説明

油性ゲル状化粧料

【課題】使用性に優れ、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続に優れる油性ゲル状化粧料に関する。
【解決手段】特定のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物、特定のフッ素変性環状シリコーン、特定の炭化水素油及び油性ゲル化剤とを含有することを特徴とする油性ゲル状化粧料を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の油性ゲル状化粧料は、メイクアップ化粧料、特に口唇用化粧料に有用であり、更に詳しくは、使用性に優れ、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果及びその持続に優れた油性ゲル状化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より油性ゲル状化粧料は、口紅、リップグロス、ファンデーション等のメイクアップ化粧料に応用されている。特に、口唇化粧料においては、化粧膜へのツヤ感の付与、化粧膜の均一性向上、滑らかな使用感といった観点から油性ゲル状口唇化粧料の開発がされている。また近年、口唇化粧料においては、化粧膜のツヤ感、保湿効果が求められる一方で、その化粧料が衣服等に付着しない、いわゆる二次付着防止効果が重要な品質として求められている。
この二次付着防止効果を具現化する技術としては、揮発性シリコーン油及びトリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂や、パーフルオロアルキル基を有する液状油剤、及びエチレンオキサイドが付加された界面活性剤等を配合する技術が検討されていた(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平06−015452号公報
【特許文献2】
特許第3200242号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの技術では化粧料の塗布後、経時で二次付着防止効果が得られる反面、化粧膜のツヤ感の減少、塗布後に乾燥を感じるといった問題を生じる場合があった。また最近では、ツヤ感のあるものが好まれるため、二次付着防止効果を損なうことなく、化粧膜のツヤ感及び保湿効果の持続に優れた油性ゲル状化粧料が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物、特定のフッ素変性環状シリコーン、特定の炭化水素油及び、油性ゲル化剤とを含有する油性ゲル状化粧料が上記課題を解決することを見出し、本開発を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(d);
(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、
は下記一般式(4)
−C−(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)
(b)下記一般式(5)で表されるフッ素変性環状シリコーン
【0006】
【化2】



【0007】
(式中Rは炭素原子数1〜10のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素原子数1〜10のフッ素置換アルキル基を示し、mは0〜3の整数、nは1〜6の正数であり、m+nは3〜6の正数である。)
(c)重質流動イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、平均分子量が500〜5000のα−オレフィンオリゴマーから選ばれた1種又は2種以上の炭化水素油
(d)油性ゲル化剤
とを含有することを特徴とする油性ゲル状化粧料に関し、更に(e)成分として常温で液状のエステル油を含有する油性ゲル状化粧料に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる(a)成分の特定のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物とは下記一般式(1)で表されるものであり、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続を向上させるために配合される。
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、
は下記一般式(4)
−C−(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)
上記ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物とは少なくとも1つのポリオキシアルキレン基及びオルガノシロキサン基を有するオルガノポリシロキサングラフト重合体で、具体的には特開2001−39819号公報、特開2002−193732号公報に記載されているものが例示され、市販品としては、KF−6028(信越化学工業社製)が挙げられる。
成分(a)の配合量は、好ましくは全組成分中0.1〜20質量%(以下、単に「%」と示す。)、更に好ましくは1〜10%である。この範囲であると、使用性、化粧膜のツヤ感、保湿効果に優れ、二次付着防止効果が更に向上する油性ゲル状化粧料が得られる。また成分(a)はその1種又は2種以上を用いることができる。
【0009】
本発明で用いられる成分(b)の特定のフッ素変性環状シリコーンとしては、前記一般式(5)で表される環状シリコーンで、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果を向上させるために配合される。具体的には下記の化学式(6)〜(14)が挙げられ、市販品としては、KF−5002(信越化学工業社製)が挙げられる。
【0010】
【化3】



