説明

殺虫剤の併用物

植物に対する危害を抑制または防止する方法であって、植物、植物の一部、植物器官、および/またはそれらの植物繁殖物質、またはそれらの植物繁殖物質の周囲領域に対して、(I)アバメクチン、および(II)エトキサゾールを含んでなる併用物を、任意の所望の順序でまたは同時に適用することを含んでなる、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性殺虫成分およびそれらの組成物の規定された併用物の使用、ならびに植物、または植物の繁殖物質に対する危害の抑制または防止におけるこのような併用物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の成長を改善するために、一定の活性成分、薬剤および併用が文献に記載されている。しかし、このような既知の使用法の効力は、多くの出来事や態様において、常に農業実践における必要性を満たすとは限らない。特に害虫の制御のために、良好な、例えば生物学的性質、例えば相乗性を提供する改善された併用物を提供することが継続して求められている。さらに、既知の併用物の生物学的性質は、例えば、害虫の制御、植物毒、ならびに環境および作業者への曝露の分野において、完全に十分ではない。特に、害虫が既知の組成物または活性成分に対して耐性を持つようになったりその危険性が高まったりした場合、抑制または防止の改善された方法が求められる。
【発明の概要】
【0003】
特定の一実施形態において、成分による植物繁殖物質(特に種子)の保護は、単独で、または葉または畝間用の活性成分適用と併せて使用された場合に、環境および作業者の被曝を減少させる必要性に部分的に対処する、目標とする適用(target application)である。
【0004】
活性成分の特定の併用物は、特定の成分の規定された併用物が、任意の所望の順序で、または同時に、植物、植物の一部、植物器官、植物繁殖物質、またはそれらの周囲領域に適用される場合、害虫による植物への危害の予期しない抑制または防止を提供することが現在分かっている。
【0005】
したがって、第一の態様において、本発明は、植物に対する危害を抑制または防止する方法であって、植物、植物の一部、植物器官、および/またはそれらの植物繁殖物質、またはそれらの植物繁殖物質周囲の領域に対して、(I)アバメクチン(abamectin)および(II)エトキサゾール(etoxazole)を含んでなる併用物を、任意に所望の順序でまたは同時に適用することを含んでなる方法を提供する。
【0006】
第二の態様において、本発明は、第一の態様に定義されたとおり、植物、植物の一部、植物器官、植物繁殖物質、またはそれらの領域に対して併用物を適用することによって、植物の成長を改善する方法を、任意の所望の順序で、または同時に提供する。
【0007】
さらなる態様において、本発明は、任意の所望の順序で、または同時に、第一の態様で定義された併用物を、植物繁殖物質に適用することによって植物繁殖物質を保護する方法に関する。
【0008】
本発明はまた、第一の態様で定義された併用物によって処理された植物繁殖物質に関する。
【0009】
さらに、一実施形態において、本発明は(i)第一の態様で定義された併用物によって、種子などの植物繁殖物質を処理すること、および(ii)処理済みの植物繁殖物質、または植物の一部、植物器官および/または処理済み繁殖物質から成長した植物の害虫の危害を併用物によって保護されている処理済み繁殖物質を植え付けることまたは播種すること、を含んでなる方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
また、一実施形態において本発明は、(i)第一の態様で定義された併用物によって、種子などの植物繁殖物質を処理すること、(ii)処理済み植物繁殖物質を植え付けることまたは播種すること、および(iii)処理済み植物繁殖物質、または植物の一部、植物器官および/または処理済み繁殖物質から成長した植物の害虫危害に対して保護を達成すること、を含んでなる方法に関する。
【0011】
植物に対する危害は一般に、昆虫、真菌、雑草などの害虫によって引き起こされ、したがって、植物に対する危害の抑制および防止は一般に、害虫の制御を含む。
【0012】
第一の態様で定義された併用物は、昆虫綱、クモ綱および/または線虫綱から選択された害虫の制御に好適である。
【0013】
本発明による併用物は、昆虫、若齢昆虫、昆虫幼体および昆虫の卵などの害虫との闘いに効果的であり、害虫に対して直接、または害虫が生存している場所に適用することができる。本発明による併用物によって制御される害虫としては、農業/園芸における害虫、衛生害虫、貯蔵穀物害虫、衣類害虫および家庭害虫が挙げられる。
【0014】
本発明の併用物は、植物に対する害虫の危害を抑制または防止するために使用される農業分野および関連分野に使用することができる。
【0015】
本発明の任意の態様の一実施形態において、(I)と(II)は同時に適用される。
【0016】
本発明の文脈内で、抑制、防止または保護およびその変型とは、
植物、植物の一部または植物繁殖物質における
−害虫の発生または攻撃、および
−害虫の危害
などの任意の望ましくない作用を、改善が示されるようなレベルまで減少させることを意味する。
【0017】
化合物単独の活性に比して、併用物により相乗活性を示すことができる。
【0018】
本発明による殺虫剤併用物は、害虫の攻撃または危害;特に植物の場合での害虫の攻撃または危害に対して植物を保護するために、きわめて有利な性質を有し、本発明は、植物、植物器官、または植物繁殖物質に対する害虫危害を抑制または防止することができる。
【0019】
これらの性質は、例えば、化合物(I)と(II)の併用の相乗的増強作用であり、その結果、害虫危害の減少、適用量の減少、または作用のより長期持続がもたらされる。農業の場合、増強作用によって、例えば、害虫危害の予想以上に高い抑制、植物のより大きな成長特性、植物収穫のより高い収率、植物のより多い株立本数により、植物の成長特性における改善が示されることが判明している。
【0020】
植物の成長特性における改善は、多くの異なる方法で明らかになり得るが、最終的には植物のより良好な生産をもたらす。それは、例えば、その改善が害虫の制御に関連していない可能性のある植物の収率および/または生育量または植物からの収穫産物の品質における改善で明らかになり得る。
【0021】
本明細書に用いられる語句「収率の改善」は、同一の条件下であって本方法を適用せずに生産した植物の同じ生産物の収率以上の、植物生産物収率の測定可能な量での増加に関する。収率は、好ましくは、少なくとも約0.5%増加し、より好ましくは、少なくとも約1%増加し、さらに好ましくは、約2%増加し、より一層好ましくは、約4%以上増加する。収率は、いくつかの基準で、植物生産物の重量または体積量によって表すことができる。基準は時間、成長面積、生産された植物の重量、使用された原料の量などによって表すことができる。
【0022】
本明細書に用いられる語句、植物の「生育量の改善」は、同一の条件下であって本方法を適用せずに生産した植物の同一因子以上に、測定可能な、または認識可能な量で、生育最大総重量、または株立本数(単位面積当りの植物数)、または植物の高さ、または植物草冠、または視覚的外観(葉色のより濃い緑など)、または根の最大総重量、または出芽、またはタンパク質含量の増加または改善、または分けつ増加、より大きな葉身、またはより少ない根出枯葉、またはより強い分けつ、またはより少ない肥料必要量、またはより少ない必要種子数、またはより多い生産的分けつ、またはより早い開花、またはより早い穀粒成熟、またはより少ない植物節(停留)、またはシュートの成長増加、またはより早い発芽、またはこれらの因子の任意の組み合わせ、または当業者に知られた他の任意の利点に関する。
【0023】
本方法が植物の「収率および/または生育量の改善」をなすことができると言われる場合、本方法は、植物の上記の収率、もしくは植物の上記の生育量のいずれか、または植物の収率と生育量の双方の増加をもたらす。
【0024】
したがって、本発明はまた、植物に第一の態様で定義された併用物を、任意の所望の順序で、または同時に適用することを含んでなる、植物の成長特性を改善する方法を提供する。
【0025】
好ましい一実施形態において、併用物は、1種または複数種の通例的な製剤用助剤をさらに含んでなる組成物の形態にある。好ましい一実施形態において、組成物は、予備混合製薬組成物の形態にある。
【0026】
したがって、さらなる一態様において、本発明は、(I)アバメクチンおよび(II)エトキサゾールを含んでなる組成物を提供する。一実施形態において、組成物は第一の態様で定義された、(I)および(II)、ならびに1種または複数種の通例的な製剤用助剤を含んでなる予備混合製薬組成物の形態にある。
【0027】
