説明

気化吸入用鎮静剤及びそれを含有する鎮静香料組成物

【課題】気化吸入により安全かつ効果的に鎮静効果をもたらすことができる新規な物質を提供する。
【解決手段】3−メトキシ−5−メチルフェノールを有効成分として含む気化吸入用鎮静剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鎮静剤及びそれを含む鎮静香料組成物に関するものであり、より詳細には、気化した有効成分を吸入することにより鎮静作用をもたらす鎮静剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレス社会といわれる現代社会において、ストレスによる不眠症等の様々な生理的または心理的影響が大きな社会問題となっており、ストレス緩和や安眠に対する関心が高まる中で、アロマセラピーにより精神を鎮静化させてストレスによる苛立ちを軽減することが注目されている。例えば、ラベンダーやカモミルなどの精油に鎮静効果があることが伝承として言われており、これら天然香料は香りを吸入することにより鎮静効果を発揮できるため、薬剤の経口投与や注射投与等と比較して、投与の際に新たなストレスを付加することがないという利点を有する。
【0003】
しかしながら、従来のそのような天然香料を用いる方法では、天然香料の産地や収穫年、香料の採取方法などによって香料の組成が違ってくる場合があり、必ずしも再現性のある安定した効果が期待できないという問題があった。
【0004】
近年、1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン(特許文献1)や、トリメトキシベンゼン等のトリアルコキシベンゼン(特許文献2)、さらにはジメトキシベンゼン(特許文献3)のような、単一の香料成分に鎮静効果があることが報告されている。
【0005】
しかしながら、それら報告されている鎮静香料成分だけでは調合して作ることができる香料や香りの質に限りがあり、多様な嗜好性や各種製品への適用に幅広く対応するために、新規な気化吸入用鎮静剤の開発が尚強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−172781号公報
【特許文献2】特開2000−86478号公報
【特許文献3】特開2006−290823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑み、気化吸入により鎮静作用をもたらすことができ、各種の香りに対して適合性のある新規な気化吸入用鎮静剤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、蘭の花やオークモス等に含まれる香気成分である3−メトキシ−5−メチルフェノールが、気化吸入により鎮静効果をもたらすことを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の気化吸入用鎮静剤は、3−メトキシ−5−メチルフェノールを有効成分として含むことを特徴とする。フェノール様またはオークモス様の甘い良好な香りを有する3−メトキシ−5−メチルフェノールを用いて、様々な態様での気化吸入により簡便かつ効果的に鎮静効果をもたらすことができる。
【0010】
本発明の気化吸入用鎮静剤は、例えば1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼンのような他の鎮静成分をさらに含んでいてもよい。鎮静効果を有する香気成分を適切に組み合わせることにより、より効果的に鎮静作用をもたらすことができる。
【0011】
本発明の鎮静香料組成物は、上記の気化吸入用鎮静剤を有効成分とし、3−メトキシ−5−メチルフェノールの配合量が0.001〜50質量%であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の気化吸入用鎮静剤は、蘭の花などの香気成分であり甘い良好な香りを有する3−メトキシ−5−メチルフェノールを有効成分とし、単独でまたは他の香料成分と配合して好ましい香りを構成し、気化吸入により安全かつ簡便に精神を鎮静化させて、ストレスによる苛立ちや不眠を効果的に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】意識水準の指標となるCNV早期成分積算値(μV/s)に対する香りの効果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の気化吸入用鎮静剤は、3−メトキシ−5−メチルフェノールを有効成分とする。3−メトキシ−5−メチルフェノールは、蘭の花やオークモス、地衣類、キノコ類などに含まれている香気成分であり、例えば、ジボダンジャパン株式会社より市販されているOrcinyl 3(商品名)を本発明において好ましく用いることができる。
