説明

樹脂組成物及びそれを用いた成型体

【課題】本発明は、長期にわたって植物の変色を防止することができる、植物材料封入用樹脂組成物、及び植物材料含有成型体を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明の植物材料封入用樹脂組成物は、(A)被膜が透明性を有する結合材、(B)シラン化合物、を含み、固形分重量比率で(A)結合材100重量部に対して、(B)シラン化合物を0.01重量部以上10重量部未満、含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期にわたって植物の変色を防止することができる、植物材料封入用樹脂組成物、及び植物材料含有成型体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生花(植物の葉、茎、花など)を加工した各種装飾品が製造されている。例えば、水分を予め除去した自然の草花や乾燥花を、透明樹脂で被覆したブローチやイヤリングなどの装飾品(例えば、特許文献1、2)、または植物材料を、熱可塑性のボードなどの間に挟み、加熱・加圧加工した装飾品(特許文献3)が知られている。
【0003】
しかし、上記のような装飾品のように、植物材料を透明樹脂で被覆した場合、経時で植物が変色、退色するおそれがあり、これを解決する手段としては被覆する樹脂を厚くする必要があった。そのため、このように樹脂被覆によって製造される装飾品としては、ブローチなどの小物がほとんどであり、建材等の大型化には適用され難かった。一方、熱可塑性フィルム(板)によって加熱・加圧加工する場合、比較的大きな建材などの製造も可能であるが、特殊な機械が必要であり、工程が煩雑となるおそれがある。また、このようなフィルム(板)状のものは、形状が限られるため、適用可能な施工場所に制限を受けるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−318998号公報
【特許文献2】実開平2−3899号公報
【特許文献3】WO03/082572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、植物材料を封入するための樹脂組成物であって、封入した植物材料の変色、および退色を抑制することができ、建材などに容易に応用できる樹脂組成物を得ることを目的とするものである。さらに、この樹脂組成物を用いて植物材料が封入された成型体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定の樹脂組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の樹脂組成物は、下記の特徴を有するものである。
【0007】
1.植物材料を視認できる状態で封入するための樹脂組成物であって、(A)被膜が透明性を有する結合材、(B)シラン化合物、を含み、固形分重量比率で(A)結合材100重量部に対して、(B)シラン化合物を0.01重量部以上10重量部未満、含むことを特徴とする植物材料封入用樹脂組成物。
2.(A)被膜が透明性を有する結合材、(B)シラン化合物、を、固形分重量比率で(A)結合材100重量部に対して、(B)シラン化合物を0.01重量部以上10重量部未満、含む樹脂組成物によって、植物材料が視認できる状態で封入された成型体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹脂組成物は、植物材料を封入する場合、成型体の厚みを比較的薄くしても、長期にわたり植物の変色、退色を抑制することができ、さらに優れた耐水性を得ることができる。また、高温加熱・加圧等の特殊な機械が不要であり、簡単に製造することができ、様々な形状の成型体を製造することもできる。このような利点により、小物等の装飾品以外に、建材等にも簡単に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0010】
本発明の(A)被膜が透明性を有する結合材(以下、「(A)成分」という)としては、封入した植物材料を視認できるものであれば特に限定されない。具体的には、公知のプラスチック製品、シート、塗料などでバインダーとして採用されている、熱硬化性及び/または熱可塑性の有機質樹脂であればよい。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩ビ樹脂、ビニル樹脂等の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等の結合材が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また、これらの樹脂の付加物や改質樹脂も使用することができる。
【0011】
本発明では、特に、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂の熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の中でも、植物材料の変色・退色の抑制、耐候性、などの面からエポキシ樹脂を使用することが好適である。
【0012】
例えば、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等の縮合反応により得られるエピ−ビス型のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂が一般的に用いられる。また、その他にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂等があげられる。その他、特殊なものとして、β−メチルエピクロ型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、ウレタン変性エポキシ樹脂等の各エポキシ樹脂も使用できる。また、稀釈剤としてn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ジグリシジルエーテル等のものを適宜使用することができる。
【0013】
