説明

流延装置及び溶液製膜方法

【課題】流延膜乾燥工程に要する時間を短縮する。
【解決手段】流延ダイ21は、スリット出口21aから流延バンド22に向けてドープ28を流出する。流出したドープ28は、流延バンド22上において流延膜30となる。また、流出したドープ28は、スリット出口21aから流延バンド22までにおいてビード75を形成する。赤外線ヒータ72は、ビード75に赤外線を照射する。赤外線を照射されたビード75では、溶剤が蒸発し、乾燥が進む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流延装置及び溶液製膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性を有するポリマーフィルム(以下、フィルムと称する)は、柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学フィルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フィルムは、写真感光用フィルムをはじめとして、液晶表示装置の構成部材である偏光子の保護フィルムや位相差フィルム等の光学フィルムに用いられている。
【0003】
フィルムの主な製造方法としては、溶液製膜方法が知られている。溶液製膜方法は、ポリマーと溶剤とを含むポリマー溶液(以下、ドープと称する)を流し、支持体上に流延膜を形成する。次に、搬送可能な状態となった流延膜を支持体から剥がして湿潤フィルムとする。その後、湿潤フィルムから溶剤を蒸発させる乾燥処理が行われる。この乾燥処理により、湿潤フィルムからフィルムを得ることができる。
【0004】
溶液製膜方法は、溶融押出方法と比べて、フィルムの厚みの調節が容易、フィルム表面の状態を良好なものにすることが容易である。更に、溶液製膜方法は、含有異物の少ないフィルムを得ることができる。こうした経緯から、光学フィルムは、主に溶液製膜方法で製造されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4390247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような溶液製膜方法において、生産効率の向上が望まれている。特に、流延膜から溶剤を蒸発させる膜乾燥工程に要する時間が、溶液製膜方法全体において占める割合が高いことから、膜乾燥工程の短縮化が望まれている。
【0007】
特許文献1に記載の溶液製膜方法において、膜乾燥工程の短縮化を図ろうとするためには、流延膜にあてる乾燥風の速度を増大させる、又は支持体の加熱により流延膜の温度を上昇させることが考えられるが、前者の場合には、風量のムラに起因して流延膜の表面にスジ状のムラが生じてしまう。また、後者の場合には、流延膜に含まれる溶剤が発泡してしまう。また、特許文献1に記載の凝縮装置を用いて流延膜を乾燥する方法を用いた場合、上述したスジ状のムラや発泡は起こりにくい。しかしながら、凝縮装置を用いる方法の場合、溶剤の凝縮は、流延膜のみならずその周囲の雰囲気からも起こるため、流延膜における溶剤の蒸発速度は頭打ちとなる。このように、特許文献1に記載の方法を用いて、スジ状のムラ、発泡を抑えつつ、効率よくフィルムを製造することに限界がある。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するものであり、流延装置及び溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の流延装置は、ポリマー及び溶剤を含むドープを流出する流延ダイと、前記流出したドープから流延膜を形成する移動支持体と、前記流出したドープにより前記流延ダイから前記移動支持体にかけて形成されるビードに赤外線をあて、前記ビードから前記溶剤を蒸発させるビード照射部と、前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる流延膜乾燥部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の流延装置は、ポリマー及び溶剤を含むドープを流出する流延ダイと、前記流出したドープから流延膜を形成する移動支持体と、前記流延膜に風をあて前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる風供給部と、前記流延ダイ及び前記風供給部の間に設けられ、前記流延膜へ向かう前記風を遮る遮風部と、前記流延ダイ及び前記遮風部の間に設けられ、前記流延膜に赤外線をあてる膜照射部を有することを特徴とする。
