説明

水性塗料をスプレーするためのキット

【課題】水性塗料のスプレー塗布に適したキットを提供する。
【解決手段】水性塗料が充填されたカートリッジ本体Cの開口近傍を装着可能であって、水性塗料を排出する排出口42を備える水性塗料保持部40と、前記水性塗料保持部内において排出口42よりも装着されたカートリッジ本体C側において水性塗料をろ過するストレーナー80と、を備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性塗料をスプレーするためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境への影響を考慮して例えば車両の塗装等には水性塗料が多く用いられるようになっている。また、水性塗料による塗装面の補修には同様に水性塗料が用いられるようになってきている。水性塗料は、分散媒体として水を用いているため、工業的には大型のスプレー装置に容易に適用できる。一方、細かい部分や補修部分などには刷毛やペン型のカートリッジを用いた手作業が主流である。水性塗料は、通常、溶剤系塗料に比較して粘度が高いため、手作業で刷毛などを用いた場合には、刷毛目などが出やすく良好な仕上げ面を得るには熟練が必要であった。また、簡易型のスプレーガンも知られている(特許文献1)。このスプレーガンでは、通常、高い圧力の圧縮ガスにより塗料カートリッジ内の塗料がノズルに送液されノズルから吐出されるとともに、別途送られる圧縮ガスより霧化されるようになっている。
【特許文献1】特開平10−305243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうしたスプレーガンによれば、粘度の低い溶剤系塗料を塗布するのには都合がよいが、水性塗料のように粘度が高い場合には、送液に支障がある場合があった。また、本発明者らによれば、水性塗料は、使用を中断して保存しておくと、次回使用時において良好な霧化や塗装が困難であることがわかった。
【0004】
そこで、本発明は、水性塗料のスプレー塗布に適したキット及びユニットを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、使用状況に関わらず安定して水性塗料をスプレー塗布するために鋭意検討したところ、使用中断時に水性塗料が充填された容器内壁への付着物が皮膜を形成する傾向があり、さらにこの皮膜が次回使用時において水性塗料の排出口への送液を妨げていることがわかった。そこで、本発明者らは、皮膜を種々の手法で除去することを試みたところ、水性塗料をろ過するストレーナーを排出口近傍に設けることで簡易に目詰まりを防いで安定したスプレー塗布が可能であることを見出し、本発明を完成した。また、本発明者らは、こうしたストレーナーを設けることで、粘性が比較的大きい水性塗料の流下スピードを適度に抑制する方向に調節して良好な使用状態が得られることを見出し、本発明を完成した。本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0006】
本発明によれば、水性塗料をスプレーするためのキットであって、前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、前記水性塗料保持部内において前記排出口よりも装着された前記カートリッジ側において前記水性塗料をろ過するストレーナーと、を備える、キットが提供される。
【0007】
本発明のキットにおいては、前記ストレーナーは、前記排出口に対向する側に開口し、前記カートリッジの開口より奥部に底部を有する凹状体であることが好ましい。また、前記水性塗料保持部は、前記水性塗料保持部内に装着される前記カートリッジの前記開口と前記排出口にそれぞれ連通するスリーブを備えていることが好ましい。さらに、前記ストレーナーは、前記スリーブの前記カートリッジの前記開口側で前記水性塗料をろ過するように備えられていてもよい。
【0008】
本発明によれば、水性塗料をスプレーするためのカートリッジキットであって、前記水性塗料が充填されたカートリッジと、前記カートリッジの開口近傍に装着可能であって前記水性塗料をろ過するストレーナーと、を備える、キットが提供される。また、前記ストレーナーは、前記カートリッジの前記開口側に開口し、前記カートリッジの開口より奥部に底部を有して、前記カートリッジに収容可能な凹状体としてもよい。さらに、前記カートリッジの前記開口側に開口し、前記カートリッジ開口よりも前記カートリッジの奥部に前記水性塗料の流出口を有する底部を有して前記カートリッジに収容可能な凹状体の内栓を備え、前記ストレーナーは、前記内栓の内側に装着可能とすることができる。また、前記ストレーナーと前記内栓とは予め一体化されていてもよい。さらにまた、前記キットは、ガス容器を備える本体と、前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、を備えるスプレー装置用とすることができる。
【0009】