【0015】
本発明の気化吸入用鎮静剤は、3−メトキシ−5−メチルフェノールを有効成分として含み本発明の効果を達成できる限り、気化吸入により鎮静作用をもたらす他の鎮静成分をさらに含んでいてよい。そのような他の鎮静成分として、限定はされないが、例えば、1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン、トリメトキシベンゼン等のトリアルコキシベンゼン、ジメトキシベンゼン等が挙げられ、特に1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼンは香りが強くないため、本発明において3−メトキシ−5−メチルフェノールと一緒に配合するのに適している。また、本発明の効果を妨げない範囲で、担体、希釈剤、助剤等の任意の他の成分を含めることができる。
【0016】
さらに、本発明の効果を損なわない限り、本発明の気化吸入用鎮静剤を他の一般的な香料成分と適切に配合して、所望の香りを有する鎮静香料組成物を調製することができる。香料組成物中における3−メトキシ−5−メチルフェノールの配合量は使用目的などを考慮して適宜決定すればよいが、通常は0.001〜50質量%であり、より好ましくは0.01〜30質量%である。本発明の香料組成物は、そのまま吸入して使用しても、あるいは任意の対象物に添加して使用してもよい。
【0017】
本発明の気化吸入用鎮静剤またはそれを含む香料組成物を配合する対象物は、3−メトキシ−5−メチルフェノールが気化して吸入可能な形態で配合され得るものであればどのようなものでもよく、その剤型や製品形態によって限定されるものではない。またその対象物の種類に応じて、上記有効成分の他に、通常その対象物に含まれる任意の構成要素をさらに含めてよい。
【0018】
本発明の気化吸入用鎮静剤等を配合する製品形態として、限定はされないが、化粧料、医薬品、医薬部外品、食品、飲料等が挙げられ、またその剤形として、例えば、液剤、粉末剤、顆粒剤、エアゾール剤、固形剤、ジェル剤等が挙げられる。
【0019】
特に好適な態様の1つである化粧料として、限定はされないが、例えば、香水、オードトワレ、オーデコロン、クリーム、乳液類、化粧水、ファンデーション類、粉白粉、口紅、石鹸、シャンプー・リンス類、ボディーシャンプー、ボディーリンス、ボディーパウダー類、浴剤類等が挙げられる。
【0020】
さらに、例えば、芳香剤、消臭剤、アロマキャンドル、インセンス、文房具、財布、バッグ、靴等の任意の雑貨類や、例えば下着、洋服、帽子、ストッキング、靴下等、任意の衣類に、本発明の気化吸入用鎮静剤等を含めることができる。それらの素材または製品のいずれに本発明の気化吸入用鎮静剤等を加えてもよい。
【0021】
上記のような対象物中の本発明の気化吸入用鎮静剤の配合量は、他の配合成分および用途等によって適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、対象物の全質量に対して、0.000001質量%以上であり、より好適には0.00001質量%以上であり、さらに好適には0.0001質量%以上である。化粧料に配合する場合、化粧料中の気化吸入用鎮静剤の配合量は特に限定されるものではないが、一般的な濃度範囲、例えば化粧料全量に対し0.001〜50質量%とすることができる。
【0022】
尚、本発明の気化吸入用鎮静剤の様々な使用態様を例示したが、それらに限定されるものではなく、本発明の効果を達成できる限り、任意の態様で用いることができる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0024】
鎮静効果の検討
下記式で示される3−メトキシ−5−メチルフェノール、およびその構造異性体である2−メトキシ−4−メチルフェノールの鎮静効果を検討した。
【化1】

【0025】
3−メトキシ−5−メチルフェノールは、甘く、動物様、フェノール様、オークモス様香気を示し、蘭の花やオークモス、地衣類、キノコ類などに含まれている香気成分である。一方、2−メトキシ−4−メチルフェノールは、甘くスパイシーなフェノール、レザー様香気を示し、同様に蘭の花等から見出されている。3−メトキシ−5−メチルフェノールは、ジボダンジャパン株式会社より市販されているOrcinyl 3(商品名)を用い、また2−メトキシ−4−メチルフェノールは、シムライズ株式会社より市販されているcreosolを用いた。3−メトキシ−5−メチルフェノールは0.2%、2−メトキシ−4−メチルフェノールは0.01%の濃度になるようにエタノールで希釈して試験試料とした。
