説明

気流乾燥装置

【課題】被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる気流乾燥装置を提供する。
【解決手段】気流乾燥装置は、熱風発生装置40により第1温度センサ71の検知温度が被乾燥物の乾燥を開始する第1温度となったタイミングで、投入装置30により被乾燥物の前記第1乾燥室内への投入を開始する。次に、被乾燥物の投入により該検知温度が低下して閾値温度である第2温度となったタイミングで、投入装置30による被乾燥物の該第1乾燥室10への投入を停止する。そして、投入装置30が前記被乾燥物の投入を停止した後、第1温度センサ71の検知温度が前記第2温度より大きく前記第1温度以下の第3温度となったタイミングで被乾燥物の乾燥を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被乾燥物を熱風により旋回乾燥させる気流乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の気流乾燥装置としては、下記特許文献1に示すように、被乾燥物が投入される乾燥室の底部に多数のボールを被加熱物と共に投入する装置が知られている。かかる特許文献1記載の装置によれば、ボールにより被乾燥物を粉砕することで、乾燥を促進する。
【0003】
また、下記特許文献2に示すように、被乾燥物が投入される乾燥室の底部に回転翼を設けた装置が知られている。かかる特許文献2記載の装置によれば、回転翼により熱風による旋回を補助して、被乾燥物の乾燥を促進する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−133150号公報
【特許文献1】特開2006−266552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2記載の装置は、被乾燥物を完全に乾燥させて別室に移動させて乾燥物を回収するものであり、乾燥室内に比重の大きな乾燥物が滞留しても、これを分離して取り出すことができないという不都合がある。
【0006】
ここで、特許文献1および2記載の装置で乾燥物を乾燥室から取り出すことも考えられるが、乾燥室の下部にボールや回転翼があり、比重の大きな乾燥物を取り出すことは困難である。一方で、比重の大きな乾燥物を取り出すためには、乾燥室の下部にボールや回転翼を配置することができず、被乾燥物を粉砕等して完全に乾燥することが困難となる。
【0007】
そこで、本発明は、以上の事情に鑑みて、被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる気流乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明の気流乾燥装置は、
縦向きに配置された円筒形状の第1乾燥室と、該第1乾燥室と互いに上側で連通した逆円錐形状の第2乾燥室と、該第1乾燥室内に被乾燥物を所定の割合で投入する投入装置と、該第1乾燥室内に供給する熱風を発生させる熱風発生装置と、該第1乾燥室内の温度を検知する温度検知手段とを備え、該熱風発生装置から該第1乾燥室内に供給された熱風により、該投入装置により投入された被乾燥物を旋回乾燥させ、乾燥させた被乾燥物のうち比重の大きな第1乾燥物を該第1乾燥室内に留置して該第1乾燥室内から回収すると共に、比重の小さな第2乾燥物を第2乾燥室に移動させて該第2乾燥室から回収する気流乾燥装置であって、
前記投入装置は、前記熱風発生装置により前記温度検知手段の検知温度が前記被乾燥物の乾燥を開始する第1温度となったタイミングで、被乾燥物の前記第1乾燥室内への投入を開始すると共に、該被乾燥物の投入により該検知温度が低下して閾値温度である第2温度となったタイミングで、被乾燥物の該第1乾燥室への投入を停止することを特徴とする。
【0009】
第1発明の気流乾燥装置によれば、被乾燥物の第1乾燥室への投入が、第1乾燥室内の温度に基づいて次のように制御される。
【0010】
すなわち、熱風発生装置から供給される熱風により第1乾燥室の温度が、被乾燥物の投入開始温度である第1温度となると、投入装置により所定の割合で被乾燥物を第1乾燥室内に投入し始める。これにより、第1乾燥室内に被乾燥物の塊ができ、該塊が粉砕されず、十分な乾燥が為されずに、第1乾燥室の底部に残留することを回避することができる。
【0011】
