説明

治療薬用のマイクロ粒子脂肪酸塩固体製剤

粒子が、直径約1〜約1,000μmであるサイズ分布を有する脂肪酸塩粒子、該粒子の医用組成物における使用、ならびに該粒子および組成物の製造方法および使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.優先権の主張
本発明は、Opawaleらにより、2003年8月13日に出願された、「治療薬のためのマイクロ粒子脂肪酸固体製剤」と題する、米国仮特許出願第60/494,821号(その全開示内容を参照により本明細書に援用する)に対する優先権を主張する。
【0002】
2.発明の分野
本発明は、マイクロ粒子脂肪酸塩類、および製剤処方、特にポリペプチド薬の経口送達用製剤処方における、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
3.発明の背景
ポリペプチド等の治療薬の経口投与に付随する問題は、製薬業界では周知であり、またそれらを解決しようとして、様々な方策が使用されている。多量のポリペプチド分解酵素が胃および腸の中に存在するため、消化管を通って治療用ポリペプチドを送達することは難しい。経口送達を実現するためには、該治療用ポリペプチドは、胃腸の酵素に耐えて存続しなければならず、併せて腸の腸細胞を通って、または腸細胞の周りに、輸送されることができなければならない。
【0004】
経口送達の手法の例としては、1)消化管内のポリペプチドおよびポリペプチドの分解速度を減速するための、酵素インヒビターの使用;2)局所消化酵素を失活させるためのpH操作;3)ポリペプチドの傍細胞輸送および経細胞輸送を増加することによりポリペプチドの吸収を改善するための、透過促進剤の使用;4)腸上皮、殊にパイエル板(Peyer's patch)による、完全吸収を促進するため、および酵素分解に対する抵抗性を高めるための、微粒子担体としてのナノ粒子の使用;ならびに5)腸内腔における該薬剤の酵素分解を防止するための、乳濁液の使用、などが挙げられる。
【0005】
従来の小分子薬剤の送達に使用される経口剤形はまた、ポリペプチド類の経口送達を改良するためにも使用されてきた。該ポリペプチドが化学的に修飾されている場合または専用の吸収促進剤が使用される場合を除いて、結果は失望させるものであった。本発明者の知る限りでは、経口送達されるポリペプチドを商品化することが実行可能であることを示唆するのに充分な生体内利用度および薬物動態を実証するヒト臨床治験は、ほんの一握りに過ぎない。
【0006】
多量の薬剤が消化管を通って血流に入ることを可能にすることによって、当該技術の現状を改善する、経口送達用ポリペプチド薬を製剤するための新規な手法が、当技術分野で必要である。
【発明の開示】
【0007】
4.発明の概要
本発明は、一定の割合の粒子が約1〜約1,000μmの直径であるサイズ分布を有する脂肪酸塩粒子を含む、脂肪酸塩組成物を提供する。幾つかの実施形態において、該脂肪酸塩組成物は、該粒子の少なくとも50%は、約5〜約500μmであるサイズ分布を有し、かつ/または該粒子の少なくとも50%は、約20〜約80μmであるサイズ分布を有する脂肪酸塩粒子を含むことができる。
【0008】
本発明はまた、本明細書に記載のサイズ分布を有する脂肪酸塩およびポリペプチド薬を含む、医薬組成物も提供する。様々な実施形態において、本ポリペプチド薬は、非複合ポリペプチド、ポリグリコールエチレン付加ポリペプチド、プロドラッグおよび/またはオリゴマーに結合したポリペプチドであってもよい。さらなる実施形態において、該医薬組成物は、本明細書に記載のサイズ分布を有する脂肪酸塩、ならびにポリペプチド、プロドラッグ、純粋なまたは部分的プロドラッグおよび/または小分子であってもよい、生理活性物質を含むこともあり得る。該生理活性物質は、結合していなくても、オリゴマーに結合していてもよく、かつ/またはポリエチレングリコール付加されていてもよい。
【0009】
6.定義
本発明の説明で使用される専門用語は、詳細な実施形態を説明するためにすぎず、本発明の限定を意図するものではない。本発明の説明および特許請求の範囲で使用されるとき、文脈上そうでないことを明示していない限り、単数形は、複数形も包含することを意図する。
【0010】
本明細書で使用されるとき、以下の用語は、指示された意味を有する:
「生理活性物質」は、本発明の方法で結合可能な治療薬または薬剤を意味する。生理活性物質は、小分子、巨大分子、ペプチド、タンパク質、または核酸であってもよい。生理活性物質の例は、下記の薬効分類に該当するものを含むが、その限りではない:ACE−インヒビター;抗狭心症薬;抗不整脈薬;抗喘息薬;抗コレステロール血症薬;抗痙攣薬;抗鬱薬;止瀉薬;抗ヒスタミン薬;降圧薬;抗感染薬;抗炎症薬;抗脂肪薬;抗躁薬;制吐薬;抗抗卒中薬;抗甲状腺製剤;抗腫瘍薬;鎮咳薬;抗尿毒症薬;抗ウイルス薬;にきび治療薬;アルカロイド類;アミノ酸製剤;同化薬;鎮痛薬;麻酔薬;血管形成阻害薬;制酸薬;抗関節炎薬;抗生物質;抗凝固薬;制吐薬;肥満抑制薬;駆虫薬;抗精神病薬;解熱薬;鎮痙薬;抗血栓薬;抗不安薬;食欲刺激薬;食欲抑制薬;β遮断薬;気管支拡張薬;心血管作動薬;脳拡張薬;キレート化剤;コレシストキニン拮抗物質;化学療法剤;認知活性化薬;避妊薬;冠動脈拡張薬;咳止め;充血除去薬;デオドラント;外皮用剤;糖尿病薬;利尿薬;皮膚軟化薬;酵素;赤血球増加薬;去痰薬;排卵促進剤;殺真菌薬;胃腸薬;成長調整薬;ホルモン補充剤;血糖上昇薬;催眠薬;血糖降下薬;緩下剤;片頭痛治療薬;ミネラルサプリメント;粘液溶解薬;麻薬;神経遮断薬;神経筋薬;NSAIDS;栄養添加物;末梢血管拡張薬;プロスタグランジン類;向精神薬;レニン抑制薬;呼吸促進薬;ステロイド類;覚醒剤;交感神経遮断薬;甲状腺製剤;精神安定剤;子宮弛緩薬;膣用製剤;血管収縮薬;血管拡張薬;目眩薬;ビタミン類;および創傷治癒薬。生物学的作用物質の、その他の非限定的例としては、クマリン、インスリン、カルシトニン、ロイエンケファリン、およびメトエンケファリンなどが挙げられる。
【0011】
「有効な量」は、治療効果であってもよい、所望の効果を作り出すのに充分である化合物または組成物の量を指す。該有効な量は、年齢、対象の全身症状、治療する病気の重症度、投与される個々の生理活性物質、治療の継続期間、同時治療の性質、使用される薬学的に許容し得る担体、および当業者の知識および専門知識の範囲内の類似した因子によって異なる。個々の症例における「有効な量」は、関係のあるテキストおよび文献を参照することにより、および/または所定の実験を使用することにより、適宜、当業者が決定することができる。(たとえば、レミントン(Remington)、薬学の科学および実践(20版。2000年)(その全開示内容を参照により本明細書に援用する)を参照)
【0012】
「加水分解可能な」は、生理条件で加水分解を受ける結合を意味する。
【0013】
「親水性」は、水溶性を示すことを意味し、また用語「親水性部分」は、親水性であり、かつ/または別の化学物質に結合したとき、このような化学物質の親水性を高める部分を指す。例としては、糖類およびポリアルキレン部分たとえばポリエチレングリコールなどが挙げられるが、その限りではない。「親油性」は、脂溶性を示す、たとえば脂肪および脂肪組織における蓄積、脂質に溶解できること、かつ/または生体膜を透過できること、生体膜と相互に作用できること、および/または生体膜を越えられることを意味し、また用語「親油性部分」は、親油性であり、かつ/または別の化学物質に結合したとき、このような化学物質の親油性を高める部分を意味する。「両親媒性」は、親水性および親油性の両性質を示すことを意味し、用語「両親媒性部分」は、両親媒性であり、かつ/またはポリペプチドまたは非ポリペプチド薬に結合したとき、結果として生じる複合体の両親媒性を高める部分、たとえばPEG−脂肪酸修飾部分、糖−脂肪酸修飾部分を意味する。
【0014】
「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5またはC6の、置換されたまたは置換されていない、直鎖状または分岐鎖状のアルキル部分を意味する。「高級アルキル」は、6個以上の炭素原子を有する、たとえば、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、等々の、置換されたまたは置換されていない、直鎖状または分岐鎖状のアルキル部分を意味する。