【0011】
前記流延ダイ及び前記移動支持体が金属からなることが好ましい。
【0012】
本発明の溶液製膜方法は、前記流延ダイを用いてポリマー及び溶剤を含むドープを移動支持体に向けて流出するドープ流出工程と、前記流出したドープからなり、前記流延ダイから前記移動支持体にかけて形成されるビードに赤外線をあて、前記ビードから前記溶剤を蒸発させるビード照射工程と、前記流出したドープからなる流延膜を前記移動支持体上に形成する膜形成工程と、前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる膜乾燥工程とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の溶液製膜方法は、前記流延ダイを用いてポリマー及び溶剤を含むドープを移動支持体に向けて流出するドープ流出工程と、前記流出したドープからなる流延膜を前記移動支持体上に形成する膜形成工程と、前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる膜乾燥工程とを有し、前記膜乾燥工程では、前記流延膜に赤外線をあて、前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる膜照射工程を行うこと特徴とする。
【0014】
前記流出工程と前記膜形成工程との間にて、前記流出したドープからなり、前記流延ダイから前記移動支持体にかけて形成されるビードに赤外線をあて、前記ビードから前記溶剤を蒸発させるビード照射工程を行うことが好ましい。
【0015】
表面に皮膜が形成される前の前記流延膜に前記膜照射工程を行うことが好ましい。また、前記膜乾燥工程を経た前記流延膜を前記移動支持体から剥ぎ取って湿潤フィルムとする剥取工程と、この湿潤フィルムから前記溶剤を蒸発させるフィルム乾燥工程とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、赤外線の照射を用いて溶剤の蒸発を行うため、乾燥風をあてることのできない流延ビードや流延膜から、溶剤を蒸発させることができる。本発明によれば、流延工程開始直後から乾燥を行うことができるため、効率よくフィルムを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】溶液製膜設備の概要を示す説明図である。
【図2】流延ダイ及びその近傍の概要を示す側面図である。
【図3】流延ダイ及びその近傍の概要を示す斜視図である。
【図4】第1の溶液製膜方法のフロー図である。
【図5】流延ダイ及びその近傍の概要を示す側面図である。
【図6】第2の溶液製膜方法のフロー図である。
【図7】流延ダイ及びその近傍の概要を示す側面図である。
【図8】流延室の概要を示す側面図である。
【図9】流延ダイ及びその近傍の概要を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(溶液製膜設備)
図1に示すように、溶液製膜設備10は、流延室12とクリップテンタ13と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。流延室12には、流延ダイ21、流延バンド22、回転ローラ23a、23b及び剥取ローラ24が設けられる。
【0019】
流延バンド22は、帯状に形成されたバンド体の長手方向の両端同士を連結することにより形成され、環状となっている。軸を中心に回転自在となっている回転ローラ23a、23bは、軸方向が水平となるように並べられる。回転ローラ23a、23bには、環状の流延バンド22が巻きかけられる。図示しないモータの駆動により、回転ローラ23a、23bのうち少なくとも一方が回転すると、回転ローラ23a、23bに巻き掛けられた流延バンド22は、所定の方向(以下、A方向と称する)へ循環移動する。
【0020】
図1及び図2に示すように、流延ダイ21は、ポリマーと溶剤とを含むドープ28を連続的に流出するものであり、ドープ28を流出するスリット出口21aを先端に有する。流延ダイ21は、回転ローラ23aの上方に位置し、スリット出口21aが流延バンド22から離れて対向するように配される。