本発明によれば、水性塗料物が充填されたカートリッジであって、前記カートリッジの開口には、前記水性塗料をろ過するストレーナーを備える、スプレー用カートリッジが提供される。
【0010】
本発明によれば、水性塗料物をスプレーするためのユニットであって、
前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、前記水性塗料保持部内において前記排出口よりも装着された前記カートリッジ側において前記水性塗料をろ過するストレーナーと、を備える、ユニットが提供される。このユニットにおいて、前記ストレーナーは、前記排出口に対向する側に開口し、前記カートリッジの開口より奥部に底部を有する凹状体であることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の水性塗料をスプレーするためのキット(以下、単にスプレーキットともいう。)は、前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、前記水性塗料保持部内において前記排出口よりも装着された前記カートリッジ側において前記水性塗料をろ過するストレーナーと、を備えることができる。
【0012】
本発明のスプレーキットによれば、水性塗料保持部の排出口から排出された水性塗料は、例えば、ガス容器から供給されるガスによって霧化(液滴化)される。水性塗料保持部にストレーナーを備えることで使用中断したカートリッジ内で水性塗料皮膜が形成されてしまっても、当該皮膜が前記排出口近傍に到達するのを防いで水性塗料の排出を妨げることがない。このため、安定的に水性塗料をスプレー塗布することができる。また、このストレーナーを設けることで、水性塗料の排出口からの流下量を適度に調節できるため、他の流下量調節手段を簡素化又は省略することができる。
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明のスプレーキット及びユニット等についての第1の実施形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1には、本実施形態のスプレーキットを示し、図2には、こうしたキットにより構成されるスプレー装置を示し、図3には、水性塗料保持部の詳細な断面図を示す。
【0014】
本実施形態のスプレー装置2及びキット102は、図1及び図2に例示するように水性塗料のカートリッジ100を水性塗料保持部40に装着して用いる。このカートリッジ100は、カートリッジ本体Cとネジ式のキャップを備えている。カートリッジ本体Cの開口部は、水性塗料保持部40内の装着部46に螺合等により固定されるようになっている。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のスプレー装置2は、ガス容器4aを備える本体4と、ガス噴出ノズルを備えるノズル部20と、水性塗料が充填されたカートリッジ本体Cを保持することができる水性塗料保持部40とを備えている。また、本実施形態のスプレーキット102は、このスプレー装置2を構成することができるキットであって、本体4と、ノズル部20と水性塗料保持部40とが一体となったスプレーユニット10とを備えている。
【0016】
ガス容器4aは、ガス供給源であればよく、ガスの種類やガスの充填形態などを問わない。したがって、エアボンベであってもよい、液化ガスや圧縮ガスが充填されたものであってもよい。こうしたガス容器4aは、交換可能に構成されていてもよい。
【0017】
操作部6の形態は特に限定されず、図1に例示するようにいわゆるスパウトであってもよいし、ボタンであってもよい。さらに、グリップ式であってもよい。例えば、操作部6を押圧すると、これに連動してガス容器4a内部のガスがガス噴出口8から勢いよく噴出されるようになっている。
【0018】
(スプレーユニット)
スプレーユニット10は、ガス容器4aの上部に着脱可能に備えられている。スプレーユニット10は、ノズル部20と水性塗料保持部40とを備えている。
【0019】
(ノズル部)
ノズル部20は、ガス噴出ノズル22を備えている。ガス噴出ノズル22は、先細り状の筒状体に形成されており、本体4にスプレーユニット10を装着するときには、同時に本体4のガス噴出口8と連通するように装着される。本実施形態では、ガス噴出ノズル22は、ガス噴出口8を外挿するようにして装着されるようになっている。
【0020】
ノズル部20は、スプレーユニット10を本体4に装着した状態において、その全体が水平より下方を指向するように形成されており、このノズル部20の長軸に沿ってガス噴出ノズル22も同様に下方を指向している。
【0021】
ガス噴出ノズル22は、真下を指向するというわけでなく、後述する水性塗料の粘度との関係もあるが、水性塗料が排出される水性塗料排出口側を指向して緩く下方に傾く程度に傾斜するよう構成されている。なお、ガス噴出ノズル22の先端は、水性塗料保持部40の排出口42を指向するのではなく、該排出口42よりもやや先を指向するように位置決めされている。また、ガス噴出ノズル22の先端は、水性塗料保持部40に接触しないように配置されていることが好ましい。水性塗料保持部40の先端側は水性塗料の霧化によって汚染される可能性があるからである。