さらに、被乾燥物の第1乾燥室内への投入により、被乾燥物による吸熱および乾燥時の気化熱で第1乾燥室内の温度が徐々に低下するが、第1乾燥室内の温度が閾値温度である第2温度となったタイミングで、被乾燥物の第1乾燥室への投入を停止させることで、第1乾燥室内を被乾燥物の乾燥に適した温度に維持することができる。そのため、乾燥室の下部にボールや回転翼等がなくても、被乾燥物を第1乾燥室内で確実に乾燥させることができ、第1乾燥室内に滞留する比重の大きな乾燥物と、第2乾燥室に移動する比重の小さな乾燥物とを分けて分離することができる。
【0012】
このように第1発明の気流乾燥装置によれば、被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる。
【0013】
第2発明の気流乾燥装置は、第1発明において、
前記投入装置が前記被乾燥物の投入を停止した後、前記温度検知手段の検知温度の上昇割合が所定の閾値を超えたタイミングで被乾燥物の乾燥を終了することを特徴とする。
【0014】
第2発明の気流乾燥装置によれば、被乾燥物の第1乾燥室内への投入を停止することにより、第1乾燥室内に導入される熱風により第1乾燥室内の温度が上昇する。そして、この温度の上昇割合は、被乾燥物の乾燥終了により被乾燥物による吸熱および気化熱がなくなることで、大きくなる。そのため、第1乾燥室内の温度上昇の割合が所定の閾値を超えたタイミングで被乾燥物の乾燥を終了することで、確実かつ無駄なく被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる。
【0015】
なお、被乾燥物の乾燥を終了することには、例えば、熱風発生装置から第1乾燥室内に導入される熱風を遮断することにより被乾燥物の乾燥を終了することのほか、第1乾燥室内に滞留する比重の大きな乾燥物を第1乾燥室から取り出すこと、さらに、第2乾燥室内から比重の小さな乾燥物を取り出すことが含まれる。
【0016】
第3発明の気流乾燥装置は、第1発明において、
前記投入装置が前記被乾燥物の投入を停止した後、前記温度検知手段の検知温度が、前記被乾燥物が乾燥状態となる、前記第2温度より大きく前記第1温度以下の第3温度となったタイミングで被乾燥物の乾燥を終了することを特徴とする。
【0017】
第3発明の気流乾燥装置によれば、被乾燥物の第1乾燥室内への投入を停止することにより、第1乾燥室内に導入される熱風により第1乾燥室内の温度が上昇する。そして、第1乾燥室内の温度が、乾燥終了である第3温度となったタイミングで、被乾燥物の乾燥を終了する。これにより、簡易に被乾燥物が乾燥したか否かを判定することができ、確実かつ無駄なく被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の気流乾燥装置の全体構成を示すシステム構成図。
【図2】図1におけるII−II線断面図。
【図3】底部の構造を示す説明図。
【図4】被乾燥物の乾燥工程を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本実施形態の気流乾燥装置は、例えば、鰹節、茶葉、おから、卵の殻等のいずれかを被乾燥物として、被乾燥物を熱風により旋回乾燥させてその乾燥物を回収する装置であって、第1乾燥室10と、第2乾燥室20と、被乾燥物の投入装置30と、熱風発生装置40と、制御装置50とを備える。
【0020】
第1乾燥室10は、縦向きに配置された円筒形状の乾燥室であって、その上側の側面に乾燥した乾燥物を第2乾燥室20へ移動させるための移送口11が設けられている。また、第1乾燥室10の下側の側面には、熱風発生装置40から供給された熱風が導入される熱風導入口12が設けられている。さらに、第1乾燥室10の側面には、投入装置30から第1乾燥室10内に供給するための被乾燥物の供給口13が設けられている。
【0021】
第1乾燥室10の下部には、第1乾燥室10の底部14側から回収される比重の大きな乾燥物を収容するための箱形の第1回収部15が設けられている。第1回収部15には、図示しない取っ手が取り付けられており、ケーシングから第1回収部15のみが引き出されるようになっている。
【0022】
第2乾燥室20は、逆円錐形状の乾燥室であって、その上側の側面に第1乾燥室10の移送口11と接続される接続受口21が設けられている。また、第2乾燥室20の天井からその内部に向かって排出筒22が突出して設けられている。
【0023】