【0021】
流延ダイ21、流延バンド22及び回転ローラ23a、23bは、金属製、特にステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有する点から、SUS316製であることがより好ましい。
【0022】
スリット出口21aから連続して流出したドープ28は、流延バンド22上で延ばされる結果、A方向に長くのびる帯状の流延膜30を形成する。循環移動する流延バンド22により、流延膜30はA方向へ搬送される。
【0023】
第1乾燥ユニット31〜第3乾燥ユニット33は、流延バンド22の近傍において、流延ダイ21よりもA方向下流側へ順次配される。第1乾燥ユニット31〜第2乾燥ユニット32は回転ローラ23a、23bよりも上方に設けられ、第3乾燥ユニット33は回転ローラ23a、23bよりも下方に設けられる。
【0024】
第1乾燥ユニット31〜第3乾燥ユニット33は、流延膜30に向けて所定の乾燥風400を送り出す。第1乾燥ユニット31〜第3乾燥ユニット33からの乾燥風により、流延膜30から溶剤が蒸発する結果、自立して搬送可能な状態となる。
【0025】
第1乾燥ユニット31〜第3乾燥ユニット33は、図示しない供給ユニットにより乾燥気体を供給される供給ダクトと、供給ダクトに供給された乾燥気体を乾燥風400として送り出すノズルとを備える。
【0026】
剥取ローラ24は、流延バンド22の近傍であって、第3乾燥ユニット33と流延ダイ21との間に配される。自立して搬送可能な状態となった流延膜30は剥取ローラ24により剥ぎ取られ、湿潤フィルム37として、流延室12の下流側へ案内する。
【0027】
回転ローラ23a、23bには温調装置39が接続される。温調装置39は、伝熱媒体の温度を調節する温度調節部を内蔵する。温調装置39は、温度調節部及び回転ローラ23a、23b内に設けられる流路との間で、所望の温度に調節された伝熱媒体を循環させる。この伝熱媒体の循環により、流延バンド22の温度を所望の温度に保つことができる。
【0028】
また、図示は省略するが、流延室12内の雰囲気に含まれる溶剤を凝縮する凝縮装置、凝縮した溶剤を回収する回収装置を設けることにより、流延室12内の雰囲気に含まれる溶剤の濃度を一定の範囲に保つことができる。
【0029】
流延室12の下流には、クリップテンタ13、乾燥室15、冷却室16、及び巻取室17が順に設置されている。流延室12とクリップテンタ13との間の渡り部51には、湿潤フィルム37に乾燥風をあてる送風機51aと、湿潤フィルム37を支持する支持ローラ51bとが設けられる。複数の支持ローラ51bは、湿潤フィルム37の搬送方向へ並べられている。支持ローラ51bは、図示しないモータにより、軸を中心に回転する。支持ローラ51bは、流延室12から送り出された湿潤フィルム37を支持して、クリップテンタ13へ案内する。なお、図では、渡り部51に2つの支持ローラ51bを並べた場合をしているが、本発明はこれに限られず、渡り部51に3つ以上の支持ローラ51bを並べてもよい。
【0030】
クリップテンタ13は、湿潤フィルム37に所定の処理を施すものであり、湿潤フィルム37からフィルム55を得る。クリップテンタ13から送出されたフィルム55は、乾燥室15へ送出される。
【0031】
乾燥室15には、多数のローラ57が設けられており、これらにフィルム55が巻き掛けられて搬送される。乾燥室15内の雰囲気の温度や湿度などは、図示しない空調機により調節されている。乾燥室15ではフィルム55の乾燥処理が行われる。乾燥室15には吸着回収装置58が接続する。吸着回収装置58は、フィルム55から蒸発した溶剤を吸着により回収する。
【0032】
冷却室16は、フィルム55の温度が略室温となるまで、フィルム55を冷却する。冷却室16及び巻取室17の間では、上流側から順に、除電バー59、ナーリング付与ローラ60、及び耳切装置61が設けられる。除電バー59は、冷却室16から送り出され、帯電したフィルム55から電気を除く除電処理を行う。ナーリング付与ローラ60は、フィルム55の幅方向両端に巻き取り用のナーリングを付与する。耳切装置61は、切断後のフィルム55の幅方向両端にナーリングが残るように、フィルム55の幅方向両端を切断する。
