説明

水性の真珠光沢濃縮物

【課題】新規な水性真珠光沢濃縮物を提供する。
【解決手段】上記課題は、水性ではないときの比率で、(a)1〜99.1重量%の脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネートからなる群から選択される油脂(これらの物質は合計して少なくとも18個の炭素原子を含有する)、(b)0.1〜90重量%の陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性および/または双性イオン性乳化剤、および(c)0〜40重量%のポリオールを、合計が100重量%になるように含有する新規な水性真珠光沢濃縮物により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された脂肪化合物、乳化剤および所望によるポリオールを含有する水性真珠光沢濃縮物、該濃縮物の製造方法、該濃縮物を用いる真珠光沢界面活性配合物の製造方法、ならびに、真珠光沢ワックスとしての該脂肪化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
数世紀間にわたり真珠の柔らかに揺らめく光沢は、人間を特別に魅了してきた。従って、化粧品調製物の製造者が、その製品に魅力的な価値ある豊かな外観を付与しようと努めることに不思議はない。中年の化粧品において使用された最初の真珠光沢は、天然の魚うろこの真珠光沢ペーストであった。今世紀の初頭に、塩化酸化ビスマスも真珠光沢を生成しうることが発見された。対照的に、真珠光沢ワックス、特にグリコールモノ脂肪酸エステルおよびジ脂肪酸エステル型の真珠光沢ワックスは、最近の化粧品において重要なものとなり、主に毛髪シャンプーおよびシャワーゲルにおける真珠光沢の生成に使用されている。最近の真珠光沢配合物の総覧が、アンスマン(A.Ansmann)およびカヴァ(R.Kawa)により出版されている(非特許文献1)。
【0003】
所望の真珠光沢を持つ界面活性生成物を供することができる種々の配合物が従来技術から既知である。例えば、特許文献1および2(ヘンケル社)は、15〜40重量%の真珠光沢成分、5〜55重量%の乳化剤および0.1〜5重量%または15〜40重量%のポリオールを含有する易流動性水性分散液の形態の真珠光沢濃縮物を記載している。この真珠光沢ワックスは、アシル化ポリアルキレングリコール、モノアルカノールアミド、直鎖飽和脂肪酸またはケトスルホンである。
特許文献3および4[プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)]は、界面活性剤、非揮発性シリコーンおよび真珠光沢ワックスを含有するシャンプー組成物を記載している。
【0004】
特許文献5(ヘンケル社)は、5〜15重量%のアシル化ポリグリコール、1〜6重量%の脂肪酸モノエタノールアミドおよび1〜5重量%の非イオン性乳化剤を含有する易流動性の真珠光沢濃縮物に関する。
特許文献6(ヘキスト社)の教示によれば、非イオン性の易流動性の真珠光沢分散物が、5〜30重量%のアシル化ポリグリコールおよび0.1〜20重量%の選択した非イオン性界面活性剤の混合物の調製によって得られる。
さらに、特許文献7(ヘキスト社)は、アシル化ポリグリコールエーテル、ベタイン、陰イオン性界面活性剤およびグリセロールを含有する易流動性の保存剤不含の真珠光沢分散物を記載している。
最後に、特許文献8(ゴールドシュミット社)は、真珠光沢濃縮物の製造のための結晶化助剤としてのポリグリセロールエステルの使用に関する。
【0005】
【非特許文献1】アンスマン(A.Ansmann)およびカヴァ(R.Kawa)著、「Parf.Kosm.」、75、578 (1994)
【特許文献1】独国特許出願公開第3843572号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4103551号明細書
【特許文献3】欧州特許第0181773号明細書
【特許文献4】欧州特許第0285389号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0205922号明細書
【特許文献6】欧州特許第0569843号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0581193号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0684302号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多数の配合物にもかかわらず、新規な真珠光沢ワックスであって、例えばアシル化ポリグリコールとは対照的にどのようなエチレンオキシド単位をも含まず、比較的少量で使用したときであっても輝くような光沢によって既知生成物とは区別されるので配合物の安定性にどのような悪影響を及ぼすこともなく重要成分(例えばシリコーン)を使用することができ、同時にエステル基を含んでいるので適切な生分解性が確保され、そして、易流動性であるので特に濃縮形態での取扱いが容易な新規な真珠光沢ワックスが市場で常に求められている。従って、本発明が指向する課題は、上記の錯綜した数々の要求を満足させる新規な真珠光沢濃縮物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、非水性成分を基準に、
(a)1〜99.1重量%の脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネートからなる群から選択される脂肪化合物(この化合物は、合計して少なくとも18個、好ましくは少なくとも24個、さらに好ましくは32〜48個の炭素原子を含有する)、
(b)0.1〜90重量%の陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性および/または双性イオン性乳化剤、および
(c)0〜40重量%のポリオール
を、その量が合計して100重量%になるように含有する水性真珠光沢濃縮物に関する。
【発明の効果】
【0008】
