説明

油性睫用化粧料

【課題】 本発明の油性睫用化粧料は、使用時のなめらかさに優れ、カールアップおよびカールキープ効果が高く、摩擦に強く、さらににじみのなさにも優れるものである。
【解決手段】 (a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル、(b)25℃における粘度が10万mPa・s以上のジメチコノールを配合することを特徴とする睫用化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性睫用化粧料に関し、更に詳しくは、特定のデキストリン脂肪酸エステルと特定粘度のジメチコノールとを組み合わせて配合することにより、使用時のなめらかさに優れ、睫のカールアップ効果およびカールキープ効果が高く、摩擦にも強くにじみのない油性睫用化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
睫用化粧料は、睫を上方向に連続的な曲線を描きながらカールさせること(カールアップ)で、目元を際立たせる化粧効果を付与するものである。さらに最近では、塗布直後の美しい仕上がりのみではなく、時間が経っても塗布直後のカール形状を長時間維持(カールキープ)したり、睫(目)をこすっても睫用化粧料がはがれ落ちることがなく(摩擦への耐久性)、皮脂によるにじみがない等の、経時での化粧持ちの良さが非常に重視されている。
通常、油性睫用化粧料は、ワックス等の固形状油性成分、樹脂や合成高分子等の皮膜形成剤、着色剤等の粉体、溶媒としての揮発性油剤を中心として構成されおり、これらの固体粒子を含む被膜で睫を覆い固めることにより、カールアップ効果やカールキープ効果を具現化してきた。そのため皮膜形成剤は、睫への付着性や十分なボリューム感を与えることと、カールキープ効果に優れることが求められており、べたつきが強く、形成した皮膜が硬い樹脂が多く用いられてきた。
しかし反面、油性睫用化粧料において、これらの皮膜形成剤を用いると、べたつきが強すぎるため、塗布部と睫及び塗布膜表面にひっかかりが生じて、なめらかな使用感が得られなかったり、乾燥が進むにつれて化粧膜が硬く脆くなるため、経時でカールアップ効果がなくなる等、化粧くずれの原因となったりしていた。そこで、使用感のなめらかさや、化粧膜の均一性、化粧持続性に着目し、皮膜形成剤の改質や各種成分の配合検討が行われている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2009−114099号公報
【特許文献2】特開2008−255014号公報
【特許文献3】特表2000−501074号公報
【特許文献4】特開2008−63259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの技術においても、塗布時のなめらかさは良好なものの、形成される化粧膜の柔軟性が不充分なため、経時でカールアップ効果がなくなったり、摩擦に弱く、目をこするなどした際に化粧膜がはがれ落ちてしまったりする場合があった。また、睫への付着性が弱くなってしまい、睫用化粧料としてのカールアップ効果に欠ける場合があった。そこで、睫用化粧料としてのカールアップ効果を欠くことなく、なめらかな使用感であり、化粧膜の柔軟性に富むことで、カールキープ効果に優れ、摩擦にも強い油性睫用化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情において、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のデキストリン脂肪酸エステルと、特定粘度のジメチコノールとを組み合わせて、油性睫用化粧料に配合することにより、塗布時には非常になめらかにのび広がり、また化粧膜の柔軟性が増すために摩擦への耐久性が高く、カールキープ効果に優れ、にじみのなさにも優れる油性睫用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)次の成分(a)及び(b):
(a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(b)25℃における粘度が10万mPa・s以上のジメチコノール
を配合することを特徴とする油性睫用化粧料、
(2)成分(a)の分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)に記載の油性睫用化粧料、
(3)成分(a)が、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンのゲル化能を有しないことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の油性睫用化粧料、
(4)成分(a)を40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が、30〜1000gであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の油性睫用化粧料、
(5)成分(a)の配合量が0.1〜10質量%、成分(b)の配合量が0.01〜1質量%である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の油性睫用化粧料、
(6)さらに成分(c)揮発性油剤を配合することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の油性睫用化粧料、
(7)さらに成分(d)として、成分(a)以外の油溶性樹脂の1種又は2種以上を配合することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の油性睫用化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油性睫用化粧料は、塗布時のなめらかさに優れ、カールキープ効果、摩擦への耐久性、にじみのなさに優れるものである。また、睫への付着性が良好なため、一度塗りでも顕著なカールアップ効果が得られるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油性睫用化粧料に使用される成分(a)は、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル(以下、単に「特定のデキストリン脂肪酸エステル」ということもある。)は、睫に塗布した際に皮膜を形成することができるものである。