【0033】
巻取室17には、プレスローラ64と巻き芯65を有する巻取機66とが設置されており、巻取室17に送られたフィルム55は、プレスローラ64によって押し付けられながら巻き芯65に巻き取られ、ロール状となる。
【0034】
図2に示すように、剥取ローラ24よりもA方向上流側にラビリンスシール70aが設けられ、流延ダイ21と剥取ローラ24との間にはラビリンスシール70aが設けられ、流延ダイ21と第1乾燥ユニット31との間にはラビリンスシール70cが設けられる。ラビリンスシール70a〜70cは、流延室12の内壁面から、流延バンド22に向かって伸びるように形成される。ラビリンスシール70a〜70cの先端は、流延バンド22に近接する。ラビリンスシール70a〜70bにより、流延室12の外部へ溶剤が漏れることを防ぐことができる。
【0035】
図2及び図3に示すように、流延ダイ21とラビリンスシール170cとの間には、赤赤外線ヒータ72が設けられる。赤外線ヒータ72は、防爆ケーシングと、防爆ケーシングに収納される光源とを有する。防爆ケーシングには、光源からの赤外線が放射される放射窓72aを有する。赤外線ヒータ72は、放射窓72aがビード75と対向するように、流延バンド22の幅方向に並べられる。ビード75は、流延ダイ21のスリット出口21aから流出したドープ28からなりスリット出口21aから流延バンド22にかけて形成するものである。
【0036】
赤外線ヒータ72が放射する赤外線の波長は、加熱の対象となるビード75に含まれる物質に応じて決めればよく、特に、溶剤に吸収される波長の範囲内であることが好ましい。この赤外線の波長は、例えば、3μm以上9μm以下であることが好ましい。
【0037】
(溶液製膜方法)
次に、溶液製膜方法について説明する。図1に示す溶液製膜設備10では、図4に示す溶液製膜方法80が行われる。溶液製膜方法80では、流出工程81と、ビード照射工程82と、膜形成工程83と、膜乾燥工程84と、剥取工程85と、フィルム乾燥工程86とが順に行われる。
【0038】
(流出工程)
図2に示すように、回転ローラ23a、23bの回転により、流延バンド22はA方向へ循環移動する。流延バンド22の移動速度V1は、例えば、10m/分以上150m/分以下である。なお、移動速度V1は、40m/分以上120m/分以下である。流延ダイ21は、移動状態の流延バンド22に向けてドープ28を流出する。この結果、流延ダイ21のスリット出口21aから流延バンド22にかけてビード75が形成する。ビード75の長さLbは0.5mm以上50mm以下であることが好ましい。
【0039】
(ビード照射工程)
赤外線ヒータ72は、ビード75に赤外線を照射する。赤外線照射により、ビード75が加熱される。加熱によるビード75の温度は、発泡を回避できる程度であれば良く、39℃以下であることが好ましい。
【0040】
(膜形成工程)
スリット出口21aから流出したドープ28は、移動状態の流延バンド22上にて流延膜30を形成する。流延膜30は帯状、すなわち流延バンド22の移動方向に延びるように形成される。膜乾燥工程83前の流延膜30の厚さは、80μm以上600μm以下であることが好ましい。
【0041】
(膜乾燥工程)
第1乾燥ユニット31〜第3乾燥ユニット33は、それぞれ流延膜30に対し、所定の乾燥風400をあてる。乾燥風400の温度は30℃以上140℃以下であることが好ましい。また、乾燥風400の温度は、第1乾燥ユニット31から第3乾燥ユニット33になるに従って、高くなることが好ましい。膜乾燥工程84は、流延膜30が剥ぎ取り可能な状態となるまで行われる。
【0042】
乾燥風400との接触により、流延膜30から溶剤が蒸発する。流延ダイ21と第1乾燥ユニット31との間に設けられたラビリンスシール70cは、ビード75に向かう乾燥風400を遮る。また、ラビリンスシール70bは、ビード75に向かって流れる風を遮る。ラビリンスシール70b、70cにより、流延膜30やフィルム55の厚みムラの原因となるビード75の振動を抑えることができる。
【0043】
(剥取工程)
剥取ローラ24は、剥ぎ取り可能な状態となった流延膜30を、流延バンド22から湿潤フィルム37として剥ぎ取り、渡り部51を介して、クリップテンタ13へ案内する。
【0044】
