説明

流体のためのタップおよび当該タップに使用されるバルブ

本発明は、流体、特にビールまたはソフトドリンクなどの炭酸液のためのタップ(8)に関するものであり、当該タップ(8)は、タップ体(14)と、タップ体(14)に取り外し可能に収容されるバルブ(9)と、タップ(8)を開閉するためのハンドル(20)とを備える。バルブ(9)は、タップ体(14)に結合されているか、あるいは結合されるようになる第1の部分(22)と、第1の部分(22)に接続され、かつハンドル(22)に操作可能に結合されているか、あるいは結合されるようになる第2の部分(27)とを備え、第1および第2の部分(22,27)は、少なくとも開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で、互いに対して回動可能かつ/または移動可能となっている。保護キャップ(34)がバルブ(9)が閉鎖されることを防止する。当該キャップ(34)は、タップ体(14)におけるバルブ(9)の取り付け後のみに取り外しできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸飲料、特にソフトドリンクまたはビールなどの流体のためのタップ、さらにはディスペンサに関連するタップであって、タップ体と、タップ体に取り外し可能に収容されかつ好ましくは一端においてはフレキシブルな流体供給ホースが接続されかつ他端においては流体移送チューブを有するバルブと、タップを開閉するためのハンドルとを備えているタップに関するものである。バルブは、タップ体に結合されているか、あるいは結合されるようになる第1の部分と、第1の部分に接続され、かつハンドルに操作可能に結合されているか、あるいは結合されるようになる第2の部分と、備えており、第1および第2の部分は、少なくとも開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で、互いに対して回動可能かつ/または移動可能となっている。さらに本発明は上記タップに使用するためのバルブ、ならびにディスペンスシステムにおけるバルブおよびフレキシブルホースのそれぞれの取り付けまたは取り外しの方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、(当該文献において参照番号“1”および“2”で示された)飲料ディスペンサアセンブリが開示されており、この飲料ディスペンスシステムは、フレキシブルなプラスチックディスペンシングライン(17,28)を収容するためのタップ(18、29;“ディスペンシングヘッド”として誤って参照されている)と、飲料、特に炭酸飲料を保管するコンテナ(7,27)とが設けられるディスペンサデバイス(2,37)を備えており、コンテナ(7,28)は、使用中に、タップ(8,29)への接続のための流出端においてシャット−オフバルブを備える結合要素を有するディスペンシングライン(17,28)に接続される。特許文献1に開示された発明の目的は、制御されたディスペンシングを可能にし、かつディスペンスラインから飲料の漏出を防止するドリンクディスペンサアセンブリを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/22697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、バルブの内側のシールにおける負荷を、好ましくは少なくともディスペンスシステムにおけるバルブを使用するためにあらかじめ決められた期間中は低減さるタップ、詳細にはディスペンサに関連するタップ、ならびにそうしたバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、取り外し可能な保護キャップがバルブに取り付けられるようになっており、当該キャップは、バルブが閉じられることを防ぎかつタップ体にバルブが取り付けられた後のみに取り外される。さらなる態様において、保護キャップは、ハンドルによってバルブが閉じられた後のみに取り外される。
【0006】
例えばバルブおよび流体を保持するための付随コンテナの保管中に、バルブが閉鎖されることを防止することによって、バルブがすでにディスペンスシステムに取り付けられた状態おいて、(一様でない)加圧設定などによってもたらされる使用中のシーリング性の低下などが抑えられるか、あるいは防止される。また、キャップの早めの取り外しが避けられ、それゆえ衛生状態が改善される。
