説明

気体捕集装置

【課題】気体捕集を行う容器2内外に圧力差があっても捕集袋3内に所望量の気体を捕集する。
【解決手段】容器2内外の圧力を測定する容器内圧力計13と容器外圧力計14により気体捕集前の容器2内外の圧力を測定して圧力差を求め、この圧力差に応じて捕集袋3内に捕集される気体量を算出しながら排気ポンプ4を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器外の気体を容器内に設けられた捕集袋に捕集する気体捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、気体の成分検査等の目的で気体を捕集する気体捕集装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、密閉式の容器内に捕集袋を設け、容器に設けられた気体採取管を捕集袋に接続し、容器内の空気を真空ポンプで吸引して容器内を減圧させることにより捕集袋を膨張させ、これにより気体採取管から捕集袋内に容器外の気体を取り込む気体捕集装置が開示されている。
【0004】
この気体捕集装置には真空ポンプが吸引する空気量を測定する流量計が設けられている。真空ポンプが吸引する空気量と捕集袋に取りこまれる気体量とは等しいとの前提のもと、流量計の値が捕集袋に取り込むべき気体量の値になった時に吸引を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−002863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、気体捕集装置の容器内外に圧力差がある場合、真空ポンプが吸引する空気量と捕集袋に取り込まれる気体量とは等しくはならない。例えば気体捕集容器の内圧が外圧よりも低いとき、捕集袋に取り込まれる気体量は真空ポンプが吸引する空気量よりも多くなる。しかし、前述のように従来技術においては容器内外の圧力差は考慮されず、真空ポンプが吸引する空気量の値のみを基準に捕集袋に取り込まれる気体量を測定しているので、容器内外に圧力差があるときに捕集袋には本来取り込むべき量とは異なる量の気体が取り込まれる。そのため、定められた量の気体を検査対象としなければならない成分検査等において正確な検査結果が得られない等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る気体捕集装置は、容器と、前記容器内に設けられた捕集袋と、前記容器内の気体を排出する排気ポンプと、を備え、前記排気ポンプが前記容器内の気体を排気して前記容器内を減圧させ前記捕集袋を膨張させることにより前記容器外の気体を前記捕集袋内に捕集する気体捕集装置であって、前記容器内の圧力を測定する第1の圧力計と、前記容器外の圧力を測定する第2の圧力計と、前記第1の圧力計及び第2の圧力計から、前記容器外の気体が前記捕集袋内に捕集される前の前記容器内外の圧力値を取得し、取得した前記容器内外の圧力値の差に応じて前記容器内の圧力を調整する圧力調整器と、前記圧力調整器によって調整された前記容器内外の圧力値の差に応じて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出する捕集量算出器と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る気体捕集装置は、前記捕集量算出器は、前記圧力調整器によって調整された前記容器内外の圧力値の比と前記排気ポンプの排気量とに基づいて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る気体捕集装置は、前記圧力調整器は、前記容器内の圧力が前記容器外の圧力と等しくなるように前記容器内の圧力を調整することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る気体捕集装置は、容器と、前記容器内に設けられた捕集袋と、前記容器内の気体を排出する排気ポンプと、を備え、前記排気ポンプが前記容器内の気体を排出して前記容器内を減圧させ前記捕集袋を膨張させることにより前記容器外の気体を前記捕集袋内に捕集する気体捕集装置であって、前記容器内の圧力を測定する第1の圧力計と、前記容器外の圧力を測定する第2の圧力計と、前記第1の圧力計及び第2の圧力計から、前記容器外の気体が前記捕集袋内に捕集される前の前記容器内外の圧力値を取得し、取得した前記容器内外の圧力値の差に応じて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出する捕集量算出器と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る気体捕集装置は、前記捕集量算出器は、前記容器内外の圧力値の比と前記排気ポンプの排気量とに基づいて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