剥ぎ取り時の流延膜30の残留溶剤量は、25質量%以上100質量%以下であることが好ましい。なお、本発明では、流延膜30や各フィルム中に残留する溶剤量を乾量基準で示したものを残留溶剤量とする。また、その測定方法は、対象のフィルムからサンプルを採取し、このサンプルの重量をx、サンプルを乾燥した後の重量をyとするとき、{(x−y)/y}×100で算出する。
【0045】
(フィルム乾燥工程)
クリップテンタ13では、湿潤フィルム37に所定の乾燥風をあてて、湿潤フィルム37から溶剤を蒸発させる。この結果、湿潤フィルム37からフィルム55を得ることができる。耳切装置45は、クリップテンタ13から送り出されたフィルム55の両端を切断する。
【0046】
両端が切り離されたフィルム55は、乾燥室15及び冷却室16を順次通過し、各室において所定の処理が施される。冷却室16から送り出されたフィルム55には、除電バー59による除電処理、ナーリング付与ローラ60によるナーリング付与処理、耳切装置61による耳切処理が順次施される。巻取室17に送られたフィルム55は、プレスローラ64によって押し付けられながら巻き芯65に巻き取られ、ロール状となる。
【0047】
次に、本発明の作用について説明する。本発明では、流出工程81と膜形成工程83との間で、ビード75を加熱するビード照射工程82を行う。
【0048】
ビード75の加熱について、乾燥風を介して行うこと、及び流延バンド22を介して行うことができない。前者は、乾燥風を介したビード75の加熱は、ビード75の振動に起因して、流延膜30やフィルム55の厚みムラの原因となるためである。一方、後者は、ビード75は、流延バンド22に接していないため、熱を効率よく伝えることができない。
【0049】
本発明は、赤外線ヒータ72を用いてビード75を加熱するため、ビード75の振動を回避しつつ、ビード75において溶剤を蒸発させることが可能となる。そして、ビード75における溶剤の蒸発は、結果として、膜乾燥工程84に要する時間を短縮させることができる。
【0050】
赤外線ヒータ72が放射する赤外線の波長は、加熱の対象となる流延膜30に含まれる物質に応じて決めればよく、特に、溶剤に吸収される波長の範囲内であることが好ましい。この赤外線の波長は、例えば、3μm以上9μm以下であることが好ましい。
【0051】
金属製またはステンレス製の流延バンド22や流延ダイ21は赤外線を吸収せず、反射するため、赤外線ヒータ72から放射された赤外線が、流延バンド22や流延ダイ21に放射されたとしても、反射するにとどまる。したがって、赤外線ヒータ72から放射された赤外線の全部またはそのほとんどが、流延膜30の加熱に寄与するため、乾燥を効率よく行うことができる。
【0052】
上記実施形態では、赤外線ヒータ72を用いて、流延バンド22の移動方向上流側からビード75を加熱したが、本発明はこれに限られず、流延バンド22の移動方向下流側からビード75を加熱してもよいし、流延バンド22の移動方向上流側及び下流側の両側からビード75を加熱してもよい(図5参照)。
【0053】
なお、ビード75のうち、流延バンド22の移動方向上流側の気体を吸引する減圧チャンバを設けても良い。減圧チャンバは、流延ダイ21よりもA方向の上流側にて、流延ダイ21と隣接するように配置することが好ましい。減圧チャンバによる気体の吸引により、流延ビードの上流側の圧力が流延ビードの下流側の圧力よりも低い状態をつくることができる。流延ビードの上流側及び下流側の圧力差は、10Pa以上2000Pa以下であることが好ましい。
【0054】
上記実施形態では、ビード75に赤外線の照射を行ったが、本発明はこれに限られず、流延膜30に赤外線の照射を行ってもよい。
【0055】
例えば、図6に示すように、溶液製膜方法90では、流出工程81と、膜形成工程83と、膜乾燥工程84と、剥取工程85と、フィルム乾燥工程86とが順に行われる。また、膜乾燥工程84では、赤外線照射を用いて流延膜30を加熱する膜照射工程92が行われる。なお、流出工程81と膜形成工程83との間で、ビード照射工程82を行っても良い。
【0056】
(膜照射工程)
膜照射工程92では、図7に示すように、流延ダイ21とラビリンスシール70cとの間に設けられた赤外線ヒータ72を用いる。赤外線ヒータ72は、放射窓72aが流延膜30と対向するように配されるため、赤外線の照射により、流延膜30を加熱することができる。流延ダイ21とラビリンスシール70cとの間では、ビード75の振動を誘発する乾燥風400を用いることができないため、赤外線ヒータ72による流延膜30の加熱が有効である。なお、流延バンド22を介する流延膜30の加熱を併用しても良い。