【0015】
「単分散の」は、化合物の混合物であって、該混合物中の該化合物のほぼ100%が同一分子量を有するものを表す。「実質的に単分散の」は、化合物の混合物であって、該混合物中の該化合物の少なくとも約95%が同一分子量を有するものを表す。「純粋に単分散の」は、化合物の混合物であって、該混合物中の該化合物の約100%が同一分子量を有し、かつ同一分子構造を有するものを表す。したがって、純粋に単分散の混合物は、単分散の混合物であるが、単分散の混合物は必ずしも純粋に単分散の混合物であるとは限らない。「実質的に純粋に単分散の」は、化合物の混合物であって、該混合物中の該化合物の少なくとも約95%が同一分子量を有し、かつ同一分子構造を有するものを表す。したがって、実質的に純粋に単分散の混合物は、実質的に単分散の混合物であるが、実質的に単分散の混合物は、必ずしも実質的に純粋に単分散の混合物であるとは限らない。本発明の製剤で使用される複合ポリペプチドは、好ましくは単分散、実質的に単分散、純粋に単分散または実質的に純粋に単分散であるが、多分散であってもよい。「多分散の」は、単分散、実質的に単分散、純粋に単分散または実質的に純粋に単分散ではない、分散度を有することを意味する。
【0016】
「ポリアルキレングリコール」またはPAGは、置換されたまたは置換されていない、直鎖状または分岐鎖状のポリアルキレングリコールポリマー、たとえばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、およびポリブチレングリコール(PBG)、ならびにそれらの組合せ(たとえば、PEG、PPG、PPG、およびPBGサブユニットから選択される2つ以上の異なるPAGユニット等の、2つ以上の異なるPAGサブユニットの組合せを含む直鎖状または分岐鎖状のポリマー)を指し、またポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルを含む。用語「PAGサブユニット」は、単一のPAGユニットを意味し、たとえば、「PEGサブユニット」は、単一のポリエチレングリコールユニット、たとえば、−(CH2CH2O)−を指し、「PPGサブユニット」は、単一のポリプロピレングリコールユニット、たとえば、−(CH2CH2CH2O)−を指し、また「PBGサブユニット」は、単一のポリプロピレングリコールユニット、たとえば、−(CH2CH2CH2CH2O)−を指す。PAGおよび/またはPAGサブユニットはまた、置換されたPAGまたはPAGサブユニット、たとえば、1つ以上の分岐鎖の形態のPAGサブユニットを含むPAG、たとえばイソ−PPGまたはイソ−PBGを含むPAGはもちろん、メチル側鎖、エチル側鎖またはプロピル側鎖等のアルキル側鎖、またはカルボニル側鎖を含むPAGをも含む。
【0017】
「薬学的に許容し得る」は、成分に関して、たとえば本発明による組成物の塩、担体、賦形剤または希釈剤等が、(i)その所期の目的に不向きにさせることなく、本発明の組成物と組み合せることができる点で、該組成物の他の成分と相容性であり、そして(ii)過度の不都合な副作用(たとえば毒性、刺激、およびアレルギー反応)なしに、本明細書に記載の対象に使用するのに適当である、成分であることを意味する。副作用は、該組成物によって提供される、それらのリスクが利益を上回るとき、「過度」である。
【0018】
「ポリペプチド薬」は、対象に投与されたとき治療活性を有するか、または治療活性を有する代謝産物を生じるポリペプチド、およびこのようなポリペプチドの誘導体または複合物を意味する。
【0019】
「ポリペプチド」は、ペプチドまたはタンパク質を意味する。
【0020】
「プロドラッグ」または「純粋なプロドラッグ」は、(i)その親薬剤化合物の生理活性の一部または全部を保有するかまたは全く保有せず、また(ii)対象の中で代謝されて親薬剤化合物を生じるように、化学的に誘導体化されている生理活性物質を意味する。オリゴマー化されたポリペプチドプロドラッグまたは純粋なプロドラッグとの関係において、該オリゴマー全てがin vivoで除去されて、生物学的に活性な非複合ポリペプチドを生じる。
【0021】
「治療する」または「治療」は、障害、疾患または病気に苦しんでいる対象に、調節効果(たとえば、有益な効果であってもよい)を与えるあらゆるタイプの治療を指し、(たとえば、1つまたはそれより多い症状がある)対象の状態の改善;該状態の進行の遅延;該障害の発症の予防または遅延;および/または当該技術分野で周知であろう、臨床パラメーター、疾患または病気等々の変化;および/または正常な生理機能への増強を含む。
【0022】
7.発明の詳細な説明
本発明は、マイクロ粒子脂肪酸塩およびこのような塩類を含む組成物、ならびにこのような塩類および組成物を製造方法および使用する方法を提供する。該マイクロ粒子脂肪酸塩は、治療薬、殊にポリペプチド薬、たとえばポリペプチド複合物の経口送達用固体製剤の調製に特に有用である。本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩製剤は、意外なことに、薬学的に有効な量のポリペプチドを、消化管を通って全身循環に送達しやすくすることができる。特定の理論に束縛されることを望まないが、本発明者は、該マイクロ粒子脂肪酸塩は腸管内で速やかに溶解して、ポリペプチドを酵素の攻撃から守り、また腸管上皮を介した該ポリペプチドの輸送を助ける微小環境を作ると考える。
【0023】
7.1.マイクロ粒子脂肪酸塩
本発明は、治療用化合物の製剤に有用なマイクロ粒子脂肪酸塩を提供する。本発明者は、意外にも、脂肪酸塩の表面積−体積比を高めることは、すなわち、該塩粒子のサイズを減少することにより、該塩粒子が、腸粘膜を越えてポリペプチド薬を送達しやすくする力を劇的に増大することを発見した。このましくは、溶解速度は、希釈速度より速い。
【0024】
本発明による有用な脂肪酸塩の例は、短鎖、中鎖および長鎖脂肪酸を含むが、その限りではない。好ましい脂肪酸塩の例としては、中鎖脂肪酸塩、たとえば、酪酸(ブタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、パルミトレイン酸(9−ヘキサデセン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、オレイン酸(9−オクタデセン酸)、リノレン酸(9,12−オクタデカジエン酸)、α−リノレン酸(ALA)(9,12,15−オクタデカトリエン酸)、γ−リノレン酸(GLA)(6,9,12−オクタデカトリエン酸)、アラキン酸(エイコサン酸)、ガドレイン酸(9−エイコセン酸)、アラキドン酸(AA)(5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)、EPA(5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、エルカ酸(13−ドコセン酸)、DHA(4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)、リグノセリン酸(テトラコサン酸)などが挙げられる。
【0025】
適切な溶解−希釈比をもたらすためには、該塩類は、現在入手可能な粒子サイズより充分に小さい粒子サイズで提供される。該脂肪酸塩は、該粒子の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%が、直径約1〜約1,000μmである組成物で提供されることが可能である。該脂肪酸塩は、該粒子の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%が、直径約5〜約500μmである組成物で提供されてもよい。該脂肪酸塩は、該粒子の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%が、直径約10〜約100μmである組成物で提供されてもよい。該脂肪酸塩は、該粒子の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%が、直径約20〜約80μmである組成物で提供されてもよい。さらに、該脂肪酸塩は、該脂肪酸塩粒子の平均粒子サイズが直径約1〜約1,000μm、好ましくは直径約5〜約500μm、より好ましくは直径約10〜約100μm、理想的には直径約20〜約80μmである、組成物で提供されることが可能である。