デキストリン脂肪酸エステルのデキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
【0009】
成分(a)に使用するデキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
(1)デキストリン脂肪酸エステルを液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における粘度が8mm/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
【0010】
(2)デキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲のタック性を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
【0011】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリンエステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリンエステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
【0012】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種、又は2種以上を組み合わせて、または、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種、又は2種以上の混合物(以下、これらの脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)からなる。
【0013】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
該炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
成分(a)において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業株式会社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet reaction)に付し、次いで酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化成株式会社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業株式会社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学株式会社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.,51,522(1974)〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
【0014】
成分(a)に用いられる脂肪酸のうち炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22ものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
【0015】
成分(a)に用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、EPA、イワシ酸、DHA、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
【0016】
成分(a)に用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸;5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
【0017】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルのデキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
【0018】
次に、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
【0019】
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
【0020】
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
【0021】
成分(a)において、上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
【0022】
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。
【0023】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルは、特定比率からなる分岐飽和脂肪酸と、直鎖飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、環状の飽和又は不飽和脂肪酸との混合物、あるいは、分岐飽和脂肪酸単独でデキストリンをエステル化させたデキストリン脂肪酸エステルであるが、該デキストリン脂肪酸エステルは、従来のデキストリン脂肪酸エステルと異なり、液状油のゲル化能を有せず、タック性に優れるものである。成分(a)は、成分(b)、(c)と組み合わせて睫に塗布すると、付着性に優れながらもべたつかず、なめらかな使用感であり、配合量を増やしてもマスカラ液の粘度を増大させることなく、粘度が低いままでなめらかに塗布することができた。また、速乾性に優れるため、睫上で皮膜を形成すると、タック性がなくなり睫が束づかず毛量が増加したかのように見える効果も得られた。またその皮膜は、しなやかで柔軟性に優れていながら十分な強度があり、睫の動きに追従することができることから、高いカールキープ効果を発揮し、摩擦にも強く、カール形状を維持することができた。更に、成分(a)以外の油溶性樹脂と組み合わせることで、睫の付着性や形成した皮膜の強度をさらに向上することができ、特に、使用時のなめらかさに優れ、カールアップおよびカールキープ効果が高く、摩擦に強い油性睫用化粧料を得ることができる。