【0022】
ノズル部20には、本体4にユニット10に対して支持するための支持部材を備えることができる。例えば、ノズル部20を下から支持する脚部24を備えることができる。脚部24は、ノズル部20を支持するようにその下部に一体に形成され、その下端がガス容器4aの上部に備える端縁や端面等に当接、係合又は嵌合することにより、ユニット10を支持することができるようになっている。この脚部24は、ユニット10を本体4に対して支持する支持部材であるが、同時に、ガス噴出ノズル22における一定のガス噴射方向を維持するとともに、水性塗料保持部40にカートリッジ本体Cを脱着する時に係る荷重を支持するのに都合がよいものとなっている。
【0023】
また、固定部材としては、ノズル部20の上部に、ガス容器4aの操作部6の近傍に設けた端縁に係止されるブラケット26を備えることができる。ブラケット26は、ノズル部20の上部に設けた水性塗料保持部40を一体化する基部28に一体化されている。そして、ブラケット26は、この基部28から本体4を指向して延出され、その先端に本体4の操作部6近傍に設けた端縁に対する係合部26aを備えている。このブラケット26による本体4への係合状態を維持することで、本体4に対するユニット10全体の取り付け形態(姿勢)を安定して確保することができる。また、ガス噴射圧に抗してユニット10を一定位置に保持しておくことができる。さらに、水性塗料保持部40へのカートリッジ本体Cの脱着時にかかる荷重を分散支持することもできる。
【0024】
なお、こうしたユニット10における本体4への固定部材における固定手段の固定手法としては、嵌合、係合、螺合、締着など各種の固定手段を用いることができ、また、上記固定手段の形態はブラケットや脚部には限定されないで各種の態様が可能である。
【0025】
(水性塗料保持部)
水性塗料保持部40は、ノズル部20の上部に設けた基部28に一体化されている。基部28は、ノズル部20の上部から上方を指向して突出されて水性塗料保持部40の側面を支持している。水性塗料保持部40は、カートリッジ本体Cの開口部近傍を保持するようになっており、ユニット10が本体4に装着されたとき、カートリッジ本体C内の水性塗料が流下可能な程度に下方を指向するように構成されている。
【0026】
水性塗料保持部40は、水性塗料の排出口42を有している。好ましくは、カートリッジ本体Cを装着しやすいように大きく開口した開口部44を有した略容器状体である。
【0027】
水性塗料保持部40は、装着しようとするカートリッジ本体Cの開口部形状に対応した装着部46を内部に有している。典型的には、図1等に示すように、水性塗料保持部40は、その内部の所定部位にカートリッジ本体Cの開口を螺合可能な装着部46を備えることができる。なお、水性塗料保持部40は、カートリッジ本体Cをどのような固定手段で装着してもよく、嵌合、係合、螺合等の各種の固定手段を採用することができる。
【0028】
水性塗料保持部40は、図3に詳細に示すように、その排出口42の近傍の所定位置において球状体48を保持することができる。球状体48は、その保持部位よりも先端側には移動されないように適当な係止構造等により抜け止めされて保持されている。この球状体48が所定部位に保持されることで、非スプレー時などにおいて、カートリッジ本体Cから流下してくる水性塗料が排出口42から排出されるのを抑制することができる。また、この球状体48を保持する水性塗料保持部40の内壁に1個又は2個以上の凹状部48aを備えることができる。こうした凹状部48aを備えることで、保持部位の内壁と球状体48との間にクリアランスを形成することができ、スプレー時には、水性塗料を排出口42から適切に排出させることができる。凹状部48aは、排出口42を指向するように、具体的にはそうした方向性を持った溝状に形成されていてもよい。なお、凹状部48aは、球状体48の表面に形成されていてもよい。
【0029】
(スリーブ)
水性塗料保持部40は、その内部にスリーブ50を備えることができる。スリーブ50は、水性塗料保持部40内に固定されており、装着部46によって装着されたカートリッジ本体C内部と排出口42とに連通する筒状体に形成されている。したがって、スリーブ50の内側が、カートリッジ本体Cから流下する水性塗料を受容する部分となっている。スリーブ50を水性塗料保持部40内に備えることにより、水性塗料保持部40内の水性塗料が貯留される空間を減容させて、水性塗料保持部40からカートリッジ本体Cを外すときに水性塗料保持部40から水性塗料が溢れ出ることを抑制できる。また、スリーブ50はカートリッジ本体Cの内部に連通されているため、カートリッジ本体C側に水性塗料保持部40内に貯留した水性塗料が流下するように水性塗料保持部40又はカートリッジ本体Cを支持したときには、水性塗料がカートリッジ本体C内に戻りやすく、これによっても、カートリッジ本体Cの取り外し時における水性塗料の漏れを抑制できる。