【0007】
一態様において、バルブは飲料移送チューブを備えており、かつ取り外し可能な保護キャップは飲料移送チューブに据え付けられる。
【0008】
さらなる態様において、保護キャップは飛び出し部を備えており、飛び出し部は、バルブに保護キャップを固定し、かつバルブの取り付け時にバルブの取り外しのためにタップと相互作用する。さらなる態様において、飛び出し部は、第1および第2の部分の互いに対して固定し、第1および第2の部分の互いに対する相対的な回転および/または移動を防止する。
【0009】
さらに他の態様において、保護キャップは、バルブに保護キャップを固定する飛び出し部を備えており、当該飛び出し部は、バルブを取り外すためにタップ体およびハンドルと相互作用するようになっている。
【0010】
他の態様において、バルブの第1および第2の部分はスルーチャネルを有しており、スルーチャネルは、バルブが開放されたときにレジスタに存在し(特定の位置に合わせられる)、かつフレキシブルなホースの内孔の断面に少なくとも実質的に対応する形状を有しかつ前記内孔の断面積の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の断面積を有する断面を有している。したがって、ビールなどのディスペンス中の乱流、あわ立ちが低減され、ディスペンシングが容易となり、このことは特に経験の浅い使用者には有意なものとなる。
【0011】
さらに他の態様において、バルブの第1の部分は、流体移送チューブと少なくとも一つの突出部またはノッチ(例えばキーなどの少なくとも二つの突出部、またはスロットなどの複数のノッチ)とを備えており、タップ体の下流部分は、移送チューブを収容するための開口と、少なくとも一つのノッチまたは突出部(例えば少なくとも二つのノッチまたは突出部)が備えられており、これらノッチまたは突出部は、それぞれ、前記バルブの第1の部分における突出部またはノッチと係合するようになっており、それによって、第1の部分がタップ体に対して接線方向(回転方向)において固定されるようになり、同時に、バルブの軸方向の移動が可能となる。一実施形態において、バルブの第1の部分は、複数のキーを具備してなり、かつ開口は複数の対応するスロットを備えている。
【0012】
他の態様において、バルブの第2の部分は少なくともその外周において複数の歯を有しており、ハンドルは、これら歯とかみ合うクラウンホイールを備えているか、あるいはクラウンホイールと結合されており、そのため、クラウンホイールの回転は、バルブの第1の部分および第2の部分の互いに対する回転を、例えば開放ポジションと閉鎖ポジションとの間に引き起こすようになる。
【0013】
これら態様は、タップにおけるバルブの取り付けを容易にし、かつ相対的に直線的なタップの構成体を提供できるようにする。さらなる態様において、バルブは、バルブを軸線方向に押し込みかつハンドルを操作することによって単にタップ体の中に配置されていてもよい。一実施形態において、タップ体は、バルブの位置決めのためにタップ体内部へアクセスできるようにすることを目的としたドアまたはヒンジ部分などを備えていない。
【0014】
歩発明は、さらに、タップに使用するためのバルブに関するものであり、かつ請求項14および15において規定した、タップ内にバルブを取り付け、かつタップからバルブを取り外す方法に関するものである。
【0015】
独国特許第2 106 615号明細書(GB 2 106 615)には、タップ体(図1においては参照番号1で示される)を、供給(3)と移送(12)接続部とともに、かつタップ体と二つのセラミックディスク(4,6)とに提供された閉鎖手段を備えるビール用タップが開示されており、セラミックディスク(4,6)は互いに対して位置させられており、かつ滑らかに回転させられるようになっている。一方のディスク(4)は、タップ体(1)に固定されており、かつ他方のディスク(6)は、タップの開閉のための操作レバー(16)によって第1のディスクに対して回転可能となっている。これらディスクのそれぞれにおいては軸線方向に方向付けられた三角形状の開口が設けられており、これら開口はタップの操作時に一致させたり、ずれるようにさせることができる。
【0016】
以下、本発明について、本発明に基づくタップの一実施形態を示す図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に基づくタップおよびバルブを備える飲料ディスペンスシステムの斜視図である。