本発明による併用物によって制御される害虫の例は、昆虫綱、クモ綱および線虫綱から選択される害虫である。このような害虫の例としては:鱗翅目(Lepidoptera)から、例えば、アクレリス種(Acleris spp.)、アドキソフィエス種(Adoxophyes spp.)、アエゲリア種(Aegeria spp.)、アグロティス種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセアエ(Alabama argillaceae)、アミロイス種(Amylois spp.)、アンチカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチプス種(Archips spp.)、アルギロタエニア種(Argyrotaenia spp.)、アウトグラファ種(Autographa spp.)、ブッセオラ・フスカ(Busseola fusca)、カドラ・カウテラ(Cadra cautella)、カルポシナ種(Carposina spp.)、チロ種(Chilo spp.)、コリストネウラ種(Choristoneura spp.)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、シナファロクロシス種(Cnaphalocrocis spp.)、シナファシア種(Cnephasia spp.)、コチリス種(Cochylis spp.)、コレオホラ種(Coleophora spp.)、クロシドロミア種(Crocidolomia spp.)、クリプトフレビア・ロイコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)、クリソデイキス・インクルデンス(Crysodeixis includens)、シデジア種(Cydia spp.)、ジアトラエア種(Diatraea spp.)、ジパロプシス・カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス種(Earias spp.)、エラスモパルプス種(Elasmopalpus spp.)、エフェスチア種(Ephestia spp.)、ユーコスマ種(Eucosma spp.)、ユーポエチラ・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、ユープロクチス種(Euproctis spp.)、ユーキソア種(Euxoa spp.)、グラホリタ種(Grapholita spp.)、ヘディア・ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リソコレチス種(Lithocollethis spp.)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、リマントリア種(Lymantria spp.)、リオネチア種(Lyonetia spp.)、マラコソマ種(Malacosoma spp.)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、マンデュカ・セックタ(Manduca sexta)、オペロフテラ種(Operophtera spp.)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パンメネ種(Pammene spp.)、パンデミス種(Pandemis spp.)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、フィロクニスチス種(Phyllocnistis spp)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)、ピエリス種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プライス種(Prays spp.)、シルポファガ種(Scirpophaga spp.)、セサミア種(Sesamia spp.)、スパルガノチス種(Sparganothis spp.)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)、シナンテドン種(Synanthedon spp.)、タウメトポエア種(Thaumetopoea spp.)、トルトリクス種(Tortrix spp.)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)およびイポノメウタ種(Yponomeuta spp.);
鞘翅目(Coleoptera)から、例えば、アグリオテス種(Agriotes spp.)、アントノムス種(Anthonomus spp.)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、セウトリンクス種(Ceutorhynchus spp.)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポリテス種(Cosmopolites spp.)、クルクリオ種(Curculio spp.)、デルメステス種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ種(Diabrotica spp.)、エピラクナ種(Epilachna spp.)、エレムヌス種(Eremnus spp.)、ゴノセファルム種(Gonocephalum spp.)、ヘテロニクス種(Heteronychus spp.)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス種(Lissorhoptrus spp.)、メロロンタ種(Melolontha spp.)、オリカエフィルス種(Orycaephilus spp.)、オチオリンクス種(Otiorhynchus spp.)、フリクチヌス種(Phlyctinus spp.)、フィロトレタ種(Phyllotreta spp.)、ポピリア種(Popillia spp.)、プロトストロフス種(Protostrophus spp.)、プシリオデス種(Psylliodes spp.)、リゾペルタ種(Rhizopertha spp.)、スカラベイダエ(Scarabeidae)、シトフィルス種(Sitophilus spp.)、シトトロガ種(Sitotroga spp.)、テネブリオ種(Tenebrio spp.)、トリボリウム種(Tribolium spp.)およびトロゴデルマ種(Trogoderma spp.);
直翅目(Orthoptera)から、例えば、ビアッタ種(Blatta spp.)、ブラッテラ種(Blattella spp.)、グリロタルパ種(Gryllotalpa spp.)、ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ種(Locusta spp.)、ペリプラネタ種(Periplaneta spp.)およびシストプテラ種(Schistocerca spp.);
等翅目(Isoptera)から、例えば、レチクリテルメス種(Reticulitermes spp.);
チャタテムシ目(Psocoptera)から、例えば、リポスセリス種(Liposcelis spp.);
シラミ目(Anoplura)から、例えば、ハエマトピヌス種(Haematopinus spp.)、リノグナツス種(Linognathus spp.)、ペジクルス種(Pediculus spp.)、ペムフィグス種(Pemphigus spp.)およびフィロキセラ種(Phylloxera spp.);
ハジラミ目(Mallophaga)から、例えば、ダマリネア種(Damalinea spp.)およびトリコデクテス種(Trichodectes spp.);
アザミウマ目(Thysanoptera)から、例えば、フランクリニエラ種(Frankliniella spp.)、ヘルシノトリプス種(Hercinothrips spp.)、ポンチクロトリプス・ジオスピロシ(Ponticulothrips diospyrosi)、タエニオトリプス種(Taeniothrips spp.)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、トリプス・タバシ(Thrips tabaci)、シルトトリプス・アウランチ(Scirtothrips aurantii)およびシルトトリプス・ドルサリス(Scirtothrips dorsalis);
異翅目(Heteroptera)から、例えば、ジチェロプス・メラカンツス(Dichelops melacanthus)、ジスタンチエラテオブローマ(Distantiella theobroma)、ジスデルクス種(Dysdercus spp.)、ユーチスツス種(Euchistus spp.)、ユーリガスター種(Eurygaster spp.)、レプトコリサ種(Leptocorisa spp.)、ネザラ種(Nezara spp.)、プレスマ種(Piesma spp.)、ロドニウス種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファラ種(Scotinophara spp.)およびトリアトマ種(Triatoma spp.);