【0030】
スリーブ50は、水性塗料保持部40の所定の一部に固定されていてもよいし、成形等により一体化されていてもよい。スリーブ50のカートリッジ本体C側は、水性塗料保持部40の開口部44側に突出するように形成されているとともに、カートリッジ本体Cに装着されたストレーナー80の形状に対応した外形形状を備えている。
【0031】
(空気供給部)
カートリッジ本体Cが装着された水性塗料保持部40内に空気を供給可能な空気供給部60を備えることができる。水性塗料保持部40内において、カートリッジ本体Cよりも排出口42側は、カートリッジ本体Cが装着部46に装着されることで略密閉された空間となっているため、ガス噴出ノズル22からガスが噴射されている間、水性塗料保持部40から水性塗料を安定して排出するためには外部空気を供給して内部が減圧になり過ぎるのを防ぐ必要がある。
【0032】
空気供給部60は、例えば、図3に示すように、カートリッジ本体Cの近傍に形成したクリアランス62、64、66から構成することができる。クリアランス62は、カートリッジ本体Cの開口近傍の外周と水性塗料保持部40との内壁に形成することができる。例えば、クリアランス62は、水性塗料保持部40内のカートリッジ本体Cを装着する装着部46のねじ山の一部を欠如させることによって形成することができる。カートリッジ本体Cの開口近傍にてクリアランス62を形成することで、効果的に外部から空気を供給できる。
【0033】
クリアランス64は、カートリッジ本体Cとスリーブ50との間に形成することができる。クリアランス64は、スリーブ50の外周から水性塗料保持部40の内壁に向かって張り出した当接部52とカートリッジ本体Cの開口部端縁との間に形成することができる。当接部52は、カートリッジ本体Cを装着部46に装着した際にその開口端縁位置近傍においてスリーブ50の外周から水性塗料保持部40の内壁に張り出し状に形成され、スリーブ50外周での空気等の導通を遮断するように形成されている。当接部52の表面のカートリッジ本体Cの開口端縁に対向する面には、凸状体54が形成されており、当接部52とカートリッジ本体Cの開口端縁とは完全には密着されないで適度なクリアランス64が形成されるようになっている。凸状体54は、カートリッジ本体Cの開口端縁に沿って複数個おおよそ均一に設けられていることが好ましい。凸状部54によって当接部52とカートリッジ本体Cの開口端縁とにクリアランス64を形成することによりカートリッジ本体Cの過度な挿入等を抑制して、確実にクリアランス64を形成することができる。
【0034】
クリアランス66は、スリーブ50の外周とカートリッジ本体Cの開口内壁との間に形成することができる。
【0035】
スプレー装置2においては、クリアランス62、64、66から構成される空気供給部60によって、スリーブ50内への適量の水性塗料の流下が可能となる。なお、空気供給部60は、その他の部位にも形成することができる。例えば、カートリッジ本体Cの底部に形成した貫通孔であってもよい。また、カートリッジ本体Cの開口部のねじ山も一部欠如させるようにすることでクリアランス62を形成してもよい。
【0036】
(ストレーナー)
カートリッジ本体Cの開口部には、ストレーナー80を備えることができる。ストレーナー80を備えることで、カートリッジ本体C内部に水性塗料の皮膜が形成されてしまい、使用時に水性塗料と同時に流下しても、皮膜はストレーナー80で除去され液体成分のみが水性塗料保持40側に移動される。ストレーナー80の形状や構造は特に限定されない。水性塗料のろ過機能を発揮できる形状及び構造であればよい。ろ過機能を発揮させるための構造は、特に限定されないが、好ましくは、メッシュ状体であり、より好ましくは、所望の三次元形状を有するように成形されている。材質としては、ステンレスなどの金属のほか、ナイロン、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのプラスチック等も用いることができる。好ましくは、金属である。
【0037】
また、形状としては、例えば、図3に示すように、カートリッジ本体Cの開口部で開口し、カートリッジ本体Cの奥側に配される底部を有する凹状体とすることができる。また、この全体をメッシュ状体として全体でろ過機能を発揮できるようにすることができる。さらに、カートリッジ本体Cの開口端縁にまでメッシュ状体が及ぶようなストレーナー80とすることで、カートリッジ本体Cと水性塗料保持部40との間に形成されるクリアランス64を利用して、このクリアランス64にストレーナー80を装着することができる。こうした形態であると、ストレーナー80はクリアランス64による空気の導入を妨げることもなく、かつカートリッジ本体C内から流出される水性塗料をろ過するのに最も好適な形態を採ることができる。なお、クリアランス64における空気の導入を妨げないためには、ストレーナー80が、特には、その当接部52に当接する部分がカートリッジ本体Cの装着によって圧縮されない程度の剛性を有していることが好ましい。当接部52に当接するストレーナー80の部位が凸状部54を備える当接部52に密着されると、クリアランス64の確保が困難になるからである。こうした観点からは、ストレーナー80は、金属製のメッシュ状体であることが好ましい。