第2乾燥室20の下部には、第2乾燥室20の底部24側から回収される比重の小さな乾燥物を収容するための箱形の第2回収部25が設けられている。第2回収部25には、図示しない取っ手が取り付けられており、ケーシングから第2回収部25のみが引き出されるようになっている。
【0024】
投入装置30は、被乾燥物が収納される箱型の本体31の下側がテーパー状となって絞られており、下部にスクリューコンベア32が設けられている。一方、本体31の上側は開口部となっており、開口部には図示しない上蓋が設けられている。
【0025】
スクリューコンベア32は、その一端にモータ33が減速機を介して設けらてれおり、他端側が第1乾燥室10の被乾燥物の供給口13に臨ませて配置される。そして、モータ33の駆動力が減速機を介してスクリューコンベア32に伝達されることにより、本体31内に収納されている被乾燥物が自重でスクリューコンベア32側に落ちてスクリューコンベア32により撹拌されながら第1乾燥室10内へと供給される。
【0026】
このとき、モータ33の回転数を変更することで、被乾燥物を所望の速度、すなわち、単位時間の所望の供給量に制御することができる。
【0027】
熱風発生装置40は、循環ファン60から供給された空気を加熱して第1乾燥室内に供給する装置であって、筒型の内部に複数の電気ヒータを備え、上側に循環ファン60から供給された空気を導入する空気導入口41と、電気ヒータにより加熱された加熱空気を供給する加熱空気供給口42とを備える。
【0028】
制御装置50は、第1乾燥室10内に設けられて第1乾燥室10内の温度を検知する第1温度センサ71(本発明の温度検知手段に相当する)と、熱風発生装置40の加熱空気供給口42に設けられて加熱空気の温度を検知する熱風温度センサ72との検知温度が入力される。
【0029】
さらに、制御装置50は、かかる検知温度に基づいて、第1乾燥室10における被乾燥物の乾燥開始および乾燥終了を制御する。より具体的には、制御装置50は、主として第1温度センサ71の検知温度に基づいて、投入装置30を制御して被乾燥物を第1乾燥室10内に投入すると共に、熱風発生装置40および循環ファン60の出力を制御する。さらに、制御装置50は、被乾燥物の乾燥が終了したと判断し、所定の処理を行う。
【0030】
なお、制御装置50には、必要に応じて、運転状態を示す液晶表示パネルまたはランプが設けられる。
【0031】
ここで、第1乾燥室10と第2乾燥室20とは、第1乾燥室10の移送口11と第2乾燥室20の接続受口21との間が移送ダクト81により接続され、第2乾燥室20と循環ファン60とは、第2乾燥室20の排出筒22と循環ファン60の吸気口(図示省略)との間が排気ダクト82により接続されている。
【0032】
また、循環ファン60と熱風発生装置40とは、循環ファン60の供給口61と熱風発生装置40の空気導入口41とが空気供給ダクト83により接続され、熱風発生装置40と第1乾燥室10とは、熱風発生装置40の加熱空気供給口42と第1乾燥室10の熱風導入口12とが、熱風供給ダクト84により接続されている。
【0033】
次に、図2を参照して、第1乾燥室10へ熱風を供給する構成について説明する。
【0034】
熱風発生装置40から供給された加熱空気である熱風は、熱風導入口12から第1乾燥室10の内部にその接線方向から吹き込むように複数分散配置された熱風供給口16,16,・・・から、第1乾燥室10内に供給される。
【0035】
このように、熱風発生装置から供給された熱風が第1乾燥室10の下部の周壁の接線方向から吹き込むように熱風供給口16が複数分散配置されていることで、第1乾燥室内に強力な旋回流を生じさせることができる。
【0036】
次に、図3を参照して、第1乾燥室10の底部14の構成について説明する。
【0037】
底部14は、図3(a)に示すように、その底面14aがバタフライダンパになっており、その底面14aから第1乾燥室10内に向かって、錐形のコーン部14bが設けられている。さらに、底面14aは、(バタフライダンパの構造上)径方向において底面14aを軸支する回転軸にダンパ駆動モータ14cが設けられており、図3(b)に示すように、ダンパ駆動モータ14cにより底面14aを半転可能となっている。
【0038】
また、第2乾燥室20についても、底部24の底面24aは、バタフライダンパとなっており、ダンパ駆動モータ24cにより半転可能となっている。
【0039】
