説明

流入調整管

【課題】観測井戸から地下水を採取する際に、分析を行いたい地下水層の地下水を効率良く採取する。
【解決手段】有底筒状の観測井戸2に挿入され、観測井戸2に流入する地下水の量を調整する流入調整管1に、両端が開口し、その両端の開口を連通する連通孔を有する筒状に形成された管体10と、管体10の上端に取付けられ、管体10の軸方向に荷重を加える押圧部15とを設ける。管体1は、筒壁に複数の孔が開口された多孔部10a、および多孔部10aの両端に形成された蛇腹部10bを有し、観測井戸2に挿入された際、多孔部10aが所定の地下水層の深さに位置するように形成される。また、管体10aは、押圧部15からの荷重を受けると、多孔部10aの両端に形成された蛇腹部10bの筒壁が径方向に広がり、蛇腹部10bの筒壁と、観測井戸2の内周側面とが密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水の水質調査などに利用する観測井戸の技術に関し、例えば、観測井戸から地下水を効率良く採取するために、観測井戸に挿入して利用される観測井戸用の流入調整管の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、廃棄物の最終処分場や工場などでは、環境対策として、施設内に観測井戸を設置し、その観測井戸から汲み出した地下水を分析し、地下水の汚染状況を把握するようにしている。
例えば、特許文献1には、下端が塞がれた有底筒状の井戸形成管体を地中に埋設しておき、井戸形成管体の側面の筒壁に形成された開孔から、地下水を管体の筒内に流入させる観測井戸の構成が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−28495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、観測井戸の深さや、観測井戸の設置環境にもよるが、一般的に、観測井戸には、複数の地下水層から地下水が流入してくる。そして、地下水の水質汚染の調査においては、ある特定の地下水層の汚染状況を把握したい場合や、地下水層毎の汚染状況を把握したい場合が多い。このような場合、従来の観測井戸では、複数の地下水層からの地下水が混合した状態で貯水されるため、調査したい地下水層の地下水だけを採取することができないという技術課題があった。以下、この技術課題について、図4を参照して説明する。
【0005】
図4は、複数の地下水層から地下水が流入してくる観測井戸の構成を示した断面図である。
図示するように、観測井戸2は、上端が開放20aされ、下端に底面部20bが形成された筒状の井戸形成管体20を備える。この井戸形成管体20は、筒壁に複数の開孔が形成されたストレーナ部21と、筒壁に孔が開口されていない連結管部22とを備えている。また、井戸形成管体20は、軸方向が地面GLと直交し、且つストレーナ部21が地下水層(ここでは、第1地下水層40および第2地下水層41)の深さに配置されるように地中に埋設されている。観測井戸2に溜まった地下水は、ポンプ等の採水手段30により汲み出される。
このように形成された、観測井戸2には、第1地下水層40からの地下水と、第2地下水層41からの地下水とがストレーナ部21の開孔から流入する。すなわち、観測井戸2の井戸形成管体20の筒内には、第1地下水層40からの地下水と、第2地下水層41からの地下水とが混合された状態で溜まっていく。
【0006】
そして、図示するような観測井戸2では、ある特定の地下水層の汚染状況を把握したい場合(例えば、第1地下水層40からの地下水だけ採水したい場合)や、地下水層毎の汚染状況を把握したい場合に、調査したい地下水層の地下水だけを採取することができなかった。
なお、調査したい地下水層からの地下水だけを採取できる観測井戸を新たに設置すれば、所望する地下水層からの地下水を採水することも可能であるが、この手法では、コストおよび手間がかかってしまう。また、新たに観測井戸を埋設させる手法では、地下水層毎の汚染状況を把握したい場合に、地下水層毎に観測井戸を採掘しなければならず、非効率的である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、観測井戸から地下水を採取する際に、分析を行いたい地下水層の地下水を効率良く採取することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、有底筒状の観測井戸に挿入され、該観測井戸内に流入する地下水の量を調整する流入調整管に適用される。