【0038】
ストレーナー80は、単独でカートリッジ本体Cの開口部に備えられていてもよいが、内栓90とともに備えられていてもよい。内栓90は、カートリッジ本体Cの開口に向けた開口を有し、カートリッジ本体Cの奥部に配される底部に流出口92を有する凹状体とすることができる。こうした形態とすることで、流出口92の周縁部が水性塗料の流下の障壁となり水性塗料を適度に流下させることができるようになる。
【0039】
内栓90はその内側にストレーナー80を備えることができる。ストレーナー80の底部側とストレーナー80の底部又は流出口92との間には適度な空間ができるような構造であることが好ましい。こうした空間が形成されることでこの空間に接するストレーナー80の面で水性塗料をろ過することができる。
【0040】
次に、こうしたスプレー装置2を用いて水性塗料をスプレーする操作について説明する。まず、図2に示すように、スプレーユニット10を本体4に対して装着する。すなわち、図1に示すように、スプレーユニット10の脚部24を本体4の上部端縁に係合させるとともに、ブラケット26の係合部26aを本体4の操作部近傍の端縁に係止する。さらに、ガス噴出口8にノズル部20を外嵌するようにして嵌めあわせる。これらの結果、スプレーユニット10は本体4に固定され、ノズル部20及び水性塗料保持部40について、それぞれ所定の姿勢が形成される。
【0041】
次いで、水性塗料のカートリッジ100のキャップを外してカートリッジ本体Cを水性塗料保持部40に装着する。すなわち、カートリッジ本体Cの開口部の雄ネジ部と水性塗料保持部40の装着部46の雌ネジ部とを螺合させて装着する。これにより、水性塗料保持部4の排出口42側がカートリッジ本体Cにより略密閉された状態が形成される。また、カートリッジ本体Cの開口部近傍は水性塗料保持部40内部に挿入された状態となる。さらに、カートリッジ本体Cのストレーナー80は水性塗料保持部40内部にあるスリーブ50の端部に嵌合して、水性塗料保持部40内にしっかりと固定される。
【0042】
なお、こうしたセット状態において、カートリッジ本体C内の水性塗料は、重力により水性塗料保持部40内に流下してくるが、球状体48が排出口42に近傍で保持されているため、水性塗料の排出口42からの排出を防止できる。なお、球状体48の保持部位の内壁に形成した凹状部48aは、こうした非スプレー時において水性塗料の排出を防止できる程度の形態で形成されているため、水性塗料が容易に流下してしまうことはない。なお、水性塗料保持部40に予めカートリッジ本体Cを保持した後、このスプレーユニット10を本体4に装着してもよい。
【0043】
次いで、塗装しようとする領域に対してスプレー装置2を把持して位置し、操作部6を押圧してガス容器4aの内部のガスを、ガス噴出口8を介してガス噴出ノズル22から噴出させる。ガスがガス噴出ノズル22から噴出されるとそのガス圧で水性塗料保持部40の水性塗料排出口42の近傍の空気も吸引される。これに伴い、カートリッジ本体C内の水性塗料が排出口42から排出される。
【0044】
排出口42から斜め下方を指向して排出された水性塗料は、排出後、直ちにガス噴出ノズル22からのガスによって液滴化されて飛散される。ガス噴出ノズル22からのガスは、斜め下方を指向して噴出されているため、同様に斜め下方を指向している水性塗料を過剰に飛散させることなく液滴化することができる。この結果、補修時などにおいても小さな領域に的確にスプレー塗装することができる。これによって、小さい塗布面積であっても、刷毛で塗装したときに生じる刷毛目など生じさせることなく良好な塗装面を得ることができる。特に、こうしたスプレー形態によれば、液滴を分散させることなく狭い領域に集中させることができる。このため、スプレーであっても細いライン等細かい模様を容易に描くことができる。
【0045】
スプレー装置2においては、ストレーナー80を備えるため、一旦使用を中断してカートリッジ100内で水性塗料を保存し、その後使用を再開するときであっても、水性塗料の皮膜による目詰まりを回避して確実にスプレー塗装が可能である。皮膜は、ストレーナー80より排出口42側には流下されないでカートリッジ本体C内に留められる。また、ストレーナー80を備えることで、水性塗料の流下を適度に抑制することができる。このため、従来は一つの球状体48のみでは非スプレー時の排出口42からの漏出を抑制するのが困難であったが、ストレーナー80を備えることで別個に球状体を設けるなどの漏出防止構造を備える必要がなくなり、簡易な構造とすることができる。すなわち、ストレーナー80を備えることで、使用中断後においても確実にスプレー塗装が可能であるとともに、使用中断後かどうかに関わらず、水性塗料保持部40の構造を簡略化することができる。