【0011】
【化4】



【0012】
【化5】



【0013】
【化6】



【0014】
【化7】



【0015】
【化8】



【0016】
【化9】



【0017】
【化10】



【0018】
【化11】



【0019】
成分(b)の配合量は、好ましくは0.1〜30%、更に好ましくは、5〜20%である。配合量がこの範囲であれば二次付着防止効果、塗布後のツヤ感、使用性に良好なものが得られる。また、これらのフッ素変性環状シリコーンは必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】
本発明で用いられる成分(c)は、重質流動イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、平均分子量が500〜5000のα−オレフィンオリゴマーから選ばれた1種又は2種以上の炭化水素油であり、常温で液状から高粘度液状であり、化粧膜のツヤ感や保湿効果の持続を向上させ、化粧料一般に使用されるものであればいずれのものも使用することができる。市販品としては、重質流動イソパラフィンとしてはパールリーム18(日本油脂社製)、ポリブテンとしてはポリブテン100R、ポリブテン300R、ポリブテン2000H(いずれも出光石油化学社製)、ポリイソブチレンとしてはビスタネックスLMMH−LC(エクソンモービルケミカル社製)等が例示できる。α−オレフィンオリゴマーは、好ましくは、炭素数4〜12の直鎖脂肪族α−オレフィンを重合した後、水素添加して得られる側鎖を有する炭化水素で、その重合度が3〜15のものである。
成分(c)の配合量は、好ましくは0.1〜20%、更に好ましくは1〜15%である。配合量がこの範囲であれば二次付着防止効果、塗布後のツヤ感、使用性、保湿効果に優れたものが得られる。また、成分(c)はその1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
本発明で用いられる成分(d)の油性ゲル化剤としては油性ゲル状化粧料の形状を保持するため配合され、成分(c)や他の油性成分をゲル化するものであればいずれのものも使用することができるが、例えば12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、無水ケイ酸等が挙げられ、無水ケイ酸は煙霧状無水ケイ酸が好ましく、例えば、市販品としては、「AEROSIL 200」「AEROSIL 300」「AEROSIL 380S」、表面処理を施したものでは、「AEROSIL R−972」「AEROSIL R−974」「AEROSIL R−976S」(以上、日本アエロジル社製)等が挙げられる。成分(d)の油性ゲル化剤としては、デキストリン脂肪酸エステル及び/又は12−ヒドロキシステアリン酸が好ましく、デキストリン脂肪酸エステルとしては、デキストリンと好ましくは炭素数12〜22の高級脂肪酸とのエステルが用いられ、具体的には、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、等が挙げられる。このうちパルミチン酸デキストリンが形状の保持や、使用性面から最も好ましい。これらのデキストリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「レオパールKL」「レオパールKE」「レオパールTT」(以上、千葉製粉社製)等が挙げられる。
成分(d)の配合量は、好ましくは0.1〜15%、更に好ましくは2〜10%の範囲で配合される。配合量がこの範囲であれば二次付着防止効果、使用性に良好なものが得られる。また、これらの油性ゲル化剤は必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の油性ゲル状化粧料は、成分(a)〜(d)を組み合わせることにより、製品の形状は安定でありながら、塗布することにより、(b)成分が塗布膜表面に移行し、経時においても、特に二次付着防止効果やツヤ感が損なわれないものであり、成分(d)により、効果の発現がより顕著になるものである。
【0023】
本発明の油性ゲル状化粧料は、更に成分(e)の常温で液状のエステル油を含有することにより、成分(b)と成分(c)との相溶性を向上させ、二次付着防止効果、塗布後のツヤ感、使用性が格別に向上する。常温で液状のエステル油としては、化粧料一般に用いられるものであれば何れでもよく、具体的には、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類が挙げられる。
成分(e)の配合量は、好ましくは5〜70%、更に好ましくは10〜50%である。配合量がこの範囲であれば二次付着防止効果、塗布後のツヤ感、使用性に良好なものが得られる。また、これらの液状のエステル油は必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
本発明の油性ゲル状化粧料には、上記した必須成分の他に化粧料一般に使用される成分、例えば、成分(a)〜(e)以外の油性成分、粉体、界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0025】
様々な感触を演出する目的で油性成分としては、成分(a)〜(e)以外で化粧料一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、親油性界面活性剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、モクロウ、ロジン酸ペンタエリスリットエステル等のエステル類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ロジン酸等の樹脂酸類、ラウリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクチルメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合メチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、成分(b)以外のフッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0026】
着色を施したり、経時安定性を確保したりする目的で粉体成分としては、化粧料一般に使用される粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、合成金雲母、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄・酸化チタン被覆合成金雲母、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、魚鱗箔、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の光輝性粉体が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上を複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素、アミノ酸系化合物、水溶性高分子等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0027】
メイクアップ化粧料においては粉体を含有することが多いが、その粉体の分散性向上を目的で、界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。これらの中でも、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が好ましく、例えば、非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、成分(a)以外のポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質が挙げられる。
【0028】
水性成分としては、清涼感やモイスチャー効果を付与する目的で用いることができるが、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
感触改善の目的で水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0029】
本発明の油性ゲル状化粧料は、例えば、高温で溶解した成分(a)〜成分(e)を含む油性成分と他の成分と混合した後、冷却し容器に充填し得ることができる。
【0030】
本発明の油性ゲル状化粧料は、メイクアップ、スキンケア、頭髪製品等種々の化粧料とすることができるが、形状としてはゲル状で粘度値が1000CPS以上のものが挙げられ、また、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリームや、アイカラー、フェイスカラー、ファンデーション、クレンジング、アイクリーム等とすることができるが、この中でもメイクアップ化粧料、特に口唇用化粧料であることが好ましい。
【0031】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0032】
合成例1:ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物1
反応器に、下記平均組成式(15)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン714gと、下記平均組成式(16)で示されるビニル変性ポリシロキサン270g、及びトルエン638gを混合し、これに0.5%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液2gを加え、溶剤の還流下6時間反応させた。
【0033】
【化12】



