説明

歯科用物品型および方法

特に、十分な展性があって、引き続いて第2の形状にカスタマイズされ、次に任意に硬化される、自立形構造を有する歯科用物品型を形成するための組成物、および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウン、インレー、オンレー、およびその他の修復材などの歯科用物品のための予め整形された(またはカスタム整形された)型、そして製造および使用方法に関する。これらの型は、十分な内部強度を有して所望の形状に形成され、それは搬送および保管中に維持することができ、1つ以上の硬化性歯科用樹脂で充填でき、引き続いて口腔環境(例えば口腔内流体および温度)条件下でカスタマイズするのに十分な展性を有する。所望のカスタマイズされた歯科用物品は、硬化性歯科用樹脂を硬化させて得られる。
【背景技術】
【0002】
修復材歯科は今日の歯科用産業において、重要な市場である。特に典型的に複数回の歯科予約を必要とする、テンポラリーおよび永久クラウンによる歯の修復が一般的な手順である。現行の技術は、硬化性ペースト、反応性二液型粉末/液体システム、予成形された金属テンポラリークラウン、およびセラミックまたは磁器/金属永久クラウンを使用する。
【0003】
暫定的(すなわちテンポラリー)歯科用修復材を作成する典型的な手順は、以下のステップを伴う。最初に歯の準備をする前に、アルジネート印象を採取する。印象をすすぎ、湿った紙タオルに包んで置いておく。次に歯を準備して的確な色調のアクリル粉末を選択して天然歯にマッチさせる。その1つが還元剤を含み、もう1つが酸化剤を含む、アクリル液体樹脂およびアクリルポリマー粉末を共に混合して、印象に入れる。組成物が増粘して光沢のない外見を生じるまで、(およそ45〜60秒間)印象を置いておく。その間に準備をした歯および周囲組織をワセリンで覆って、アクリルテンポラリーの調物品からの容易な除去を確実にし、アクリル混合物による刺激から歯および組織を保護する。アクリル混合物を印象と共に口内に配置し、定位置に十分な時間保持して、それを除去可能な状態に硬化させる。アクリル材料を印象から除去して、大まかな過剰なアクリルをトリミングする。アクリル材料を口に出し入れし、その間にアクリル材料はゴム状になる。アクリル材料を口から取り出し、アクリルが完全に硬化するまで置いておく。アクリル修復材がフィットするかをチェックして、必要ならばフィットするように適合させる。過剰なアクリルをアクリルバーまたはストーンでトリミングし、磨きあげて滑らかに仕上げる。次にアクリルテンポラリーを適所にセメント接着する。
【0004】
歯科用樹脂を硬化させた後に物品型が除去できるように、薄肉の歯科用物品型を有することが望ましいであろう。その結果、より薄い壁は、隣接する歯の間ならびに対向する歯の間に、より小さなギャップを残す。歯科用物品型を除去しない場合、厚さはそれほど問題にならない。望ましい形状(例えば解剖学的またはその他のカスタマイズ形状)に予成形され、1つ以上の硬化性歯科用材料で充填するのに適し、特に口腔条件下で十分に展性があって第2の形状に再成形され、歯科用材料の硬化に続いてカスタム整形された歯科用物品を提供する、歯科用物品型を有することもまた望ましい。このような歯科用物品型は、歯科用印象を使用する必要性を排除して、相当数の物品型のサイズおよび形状の必要性を排除するであろう。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,057,383号明細書
【特許文献2】米国特許第5,403,188号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0061493号明細書
【特許文献4】米国特許第4,652,274号明細書
【特許文献5】米国特許第4,642,126号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0114553号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0005524号明細書
【特許文献8】米国特許第6,084,004号明細書
【特許文献9】米国特許第6,187,836号
【特許文献10】米国特許出願整理番号第10/643771号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、歯科用物品を製作するのに使用できる予成形された(例えば解剖学的形状)自立形(すなわち支えなしで立つ)構造の形態の有機組成物を含む歯科用物品型を提供する。歯科用物品型が除去可能であれば、それは薄肉であることが望ましい(例えば厚さ0.05mm〜0.25mm)。例えば歯科用クラウンのような歯科用物品は、ここで述べる手順に従って、迅速かつ容易に作ることができる。
【0007】
本発明は、テンポラリー、中間的、および永久クラウンおよびブリッジ、インレー、オンレー、インプラント、入れ歯、および義歯、ならびに歯科矯正具(例えば保定装置、ナイトガード)、歯の複製または副子、上顎顔面補綴具、およびその他のカスタマイズ構造をはじめとするが、これに限定されるものではない、歯科用修復材および歯科用補綴具のための歯科用型をはじめとするが、これに限定されるものではない用途に適する。
