の厚み)Lは、0.001mm以上0.3mm以下の範囲であるのが好ましい。コア層84の素材としては、紫外線硬化性樹脂に代表される光硬化性樹脂を用いるのが好ましい。また、光硬化性樹脂に代わりに電子線硬化性樹脂を採用しても良い。
【0056】
次に、プランジャーシート70の製造方法について説明する。
【0057】
図15は、プランジャーシート70の製造方法を示すフローチャートである。図16は、樹脂フィルム82に光硬化性樹脂60を塗布した状態を示す平面図である。図17は、塗布工程2を説明するための図であり、(A)は、光硬化性樹脂60をノズル70から注入し始めた状態を示す図であり、(B)は、光硬化性樹脂60がノズル70から大径押圧外殻部86bの底面87a付近まで注入された状態を示す図である。図18は、塗布工程2を説明するための図であり、(A)は、光硬化性樹脂60がノズル70から大径押圧外殻部86bの角部87cに接するまで注入された状態を示す図であり、(B)は、光硬化性樹脂60がノズル70から注入され、大径押圧外殻部86bから溢れた状態を示す図である。図19は、光硬化性樹脂60の拡散について説明するための図である。
【0058】
まず、矩形状の透光性を有する樹脂フィルム82を用意する。次に、図5(A)に示す場合と同様に、表側金型と裏側金型とから構成される加熱用の金型を用意する。表側金型および裏側金型には、押圧外殻部86の位置と対応するようにキャビティが形成されている。そして、図5に示す場合と同様に、樹脂フィルム82を表側金型と裏側金型との間に狭持し、金型と接触している部分を加熱する(加熱工程:S201)。
【0059】
次に、図6(A)に示す場合と同様に、上金型と下金型とから構成される圧空真空成形用の金型を用意する。上金型および下金型には、平面部88の位置と対応するようにキャビティが形成されている。そして、図6に示す場合と同様に、加熱工程(S201)を経た樹脂フィルム82を上金型と下金型との間に狭持し、圧空真空成形を行う(成形工程:S202)。
【0060】
次に、図7(B)に示す場合と同様に、成形工程後の樹脂フィルム82を裏返して表側から配置用金型90の上に配置する(配置工程:S203)。配置用金型90には、図16に示すように、樹脂フィルム82における円弧押圧外殻部86a、大径押圧外殻部86bおよび小径押圧外殻部86cのそれぞれと対応するような凹形状を有する円弧凹部92、大径凹部94および小径凹部96が設けられている。そのため、樹脂フィルム82を表側から配置用金型90上に配置すると、各外殻部86a,86b,86cは、各凹部92,94,96にそれぞれ嵌まる。
【0061】
次に、図16に示すように、樹脂フィルム82の平面部88における裏面(以下、裏平面という。)88aにおいて、中央に一列に設けられた小径押圧外殻部86cの左側に未硬化状態の光硬化性樹脂60を上下に沿って直線状に塗布する(塗布工程1:S204)。当該光硬化性樹脂60は、中央の列の最も下方に設けられた小径押圧外殻部86cの左側近傍から円弧押圧外殻部86aの一部を通過するように上方に向かって直線状に塗布される。
【0062】
図17および図18(図17および図18では、大径押圧外殻部86bに光硬化性樹脂60を塗布する場合を示す。)に示すように、円弧押圧外殻部86aの両端部86dおよび大径押圧外殻部86bには、小径のノズル70を用いて光硬化性樹脂60を塗布する(塗布工程2:S205)。例えば、円形の開口部を有する凹部において、当該凹部の直径の寸法が、2mm以上である場合、図18および図19に示すように、ノズル70を用いて光硬化性樹脂60を塗布するのが好ましい。特に、凹部の容積が大きい場合、ノズル70を用いて光硬化性樹脂60を塗布した方が好ましい。
【0063】
本実施の形態では、両端部86dは、光硬化性樹脂60を塗布する際、空気の逃げが悪い部分である。また、大径押圧外殻部86bは、小径押圧外殻部86cと比べて直径の大きさが3.0mmと大径である。このため、これら両部分には、他の部分とは別に、予めノズル70を用いて光硬化性樹脂60を塗布するのが好ましい。なぜなら、大径押圧外殻部86bに光硬化性樹脂60を注入する場合を例に挙げると、大径押圧外殻部86bは注入された光硬化性樹脂60の表面張力に対して十分なスペースを有している。そのため、注入された光硬化性樹脂60が大径押圧外殻部86bの底面87aと側面87bとが交わる角部87cに接した際に、角部87cを通る光硬化性樹脂60における接線が底面87aとなす角αが小さくなる(図18(A)を参照)。したがって、角部87c付近に気泡を残すことなく光硬化性樹脂60を充填できるためである。すなわち、注入された樹脂が底面87aと接する位置と角部87cとの間に十分なスペースが存在すれば、気泡を残すことなく光硬化性樹脂60を塗布することができる。