そして、上記流入調整管は、両端が開口し、該両端の開口を連通する連通孔を有する筒状に形成された管体と、前記管体の上端に取付けられ、該管体の軸方向に荷重を加える押圧部とを備え、前記管体は、筒壁に複数の孔が開口された多孔部、および前記多孔部の両端に形成された蛇腹部を有し、前記観測井戸に挿入された際、該多孔部が所定の地下水層の深さに位置するように形成され、さらに、前記管体は、前記押圧部からの荷重を受けると、前記多孔部の両端に形成された蛇腹部の筒壁が該管体の径方向に広がり、該蛇腹部の筒壁と、該観測井戸の内周側面とが密着することを特徴とする。
【0008】
このように、本発明に係る流入調整管は、多孔部の両端に蛇腹部が形成されている管体と、管体の軸方向に荷重を加える押圧部とを備えている。また、管体は、観測井戸に挿入された際、多孔部が所定の地下水層の深さに位置するように形成されている。
そして、管体は、押圧部からの荷重を受けると、その荷重により蛇腹部の筒壁が該管体の径方向に広がり、蛇腹部の筒壁と、観測井戸の内周側面とが密着する。これにより、流入調整管の管体内部には、多孔部と対向する位置にある観測井戸の側面からの地下水だけが流入されるようになる。この構成により、流入調整管の内部(観測井戸の底面部)には、採水したい地下水層からの地下水だけを流入させることができるようになる。すなわち、本発明によれば、新たな観測井戸を設置することなく、すでに設置されている観測井戸に流入調整管を挿入することにより、調査したい地下水層の汚染状況を分析することができるようになる。
【0009】
また、前記管体は、前記蛇腹部に接続して該管体の長さを調整する連結部を有し、前記多孔部、前記蛇腹部、および前記連結部は、所定の長さに形成され、夫々を任意に直結することにより、所望の長さの管体になすことが望ましい。
このように、本発明では、管体を構成する、多孔部、蛇腹部、および連結部が、所定の長さに形成され、夫々を任意に直結することにより、所望の長さの管体になすことができる。
したがって、本発明によれば、分析者が調査したい地下水層の位置に多孔管を配置させることができるため、調査したい地下水層を狙って、地下水の採取を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明によれば、観測井戸から地下水を採取する際に、分析を行いたい地下水層の地下水を効率良く採取することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
先ず、本実施形態の観測井戸用の流入調整管の概略構成について、図1を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態の観測井戸用の流入調整管の概略図である。
図示するように、流入調整管1は、両端が開口し、その両端の開口を連通する連通孔10dを有する筒状の管体10と、管体10の上端に取り付けられ、管体10の軸方向に荷重を加える押圧部15とを備える。なお、押圧部15は、両端が開口し、その両端の開口を連通する連通孔15dを有する。なお、管体10の上端に押圧部15を取り付けた際、管体10の連通孔10と、押圧部15の連通孔15dとが連通する。
【0013】
管体10は、筒壁に複数の孔14が開口されている中空筒状の多孔管10aと、多孔管10aの両端に、それぞれ接続される筒壁が蛇腹状に形成された中空筒状の蛇腹管10bと、蛇腹管10bに接続される中空筒状の連結管10cとを備える。なお、蛇腹管10bおよび連結管10cの筒壁には孔は開口されていない。
また、管体10は、観測井戸2の井戸形成管体20(図3参照)に挿入された際、その外周側面が井戸形成管体20の内周側面と接触する形状に形成されている。また、流入調整管1は、観測井戸2に挿入された場合、採水したい地下水層の深さに多孔管10aが配置されるように構成されている。
なお、各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10)の材質について特に限定されるものではないが、例えば、金属やガラス繊維を含む合成樹脂により成形されているものを用いることができる。
【0014】