【0024】
本発明に用いられる成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルの配合量は、特に限定されないが、0.1〜10質量%(以下、単に「%」で示す。)が好ましく1〜5%が特に好ましい。この範囲であれば、塗布時のなめらかさを損なうことなく、カールアップ効果、カールキープ効果を最大限に発揮する良好なものを得ることができる。
【0025】
本発明の油性睫用化粧料に使用される成分(b)のジメチコノールは、両末端が水酸基により変性されていて架橋構造を持たないガム状の高重合ジメチコンである。水酸基の無い高重合度ジメチコンに比べて睫への付着性が良く、さらに変性部位が両末端であることにより、シリコーン化合物特有の滑らかな使用感を効果的に得ることができる成分である。また、25℃における粘度が10万mPa・s以上を示すものであれば、本発明において十分に効果を発揮するが、50万mPa・s〜3000万mPa・sの範囲が好ましく、特に100万mPa・s〜2000万mPa・sの範囲が好ましい。25℃における粘度が10万mPa・s以下であると、化粧料の付着性への寄与が少なくなり、カールアップ効果、カールキープ効果の点で、好ましくない。
【0026】
なお、成分(b)の粘度は、以下のように算出することができる。
1g/100mL濃度のジメチコノールのトルエン溶液を作製し、下記式(1)により比粘度ηsp(25℃)を求める。次に下記式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。さらに〔η〕を下記式(3)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量Mを求める。最後に、Mを下記式(4)に示すA.J.Barryの式に代入し、ジメチコノールの粘度ηを求める。
ηsp=(η/η0)−1 (1)
(但し、η0:トルエンの粘度、η:溶液の粘度は、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕2 (2)
(但し、K’:Huggins定数は、中牟田、日化、77 588[1956]に記載のものを用いる。)
〔η〕=0.215×10-40.65 (3)
logη=1.00+0.0123M0.5 (4)
【0027】
このような成分(b)の市販品としては、シリコーン油で溶解したものとして、Dow Corning 1501 Fluid(15%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、Dow Corning 1503 Fluid(12%ジメチルポリシロキサン溶液)(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、XF49−C2520(15%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、炭化水素油で溶解したものとして、XF49−C2497(35%水添ポリイソブテン溶液)、XF49−C2070(20%水添ポリイソブテン溶液)(いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
本発明に用いられる成分(b)の配合量は、特に限定はされないが、0.01〜5%の範囲が好ましく、更に0.1〜1%の範囲が好ましい。この範囲であれば、塗布時のなめらかさに非常に優れ、カールアップ効果、カールキープ効果を損なうことなく、摩擦への耐久性が高く、かつ、にじみにくい良好な油性睫用化粧料を得ることができる。
【0029】
さらに本発明には、成分(c)揮発性油剤を配合することができ、他成分の分散媒として用いられるものである。化粧料に使用できるものであれば、特に制限されないが、例えば、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。中でも軽質流動イソパラフィン、環状シリコーンが、睫用化粧料の乾燥速度を高め、揮発により強固な化粧膜を形成するため、カールキープ効果に優れる点で好ましい。
市販品としては、例えば、IPソルベント(出光興産社製)、シェルソル(シェル化学社製)、シリコンKF994、KF995、KF96A(5CS)(何れも、信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0030】
本発明における成分(c)揮発性油剤の配合量は、特に限定されないが、10〜70%が好ましく、20〜60%が更に好ましい。この範囲であると、塗布時はなめらかな使用感であり、乾燥速度が適切であることから、均一かつ強度にも優れる化粧膜を形成し、カールキープ効果に優れる点で好ましい。
【0031】
さらに本発明には、成分(d)として、成分(a)以外の油溶性樹脂を配合することができ、本発明においてカールアップ効果とカールキープ効果に寄与する。ここでいう油溶性樹脂とは、室温で成分(c)に溶解し、また皮膜形成性を有するものであり、化粧料に通常使用されるもので、成分(a)以外であれば、特に制限されず必要に応じ1種又は2種以上を用いることができる。例えば、キャンデリラレジン、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添アビエチン酸グリセリル等のテルペン系樹脂、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、アクリル−シリコーングラフト共重合体等のシリコーン系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、などが挙げられる。