【0064】
ノズル70から光硬化性樹脂70を注入し続けると、図17(A),(B)の状態を経て、光硬化性樹脂60は、大径押圧外殻部86bの底面87aと側面87bとが交わる角部87cに到達する(図18(A)を参照)。上述したように、大径押圧外殻部86bは注入される光硬化性樹脂60の表面張力に対して十分なスペースを有している。このため、塗布された光硬化性樹脂60が角部87cに接した際に、角部87cを通る光硬化性樹脂60における接線が底面87aとなす角αは、小径押圧外殻部86cに光硬化性樹脂を充填した場合と比較して小さくなる。したがって、角部87c付近に気泡を残すことなく光硬化性樹脂60が充填される。さらに、図18(B)に示すように、大径押圧外殻部86bから光硬化性樹脂60が溢れ出すまで、ノズル70から光硬化性樹脂60を注入する。なお、光硬化性樹脂60を大径押圧外殻部86bの容積と同程度注入するようにしても良い。両端部86dにも、大径押圧外殻部86bの場合と同様、ノズル70を用いて光硬化性樹脂60を注入する。この場合も、両端部86dから溢れ出すまで、もしくは両端部86dの容積と同程度光硬化性樹脂60を注入するのが好ましい。
【0065】
次に、樹脂フィルム82の裏側に、離型体を貼り合わせ、離型体を樹脂フィルム82の裏側から押圧する(貼り付け工程:S206)。離型体を貼り合わせる際には、当該離型体を押圧して塗布された光硬化性樹脂60を樹脂フィルム82の外側へオーバーフローさせる。離型体の押圧方法は、図10等に示す場合と同様であり、離型体を実質的に平行な状態で樹脂フィルム82の表側に配置させ、実質的に平行な状態を保ったまま押圧する。押圧動作は、好適には、圧力0.5MPaの条件にて、30〜60秒間、加圧することにより行われる。
【0066】
離型体を樹脂フィルム82の裏側に配置させ、押圧すると、樹脂フィルム82上に直線状に塗布された光硬化性樹脂60が同じ速度で、かつ一様に拡散し、円弧押圧外殻部86aおよび小径押圧外殻部86cの内部に侵入し始める。さらに、離型体を押圧し続けると、光硬化性樹脂60は円弧押圧外殻部86aおよび小径押圧外殻部86cの内部に侵入していく。そして、光硬化性樹脂60は、離型体と樹脂フィルム82との間に気泡が残ることなく、円弧押圧外殻部86aおよび小径押圧外殻部86c内に均一に充填される。円弧押圧外殻部86aの両端部86dおよび大径押圧外殻部86bには、ノズル70を用いて、予め光硬化性樹脂60が塗布されていたため、当該両端部86dおよび大径押圧外殻部86b内にも気泡が残ることなく均一に光硬化性樹脂60が充填されている。
【0067】
図19に示すように、本実施の形態では、円弧押圧外殻部86aの両端部86dおよび大径押圧外殻部86bに小径のノズル70を用いて光硬化性樹脂60を塗布すると共に、両端部86dと大径押圧外殻部86bと間に上下方向に沿って直線状に光硬化性樹脂60を塗布し複数箇所の光硬化性樹脂60の距離が大きくなり過ぎないようにしている。離型体62をこれらの上に貼り付けて押圧した場合、光硬化性樹脂60は、矢示M方向および矢示N方向に向かって拡散する。直線状に塗布された光硬化性樹脂60が矢示M方向に拡散する場合、大径押圧外殻部86bより上方に位置する光硬化性樹脂60は円弧押圧外殻部86aの内部に内部に侵入していく。一方、大径押圧外殻部86bより下方に位置する光硬化性樹脂60は矢示M方向(右側)に向かって一様に拡散していく。したがって、光硬化性樹脂60の拡散する領域が大径押圧外殻部86bに充填された光硬化性樹脂60によって制限されることはない。直線状に塗布された光硬化性樹脂60が矢示N方向に拡散する場合、左側の両端部86dより上方に位置する光硬化性樹脂60は円弧押圧外殻部86aの内部に内部に侵入していく。一方、左側の両端部86dより下方に位置する光硬化性樹脂60は矢示N方向(左側)に向かって一様に拡散していく。したがって、光硬化性樹脂60の拡散する領域が両端部86dに充填された光硬化性樹脂60によって制限されることがなく、光硬化性樹脂60が行き渡らない箇所もない。