【0046】
また、スプレー時にあっては、過剰量の水性塗料がスプレーされないため、微小領域に必要量を適切にスプレー塗布することができる。すなわち、水性塗料を流下させる構造にあっては、ストレーナー80であっても流下抑制手段として用いることができることができるのである。
【0047】
また、水性塗料保持部40においては空気供給部60により水性塗料が排出された量に対応して水性塗料保持部40内に空気が供給される。このため、水性塗料保持部40内が減圧になりすぎることなく、安定的に排出口42から水性塗料が排出される。この結果、安定してスプレーを継続することができる。このとき、空気供給部60を構成するクリアランス64、66にストレーナー80が配置され、空気はストレーナー80を介して供給されることになる。すなわち、水性塗料をろ過する部分において空気が水性塗料保持部40に導入されることから、水性塗料をろ過するのに都合がよい構造となっているといえる。また、このために、ストレーナー80による適度な水性塗料の流下調節が可能となっている。
【0048】
なお、ガス噴出ノズル22からガスの噴射が開始されて、水性塗料保持部40内が吸引されるような状態にあるときには、球状体48はその保持部位に保持されているが、凹状部48aの存在により、水性塗料保持部40内及びカートリッジ本体Cからの水性塗料の排出が妨げられないようになっている。
【0049】
スプレーを終了するときには、操作部6の押圧状態を解除する。こうすることで、水性塗料保持部40内の吸引状態は終了し、球状体48が所定位置に保持されることにより排出口42側が略遮断されて、水性塗料の排出が防止される。
【0050】
最後に、水性塗料保持部40とカートリッジ本体Cを、装着部46における螺合を解除して、カートリッジ本体Cを取り外す。水性塗料保持部40には球状体48により水性塗料の排出が防止されているため、こうした取り外し操作も容易に行うことができる。水性塗料保持部40を洗浄等するには、ブラケット26や基部28と本体4との固定状態を解除すればよい。
【0051】
以上のことから、本発明のスプレー装置及びキットによれば、スプレーしようとする塗料などの水性塗料の粘度に関わらず、容易にスプレーをすることができる。また、カートリッジ本体Cの開口部にストレーナー80を備えているため、一旦カートリッジ100の使用中断後に、使用再開しても安定してスプレーをすることができる。さらに、本発明のスプレー装置及びキットによれば、ストレーナー80を備えることで、使用中断後であるかどうかに係わらず適度に水性塗料の流下を抑制して良好なスプレー塗装とともに水性塗料保持部40の構造を簡略化することができる。
【0052】
本実施形態では、ストレーナー80をカートリッジ本体Cに設けることとしたが、ストレーナー80を予め水性塗料保持部40のスリーブ50の開口部42側の開口に設けるようにしてもよい。このとき、カートリッジ本体Cに装着したのと同様の形態のストレーナー80を図3に示すのと同様に備えることができる。このとき、水性塗料保持部50とストレーナー80又はストレーナー80と内栓90とは、スプレーキットの他の一つの形態を採ることができる。また、水性塗料保持部40に予めストレーナー80又はストレーナー80と内栓90とが備えておいてもよい。こうした水性塗料保持部40は、スプレーキット用の一つのユニット(部材)の形態を採ることができる。
【0053】
また、ストレーナー80は、カートリッジ本体Cに予め備えておく必要はなく、カートリッジ本体Cを水性塗料保持部40に装着するときにカートリッジ本体Cの開口部に装着するようにキットとしてもよい。
【0054】
さらに、ストレーナー80は、内栓90と一体のものとして取り扱いことができる。例えば、ストレーナー80と内栓90との一体物を、必要時にカートリッジ本体Cに取り付けるようにキットとしてもよい。なお、このとき、ストレーナー80は、すでに説明した円筒状等の凹状体に限定されず、内栓90の流出口92側が半球面状となった筒状体であってもよい。
【0055】
こうしたストレーナー80又は内栓90との一体物は、いずれも、カートリッジ本体Cや水性塗料保持部40に脱着可能であることが好ましい。水性塗料の皮膜が付着した場合に洗浄しやすいためである。
【0056】
ストレーナー80は、スリーブ50のカートリッジ本体C側の開口に対して設けられていてもよく、例えば、シート状のストレーナー80がスリーブ50の開口を覆うように設けられていてもよい。
【0057】
本発明のスプレー装置及びスプレーキットにおいては、カートリッジ100も組み合わせてキット化することもできる。さらに、カートリッジ本体に充填可能な塗料などの水性塗料もキット化することができる。さらにまた、ガスを充填した本体4も加えてキット化することもできる。また、スプレー用の水性塗料が充填されたカートリッジ100とストレーナー80又はストレーナー80と内栓80とのキット、カートリッジ本体Cの開口にストレーナー80又はストレーナー80と内栓90とが予め装着されたカートリッジ100とてもよい。