【図2A】本発明に基づくタップの底面図である。
【図2B】本発明に基づくタップの断面図である。
【図3】図2Aおよび2Bに示されるバルブおよびタップのタップハンドルの斜視図である。
【図4】本発明に基づくバルブの断面図である。
【図5A】開放ポジションにあるタップの底面図である。
【図5B】開放ポジションにあるタップの断面図である。
【図5C】開放ポジションにあるタップの断面図である。
【図6A】閉鎖ポジションにあるタップの断面図である。
【図6B】閉鎖ポジションにあるタップの断面図である。
【図7A】図5Aから6Bにおけるタップおよびバルブに使用される保護キャップの底面図である。
【図7B】図5Aから6Bにおけるタップおよびバルブに使用される保護キャップの断面図である。
【図7C】図5Aから6Bにおけるタップおよびバルブに使用される保護キャップの断面図である。
【0018】
図面においては必ずしも寸法どおりにかつ詳細に示されておらず、本発明の理解に必要ではないものは省略されることがある。さらに「上側」、「下側」などの用語は図面の要素の方向に関係付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1から図4には冷蔵器2を飲料ディスペンスシステム1が示されており、冷蔵器2は、例えばビールなど圧力がかけられた炭酸飲料など飲料を保管するコンテナ3と、コンテナ3に圧縮ガスを供給するための第1のコンプレッサ4および第2のコンプレッサ5とを収容する。飲料ディスペンスシステム1は、ドア6と、ワークトップ6Aと、タップコラム(注ぎ用管)7とをさらに備えており、タップコラム7には、飲料移送チューブ10を備えるバルブ9に取り外し可能に適合されたタップ(注ぎ口)8が設けられている。
【0020】
この例示において、コンテナ3は、中央開口を有し、球状でありかつ耐圧性の外側ケーシングと、外側ケーシングの内側に配置され、フレキシブルな材料からなる気密性内側ケーシング(すなわちバッグ)と、バルブ部分11とを備えており、バルブ部分11は、コンテナ3から別々に引き出される液体でコンテナ3を、具体的には内側ケーシングを満たすために中央開口に配置されている。この例示において、外側ケーシングは、ポリエステルプレフォーム、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)またはPEN(ポリエチレンナフタレート)プレフォームの吹き込み成形によって形成される。コンテナおよびバルブ部分の適切な例に関してWO 2008/000574またはWO 00/07902(特に第8頁の第12行目以降を図4Aおよび図4Bと合わせて参照されたい)が参照文献として挙げられる。またこの参照によりそれらは本発明に組み込まれるものとなる。
【0021】
タップ8におけるバルブ9は、フレキシブルホース12およびディスペンスヘッド3(これ自体は公知である)によってコンテナ3に接続されている。フレキシブルホースは、プラスチック材料、例えばポリオレフィン、PEまたはLDPEなどから形成され、かつ例えば6mmの外径を有している。
【0022】
図2Aから図3に示されるように、タップは中空タップ体14を備えており、中空タップ体14はその下方端部に、バルブ9を収容するための第1の開口15を備えている。第1の開口15は、軸線方向に延在しかつ第1の開口15の外周の周囲に均等に分布させられた複数のスロット16を備えている。第1の開口15から上流に向かってかつ第1の開口15に沿って上流方向に広がるファンネル(ろうと形状部)17が配置されている。タップ体14の側壁には、タップ8を開閉するためのハンドル20を回動可能に収容するための第2の開口18およびブシュ19が設けられている。ハンドル20は、ブシュ19の内部に回動可能にかつスライド可能に収容されるシャフト21と、シャフト21の一端に取り付けられた操作レバーと、シャフト21の多端に形成されるかあるいは取り付けられたクラウンホイール21Aとを備えている。
【0023】
バルブ9は、飲料移送チューブ10を備える第1の部分22と、軸線方向に延在しかつタップ体14における第1の開口15まわりのスロット16に対応するポジションにおける外壁の周囲に分散配置された複数のキー23とを備える。第1の開口部15へのバルブ9の挿入を容易にするために、少なくともいくつかの傾斜状態にあるキー23および/または少なくとも一つのキー23’の遠位端部は、他のキー23を越えて延在している。いずれの寸法も、タップ8における特定のポジションにバルブ9をガイドすることを容易にするものとなっている。バルブ9の第1の部分22は、バルブ9の中央軸に対して角度をつけて延在する上流セクションと流出開口のほうへ向かって分岐する同軸下流セクションとを有するスルーチャネル24をさらに備えている。第1の部分22の上流セクションはフランジ25を備えており、移送チューブ10はその外壁に外周溝26が設けられている。