【0068】
次に、樹脂フィルム82上に貼り付けられた離型体の裏側から紫外線ランプ等によって紫外線等の光を照射して、光硬化性樹脂60を硬化させる(硬化工程:S207)。光硬化性樹脂60が硬化することによりプランジャーシート70が形成される。
【0069】
次に、配置用金型90から、離型体が貼り合わされたプランジャーシート70を取り出す。そして、離型体が貼り合わされたプランジャーシート70から離型体を剥離する(剥離工程:S208)。その後、樹脂フィルム82の不要部分を、第1の実施の形態の場合と同様、切断する(切断工程:S209)。以上のような工程を経て、プランジャーシート70が製造される。平滑な面を有する離型体が光硬化性樹脂60の表面に貼り合わされていたため、コア層84の裏面84aは平坦な面を保つことができる。
【0070】
以上のように構成されたプランジャーシート70では、裏面84aは平坦な面を有している。このため、プランジャーシート70を押釦スイッチ部材等の裏側に接着等する場合、密着した状態で接着できる。したがって、接着後のプランジャーシート70は、安定した状態を維持できる。また、押圧外殻部86の内部にもコア層84が積層されているため、押圧外殻部86の強度を向上させつつプランジャーシート70全体の強度を向上させることが可能となる。その結果、プランジャーシート70の信頼性や寸法安定性および剛性を高めることができる。
【0071】
また、プランジャーシート70の製造工程において、塗布された光硬化性樹脂60の上に離型体を貼り合わせ、光硬化性樹脂60を硬化させた後、コア層84から離型体を剥離させている。このため、コア層84の裏面84aを平坦な面にすることができる。また、中央に一列に設けられた小径押圧外殻部86cの左側に光硬化性樹脂60を直線状に塗布すると共に、円弧押圧外殻部86aの両端部86dおよび大径押圧外殻部86bに、予め光硬化性樹脂60を塗布した後、離型体を貼り合わせている。このため、円弧押圧外殻部86a、大径押圧外殻部86bおよび小径押圧外殻部86c内に確実に光硬化性樹脂60を充填することができる。また、離型体は、実質的に平行な状態を保ったまま押圧される。このため、樹脂フィルム82上に直線状に塗布された光硬化性樹脂60が、同じ速度で、かつ一様に拡散しながら、円弧押圧外殻部86aおよび小径押圧外殻部86c内に侵入する。また、空気の逃げが悪い部分である両端部86dおよび大径押圧外殻部86b内には、予め光硬化性樹脂60が塗布されている。その結果、円弧押圧外殻部86a、大径押圧外殻部86bおよび比較的容積の大きい小径押圧外殻部86c内に塗布される光硬化性樹脂60のいずれにも気泡が残るのを防止できる。また、未硬化状態の光硬化性樹脂60を樹脂フィルム82に塗布し、硬化させているので、耐熱、耐圧性の樹脂を用いる必要がない。その結果、安価に、かつ大量にプランジャーシート70を生産することができる。
【0072】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
【0073】
上述の第1の実施の形態では、加飾層24を裏側樹脂フィルム22と表側樹脂フィルム26との間に形成しているが、加飾層24を形成しなくても良い。裏側樹脂フィルム22と表側樹脂フィルム26との表裏関係を逆にしても良い。さらに、加飾層24を樹脂フィルム14に形成すると共に、他の加飾層をコア層16の裏側に積層させるようにしても良い。このように、加飾層を2箇所に設けることによりさらに意匠性を向上させることが可能となる。
【0074】
また、上述の第1の実施の形態では、外殻部18を成形するために、圧空真空成形を採用いているが、かかる成形方法に限定されることなく、圧縮成形、圧空成形あるいは真空成形を採用しても良い。
【0075】
また、上述の第1の実施の形態では、外殻部18の形状は矩形状を呈しているが、外殻部18の形状は矩形状に限定されるものではなく、円形等の他の形状もしくはロール状で加工しても良い。また、上述の第2の実施の形態では、大径押圧子78および小径押圧子80の形状は円形の形状を呈しているが、大径押圧子78および小径押圧子80の形状は円形に限定されるものではなく、矩形状等の他の形状としても良い。また、円弧押圧子76の形状も円弧に限定されるものではなく、円周状や波線状等の他の形状としても良い。