同翅目(Homoptera)から、例えば、アレウロトリキサス・フロッコサス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデス・ブラッシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ種(Aonidiella spp.)、アフィジダエ(Aphididae)、アフィス種(Aphis spp.)、アスピジオツス種(Aspidiotus spp.)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、セロプラスター種(Ceroplaster spp.)、クリソムファルス・アオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、クリソムファルス・ジクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカス・ヘスペリダム(Coccus hesperidum)、エンポアスカ種(Empoasca spp.)、エリオソーマ・ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリトロネウラ種(Erythroneura spp.)、ガスカルジア種(Gascardia spp.)、ラオデルファクス種(Laodelphax spp.)、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス種(Lepidosaphes spp.)、マクロシフス種(Macrosiphus spp.)、ミザス種(Myzus spp.)、ネホテチックス種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ種(Nilaparvata spp.)、パラトリア種(Paratoria spp.)、ペンフィガス種(Pemphigus spp.)、プラノコッカス種(Planococcus spp.)、プソイダウラカスピス種(Pseudaulacaspis spp.)、プソイドコッカス種(Pseudococcus spp.)、プシラ種(Psylla spp.)、プルビナリア・アエチオピカ(Pulvinaria aethiopica)、クアドラスピジオツス種(Quadraspidiotus spp.)、ローパロシフム種(Rhopalosiphum spp.)、サイセッチア種(Saissetia spp.)、スカホイデウス種(Scaphoideus spp.)、シザフィス種(Schizaphis spp.)、シトビオン種(Sitobion spp.)、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオーザ・エリトレアエ(Trioza erytreae)およびウナスピス・シトリ(Unaspis citri);
膜翅目(Hymenoptera)から、例えば、アクロミルメックス(Acromyrmex)、アタリア・ロサエ(Athalia rosae)、アッタ種(Atta spp.)、セフス種(Cephus spp.)、ジプリオン種(Diprion spp.)、ジプリニダエ(Diprionidae)、ギルピニア・ポリトーマ(Gilpinia polytoma)、ホプロカンパ種(Hoplocampa spp.)、ラシウス種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン種(Neodiprion spp.)、ソレノプシス種(Solenopsis spp.)およびべスパ種(Vespa spp.);
双翅目(Diptera)から、例えば、アンテリゴナ・ソッカタ(Antherigona soccata)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、セラチチス種(Ceratitis spp.)、クリソミィーア種(Chrysomyia spp.)、クレックス種(Culex spp.)、クテレブラ種(Cuterebra spp.)、ダクス種(Dacus spp.)、デリア種(Delia spp.)、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)、リリオミザ種(Liriomyza spp.)、メラナグロミザ種(Melanagromyza spp.)、オルセオリア種(Orseolia spp.)、オスシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミィーア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア種(Phorbia spp.)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、シアラ種(Sciara spp.);
ダニ目(Acarina)から、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アカフィラ・テアバグランス(Acaphylla theavagrans)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクルプス・ペレカッシ(Aculps pelekassi)、アクルス・フォッケウイ(Aculus fockeui)、アクルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、アンブリオンマ種(Amblyomma spp.)、アルガス種(Argas spp.)、ブレビパルプス種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオーサ(Bryobia praetiosa)、カラカルス・カリナツス(Calacarus carinatus)、カリピトリメルス種(Calipitrimerus spp.)、コリオプテス種(Chorioptes spp.)、デルマニスサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス・カルピニ(Eotetranychus carpini)、エリオフィエス種(Eriophyes spp.)(エリオフィエス・チバエンシス(Eriophyes chibaensis)など)、ヒアロンマ種(Hyalomma spp.)、オリゴニクス・プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニトドロス種(Ornithodoros spp.)、パノニクス種(Panonychus spp.)(パノニクス・シトリ(Panonychus citri)、パノニクス・モリ(Panonychus mori)およびパノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)など)、フィロコプトルタ種(Phyllocoptruta spp.)(フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)など)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス種(Psoroptes spp.)、リピセファルス種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリファス種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス種(Sarcoptes spp.)、タルソネムス種(Tarsonemus spp.)およびテトラニクス種(Tetranychus spp.)(テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)およびテトラニクス・ウルチカエ(etranychus urticae)など);および
線虫綱(Nematoda)から、例えば、メロイドジャイネ種(Meloidogyne spp.)(例えば、メロイドジャイネ・インコジニタ(Meloidogyne incoginita)およびメロイドジャイネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica))、ヘテロデラ種(Heterodera spp.)(例えば、ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・シャクチ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラ・アベナエ(Heterodora avenae)およびヘテロデラ・トリフォリ(Heterodora trifolii))、グロボデラ種(Globodera spp.)(例えば、グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis))、ラドホラス種(Radopholus spp.)(例えば、ラドホラス・シミレス(Radopholus similes))、ロチレンクラス種(Rotylenchulus spp.)、プラチレンクス種(Pratylenchus spp.)(例えば、プラチレンクス・ネグレクタンス(Pratylenchus neglectans)およびプラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans))、アフェレンコイデス種(Aphelenchoides spp.)