【0026】
7.2.製剤
本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩は、治療薬を経口送達するために使用される錠剤およびカプセル剤等の、固体経口剤形の製剤で使用される。本書は、該ポリペプチド薬を送達するための、これらの新規な製剤の使用に焦点を合わせているが、該製剤は、小分子薬剤の製剤にも有用であることが充分に理解されるであろう。該製剤は、概して本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩および医薬品、たとえばポリペプチド薬および/または小分子薬剤を含む。しかし、賦形剤が、前記マイクロ粒子脂肪酸塩の使用により提供される効果を排除しない限りは、多種多様な補足的な賦形剤も、本発明の製剤中に含めることができる。本発明の製剤は、ポリペプチド薬、および殊に化学的に修飾されたポリペプチド薬、たとえば複合ポリペプチドの送達に特に有用である。
【0027】
幾つかの実施形態において、本発明の製剤は、胆汁酸塩を含むことができ、それは、ある実施形態では、主要側鎖は末端位にあり、かつ置換されていない1つのカルボキシル基を有する非抱合胆汁酸塩(たとえば、コール酸塩、ウルソデオキシコール酸塩、ケノデオキシコール酸塩、およびデオキシコール酸塩)であってもよい。他の実施形態において、本発明の製剤は、該主要側鎖が、たとえば、その窒素原子によりカルボキシル基に連結されたアミノ酸誘導体で置換されているカルボキシル基を有する胆汁酸塩(たとえば、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、およびグリコデオキシコール酸塩)である、抱合胆汁酸塩を含むことができる。様々な非抱合および/または抱合胆汁酸塩の混合物も使用することができる。
【0028】
他の実施形態において、本発明の組成物および/または製剤は、いずれかの胆汁酸塩を特異的に含まないかまたは特定の胆汁酸塩を含まない。たとえば、本発明の組成物および製剤は、胆汁酸塩のいずれか1つ以上を、任意の組合せで含むことができ、また1つ以上の他の胆汁を任意の組合せで除外することもできる。本発明の製剤は、タウロコール酸塩を含み、かつ/またはコール酸塩を除外することができる。任意の特定の胆汁酸塩が含まれてもよく、かつ何か特定の胆汁酸塩が特異的に除外されてもよく、したがって、含まれる胆汁酸塩および除外される胆汁酸塩の指名された組合せは、本発明の範囲内である。
【0029】
製剤処方に関する技術分野で周知の多種多様な任意の成分もまた、本発明の実施形態に含めることができる。例は、当該技術分野で周知の通り、界面活性剤、緩衝剤成分、コーティング剤、崩壊剤、充填剤、潤滑剤成分、乳化剤、錠剤結合剤、賦形剤および湿潤剤を含むが、その限りではない。
【0030】
任意ではあるが、界面活性剤が、本発明の製剤で脂肪酸の溶解度を高めるために有用であり、該界面活性剤が、溶解−希釈の比率を改善することができる。有用な界面活性剤の例は、アカシアゴム、レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセラル、モノグリセリド、ジグリセリド、オレイン酸、ポロクサマー、ポリソルベート類、ソルビタンエステル類、およびトロラミンを含むが、その限りではない。存在するとき、界面活性剤は、該医薬組成物の0重量%超〜約20重量%である量で含まれてもよい。より好ましくは、界面活性剤は、該医薬組成物の0重量%超〜約5重量%である量で含まれてもよい。理想的には、界面活性剤は、該医薬組成物の0重量%超〜約2重量%の量で含まれる。
【0031】
本発明の製剤は、緩衝剤も含むことができる。好ましい緩衝剤は、薬学的に許容し得る。本発明の製剤で使用される緩衝剤は、好ましくは約5〜約10、より好ましくは7.0超〜約10.0、さらにより好ましくは7.0超〜約9.0、理想的には約7.6〜約8.0のpHを有する。本明細書に記載の高いpHは、胃の低いpHを一時的に中和し、したがってペプシン等の胃の酵素を失活させるという利点を有する。さらに、本明細書に記載の高いpH緩衝剤系は、溶液中の脂肪酸に有利なpHを維持する。本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩と組み合せたとき、本発明の製剤の使用は、複合または非複合ポリペプチド薬の保護に有利に働き、またそれらのポリペプチド薬の透過性を高める、消化管内の環境を作る。
【0032】
本発明の医薬組成物で使用するのに適当な緩衝剤成分の例は、酢酸、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ホウ酸、クエン酸、乳酸、クエン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウムを含むが、その限りではない。
【0033】
実施形態によっては、本発明の製剤は、腸溶コーティングされていない、錠剤等の、剤形で提供され、また実施形態によっては、該剤形は腸溶コーティングされている。他の実施形態では、本発明の製剤は、結合剤を含まず、また結合剤が含まれる実施形態もある。1つ以上の崩壊剤、滑沢剤、充填剤、賦形剤が存在してもよく、存在しなくてもよい。
【0034】
本発明の製剤で使用される有効成分は、ナノ粒子の中に封入され得る。ナノメートルサイズ範囲の粒子は、腸上皮によって、殊に、パイエル板(Peyer's patch)によってそのまま吸収され、肝臓、脾臓、および他の組織等の部位に移行する。ナノ粒子の中に封入されたポリペプチド薬および/または小分子薬は、酵素分解に対する感度が低いことがある。該粒子は、いったん血流に入ると、薬剤の持続放出を提供することができる。
【0035】
7.3.有効成分
好ましい有効成分は、ポリペプチド薬である。好ましいポリペプチド薬は、カルシトニン、オリゴマー結合したカルシトニン、ポリグリコールエチレン付加カルシトニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド、オリゴマー複合脳性ナトリウム利尿ペプチド、ポリグリコールエチレン付加脳性ナトリウム利尿ペプチド、インスリン、オリゴマー結合したインスリン、ポリグリコールエチレン付加インスリン、GLP−1、オリゴマー複合GLP−1、および/またはポリグリコールエチレン付加GLP−1である。好ましい1種の薬剤は、主として傍細胞経路で吸収されるものである。
【0036】
本発明で有用な他のポリペプチド薬は、アデノシンデアミナーゼ、副腎皮質刺激ホルモン、アルギナーゼ、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、キモトリプシン、エンドルフィン類、エンケファリン類、エリスロポイエチン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド−1、成長ホルモン類、視床下部放出因子、インスリン、インターフェロン、ナトリウム利尿ペプチド(たとえば、脳性ナトリウム利尿ペプチドおよび心房性ナトリウム利尿ペプチド)、非天然オピオイド類、オキシトシン、パパイン、上皮小体ホルモン、プロラクチン、リボヌクレアーゼ、ソマトメジン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、スーパーオキシドジスムターゼ、甲状腺刺激ホルモン類、トリプシン、バソプレッシン、およびこのようなポリペプチドの化学的に修飾および/または結合されたバージョンを含むが、その限りではない。
【0037】
本発明の好ましいポリペプチドは、約300〜約10,000,000ダルトンの範囲、より好ましくは約1,000〜約50,000ダルトンの範囲、理想的には約1,000〜約10,000ダルトンの範囲のサイズを有することができる。
【0038】
好ましい実施形態において、該ポリペプチド薬は、下記:
【化1】