【0076】
また、上述の第1の実施の形態では、外殻部18の側面は表裏方向に平行に形成されているが、図15に示すように、外殻部18の断面形状を表側に向かって窄まるような台形形状としても良い。外殻部18の断面形状を台形形状とすることで、塗布される光硬化性樹脂60がなめらかに外殻部18内に流れることになるため、気泡ができにくくなる。
【0077】
また、上述の各実施の形態では、塗布工程、塗布工程1および塗布工程2において光硬化性樹脂60を塗布しているが、光硬化性樹脂60に限定されず、電子線硬化性樹脂を塗布するようにしても良い。この場合、硬化工程において、紫外線ではなく電子線を照射する必要がある。
【0078】
また、上述の各実施の形態では、離型体62の光硬化性樹脂60に接する側の表面には空気を逃がすための逃がし部が形成されていないが、例えば、円形の空気孔や表面に細い溝等の逃がし部を形成するようにしても良い。離型体62に空気孔等の逃がし部を形成することで、光硬化性樹脂60と密着した離型体62が剥がれ易くなる。逃がし部を形成した場合、離型体62を剥がした後、コア層16,84の表面に線状若しくは円柱状等の外殻部が形成されるが、当該外殻部を切断するのが好ましい。
【0079】
また、上述の第1実施の形態では、樹脂成形体は押釦スイッチ部材10として、上述の第2実施の形態では、樹脂成形体はプランジャーシート70として、製造されているが、樹脂成形体を押釦スイッチ部材10およびプランジャーシート70に限定することなく、カーオーディオやカーナビ等の各操作部や各パネル等の他の部材としても良い。
【0080】
また、上述の第1の実施の形態では、加飾層24においてキートップ12に相当する部分にのみ加飾が施されているが、この部分に限定されるものではなく、他の部分にも加飾を施すようにしても良い。
【0081】
また、上述の第2の実施の形態では、プランジャーシート70には加飾が施されていないが、加飾を施すようにしても良い。
【実施例】
【0082】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0083】
厚さ0.125mmのアクリルシート(三菱レイヨン株式会社製,商品名:アクリプレン)の片側に、スクリーン印刷した樹脂シートと、厚さ0.075mmのアクリルシート(三菱レイヨン株式会社製,商品名:アクリプレン)とを印刷面を挟むようにしてドライラミ接着剤(日立化成ボリマー株式会社製,商品名:ハイポン7662)によって、温度100℃、圧力0.2MPa の条件にて、10秒間、加熱加圧することによって貼り合わせて、印刷面を覆う保護層を有する印刷樹脂シート(以下、表皮シートという。)を得た。そして、この表皮シートに複数の所定形状の押釦部を形成するために、押釦スイッチ部材のキートップ投影面に相当する成形面を有する金型を用意した。そして、表皮シートを金型に配置し、金型を190℃で5秒間加熱した。次に、冷却用圧空真空成形金型を用意した。そして、加熱して1秒後に、加熱された表皮シートを30℃に温度調節された冷却用圧空真空成形金型に配置し、上金型の圧空エア孔より0.6MPaの空気を供給し、下金型の排気孔より真空に引いて80 Toorの真空圧として圧空真空成形を行った。その後、冷却した後に、圧空真空成形金型を開いて、凸形状に賦形された押釦スイッチ用シート(以下、賦形シートという。)を得た。次いで、賦形シートの外殻部が下になるように治具に設置し、外殻部の側方のベース面に紫外線硬化性樹脂(ノガワケミカル株式会社製,商品名:UV130L)を塗布した。次に、石英ガラス上に厚さ0.200mmのPETフィルム(東レ株式会社製,商品名:ルミラー)をセットした離型体を用意した。そして、紫外線硬化性樹脂が塗布された賦形シートのベース面から0.350mmの位置に離型体を賦形シートに対して実質的に平行に配置した。そして、離型体を実質的に平行な状態を保ったまま、圧力0.5MPaの条件にて、60秒間、加圧し、紫外線硬化性樹脂を賦形シート上におけるベース面から外殻部に至る領域において一様に拡散させた。