なお、底部14のダンパ駆動モータ14cおよび底部24のダンパ駆動モータ24cは、いずれも、制御装置50に接続されており、制御装置50からの制御信号によりダンパが開閉される。
【0040】
以上のように構成された気流乾燥装置よる被乾燥物の乾燥処理方法について、図1および図4を参照しながら説明する。
【0041】
まず、被乾燥物を乾燥処理する際には、投入装置30の上蓋を外して、本体31内に被乾燥物を投入する。被乾燥物は、例えば、鰹節、茶葉、おから、卵の殻等のいずれかであり、これを本体31内に投入すると、被乾燥物は自重によりスクリューコンベア32側へと移動し、モータ33を駆動することにより、いつでも被乾燥物をスクリューコンベア32により第1乾燥室10へ投入可能な状態となる。
【0042】
次いで、制御装置50により、熱風発生装置40および循環ファン60を作動させて、熱風の第1乾燥室10への供給を開始する。具体的には、図4の時刻tから熱風を単位時間あたり一定流量の熱風を第1乾燥室10へ供給する。
【0043】
そして、第1乾燥室10内の温度が上昇して、第1温度センサ71の検知温度が、被乾燥物の乾燥開始温度である第1温度に到達すると、制御装置50により、投入装置30のモータ33を駆動してスクリューコンベア32により、単位時間あたり所定量の被乾燥物を第1乾燥室10内に投入する。具体的には、図4の時刻t1で、第1乾燥室内の温度が乾燥開始となる第1温度(例えば200℃)に到達すると、そのタイミングで投入装置30により被乾燥物を第1乾燥室10内に投入する。
【0044】
ここで、第1温度は、被乾燥物に応じて決定される温度であって、被乾燥物が焦げる温度未満で、且つ被乾燥物の乾燥時の下限温度閾値である第2温度より高い温度の範囲で任意に設定される。
【0045】
第1乾燥室10内に投入された乾燥物は、熱風発生装置40から供給されて複数の熱風供給口16,16,・・から吹き出した熱風の旋回流により、第1乾燥室10の底部14を転がりながら粉砕されると共に表面から乾燥して、第1乾燥室10内に舞い上がり浮遊旋回する。
【0046】
そのため、被乾燥物の第1乾燥室10内への投入速度を高めすぎると、第1乾燥室10の底部14に被乾燥物が蓄積し得る。そのため、被乾燥物の粘性や水分量等に基づいて、適当な投入速度で被乾燥物を第1乾燥室10内へ投入する。
【0047】
次に、被乾燥物の第1乾燥室10への投入により、第1乾燥室10内の温度が低下すると、制御装置50は、第1温度センサ71の検知温度が下限閾値温度である第2温度となったタイミングで、モータ33の駆動を停止し、被乾燥物の第1乾燥室10への投入を停止する。具体的には、時刻tで、第1温度センサ71の検知温度が第2温度(例えば150℃)となったタイミングで、被乾燥物の第1乾燥室10への投入を停止する。
【0048】
被乾燥物の第1乾燥室10への投入を停止すると、第1乾燥室10内の温度が再び上昇し始める。そして、第1乾燥室10の温度が第3温度まで上昇すると、制御装置50は、ダンパ駆動モータ14cを駆動して底面14aを半転させる。
【0049】
ここで、第3温度は、第1乾燥室10内へ投入された被乾燥物が全て乾燥した場合の第1乾燥室10内の温度であって、被乾燥物に応じて、被乾燥物が焦げ付かないように、第2温度より大きく前記第1温度以下の温度に設定される。
【0050】
具体的には、時刻tで、第1温度センサ71の検知温度が第3温度(例えば195℃)となったタイミングで、制御装置50は、ダンパ駆動モータ14cおよび24cを駆動して底面14aおよび24aを90度半転させる。
【0051】
第1乾燥室10において、ダンパ駆動モータ14cにより底面14aが半転すると、コーン部14bが横向きになると共に、熱風供給口から供給された熱風が半転した底面に当るようになり、第1乾燥室10の旋回流が失われる。そのため、第1乾燥室10内で浮遊旋回していた、比較的比重の大きな乾燥物は、第1乾燥室10の下側へと落下し、半転して立ち上がった状態の底面14aを通過して、第1回収部15に収容される。
【0052】
同様に、第2乾燥室20において、ダンパ駆動モータ24cにより底面24aが半転すると、底面24aに蓄積するか第2乾燥室20内を浮遊していた、比較的比重の小さな乾燥物は、第2乾燥室20の下側へと落下し、半転して立ち上がった状態の底面24aを通過して、第2回収部25に収容される。
【0053】
そして、制御装置50は、第1乾燥室10および第2乾燥室20内の乾燥物が第1回収部15および第2回収部25に落下して収納される所定時間経過後の時刻tに、ダンパ駆動モータ14cおよび24cを駆動して底面14aおよび24aを逆方向に90度半転させて、底面14aおよび24aを閉鎖する。