から選択される構造を有する修飾部分に結合されたポリペプチドである。
【0039】
前述の部分のいずれも、たとえば、ヒト・インスリンの求核残基、たとえば、A1、B1またはB29、あるいは前述の任意の組合せに結合していてもよい。
【0040】
別の実施形態において、該ポリペプチド薬は、式:
−X−R1−Y−PAG−Z−R2
(式中、
X、YおよびZは、独立に選択される連結基であって、それぞれ、任意に存在し、Xは、存在するとき、インスリンに共有結合で結合されており、
1およびR2の少なくとも1つは、存在し、かつ低級アルキルであり、場合によってカルボニル基を含んでもよく、
2は、キャッピング基であり、
PAGは、1つ以上のアルカレングリコール部分を組み入れ、場合によって−S−、−O−、−N−、および−C(O)−からなる群から選択される1つ以上の付加部分を組み入れた、直鎖状または分岐鎖状の炭素鎖である)を有する修飾部分に結合されており:
該修飾部分は、最大数3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の重原子を有する。
【0041】
本発明の実施形態において、X、YおよびZのいずれか1つ以上がなくてもよい。さらに、存在するとき、X、Yおよび/またはZは、−C(O)−、−O−、−S−、および−N−から独立に選択されてもよい。一実施形態では、Zは−C(O)−である。
【0042】
幾つかの実施形態において、R1は、低級アルキルであり、R2は、Oである。他の実施形態では、R2は、低級アルキルであり、R1は、Oである。
【0043】
該修飾部分は、たとえば、ヒト・インスリンの求核残基、たとえば、A1、B1またはB29、または前述の任意の組合せに結合していてもよい。
【0044】
別の実施形態において、該修飾部分は、−C、−C−、−O−、=O、−S−、−N−、−Si−からなる群から選択される3〜25原子の主鎖を有する、直鎖状または分岐鎖状の、置換された炭素鎖部分を含んでもよい。該重原子は、一般に、1個以上の炭素原子および−O−、−S−、−N−、および=O、好ましくは−O−、−N−、および=O、より好ましくは−O−および=Oからなる群から選択される1つ以上の非炭素重原子を含む。該炭素原子および非炭素重原子は、一般に、非炭素重原子1個に少なくとも1個の炭素原子、好ましくは非炭素重原子1個に少なくとも2個の炭素原子、より好ましくは非炭素重原子1個に少なくとも3個の炭素原子の比率で存在する。該炭素原子および酸素原子は、一般に、酸素原子1個に少なくとも1個の炭素原子、好ましくは、酸素原子1個に少なくとも2個の炭素原子、より好ましくは酸素原子1個に少なくとも3個の炭素原子の比率で存在する。該修飾部分は、1つ以上のキャッピング基、たとえば分岐鎖状または直鎖状のC16、分岐鎖状または直鎖状の、またはカルボニルを含んでもよい。該修飾部分は、一般に水素を含み、該水素の1つ以上は、フッ素で置換されていてもよい(これは重原子であるが、前述の式における重原子として計数すべきではない)。該修飾部分は、たとえば、ヒト・インスリンの求核残基、たとえば、A1、B1またはB29、または前述のいずれかの組合せに結合していてもよい。
【0045】
本発明の他の実施形態において、該ポリペプチド薬は、天然のインスリン、生理活性な非結合インスリン類縁体および/または結合インスリンであってもよい。具体的な実施形態において、該ポリペプチド薬は下記:
インスリン B29 Lys−(NH−CO(CH25(OCH2CH27OCH3
(式中、−NH−基は、Lysのε−窒素である)
であってもよい。
【0046】
本発明の具体的な実施形態において、該ポリペプチド薬は、天然のカルシトニン、生理活性な非結合カルシトニン類縁体および/または結合カルシトニンであってもよい。特定の実施形態において、該ポリペプチド薬は、下記:
Cys Ser Asn Leu Ser Thr Cys Val Leu Gly Lys(NH−CO(CH27(OCH2CH27OCH3
Leu Ser Gly Glu Leu His Lys(NH−CO(CH27(OCH2CH27OCH3)Leu Gln Thr Tyr Pro Arg Thr Asn Thr Gly Ser Gly Thr Pro.
(式中、−NH−基は、リジンのε−窒素である)
であってもよい。
【0047】
本発明の製剤で有用な他の複合ポリペプチドは、下記の特許に見られ、その全明細書を参照により本書に援用する:2001年10月16日にエンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「アミノ含有生理活性物質のトリアルキル・ロック促進(Trialkyl−lock−facilitated)重合体プロドラッグ」と題する、米国特許第6,303,569号;2001年4月10日にエンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「クマリンおよび関連芳香族を主成分とする重合体プロドラッグ」と題する、米国特許第6,214,330号;2000年9月5日にエンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「生理活性物質に連結可能な水溶性非抗原性ポリマー」と題する、米国特許第6,113,906号;1999年11月16日にエンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「実質的に純粋なヒスチジン連結タンパク質ポリマー複合体」と題する、米国特許第5,985,263号;1999年5月4日にエンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「酸素運搬タンパク質の投与に随伴する副作用を低減させる方法」と題する、米国特許第5,900,402号;1997年10月28日に、プロテイン・デリバリー社(Protein Delivery,Inc.)に発行された、「結合−安定化治療薬組成物、送達およびそれを含む診断用薬製剤、およびそれを製造および使用する方法」と題する米国特許第5,681,811号;1997年6月10日に、エンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「アリールイミダート活性化ポリアルキレンオキシド類」と題する、米国特許第5,637,749号;1997年3月18日に、エンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「ポリペプチド類修飾のための、ポリアルキレンオキシド類の活性炭酸塩」と題する、米国特許第5,612,460号;1996年10月22日に、エンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「生物学的に活性な求核剤に結合したアズラクトン活性化ポリアルキレンオキシド類」と題する、米国特許第5,567,422号;1995年4月11日に、エンゾン社(Enzon Inc.)に発行された、「環状イミドチオン活性化ポリアルキレンオキシド類」と題する、米国特許第5,405,877号;および1994年10月25日に、プロテイン・デリバリー社(Protein Delivery,Inc.)に発行された、「結合−安定化ポリペプチド組成物、治療的送達およびそれを含む診断用薬製剤、およびそれを製造および使用する方法」と題する、米国特許第5,359,030号、および「修飾されたナトリウム利尿化合物、その複合体、および使用」と題する、国際特許公開公告WO/2004/047871;本発明の製剤で有用な複合ポリペプチドのさらなる例は、下記の米国特許出願に見られ、その全明細書を参照により本書に援用する:1998年8月14日出願の米国特許出願第09/134,803号;2001年12月19日出願の米国特許出願第10/018,879号;2002年9月5日出願の米国特許出願第10/235,381号;2002年9月5日出願の米国特許出願第10/235,284号;および2001年6月4日出願の米国特許出願第09/873,797号。本発明は、前述の特許および特許出願に記載の治療用化合物の各属および種を含む、製剤を特に意図する。
【0048】
7.4.製剤の調製
本発明の製剤は、結果として吸収部位で脂肪酸が急速に溶解するように設計される。この目的を念頭において、本発明の製剤を製造する方法は、本明細書に記載の縮小した粒子サイズを有する脂肪酸塩を提供する工程を一般に含む。
【0049】
本発明の製剤は、緩衝成分と共に本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩を含む凍結乾燥粉末として加工することができる。
【0050】
本発明の製剤は、本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩を含む噴霧乾燥粉末として加工することができる。
【0051】
本発明の製剤は、緩衝成分および他の製剤成分と共に、または、緩衝成分もしくは他の製剤成分なしで、本発明のマイクロ粒子脂肪酸塩を含む乾燥粒状物質配合物または乾燥粉末配合物または湿潤粒状物質として加工することができる。
【0052】
本発明によるサイズ範囲を有する脂肪酸塩は、粒子サイズを縮小するために当該技術分野で周知の任意の適切な装置を使用して製粉することにより、提供することができる。これらの微粉状の脂肪酸は、カプセル剤または錠剤等の、固体経口剤形の基本となることができる。
【0053】
有効成分および他の成分は、当該技術分野で周知の方法で、前述の組成物と混ぜ合わせることができる。
【0054】
7.5.アッセイ
本発明の製剤は、好ましくは高い溶解速度を有する。該溶解速度は、以下の通りに決定することができる:pH7.4のリン酸緩衝剤500mlを用いて、USP溶解装置2(パドル)を50rpmで使用する。
【0055】
USP26、<711>溶解試験解説:
この試験は、錠剤またはカプセル剤形に関する個々研究論文に記載されている溶解必要条件の準拠性を決定するために提供される。そこに記載されているタイプの装置の中で、装置2を使用する。溶解規格に準拠しないハードゼラチンカプセル剤、ソフトゼラチンカプセル剤およびゼラチンコート錠剤については、以下の通りに試験を繰り返す。水または6.8未満のpHを有する媒体が、個々の研究論文に媒体として明記されている場合、1000ml当たり750,000単位以下の活性をもたらす結果となる精製ペプシンを添加して、明記されている同媒体を使用してもよい。6.8以上のpHを有する媒体の場合、パンクレアチンを加えて、1000ml当たり1750USP単位以下のプロテアーゼ活性を生じさせる。USP標準品<11>(溶解較正装置、崩壊)。(溶解較正装置、非崩壊)を使用して、該装置を較正する。
【0056】
装置2:アセンブリは、下記のものからなる:ガラスまたは他の不活性な透明材料で作られた、蓋付容器;モーター;金属製のドライブシャフト;および攪拌要素。該容器を、使いやすいサイズの適当な水浴中に部分的に浸漬するか、または加熱ジャケットの中に入れる。該水浴または加熱ジャケットを使用することにより、試験中ずっと、該容器内の温度を37±0.5℃に維持し、浴液を絶えず、滑らかに動かしておくことが可能になる。アセンブリが置かれている環境を含め、該アセンブリのいずれの部分も攪拌、または滑らかに回転する攪拌要素に起因するもの以上の振動に寄与しない。試験中の試料および攪拌要素の観察を可能にする装置が好ましい。該容器は、半球体の底がついた円柱状であり下記の寸法および容量を有する:呼び容量1リットルの場合、高さは160mm〜210mmであり、内径は98mm〜106mmである。側面は、最上部にフランジが付いている。ぴったり合う蓋を使用して、蒸発を遅らせることが可能である。
【0057】
シャフトおよび攪拌要素は、ステンレススチール、タイプ316または等価物で作られる。該シャフトは、その軸が、いずれの地点でも該容器の垂直な軸から2mm以下であり、滑らかにかつ著しく揺れずに回転するように設置される。シャフト回転速度を指定された攪拌速度に選択し、維持することができる速度制御装置を使用する。ブレードおよびシャフトで形成されるパドルを攪拌要素として使用する。
【0058】
本明細書で使用されるとき、用語「高い溶解速度」は、本明細書に記載の通りに試験したとき、pH7.4緩衝剤中での本発明の脂肪酸の溶解速度が、最大10分で該脂肪酸の少なくとも約25%を溶液中に遊離させるほど速いことを意味する。他の実施形態において、該溶解速度は、最大10分で、溶液中に、該脂肪酸の少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%であってもよい。
【0059】
7.6.治療方法
本発明は、生理活性物質、たとえばポリペプチド薬、プロドラッグおよび/または小分子を含む本発明の製剤の有効量を対象に投与することにより、それを必要としている対象を治療する方法を提供する。該製剤は、薬学的に許容し得る担体中に存在してもよい。
【0060】
特定の実施形態において、本発明は、天然のカルシトニン、結合していない、生理活性なカルシトニン類縁体、結合したカルシトニンおよび/または下記:
Cys Ser Asn Leu Ser Thr Cys Val Leu Gly Lys(NH−CO(CH27(OCH2CH27OCH3)Leu Ser Gly Glu Leu His Lys(NH−CO(CH27(0CH2CH270CH3)Leu Gln Thr Tyr Pro Arg Thr Asn Thr Gly Ser Gly Thr Pro
(式中、−NH−基は、リジンのε−窒素である)
を含む本発明の製剤の有効量を経口投与することにより、それを必要としている対象における骨粗鬆症または疼痛(たとえば、骨粗鬆症性疼痛または末梢痛)を治療する方法を提供する。
【0061】
他の実施形態において、本発明は、天然のインスリン、結合していない、生理活性なインスリン類縁体、結合したインスリンおよび/または
インスリン B29 Lys−(NH−CO(CH25(OCH2CH27OCH3
(式中、−NH−基は、リジンのε−窒素である);または
下記:
【化2】