驚くべきことに、上記の長鎖脂肪化合物が、優れた真珠光沢特性を持ち、比較的高い輝き(比較的少量で用いたときであっても)、特有の粒子の微細さおよび貯蔵安定性により既知生成物とは区別されることを見い出した。この真珠光沢ワックスは生分解が容易であり、濃縮形態で易流動性であり、さらに、問題の多い成分(例えばシリコーン)を化粧品配合物に導入することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
脂肪アルコール
成分(a1)として使用するのに適する長鎖脂肪アルコールは、以下の式(I)で示される:
【化1】

[式中、R1は少なくとも18個、好ましくは24〜48個、さらに好ましくは32〜36個の炭素原子を含有する直鎖アルキル基である]。
上記の化合物は、例えば、長鎖パラフィンの酸化生成物またはベヘニルアルコールである。
【0010】
脂肪ケトン
成分(a2)として使用するのに適する脂肪ケトンは、以下の式(II)で示される:
【化2】

[式中、R2およびR3は、互いに独立して、1〜22個の炭素原子を含有する所望によりヒドロキシ置換されたアルキルおよび/またはアルケニル基である;ただし、これらは合計して少なくとも18個、好ましくは少なくとも24個、さらに好ましくは32〜48個の炭素原子を含有する]。
これらケトンは既知の方法により、例えば対応する脂肪酸マグネシウム塩の熱分解により調製することができる。これらケトンはその構造において対称または非対称であってよいが、2つの置換基R2およびR3が1個の炭素原子のみによって互いに異なり、16〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸から導かれるのが好ましい。カプリノン、ラウロンおよびステアロンが、特に有利な真珠光沢特性によって区別される。
【0011】
脂肪エーテル
成分(a3)は、以下の式(III)で示される脂肪エーテルからなる:
【化3】

[式中、R4およびR5は、互いに独立して、1〜22個の炭素原子を含有するアルキルおよび/またはアルケニル基である;ただし、これらは合計して少なくとも18個、好ましくは少なくとも24個、さらに好ましくは32〜48個の炭素原子を含有する]。
上記した種類の脂肪エーテルは、通常、対応する脂肪アルコールの酸縮合によって調製される。特に有利な真珠光沢特性を有する脂肪エーテルは、16〜22個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコールおよび/またはエルシルアルコールの縮合によって得られる。ジステアリルエーテルが特に好ましい。
【0012】
脂肪カーボネート
成分(a4)は、以下の式(IV)で示される脂肪カーボネートからなる:
【化4】

[式中、R6およびR7は、互いに独立して、1〜22個の炭素原子を含有する所望によりヒドロキシ官能化したアルキルおよび/またはアルケニル基である;ただし、これらは合計して少なくとも18個、好ましくは少なくとも24個、さらに好ましくは32〜48個の炭素原子を含有する]。
これらの化合物は、例えば、自体既知の方法を用いてジメチルまたはジエチルカーボネートを、対応する脂肪アルコールまたはヒドロキシアルコールによりエステル交換することによって調製される。従って、脂肪カーボネートは対称または非対称の構造を有することができる。しかし、R6およびR7が同一であって16〜22個の炭素原子を含有するアルキル基であるカーボネートを用いるのが好ましい。ジメチルまたはジエチルカーボネートを、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、12-ヒドロキシステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよび/またはエルシルアルコールによりエステル交換した生成物(これらのモノおよびジエステルならびにこれらの工業用混合物)が特に好ましい。
【0013】
脂肪化合物は、濃縮物を基準に、1〜99.9重量%の量で用いることができ、通常は5〜75重量%の量で、好ましくは10〜50重量%の量で、さらに好ましくは15〜30重量%の量で用いる。
【0014】
乳化剤
本発明の真珠光沢濃縮物は、乳化剤として、少なくとも1つの以下の群からの非イオン性界面活性剤を含んでいてよい:
(b1)8〜22個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールとの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸との、アルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールとの、およびトリグリセリドとの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加物;
(b2)グリセロールとのエチレンオキシド1〜30モルの付加物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(b3)6〜22個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノエステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステルならびにそのエチレンオキシド付加物;
(b4)アルキル基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルモノおよびオリゴグリコシドならびにそのエトキシル化類似体;
(b5)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油とのエチレンオキシド15〜60モルの付加物;
(b6)ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレエートまたはポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート(これら群のいくつかからの化合物の混合物も適する);
(b7)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油とのエチレンオキシド2〜15モルの付加物;