なお、図1では、管体10は、1つの多孔管10aと、2つの蛇腹管10bと、2つの連結管10cとにより構成されているが、あくまでもこれは例示である。観測井戸2に流入調整管1を挿入した場合、採水したい地下水層の深さに多孔管10aが配置できるように、複数種の管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)を任意に組み合わせるようにしても良い。例えば、採水したい地下水層の長さに応じて、多孔管10aの数を増加させるようにしてもよい(例えば、2つの多孔管10aを直列に接続してもよい)。また、例えば、観測井戸2が深い場合には、連結管10cの数を増やすようにしても良い。
【0015】
押圧部15は、観測井戸2に流入調整管1を挿入した状態で、分析者の操作にしたがい、管体10の軸方向への荷重を増減させる。なお、押圧部15は、分析者からの操作にしたがい、管体10の軸方向への荷重を増減できるものであればよく、具体的な構成について特に限定されるものではない。例えば、押圧部15は、分析者からの回転操作に応じて、管体10の軸方向にかける荷重を可変させる機構として構成されていてもよい。また、押圧部15は、電力により駆動し、管体10の軸方向にかける荷重を可変させる加圧装置であってもよい。また、押圧部15は、ハンドル15aを備え、分析者がハンドル15aを操作することにより、管体10の軸方向にかける荷重をかけるようにしてもよい。
【0016】
つぎに、管体10を構成する各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)の接続手段について、図2を用いて説明する。
【0017】
図2は、本発明の実施形態の流入調整管1の管体10を分解した概略側面図を示している。
図示するように、各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)は、所定の長さに形成されている。
また、各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)は、それぞれ、上端部に接続部(10a1、10b1、10c1)が形成され、その接続部(10a1、10b1、10c1)の外周面には、雄ネジ(10a2、10b2、10c2)が形成されている。また、各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)は、下端部の内周面に、上記の雄ネジ(10a2、10b2、10c2)と螺合する雌ネジ(10a3、10b3、10c3)が形成されている。
そして、例えば、連結管10cと、蛇腹管10bとを接続する場合には、連結管10cの雌ネジ10c3(或いは、蛇腹管10bの雌ネジ10b3)と、蛇腹管10bの雄ネジ10b2(或いは、連結管10cの雄ネジ10c2)とを螺合させればよい。この構成により多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10cを任意に組み合わせて接続することが可能になる。すなわち、分析者は、多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10cの夫々を任意に直結することにより、所望の長さに管体1をなすことが可能になる。
【0018】
つぎに、本実施形態の流入調整管1を用いて、複数の地下水層から地下水が流入する観測井戸において、所望する地下水層の地下水を採水する作業手順について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態の流入調整管を観測井戸に挿入した状態を示した断面図である。なお、図3に示す観測井戸は、上述した図4で示したもの同じである。すなわち、観測井戸2の井戸形成管体20は、ストレーナ部21が第1地下水層40および第2地下水層41の両者と当接した状態で地中に埋設されている。
【0019】
まず、分析者は、前段階の作業として、ポンプなどの採水手段により、観測井戸2に溜まっている地下水を汲み出す。この作業により、観測井戸2の中に溜まった地下水を空にする。
【0020】
つぎに、分析者は、観測井戸2の井戸形成管体20の筒内に、井戸形成管体20に挿入された際に第1地下水層40の深さに多孔管10aが配置されるように構成されている流入調整管1を挿入する。なお、ここで用いられる流入調整管1は、多孔管10aの両側が蛇腹管10bにより挟まれているものとする。
流入調整管1は、観測井戸2に挿入されると、図3に示すように、管体10の下端部が観測井戸2の底面部20bに載置される。また、流入調整管1は、第1地下水層40の深さに多孔管10aが配置されるとともに、第2地下水層41の深さに連結管10cが配置される。
【0021】