次に、高圧水銀ランプを用いて、石英ガラス面から120mW/cm、照射距離15cm、照射時間15秒の条件で紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させた。その後、石英ガラスをまず外し、次に、PETフィルムを紫外線硬化性樹から剥離し、外形をカットして所定の形状の押釦スイッチ部材を得た。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の樹脂成形体は、携帯電話等の各種電気機器における押釦スイッチ部材において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る樹脂成形体である押釦スイッチ部材の斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線で切断した断面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る樹脂成形体である押釦スイッチ部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す押釦スイッチ部材の製造方法を説明するための図であり、(A)は、加飾工程を説明するための図であり、(B)は、積層工程を説明するための図であり、(C)は、加圧工程後に形成された樹脂フィルムの構成を示す図である。
【図5】図4に続いて、図1に示す押釦スイッチ部材の製造方法を説明するための図であり、(A)は、樹脂フィルムを表側金型と、裏側金型とによって狭持する工程を説明するための図であり、(B)は、加熱工程を説明するための図である。
【図6】図5に続いて、図1に示す押釦スイッチ部材の製造方法を説明するための図であり、(A)は、加熱工程を経た樹脂フィルムを上金型と下金型とによって狭持するための工程を説明するための図であり、(B)は、樹脂フィルムを、上金型と下金型によって挟持した状態を示す図である。
【図7】図6に続いて、図1に示す押釦スイッチ部材の製造方法を説明するための図であり、(A)は、成形工程を説明するための図であり、(B)は、配置工程を説明するための図である。
【図8】樹脂フィルムの裏側に光硬化性樹脂を塗布した状態を示す斜視図である。
【図9】図7に続いて、押釦スイッチ部材の製造方法を説明するための図であり、(A)は、樹脂フィルムの裏側に光硬化性樹脂を塗布した状態を示す断面図であり、(B)は、貼り付け工程を説明するための図である。
【図10】貼り付け工程における光硬化性樹脂の状態について説明するための図であり、(A)は、離型体を光硬化性樹脂の裏側に配置した状態を示す図であり、(B)は、離型体を押圧した状態を示す図である。
【図11】図9に続いて、図1に示す押釦スイッチ部材の製造方法を説明するための図であり、(A)は、貼り付け工程によって、離型体を光硬化性樹脂が塗布された樹脂フィルムに貼り合わせた状態を示す図であり、(B)は、硬化工程を説明するための図である。
【図12】図11に続いて、図1に示す押釦スイッチ部材の製造方法における剥離工程を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る樹脂成形体であるプランジャーシートの斜視図であり、表側から見た状態を示す図である。
【図14】図14におけるK−K線で切断した断面を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る樹脂成形体であるプランジャーシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図16】図14に示すプランジャーシートの製造方法を説明するための図であり、第1の樹脂層に光硬化性樹脂を塗布した状態を示す平面図である。
【図17】塗布工程2を説明するための図であり、(A)は、光硬化性樹脂をノズルから注入し始めた状態を示す図であり、(B)は、光硬化性樹脂がノズルから大径押圧外殻部の底面付近まで注入された状態を示す図である。
【図18】図17に続いて、塗布工程2を説明するための図であり、(A)は、光硬化性樹脂がノズルから大径押圧外殻部の角部に接するまで注入された状態を示す図であり、(B)は、光硬化性樹脂がノズルから注入され、大径押圧外殻部から溢れた状態を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における光硬化性樹脂の拡散について説明するための図である。