(b8)直鎖、分岐鎖、不飽和または飽和のC12/22脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)およびポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル;
(b9)トリアルキルホスフェート;
(b10)羊毛ワックスアルコール;
(b11)ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
(b12)独国特許第1165574号に記載のペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル;および
(b13)ポリアルキレングリコール。
【0015】
ヒマシ油との、または、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノエステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステルとの、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販生成物である。これらは同族体混合物であり、その平均アルコキシル化度は、付加反応を行う基質とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの量比に対応する。グリセロールのエチレンオキシド付加物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、独国特許第2024051号から、化粧品配合物用の再脂肪化剤として知られている。
【0016】
8/18アルキルモノおよびオリゴグリコシド、その製造および界面活性剤としての使用は、例えば、米国特許第3839318号、米国特許第3707535号、米国特許第3547828号、独国特許出願公開第1943689号、独国特許出願公開第2036472号および独国特許出願公開第3001064号、さらに欧州特許出願公開第0077167号から既知である。これらは、具体的にはグルコースまたはオリゴ糖をC8/18第一アルコールと反応させることによって製造する。グリコシド単位に関する限り、環状糖単位がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合しているモノグリコシドおよび好ましくは約8個までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適している。オリゴマー化度は統計学的平均値である(このような工業用生成物に典型的な同族体分布はこの平均値に基づく)。
【0017】
さらに、双性イオン性界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第四アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレートおよび1つのスルホネート基を含む界面活性化合物である。特に適する双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(アルキルまたはアシル基に8〜18個の炭素原子を含む)およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。ココアミドプロピルベタインのCTFA名称のもとで知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
【0018】
また、両性界面活性剤も適当な乳化剤である。両性界面活性剤は、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、分子中に少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOHまたは-SO3H基を含み、内部塩を形成することができる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(アルキル基中に約8〜18個の炭素原子を含む)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。両性乳化剤に加えて、第四級の乳化剤を使用することもできる。エステルクアット(esterquat)型の乳化剤、特に、メチル-第四級化したジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が好ましい。
【0019】
本発明の真珠光沢濃縮物は、乳化剤を0.1〜90重量%の量で、好ましくは5〜50重量%の量で、さらに好ましくは10〜40重量%の量で含有することができる。
【0020】
ポリオール
本発明に従って成分(c)として使用することができるポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を含有する。その代表例は以下の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよびポリエチレングリコール(平均分子量 100〜1,000ダルトン);
・自己縮合度が1.5〜10である工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むアルキルグルコシド、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン。
【0021】
本発明の真珠光沢濃縮物は、ポリオール、好ましくはグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよび平均分子量が100〜1,000のポリエチレングリコールを、0.1〜40重量%の量で、好ましくは0.5〜15重量%の量で、さらに好ましくは1〜5重量%の量で含有することができる。
【0022】
製造方法