市販品としては、パインクリスタル KE−311(荒川化学工業社製)、シリコンKF−9021(信越化学工業社製)、シリコンKF−7312J(信越化学工業社製)、エステルガム HP(荒川化学工業社製)などが挙げられる。
【0032】
本発明における成分(d)の配合量は、特に限定されないが、固形分濃度として0.5〜25%が好ましく、1〜20%が更に好ましい。この範囲であるとカールアップ効果およびカールキープ効果が飛躍的に向上し、より良好な油性睫用化粧料を得ることができる。
【0033】
本発明の油性睫用化粧料は、上記の構成成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば上記構成成分以外の油性成分、粉体成分、繊維、界面活性剤、皮膜形成性ポリマーエマルション、水系成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0034】
上記構成成分以外の油性成分としては、化粧料に使用できるものであれば特に制限されず、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
【0035】
具体的には、エチレン・プロピレンコポリマー、セレシン、パラフィンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添マイクロクリスタリン、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。これらの油性成分は必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
本発明に用いられる油性成分の配合量は、特に限定されないが、前記構成成分やその他の油性成分の合計で、30〜90%が好ましく、50〜80%が更に好ましい。この範囲であれば、本発明の油性睫用化粧料の効果を最大に引き出すことができる。
【0036】
粉体成分としては、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、無水ケイ酸被覆雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン・酸化鉄被覆ガラス末、酸化チタン・無水ケイ酸被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
また、これら粉体は1種又は2種以上を複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0037】
繊維としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ、これらは特に限定されるものではなく、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの繊維は、ポリエチレンテレフタレートとナイロンを層状に重ねた複合繊維のように、1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、また、本発明の効果を妨げない範囲で、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。本発明品は繊維を配合しなくても、優れたロングラッシュ効果を発揮するものであるが、さらにロングラッシュ効果を得たい場合は上記繊維を配合し、具現化することができる。
長さは特に制限されないが、一般的には、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜7mmが更に好ましく用いられる。太さは一般的には0.1〜20テックス(以下、単に「T」と示す。)が好ましく、更に好ましくは0.3〜15Tである。これらの繊維は材質、太さ、長さの異なる1種又は2種以上を用いることができる。
繊維の断面の形状は特に限定されないが、円状、楕円状、多角形、井形、T型、Y型等いずれのものも使用することができる。
更に、これらの繊維は、必要に応じて着色剤で着色したり、表面処理を施したりして使用される。表面処理剤の種類としてはフッ素化合物、シリコーン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等があり、1種又は2種以上を用いることができる。
【0038】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、粉体の分散性向上を目的として用いられる。また本発明の油性睫用化粧料が油中水乳化型である場合は、水を分散させる乳化剤として用いる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。これらの界面活性剤は、必要に応じ、1種又は2種以上を使用することができる。
【0039】
皮膜形成性ポリマーエマルションとしては、水性の溶媒中に高分子の微粒子が安定に分散した系で、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合することによって得られる液や自然界に存在する乳状の樹液を含むもので、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができ、本発明の油性睫用化粧料が油中水乳化型である場合に主に用いられる。
例えば、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション等が挙げられ、市販品としては、YODOSOL 32A707、YODOSOL GH810F、YODOSOL GH800F(アクゾノーベル社製)、プレキシトール B−500(ROHM GMBH社製)、リカボンドET−F527(中央理科工業社製)、ビニブラン1080、ビニブラン1128C,ビニブラン1080M,ビニブラン1080T、ビニブランGV−5651、ビニブラン1108S/W(日信化学工業社製)、ANTARA430(ISP社製)が挙げられる。これらのポリマーエマルションは、必要に応じ、1種又は2種以上を使用することができる。