【0008】
必ずしも必要でないが、歯科用物品型は典型的に除去可能である。これは、歯科用物品型を硬化性歯科用材料で充填した後、そして歯科用材料が硬化して歯科用物品を形成した後に、歯科用物品型が物品から除去できることを意味する。本発明の特定の実施形態では、歯科用物品型を定位置に置いたままにできる。
【0009】
一般に、型が除去可能でない場合、次の特性が望ましくなる。(1)クリア/透明、または歯の色(例えばクラウンおよびブリッジで)であり、(2)硬質の歯科用材料(例えば修復材材料)に対して強力な界面結合(物理的または化学的)を形成する。
【0010】
歯科用物品型の有機組成物は、硬化性または非硬化性であることができる。硬化性である場合、それはエチレン性不飽和構成要素を含有する有機組成物などの多種多様な硬化性材料(例えばモノマー、オリゴマー、および重合性ポリマー)を含むことができる。硬化性有機組成物はまた、1つ以上の重合開始を含むことができる。歯科用物品型は、硬化性歯科用材料で充填するのに適した容器を含む。有機組成物が非硬化性の場合、例えばポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレングリコール、ワックス、およびそれらの混合物よりなる群から選択されるものなどの多種多様な非硬化性ポリマーを含むことができる。
【0011】
有機組成物はまた、1つ以上の充填剤を含むことができる。充填剤システムは、例えば繊維、微粒子充填剤、またはそれらの混合物を含むことができる。適切な微粒子材料は、ナノスケールの粒子の形態の無機材料であることができる。特定の実施形態では、無機材料は表面水酸基を含むことができる。
【0012】
所望ならば、有機組成物は、例えば1つ以上の界面活性剤などのその他の添加剤を含むことができる。
【0013】
一実施形態では、本発明は、第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の有機組成物を含み、硬化性歯科用材料で充填されるのに適し、歯科用材料を硬化させて歯科用物品を形成した後に取り除かれる、歯科用物品型を提供する。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の非硬化性有機組成物を提供し、歯科用物品型は1つ以上の硬化性歯科用材料で充填されるのに適する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の添加充填剤がない有機組成物を含む歯科用物品型を提供し、歯科用物品型は1つ以上の硬化性歯科用材料で充填されるのに適する。
【0016】
本発明はまた、容器を有する歯科用物品型を選択することと、容器を1つ以上の硬化性歯科用材料で充填することと、1つ以上の硬化性歯科用材料で充填される歯科用物品型を対象の歯構造(例えば修復のために準備された)の上に配置させることと、硬化性材料を少なくとも部分的に硬化して歯科用物品を形成することと、歯科用物品を対象の口の外で任意にカスタマイズすることと、歯科用物品を対象の歯構造にセメント接着することと、歯科用物品型を任意に取り除くことと、を含み、容器を硬化性歯科用材料で充填する前または後に、歯科用物品型が対象の口の中にある内に再整形される、歯科用物品を調製する方法も提供する。
【0017】
ここで「歯科用物品型」および「歯科用型」という語句は、最初に(印象トレー内で)印象を作るのとは対照的に、物品(例えば歯)構造を形成するために直接使用される装置を指す。したがって歯構造のネガの印象を作るのに、歯構造それ自体でなくカスタマイズできる印象トレーが使用され、カスタマイズできる印象トレーは、歯科用物品になる硬化性歯科用材料で充填されないので、これらの語句は歯科用印象トレーを含まない。
【0018】
「自立形」という用語は、支えなしに立つとき(すなわちパッケージングまたは容器のサポートなしに)、少なくとも約2週間にわたり、室温(すなわち約20℃〜約25℃)での顕著な変形なしに寸法的に安定して、形状(例えばクラウン型の予成形された形状)を保つ組成物を意味する。好ましくは本発明の組成物は、室温で少なくとも約1ヶ月、より好ましくは少なくとも約6ヶ月寸法的に安定している。本発明の組成物は、好ましくは室温を超える温度、より好ましくは約40℃まで、さらにより好ましくは約50℃まで、さらにより好ましくは約60℃までで寸法的に安定している。この定義は、(存在する場合)重合開始システムを活性化する条件の不在下、そして重力以外の外力の不在下で適用される。
【0019】
「十分な展性」という用語は、自立形構造が、例えば中程度の力(すなわち軽い指先の圧力から、歯科用複合機器などの小型工具の手動操作でかけられる力に至る)の下で、患者の口にカスタム整形してフィットできることを意味する。ここでは「展性がある」と言う語句は、口内条件下、または口腔組織が無理なくそれに耐えることができる条件下(例えば温度および/または水をはじめとする口腔流体)で展性がある材料を指す。