1つの好ましい態様(これも本発明の対象である)においては、真珠光沢濃縮物は、成分(a)、(b)および(c)の混合物を調製し、混合物の融点より1〜30℃高い温度まで加熱し、実質的に同じ温度の必要量の水と混合し、次いで混合物を室温まで冷却することによって製造する。別の製造方法では、濃縮された水性(陰イオン性)界面活性剤ペーストを最初に導入し、真珠光沢ワックスを加熱しながら混ぜ込み、次いでこの混合物をより多くの水で所望の濃度まで希釈することができ、また、混合工程をポリマー親水性増粘剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンゴムまたはカルボマー型のポリマー)の存在下に行うことができる。
【0023】
産業上の利用
本発明の真珠光沢濃縮物は、例えば毛髪シャンプーまたは手による食器洗剤などの界面活性配合物を不透明化するのに適している。従って、本発明は、水溶性界面活性物質の不透明な真珠光沢を有する液体水性調製物を製造するための方法であって、真珠光沢濃縮物を、調製物の0.5〜40重量%、好ましくは1〜20重量%の量で0〜40℃の透明水性調製物に加え、撹拌によりその中に分散させることからなる方法にも関する。
【0024】
界面活性剤
通常は1〜50重量%、好ましくは5〜35重量%の非水性成分を含む本発明の界面活性配合物は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤を含有することができ、これら界面活性剤は、通常は約50〜99重量%、好ましくは70〜90重量%の量で配合物中に存在することができる。
【0025】
陰イオン性界面活性剤の代表例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノおよびジアルキルスルホスクシネート、モノおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタルトレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、小麦に基づく植物産物)およびアルキル(エーテル)ホスフェートである。陰イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するときには、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い範囲の同族体分布を有する。
【0026】
非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマル、アルキル(アルケニル)オリゴグリコシド、脂肪酸N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、小麦に基づく植物産物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するときには、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い範囲の同族体分布を有する。
【0027】
陽イオン性界面活性剤の代表例は、第四アンモニウム化合物およびエステルクアット(esterquat)、より具体的には第四級化した脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
両性または双性イオン性界面活性剤の代表例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
【0028】
上記の界面活性剤はすべて既知化合物である。これらの構造および製造に関する情報は、関連の概説中に見い出すことができる。例えば、ファルベ(J.Falbe)編の「消費製品における界面活性剤」[Springer Verlag、ベルリン、1987、p.54-124]またはファルベ編の「触媒、界面活性剤および鉱油添加剤」[Thieme Verlag、シュトゥットガルト、1978、p.123-217]を参照。また、同じ界面活性剤を、真珠光沢濃縮物の製造に直接用いることもできる。また、陰イオン性界面活性剤は乳化剤としても適している。これに関連して、陰イオン性乳化剤としてアルキルエーテルスルフェートを用いるのが好ましい。
【0029】
助剤および添加剤
本発明の真珠光沢濃縮物を添加することができる界面活性配合物は、他の助剤および添加剤、例えば、油、高脂肪化剤、安定剤、ワックス、稠度調節剤、増粘剤、陽イオン性ポリマー、シリコーン化合物、生物生成物質、ふけ防止剤、皮膜形成剤、保存剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、UV吸収剤、染料および香料を含有していてもよい。
【0030】
適当な油は、例えば、6〜18個(好ましくは8〜10個)の炭素原子を含有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6-20脂肪酸と直鎖C6-20脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6-13カルボン酸と直鎖C6-20脂肪アルコールとのエステル、直鎖C6-18脂肪酸と分岐鎖アルコール(より具体的には2-エチルヘキサノール)とのエステル、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、ダイマージオールまたはトリマージオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、植物油、分岐鎖第一アルコール、置換されたシクロヘキサン、ゲルベカーボネート、ジアルキルエーテルおよび/または脂肪族またはナフテン系炭化水素である。
【0031】
高脂肪化剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、さらにポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミド(この脂肪酸アルカノールアミドは気泡安定剤としても働く)などの物質から選択することができる。
【0032】
主に使用される稠度調節剤は、12〜22個(好ましくは16〜18個)の炭素原子を含有する脂肪アルコールである。これらの物質とアルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N-メチルグルカミド(同じ鎖長のもの)および/またはポリグリセロール ポリ-12-ヒドロキシステアレートの組合せを用いるのが好ましい。