、ヘリコチレンクス種(Helicotylenchus spp.)、ホプロライムス種(Hoplolaimus spp.)、パラトリコドラス種(Paratrichodorus spp.)、ロンジドラス種(Longidorus spp.)、ナコンバス種(Nacobbus spp.)、スバングイナ種(Subanguina spp.)、ベロンライムス種(Belonlaimus spp.)、クリコネメラ種(Criconemella spp.)、クリコネモイデス種(Criconemoides spp.)、ジチレンクス種(Ditylenchus spp.)、ドリコドラス種(Dolichodorus spp.)、ヘミクリコネモイデス種(Hemicriconemoides spp.)、ヘミシクリオホーラ種(Hemicycliophora spp.)、ヒルシュマニエラ種(Hirschmaniella spp.)、ヒプソペリネ種(Hypsoperine spp.)、マクロポストニア種(Macroposthonia spp.)、メリニウス種(Melinius spp.)、プンクトデラ種(Punctodera spp.)、キニスルシウス種(Quinisulcius spp.)、スクテロネマ種(Scutellonema spp.)、キシフィネマ種(Xiphinema spp.)、およびチレンコリンクス種(Tylenchorhynchus spp.)、が挙げられる。
【0028】
特に、併用物は1種または複数種のアドキソフィエス種(Adoxophyes spp.)、アルキプス種(Archips spp.)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)、リオネチア種(Lyonetia spp.)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、フランクリニエラ種(Frankliniella spp.)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、トリプス・タバシ(Thrips tabaci)、シルトトリプス・ドルサリス(Scirtothrips dorsalis)、アフィス種(Aphis spp.)、ベミシアタバシ(Bemisia tabaci)、エリオソーマ・ラリゲラム(Eriosoma larigerum)、ミザス種(Myzus spp.)、リリオミザ種(Liriomyza spp.)、アカフィラ・テアバグランス(Acaphylla theavagrans)、アクルプス・ペレカッシ(Aculps pelekassi)、アクルラス・ホッケウイ(Aculus fockeui)、アクラス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、カラカルス・カリナツス(Calacarus carinatus)、エリオフィエス・チバエンシス(Eriophyes chibaensis)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、フィロコプトルタ種(Phyllocoptruta spp.)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、タルソネムス種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)およびテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)の制御に好適である。
【0029】
特に、突然変異による、および/または近接交雑育種による遺伝子の性質変化によって、併用物は、アセフェート、クロルピリホス、メチオダチオン、フェントエート、チオジカルブ、メトミル、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、イミダクロプリド、フルシトリネート、エトフェンプロックス、フェンブタチンオキシド、クロフェンテジン、ピリミジフェン、ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよびフェンピロキシメートなどの農業用化学物質に対して耐性となるアドキソフィエス種(Adoxophyes spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、フランクリニエラ種(Frankliniella spp.)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、トリプス・タバシ(Thrips tabaci)、シルトトリプス・ドルサリス(Scirtothrips dorsalis)、アフィス種(Aphis spp.)、ミザス種(Myzus spp.)、リリオミザ種(Liriomyza spp.)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)およびテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)などの害虫に対して有効であり得る。
【0030】
併用物は、一定の農業用化学物質に対して感受性であり得るか、またはそれらに対して耐性となった有害生物であるパノニクス・シトリ(Panonychus citri)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)およびテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)に対して特に好適である。
【0031】
本発明の併用物の各々を、特定の使用のために製剤化することができる。耕作植物またはそれらの繁殖物質を保護するために、各併用物を製剤化することが好ましい。したがって、本発明の各併用物を、葉面散布などの通例的様式で植物に適用することができる。例えば、農業および林業において見られ、発達の初期に特に植物に危害を与え得る害虫による危害を抑制または防止することにより、種子などの植物繁殖物質、処理済み物質(または種子)由来の植物の成長を改善するための処理適用に関して各併用物を製剤化することが有利である。
【0032】
さらに、本発明はまた、土壌に居住している害虫を制御するための本発明の併用物の土壌適用も予想している。土壌への適用方法は、併用物が土壌に浸透することが確認される任意の好適な方法によるものであってよく、例えば、苗箱適用、畝内適用、土壌ドレンチング、土壌注入、点滴灌漑、スプリンクラーまたは中央ピボットによる適用、(広範囲または帯域の)土壌内への組み込みがこのような方法である。
【0033】
また、(i)植物繁殖物質を併用物により処理すること、または(ii)制御が望まれる場所、一般には植え付け地に、併用物を適用すること、または(i)と(ii)の双方によって、本発明の利益を達成することもできる。実際、植物繁殖物質を、併用物の成分の1種または複数種によって処理し、次いで、制御が望まれる場所に、併用物のその他の成分を適用することによって本発明の利益を達成することもできる。
【0034】
用語「植物繁殖物質」は、植物の繁殖のために使用できる種子など、植物の全ての繁殖部分、ならびに挿し木および塊茎(例えばジャガイモ)などの栄養植物物質を表すと理解される。したがって、本明細書に用いられる植物部分には、繁殖物質が含まれる。例えば、種子(厳密な意味で)、根、果実、塊茎、球根、根茎、植物部分が挙げられる。発芽後、または土壌からの出芽後に移植される出芽植物および植物幼体を挙げることもできる。これらの植物幼体は、移植前に、全体的または部分的な浸漬処理により保護することができる。
【0035】
後期の時点で成長する植物部分または植物器官は、種子などの植物繁殖物質から発生する植物の任意の区画である。植物部分、植物器官および植物もまた、植物繁殖物質への各併用物の適用によって達成される害虫危害に対する保護から利益を得ることができる。一実施形態において、後期の時点で成長する一定の植物部分および一定の植物器官もまた植物繁殖物質として考慮され、それら自体に併用物を適用(または処理)することができ、その結果、処理済み植物部分および処理済み植物器官から発生する植物、さらに植物部分、さらに植物器官もまた、一定の植物部分および一定の植物器官に対する各併用物の適用によって達成された害虫危害に対する保護から利益を得ることができる。
【0036】
植物繁殖物質、特に種子に対する活性殺虫成分およびそれらの混合物を適用または処理するための方法は当業界に知られており、植物繁殖物質のドレッシング、コーティング、ペレッティングおよび浸漬の適用方法が含まれる。このような方法もまた、本発明による併用物に当てはまる。好ましい一実施形態において、植物繁殖物質に対する併用物は、発芽が誘導されないような方法によって、適用または処理される。一般に種子の浸漬は、得られる種子の水分含量が高すぎるため発芽を誘導する。したがって、種子などの植物繁殖物質に適用(または処理)するための好適な方法の例は、種子のドレッシング、種子のコーティングまたは種子のペレッティングなどである。
【0037】