【0057】
上記の膜照射工程92では、赤外線ヒータ72を流延ダイ21とラビリンスシール70cとの間に設けたが、赤外線ヒータ72をラビリンスシール70cよりも流延バンド22の移動方向下流側に設けても良い。赤外線照射は、流延膜30の表面の加熱のみならず、流延膜30の内部まで、その熱エネルギーを与えることができるため、溶剤の蒸発が流延膜30内の溶剤の拡散律速となる減率乾燥状態の流延膜30に赤外線を照射して、流延膜30の内部にある溶剤を効率よく蒸発させることができる。
【0058】
乾燥風を流延膜30にあてた場合、乾燥風による熱エネルギーは、流延膜30の表面近傍にある溶剤の蒸発により消費され、流延膜30の内部まで伝わらない。この結果、流延膜30の内部にある溶剤が表面まで拡散することが困難となる。このように、乾燥風を用いて流延膜30を乾燥する場合、流延膜30表面近傍では、流延膜30内部に比べて、乾燥が進んでしまう結果、多量の溶剤を内部に含む流延膜30の表面には皮膜が形成してしまう。
【0059】
流延膜30の表面に皮膜が形成される前では、流延膜30の表面に皮膜が形成された後に比べて、流延膜30の加熱の度合い、すなわち赤外線ヒータ72の出力が大きいことが好ましい。なぜならば、流延膜30の乾燥に要する時間を短縮できること、及び、万が一発泡が生じてもフィルムに跡が残らないためである。
【0060】
乾燥風を用いた流延膜30の乾燥に先立って、赤外線を用いた流延膜30の乾燥を行う本発明によれば、皮膜が形成する前に、熱エネルギーを流延膜30の表面のみならず、その内部まで伝えることができるため、流延膜30の乾燥を効率よく行うことができる。なお、流延バンド22を介する流延膜30の加熱を併用しても良い。
【0061】
上記実施形態では、剥ぎ取り可能となるまで流延膜30を乾燥したが、本発明はこれに限られず、剥ぎ取り可能となるまで流延膜30を冷却する溶液製膜方法にも適用できる。
【0062】
図8及び図9に示すように、流延室12には、流延ダイ21、流延ドラム102、減圧チャンバ104、及び剥取ローラ24が設けられる。
【0063】
流延ドラム102は、流延ダイ21の下方に位置し、軸方向が水平となるように配される。そして、流延ドラム102は、周面102aがスリット出口21aと近接するように配される。更に、流延ドラム102は、軸を中心に回転自在となっている。制御部(図示しない)の制御の下、駆動装置(図示しない)により、流延ドラム102が回転すると、流延ドラム102の周面102aはA方向へ所定の速度で走行する。流延ダイ21のスリット出口から流出したドープ28は、周面102a上で延ばされる結果、帯状の流延膜30を形成する。流延ドラム102は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有する点から、SUS316製であることがより好ましい。
【0064】
流延ドラム102には温調装置108が接続される。温調装置108は、伝熱媒体の温度を調節する温度調節部を内蔵する。温調装置108は、温度調節部及び流延ドラム102内に設けられる流路との間で、所望の温度に調節された伝熱媒体を循環させる。この伝熱媒体の循環により、流延ドラム102の周面102aの温度を所望の温度に保つことができる。
【0065】
剥取ローラ24は、流延ダイ21よりもA方向の下流側に配される。剥取ローラ24は、周面102a上に形成された流延膜30を剥ぎ取って、湿潤フィルム37として、流延室12の下流側へ案内する。
【0066】
剥取ローラ24よりもA方向上流側にはラビリンスシール105aが設けられ、剥取ローラ24よりもA方向下流側にラビリンスシール105bが設けられる。また、流延ダイ21よりもA方向下流側にはラビリンスシール105cが設けられる。ラビリンスシール105a〜105cは、流延室12の内壁面から、流延ドラム102の周面102aに向かって伸びるように形成される。ラビリンスシール105a〜105cの先端は、周面102aに近接するため、ビード75に風があたること、及び溶剤が流延室12の外部へ漏れることを防ぐことができる。
【0067】