【0033】
適当な増粘剤は、例えば、多糖、より具体的にはキサンタンゴム、グアール-グアール、寒天-寒天、アルギネートおよびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに比較的高分子量のポリエチレングリコールの脂肪酸モノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例えば、ペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭い範囲の脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、および電解質(例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウム)である。
【0034】
適当な陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばルビクアット(LuviquatR)[BASF社、Ludwigshafen、独国]、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウム ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン[ラメクアット(LamequatR)L:グリューナウ社(Gruenau GmbH)]、第四級化した小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン(Amidomethicone)またはダウ・コーニング(Dow Corning)[ダウ・コーニング社(Dow Corning Co.)、米国]、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー[カルタレチン(CartaretineR):サンド社(Sandoz AG)、スイス国]、例えば仏国特許出願公開第2252840号に記載されているポリアミノポリアミドおよびその架橋した水溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば第四級化キトサン(所望により微結晶分布している)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス-ジアルキルアミン(例えばビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、陽イオン性グアールゴム、例えばジャグアール(JaguarR)CBS、ジャグアールC-17、ジャグアールC-16[セラネーゼ(Celanese)、米国]、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばミラポール(MirapolR)A-15、ミラポールAD-1、ミラポールAZ-1[ミラノール(Miranol)、米国]である。
【0035】
適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびに、アミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素および/またはアルキルで修飾したシリコーン化合物である(これらは、室温で液体および樹脂様であってよい)。
【0036】
脂肪の代表例はグリセリドであり、一方、適当なワックスは、特に蜜ロウ、パラフィンワックスまたはミクロワックスである(所望により、親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコールと組合せる)。また、ヒドロキシカルボン酸エステルに加えて、他の既知の真珠光沢ワックス、特にポリアルキレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、部分グリセリドおよびトリグリセリド、および脂肪アルコールと多塩基カルボン酸およびヒドロキシカルボン酸とのエステルなどを、本発明の目的に使用することもできる。
【0037】
脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛を安定剤として使用することができる。本発明における生物生成物質とは、例えば、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、植物抽出物およびビタミン複合体である。クリムバゾール、オクトピロックスおよび亜鉛ピレチオンを、ふけ防止剤として使用することができる。代表的な皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系列のポリマー、第四セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩ならびに同様の化合物である。さらに、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールまたはグルコースを用いて流動挙動を改善することができる。適当な保存剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸である。使用する染料は、例えば刊行物「化粧品用染料」[Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft, Verlag Chemie出版, Weinheim, 1984, p.81-106]に挙げられている化粧品目的に適しかつ許可されている物質のいずれかから選択することができる。これらの染料は、混合物全体を基準に、0.001〜0.1重量%の濃度で使用するのが普通である。
【0038】
助剤および添加剤の合計含有量は、配合物を基準に、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であってよい。本配合物は、通常の冷または熱過程によって製造することができ、好ましくは相逆転温度法によって製造される。
【0039】