気体捕集装置の容器内外の圧力差を考慮した気体の捕集を行うので、所望の気体量を正確に捕集袋に取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る気体捕集装置を示す図である。
【図2】気体の捕集方法を示す図である。
【図3】本発明の気体捕集装置をたばこの自動喫煙装置に適用した図である。
【図4】たばこを自動喫煙した結果を示す図である。
【図5】本発明の気体捕集装置をたばこの自動喫煙装置に適用した図である。
【図6】本発明の気体捕集装置を風船の気体充填装置に適用した図である。
【図7】本発明の気体捕集装置を用いた流体解析の様子を示す図である。
【図8】本発明の気体捕集装置を混合ガス生成装置に適用した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明に係る気体捕集装置の構成について図1を用いて説明する。気体捕集装置100は容器2を備え、この容器2内に捕集袋3が収容されている。また、容器2は、容器2内の気体が排気ポンプ4によって排出され容器2の内圧が下がった場合でも変形しないように十分な剛性を有している。ここで、容器2には捕集袋3を容器2内に入れる際に開く扉や蓋等を設けても良い。また、容器2内部の捕集袋3が膨張する様子を目視できるように容器2の全体又は一部を透明部材で構成しても良い。具体的には、剛性を有する透明部材であるアクリル、ポリカーボネート、ガラス等を容器2の材料として使用しても好適である。また、捕集袋3としては伸縮性や柔軟性を有する袋部材が使用され、例えばテドラー(登録商標)バッグ等が使用される。
【0015】
容器2には、捕集袋3の開口部に接続され捕集袋3内に容器2外の気体を取り込むための気体導入路5が設けられている。気体導入路5には開閉機構である電磁弁6が設けられている。また、容器2には、容器2と排気ポンプ4とを接続する排気路8が設けられ、排気路8には電磁弁9が設けられている。ここで、気体導入路5の電磁弁6および排気路8の電磁弁9の開閉動作ならびに排気ポンプ4の駆動制御は制御器10により行われる。
【0016】
また、容器2内には容器2の内圧を測定するために容器内圧力計13が設けられ、他方で容器2外には容器2の外圧を測定するために容器外圧力計14が設けられている。容器内圧力計13及び容器外圧力計14は圧力調整器15に接続され、それぞれの測定値が圧力調整器15に送られる。圧力調整器15は制御器10に接続し、後述するように気体捕集に先立って制御器10に容器2内外の圧力差を調整すべき旨の信号を送る。
【0017】
また、圧力調整器15は捕集量算出器16とも接続している。後述するように捕集量算出器16は圧力調整器15および排気ポンプ4の排気量vを測定する気体量測定器17から送られる信号に基づいて捕集袋3に捕集される気体量Vを算出する。また捕集量算出器16が算出する気体量Vは制御器10に送られる。
【0018】
次に、本発明にかかる気体捕集装置が行う気体捕集工程について図2を用いて説明する。まず、容器2外の気体を捕集する前に圧力調整器15は容器2内外の圧力差を求める(S1)。すなわち、電磁弁6,9が閉状態であり捕集袋3内に容器2外の気体が入らない状態において、圧力調整器15は容器内圧力計13および容器外圧力計14から圧力値を取得して容器内圧力値Pinおよび容器外圧力値Poutに基づき圧力差ΔP(=Pout−Pin)を求める。
【0019】
次に、圧力調整器15は容器2内外の圧力差ΔPが予め定めた値ΔP0になるまで排気ポンプ4を駆動させる旨の指令を制御器10に送る(S2)。例えばΔP0=0と設定され、ΔP<0(Pout<Pin)の場合、圧力調整器15は制御器10に容器2の内圧Pinを下げる旨の指令を送り、制御器10は排気路8の電磁弁9を開状態にするとともに排気ポンプ4を駆動させて容器2の気体を排出する。排気ポンプ4が容器2の気体を排出している間圧力調整器15は容器2内外の圧力差ΔPの測定を継続し、ΔP=0となったときに制御器10に対して排気ポンプ4の駆動を停止させる旨の指令を送る。なお、この圧力調整を行っている間、気体量測定器17に対して排気ポンプ4の排気量vを算出しないように設定するか、または次のステップS3までに排気量vの値を0にするように設定するのが好適である。