【図20】本発明の変形例を示す図であり、外殻部の形状を台形形状とした場合の断面図である。
【符号の説明】
【0086】
10…押釦スイッチ部材(樹脂成形体)
12…キートップ
14…樹脂フィルム(第1の樹脂層)
16…コア層(第2の樹脂層)
16a…裏面
18…外殻部
24…加飾層
60…光硬化性樹脂
62…離型体
70…プランジャーシート(樹脂成形体)
82…樹脂フィルム(第1の樹脂層)
84…コア層(第2の樹脂層)
86…押圧外殻部(外殻部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に空間を有する外殻部を備える第1の樹脂層と、
光硬化性樹脂からなり、上記空間を埋めるように上記第1の樹脂層の裏側に積層される第2の樹脂層と、
を有する樹脂成形体において、
上記第2の樹脂層は、上記第1の樹脂層の裏側に上記光硬化性樹脂を未硬化状態で塗布した後、平滑な面を有する離型体を上記光硬化性樹脂の裏面に貼り合わせ、上記光硬化性樹脂に光を照射して上記光硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した上記光硬化性樹脂から上記離型体を剥離することにより平坦な面に形成される層であることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項2】
前記光硬化性樹脂は、前記第1の樹脂層の裏側における前記外殻部以外の領域に塗布されることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体。
【請求項3】
前記離型体は、前記光硬化性樹脂を塗布した側から、前記第1の樹脂層に対して実質的に平行な状態を保ちながら貼り付けられることを特徴とする請求項2記載の樹脂成形体。
【請求項4】
前記第1の樹脂層が押釦スイッチ部材のキートップ若しくはプランジャーシートの押圧子の外形形状に合わせた外殻部を備える樹脂フィルムであり、前記第2の樹脂層がその外殻部の内側の空間を埋めるように上記樹脂フィルムの裏側に積層されるコア層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の樹脂成形体。
【請求項5】
前記第2の樹脂層は、前記平坦な面に、さらに加飾層を形成していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の樹脂成形体。
【請求項6】
第1の樹脂層に、内側に空間を有する外殻部を設けるように成形を行う成形工程と、
上記空間を埋めるように、上記第1の樹脂層の裏側に光硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、
塗布された上記光硬化性樹脂の表面に、平滑な面を有する離型体を貼り合わせる貼り付け工程と、
上記光硬化性樹脂に光を照射して、上記光硬化性樹脂を硬化させ、第2の樹脂層を形成する硬化工程と、
上記第2の樹脂層から上記離型体を剥離する剥離工程と、
を有することを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
【請求項7】
前記離型体は、石英ガラスと樹脂の積層体であることを特徴とする請求項6記載の樹脂成形体の製造方法。
【請求項8】
前記光硬化性樹脂は、前記第1の樹脂層の裏側における前記外殻部以外の領域に塗布されることを特徴とする請求項6記載の樹脂成形体の製造方法。
【請求項9】
前記離型体は、前記光硬化性樹脂を塗布した側から、前記第1の樹脂層に対して実質的に平行な状態を保ちながら貼り付けられることを特徴とする請求項8記載の樹脂成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−246874(P2008−246874A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91576(P2007−91576)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】