【0040】
水性成分は、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤等が挙げられる。また、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメチコジエチルベンジルマロネート、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾルテトラメチルブチルフェノール、4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン、オクトクリレン、オクチルトリアゾン等を用いることにより、より高い紫外線防御効果をもたらすことができる。
【0042】
本発明の油性睫用化粧料は、マスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地等が挙げられ、油性成分を連続相とするものであれば良く、水性相を含有しない非水型であっても、水性相を油相中に分散または乳化した油中水型であってもよいが、非水型の方が、カールキープ効果をがより顕著に発揮するため好ましい。形状としては液状、ゲル状(乳液状)、クリーム状等が挙げられる。
【0043】
本発明の睫用化粧料の製造方法としては、通常公知の方法で製造可能であり、製造機器としては、一般のディスパーションのような分散・乳化機器であればいずれでもよいが、ローラーミル、高圧ホモジナイザー、ビーズミル、マイクロフルイダイザー等の高分散機器を適宜、選択しても良い。
【実施例】
【0044】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
《デキストリン脂肪酸エステルの参考製造例》
以下に本発明に用いるデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
【0045】
(置換度、構成脂肪酸のmol%の測定方法)
参考製造例のデキストリン脂肪酸エステルのIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
【0046】
(粘度の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン酸エステル)を5質量%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM−100A(山一電機社製)
【0047】
(タック性の測定方法)
ガラス板に400μm厚のアプリケーターで各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を塗布し、その皮膜(40% IPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)溶液)を室温24時間乾燥後、70℃12時間後、室温25℃において、乾燥したもののタック性を、以下に示す機器および条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM))P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]Test Speed:0.5mm/sec, Applied Force:100g, Contact Time:10sec
【0048】
[参考製造例:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。
置換度は2.2、イソステアリン酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
【0049】
実施例1〜7及び比較例1〜5:油性マスカラ(非水型ゲル状)
表1に示す処方の油性マスカラを下記製法に従って調製し、a.なめらかさ、b.カールアップ効果、c.カールキープ効果、d.摩擦への耐久性、e.にじみのなさを下記の評価方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
*1:参考製造例で得たデキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル
*2:シリコンKF−96H(10万CS)(信越化学工業社製)
*3:IPソルベント 1620MU(出光興産社製)
*4:レオパール TT2(千葉製粉社製)
*5:パインクリスタル KE−311(荒川化学工業社製)
*6:エステルガムHP(荒川化学工業社製)
*7:キャンデリラ樹脂E―1(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*8:KF7312J(信越化学工業社製)(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
*9:BENTONE 27V(ELEMENTIS社製)
*10:AEROSIL 200(日本アエロジル社製)
*11:ジメチルポリシロキサン5%処理
【0052】
(製法)
A.成分(1)〜(14)を約110℃に加熱し、均一に混合する。
B.Aに(15)〜(18)を添加し、均一に混合する。
C.Bを室温まで冷却し、塗布具付き容器に充填して油性マスカラを得た。
【0053】
(評価方法)
下記a〜eの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。各試料を適量、睫に塗布し、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し、評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
尚、評価項目a.bは塗布直後を評価し、評価項目c.eについては、試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、8時間後の化粧効果について評価した。さらに評価項目dについてはc項目・e項目の評価後にパネルに目を10往復こすってもらい、その際の化粧膜のはがれ落ちを評価した。
<評価項目>
a.(塗布時の)なめらかさ
b.カールアップ効果