植物繁殖物質は種子であることが好ましい。
【0038】
本方法は任意の生理学的状態での種子に適用できると考えられるが、処理過程中に種子が危害を被らないように、種子は十分に耐久性の状態にあることが好ましい。一般的に、種子は、産地から収穫され;植物から取り出され;任意の穂軸、茎、外殻、および周囲の髄または他の非種子植物物質から分離された種子である。また、処理が種子に対して生物学的危害を生じさせない程度に、種子が生物学的に安定であることが好ましいと考えられる。種子の収穫と播種との間、または播種過程中(種子向け適用)の任意の時点で、種子に処理を適用することができると考えられる。また、種子を、処理の前または後に、準備刺激することもできる。
【0039】
さらに、繁殖物質の処理中、併用物における成分の均一な分布および種子への成分の接着も望まれる。種子などの植物繁殖物質に対して、併用物を含有する製剤、例えば活性成分の混合物の、元のサイズおよび/または形状が認識できる薄いフィルム(ドレッシング)から中間状態(コーティングなど)まで、そして、種子の元の形状および/サイズがもはや認識できないより厚いフィルム(種々の材料(担体、例えば粘土;他の活性成分の製剤などの種々の製剤;ポリマー類;および着色剤)の多層を有するペレッティング)まで、処理は様々であり得る。
【0040】
種子の処理は、未播種の種子に対して行われ、用語「未播種の種子」とは、種子の収穫と植物の発芽および成長を目的とした土地における播種との間の任意の期間における種子を含むことを意味する。
【0041】
未播種の種子への処理は、活性成分を土壌に適用する実施を含むことを意味しないが、植え付け過程中に種子を標的にした任意の適用の実施を含むことを意味する。
【0042】
播かれた種子が併用物により予備処理されるように、処理は播種の前に行われることが好ましい。本発明による併用物の処理において、特に、種子コーティングまたは種子ペレッティングが好ましい。処理の結果、各併用物における成分は種子に接着し、したがって、害虫の制御に利用できる。
【0043】
処理済み種子は、他の任意の活性成分で処理した種子と同じ様式で、貯蔵、取り扱い、播種および耕作することができる。
【0044】
本発明による併用物は、作物:小麦、大麦、ライ麦、エンバク、米、トウモロコシ(飼料トウモロコシおよびサトウトウモロコシ/スイートコーンおよびフィールドコーン)またはモロコシなどの穀物類;サトウダイコンまたは飼料ビートなどのビート;フルーツ、例えば、リンゴ類、セイヨウナシ類、プラム類、モモ類、バナナ類、アーモンド類、クルミ類、ピスタチオ類、サクランボ類または液果類、例えば、イチゴ類、キイチゴ類または黒イチゴ類などの仁果類、核果類、ツリーナットまたはソフトフルーツ;マメ類、レンズマメ類、エンドウマメ類または大豆などのマメ科作物;アブラナ、カラシ、ケシ類、オリーブ類、ヒマワリ類、ココナッツ、ヒマシ、カカオまたは落花生などの油料作物;カボチャ、トウナス、キュウリ類またはメロン類などのウリ類;綿、亜麻、大麻またはジュートなどの繊維植物;オレンジ類、マンダリンオレンジ類、レモン類、グレープフルーツまたはタンジェリンなどの柑橘類フルーツ;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、アイスバーグ、ニンジン、タマネギ、トマト、パプリカ、ジャガイモまたはピーマンなどの野菜;アボカド、シンナモニウムまたはショウノウなどのクスノキ科;また、タバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、ペッパー、ブドウ、ホップ、オオバコ科、ラテックス植物、芝生、芝地、飼料草、およびカーネーション、バラ、キク、ペチュニア、フウロソウ属/テンジクアオイ属、パンジーおよびホウセンカなどの装飾花;および球果植物などのかん木、広葉樹および常緑樹の植物に好適である。
【0045】
また、好適な標的作物には、先述のタイプの遺伝子組換え作物植物も含まれる。本発明により用いられる遺伝子組換え作物植物は、公知の、例えば、毒素を産生する無脊椎動物、特に節足動物門(phylum Arthropoda)からの、または、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)株から例えば得ることができる;または、レクチンなど、植物由来の知られている、選択的に作用する毒素を合成することができるように、あるいは、除草剤耐性または殺真菌剤耐性を表すことのできるように、組換えDNA技法によって形質転換される植物、またはその繁殖物質である。このような毒素、またはこのような毒素を合成できる遺伝子組換え植物の例は、例えば、欧州特許出願公開第A−0 374 753号明細書、国際公開第93/07278号パンフレット、国際公開第95/34656号パンフレット、欧州特許出願公開第A−0 427 529号明細書および欧州特許出願公開第A−451 878号明細書に開示されており、これらは参照により本出願に援用される。
【0046】
本発明による併用物は、リンゴにおけるパノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)およびアクルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、セイヨウナシにおけるエリオフィエス・チバエンシス(Eriophyes chibaensis)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)、パノニクス・モリ(Panonychus mori)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)およびテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)、モモにおけるリオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)、パノニクス・モリ(Panonychus mori)、テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)およびアクルス・フォッケウイ(Aculus fockeui)、マンダリンオレンジにおけるフィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、シルトトリプス・ドルサリス(Scirtothrips dorsalis)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)およびアクルプス・ペレカッシ(Aculps pelekassi)、茶におけるカラカルス・カリナツス(Calacarus carinatus)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、およびアカフィラ・テアバグランス(Acaphylla theavagrans)などの作物および害虫と戦うために特に好適である。
【0047】
各併用物における活性成分化合物の重量比は、例えば、所望の相乗作用を提供するように選択される。一実施形態において、(I)対(II)の重量比は、1:50から10:1、好ましくは、1:30から5:1、より好ましくは、1:15から3:1、特に、1:7から2:1である。
【0048】
併用物の適用(使用)量は、例えば、使用のタイプ、作物のタイプによって変わるが、併用物における活性成分が、所望の作用(有害生物制御など)の増強を提供する量になるような量であり、通常の当業者に知られている試験とルーチン的実験によって決定することができる。葉または土壌処理に関しては一般的に、適用量は、(I)と(II)の活性成分が1ヘクタール当り0.05から3、好ましくは、0.1から1kg(g/ha)と変わり得る。
【0049】
他の実施形態から独立した一実施形態において、0.1g ai/haから100g ai/haの(I)と75g ai/haから900g ai/haの(II)など、(I)と(II)は、それぞれ、0.1g ai/haから120g ai/haと50g ai/haから1000g ai/haの比率で適用され、好ましい実施形態において、(I)と(II)は、それぞれ、1g ai/haから75g ai/haと100g ai/haから800g ai/ha、特に、それぞれ、2g ai/haから60g ai/haと125g ai/haから600g ai/haの量で適用される。
【0050】
種子処理では一般に、適用量は、0.5gの成分/100kgの種子から1000gの成分/100kgの種子まで変わり得る。一実施形態において、化合物(I)と(II)は、2gから800gの成分/100kgの種子、好ましくは、10gの成分/100kgの種子から650gの成分/100kgの種子、特に50gの成分/100kgの種子から500gの成分/100kgの種子の量で適用される。
【0051】
単一の活性殺虫成分が、二つ以上の害虫駆除分野で活性を有し得、例えば、一つの殺虫剤が、殺真菌活性、殺昆虫活性および殺線虫活性を有し得る。特に、アルジカルブ(aldicarb)は、殺昆虫活性、殺ダニ活性および殺線虫活性が知られており、一方、メタム(metam)は、殺昆虫活性、除草活性、殺真菌活性および殺線虫活性が知られており、また、チアベンダゾールおよびカプタンは、殺線虫活性と殺真菌活性を提供する。