【0024】
バルブ9の第2の部分27は、その下流端部において、一つ以上の弾性飛び出し部29が設けられたケージ28を備えており、弾性飛び出し部29はバルブ9の第1の部分22においてフランジ25の裏側にロックされるようになっており、したがってバルブの部分22,27が互いに関連して移動することを防止できる一方で、相対的な回動を可能とする。上記下流端部のリムは外周の一部にわたって延在する凹部30を有しており、凹部30は、バルブ9の第1の部分22における一つ以上のキーとともに、上記部分22,27の相対的な回転の限界を規定するためのものである。この例示において、当該限界はバルブ9の開放および閉鎖ポジションに対応する。
【0025】
弾性飛び出し部29から上流では、第2の部分27の外壁は、その周囲に、ギアリングを形成する複数の傾斜した歯を備えている。第2の部分27は、バルブ9の中央軸線に対して傾斜した状態で延在するスルーチャネル32をさらに備えており、それによって、チャネル32の下流端部は、第1の部分22におけるチャネル24の上流端部に位置合わせされた状態となる図5Bに示される開放ポジション、および第1の部分22の閉上端部と一致する状態となる図5Cに示された閉鎖ポジションへ位置させられるようになる。第2の部分27におけるスルーチャネル32の上流端部は、バルブ9の中央軸線と同軸上に延在し、かつホース12をバルブ9に留置できるようにするためにフレキシブルホース12の外径よりもわずかに小さな内径を有している。バルブにホースを取り付ける他の方法または付加的な方法として、のりづけ、および溶着が挙げられる。
【0026】
スルーチャネル32の下流端部は、長円形、楕円形または片側がへこんだ長円形状(腎臓形状)のチャンバーと、それと同一形状の例えばゴムなどの弾性体シールとを備えており、シール33は、孔を有しておりかつチャンバー内に留置される。スルーチャネル24,32の傾斜部の内径およびシール33の孔の内径はフレキシブルホース12と同じであり、これらは断面形状および断面積を有している。
【0027】
バブル9は、図7aから7cに示されるように取り外しできる保護キャップ34がさらに設けられており、取り外しできる保護キャップ34は、バルブ9が閉じられることを防止し、またタップ体14にバルブ9を取り付け、ハンドル20を用いてバルブ9を閉じた後にのみ取り除くことができるようになっている。この例示において、保護キャップ34は、バルブ9の第1の部分においてキー23を収容する複数の軸スロット35と、第1および第2の飛び出し部36,37(それぞれ図7Bおよび7Cに示される)とを備えており、第1および第2の飛び出し部36,37はいずれも切欠き38によって規定された弾性端部を有している。
【0028】
第1の飛び出し部36の下流端部には内部延在突出部39が形成されており、この場合においては内部延在突出部39は傾斜上面および平坦な下面を有しており、それによって、移送チューブ10の外周に溝26とともに、バルブ9に対するキャップ34の一方向スナップ留めをできるようにする。その上流端部には外側延在突出部が形成されており、この場合において、軸方向キー40は、バルブ9に対するキャップ34の軸方向の位置決めのためのストップ部を提供する平坦な上面と、傾斜下面(その機能については後述する)とを有する。また、軸方向キー40の上流端部は、ケージ28の下部リムにおける凹部30内に延在し、それによって凹部30の制限ポジションおよびバルブ9の第1の部分22におけるキー23に応じて、バルブ9の第1および第2の部分22,27の相対的な回動が制限されるか、あるいは防止されるようになる。
【0029】
第2の飛び出し部37の下流端部は、第1の飛び出し部36の下流端部と同じである。その上流端部には外側延在突出部が形成されており、この場合においては、半径方向キー41が傾斜導入面を有している。
【0030】