から選択される構造を有する修飾部分に結合されたインスリンを含む本発明の製剤の有効量を対象に経口投与することを含む、それを必要としている対象における糖尿病および/または高血糖を治療する方法を提供する。
【0062】
前述の部分のいずれも、たとえば、ヒト・インスリンの求核残基、たとえば、A1、B1またはB29、あるいは前述の任意の組合せに結合していてもよい。
【0063】
8.実施例
これらの技術は、様々な天然のポリペプチド類および化学的に修飾されたポリペプチド類に応用されてきた。
【0064】
8.1.カルシトニンおよびCT−025(修飾カルシトニン)製剤の製造
8.1.1.カプリン酸ナトリウムおよびラウリン酸ナトリウムの製粉
サケ・カルシトニンおよびCT−025(図2参照)製剤は、下記の通りに調製した:
【表1】

【0065】
1.カプリン酸ナトリウムおよびラウリン酸ナトリウムを一緒に混ぜ合わせる(好ましくは、1:1のモル比)。
2.ジェット・ミル粉砕機を通過させて、微粒子サイズを達成する。微粒子サイズは、50〜100μm未満であるかまたは50〜100μmの範囲に入る粒子サイズである。
3.結果として得られる材料を、後続の処理のために予混合する。
【0066】
8.1.2.製剤A
【表2】