最後に、本発明は、界面活性配合物の製造のための真珠光沢ワックスとして、上記の脂肪化合物を使用することに関する。
【実施例】
【0040】
本発明の真珠光沢濃縮物R1〜R7および比較混合物R8を40℃で14日間保存した後、その粘度を、RVT粘度計を用いてブルックフィールド法によって測定した(23℃、10rpm、スピンドル5)。次いで、真珠光沢濃縮物R1〜R7(2g)、ココナツ脂肪アルコール+2EO硫酸ナトリウム塩(15g)、ジメチルポリシロキサン(3g)、ココアルキルグルコシド(5g)およびエステルクアット(1.5g)をそれぞれ含有する含水毛髪シャンプー(水を100重量%まで)を、各成分を20℃で混合することによって調製した。シャンプー中の真珠光沢結晶の粒子の微細さを、1=非常に微細な結晶から5=粗大な結晶までの尺度で、顕微鏡下で視覚により評価した。また、真珠光沢を、1=輝くから5=鈍いまでの尺度で評価した。不透明性を視覚により測定し、(+)=濁りありまたは(−)=濁りなしとして評価した。組成および結果を表1に示す。表1において全ての量は重量%で表す。
【0041】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水性成分を基準に、
(a)1〜99.9重量%の、以下の式(III):
【化1】

[式中、R4およびR5は、互いに独立して、1〜22個の炭素原子を含有するアルキルおよび/またはアルケニル基である;ただし、これらは合計して少なくとも18個の炭素原子を含有する]
で示される脂肪エーテルから選択される脂肪化合物、
(b)0.1〜90重量%の陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性および/または双性イオン性乳化剤、および
(c)0〜40重量%のポリオール
を、その量が合計して100重量%になるように含有する水性真珠光沢濃縮物。
【請求項2】
以下の群から選択される乳化剤を成分(b)として含有することを特徴とする請求項1に記載の真珠光沢濃縮物:
(b1)8〜22個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸への、アルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールへの、およびトリグリセリドへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
(b2)グリセロールへのエチレンオキシド1〜30モルの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(b3)6〜22個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノエステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステルならびにそのエチレンオキシド付加物;
(b4)アルキル基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルモノおよびオリゴグリコシドならびにそのエトキシル化類似体;
(b5)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド15〜60モルの付加生成物;
(b6)ポリオールエステル;
(b7)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド2〜15モルの付加生成物;
(b8)直鎖、分岐鎖、不飽和または飽和のC12/22脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコールおよびポリグルコシドに基づく部分エステル;
(b9)トリアルキルホスフェート;
(b10)羊毛ワックスアルコール;
(b11)ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよびその対応する誘導体;
(b12)ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル;および
(b13)ポリアルキレングリコール。
【請求項3】
成分(b)としてアルキルエーテルスルフェート型の乳化剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の真珠光沢濃縮物。
【請求項4】
成分(c)として0.1〜40重量%のグリセロール、1,2-プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよび/または平均分子量が100〜1,000ダルトンのポリエチレングリコールを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真珠光沢濃縮物。
【請求項5】
請求項1に記載の真珠光沢濃縮物の製造方法であって、成分(a)、(b)および(c)の混合物を調製し、混合物の融点より1〜30℃高い温度まで加熱し、実質的に同じ温度の必要量の水と混合し、次いで室温まで冷却することを特徴とする方法。
【請求項6】
水溶性界面活性物質の不透明な真珠光沢を有する液体含水調製物の製造方法であって、請求項1〜4のいずれかに記載の真珠光沢濃縮物を、調製物を基準に0.5〜40重量%の量で0〜40℃の透明水性調製物に加え、撹拌によりその中に分配することからなる方法。
【請求項7】
界面活性配合物の製造のための真珠光沢ワックスとしての、請求項1に記載の脂肪化合物の使用。

【公開番号】特開2006−117695(P2006−117695A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536(P2006−536)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【分割の表示】特願平10−501135の分割
【原出願日】平成9年5月30日(1997.5.30)
【出願人】(302039841)コグニス・ドイッチュランド・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト (7)
【Fターム(参考)】