流延ダイ21とラビリンスシール105cとの間には、赤外線ヒータ72が設けられる。赤外線ヒータ72は、放射窓72aがビード75と対向するように配される。
【0068】
なお、ラビリンスシール105aとラビリンスシール105cとの間において、放射窓72aが流延膜30と対向するように赤外線ヒータ72を配してもよい。
【0069】
本発明は、ドープを流す際に、2種類以上のドープを同時に流して、個々のドープからなる層を複数有する流延膜(以下、積層流延膜と称する)を形成する同時積層共流延、または、複数のドープを逐次流して、積層流延膜を形成する逐次積層共流延を行うことができる。なお、両共流延を組み合わせてもよい。同時積層共流延を行う場合には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いてもよいし、マルチポケット型の流延ダイを用いてもよい。
【0070】
(ドープ)
本発明において、ドープとは、ポリマーを溶剤に溶解または分散して得られるポリマー溶液,分散液を意味する。
【0071】
(ポリマー)
上記実施形態では、ポリマーフィルムの原料となるポリマーとしては、特に限定されず、例えば、セルロースアシレート、環状ポリオレフィン、アクリル、または、これらのブレンドポリマーを用いることができる。
【0072】
(セルロースアシレート)
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、すなわち、アシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものが好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、アシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、トリアセチルセルロース(TAC)の90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.0≦A+B≦3.0
(II) 1.0≦ A ≦3.0
(III) 0 ≦ B ≦2.0
【0073】
アシル基の全置換度A+Bは、2.20以上2.90以下であることがより好ましく、2.40以上2.88以下であることが特に好ましい。また、炭素原子数3〜22のアシル基の置換度Bは、0.30以上であることがより好ましく、0.5以上であることが特に好ましい。
【0074】
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでも良い。
【0075】
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
【0076】
(溶剤)
ドープを調製する溶剤としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。
【0077】
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。ポリマーの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度など及びフィルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶剤全体に対し2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0078】
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶剤組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶剤が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶剤として用いることができる。
【0079】
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明にも適用できる。また、溶剤及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
【0080】
(フィルム)