【0067】
製剤の調製
1.CT−025(図2参照)を冷凍庫から取り出し、環境条件で1時間解凍させ、次いで蓋の開いた容器内でさらに2時間、平衡化する。
2.1%酢酸溶液を調製する:氷酢酸2mlをピペットで量り、適量の精製水を加えて200mlとし、よく振る。
3.CT−025を計量し、100mlパイレックス(登録商標)ガラス瓶に移す。1%酢酸溶液45mlを加え、渦巻攪拌して溶解させる。これが、造粒液である。
4.カプリン酸ナトリウム/ラウリン酸ナトリウムを一緒に混ぜ合わせる;5Lボウルを具備するキー(Key)造粒機内で、マンニトール、ソルビトールおよびクロスカルメローセナトリウム全てと予混合する。
5.造粒機を始動させ、充分な混合を得るために適切な速度で羽根車およびチョッパーを動かす。
6.工程2からの造粒液を加える。該溶液容器を、1%酢酸溶液で、10mlずつ合計60〜65mlの造粒液まで増量してすすぐ。
7.約20分間、粒状にする。
8.該粒子を、アルミニウムホイルで裏打ちされているトレイに移す。
9.該粒子を、37℃の乾燥機内で16〜24時間、乾燥させる。目標の湿度は3%未満である。
10.該乾燥粒子を、#12篩を通過させる。
11.フマル酸ステアリルナトリウムおよび該粒子を、8クォートV−ブレンダーに加える。2分間混合し、次いで吐出する。
12.900mgカプレット形錠剤を製造するのに適した道具を具備する適切な打錠機を使用し、粒状物を固めて錠剤にする。
【0068】
8.1.3.製剤B
【表3】