【0052】
本発明の併用物は、他の殺真菌剤、殺虫剤、除草剤および殺線虫剤などの1種または複数種の他の殺虫剤と混合するかまたはそれらと共に使用することができる。例えば、より広範な領域の制御(例えば、より多様の害虫、病害など)、より低い薬量、相乗効果および経済性の理由で追加活性成分の使用があり得る。
【0053】
追加活性成分の例としては、ビクサフェン(bixafen)、ボスカリド(boscalid)、チアジニル(tiadinil)、アミスルブロム(amisulbrom)、シアゾファミド(cyazofamid)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシム−メチル(kresoxim−methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール−M(diniconazole−M)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾ−エフ(fluquinconazolef)、フルコナゾール−シス(furconazole−cis)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(penconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、キンコナゾール(quinconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリチコナゾール(triticonazole)、ユニコナゾール(uniconazole)、ユニコナゾール−P(uniconazole−P)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、イプロジオン(iprodione)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ベンフラカルブ(benfuracarb)インドキサカルブ(indoxacarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、デカルボフラン(decarbofuran)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、フルベンジアミド(flubendiamide)、ジメチラン(dimetilan)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、アセトアミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール(vaniliprole)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ブプロフェジン(buprofezin)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、シロマジン(cyromazine)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、スピロテトラマト(spirotetramat)、スピロメシフェン(spiromesifen)、メタフルミゾン(metaflumizone)、ピリダベン(pyridaben)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、ミルベメクチン(milbemectin)、レピメクチン(lepimectin)、スピノサド(spinosad)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ベンタゾン(bentazone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ジフルフェニカン(diflufenican)、S−メトラクロル(S−metolachlor)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、メソトリオン(mesotrione)、ベンスルフロン(bensulfuron)、ダゾメト(dazomet)、ホスチアザート(fosthiazate)、リムブダシハロトリン(lmbda cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、メタラキシル−M(metalaxyl−M)、フルジオキソニル(fludioxonil)、パクロブトラゾール(pacrobutrazole)およびカデュサホス(cadusafos)があり得る。
【0054】
1種または複数種の他の殺虫剤が、第一の態様に定義された併用物と併用される場合。1種または複数種の他の殺虫剤もまた、植物またはその周囲領域に適用することができ、他の殺虫剤は各々、互いに独立して、(I)と(II)の適用前に、それらの適用と同時に、またはそれらの適用後に適用することができ、(I)と(II)が、別々に適用される場合、他の殺虫剤は各々、互いに独立して、(I)と(II)の適用前に、それらの適用と同時に、またはそれらの適用の間に、またはそれらの適用後に適用することができる。
【0055】
一実施形態において、本発明の併用物は、1種または複数種の他の殺虫剤をさらに含んでなる。したがって、組成物は、(I)、(II)および1種または複数種の他の殺虫剤を含んでなる。
【0056】
併用化合物(すなわち、(I)および(II))、および他の任意の殺虫剤は、本発明において、製剤形態における純粋形態、すなわち、固体の活性成分として、例えば、特定の粒径で、または、好ましくは、増量剤、例えば、溶媒もしくは固体担体、または表面活性化合物(界面活性剤)など、製剤技術において通例的な少なくとも1種の助剤(補助剤としても知られている)と一緒に使用することができる。一般に、化合物(I)および(II)は各々、1種または複数種の製剤用助剤を有する製剤組成物の形態にある。
【0057】
したがって、(I)および(II)は、別々の製剤の形態で使用することができる。制御が、同時にまたは短い間隔、例えば同じ日に連続して望まれる場所に、所望の場合は、さらに担体、界面活性剤または製剤技術で通例的に使用される他の適用促進補助剤と一緒に、化合物を適用することができる。好ましい一実施形態において、(I)と(II)は同時に適用される。
【0058】
本発明において併用化合物(すなわち、(I)および(II))が、同時に適用される場合、それらは、併用物を含有する組成物として適用することができ、その場合(I)および(II)の各々は、別々の製剤源から得て、任意に他の殺虫剤とも一緒に混合(タンク混合物、即時適用物、スプレーブロス、またはスラリーとして知られている)することができるか、または(I)および(II)は、単一の製剤混合物源(予備混合物、濃縮物、製剤化生成物として知られている)として得ることができ、任意に他の殺虫剤と混合することができる。
【0059】
一実施形態において、本発明の併用物は、組成物として適用される。
【0060】
したがって、本発明は、活性成分として、(I)および(II)、任意に他の殺虫剤、また任意に1種または複数種の通例的製剤用助剤を含んでなる組成物を含み、それらは、タンク混合物または予備混合組成物の形態であり得る。
【0061】
一実施形態において、(I)と(II)との併用物は、予備混合組成物(または製剤化生成物)の形態で提供される。
【0062】
殺虫活性に関して実際の相乗作用に替わる、本発明による併用物は、幅広い意味で相乗活性として述べることもできる驚くべき有利な性質を有することもできる。挙げることのできるこのような有利な性質の例としては:製剤時および/または適用の際、例えば、粉砕、篩わけ、乳化、溶解または分散の際に有利な挙動;貯蔵安定性の増大;光に対する安定性の改善;より有利な分解性;毒性学的挙動および/または生態毒性学的挙動の改善:または当業者に周知の他の任意の利点がある。
【0063】
予備混合組成物に関する葉面用製剤タイプの例は以下ものがある:
GR:顆粒
WP:水和粉末
WG:水和分散性顆粒(粉末)
SG:水溶性顆粒
SL:溶解性濃縮液
EC:乳化性濃縮液
EW:乳濁液、水中油
ME:ミクロ乳濁液
SC:水性懸濁濃縮液
CS:水性カプセル用懸濁液
OD:油ベース懸濁濃縮液、および
SE:水性乳懸濁液。
【0064】
タンク混合組成物に好適な製剤タイプの例としては、溶液、希釈乳濁液、懸濁液、またはそれらの混液、および粉剤がある。
【0065】
製剤の性質によって、葉面散布、潅注、吹付け、噴霧、散粉、散乱、コーティングまたは流し込みなどの適用方法は、意図した目的および普及状況により選択される。
【0066】
タンク混合組成物は一般に、種々の殺虫剤、および任意に補助剤などのさらなる助剤を含有する1種または複数種の予備混合組成物を、溶媒(例えば、水)で希釈することにより調製される。
【0067】
好適な担体および補助剤は、固体でも液体でもよく、製剤化技術に通常使用される物質、例えば、天然または再生の無機物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤または肥料である。