【0020】
容器2内外の圧力差がΔP0となった後、制御器10は電磁弁6,9を開状態にすると共に排気ポンプ4を駆動し、容器2内の気体を排出する。これにより捕集袋3内には容器2外の気体が取り込まれる(S3)。このとき、排気ポンプ4の排気量vは気体量測定器17によって測定され捕集量算出器16に送られる。なお、ここで排気量vは排気ポンプ4の排気時間t[min]と実効排気速度Se[L/min]との積で表され、気体量測定器17はこの値を捕集量算出器16に送っている。捕集量算出器16には圧力調整器15からも容器内圧力値Pin、容器外圧力値Pout、および容器2内外の圧力差の値ΔP0が送信されており、これらの値と排気ポンプ4の排気量vとにもとづいて捕集袋3に捕集された気体量Vを算出して制御器10に送る(S4)。
【0021】
ここで、捕集袋3に捕集された気体量Vを求める数式について説明する。まず、ΔP0≠0であるとき、気体量Vは下記の数式1から求めることができる。
【0022】
【数1】

【0023】
一方、ΔP0=0であるとき、V=vとなる。捕集量算出器16は容器2内外の圧力差の値ΔP0をもとに何れかの数式を適用するか判断し、気体量Vを算出する。
【0024】
次に、制御器10は捕集量算出器16から送信される気体量Vが予め定めた気体量V1に達したか否かを確認する。(S5)。ここで、V1の値は予め作業者が制御器10に入力しても良く、また捕集袋3の容量等に応じて自動的に設定されるようにしても良い。気体量VがV1に達したとき、制御器10は排気ポンプ4の運転を停止させるとともに電磁弁6,9を閉状態にする(S6)。この結果、捕集袋には所望量V1の気体が捕集される。
【0025】
以上説明したように、本発明に係る気体捕集装置は、気体を捕集する前の容器2内外の圧力差を考慮した上で捕集袋3に捕集される気体量Vを算出する。これにより、所望の気体量Vを正確に捕集袋に取り込むことができる。
【0026】
なお、前述したように、ΔP0=0と設定し、気体を捕集する前に容器内外の圧力差を0にするように圧力調整を行うことにより、気体量測定器17から送られる排気ポンプ4の排気量vを測定するのみで捕集袋3に取り込まれる気体量Vを把握することができる。この場合においては捕集量算出器16を省略して排気量vを直接制御器10に送っても良い。
【0027】
また、圧力調整器15を省略しても本発明の効果を奏することができる。すなわち、気体捕集前に測定された容器2内外の圧力値を捕集量算出器16に送り、捕集量算出器16にて圧力差ΔPを算出し、さらにΔPと排気ポンプ4の排気量vとをもとに捕集袋3に取り込まれる気体量Vを算出することにより所望量の気体を捕集袋3内に取り込むことができる。
【0028】
次に、この気体捕集装置100を種々の装置に適用した実施態様について説明する。図3には本発明の気体捕集装置100をたばこの自動喫煙装置200に適用した態様が示されている。
【0029】
たばこの自動喫煙装置200はたばこ20に含まれるタールおよびニコチンの量を測定するための装置であり、たばこ20の煙を捕集して煙に含まれるタールやニコチンの量を検出する。たばこ20の煙の捕集方法については国際標準化機構(ISO)により規定が設けられており、1分間のうち2秒間を煙の捕集期間と定め、当該捕集期間で35ccの煙をたばこ20のフィルタ部分21から捕集する。この捕集作業を所定の回数、たとえばたばこ20の火がフィルタ部分21に及ぶまで行う。自動喫煙装置200はこの捕集方法に従ってたばこ20の煙を捕集する。
【0030】
自動喫煙装置200はたばこ20が気体導入路5に挿入されており、その他の構成は上述の気体捕集装置100と同様である。たばこ20の煙はたばこ20のフィルタ部分21を経由して捕集袋3に取り込まれるように構成されている。煙の捕集に先立ち、圧力調整器15は容器2内外の圧力差ΔPを求め、圧力差ΔPを所定値ΔP0に調整するように制御器10に指令を送る。制御器10は当該指令に基づいて排気ポンプ4を駆動させる。容器2内外の圧力差がΔP0に調整された後、制御器10は1分間のうち2秒間だけ電磁弁6,9を開状態にすると共に排気ポンプ4を駆動して容器2内の気体を排出させ、捕集袋3内に煙を取り込ませる。ここで、ポンプの駆動に当たり、制御器10は容器2内外の圧力差ΔP0に基づいて2秒間に捕集袋3内に35ccの煙が取り込まれるための排気ポンプ4の駆動条件を算出し、当該条件下で排気ポンプ4を駆動させる。
【0031】