c.カールキープ効果(塗布直後のカール形状を維持しているか)
d.摩擦への耐久性
e.にじみのなさ
<7段階絶対評価>
(評点) :(評価)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
<4段階判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎ 非常に良好
3.5以上〜5.0未満 : ○ 良好
1.5以上〜3.5未満 : △ 普通
1.5未満 : × 不良
【0054】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜7の油性マスカラは、比較例1〜5の油性マスカラに比べ、塗布時に塗布部と睫がひっかかることがなく、非常になめらかな使用感であった。そのため、できた皮膜も非常に均一性の高いものであった。睫への付着性に優れ、1回塗布しただけでも十分なカールアップ効果が得られた。さらに、形成された化粧膜はしなやかで柔軟性に優れていながら十分な強度があり、目をこすっても化粧膜がはがれ落ちてくることがなく、カール形状も維持されていた。経時でもカールが落ちてきたり、皮脂によりにじんできたりすることはなく、カールキープ効果・にじみにくさに非常に優れていた。
これに対して、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルの代わりに、従来のデキストリン脂肪酸エステルを配合した比較例1では、なめらかさに欠け、マスカラ液が睫に均一に付着しなかった。また、睫に対する付着性と化粧膜の強度が弱いために、カールアップ効果とカールキープ効果が著しく低下した。さらに、摩擦への耐久性もあまりなかった。
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルの代わりに、従来の皮膜形成樹脂を配合した比較例2では、べとつきが大きく塗布時のなめらかさに欠けた。また、カールアップ・カールキープ効果はあるものの、できた化粧膜が硬くもろいため、目をこすると化粧膜がはがれ落ちてきてしまった。
成分(b)10万mPa・s以上のジメチコノールの代わりに、低粘度のジメチコノールを配合した比較例3では、塗布時のなめらかさが低下し、十分な付着力も得られず、カールアップ・カールキープ効果が発揮されなかった。
成分(b)10万mPa・s以上のジメチコノールの代わりに、同程度の粘度のジメチコンを配合した比較例4では、十分な付着効果が得られず、塗布時のなめらかさはあるものの、十分なカールアップ・カールキープ効果が得られなかった。また、摩擦への耐久性も低下した。
成分(b)10万mPa・s以上のジメチコノールの代わりに、同程度の粘度のポリブテンを配合した比較例5では、べとつきが大きく塗布時のなめらかさに欠けた。また、乾燥速度が遅くなり、カールアップ効果・カールキープ効果ともに著しく損なわれた。また、摩擦への耐久性も著しく低下し、経時で皮脂によるにじみも見られた。
【0055】
以下、実施例8〜12についても、実施例1と同様の評価方法を用いて評価した。
実施例8:油性マスカラ(ロングタイプ、ゲル状)
(成分) (%)
(1)デキストリンイソステアリン酸エステル *1 1
(2)ジメチコノール(200万cs) 0.1
(3)トリメチルシロキシケイ酸溶液 *8 5
(4)水添アビエチン酸グリセリル *5 5
(5)カルナウバワックス 10
(6)マイクロクリスタリンワックス *12 5
(7)水添ポリデセン *13 2
(8)軽質流動イソパラフィン *3 残量
(9)有機変性ベントナイト *8 3
(10)タルク 10
(11)ポリメチルシルセスキオキサン/メタクリル酸
メチルクロスポリマー複合粉体 *14 5
(12)ポリプロピレン繊維 *15 2
(13)ポリエチレンテレフタレート
・ナイロン66混合繊維 *16 1
(14)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(15)フェノキシエタノール 0.1
(16)香料 0.2
*12:MULTIWAX W−835 MYCROCRYSTALLINEWAX(SONNEBORN社製)
*13:Silkflo 364NF Polydecene(Lipo Chemicals社製)
*14:Silcrusta MK03(日興リカ社製)
*15:10T、3mm
*16:15T、0.5mm
【0056】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を約110℃で加熱混合し均一にする。
B.成分(9)〜(16)をAに加え均一に混合する。
C.Bを容器に充填し、油性マスカラを得た。
以上のようにして得られた油性マスカラ(ロングタイプ、ゲル状)は、なめらかさに優れ、1回塗布しただけでもカールアップ効果があり、経時でのカールキープ効果やにじみのなさにも優れていた。また、摩擦への耐久性も高く、目をこすった際に塗膜がぼろぼろ落ちてくることがなく、カール形状も保持されたままであった。
【0057】
実施例9:油中水型マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
(1)デキストリンイソステアリン酸エステル *1 1
(2)ジメチコノール(1000万cs) 0.1
(3)ロジン酸ペンタエリスリトール 10
(4)キャンデリラレジン *7 1
(5)ポリビニルピロリドン 0.1
(6)軽質流動イソパラフィン *3 残量
(7)デキストリン脂肪酸エステル *16 2
(8)煙霧状無水ケイ酸 *17 8
(9)有機変性ベントナイト *9 2
(10)チタン・酸化チタン焼結物 *18 5
(11)マイカ 5
(12)1,3−ブチレングリコール 8
(13)精製水 3
(14)香料 0.1
*16:レオパールTL2(千葉製粉社製)
*17:AEROSIL R974(日本アエロジル社製)
*18:TILACK D(赤穂化成社製)
【0058】
(製法)
A.成分(1)〜(11)を100℃に加熱溶解し、常温になるまで冷却する。その後、成分(12)〜(14)を加えて乳化する。