上記エポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせて使用する。このような硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン(ジプロピレントリアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン等の脂肪族アミン類、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン等の脂環族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼン等の芳香族アミン、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト、ポリアミン−エチレンオキシドアダクト、ポリアミン−プロピレンオキシドアダクト、シアノエチル化ポリアミン、ケチミン、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化酸無水物、ダイマー酸とポリアミンの縮合によって生成するポリアミド樹脂が挙げられる。
【0014】
本発明の(B)シラン化合物(以下、「(B)成分」という)としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシランや、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤を単独または縮合物として配合したものが挙げられる。本発明では特に、アミノ基を有するものを使用することが好ましい。アミノ基を含有する場合、成型体の劣化を抑制し、植物の変色及び退色を抑制する効果を高めることができる。
【0015】
(B)シラン化合物の添加量は、固形分重量比率で(A)結合材100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部未満、好ましくは0.1重量部以上7重量部未満、さらに好ましくは0.5重量部以上6重量部以下である。0.01重量部より少ない場合、長期間での植物材料の変色防止効果が得られないおそれがあり、10重量部以上の場合、樹脂の透明性が損なわれ、植物材料の視認性が低下するおそれがある。
【0016】
本発明は、(A)成分と(B)成分を含む樹脂組成物で植物材料を封入することによって、封入した植物材料の変色、及び退色を抑制することができる。その作用機構は明らかではないが、(B)成分を添加することにより、結合材に撥水性が付与され耐水性が向上する、封入した植物材料の表面が改質され結合材と植物材料の密着性が向上する、あるいは植物材料に含まれる水分を除去できる等の作用が考えられる。
【0017】
本発明の植物材料とは、具体的に、葉、茎、花等のことであり、各種植物体を使用することができ、色彩についても特に限定されない。本発明では特に、各種植物材料本来の色を保持させたまま使用することが好ましい。このような植物材料としては、採取した葉、茎、花などをそのまま使用しても良いが、本発明では、乾燥処理され、平滑にされたものを使用することもできる。また、植物の種類、色に応じて、前処理されていてもよい。さらに、植物材料の形状は、採取したままの植物であっても、任意に切り取られたものであってもよい。
【0018】
本発明の植物材料封入用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)によって、植物材料が視認できる状態で封入された成型体において、成型体表面から植物材料までの樹脂組成物の被覆厚(以下、単に「被覆厚」ともいう)は、適宜設定すれば良いが、通常は0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上とする。0.1mm未満の場合には、植物材料を固定できないおそれや、充分な植物材料の変色防止効果が得られないことがある。また、被覆厚が、厚いほど封入された植物材料の変色を防止できるが、この場合、植物材料が封入された成型体の厚みが大きくなり、作製原材料費が増加するおそれがある。本発明では、成型体の使用目的に応じ、上記の範囲内おいて、樹脂組成物の被覆厚、及び成型体の厚みを最適なものに設定すればよい。
【0019】
このような成型体は、例えば以下の各方法で製造することができる。この方法によれば、目的とする成型体を安定して製造することができ、効果発現の点でも好適である。
【0020】
1.板状の基材や、容器等に樹脂組成物、植物材料を含む組成物を流し込み、硬化させる方法、
2.板状の基材や、容器等に樹脂組成物を流し込み、植物材料を配置し、さらに樹脂組成物を、植物材料が被覆するように流し込み、硬化させる方法、
3.型枠内に樹脂組成物を流し込み、その上に植物材料を配置し、さらに前記樹脂組成物を植物材料が被覆するように流し込み、硬化後に脱型する方法
4.樹脂組成物に植物材料を混合し型枠内に流し込み、硬化後に脱型する方法
【0021】
上記1.〜4.において予め前処理した植物材料を使用する場合、その前処理方法として、本発明では、少なくとも、脱水(乾燥)処理を行うことが好ましく、その方法としては、特に限定されないが、成型体が薄い板状となる場合、植物材料の平滑化を同時に行うことが望ましい。また、その他の前処理としては、植物材料を水洗処理、脱水(乾燥)処理、有機溶剤処理、金属イオン含有溶液処理、染色処理、pH調整溶液処理する等が挙げられ、これらを必要に応じて組み合わせて行うことができる。
【0022】
また、上記1.〜2.の板状の基材や、容器等としては、アルミニウム、ステンレス等各種の鋼製、プラスチック製等のものが挙げられる。また、透湿防止処理等の表面処理を施した石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、合成紙、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等の繊維からなる繊維布又は不織布、セラミックペーパー、ガラスクロス、メッシュ等が挙げられる。これら基材の表面は、既に被膜が形成されたものや、色相、凹凸パターンが付与されたもの等であってもよい。
【0023】
上記3.〜4.において使用する型枠としては、離型効果のあるものであればよく、例えばシリコン樹脂製、ウレタン樹脂製、金属製等の型枠、あるいは離型紙を設けた型枠等が使用できる。上記方法では型枠側が成型体表面となるため、型枠内側の形状を調整することで、成型体表面に所望の凹凸模様を付与することもできる。
【0024】
上記1.〜4.において樹脂組成物を流し込む際には、例えば公知手法により、適宜選定を行えばよいが、製造上のメリットを考慮した場合、各種コーター等を用いる方法が挙げられる。また、組成物には、上述の成分の他に必要に応じ、例えば、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、ブロッキング防止剤等が含まれていてもよい。
【0025】
上記2.または3.の植物材料を配置させた後、本発明の効果を阻害しない範囲内で植物材料を圧着することができる。圧着することで、植物材料内の気泡を除去することができ、かつ植物材料をより強固に固定することができる。圧着方法としては、公知手法により、適宜選定を行えばよいが、製造上のメリットを考慮した場合、ローラー、プレス機等を用いる方法が挙げられる。