飲料ディスペンスシステム1におけるコンテナ3の取り付けは、バルブ9の開放ポジションに対応するポジションにハンドル20を移動させ、ハンドル20を(バルブに対して)半径方向に引き抜き、冷蔵器2の内側にコンテナ3を配置し、フレキシブルホース12の一端を使用してフレキシブルホース12とバルブ9とのアセンブリをディスペンスヘッド13に接続させ、ファンネル17を介してタップ体14における第1の開口15内へ、タップコラム7へバルブ9を押し通し、そしてコンテナ3のバルブ11とディスペンスヘッド13とが接続されることによって達成できる。もちろん、コンテナとディスペンスヘッドとの第1の接続に続いてタップでのバルブの設置を実施することもできる。
【0031】
第1の開口15へのバルブ9の挿入中に、第1の飛び出し部36における半径方向キー40は第1の開口15のリムによって内側に押し込まれるようになり、そして飛び出し部36の他端における突出部39がバルブ9から取り外されかつ分離されるようになる(図5B)。
【0032】
次に、ハンドル20を内側に向けて動かすことができるようになり、そしてバルブ9における歯31とクラウンホイール21Aとがかみ合うようになる。ハンドル20をバルブ9の閉鎖ポジションへと動かすことによって、バルブ9の第2の部分27が第1の部分22に対して回動させられ、それは接線方向においてタップ体14に固定される。その結果、第2の飛び出し部41における半径方向キー41はケージ28によって内側へ押され、かつ第2の飛び出し部37の他端における突出部39はバルブ9から取り外されかつ分離されるようになる(図6B)。バルブ9をクリーニングする飛び出し部36,37の両方によって保護キャップ34は軸方向において取り除かれ、ディスペンスシステム1がいつでも使用できる状態となる。
【0033】
逆の順序で上記ステップを実施することによって飲料ディスペンスシステム1からコンテナ3を取り外すことができる。ただし保護キャップ34を元に戻す必要はない。またバルブ9およびホース12から飲料が漏れること、ならびにタップコラム7が汚れることを防止するために、飲料に大気圧より小さな圧力をもたらすことによって、例えば単純にコンテナ3から過剰圧力を除去したり、コンテナ内のフレキシブルバッグを弛緩可能にして膨張可能にしたりすることによって、飲料をバルブ9およびホース12の少なくとも一部から抜き取ることができる。この現象を増幅させかつ/または加速させるために、バッグは、過剰圧力の除去によってひずみがなくなるような例えば弾性要素から構成でき、そしてガスはコンテナから活発に引き出し可能となる。
【0034】
衛生状態の改善のために、取り外し可能なバルブおよびホースをそれぞれコンテナに設けることができる。
【0035】
本発明は複数の上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲の中でさまざまに変更可能である。例えば本発明は特定のタイプのバルブ、すなわち相対的な回動によって閉鎖されるかまたは開放される二つの部分を備えるバルブを参考にして示したが、本発明に基づく保護キャップもまた他のタイプのバルブ、例えば互いに対して相対的に移動する部分を備えるバルブとともに適切に使用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 飲料ディスペンスシステム
2 冷蔵器
3 コンテナ
4 第1のコンプレッサ
5 第2のコンプレッサ
6 ドア
6A ワークトップ
7 タップコラム
8 タップ(注ぎ口)
9 バルブ
10 飲料移送チューブ
11 バルブ部分
12 フレキシブルホース
13 ディスペンスヘッド
14 中空タップ体
15 第1の開口
16 スロット
17 ファンネル
18 第2の開口
19 ブシュ
20 ハンドル
21 シャフト
21A クラウンホイール
22 第1の部分
23,23’ キー
24 スルーチャネル
25 フランジ
26 外周溝
27 第2の部分
28 ケージ
29 弾性飛び出し部
30 凹部
32 スルーチャネル
33 シール
34 保護キャップ
35 軸スロット
36 第1の飛び出し部
37 第2の飛び出し部
38 切欠き
39 内部延在突出部
40 軸方向キー
41 半径方向キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体、特にビールまたはソフトドリンクなどの炭酸液のためのタップ(8)であって、
前記タップ(8)は、
タップ体(14)と、
前記タップ体(14)に取り外し可能に収容され、かつ好ましくは一端においてはフレキシブルな流体供給ホース(12)が接続されかつ他端においては流体移送チューブ(10)を有するバルブ(9)と、