【0020】
「除去可能な」という用語は、(硬化または未硬化)歯科用物品型が、型の容器内で硬化された(または部分的に硬化された)硬化された歯科用材料から取り除かれる能力を指す。それは例えば、剥離、擦過、研磨、溶解などによって取り除くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
好ましくは本発明は、硬化性歯科用材料を受け入れるのに適した容器を含む、第1の形状(例えば歯科用クラウン型の形態)を有する自立形(すなわち支えなしで立つ)構造の形態の有機組成物を含む歯科用物品型(すなわち歯科用型)を提供する。有機組成物の構成要素は、次のようになるように選択される。組成物が、比較的容易に型込されて容器を有する最初の自立形構造を形成できる。自立形構造が(重合開始システムが存在する場合、それを活性化する条件の不在下で、および重力以外の外力の不在下で)、室温で少なくとも約2週間その最初の形状を保ち、(概して型を硬化性歯科用材料で充填した後)自立形構造が、第2の形状に再成形されるのに十分な展性を有して、口内条件下、または口腔組織が無理なくそれに耐えることができる条件下(例えば温度および/または水をはじめとする口腔流体)で展性がある。本発明の組成物は、十分な強度および加水分解安定性もまた有し、それらを口腔環境で使用するのに適切なものにし、容器内での硬化性材料の硬化を可能にして、所望の歯科用物品(例えばクラウン)を提供する。
【0022】
本発明の組成物は、予成形された歯科用物品型に特に良好に適する。ここでの用法では予成形された歯科用物品型は、硬化性歯科用材料で充填するための容器を有する、所望の半仕上げ(好ましくは特定の実施形態のために解剖学的に整形された)(第1の形状)で歯科医に提供されるものであり、それは次に第2の形状に修正(例えば再整形、適合、トリミング、または別のやり方でカスタマイズ)されて患者にフィットさせることができる。ここで予成形された歯科用物品型の半仕上げ形状は、最終成型品がなるべき姿の複製であり(好ましくは(ヒト)身体部分の形状に類似する形状)、ロープ、小球、またはシート形状ではない。典型的にこれは、本発明の組成物が好ましくはポジおよびネガの印象のある鋳型を使用して成形され、生じる成型品が顕著な変形なしに、好ましくは鋳型である付形装置から放出されることを意味する。
【0023】
概して本発明の自立形組成物は、比較的容易に変形される流動学的特性を有し(すなわちそれらには展性がある)、低い弾性回復を示す。しかし本発明の組成物は、モデリング/再整形の間(典型的に、これは口腔組織が無理なく耐えられる温度を超えない温度を伴う)、フリーフローの流体(すなわち液体)ではない。好ましくは組成物は、軟化点を超えてもフリーフローの流体でない。例えばワックスは形状適合が周囲温度/体温でなされる限り、本発明で使用できる。同一ワックスがはるかに高温(例えば80〜90℃)に加熱されたならば、ワックスは溶融してフリーフローの流体になる。しかし特定の実施形態では、本発明の組成物は、中程度の(例えば手による)圧力下でかなりの質量流量を示すが、軟化点を超えても液体フローでない。
【0024】
典型的に本発明の組成物の動的粘弾係数は、広い範囲にわたって変化する。さらに組成物は典型的に概して粘着とは無縁である。好ましくは動的弾性係数(すなわち弾性係数)G'は、約0.005Hzの周波数で少なくとも約100キロパスカル(kPa)、より好ましくは少なくとも約200kPa、最も好ましくは少なくとも約1000kPaである。好ましくは弾性係数G'は、約0.005Hzの周波数で約50,000kPaを超えず、より好ましくは約10,000kPaを超えず、最も好ましくは約5000kPaを超えない。好ましくは動的粘性係数(すなわち粘性係数)G"は、約0.005Hzの周波数で少なくとも約50kPa、より好ましくは少なくとも約200kPa、最も好ましくは少なくとも約1000kPaである。好ましくは粘性係数G"は約0.005Hzの周波数で約50,000kPaを超えず、より好ましくは約10,000kPaを超えず、最も好ましくは約5000kPaを超えない。これらの値は、組成物が口腔環境(例えば口腔流体および/または口腔温度)と接して初めて、特定の実施形態に適する。
【0025】
歯科用物品型の有機組成物は、硬化性(例えば重合性および/または架橋性)または非硬化性であることができる。
【0026】
非硬化性組成物
有機組成物が非硬化性である場合、それは口の温度で十分な展性を提供する多種多様な非硬化性組成物を含むことができる。好ましいポリマーは少なくとも2,000の分子量を有する。より好ましいポリマーは、10,000を超えない分子量を有する。例としては、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレングリコール、ワックス、およびそれらの混合物よりなる群から選択されるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。適切なワックスとしては、パターンワックス、ベース−プレートワックス、シートワックス、印象ワックス、習作ワックスなどの歯科用ワックスが挙げられる。このようなワックスは、典型的にパラフィン、微結晶性(microcrystalline)ワックス、カルナウバワックス、セレシンろう、蜜ろうの混合物を含む。
