説明

泡沫形成用エアゾール組成物

【課題】曳糸性を有する泡沫状の吐出物を、高分子物質を用いることなく形成することができ、従って、容易に製造することのできる泡沫形成用エアゾール組成物を提供することにある。
【解決手段】泡沫形成用エアゾール組成物は、水、メントールおよび界面活性剤を含有する原液と、噴射剤とよりなり、前記原液においては、前記メントールの含有割合が0.10〜1.00質量%であり、かつ前記界面活性剤の含有割合が15.05〜21.50質量%であり、曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡沫形成用エアゾール組成物に関し、更に詳しくは、曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成する泡沫形成用エアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吐出物として曳糸性を有するフォームを形成する泡沫形成用エアゾール組成物としては、高分子物質を含有する原液と、噴射剤とよりなるものが知られている(例えば、特許文献1または特許文献2参照。)。
このような泡沫形成用エアゾール組成物においては、製造過程において高分子物質を液状媒体中に溶解することが必要とされるため、特に液状媒体として水溶性媒体を用いると共に高分子物質として高重合度のポリエチレングリコールなどの水溶性高分子物質を用いる場合には、原液を得るために、例えば、常温の水性媒体に水溶性高分子物質が分散された分散液を得た後、その分散液を加温して水溶性高分子物質を溶解させること、あるいは加温を行うことなく長い時間をかけて常温の水性媒体に水溶性高分子物質を溶解させることが必要となるため、原液の調製が煩雑である、あるいは長時間を要する、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−342119号公報
【特許文献2】特開2010−265241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、曳糸性を有する泡沫状の吐出物を、高分子物質を用いることなく形成することができ、従って、容易に製造することのできる泡沫形成用エアゾール組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物は、水、メントールおよび界面活性剤を含有する原液と、噴射剤とよりなり、
前記原液においては前記メントールの含有割合が0.10〜1.00質量%であり、かつ前記界面活性剤の含有割合が15.05〜21.50質量%であり、
曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成することを特徴とする。
【0006】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物においては、前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤を含有していることを特徴とする。
【0007】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物においては、前記原液において、前記陰イオン界面活性剤の含有割合が8.40〜12.00質量%であり、前記非イオン界面活性剤の含有割合が3.50〜5.00質量%であり、前記両性界面活性剤の含有割合が3.15〜4.50質量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物によれば、原液が水、メントールおよび界面活性剤を含有し、更にメントールおよび界面活性剤を特定の割合で含有するものであることから、この界面活性剤とメントールとの作用により、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が発現されるため、高分子物質を用いることなく、曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成することができる。
従って、本発明の泡沫形成用エアゾール組成物は、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性を得るために原液の構成成分として高分子物質を用いる必要がないことから、高分子物質を溶解させるための煩雑あるいは長時間を要する操作を行うことなく、原液を調製することができるため、高分子物質を含有する泡沫形成用エアゾール組成物に比して、容易に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物は、水、メントールおよび界面活性剤を含有する原液と、噴射剤とから構成され、噴射バルブを備えた耐圧容器よりなるエアゾール容器に充填されることによってエアゾール製品とされるものであり、曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成するものである。
ここに、本明細書中において、「曳糸性を有する」とは、泡沫状の吐出物中に指を入れ、その指を引き上げた場合において糸を曳くように伸びる性状を有することであり、具体的には、手のひら上に形成された泡沫状の吐出物0.5gを指先で塗り伸ばしてからその指を上方に上げ、吐出物が繋がっている距離が2cm以上である場合を示す。
【0010】