【0034】
【化13】



【0035】
更に、下記平均組成式(17)で示されるアリルポリエーテル291gを添加して、溶剤の還流下で6時間反応を継続させた。
CH=CHCHO(CO)H …(17)
その後、反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去した。エタノールを200g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液7.1g添加して未反応のSi−H基を加水分解し、次いで濃塩酸0.9gを添加して中和した。更に、0.01mol/L塩酸水溶液を147g添加して未反応のアリルポリエーテルを加水分解し、5%重曹水で中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行って下記平均組成式(18)で示されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物1を得た。
【0036】
【化14】



【0037】
但し、
【0038】
【化15】



【0039】
=−CO(CO)
【0040】
合成例2:ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物2
反応器に、下記平均組成式(19)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン416gと前記平均組成式(17)で示されるアリルポリエーテル952g、及びイソプロピルアルコール600gを混合し、これに2%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.2gを加え、溶剤の還流下6時間反応させた。
【0041】
【化16】



【0042】
更に、ペンタメチルビニルジシロキサン200gを添加して、溶剤の還流下6時間反応を継続させた。5%水酸化ナトリウム水溶液4.2gを添加して未反応のSi−H基を加水分解し、次いで濃塩酸0.5gを添加して中和した。更に、0.01mol/L塩酸水溶液を217g添加して未反応のアリルポリエーテルを加水分解し、5%重曹水で中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行って下記平均組成式(20)で示されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物2を得た。
【0043】
【化17】



【0044】
但し、Rは前記と同じであり、
【0045】
【化18】



【0046】
合成例3:ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物3
反応器に下記平均組成式(21)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン585gと前記平均組成式(17)で示されるアリルポリエーテル333g、及びイソプロピルアルコール600gを混合し、これに2%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.2gを加え、溶剤の還流下6時間反応させた。
【0047】
【化19】



【0048】
更に、前記平均組成式(16)で示されるビニル変性ポリシロキサン270gを添加して、溶剤の還流下6時間反応を継続させた。その後、1−ドデセン129gを添加し、還流下3時間反応を継続させた。5%水酸化ナトリウム水溶液5.9gを添加して未反応のSi−H基を加水分解し、次いで濃塩酸0.7gを添加して中和した。更に、0.01mol/L塩酸水溶液を192g添加して未反応のアリルポリエーテルを加水分解し、5%重曹水で中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行って下記平均組成式(22)で示されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物3を得た。
【0049】
【化20】



【0050】
但し、R、Rは前記と同じ。
【0051】
合成例4:ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物4
下記平均組成式(23)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン558gとイソプロピルアルコール600gを混合し、2%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.2gを加え、溶剤の還流下、前記平均組成式(16)で示されるビニル変性ポリシロキサン338gを滴下して3時間反応させる。更に、前記平均組成式(17)で示されるアリルポリエーテル357gを滴下して3時間反応させた。
【0052】
【化21】



【0053】
更に、オレイルポリオキシプロピレン(3)アリルエーテルを424g添加し、還流下3時間反応を持続させた。5%水酸化ナトリウム水溶液8.4g添加して未反応のSi−H基を加水分解し、次いで濃塩酸1.1gを添加して中和した。更に、0.01mol/L塩酸水溶液を225g添加して未反応のアリルポリエーテルを加水分解し、5%重曹水で中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行って下記平均組成式(24)で示されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物4を得た。
【0054】
【化22】