【0027】
本発明の歯科用物品型の有機組成物で使用するのに適したその他の非硬化性材料は、重合開始剤が組成物に含まれない場合、非硬化性材料として使用することもできる、フォルケル(Volkel)らに付与された(特許文献1)、オックスマン(Oxman)らに付与された(特許文献2)、およびサン(Sun)らの(特許文献3)で述べられるものである。
【0028】
硬化性組成物(樹脂システム)
有機組成物が硬化性である場合、それは例えば、より不飽和の、またはよりエチレン性不飽和の構成要素などの多種多様な硬化性材料(例えばモノマー、オリゴマー、または重合性ポリマーなど)を含むことができる(すなわち樹脂システム)。この文脈ではオリゴマーおよびポリマーの双方が使用されるが、「ポリマー」および「ポリマーの」という用語は、ここでは2つ以上の反復単位を有する、あらゆる材料を指すために使用されるので、オリゴマーも包含する。したがって特に断りのない限り、ポリマーはオリゴマーを含む。さらにポリマーという用語は、ここではホモポリマーおよび共重合体の双方を包含するために使用され、共重合体という用語は、ここでは2つ以上の異なる反復単位がある材料を包含するために使用される(例えば共重合体、ターポリマー、テトラポリマー)。硬化性有機組成物はまた、1つ以上の重合開始剤(すなわち重合開始システム)を含むことができる。ひとたび歯科用物品型が(必要ならばまたは所望ならば)第2の形状に再成形されると、例えば標準光重合条件下で、フリーラジカル硬化機序を使用して、歯科用物品型の有機組成物を硬化させて、硬化歯科用物品型が形成できる。典型的に、再成形(すなわち再整形)は、歯科用物品型の容器を硬化性歯科用材料で充填した後に起きる。硬化性歯科用材料は、歯科用物品型の有機組成物の硬化の前、後、またはそれと同時に硬化できる。
【0029】
好ましくは樹脂システムの構成要素の少なくともいくつかは、エチレン性不飽和を含んで付加重合できる。適切な樹脂は、好ましくは少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを含む(すなわち少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む)。
【0030】
適切な重合性樹脂構成要素の例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールモノ−およびジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサクリレート、ビス(1−(2−アクリロキシ))−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス(1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ))−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、トリス(ヒドロキシエチルイソシアヌル酸)トリメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ビスGMA、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレートおよびビス−メタクリレートなどのモノ−、ジ−、またはポリ−(メタ)アクリレート(アクリレートおよびメタクリレートを含む)と、ベッチャー(Boettcher)らに付与された(特許文献4)記載のものなどのアクリル化されたモノマーの共重合性混合物と、およびザドー(Zador)に付与された(特許文献5)記載のものなどのアクリル化されたオリゴマーと、(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミドおよびメタクリルアミド)、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス−アクリルアミド、およびβ−メタクリルアミドエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、およびジアセトンメタクリルアミドなどの不飽和アミドと、ウレタン(メタ)アクリレートと、スチレン、フタル酸ジアリル、コハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、およびフタル酸ジビニルなどのビニル化合物とが挙げられる。所望ならば、樹脂システム中で2つ以上のこのような構成要素混合物が使用できる。
【0031】
好ましくは樹脂総量は、組成物総重量を基準にして少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約13重量%、および最も好ましくは少なくとも約15重量%である。好ましくは樹脂総量は、組成物総重量を基準にし約60重量%を超えず、より好ましくは約50重量%を超えず、最も好ましくは約40重量%を超えない。特定の実施形態では、樹脂総量は100重量%である。