例えば、前述した数式1、及びv=t×Seより、Pout=101324[Pa]、Pin=39134[Pa](ΔP0=62190[Pa])、Se=1[L/min]の時、排気時間t=0.333min(=2[sec])における気体量Vが35ccとなる。つまり、上述の条件化においては、ΔP0が62190Paとなった際に(または、Pinが39134Paになった際に)2秒間電磁弁6,9を開状態にすると共に排気ポンプ4を駆動して容器2内の気体を排出させると、捕集袋3内には35ccの煙が取り込まれることになる。
【0032】
この自動喫煙装置200を用いた煙捕集の実験結果を図4に示す。実験に当たり、ΔP0=0と設定し、煙の捕集前に容器2内外の圧力差を0に調整した後に煙を捕集した。また、実験は複数の捕集袋3を用いて行ない、1分間のうち2秒間煙を捕集する作業の回数を捕集作業回数と呼ぶと、この捕集作業回数を各捕集袋3ごとに変更して煙の捕集を行なった。
【0033】
図4では、煙を取り込んだ時間(2秒間×捕集作業回数)を横軸に取り、捕集袋3に捕集された気体量Vを縦軸に取っている。プロットされた点は実測値を示し、実線は煙の取り込みを35cc/2秒間の割合で行った場合の理論値を示している。図4に示されるように、自動喫煙装置200が国際標準化機構が規定する量の気体を正確に捕集できていることが理解される。
【0034】
なお、図3では気体導入路5に挿入できるたばこ20は1本のみであったが、図5に示すように気体導入路5を複数本設けて複数本のたばこ20に同時に火を点けてまとめて煙を捕集するようにしても良い。この場合、制御器10はたばこ20の本数に35ccを掛けた量の煙が2秒間に捕集袋3に取り込まれるように排気ポンプ4の駆動条件を設定する。たばこ20に含まれるタール、ニコチン量を特定するには複数本のたばこ20の煙を捕集して得られた結果を平均化する必要があるが、図5のように複数本のたばこ20の煙を一度に捕集することにより作業時間の短縮が図られる。
【0035】
さらに、本発明に係る気体捕集装置100を適用した他の装置として、図6に風船用の気体充填装置300を示す。この気体充填装置300は、捕集袋3の代わりに風船30が容器2内に収容されている他は気体捕集装置100と同様の構成を備えている。制御器10が電磁弁6,9を開状態にし、それと同時に排気ポンプ4を駆動させることにより容器2内の圧力が下がり、風船30に容器2外の気体が充填される。風船30にヘリウムガス等を充填する場合には気体導入路5の導入口にガスボンベ等の気体源を接続する。
【0036】
従来の気体充填装置においては風船30は容器等には収容されておらず、気体の過充填により風船30が破裂した際にその破裂音の大きさから風船30の周囲にいた小児が驚いて泣くなどの問題があったが、本発明における気体充填装置300においては密閉式の容器2内に風船30が収容されており、風船30の破裂音は容器2外に殆ど伝わらないか、減衰した状態で外に伝わるので周囲に与える影響は小さくて済む。
【0037】
また、本発明にかかる気体充填装置300は容器2内の圧力を低減させることにより風船30を膨らませるので、風船30に気体を充填する気体源の圧力は大気圧と同等かわずかに高い程度でも十分に風船30に気体を充填できる。従来風船30に接続される気体源は高圧のガスボンベ等であって慎重に取り扱う必要があったが、本発明にかかる気体充填装置300は高圧の気体源を必要としないので取り扱いが簡便である。
【0038】
さらに、本発明に係る気体捕集装置100を流体解析に使用する形態を図7に示す。流路40には複数の気体捕集装置100が一定間隔(例えば5m間隔)で配置されている。
【0039】
流体解析に当たり、流路40の端部から既知濃度のエアロゾルや気体(以下では「気体等」と記す)を放出し、流路40内の複数の地点において一定量の気体等を捕集して気体等の濃度変化等を調べることにより気体等の挙動を解析する。気体等を捕集する際、気体捕集装置100は一定の時間間隔(例えば5秒おき)ごとに捕集袋3に予め定められた量の気体等を取り込む。気体等を取り込んだ後の捕集袋3は容器2から取り出されて容器2には新しい捕集袋3が収容される。この捕集袋3の交換は図示しない交換手段等によって行われる。捕集袋3の交換後、容器2内外に圧力差が生じた場合にはその圧力差を所定値ΔP0に補正した後に気体捕集を行う。このような気体捕集を行うことにより気体捕集装置100が置かれた位置における気体等の濃度等の時間変化を把握することができる。
【0040】