以下、本発明の泡沫形成用エアゾール組成物を構成する成分について説明する。
【0011】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物を構成する原液は、水と、メントールと、界面活性剤とを必須成分とすると共に、当該界面活性剤を15.05〜21.50質量%の割合およびメントールを0.10〜1.00質量%の割合で含有し、必要に応じて任意成分を含有するものである。
【0012】
原液の必須成分である水としては、精製水あるいはイオン交換水が用いられる。
【0013】
水の含有割合は、原液100質量%において76.50〜83.85質量%であることが好ましく、更に好ましくは78.65〜81.70質量%である。
【0014】
水の含有割合が過大である場合には、原液に他の成分を十分な割合で含有させることができなくなるおそれがある。一方、水の含有割合が過小である場合には、原液の粘度が高くなることに起因して形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなくなるおそれがある。
【0015】
原液の必須成分である界面活性剤は、陰イオン界面活性剤と、非イオン界面活性剤と、両性界面活性剤とを含有するものであることが必要である。
【0016】
原液の必須成分である界面活性剤を構成する陰イオン界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4,5)ラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(4,5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組合せて用いることができる。
【0017】
原液の必須成分である界面活性剤を構成する非イオン界面活性剤の具体例としては、例えば、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル、ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシプロピレン(1)ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組合せて用いることができる。
【0018】
原液の必須成分である界面活性剤を構成する両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルメチルグリシンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組合せて用いることができる。
【0019】
界面活性剤の含有割合は、原液100質量%において15.05〜21.50質量%であることが必要とされ、好ましくは17.20〜19.40質量%である。
【0020】
界面活性剤の含有割合が過大である場合および過小である場合には、いずれの場合においても、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなくなる。
【0021】
また、界面活性剤を構成する陰イオン界面活性剤の含有割合は、原液100質量%において、8.40〜12.00質量%であることが好ましく、更に好ましくは9.60〜10.80質量%である。
陰イオン界面活性剤の原液における含有割合が過大である場合および過小である場合には、いずれの場合においても、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなくなるおそれがある。
【0022】
また、界面活性剤を構成する非イオン界面活性剤の含有割合は、原液100質量%において、3.50〜5.00質量%であることが好ましく、更に好ましくは4.00〜4.50質量%である。
非イオン界面活性剤の原液における含有割合が過大である場合および過小である場合には、いずれの場合においても、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなくなるおそれがある。
【0023】
また、界面活性剤を構成する両性界面活性剤の含有割合は、原液100質量%において、3.15〜4.50質量%であることが好ましく、更に好ましくは3.60〜4.05質量%である。
両性界面活性剤の原液における含有割合が過大である場合および過小である場合には、いずれの場合においても、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなくなるおそれがある。
【0024】
原液の必須成分であるメントールは、界面活性剤を特定の割合で含有する系において、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性を発現させるための曳糸性発現成分として作用するものである。
メントールとしては、l−メントールなどが挙げられる。
【0025】
メントールの含有割合は、原液100質量%において0.10〜1.00質量%であることが必要とされ、好ましくは0.30〜0.70質量%である。
【0026】
メントールの含有割合が過大である場合および過小である場合には、いずれの場合においても、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなくなるおそれがある。
【0027】