【0026】
20代女性のべ9名を被験者とした。被験者には予め試験内容を説明し、文書にて試験参加への同意を得た。
【0027】
香料成分の鎮静効果を検討するため、随伴陰性変動(Contigent Negative Variation 以下、CNVと呼ぶ)と呼ばれる事象関連電位の一種である陰性の電位の変化を測定した。CNV脳波は、その早期成分の変動の大きさが意識の覚醒水準と正の相関を示し、香りが意識水準に及ぼす効果(精神鎮静/高揚効果)を定量評価できることが報告されている(Torii S et al : Contingent negative variation (CNV) and the psychological effects of odour. In Perfumery: The Psychology and Biology of Fragrance, Edited by Toller SV and Dodd GH, 107-120, Chapman and Hall, London (1998))。
被験者の頭頂部(Cz)、前頭極部中央(Fpz)、左耳(A1)、右耳(A2)に白金電極を装着し、Fpzをグラウンドとして、Cz−(A1+A2)の電位差を脳波計(誘発電位検査装置MEB−2216、日本光電工業株式会社)で計測した。被験者にヘッドフォンでクリック音を聞かせ、クリック音から数秒後に点滅する発光ダイオードの点灯に合わせて手元のスィッチを押す課題を行なわせ、課題の遂行に伴って発生するCNV脳波を計測した。
【0028】
香料成分を吸入させる場合は約0.5cm×0.5cm角のコットンに各試験試料5μlを染み込ませ、エタノールを十分揮発させた後、被験者の鼻下に貼付し、一連の動作の間常に呼吸と共に香料成分を吸入させた。また、香料成分を吸入しない場合は、エタノールのみ5μlを約0.5cm×0.5cm角のコットンに染み込ませて鼻下に貼付し、同様の作業を行なわせた。香料成分を吸入した場合としない場合についてそれぞれ30回繰り返してCNV脳波を計測して積算脳波形を算出し、クリック音から450ms〜1000msのCNV脳波早期成分面積を比較して、香料成分の吸入効果を評価した。香料成分を吸入した場合としない場合について対応のあるt検定を行ない、危険率5%未満の場合に統計的に有意な差があると判定した。
【0029】
香料成分を吸入しない場合(対照)におけるCNV早期成分積算値(μV/s)に対する、香料成分を吸入した場合におけるCNV早期成分積算値(μV/s)の比(相対的CNV早期成分積算値(%))を算出した。結果を図1に示す。相対的CNV早期成分積算値が100より大きい場合は覚醒効果があり、100より小さい場合には鎮静効果があることを表す。
【0030】
3−メトキシ−5−メチルフェノールを吸入させることにより、吸入しない場合と比較してCNV早期成分積算値が有意(P=0.046)に減少し、すなわち意識水準が抑制され、3−メトキシ−5−メチルフェノールが鎮静効果を有することが示された。一方、同様に蘭の花の香気成分であり構造異性体である2−メトキシ−4−メチルフェノールの場合はCNV早期成分積算値に有意差はなく(P=0.56)、2−メトキシ−4−メチルフェノールには鎮静効果は認められなかった。
【0031】
以下に、本発明の気化吸入用鎮静剤を含む鎮静香料組成物の具体的な処方例を適用例として示す。尚、本発明の気化吸入用鎮静剤として、3−メトキシ−5−メチルフェノールを単独でまたは1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼンと組み合わせて配合した。配合量は全て製品全量に対する質量%で表す。
【0032】
適用例1−1:フローラル調香料組成物
質量%
(1)オシメン 1.0
(2)ベンズアルデヒド 1.0
(3)メチルベンゾエート 1.6
(4)メントール 1.6
(5)リナロールオキサイド 2.0
(6)サリチル酸メチル 3.0
(7)ジヒドロ β‐イオノン 1.0
(8)酢酸ゲラニル 5.0
(9)1,3−ジメトキシ‐5−メチルベンゼン 50.0
(10)フェニルエチルアルコール 0.4
(11)β‐ヨノン 0.6
(12)アニスアルデヒド 7.0
(13)メチル−2−メトキシベンゾエート 0.4
(14)オイゲノール 0.4
(15)シンナミックアルコール 0.4
(16)インドール 0.2
(17)3−メトキシ−5−メチルフェノール 1.0
(18)バニリン 10.0
(19)ジプロピレングリコール 13.4
【0033】
適用例1−2:シプレ調香料組成物
質量%
(1)ベルガモットオイル 3.0
(2)ウンデシルアルデヒド 0.03