さらにこの気体捕集を全ての気体捕集装置100が同期して行う。空間的に離れた位置に配置された複数の気体捕集装置100が一定の時間間隔で気体捕集を行うことにより、放出された気体等の空間的、時間的な濃度分布を求めることができ、これにより流路40内を拡散する気体等の挙動を解析することができる。
【0041】
さらに、本発明に係る気体捕集装置100を適用した他の装置として混合気体生成装置400を図8に示す。混合気体生成装置400は、気体導入路5が複数本設けられている他は気体捕集装置100と同様の構成を備える。本実施形態においては捕集袋3に複数種の気体が充填される。すなわち、各気体導入路5にはそれぞれ異なる種類の気体源(図示せず)が接続されている。制御器10は、排気ポンプ4を駆動させ、また生成される混合気体について予め定められた各種気体の混合割合に従い、各電磁弁6を開く時間および開く順序を決定し、決定された時間、順序にしたがって電磁弁6の開閉動作を行って捕集袋3内に複数種の気体を取り込ませる。混合気体の混合割合は電磁弁6の開時間を制御することにより容易に変更することができる。
【0042】
また、捕集袋3は密閉容器2内に収容されているので、気体が混合されたときに気体同士が化学反応を起こす等により捕集袋3が溶かされて混合気体が捕集袋3外に漏れても容器2内にこの混合気体が閉じ込められるから、外部への混合気体の漏洩を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0043】
2 容器、3 捕集袋、4 排気ポンプ、5 気体導入路、6,9 電磁弁、8 排気路、10 制御器、13 容器内圧力計、14 容器外圧力計、15 圧力調整器、16 捕集量算出器、17 気体量測定器、40 流路、100 気体捕集装置、200 自動喫煙装置、300 気体充填装置、400 混合気体生成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器内に設けられた捕集袋と、
前記容器内の気体を排出する排気ポンプと、
を備え、前記排気ポンプが前記容器内の気体を排出して前記容器内を減圧させ前記捕集袋を膨張させることにより前記容器外の気体を前記捕集袋内に捕集する気体捕集装置であって、
前記容器内の圧力を測定する第1の圧力計と、
前記容器外の圧力を測定する第2の圧力計と、
前記第1の圧力計及び第2の圧力計から、前記容器外の気体が前記捕集袋内に捕集される前の前記容器内外の圧力値を取得し、取得した前記容器内外の圧力値の差に応じて前記容器内の圧力を調整する圧力調整器と、
前記圧力調整器によって調整された前記容器内外の圧力値の差に応じて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出する捕集量算出器と、
を備えることを特徴とする気体捕集装置。
【請求項2】
請求項1記載の気体捕集装置であって、
前記捕集量算出器は、前記圧力調整器によって調整された前記容器内外の圧力値の比と前記排気ポンプの排気量とに基づいて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出することを特徴とする気体捕集装置。
【請求項3】
請求項1に記載の気体捕集装置であって、
前記圧力調整器は、前記容器内の圧力が前記容器外の圧力と等しくなるように前記容器内の圧力を調整することを特徴とする気体捕集装置。
【請求項4】
容器と、
前記容器内に設けられた捕集袋と、
前記容器内の気体を吸引する排気ポンプと、
を備え、前記排気ポンプが前記容器内の気体を排出して前記容器内を減圧させ前記捕集袋を膨張させることにより前記容器外の気体を前記捕集袋内に捕集する気体捕集装置であって、
前記容器内の圧力を測定する第1の圧力計と、
前記容器外の圧力を測定する第2の圧力計と、
前記第1の圧力計及び第2の圧力計から、前記容器外の気体が前記捕集袋内に捕集される前の前記容器内外の圧力値を取得し、取得した前記容器内外の圧力値の差に応じて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出する捕集量算出器と、
を備えることを特徴とする気体捕集装置。
【請求項5】
請求項4記載の気体捕集装置であって、
前記捕集量算出器は、前記容器内外の圧力値の比と前記排気ポンプの排気量とに基づいて前記捕集袋内に捕集される気体量を算出することを特徴とする気体捕集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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