【0026】
また、上記1.〜4.において樹脂組成物を硬化、養生させる際には、常温で行うこともできるが、本発明では特に加熱することが好ましい。加熱することにより、樹脂組成物の硬化を効率的に行うことができる。このときの加熱温度は、樹脂組成物の種類によって適宜設定すれよく、40℃以上80℃未満とすることが好ましい。80℃以上の場合、植物材料が変色するおそれがある。
【0027】
本発明の成型体は、装飾材として各種用途、例えば装飾品、希少植物の標本等に用いることができる。また、建築用材料に応用することもでき、例えば、住宅、マンション、学校、病院、店舗、事務所、工場、倉庫、食堂等における壁、間仕切り、扉、天井等の仕上げに適用できる。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0029】
<樹脂組成物>
・樹脂組成物A〜樹脂組成物K
表1に示す配合に基づき、常法で混合したものを樹脂組成物A〜樹脂組成物Kとした。
なお、このとき使用した原料を以下に示す。
・結合材1:エポキシ樹脂(ビスフェノールA型、固形分100%)
・結合材2:ポリエーテルポリオール(固形分100%)
・硬化剤1:イソホロジアミン
・硬化剤2:イソシアネート系硬化剤
・触媒:スズ系触媒
・添加剤:消泡剤
・シラン化合物1:トリメチルメトキシシラン
・シラン化合物2:3−アミノプロピルトリメトキシシラン
・シラン化合物3:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
【0030】
(成型体の製造)
植物材料は、バラを花弁(赤)と葉に分け、それぞれを洗浄、平滑化及び乾燥処理をしたものを使用した。
【0031】
(実施例1)
アルミ板に樹脂組成物Aを塗付し、次いで、葉と花弁をそれぞれ、任意に配置した。さらに、樹脂組成物Aを被覆厚が概ね0.8mmとなるように成型し、4日間硬化、23℃下で養生させ試験体を作製した。このときの試験体の厚みは1.0mm(基材は除く)であった。以下の評価を実施した。結果を表2に示す。
【0032】
・評価1(屋内露光)
屋内の窓辺に試験体1を設置し、この試験体の14日後の色相変化を、目視で評価した。評価基準は、評価開始時と比較し、色相変化がないものを◎、著しく変化したものを×とし、4段階(◎>○>△>×)で評価した。
・評価2(浸水屋内露光)
25℃の水に試験体を浸漬させたものを、屋内の窓辺に設置し、14日間浸漬後、試験体を水から引き上げ、乾燥させた後、色相変化を、評価1と同様の方法で評価した。
【0033】
(実施例2)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0034】
(実施例3)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0035】
(実施例4)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Bを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0036】
(実施例5)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Eを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0037】
(実施例6)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Fを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0038】
(実施例7)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Gを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0039】
(実施例8)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Hを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0040】
(実施例9)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Iを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0041】
(実施例10)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Jを使用し、養生温度を23℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0042】
(比較例1)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Dを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0043】
(比較例2)
樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Kを使用し、養生温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、試験例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物材料を視認できる状態で封入するための樹脂組成物であって、(A)被膜が透明性を有する結合材、(B)シラン化合物、を含み、固形分重量比率で(A)結合材100重量部に対して、(B)シラン化合物を0.01重量部以上10重量部未満、含むことを特徴とする植物材料封入用樹脂組成物。
【請求項2】
(A)被膜が透明性を有する結合材、(B)シラン化合物、を、固形分重量比率で(A)結合材100重量部に対して、(B)シラン化合物を0.01重量部以上10重量部未満、含む樹脂組成物によって、植物材料が視認できる状態で封入された成型体。


【公開番号】特開2009−263623(P2009−263623A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29018(P2009−29018)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(599071496)ベック株式会社 (98)
【Fターム(参考)】