(3)ベース香料(ローズ調) 5.0
(4)フェニルエチルアルコール 8.0
(5)ゼラニウムオイル 1.0
(6)α−ダマスコン 0.1
(7)ベンジルアセテート 1.0
(8)へディオン(フィルメニッヒ) 30.0
(9)α−ヘキシル シンナミック アルデヒド 5.0
(10)インドール 0.1
(11)リリアール(ジボダン) 3.0
(12)イランイランオイル 0.2
(13)γ−メチルイオノン 10.0
(14)セドリルメチルケトン 10.0
(15)パチョリオイル 1.0
(16)3−メトキシ−5−メチルフェノール 1.0
(17)ジヒドロキシジメチル安息香酸メチル 1.0
(18)ペンタリド(曽田香料) 5.0
(19)ムスクT(高砂香料工業) 10.0
(20)ムスセノン−デルタ 2.0
(21)バニリン 0.1
(22)ジプロピレングリコール 3.47
【0034】
以下に、本発明の気化吸入用鎮静剤を含む鎮静香料組成物を配合した外用組成物または雑貨類の典型的な製品形態の配合例を適用例として示す。
適用例2−1:化粧水
質量%
(1)グリセリン 2.0
(2)ジプロピレングリコール 2.0
(3)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.3
(4)キシリトール 3.0
(5)アスコルビン酸 0.005
(6)エデト酸3ナトリウム 0.1
(7)染料 0.1
(8)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.005
(9)精製水 残量
合計 100
【0035】
適用例2−2:乳液
質量%
(1)エチルアルコール 10.0
(2)グリセリン 3.0
(3)ブチレングリコール 2.0
(4)ポリエチレングリコール 3.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.1
(6)アクリル酸/アクリル酸アルキルコポリマー 0.1
(7)水酸化カリウム 0.1
(8)シクロメチコン 4.0
(9)スクワラン 2.0
(10)球状ポリエチレン 2.0
(11)メントール 0.5
(12)薬剤 1.0
(13)パラベン 0.1
(14)エデト酸3ナトリウム 0.1
(15)顔料 0.1
(16)適用例1−2の鎮静香料組成物 0.01
(17)精製水 残量
合計 100
【0036】
適用例2−3:クリーム
質量%
(1)グリセリン 10.0
(2)ブチレングリコール 5.0
(3)カルボマー 0.1
(4)水酸化カリウム 0.2
(5)ステアリン酸 2.0
(6)ステアリン酸グリセリル 2.0
(7)イソステアリン酸グリセリル 2.0
(8)ワセリン 5.0
(9)防腐剤 0.1
(10)酸化防止剤 0.1
(11)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.05
(12)キレート剤 1.0
(13)顔料 0.01
(14)ステアリルアルコール 2.0
(15)ベヘニルアルコール 2.0
(16)パーム硬化油 2.0
(17)スクワラン 10.0
(18)4−メトキシサリチル酸カリウム 3.0
(19)精製水 残量
合計 100
【0037】
適用例2−4:クリーム
質量%
(1)グリセリン 3.0
(2)ジプロピレングリコール 7.0
(3)ポリエチレングリコール 3.0
(4)ステアリン酸グリセリル 3.0
(5)イソステアリン酸グリセリル 2.0
(6)ステアリルアルコール 2.0
(7)ベヘニルアルコール 2.0
(8)流動パラフィン 7.0
(9)シクロメチコン 3.0
(10)ジメチコン 1.0
(11)オクチルメトキシシンナメート 0.1
(12)ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
(13)防腐剤 0.1
(14)酸化防止剤 0.1
(15)適用例1−2の鎮静香料組成物 0.05
(16)キレート剤 1.0
(17)顔料 0.01
(18)精製水 残量
合計 100
【0038】
適用例2−5:ジェル
質量%
(1)エチルアルコール 10.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ブチレングリコール 5.0
(4)カルボマー 0.5
(5)アミノメチルプロパノール 0.3
(6)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.3
(7)メントール 0.02
(8)防腐剤 0.05
(9)キレート剤 1.0
(10)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.01