【0058】
なお、本実施形態では、スプレーユニット10は、本体4に対して着脱可能に設けたが、本体4に対して一体化されて予めスプレー装置2として構成されていてもよい。また、スプレーユニット10において、ノズル部20に対して水性塗料保持部40を一体に設けたがノズル部20に対して着脱可能に設けることもできる。また、こうすることで水性塗料保持部40のみを取り外して洗浄することができる。
【0059】
さらに、本実施形態では、スプレーキット10は、水性塗料保持部40とノズル部20とを備えるものとしたが、スプレーキット10用のユニットとして、水性塗料保持部40を供給してもよい。すなわち、本体4に対してノズル部20を予め一体に備えるものとし、こうした本体側の一部に水性塗料保持部40を着脱可能に備えるようにすることもできる。こうすることで、上記と同様に水性塗料保持部40の洗浄も容易に行うことができるし、塗料の交換も容易になる。なお、ノズル部20のみを個別の部品としてキット化してもよい。
【0060】
水性塗料は、工業用途(特に車両補修用)の水性塗料や家庭用の水性塗料(DIYやガーデニング用)、インク、各種絵具等の図工、ホビー又は美術用途の水性塗料が挙げられる。
【0061】
なお、本実施形態では、球状体48により水性塗料たる水性塗料が非スプレー時に排出口42から流下するのを防ぐものとしたが、こうした水性塗料の非スプレー時の漏出抑制はこれに限定するものではない。例えば、スリーブの排出口42側を徐々に小径にしてもよい。この場合、球状体48を併用してもよいし、スリーブをさら排出口42側に押し込むことで完全に排出口42を塞ぐようにしてもよい。さらに、スリーブの先端側を排出口42を遮蔽可能な形状に形成してしてもよい。この場合、水性塗料を排出口42に到達させるため、スリーブの側面に排出口42に連通する開口部を開けることができる。こうしたスリーブもその先端側を排出口42側に押し込むことで排出口42を塞ぐことができる。
【0062】
本実施形態では、水性塗料保持部40に水性塗料が充填されたカートリッジ本体Cを装着して使用するものとしたが、水性塗料保持部自体を水性塗料の容器として用いることも可能である。この場合には、水性塗料保持部を、水性塗料を貯留可能であって、水性塗料の導入口を備える容器状に構成すればよい。すなわち、図1〜図3において、水性塗料保持部40の開口部44の少なくとも一部を、水性塗料を注入可能な導入口とすればよい。こうした水性塗料保持部の一例を図4に示す。
【0063】
図4に示す例においては、水性塗料保持部140とインサート148と蓋部152とを備えている。水性塗料保持部140は、開口144を有するカップ状に形成されるとともにその底部に水性塗料排出口142を有している。排出口142は、この排出口142の近傍に嵌合する先端部150を有するインサート148により開閉可能に構成されている。図4(a)及び図4(b)に示すように、排出口142の開閉、すなわち、排出口142と先端部150との嵌合状態は、インサート148の水性塗料保持部140への挿入深さにより調整されるようになっており、図4に示す例では、インサート148に設けた雄ネジ部と蓋部152に設けた雌ネジ部の螺合状態により調整可能となっている。また、蓋部152には、水性塗料の導入口154を有している。
【0064】
なお、インサート148による排出口142の嵌合による確実な閉鎖を実現するために、インサート148の基部149を可撓性を有するようにすることが好ましい。すなわち、インサート148の基部149の剛性が高すぎると、インサート148を排出口142に対して深く差し込みすぎて逆に良好な嵌合状態が得られなくなったり先端部150が破損したりして嵌合状態が得られなくなる場合があった。しかしながら、基部149に可撓性を付与することで、排出口142に対してインサート148を深く挿入したとしても、基部149がたわむことで先端部150と排出142との嵌合状態を維持することができ、また、先端部150の破損を抑制できる。基部149の剛性を低下させるには、例えば、図4に示すように、基部149を他の部分より肉厚を薄くする、脆弱な材料を用いる、部分的に肉厚の薄い部分を形成するなどにより可能である。
【0065】
また、インサート148に設けた雄ネジ部と蓋部152に設けた雌ネジ部でインサート148の水性塗料保持部40への挿入程度を調整するものとしたが、これに限定するものではない。例えば、インサート148に設けた雄ネジ部と雌ネジ部との螺合状態を不完全として、インサート148の頭部を回しながらインサート148の挿入深さを調節することができるようにする一方、螺合状態を解除して一挙にインサート148を挿入することができるようにしてもよい。このとき、挿入深さを規制可能にインサート148の頭部下端を設定することが好ましい。こうすることで、インサート148の先端部150の挿入深さを調節可能であるとともに、確実に先端部150と排出口142との嵌合状態を得ることができ、しかも、先端部150を破損することがない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態であるスプレーキットを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態であるスプレー装置を示す図である。