【0068】
製剤は、既知の様式で、例えば、活性成分を、増量剤、例えば、溶媒、固体担体、および適切な場合は、表面活性化合物(界面活性剤)と均一に混合および/または粉砕することにより調製される。
【0069】
好適な溶媒は、芳香族炭化水素、好ましくは8個から12個の炭素原子を含有するフラクション、例えば、キシレン混合物または置換ナフタレン類、ジブチルフタレートまたはジオクチルフタレートなどのフタレート類、シクロヘキサンまたはパラフィン類などの脂肪族炭化水素、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール類およびグリコール類ならびにそれらのエーテル類およびエステル類、シクロヘキサノンなどのケトン類、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドなどの強極性溶媒、ならびにヤシ油または大豆油などの植物油またはエポキシ化植物油;または水である。
【0070】
例えば、粉剤および分散性粉末に用いられる固体担体は、通常、方解石、タルカム、カオリン、モンモリロナイトまたはアタパルジャイトなどの天然無機充填剤である。物理的性質を改善するために、高分散化ケイ酸または高分散化吸収性ポリマーを添加することも可能である。好適な顆粒化吸着性担体は、多孔性タイプ、例えば、軽石、破砕レンガ、海泡石またはベントナイトであり、好適な非吸収性担体は、例えば、方解石または砂である。さらに、多数の無機性または有機性の顆粒化前の材料、例えば、特にドロマイトまたは微粉化植物残渣を使用することができる。
【0071】
製剤化される活性成分化合物の性質に依って、好適な表面活性化合物は、良好な乳化性、分散性および湿潤性を有する非イオン性、カチオン性および/またはアニオン性の界面活性剤である。用語の「界面活性剤」はまた、界面活性剤の混合物を含むものとしても解される。
【0072】
特に有利な適用促進補助剤はまた、セファリン系およびレシチン系の天然または合成のリン脂質、例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールおよびリソレクチンである。
【0073】
一般に、葉面適用または土壌適用のためのタンク混合製剤は、0.1%から20%、特に0.1%から15%の活性成分化合物、および99.9%から80%、特に99.9%から85%の固体助剤または液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含んでなり、助剤は、タンク混合製剤を基準にして0%から20%、特に0.1%から15%の量の界面活性剤であり得る。
【0074】
一般に、葉面適用のための予備混合製剤は、0.1%から99.9%、特に1%から95%の活性成分化合物、および99.9%から0.1%、特に99%から5%の固体助剤または液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含んでなり、助剤は、予備混合製剤を基準にして0%から50%、特に0.5%から40%の量の界面活性剤であり得る。
【0075】
市販の製品は、濃縮液(例えば、予備混合組成物(製剤))として製剤化されるのが好ましいが、最終使用者は、通常、希釈製剤(例えば、タンク混合組成物)を使用する。
【0076】
(I)と(II)を一緒にした好ましい予備混合製剤は、水性懸濁濃縮液、乳化性濃縮液および水中乳濁液である。
【0077】
好ましい一実施形態において、本発明の併用物は、製剤化予備混合組成物の形態であり、したがってこのような場合、他の殺虫剤と殺虫製剤、製剤用助剤および補助剤(それ自体では殺虫活性を示さないが、殺虫剤−通常は作物油濃縮液および界面活性剤の活性を増強させる物質)と併用して使用することもできる。一般的には、製剤化予備混合物は、タンク混合物中の他の成分(例えば、上記のもの)と併用され、現場および/または植物に適用される。
【0078】
補助剤の例としては、ブランド製品であるPenetrator、Adigor、Agora、Atplus411F、また油も挙げられる。
【0079】
一般に、本発明の予備混合組成物は、0.5質量%から99.9質量%、特に1質量%から95質量%、有利には1質量%から50質量%の活性成分化合物、および99.5質量%から0.1質量%、特に99質量%から5質量%の固体助剤または液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含有し、助剤(または補助剤)は、予備混合製剤の質量を基準にして0質量%から50質量%、特に0.5質量%から40質量%の量の界面活性剤であり得る。
【0080】
好ましい一実施形態において、併用物は、(I)アバメクチンおよび(II)エトキサゾール、ならびに1種または複数種の通例的な製剤用助剤を含んでなる製剤化予備混合組成物の形態にある。
【0081】
以下の例は、本発明を例示するのに役立つ。
【0082】
製剤例
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

【0087】
【表5】

【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
【表8】

【0091】
緩効性カプセル懸濁液
28部の併用物、または別々に(I)および(II)からの化合物の各々を、2部の芳香族溶媒および7部のトルエンジイソシアネート/ポリメチレンポリフェニルイソシアネート混液(8:1)と混合する。この混合物を、1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の脱泡剤および51.6部の水の混液中、所望の粒径が得られるまで乳化する。この乳濁液に、5.3部の水中2.8部の1,6−ジアミノヘキサンの混液を加える。重合反応が完了するまで混液を攪拌する。得られたカプセル用懸濁液は、0.25部の増粘剤および3部の分散剤を加えることにより安定化させる。カプセル用懸濁液製剤は、28%の活性成分を含有する。媒体カプセルの直径は、8〜15ミクロンである。得られた製剤は、種子適用の目的に好適な装置中の水性懸濁液として種子に適用する。
【0092】
このような製剤を直にまたは希釈して用い、植物を、例えば、害虫からの危害に対し、例えば、吹き付け、または流し込みにより処理し、保護することができる。
【0093】
本発明による活性成分の併用物は、それらが植物による特に良好な耐用性を示し、環境に優しいという事実によって際立っている。
【0094】
本発明の態様および実施形態の各々において、「本質的になる(consisting essentially)」およびその変化形は、「含んでなる(comprising)」およびその変化形の好ましい実施形態であり、「からなる(consisting of)」およびその語形変化は、「から本質的になる(consisting essentially of)」およびその変型の好ましい実施形態である。
【0095】
単数形での用語の使用は、複数形におけるその用語も包含し、またその逆も成り立つ。
【0096】
アバメクチンおよびエトキサゾールは、農芸化学産業で使用するための活性成分(殺虫剤としても知られている)である。他の殺虫剤(例えば、殺真菌剤、殺昆虫剤、殺線虫剤)の記載は、e−Pesticide Manual、version3.1、13th Edition、Ed.CDC Tomlin、British Crop Protection Council、2004−05に見ることができる。
【0097】
以下の実施例は、例示を目的として記載するものであって、本発明を限定する意図はない。
【実施例】
【0098】
活性成分の併用作用が、個々の成分作用の総和よりも大きい場合はいつでも予想しない効果が存在する。
【0099】
所与の活性成分の併用に関して予想される作用Eは、いわゆるCOLBY式に従って、以下のとおり算出することができる(COLBY,S.R.「Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination」。Weeds,Vol.15,pages 20−22;1967):
ppm=スプレー混合物1リットル当りの活性成分(=a.i.)のミリグラム
X=p ppmの活性成分を用いて活性成分A)による作用%
Y=q ppmの活性成分を用いて活性成分B)による作用%
【0100】
COLBYによれば、p+q ppmの活性成分を用いて活性成分A)+B)の予想(相加)作用は、
【0101】
【数1】

【0102】
である。
実測作用(O)が、予想作用(E)よりも大きい場合、併用作用は、超相加性、すなわち、相乗効果である。
【0103】
実施例1:ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、ピリダベン(pyridaben)および/またはフェンピロキシメート(fenpyroximate)に対して感受性株であるナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))
ナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))(ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して感受性株)を、インゲンマメの葉に1日産卵させてから、メス成体を取り除いた。製品(例えば、本発明による混合物および単独活性成分)から調製した、予め定められた200ml/m2の濃度で回転適用タワーにより吹き付けた。その7日後、未孵化卵数および死亡幼虫数を調べ、それによって生存卵の比率(%)を測定した。したがって、以下の式に基づいて、卵および幼虫に対する効果(実測%)を算出する。
【0104】
【数2】

【0105】
結果は表1に示してある。
【0106】
【表9】

【0107】
実施例2:ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して耐性株であるナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))
実施例2は、実施例1と同様の様式でナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))(ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して耐性株)の使用により実施する。結果は表2に示してある。
【0108】
【表10】

【0109】
実施例3:ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して感受性株であるカンザワハダニ(Kanzawa spider mite)(テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai))
実施例3は、実施例1と同様の様式でカンザワハダニ(Kanzawa spider mite)(テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai))(ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して感受性株)の使用により実施する。結果は表3に示してある。
【0110】
【表11】

【0111】
実施例4:ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して耐性株であるカンザワハダニ(Kanzawa spider mite)(テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai))
実施例4は、実施例1と同様の様式でカンザワハダニ(Kanzawa spider mite)(テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai))(ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して感受性株)の使用により実施する。結果は表3に示してある。
【0112】
【表12】

【0113】
実施例5:ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して感受性株であるナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))
実施例5は、実施例1と同様の様式でナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))(ヘキシチアゾックス、ピリダベンおよび/またはフェンピロキシメートに対して感受性株)の使用により実施する。結果は表5に示してある。
【0114】
【表13】

【0115】
実施例6:マンダリンオレンジにおけるミカンハダニ(Citrus red mite)(パノニクス・シトリ(Panonychus citri))
ミカンハダニ(Citrus red mite)(パノニクス・シトリ(Panonychus citri))を、ポットで成長させたマンダリンオレンジの葉に感染させ、1ヵ月間繁殖させた。製品(例えば、本発明による混合物)から調製した、予め定められた濃度でマンダリンオレンジに吹き付けた。その後、記載された時間で生存メスの成体数を調べた。結果は表6に示してある。
【0116】
【表14】

【0117】
実施例7:リンゴにおけるオウトウハダニ(European red mite)(パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi))
オウトウハダニ(European red mite)(パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi))を、畑におけるリンゴ木の葉に自然に繁殖させた。製品(例えば、本発明による混合物)から調製した、予め定められた濃度でリンゴの木に吹き付けた。その後、記載された時間で葉をサンプル採取し、ブラッシング機によりオウトウハダニを集めた。生存オウトウハダニの混合個体数(成体、幼虫および若虫)を調べた。結果は表7に示してある。
【0118】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物に対する危害を抑制または防止する方法であって、前記植物、植物の一部、植物器官、および/またはそれらの植物繁殖物質、またはそれらの植物繁殖物質周囲の領域に対して、(I)アバメクチン(abamectin)および(II)エトキサゾール(etoxazole)を含んでなる併用物を、任意の所望の順序でまたは同時に適用することを含んでなる、方法。
【請求項2】
前記植物、前記植物の一部、植物器官、および/またはそれらの植物繁殖物質、またはそれらの植物繁殖物質周囲の領域に対して、請求項1に記載の併用物を任意の所望の順序でまたは同時に適用することにより植物の成長を改善する方法。
【請求項3】
前記植物に対する昆虫綱、くも綱および線虫綱から選択される害虫による攻撃を抑制または防止することによって、危害が抑制または防止される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(I)対(II)の重量比が、1:100から100:1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(I)と(II)がそれぞれ、0.1g ai/haから120g ai/haと50g ai/haから1000g ai/haで適用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(I)と(II)が、同時に適用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1種または複数種の他の殺虫剤もまた、前記植物またはその周囲領域に適用され、他の殺虫剤は各々、互いに独立して、(I)と(II)の適用前に、それらの適用と同時に、またはそれらの適用後に適用することができ、(I)と(II)とが、別々に適用される場合、他の殺虫剤は各々、互いに独立して、(I)と(II)の適用前に、それらの適用と同時に、またはそれらの適用の間に、またはそれらの適用後に適用することができる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
アバメクチンおよびエトキサゾールが、各々製剤化された組成物の形態である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(I)と(II)が一緒になって単一の製剤組成物の形態にあり、その組成物は、1種または複数種の通例的な製剤用助剤をさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(I)アバメクチンおよび(II)エトキサゾールを含んでなる組成物。
【請求項11】
(I)アバメクチンおよび(II)エトキサゾール、ならびに1種または複数種の通例的な製剤用助剤を含んでなる製剤化された予備混合組成物。
【請求項12】
植物繁殖物質に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の併用物を任意の所望の順序でまたは同時に適用することによって前記植物繁殖物質を保護する方法。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の併用物、または請求項10または11に記載の組成物によって処理された植物繁殖物質。

【公表番号】特表2013−518075(P2013−518075A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550409(P2012−550409)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050911
【国際公開番号】WO2011/092141
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(000234890)協友アグリ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】