つぎに、押圧部15により、管体10の上端に軸方向下向き(図3に示すY1方向)の荷重をかける。
具体的には、分析者が押圧部15のハンドル15aを操作し、管体10の上端に軸方向下向き(図3に示すY1方向)の荷重Fを加える。これにより、管体10は、上端と当接する押圧部15と、下端と当接する観測井戸2の底面20bとの間に挟まれて加圧される。管体10が加圧されると、多孔管10aの両端に接続されている、蛇腹管10bの側面が径方向(図示するX方向)に広がり、蛇腹管10bの外周側面と、観測井戸2の井戸形成管体20の内周側面とが密着した状態になる。
【0022】
そして、蛇腹管10bの外周側面と井戸形成管体20の内周側面とが密着すると、その密着部分により、多孔管10aの上下に接続している各管(蛇腹管10b、連結管10c)の外周側面と、井戸形成管体20との間の隙間を経由して、多孔管10aの内部へ流れてくる水を止水することができる。
【0023】
これにより、多孔管10aの筒内には、その外周側面と対向した位置にある井戸形成管体20のストレーナ部21からの地下水だけが流入されるようになる。すなわち、多孔管10aの筒内には、ストレーナ部21を介して、第1地下水層40からの地下水だけが流入される。
そして、多孔管10aの筒内に流入した、第1地下水層40からの地下水は、多孔管10a下側に接続されている各管(蛇腹管10b、連結管10c)の内周側面を経由し、流入調整管1の下端部の内周壁と、当該下端部と当接する底面部20bとにより形成された底部に貯水されていく。
なお、本実施形態の流入調整管1では、第2地下水層41の深さには、連結管10cが配置されている。そのため、井戸形成管体20のストレーナ部21を介し、井戸形成管体20の内部に流入する第2地下水層41からの地下水が、流入調整管1の管内に流入することはない。
【0024】
つぎに、分析者は、所定時間経過後に、ポンプなどの採水手段により、流入調整管1の下端部の内周壁と、当該下端部と当接する井戸形成管体20の底面部20bとにより形成された底部に貯水されている第1地下水層40からの地下水を汲み出す作業を行う。この作業により、分析者は、所望する地下水層からの地下水を採取することができる。
【0025】
そして、上記の作業により所望する地下水層からの地下水を汲み出したら、最後に、観測井戸2から流入調整管1を引き抜く。なお、流入調整管1を引く抜く際、分析者は、ハンドル15aを操作し管体10への加重を弱め、その後、長い棒材などを利用して、径方向に広がっている蛇腹管10bを引き伸ばして引き抜くとよい。
【0026】
なお、第1地下水層40からの地下水を取得した後で、第2地下水層41からの地下水を採取する必要がある場合には、流入調整管1の管体10の各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)の構成を変更した上で、上述した作業を行えばよい。すなわち、流入調整管1を観測井戸2に挿入した際、第2地下水層41の深さに多孔管10aが配置されるように、各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)の配置を入れ替えて、上述した作業を行えばよい。
【0027】
このように本実施形態の流入調整管1では、管体10を構成する各管(多孔管10a、蛇腹管10b、連結管10c)の配置を入替えたり、任意に組み合わせることができる。そのため、本実施形態によれば、採水する地下水層を選択できるようになる。
また、本実施形態に係る流入調整管1は、多孔管10aの上下両端に蛇腹管10bが接続された管体10と、管体10の軸方向に荷重を加える押圧部15とを備えている。そして、管体10は、押圧部15からの荷重を受けると、その荷重により蛇腹管10bの筒壁が該管体の径方向に広がり、蛇腹管10bの筒壁と、観測井戸2の内周側面とが密着するように構成さている。これにより、多孔管10aの両端部を止水することができるため、管体10の内部には、多孔管10aと対向する位置にある観測井戸2の内周側面からの地下水だけが流入されるようになる。
したがって、本実施形態によれば、調査したい地下水層からの地下水だけを採水したり、地下水層毎に地下水を採水したりすることができるようになる。
【0028】
また、本実施形態によれば、既存の観測井戸に流入調整管1を挿入することにより、調査したい地下水層の調査ができるため、新たに観測井戸を採掘する必要がない。そのため、本実施形態によれば、コストおよび手間をかけずに効率良く地下水層の分析を行うことができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、調査したい地下水層からの地下水だけを採水できるため、必要のない地下水の汲み上げを防止することができる。