【0069】
上述の通りに製剤の調製を行った。
【0070】
8.1.4.製剤C
【表4】

【0071】
上述の通りに製剤の調製を行った。
【0072】
8.1.5.製剤D
【表5】

【0073】
サケ・カルシトニンを冷凍庫から取り出し、環境条件で1時間解凍させ、次いで蓋が開いた容器内でさらに2時間、平衡化し、そのほかの点では上述の通りに製剤を調製した。
【0074】
8.1.6.製剤E(カプセル剤)
【表6】

【0075】
製剤の調製
1.カプリン酸ナトリウムとラウリン酸ナトリウムを一緒に混ぜ合わせる。ジェット・ミル粉砕機を通過させる。
2.工程1からのプレミックスを、マンニトール、ソルビトール、クロスカルメローセナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウム全てに加え、次いで、混ぜ合わせる。
3.該配合物671.3mgを、サイズ000のハードゼラチンカプセルに詰める。
【0076】
8.1.7.製剤F(カプセル剤)未製粉
【表7】

【0077】
製剤の調製
1.カプリン酸ナトリウムとラウリン酸ナトリウムを一緒に混ぜ合わせる(製粉しない)。
2.工程1からのプレミックスを、マンニトール、ソルビトール、クロスカルメローセナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウム全てに加え、次いで混ぜ合わせる。
3.該配合物671.3mgを、サイズ000のハードゼラチンカプセルに詰める。
【0078】
8.2.カルシトニン製剤の試験
上記調製工程および加工工程を使用して、錠剤およびカプセル製剤を調製した。図3〜8は、該脂肪酸が最適粒子サイズに製粉されている場合、カプリン酸ナトリウム塩およびラウリン酸ナトリウム塩は、様々な錠剤製剤から容易に放出されることを実証する結果を示す。
【0079】
図3は、処方AのCT−025(図2参照)錠剤の3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0080】
図4は、処方AのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0081】
図5は、処方BのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0082】
図6は、処方BのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0083】
図7は、処方CのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0084】
図8は、処方CのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0085】
製粉脂肪酸(処方E、図9および10)および未製粉脂肪酸(処方F、図11および12)を用いて、カプセル製剤を調製した。該脂肪酸が製粉されていないとき、溶解結果は、明らかに遅かった。図9は、該脂肪酸が製粉されているプラシーボカプセルの3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す。図10は、該脂肪酸が粉砕されていないCT−025カプセルの3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0086】
図11は、プラシーボカプセルの3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0087】
図12は、CT−025カプセルの3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す。
【0088】
製粉した脂肪酸と共に、CT−025(1錠当たり320μgのカルシトニン等価物)(図13、371=処方B;372=処方C)またはサケ・カルシトニン(1錠当たり320μgのカルシトニン等価物)(図14;373=処方D)のいずれかを含有する1錠剤を、絶食ビーグル犬に投与した。該イヌは、一晩絶食させ、朝に投与した。15、30、60、90および120分に、頸静脈から血液サンプルを採取した。血液サンプルの分析を行って、サケ・カルシトニン等価物中の、CT−025またはサケ・カルシトニンのいずれかの血漿濃度を算出した。
【0089】
図13は、加工脂肪酸および430μgのCT−025(320μgのサケ・カルシトニンに相当する)を含有する1錠を、絶食ビーグル犬に経口投与した後の、CT−025の血清血漿レベルを示す。
【0090】
図14は、加工脂肪酸および320μgのサケ・カルシトニンを含有する1錠を、絶食ビーグル犬に経口投与した後の、サケ・カルシトニンの血清血漿レベルを示す。
【0091】
本明細書に記載されている好ましい実施形態に関して、本発明を説明してきた。本発明は、異なる形態で具現することが可能であり、また本明細書に記載されている具体的な実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態は、この開示内容が完璧かつ完全になるように提供されるものであり、また本発明の範囲を当業者に充分に伝達するであろう。特に明示されていない限り、本明細書で使用されている全ての技術用語および科学用語は、当業者により共通理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で本発明の記述に使用されている専門用語は、特定の実施形態を記述するために過ぎず、本発明を限定する意図はない。
【0092】
本書に引用されている全ての出版物、特許出願、特許および他の参考文献は、該参考文献が提示されている文章および/または段落に関する教示のために、参照によりその全部を組み入れる。
【0093】
9.参考文献
下記の参考文献の全開示内容を、参照により本明細書に援用する:
A.T.Florence.マイクロ粒子およびナノマイクロ粒子の経口吸収:例外的でも異常でもない。Pharm.Res.14(1997)259−266
Ermakら、ウサギ・パイエル板M細胞による、コポリマー生分解性ミクロスフェアの取り込みおよび輸送。Cell Tissue Res.279(1995)433−436.
Sakamaら、経口ポリペプチド送達用グラフトコポリマーで構成されるナノ粒子のデザイン。Adv Drug Rev.47(2001)21−37
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】サケ・カルシトニンのアミノ酸配列および構造を示す図である。
【図2】サケ・カルシトニンの化学修飾形である、CT−025のアミノ酸配列および構造を示す図である。
【図3】処方AのCT−025(図2参照)錠剤の3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図4】処方AのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図5】処方BのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図6】処方BのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図7】処方CのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図8】処方CのCT−025錠剤の3サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図9】プラシーボカプセルの6サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図10】CT−025カプセルの6サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図11】プラシーボカプセルの6サンプルから放出されたカプリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図12】CT−025カプセルの6サンプルから放出されたラウリン酸ナトリウムの溶解を示す図である。
【図13】加工脂肪酸および430μgのCT−025(320μgのサケ・カルシトニンに相当する)を含有する錠剤1錠を、絶食ビーグル犬に経口投与した後の、CT−025の血清血漿レベルを示す図である。
【図14】加工脂肪酸および320μgのサケ・カルシトニンを含有する錠剤1錠を、絶食ビーグル犬に経口投与した後の、サケ・カルシトニンの血清血漿レベルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子が、直径約1〜約1,000μmであるサイズ分布を有する脂肪酸塩粒子を含む脂肪酸塩組成物。
【請求項2】
前記粒子の少なくとも約30%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項3】
前記粒子の少なくとも約40%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項4】
前記粒子の少なくとも約50%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項5】
前記粒子の少なくとも約60%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項6】
前記粒子の少なくとも約70%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項7】
前記粒子の少なくとも約80%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項8】
前記粒子の少なくとも約90%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項9】
前記粒子の少なくとも約95%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項10】
前記粒子の少なくとも約99%が、直径約1〜約1,000μmである、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項11】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項12】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項1に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項13】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項2に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項14】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項2に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項15】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項3に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項16】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項3に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項17】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項4に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項18】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項4に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項19】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項5に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項20】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項5に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項21】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項6に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項22】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項6に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項23】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項7に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項24】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項7に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項25】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項8に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項26】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項8に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項27】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項9に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項28】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項9に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項29】
前記粒子が、直径約5〜約500μmのサイズ分布を有する、請求項10に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項30】
前記粒子が、直径約20〜約80μmのサイズ分布を有する、請求項10に記載の脂肪酸塩組成物。
【請求項31】
(a)請求項1に記載の脂肪酸塩組成物、および
(b)生理活性物質
を含む、医薬組成物。
【請求項32】
(a)請求項5に記載の脂肪酸塩組成物、および
(b)生理活性物質
を含む、医薬組成物。
【請求項33】
(a)請求項10に記載の脂肪酸塩組成物、および
(b)生理活性物質
を含む、医薬組成物。
【請求項34】
(a)請求項11に記載の脂肪酸塩組成物、および
(b)生理活性物質
を含む、医薬組成物。
【請求項35】
(a)請求項15に記載の脂肪酸塩組成物、および
(b)生理活性物質
を含む、医薬組成物。
【請求項36】
(a)請求項20に記載の脂肪酸塩組成物、および
(b)生理活性物質
を含む、医薬組成物。
【請求項37】
前記組成物が、粒状物質として提供される、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項38】
緩衝剤をさらに含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項39】
約5〜約10のpHを有する緩衝剤をさらに含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項40】
7.0超〜約10.0のpHを有する緩衝剤をさらに含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項41】
7.0超〜約9.0のpHを有する緩衝剤をさらに含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項42】
約7.6〜約8.0のpHを有する緩衝剤をさらに含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記脂肪酸塩が、pH7.4の緩衝液中で、最大10分で約50%を超える溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記脂肪酸塩が、pH7.4の緩衝液中で、最大10分で約75%を超える溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記脂肪酸塩が、pH7.4の緩衝液中で、最大10分で約100%を超える溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記脂肪酸塩組成物が、中鎖脂肪酸を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記中鎖脂肪酸が、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、EPA、ベヘン酸、エルカ酸、DHA、およびリグノセリン酸からなる群より選択される脂肪酸を含む、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記生理活性物質が、ポリペプチド薬を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記ポリペプチド薬が、非複合ポリペプチドを含む、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記ポリペプチド薬が、ポリグリコールエチレン付加ポリペプチドを含む、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記ポリペプチド薬が、オリゴマーに結合している、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記生理活性物質が、プロドラッグを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記ポリペプチド薬が、天然のカルシトニンまたは結合していない、生理活性なカルシトニン類縁体を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記ポリペプチド薬が、結合したカルシトニンを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記ポリペプチド薬が、
Cys Ser Asn Leu Ser Thr Cys Val Leu Gly Lys(NH−CO(CH27(OCH2CH27OCH3)Leu Ser Gly Glu Leu His Lys(NH−CO(CH27(0CH2CH270CH3)Leu Gln Thr Tyr Pro Arg Thr Asn Thr Gly Ser Gly Thr Pro
を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記ポリペプチド薬が、天然のインスリンまたは結合していない、生理活性なインスリン類縁体を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項57】
前記ポリペプチド薬が、結合したインスリンを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項58】
前記ポリペプチド薬が、
インスリン B29 Lys−(NH−CO(CH25(0CH2CH270CH3)
を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項59】
前記ポリペプチド薬が、インスリンの求核残基に結合した、構造:
【化1】