また、本発明に係る泡沫形成用エアゾール組成物の原液には、例えばエタノール、エーテルおよび流動パラフィンなどのメントールを溶解させるための溶剤が含有されていることが好ましい。
【0028】
本発明に係る泡沫形成用エアゾール組成物の原液には、必須成分である、水、メントールおよび界面活性剤の他、必要に応じて任意成分が含有されていてもよい。
任意成分の具体例としては、前述の溶剤(エタノール、エーテルおよび流動パラフィンなどのメントールの溶剤)の他、例えば、使用目的に応じた有効成分、あるいは防腐剤、その他が挙げられる。
【0029】
以上のような必須成分および任意成分により構成される原液は、温度20℃における粘度が1000〜10000mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは5000〜9000mPa・sである。
【0030】
以上のような成分が含有されてなる原液の含有割合は、後述する噴射剤との関係から、エアゾール組成物全体100質量%において、90〜99質量%であることが好ましい。
【0031】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物を構成する噴射剤としては、液化石油ガスおよびジメチルエーテルなどの液化ガスが挙げられ、これらは単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
噴射剤の含有割合は、エアゾール組成物全体100質量%において1〜10質量%であることが好ましい。
【0033】
噴射剤の含有割合が過大であって原液の含有割合が過小である場合には、噴射総量に対して噴射される原液の量が相対的に少なくなるために適用箇所に対する付着量が少なくなり、また吐出物を泡沫状に吐出させることができなくなるおそれがある。一方、噴射剤の含有割合が過小であって原液の含有割合が過大である場合には、吐出物を泡沫状に吐出させることができなくなるおそれがある。
【0034】
本発明の泡沫形成用エアゾール組成物によれば、原液が水、メントールおよび界面活性剤を含有し、更にメントールおよび界面活性剤を特定の割合で含有するものであることから、この界面活性剤とメントールとの作用により、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が発現されるため、高分子物質を用いることなく、曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成することができる。
従って、本発明の泡沫形成用エアゾール組成物は、形成される泡沫状の吐出物に曳糸性を得るために原液の構成成分として高分子物質を用いる必要がないことから、高分子物質を溶解させるために、例えば、常温の水性媒体に高分子物質が分散された分散液を得た後、その分散液を加温して高分子物質を溶解させること、あるいは加温を行うことなく長い時間をかけて常温の水性媒体に高分子物質を溶解させるなどの煩雑あるいは長時間を要する操作を行うことなく、コールドプロセスによって長時間を要することなく原液を調製することができるため、高分子物質を含有する泡沫形成用エアゾール組成物に比して、容易に製造することができる。
【0035】
また、本発明の泡沫形成用エアゾール組成物においては、高分子物質を用いることなく、界面活性剤とメントールとの作用によって形成される泡沫状の吐出物に曳糸性が得られることから泡沫形成性の調整が容易であるため、泡沫状の吐出物における曳糸性と共に良好な泡沫形成性を得ることができ、しかも、当該泡沫形成用エアゾール組成物を長期間にわたって保存した場合であっても、その良好な泡沫形成性および泡沫状の吐出物における曳糸性が損なわれることなく維持されるため、高い保存安定性が得られる。
【0036】
更に、本発明の泡沫形成用エアゾール組成物においては、形成される泡沫状の吐出物が曳糸性を有するものであることから保形性に優れ、適用箇所における液ダレが生じることがない。また、高い密着性が得られることから、特に人体用に用いた場合においては肌へのなじみがよく、指先などに少量とっても、塗り伸ばしやすいなどの効果がある。
【0037】
このような本発明の泡沫形成用エアゾール組成物は、様々な用途に用いることができ、具体的には、例えば洗顔剤、シェービング剤、シャンプー等のヘアケア剤、洗濯用洗剤および台所用洗剤等の洗剤、捕虫剤などとして用いることができる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0039】
〔実施例1〜12および比較例1〜4〕
先ず、表1および表2に示す配合処方に従って原液の原料を用意し、その原料のうちの水をビーカー内に仕込み、室温条件下においてプロペラ撹拌機を用いて回転数500rpmの条件で撹拌しながら、予め室温条件下においてl−メントールをエタノールに溶解させたメントール液および界面活性剤を添加するコールドプロセスにより原液を調製した。
次いで、得られた原液96.5質量%と、液化石油ガス(LPG)よりなる噴射剤3.5質量%とを、エアゾール用バルブを備えた耐圧容器よりなるエアゾール容器内に充填することにより、エアゾール製品を作製した。
ここに、比較例1は、原液において界面活性剤の含有割合が過小である場合の例であり、比較例2は、原液において界面活性剤の含有割合が過大である場合の例であり、比較例3は、原液においてメントールの含有割合が過大である場合の例であり、比較例4は、原液においてメントールの含有割合が過小である場合の例である。
【0040】