前記タップ(8)を開閉するためのハンドル(20)と、
を具備してなり、
前記バルブ(9)は、
前記タップ体(14)に結合されているか、あるいは結合されるようになる第1の部分(22)と、
前記第1の部分(22)に接続され、かつ前記ハンドル(20)に操作可能に結合されているか、あるいは結合されるようになる第2の部分(27)と、
を具備してなり、
前記第1および第2の部分(22,27)は、少なくとも開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で、互いに対して回動可能かつ/または移動可能となっており、
保護キャップ(34)が、前記バルブ(9)が閉じられることを防止し、かつ前記タップ体(14)における前記バルブ(9)の取り付け後のみに取り外し可能となっていることを特徴とするタップ(8)。
【請求項2】
前記保護キャップ(34)は、前記ハンドル(20)によって前記バルブ(9)が閉じられた後にのみ取り外し可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のタップ(8)。
【請求項3】
前記保護キャップ(34)は飛び出し部(36)を具備してなり、前記飛び出し部(36)は、前記バルブ(9)に対して前記保護キャップ(34)をロックし、かつ前記バルブ(9)の取り付け時に、前記バルブ(9)が外れるよう前記タップ体(14)と相互作用するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタップ(8)。
【請求項4】
前記保護キャップ(34)は飛び出し部(37)を具備してなり、前記飛び出し部(37)は、前記バルブ(9)に対して前記保護キャップ(34)をロックし、かつ前記ハンドル(20)で前記バルブ(9)を閉じた際に、前記バルブ(9)が外れるよう前記タップ体(14)または前記ハンドル(20)と相互作用するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のタップ(8)。
【請求項5】
前記バルブ(9)の前記第1および第2の部分(22,27)は、スルーチャネル(24,32)を具備してなり、前記スルーチャネル(24,32)は、前記バルブ(9)が開放されたときにレジスタに位置しており、かつ前記フレキシブルなホース(12)の内孔の断面の形状に少なくとも実質的に対応する断面を有しており、かつ前記内孔の断面積の少なくとも80%の、好ましくは90%の断面積を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のタップ(8)。
【請求項6】
前記バルブ(9)の前記第1の部分(22)は、流体移送チューブ(10)と、少なくとも一つの突出部(23)またはノッチとを具備してなり、かつ前記タップ体(14)の下流部分は、前記移送チューブ(10)を収容するための開口(15)と、前記バルブ(9)の前記第1の部分(22)における突出部(23)またはノッチにそれぞれ適合するための少なくとも一つのノッチ(16)または突出部とを具備してなり、それによって、前記第1の部分(22)が、前記タップ体(14)に対して接線方向において固定され、同時に前記バルブ(9)の軸方向移動が可能となるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のタップ(8)。
【請求項7】
前記バルブ(9)の第1の部分(22)は複数のキー(23)を具備してなり、かつ前記開口(15)は複数の対応するスロット(16)を具備してなり、かつ好ましくは、前記キーの一つ(23’)が、前記タップ(8)での前記バルブ(9)のガイドを容易にするよう他のキー(23)を越えて延在していることを特徴とする請求項6に記載のタップ(8)。
【請求項8】
前記バルブ(9)の前記第2の部分(27)は、その外周の少なくとも一部の周囲において、歯(31)を具備してなり、前記ハンドル(20)は、前記歯(31)とかみ合うクラウンホイール(21A)を具備してなるか、あるいはクラウンホイール(21A)に対して結合されており、前記クラウンホイール(21A)の回動が、前記バルブ(9)の前記第1および第2の部分(22,27)の互いに対する回動を引き起こすようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のタップ(8)。
【請求項9】