【0032】
歯科用物品型の硬化性有機組成物で使用するのに適したその他の材料は、フォルケル(Volkel)らに付与された(特許文献1)、オックスマン(Oxman)らに付与された(特許文献2)、サン(Sun)らの(特許文献3)、およびのカリム(Karim)らの(特許文献6)で述べられるものである。
【0033】
重合開始剤
歯科用物品型の有機組成物が硬化性の場合、1つ以上の適切な重合開始剤(すなわち重合開始システム)が含まれる。歯科用型の硬化性有機組成物の樹脂システムの硬化(例えば重合および/または架橋)ができる、1つの重合開始剤または2つ以上の重合開始剤混合物が使用できる。重合開始剤は、好ましくはフリーラジカル重合開始剤であり、例えば熱および/または放射線などの多様なやり方でそれを活性化してもよい。したがって例えば重合開始剤は、熱重合開始剤(例えばアゾ化合物および過酸化物)、または光重合開始剤であることができる。任意に重合開始剤システムは、1つ以上の光重合開始剤を含む。重合開始剤システムは、約300nm〜約1200nmのスペクトル領域に少なくとも1つの光重合開始剤活性を含むことができ、適切な波長および強度の光への曝露に際して、エチレン性不飽和部分のフリーラジカル重合および/または架橋を促進できる。このような多種多様な光重合開始剤が使用できる。光重合開始剤は、好ましくは樹脂システムに可溶性である。型が除去可能でない限り変色は問題でないが、好ましくはそれらは十分に貯蔵安定性で、望ましくない着色がなく、典型的な歯科用治療室および技工室条件下での保管および使用が可能である。可視光光重合開始剤が好ましい。
【0034】
適切な重合開始剤の例については、カリム(Karim)らの(特許文献6)で述べられる。
【0035】
重合開始剤システムは十分な量で存在して、所望の硬化(例えば重合および/または架橋)速度を提供する。光重合開始剤では、この量は光源、放射エネルギーに露出される層の厚さ、および光重合開始剤の吸光係数にある程度左右される。
【0036】
好ましくは重合開始剤システムは組成物重量を基準にして、少なくとも約0.01重量%、より好ましくは少なくとも約0.03重量%、最も好ましくは少なくとも約0.05重量%の総量で存在する。好ましくは重合開始剤システムは組成物重量を基準にして、約10重量%を超えず、より好ましくは約5重量%を超えず、最も好ましくは約2.5重量%を超えない総量で存在する。
【0037】
充填剤
歯科用物品型の有機組成物中で使用するための任意の充填剤(すなわち充填剤システム)は、多種多様な従来の充填剤から選択してもよい。好ましくは充填剤は、例えば歯科用修復材組成物で現在使用されている充填剤のような、医療用途で使用する組成物への組み込みに適するものである。
【0038】
充填剤は性質が、微粒子または繊維質のどちらであってもよい。微粒子充填剤は概して20:1以下、より一般には10:1以下の長さと幅の比率、または縦横比を有するとして定義されてもよい。繊維は20:1を超え、より一般には100:1比を超える縦横を有するとして定義できる。粒子の形状は、球状から楕円体の範囲で異なることができ、あるいはフレークまたはディスクなどのようにより平坦である。巨視的特性は、充填剤粒子の形状、特に形状の均一性に高度に依存する。
【0039】
特定の実施形態では、微粒子充填剤は超微粒子であり、約10ミクロメートル(すなわちμm)未満の平均粒度(好ましくは直径)を有する。適切なミクロンサイズの微粒子充填剤は、少なくとも約0.2μm〜1ミクロメートルに至る平均粒度を有する。ナノスケールの粒子は、200nm(0.2μm)未満の平均一次粒度を有する。充填剤は、単峰型または多峰型(例えば二峰性の)の粒度分布を有することができる。
【0040】
適切な充填剤の例については、カリム(Karim)らの(特許文献6)で述べられる。
【0041】
充填剤と樹脂システムとの結合を向上させるために、任意にシラン−カップリング剤などの表面処理で、充填剤粒子表面を処理してもよい。カップリング剤は、アクリレート、メタクリレートなどの反応性硬化基によって官能性付与されてもよい。
【0042】
1つ以上の充填剤を使用する場合、使用する総量は、所望ならば90重量%にさえ達する、所望の物品型に適したあらゆる量であることができる。
【0043】
その他の任意の添加剤
本発明の有機組成物は、1つの界面活性剤、または2つ以上の界面活性剤の混合物を含有してもよい。これらの界面活性剤は少量で使用された場合に、無機充填剤材料などの組成物のその他の構成要素と反応して、非共有結合的三次元構造の形成を向上させてもよい。このような界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、またはカチオン性であることができる。界面活性剤は、樹脂システムと共重合性または非共重合性であることができる。使用できる界面活性剤の選択における検討事項は、システム成分が水素結合に関与できる程度である。
【0044】