(11)精製水 残量
合計 100
【0039】
適用例2−6:エアゾール
質量%
(1)グリセリン 2.0
(2)ジプロピレングリコール 2.0
(3)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.3
(4)ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン 1.0
(5)防腐剤 0.1
(6)キレート剤 1.0
(7)染料 0.1
(8)3−メトキシ‐5−メチルフェノール 0.0001
(9)精製水 40.0
(10)液化石油ガス 残量
合計 100
【0040】
適用例2−7:エアゾール
質量%
(1)アルコール 15.0
(2)ブチレングリコール 2.0
(3)グリセリン 1.0
(4)ポリプロピレングリコール−13
デシルテトラデス24 0.1
(5)銀担持ゼオライト 1.0
(6)キレート剤 1.0
(7)染料 0.3
(8)適用例1−2の鎮静香料組成物 0.01
(9)液化石油ガス 40.0
(10)精製水 残量
合計 100
【0041】
適用例2−8:エアゾール
質量%
(1)エタノール 60.0
(2)乳酸メンチル 0.1
(3)乳酸ナトリウム 0.1
(4)酢酸トコフェロール 0.01
(5)乳酸 0.01
(6)カフェイン 0.01
(7)ウイキョウエキス 1.0
(8)ハマメリスエキス 1.0
(9)ドクダミエキス 1.0
(10)ジプロピレングリコール 1.0
(11)窒素ガス 0.9
(12)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
デシルテトラデシルエーテル 1.0
(13)ブチレングリコール 2.0
(14)トコフェロール 0.05
(15)3−メトキシ‐5−メチルフェノール 0.0001
(16)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.1
(17)精製水 残量
合計 100
【0042】
適用例2−9:シャンプー
質量%
(1)ラウリルポリオキシエチレン(3)
硫酸エステルナトリウム塩(30%水溶液) 30.0
(2)ラウリル硫酸エステルナトリウム塩
(30%水溶液) 10.0
(3)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
(4)グリセリン 1.0
(5)防腐剤 0.1
(6)適用例1−2の鎮静香料組成物 0.05
(7)色素 0.1
(8)金属イオン封鎖剤 0.1
(9)pH調整剤 0.5
(10)精製水 残量
合計 100
【0043】
適用例2−10:リンス
質量%
(1)シリコーン油 3.0
(2)流動パラフィン 1.0
(3)セチルアルコール 1.5
(4)ステアリルアルコール 1.0
(5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
(6)グリセリン 3.0
(7)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.2
(8)色素 0.1
(9)防腐剤 0.05
(10)精製水 残量
合計 100
【0044】
適用例2−11:ボディーシャンプー
質量%
(1)ラウリン酸 2.5
(2)ミリスチン酸 5.0
(3)パルミチン酸 2.5
(4)オレイン酸 2.5
(5)ココイルジエタノールアミド 1.0
(6)グリセリン 20.0
(7)水酸化カリウム 3.6
(8)染料 0.1
(9)3−メトキシ‐5−メチルフェノール 0.01
(10)金属イオン封鎖剤 0.1
(11)精製水 残量
合計 100
【0045】
適用例2−12:フレグランス
質量%
(1)アルコール 75.0
(2)ジプロピレングリコール 5.0
(3)適用例1−2の鎮静香料組成物 10.0
(4)酸化防止剤 8.0
(5)色素 0.01
(6)紫外線吸収剤 0.01
(7)精製水 残量
合計 100
【0046】
適用例2−13:ルームフレグランス
質量%
(1)アルコール 80.0
(2)酸化防止剤 5.0
(3)適用例1−1の鎮静香料組成物 3.0
(4)3−メチル−3−メトキシブタノール 5.0
(5)ジベンジリデンソルビトール 5.0
(6)精製水 残量
合計 100
【0047】
適用例2−14:インセンス
質量%
(1)タブ粉 75.5
(2)安息香酸ナトリウム 15.5
(3)3−メトキシ‐5−メチルフェノール 0.5
(4)ユーカリオイル 1.0
(5)精製水 残量
合計 100
【0048】
適用例2−15:入浴剤 質量%