【0055】
但し、R、Rは前記と同じ。
=−CO(CO)1835
【0056】
本発明品1〜9及び比較例1〜5:油性ゲル状口紅
表1に示す処方の油性ゲル状口紅を調製し、使用性(なめらかさ、付着性)、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0057】
【表1】



【0058】
注1:レオパールKL(千葉製粉社製)
注2:パールリーム18(日本油脂社製)
注3:KF−5002(信越化学工業社製)
注4:式(8)で表されるフッ素変性環状シリコーン
注5:FL−100(信越化学工業社製)
注6:KF−6028(信越化学工業社製)
注7:KF−6017(信越化学工業社製)
注8:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A、成分1〜11を90℃にて均一に溶解する。
B、A成分に成分12〜18を加えて均一混合し、その後、成分19を添加し均一混合する。
C、容器に充填して油性ゲル状口紅を得る。
【0059】
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
イの使用性、ロの化粧膜のツヤ感、ハの二次付着防止効果、ニの保湿効果の持続については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、ハの二次付着防止効果については、各試料を唇に塗布し、1時間後ティッシュペーパーを唇にあて、ティッシュペーパーへの転写のなさの程度を評価し、ハの保湿効果の持続ついては、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、
3時間後の保湿効果について評価した。
【0060】
(評価項目)
イ.使用性
ロ.化粧膜のツヤ感
ハ.二次付着防止効果
ニ.保湿効果の持続
【0061】
(使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続評価)
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
(評点平均値) :(判定)
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下:良好 :○
1点を超えて3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
【0062】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜9の油性ゲル状口紅は、比較例1〜5の油性ゲル状口紅に比べ使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続の全てにおいて優れたものであった。これに対して成分(a)の配合されていない比較例2では特に二次付着防止効果、化粧膜のツヤ感の点で、成分(a)の代わりにポリエーテル変性シリコーンを含有した比較例5では全ての項目で満足いくものが得られなかった。また、成分(b)の配合されていない比較例3では特に使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果の点で、成分(b)の代わりに直鎖状フッ素変性シリコーンを含有した比較例1では特に二次付着防止効果、保湿効果の持続の点で、成分(c)が配合されていない比較例4では特に化粧膜のツヤ感、保湿効果の持続の点で満足いくものが得られなかった。
【0063】
実施例10:油性ゲル状口紅
(成分) (%)
1.12−ヒドロキシステアリン酸 2
2.トリイソステアリン酸グリセリル 残量
3.ポリイソブチレン 注9 10
4.流動パラフィン 15
5.フッ素変性環状シリコーン 注3 10
6.フッ素変性環状シリコーン 注10 5
7.ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物 注6 5
8.煙霧状無水ケイ酸 注11 3
9.フッ素化合物処理雲母チタン 注12 5
10.赤色202号 0.1
11.黄色4号 1.5
12.酸化チタン 2
13.黒酸化鉄 0.2
14.赤色104号アルミニウムレーキ 1.5
15.ビタミンE 0.5
16.香料 適量
注9:ビスタネックスLMMH−LC(エクソンモービルケミカル社製)
注10:式(9)で表されるフッ素変性環状シリコーン
注11:AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
注12:パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩7%処理
【0064】
(製造方法)
A:1〜7を100℃にて均一溶解する。
B:Aに8〜16を加え均一に分散する。
C:Bを容器に流し込み、冷却して油性ゲル状口紅を得た。
実施例10は、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目で良好な油性ゲル状口紅であった。
【0065】
実施例11:油性ゲル状リップオーバーコート
(成分) (%)
1.デキストリン脂肪酸エステル 注13 1
2.流動パラフィン 20
3.ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物 注6 2
4.リンゴ酸ジイソステアリル 10
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 10
6.フッ素変性環状シリコーン 注3 15
7.フッ素変性環状シリコーン 注14 3
8.ポリブテン 注15 5
9.重質流動イソパラフィン 注2 残量
10.ジメチルジクロルシラン処理煙霧状無水ケイ酸 注8 0.5
11.酸化チタン被覆ガラス末 1
12.1,3−ブチレングリコール 0.5
13.アロエエキス 適量
14.香料 適量
注13:レオパール TT(千葉製粉社製)
注14:式(11)で表されるフッ素変性環状シリコーン
注15:ポリブテン2000H(出光石油化学社製)
(製造方法)
A:1〜9を100℃にて均一溶解する。
B:Aに10〜14を加え均一に分散する。
C:Bを容器に流し込み、冷却して油性ゲル状リップオーバーコートを得た。
実施例11は、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目で良好な油性ゲル状リップオーバーコートであった。
【0066】
実施例12:油性ゲル状ファンデーション
(成分) (%)
1.デキストリン脂肪酸エステル 注13 5
2.ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物 注6 2
3.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 10
4.フッ素変性環状シリコーン 注3 15
5.フッ素変性環状シリコーン 注14 10
6.ポリブテン 注15 1
7.α−オレフィンオリゴマー 注16 1
8.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセライド 残量
9.微粒子酸化チタン 1
10.微粒子酸化亜鉛 1
11.酸化チタン 8
12.硫酸バリウム 2
13.セリサイト 15
14.ベンガラ 1
15.黄酸化鉄 2
16.黒酸化鉄 0.5
17.1,3−ブチレングリコール 0.5
18.精製水 0.5
19.アロエエキス 適量
20.香料 適量
注16:ノムコートHPD−C(日清オイリオ社製)
(製造方法)
A:1〜8を100℃にて均一溶解する。
B:Aに9〜20を加え均一に分散する。
C:Bを容器に流し込み、冷却して油性ゲル状ファンデーションを得た。
実施例12は、使用性、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目で良好な油性ゲル状ファンデーションであった。
【0067】
実施例13:油性ゲル状アイシャドウ