有機組成物は、着色剤(例えば従来、色調調節剤として使用される顔料)、香味料、薬品、安定剤(ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)など)、粘度調節剤などの任意の薬剤をさらに含んでもよい。このような薬剤は、樹脂システムと共重合するように、反応性官能基を任意に含んでもよい。
【0045】
使用方法および製品
本発明は歯科用物品を調製する方法を提供し、本方法は、容器を有する歯科用物品型を選択することと、容器を1つ以上の硬化性歯科用材料で充填することと、1つ以上の硬化性歯科用材料で充填した歯科用物品型を(例えば修復のために準備した)対象の歯構造上に配置することと、硬化性材料を少なくとも部分的に硬化して歯科用物品を形成することと、歯科用物品を対象の口外で任意にカスタマイズすることと、歯科用物品を対象の歯構造にセメント接着することと、歯科用物品型を任意に取り除くこととと、を含み、容器を硬化性歯科用材料で充填する前または後に、歯科用物品型が対象の口の中にあるうちに再整形される。
【0046】
例示的な実施形態では、復元する歯を復元(例えば完全クラウン修復)のために準備し、次に歯と周囲組織の双方をワセリンで覆う。適切な形状およびサイズの歯科用物品型(例えばクラウン型)を選択し、得られる型を準備した歯の上に配置して、必要なトリミングと整形の程度を判定し、任意に歯科用物品型上に印を付ける。物品型を口から取り出して、切断、トリミング、整形などによって、必要な形状およびサイズ調節を行い、硬化性歯科用材料で充填し、次に準備した歯の上に再度配置する。過剰な歯科用材料は、歯肉縁で、または歯科用クラウン型のあらかじめデザインされた開口または排出口を通じて流れ出すことができる。歯科用物品型は口腔環境内で十分に展性があり、例えばクラウン型の幅および周縁接触の調節を含め、充填される物品型が容易にカスタマイズできる。このカスタマイゼーションは、充填した歯科用物品型を準備した歯の残根の上に配置している間、そして硬化性歯科用材料がなおも未硬化段階にある内に実施される。カスタマイゼーションは、指または好みの機器(例えば歯科用複合機器の手動操作)による圧力の適用をはじめとする多様な方法で実施して、歯肉、隣接、および咬合性フィットをはじめとする最適カスタムフィットを提供できる。過剰な歯科用材料を片づけた後、歯科用物品型内に残る歯科用材料を光硬化性材料の場合はライトガンで粘着硬化(すなわち部分的に硬化)させるか、自己硬化型歯科用材料を使用する場合は部分的に硬化させる。次に歯科用材料を含有する歯科用物品型を準備した歯から取り除き、続いて必要ならばさらに硬化性歯科用材料を硬化する。歯科用物品型を引き離して取り除き、次にこの時点で硬化している歯科用材料をさらにトリミングし、必要に応じて磨いて最終歯科用物品(例えばクラウン)を得る。次にこの歯科用物品を清潔にした歯残根の上にセメントで配置できる。
【0047】
歯科用物品型は、所望の歯科用物品を作るために、1つ以上の硬化性歯科用材料で既に充填してから歯科医に提供できる。したがって歯科医は、歯科用物品型を硬化性歯科用材料で充填しなくてもよい。代案としては、歯科医が使用前に型に好みの硬化性歯科用材料を充填する融通がきくように、未充填歯科用物品型を提供できる。これは歯科医が、2つ以上の硬化性歯科用材料の組み合わせの使用をはじめとする、好ましい色調の硬化性歯科用材料を使用できるようにするので、歯科用クラウンの製造において特に重要である。
【0048】
単一歯科用物品型内での2つ以上の硬化性歯科用材料の使用は、いくつかの利点を提供する。歯科用クラウンの場合、異なる色調と透光性の材料の組み合わせによって、例えば天然歯の象牙質とエナメル層を疑似することで、高度に審美的な物品を提供してもよい。同様に異なる粘度と取り扱い特性の硬化性歯科用材料の(同一歯科用物品型内での)使用は、使用の容易さおよび/またはより良い官能性特性を提供できる。例えば歯科用クラウン型の場合、クラウン型の咬合領域を低摩耗性の高度充填歯科用樹脂で充填できる。
【0049】
組成物が硬化性である場合、または歯科用物品型が硬化性歯科用材料であらかじめ充填される場合、成型品は好ましくは、含有される重合開始剤システムを活性化できる熱および/または光から、それらを保護する様式でパッケージして、個別にまたは複数単位で販売できる。本発明に関連して使用してもよい適切な硬化性硬化性歯科用材料の例としては、例えばオックスマン(Oxman)らの(特許文献7)、ならびにワインマン(Weinmann)らに付与された(特許文献8)およびオックスマン(Oxman)らに付与された(特許文献9)で述べられるように、硬化性歯科用材料(修復材、充填剤など)として使用するために開示される、光重合性および化学重合性組成物が挙げられる。
【0050】