B.Aを容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた油中水型マスカラ(クリーム状)は、なめらかさに優れ、1回塗布しただけでもカールアップ効果があり、経時でのカールキープ効果やにじみのなさにも優れていた。また、摩擦への耐久性も高く、目をこすった際に塗膜がぼろぼろ落ちてくることがなく、カール形状も保持されたままであった。
【0059】
実施例10:マスカラオーバーコート(ゲル状)
(成分) (%)
(1)デキストリンイソステアリン酸エステル *1 1
(2)ジメチコノール(500万cs) 0.1
(3)不均化ロジングリセリンエステル *19 5
(4)トリメチルシロキシケイ酸溶液 *8 3
(5)アクリル−シリコーングラフト共重合体 *20 3
(6)パルミチン酸デキストリン *21 10
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
(8)有機変性ベントナイト *9 7
(9)ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・
エポキシ積層末 *22 5
(10)ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート
積層フィルム末 *23 3
(11)酸化チタン被覆ガラス末 *24 10
(12)雲母チタン *25 3
(13)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
*19:スーパーエステルA−75(荒川化学工業社製)
*20:KP545(固形分30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(信越化学工業社製)
*21:レオパールKL2(千葉製粉社製)
*22:DCグリッターシルバーC(ダイヤケムコ社製)
*23:オーロラフレーク レッド(角八魚燐箔社製)
*24:メタシャイン1080RC−S(日本板硝子社製)
*25:HELIOS R100S(トピー工業社製)
【0060】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を約110℃で加熱混合し均一にする。
B.成分(8)〜(13)とAを合わせ均一に混合する。
C.Bを容器に充填し、マスカラオーバーコート(ゲル状)を得た。
以上のようにして得られたマスカラオーバーコート(ゲル状)は、市販のマスカラを1回塗布した後、本マスカラオーバーコートを重ね塗りしてもなめらかさに優れ、1回塗布しただけでもカールアップ効果があり、経時でのカールキープ効果やにじみのなさにも優れていた。また、摩擦への耐久性も高く、目をこすった際に塗膜がぼろぼろ落ちてくることがなく、カール形状も保持されたままであった。
【0061】
実施例11:マスカラ下地(ゲル状)
(成分) (%)
(1)デキストリンイソステアリン酸エステル *1 2
(2)ジメチコノール(2000万cs) 0.1
(3)軽質流動イソパラフィン *3 残量
(4)ポリエチレンワックス 10
(5)ミツロウ 10
(6)水添アビエチン酸グリセリル *5 5
(7)有機変性ベントナイト *9 10
(8)無水ケイ酸 *10 3
(9)シリコーン樹脂粉末 *26 15
*26:トスパール2000B(GE東芝シリコーン社製)
【0062】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を110℃に加熱溶解し、均一に混合する。
B.成分(7)〜(9)とAを合わせ均一に混合する。
C.Bを容器に充填し、マスカラ下地を得た。
以上のようにして得られたマスカラ下地(ゲル状)は、なめらかさに優れ、1回塗布しただけでもカールアップ効果があり、経時でのカールキープ効果やにじみのなさにも優れていた。本マスカラ下地を塗布後、市販のマスカラを塗布したところカールキープ効果に優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)及び(b):
(a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(b)25℃における粘度が10万mPa・s以上のジメチコノール
を配合することを特徴とする油性睫用化粧料。
【請求項2】
成分(a)の分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の油性睫用化粧料。
【請求項3】
成分(a)が、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/sである流動パラフィンのゲル化能を有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の油性睫用化粧料。
【請求項4】
成分(a)を40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が、30〜1000gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性睫用化粧料。
【請求項5】
成分(a)の配合量が0.1〜10質量%、成分(b)の配合量が0.01〜1質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の油性睫用化粧料。
【請求項6】
さらに成分(c)揮発性油剤を配合することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油性睫用化粧料。
【請求項7】
さらに成分(d)として(a)以外の油溶性樹脂の1種又は2種以上を配合することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油性睫用化粧料。

【公開番号】特開2013−63919(P2013−63919A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202460(P2011−202460)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】