また、多孔管10aは、調査したい地下水層の深さにあるストレーナ部21にだけ対向するように配置されている。そのため、観測井戸2のストレーナ部21を介して、入り込む泥や砂の量を減少させることができるようになる。
【0030】
なお、本実施形態の流入調整管1の構成によれば、複数の地下水層から地下水が流入する観測井戸だけでなく、1つの地下水層からの地下水が流入する観測井戸においても、必要以上に地下水を汲み上げてしまうことを防止することができるようになる。
【0031】
具体的には、観測井戸の地下水を分析する場合、観測井戸に溜まった地下水を一度取り出すことが望ましいとされている。そして、観測井戸に溜まった地下水を一度取り出す作業(以下、説明の便宜上「前処理」という)において、ストレーナ部21から絶えず水が流入してくるため、必要以上に地下水を採取してしまうことがある。
そして、上記のような前処理において、複数の連結管10cだけで構成された管体10を備える流入調整管1(流入調整連結管)を観測井戸2の井戸形成管体20に挿入するようにすれば、ストレーナ部21経由した地下水の流入を減少させることができる。これにより、前処理において、必要以上に地下水を汲み上げてしまうことを防止することができる。
【0032】
また、本実施形態では、多孔管10bの長さを調整できるため、調査に必要な地下水の量が取得できる長さに多孔管10bを形成しておけば、必要以上に地下水を採取してしまうことを防ぐことができる。すなわち、本実施形態によれば、前処理の後に行う、分析用の地下水の採取作業においても、必要以上に地下水を汲み上げてしまうことを防止することができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、管体10は、両端の開口を連通する連通孔10dが形成されていることとしているが特にこれに限定されるものではない。管体10の下端に底面が形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態の観測井戸用の流入調整管の概略図である。
【図2】本発明の実施形態の流入調整管1の管体10を分解した概略側面図を示している。
【図3】本発明の実施形態の流入調整管を観測井戸に挿入した状態を示した断面図である。
【図4】複数の地下水層から地下水が流入してくる観測井戸の構成を示した断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1…流入調整管
2…観測井戸
10…管体
10a…多孔管
10b…蛇腹管
10c…連結管
10d…連通孔
10a1、10b1、10c1…接続部
10a2、10b2、10c2…雄ネジ
10a3、10b3、10c3…雌ネジ
14…孔
15…押圧部
15a…ハンドル
15d…連通孔
20…井戸形成管体
21…ストレーナ部
22…連結管部
30…採水手段
40…第1地下水層
41…第2地下水層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の観測井戸に挿入され、該観測井戸内に流入する地下水の量を調整する流入調整管において、
両端が開口し、該両端の開口を連通する連通孔を有する筒状に形成された管体と、
前記管体の上端に取付けられ、該管体の軸方向に荷重を加える押圧部とを備え、
前記管体は、筒壁に複数の孔が開口された多孔部、および前記多孔部の両端に形成された蛇腹部を有し、前記観測井戸に挿入された際、該多孔部が所定の地下水層の深さに位置するように形成され、
さらに、前記管体は、前記押圧部からの荷重を受けると、前記多孔部の両端に形成された蛇腹部の筒壁が該管体の径方向に広がり、該蛇腹部の筒壁と、該観測井戸の内周側面とが密着することを特徴とする流入調整管。
【請求項2】
前記管体は、前記蛇腹部に接続して該管体の長さを調整する連結部を有し、
前記多孔部、前記蛇腹部、および前記連結部は、所定の長さに形成され、夫々を任意に直結することにより、所望の長さの管体になすことを特徴とする請求項1に記載の流入調整管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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