本発明の自立形歯科用物品型は、個別にまたは一緒にパッケージできる。このようなパッケージング材料は、重合開始剤システムが存在する場合、それを活性化することにより、例えば光重合開始剤の場合に露光によって引き起こされるような時期尚早の硬化を引き起こす条件から、これらの製品を保護するべきである。さらにパッケージング材料は、任意に歯科用物品型の表面にぴったり合うことで、輸送中の破損に抵抗するために、追加的な機械的強度を提供する。例えば歯科用物品型は、あらゆる側面でポリエチレン層内にパッケージできる。ポリエチレンは機械的構造を提供し、密封させて水との接触を防止できる。ポリエチレンを例えばカーボンブラックなどの適切な染料で充填すると、入射光は封入された製品に到達する前に吸収される。このようなパッケージング層が幾分硬質であれば、そしてパッケージング材料が本発明の歯科用物品型に類似して付形されれば、パッケージングは輸送および保管中に歯科用物品型の寸法的安定性を向上できる。場合によっては、パッケージングは、このようにして製品システムの不可欠な部分を形成してもよい。
【0051】
歯科用物品型は、光硬化性有機組成物のための遮光性パッケージングなどのパッケージング内で輸送できる。
【0052】
歯科用物品型は、歯科用物品型の基部から離れた位置で歯科用物品(好ましくはクラウン)型に付着するハンドル、歯科用物品型の配置中に過剰量の硬化性歯科用材料がそれを通じて通過できる排出口型ハンドル、および歯科用物品型の配置後に分離して歯科用物品型を歯科用材料から除去してもよい1本以上の脆弱なラインの1つ以上の特徴群を含んでもよい。これらの実施形態については、「歯科用クラウン型および方法」と題された、2003年8月19日に出願されたクヴィットルッド(Kvitrud)らの同時係属中の(特許文献10)で、歯科用クラウン型に関してより完全に述べられる。
【0053】
歯科用物品型が除去可能な場合、それは薄肉であることが望ましい。好ましくはそれは、厚さ0.25ミリメートル(mm)を超える厚さを有さない。それは厚さ0.05mmに至るほどに、極めて薄くあることができる。歯科用物品型が除去可能でない場合、クリアまたは透明であることが望ましい。代案としては、例えば歯科用物品がクラウンまたはブリッジである場合、それは歯の色であることができる。さらにそれが除去可能でない場合、硬質の歯科用材料(例えば修復材材料)に対する強力な界面結合(物理的または化学的)を形成できるべきである。
【実施例】
【0054】
ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN))の3M ESPEからの予成形されたポリカーボネートクラウン(上顎右中切歯、#100)に、3M ESPEからのシリコーン印象材料(3MインプリントII洗浄材料−標準粘度)を充填して硬化させた。硬化したシリコーンコアをポリカーボネートクラウン内部から注意深く無傷で除去し、次のようにして、その周囲に展性があるクラウン型を作る鋳型として使用した。
【0055】
ドイツ国エッセンのフリードリヒ・クルップGmbHヴィディア・ファブリック(Friedrich Krupp GmbH Widia−Fabrik(Essen,Germany))からのワックスシート(プレート内モデリングワックス、0.2)から、0.2mm厚さの4mm×1.5mm断片を切り抜いた。このワックスフィルムを上述のシリコーン歯型の周囲に巻き付けて、ワックスシートの二端の小さな垂直の重なりを作り出した。ワックスをわずかに加熱して重なりを共に溶接することで、管状構造を作り出した。次にクラウン鋳型の切歯縁に沿って管を密封し、大まかにクラウン様の形状を作った。次に軟化したワックスは、歯形状のシリコーン鋳型周囲に容易に適合された。全ての過剰なワックスをトリミングして、シリコーン鋳型を注意深く除去し、本発明の薄肉で展性があるクラウン型を製造した。
【0056】
歯肉縁で、適切な長さにはさみでトリミングして、上顎中切歯を完全クラウンのために準備したニューヨーク州ロング・アイランド・シティのコロンビア・デントフォーム(Columbia Dentoform(Long Island City,NY))からのティポドント(TYPODONT)アーチモデルに、この展性があるクラウン型を適合させた。次にこのクラウン型に、3M ESPEからの自混ビスアクリルテンポラリー材料(プロテンプ3ガラント(PROTEMP 3 GARANT))を充填して、あらかじめワセリンで覆った準備した歯の残根上に配置させ、テンポラリー材料が中間硬質段階に達したらクラウンを歯から注意深く取り除いて、押し出された過剰な材料をトリミングした。さらに数分してから、ワックスクラウン型を硬化したクラウンから取り除いて複合材クラウンを得た。
【0057】
本発明の範囲と精神を逸脱することなく本発明の様々な修正と変更ができることは、当業者には明らかである。本発明はここで述べる例証的な実施形態および実施例によって不当に制限されず、このような実施例および実施形態は例証のためにのみ提示され、本発明の範囲は、ここで以下のように述べる請求項によってのみ制限されるものとすることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の有機組成物を含んでなる歯科用物品型であって、1つ以上の硬化性歯科用材料で充填でき、歯科用材料が少なくとも部分的に硬化して歯科用物品を形成した後に取り除かれる、歯科用物品型。
【請求項2】
有機組成物が界面活性剤システムをさらに含んでなる、請求項1に記載の歯科用物品型。