得られた実施例1〜12および比較例1〜4により作製されたエアゾール製品の各々について、内容物を吐出させたところ、いずれのエアゾール製品の吐出物も泡沫状のものであった。
【0041】
<評価試験>
上記の実施例1〜12および比較例1〜4により作製されたエアゾール製品の各々に関して、下記の評価を行った。結果を表1および表2に示す。
【0042】
(泡沫状の吐出物における曳糸性)
実施例および比較例の各々により作製されたエアゾール製品の内容物を、手のひら上に0.5g吐出させ、手のひら上において形成された泡沫状の吐出物を指先で塗り伸ばしてからその指を上方に上げ、吐出物が繋がっている距離(以下、「曳糸距離」ともいう。)を測定する手法によって泡沫状の吐出物における曳糸性を確認し、曳糸距離が5cm以上である場合を泡沫状の吐出物の曳糸性が極めて良好であるとして「A」、曳糸距離が3cm以上であって5cm未満である場合を泡沫状の吐出物の曳糸性が良好であるとして「B」、曳糸距離が2cm以上であって3cm未満である場合を泡沫状の吐出物が曳糸性を有するものであるとして「C」、曳糸距離が2cm未満である場合を泡沫状の吐出物が曳糸性を有さないものであるとして「D」と評価した。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
表1および表2において、陰イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンを用い、非イオン界面活性剤としては、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル(「ビスコセーフLMPE(純分100%)」,川研ファインケミカル(株)製)を用い、両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(「ソフタゾリンLPB(純分30%)」,川研ファインケミカル(株)製)を用い、「メントール」としては、高砂香料工業(株)製の「l−メントール」を用い、「エタノール」としては、「95度合成無変性アルコール」(日本アルコール販売(株)製)を用いた。
また、同表において、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびエタノールの配合割合(原液における含有割合)は、「ビスコセーフLMPE(純分100%)」(川研ファインケミカル(株)製)、「ソフタゾリンLPB(純分30%)」(川研ファインケミカル(株)製)および「95度合成無変性アルコール」(日本アルコール販売(株)製)の配合量を純分換算した値である。
【0046】
表1および表2の結果から、実施例1〜実施例12に係るエアゾール組成物は、吐出物が泡沫状に形成され、しかもその泡沫状の吐出物が曳糸性を有するものであることが確認された。
一方、比較例1に係るエアゾール組成物は、界面活性剤の含有割合が過小であるため、泡沫状の吐出物に曳糸性が得られず、また、比較例2に係るエアゾール組成物は、界面活性剤の含有割合が過大であるため、泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなかった。また、比較例3に係るエアゾール組成物は、メントールの含有割合が過大であるため、泡沫状の吐出物に曳糸性が得られず、比較例4に係るエアゾール組成物は、メントールの含有割合が過小であるため、泡沫状の吐出物に曳糸性が得られなかった。
また、実施例1〜実施例12に係るエアゾール組成物は、コールドプロセスによって長時間を要することなく容易に製造することのできるものであることが確認された。
【0047】
更に、泡沫状の吐出物における曳糸性に係る評価試験を行った実施例1〜実施例12に係るエアゾール製品を常温常湿の環境条件下において長期間(具体的には3ケ月間)保管した後、内容物を吐出させたところ、いずれのエアゾール製品の吐出物も泡沫状のものであり、その泡沫状の吐出物には保管前と同様の曳糸性が得られることが確認された。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、メントールおよび界面活性剤を含有する原液と、噴射剤とよりなり、
前記原液においては前記メントールの含有割合が0.10〜1.00質量%であり、かつ前記界面活性剤の含有割合が15.05〜21.50質量%であり、
曳糸性を有する泡沫状の吐出物を形成することを特徴とする泡沫形成用エアゾール組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の泡沫形成用エアゾール組成物。
【請求項3】
前記原液において、前記陰イオン界面活性剤の含有割合が8.40〜12.00質量%であり、前記非イオン界面活性剤の含有割合が3.50〜5.00質量%であり、前記両性界面活性剤の含有割合が3.15〜4.50質量%であることを特徴とする請求項2に記載の泡沫形成用エアゾール組成物。

【公開番号】特開2013−63939(P2013−63939A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204273(P2011−204273)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000222129)東洋エアゾール工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】