【図3】水性塗料保持部の詳細を示す断面図である。
【図4】水性塗料保持部の他の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
2 スプレー装置、4 本体、4a ガス容器、6 操作部、8 ガス噴出口、10 カートリッジユニット、20 ノズル部、22 ガス噴出ノズル、24 脚部、26 ブラケット、26a 係合部、28 基部、40 水性塗料保持部、42 排出口、44 開口部、46 装着部、48 球状体、48a 凹状部、50 スリーブ、52 当接部、54 凸状体、56 クリアランス、60 空気供給部、62 クリアランス、70 、80 ストレーナー、90 内栓、100 カートリッジ、101 カートリッジの内栓、102 スプレーキット、140 水性塗料保持部、142 水性塗料保持部の開口、144 水性塗料排出口、148 インサート、149 基部、150 先端部、152 蓋部、154 導入口、C カートリッジ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性塗料をスプレーするためのキットであって、
前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、
前記水性塗料保持部内において前記排出口よりも装着された前記カートリッジ側において前記水性塗料をろ過するストレーナーと、
を備える、キット。
【請求項2】
前記ストレーナーは、前記排出口に対向する側に開口し、前記カートリッジの開口より奥部に底部を有する凹状体である、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記水性塗料保持部は、前記水性塗料保持部内に装着される前記カートリッジの前記開口と前記排出口にそれぞれ連通するスリーブを備えている、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記ストレーナーは、前記スリーブの前記カートリッジの前記開口側で前記水性塗料をろ過するように備えられる、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
水性塗料をスプレーするためのカートリッジキットであって、
前記水性塗料が充填されたカートリッジと、
前記カートリッジの開口近傍に装着可能であって前記水性塗料をろ過するストレーナーと、
を備える、キット。
【請求項6】
前記ストレーナーは、前記カートリッジの前記開口側に開口し、前記カートリッジの開口より奥部に底部を有して、前記カートリッジに収容可能な凹状体である、請求項5に記載のキット。
【請求項7】
さらに、前記カートリッジの前記開口側に開口し、前記カートリッジ開口よりも前記カートリッジの奥部に前記水性塗料の流出口を有する底部を有して前記カートリッジに収容可能な凹状体の内栓を備え、
前記ストレーナーは、前記内栓の内側に装着可能である、請求項5又は6に記載のキット。
【請求項8】
前記ストレーナーと前記内栓とは予め一体化されている、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
前記キットは、
ガス容器を備える本体と、
前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、
を備えるスプレー装置用である、請求項5〜8のいずれかに記載のキット。
【請求項10】
水性塗料物が充填されたカートリッジであって、
前記カートリッジの開口には、前記水性塗料をろ過するストレーナーを備える、スプレー用カートリッジ。
【請求項11】
水性塗料物をスプレーするためのユニットであって、
前記水性塗料が充填されたカートリッジの開口近傍を装着可能であって、前記水性塗料を排出する排出口を備える水性塗料保持部と、
前記水性塗料保持部内において前記排出口よりも装着された前記カートリッジ側において前記水性塗料をろ過するストレーナーと、
を備える、ユニット。
【請求項12】
前記ストレーナーは、前記排出口に対向する側に開口し、前記カートリッジの開口より奥部に底部を有する凹状体である、請求項11に記載のユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−253878(P2008−253878A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95815(P2007−95815)
【出願日】平成19年3月31日(2007.3.31)
【出願人】(300003743)槌屋ケミカル株式会社 (5)
【出願人】(507106711)槌屋マグネックス株式会社 (1)
【出願人】(000150774)株式会社槌屋 (56)
【Fターム(参考)】