(1)硫酸ナトリウム 45.0
(2)炭酸水素ナトリウム 45.0
(3)ラベンダーオイル 9.0
(4)適用例1−1の鎮静香料組成物 1.0
合計 100
【0049】
適用例2−16:マッサージ用ジェル
質量%
(1)エリスリトール 2.0
(2)カフェイン 5.0
(3)オウバク抽出物 3.0
(4)グリセリン 50.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.4
(6)ポリエチレングリコール400 30.0
(7)エデト3ナトリウム 0.1
(8)ポリオキシレン(10)
メチルポリシロキサン共重合体 2.0
(9)スクワラン 1.0
(10)水酸化カリウム 0.15
(11)適用例1−2の鎮静香料組成物 0.5
(12)精製水 残量
合計 100
【0050】
適用例2−17:マッサージクリーム
質量%
(1)固形パラフィン 5.0
(2)ミツロウ 10.0
(3)ワセリン 15.0
(4)流動パラフィン 41.0
(5)1,3−ブチレングリコール 4.0
(6)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)ポリオキシレン(20)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
(8)ホウ砂 0.2
(9)カフェイン 2.0
(10)防腐剤 0.1
(11)酸化防止剤 0.1
(12)3−メトキシ‐5−メチルフェノール 0.001
(13)精製水 残量
合計 100
【0051】
適用例2−18:芳香性繊維
キュプロアンモニウムセルロース溶液(セルロース濃度10質量%、アンモニウム濃度7質量%、銅濃度3.6質量%)に、本発明の鎮静香料組成物を内包したマイクロカプセル(粒子径50μm以下、マイクロカプセルに占める3−メトキシ‐5−メチルフェノールの割合は50質量%)をセルロース質量に対して0.1〜20質量%の範囲内で添加、混和した後、通常の湿式紡糸方法に従って紡糸し、精錬工程、乾燥工程を経て、芳香性繊維を得た。
【0052】
適用例2−19:顆粒
質量%
(1)スクラロース 0.1
(2)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.005
(3)香味料 5.0
(4)賦形剤(セオラス) 10.0
(5)マルチトール 残量
合計 100
【0053】
適用例2−20:錠剤(チュアブルタイプ)
質量%
(1)イノシトール 11.0
(2)マルチトール 21.0
(3)スクロース 0.5
(4)鮭白子抽出物(DNA Na) 0.1
(5)酵母抽出物 0.1
(6)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.00001
(7)香味料 5.0
(8)賦形剤 残量
合計 100
【0054】
適用例2−21:タブレット
質量%
(1)潤沢剤(ショ糖脂肪酸エステル等) 1.0
(2)アラビアガム水溶液(5%) 2.0
(3)酸味料 1.0
(4)着色料 0.01
(5)適用例1−2の鎮静香料組成物 0.00005
(6)糖質(粉糖またはソルビトール等) 残量
合計 100
【0055】
適用例2−22:キャンディー
質量%
(1)砂糖 50.0
(2)水飴 47.95
(3)有機酸 2.0
(4)適用例1−1の鎮静香料組成物 0.0005
合計 100
【0056】
適用例2−23:ガム
質量%
(1)砂糖 43.0
(2)ガムベース 30.95
(3)グルコース 10.0
(4)水飴 16.0
(5)3−メトキシ‐5−メチルフェノール 0.0005
合計 100

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−メトキシ−5−メチルフェノールを有効成分として含む気化吸入用鎮静剤。
【請求項2】
1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼンをさらに含む請求項1記載の気化吸入用鎮静剤。
【請求項3】
請求項1または2記載の気化吸入用鎮静剤を含み、3−メトキシ−5−メチルフェノールの配合量が0.001〜50質量%である鎮静香料組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2013−6791(P2013−6791A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140302(P2011−140302)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】