前記タップ体(14)は、前記バルブ(9)の位置決めのために前記タップ体(14)内部にアクセスできるようにすることを目的とした、ドアまたはヒンジ部などの要素を備えていないことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のタップ(8)。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のタップ(8)に使用するためのバルブ(9)であって、
前記バルブ(9)は、タップ体(14)に結合される第1の部分(22)と、前記第1の部分(22)に接続されかつハンドル(20)に操作可能に取り付けられたか、あるいは取り付けられるようになっている第2の部分(27)と、を具備してなり、
前記第1および第2の部分(22,27)は、少なくとも開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で、互いに対して回動可能かつ/または移動可能となっており、
保護キャップ(34)が、前記バルブ(9)が閉じられることを防止し、かつ前記タップ体(14)における前記バルブ(9)の取り付け後のみに取り外し可能となっていることを特徴とするバルブ(9)。
【請求項11】
前記保護キャップ(34)は、前記バルブ(9)が閉じられた後にのみ取り外し可能となっていることを特徴とする請求項10に記載のバルブ(9)。
【請求項12】
前記保護キャップ(34)は、飛び出し部(36)を具備してなり、前記飛び出し部(36)は、前記バルブ(9)に対して前記保護キャップ(34)をロックし、かつ前記バルブ(9)を取り付る際に、前記バルブ(9)が外れるよう前記タップ体(14)と相互作用するものであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のバルブ(9)。
【請求項13】
例えばゴムなどの弾性シール(33)を具備してなり、前記弾性シール(33)は、前記第1および第2の部分(22,27)の間に配置されており、かつ前記バルブ(9)が開放されたときに、前記第1および第2の部分(22,27)を通る少なくとも実質的に液密のチャネル(24,32)を提供することを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のタップ(8)またはバルブ(9)。
【請求項14】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のタップ(8)を具備してなるコラム(7)を具備してなるディスペンスシステム(1)に、バルブ(9)とフレキシブルなホース(12)とを取り付ける方法であって、
前記方法は、
前記バルブ(9)の開放ポジションに対応するポジションにハンドル(20)を移動させるステップと、
前記バルブ(9)と前記フレキシブルなホース(12)とを、前記コラム(7)を通過させるステップと、
前記タップ体(14)に前記バルブ(9)を挿入し、かつ前記保護キャップ(34)を取り外すステップと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のタップ(8)を具備してなるコラム(7)を具備してなるディスペンスシステム(1)から、バルブ(9)とフレキシブルなホース(12)とを取り外す方法であって、
前記方法は、
前記バルブ(9)の開放ポジションに対応するポジションにハンドル(20)を移動させるステップと、
大気圧力より小さな圧力を流体に作用させ、前記バルブ(9)と少なくとも前記フレキシブルなホース(12)の下流端部とから流体を引き出すステップと、
前記バルブ(9)と前記フレキシブルなホース(12)とを、前記タップ(8)および前記コラム(7)から抜き取るステップと、
を具備することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2011−519788(P2011−519788A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507894(P2011−507894)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055424
【国際公開番号】WO2009/090270
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(505082992)ユーロケーク ベーフェー (3)
【Fターム(参考)】