を有する修飾部分に結合したインスリンを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記ポリペプチド薬が、インスリンの求核残基に結合した、構造:
【化2】

を有する修飾部分に結合したインスリンを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項61】
前記ポリペプチド薬が、インスリンのB29に結合した、構造:
【化3】

を有する修飾部分に結合したインスリンを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項62】
前記ポリペプチド薬が、インスリンのB29に結合した、構造:
【化4】

を有する修飾部分に結合したインスリンを含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項63】
前記ポリペプチド薬が、約300〜約10,000,000ダルトンの分子量範囲を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項64】
前記ポリペプチド薬が、約1,000〜約50,000ダルトンの分子量範囲を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項65】
前記ポリペプチド薬が、約1,000〜約10,000ダルトンの分子量範囲を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項66】
請求項1に記載の脂肪酸塩組成物および生理活性物質を含む製剤の有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象を治療する方法。
【請求項67】
請求項53に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象における骨粗鬆症を治療する方法。
【請求項68】
請求項56に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象における糖尿病を治療する方法。
【請求項69】
錠剤の形態であって、該錠剤が、最大10分で、溶液中に前記脂肪酸の約30%という溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項70】
錠剤の形態であって、該錠剤が、最大10分で、溶液中に前記脂肪酸の約50%という溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項71】
錠剤の形態であって、該錠剤が、最大10分で、溶液中に前記脂肪酸の約70%という溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項72】
錠剤の形態であって、該錠剤が、最大10分で、溶液中に前記脂肪酸の約90%という溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項73】
錠剤の形態であって、該錠剤が、最大10分で、溶液中に前記脂肪酸の約95%という溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項74】
錠剤の形態であって、該錠剤が、最大10分で、溶液中に前記脂肪酸の約100%という溶解速度を有する、請求項31に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−502303(P2007−502303A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523417(P2006−523417)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/026403
【国際公開番号】WO2005/016312
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506292941)バイオコン・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】