【請求項3】
第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の非硬化性有機組成物を含んでなる歯科用物品型であって、1つ以上の硬化性歯科用材料で充填されるのに適する、歯科用物品型。
【請求項4】
非硬化性有機組成物が、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレングリコール、ワックス、およびそれらの混合物よりなる群から選択される非硬化性ポリマーを含んでなる、請求項3に記載の歯科用物品型。
【請求項5】
有機組成物が充填剤システムを含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項6】
第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の添加充填剤のない有機組成物を含んでなる歯科用物品型であって、1つ以上の硬化性歯科用材料で充填されるのに適する、歯科用物品型。
【請求項7】
有機組成物が硬化性である、請求項1、2、または6のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項8】
硬化性有機組成物が、少なくとも1つのエチレン性不飽和構成要素を含んでなる、重合開始システムおよび樹脂システムを含んでなる、請求項7に記載の歯科用物品型。
【請求項9】
有機組成物が非硬化性である、請求項1、2、または6のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項10】
非硬化性有機組成物が、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレングリコール、ワックス、およびそれらの混合物よりなる群から選択される非硬化性ポリマーを含んでなる、請求項9に記載の歯科用物品型。
【請求項11】
取り外し不能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項12】
1つ以上の硬化性歯科用材料を含有する容器を含んでなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項13】
クラウン、インレー、オンレー、ブリッジ、歯科矯正具、顎顔面補綴具、および歯の副子よりなる群から選択される、歯科用物品のための型である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項14】
パッケージングである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項15】
歯科用材料を硬化して歯科用物品を形成した後に除去可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項16】
歯科用物品型の基部から離れた位置で歯科用物品型に付着するハンドル、歯科用物品型の配置中に過剰量の硬化性歯科用材料がそれを通じて通過できる排出口型ハンドル、および歯科用物品型の配置後に分離して歯科用物品型を歯科用材料から除去してもよい1本以上の脆弱なラインの1つ以上の特徴群を含んでなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の歯科用物品型。
【請求項17】
容器を有する歯科用物品型を選択することと、
容器を1つ以上の硬化性歯科用材料で充填することと、
1つ以上の硬化性歯科用材料で充填される歯科用物品型を対象の歯構造の上に配置させることと、
硬化性材料を少なくとも部分的に硬化して歯科用物品を形成することと、
歯科用物品を対象の口の外で任意にカスタマイズすることと、
歯科用物品を対象の歯構造にセメント接着することと、
歯科用物品型を任意に取り除くことと、
を含んでなり、
容器を硬化性歯科用材料で充填する前または後に、歯科用物品型が対象の口の中にあるうちに再整形される、歯科用物品を調製する方法。
【請求項18】
歯科用物品型が除去される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
歯科用物品型が、第1の形状と、第2の形状に成形されるのに十分な展性とを有する自立形構造の形態の有機組成物を含んでなる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
有機組成物が硬化性または非硬化性である、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2007−502668(P2007−502668A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524016(P2006−524016)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/026830
【国際公開番号】WO2005/018479
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】