注17:質量平均分子量が2000のα−オレフィンオリゴマー
注18:ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物3(合成例3)
注19:式(6)で表されるフッ素変性環状シリコーン
注20:式(12)で表されるフッ素変性環状シリコーン
注21:KP−561(信越化学工業社製)
注22:メチルハイドロジェンポリシロキサン3%処理
(製造方法)
A:1〜10を100℃にて均一溶解する。
B:Aに11〜18を加え、均一に混合分散する。
C:Bを容器に流し込み、冷却して油性ゲル状アイシャドウを得た。
実施例13は使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目で良好な油性ゲル状アイシャドウであった。
【0068】
実施例14:油性ゲル状ヘアクリーム
(成分) (%)
1.12−ヒドロキシステアリン酸 2
2.キャンデリラワックス 10
3.ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物1 注6 18
4.ポリイソブチレン 注9 10
5.オリーブ油 10
6.ミリスチン酸イソプロピル 残量
7.フッ素変性環状シリコーン 注14 3
8.フッ素変性環状シリコーン 注19 3
9.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 注23 2
10.精製水 10
11.1,3−ブチレングリコール 0.5
12.香料 適量
注23:エルデュウ CL−301(味の素社製)
(製造方法)
A:1〜9を100℃にて均一溶解する。
B:Aに10〜12を加え、均一に混合分散する。
C:Bを容器に流し込み、冷却して油性ゲル状ヘアクリームを得た。
実施例14は使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目で良好な油性ゲル状アイシャドウであった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の油性ゲル状化粧料は、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続に優れた油性ゲル状化粧料である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(d);
(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、
は下記一般式(4)
−C−(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)
(b)下記一般式(5)で表されるフッ素変性環状シリコーン
【化1】



(式中Rは炭素原子数1〜10のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素原子数1〜10のフッ素置換アルキル基を示し、mは0〜3の整数、nは1〜6の正数であり、m+nは3〜6の正数である。)
(c)重質流動イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、平均分子量が500〜5000のα−オレフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2種以上の炭化水素油
(d)油性ゲル化剤
を含有することを特徴とする油性ゲル状化粧料。
【請求項2】
成分(a)を0.1〜20質量%、成分(b)を0.1〜30質量%、成分(c)を0.1〜20質量%、成分(d)を0.1〜15質量%含有することを特徴とする請求項1記載の油性ゲル状化粧料。
【請求項3】
更に成分(e)として常温で液状のエステル油を含有することを特徴とする請求項1または2記載の油性ゲル状化粧料。
【請求項4】
前記成分(d)の一部又は全部が12−ヒドロキシステアリン酸及び/又はデキストリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性ゲル状化粧料。
【請求項5】
油性ゲル状化粧料が口唇用化粧料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油性ゲル状化粧料。

【公開番号】特開2004−210719(P2004−210719A)
【公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−382478(P2002−382478)
【出願日】平成14年12月27日(2002.12.27)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】