【0054】
次いで、制御装置50は、底面14aおよび24aの閉鎖後、再び、第1乾燥室10の温度が第1温度となったタイミングで、投入装置30を介して第1乾燥室10内に被乾燥物を投入し、次の被乾燥物の乾燥を行う。以下、同じサイクルで被乾燥物を連続的に乾燥させ、比重の大きな乾燥物と比重の小さな乾燥物とを分離して回収することができる。
【0055】
以上詳しく説明したように、本実施形態の気流乾燥装置によれば、被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、被乾燥物の第1乾燥室10への投入を停止した後、第1乾燥室10内の温度が再び上昇して第3温度となったタイミングで、第1および第2乾燥室10,20内の乾燥物を第1および第2回収部15,25に搬出しているが、これに限定されるものではない。
【0057】
例えば、投入装置30が被乾燥物の投入を停止した後、第1乾燥室10内の温度上昇の変化(変化の割合)に基づいて、第1乾燥室10へ投入された被乾燥物が乾燥したことを検知してもよい。具体的には、被乾燥物の乾燥が進むにつれて、第1乾燥室10内の(単位時間当たりの)温度上昇率が大きくなるため、第1乾燥室内の温度上昇の割合が所定の閾値を超えたタイミングで被乾燥物の乾燥を終了することで、確実かつ無駄なく被乾燥物を乾燥させて比重の異なる乾燥物を分離して取り出すことができる。
【0058】
また、本実施形態では、電動式のバタフライダンパにより、底面14aおよび24aを半転させているが、これに限定されるものではなく、例えば、レバー式のバタフライダンパ等により底部14,24を構成して、ユーザによりこれを半転させてもよい。この場合、制御装置50には、図示しない、運転状態を示す液晶表示パネルまたはランプの表示手段が設けられており、表示手段により被乾燥物の乾燥が終了したことをユーザに認識させるように構成される。
【符号の説明】
【0059】
10…第1乾燥室、14…底部、20…第2乾燥室、30…投入装置、40…熱風発生装置、50…制御装置、71…第1温度センサ(温度検知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦向きに配置された円筒形状の第1乾燥室と、該第1乾燥室と互いに上側で連通した逆円錐形状の第2乾燥室と、該第1乾燥室内に被乾燥物を所定の割合で投入する投入装置と、該第1乾燥室内に供給する熱風を発生させる熱風発生装置と、該第1乾燥室内の温度を検知する温度検知手段とを備え、該熱風発生装置から該第1乾燥室内に供給された熱風により、該投入装置により投入された被乾燥物を旋回乾燥させ、乾燥させた被乾燥物のうち比重の大きな第1乾燥物を該第1乾燥室内に留置して該第1乾燥室内から回収すると共に、比重の小さな第2乾燥物を第2乾燥室に移動させて該第2乾燥室から回収する気流乾燥装置であって、
前記投入装置は、前記熱風発生装置により前記温度検知手段の検知温度が前記被乾燥物の乾燥を開始する第1温度となったタイミングで、被乾燥物の前記第1乾燥室内への投入を開始すると共に、該被乾燥物の投入により該検知温度が低下して閾値温度である第2温度となったタイミングで、被乾燥物の該第1乾燥室への投入を停止することを特徴とする気流乾燥装置。
【請求項2】
請求項1記載の気流乾燥装置において、
前記投入装置が前記被乾燥物の投入を停止した後、前記温度検知手段の検知温度の上昇割合が所定の閾値を超えたタイミングで被乾燥物の乾燥を終了することを特徴とする気流乾燥装置。
【請求項3】
請求項1記載の気流乾燥装置において、
前記投入装置が前記被乾燥物の投入を停止した後、前記温度検知手段の検知温度が前記第2温度より大きく前記第1温度以下の第3温度となったタイミングで被乾燥物の乾燥を終了することを特徴とする気流乾燥装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−180943(P2012−180943A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42550(P2011−42550)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(391060281)株式会社キンセイ産業 (17)
【Fターム(参考)】