フィルム55の厚みは20μm以上100μm以下であることが好ましい。フィルム55の幅は600mm以上であることが好ましく、1400mm以上2500mm以下であることがより好ましい。また、フィルム55の幅が2500mmより大きい場合にも、本発明の効果を得ることができる。フィルム55の面内レターデーションReは80nm以下であることが好ましい。フィルム55の厚み方向レターデーションRthは250nm以下であることが好ましい。
【0081】
(面内レターデーションReの測定方法)
サンプルフィルムを温度25℃,湿度60%RHで2時間調湿し、自動複屈折率計(KOBRA21ADH 王子計測(株))にて589.3nmにおける垂直方向から測定したレターデーション値の外挿値より次式に従い算出した。
Re=|nX−nY|×d
nXは、X方向の屈折率,nYはY方向の屈折率,dはフィルムの厚み(膜厚)を表す。
【0082】
(厚み方向レターデーションRthの測定方法)
サンプルフィルムを温度25℃,湿度60%RHで2時間調湿し、自動複屈折率計(KOBRA21ADH 王子計測(株))にて589.3nmにおける垂直方向から測定した値と、フィルム面を傾けながら同様に測定したレターデーション値の外挿値とから下記式に従い算出した。
Rth={(nX+nY)/2−nTH}×d
nTHは厚み方向の屈折率を表す。
【実施例】
【0083】
以下の手順で実験1〜6を行った。
【0084】
(実験1)
流延ダイ21を用いて、所定の移動速度V1で移動する流延バンド22に、セルロースアシレート及び溶剤を含むドープ28を流出した。移動速度V1は表1に示すとおりである。流延ダイ21と流延バンド22との間にはビード75が形成され、流延バンド22上には流延膜30が形成された。その後、乾燥が進んだ流延膜30を流延バンド22から剥ぎ取って湿潤フィルムを得た。その後、湿潤フィルムを乾燥し、厚み80μmのフィルムを得た。なお、ビード照射工程82、及び図7に示すような膜照射工程94は行わなかった。
【0085】
【表1】

【0086】
(実験2〜6)
移動速度V1を表1に示す値とし、ビード照射工程82の有無、及び図7に示すような膜照射工程94の有無については表1に示すようにしたこと以外は、実験1と同様にして、厚み80μmのフィルム55を得た。表1の「ビード照射工程」において、ビード照射工程82を行わなかったものについては「−」と表し、ビード照射工程82を行ったものについては「○」と表す。同様に、表1の「膜照射工程」において、膜照射工程94を行わなかったものについては「−」と表し、膜照射工程94を行ったものについては「○」と表す。
【0087】
(評価)
実験1〜6について、以下の評価項目について評価した。
【0088】
1.剥げ残りの有無
実験1〜6について、流延バンド22から流延膜30を剥ぎ取ったときに、流延バンド22上において流延膜30の剥げ残りが起こっているか否かについて、以下基準に基づいて評価した。
○:流延膜30の剥げ残りが起こらなかった。
△:流延膜30の剥げ残りが起こったもの、溶液製膜方法を停止せずに済む程度の規模であった。
×:流延膜30の剥げ残りが起こり、溶液製膜方法を停止せざるを得なかった。
【0089】
2.スジ状のムラの有無
実験1〜6にて得られたフィルム55において、スジ状のムラの有無を目視で観察し、以下基準に基づいて評価した。
○:スジ状のムラがなかった。
×:スジ状のムラがあった。
【0090】
3.発泡の跡の有無
実験1〜6にて得られたフィルム55において、発泡の跡の有無を目視で観察し、以下基準に基づいて評価した。
○:発泡の跡がなかった。
×:発泡の跡があった。
【0091】
各評価項目についての評価結果を表1に示す。表1において、評価結果に付した番号は、評価項目に付した番号を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー及び溶剤を含むドープを流出する流延ダイと、
前記流出したドープから流延膜を形成する移動支持体と、
前記流出したドープにより前記流延ダイから前記移動支持体にかけて形成されるビードに赤外線をあて、前記ビードから前記溶剤を蒸発させるビード照射部と、
前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる流延膜乾燥部とを有することを特徴とする流延装置。
【請求項2】
ポリマー及び溶剤を含むドープを流出する流延ダイと、
前記流出したドープから流延膜を形成する移動支持体と、
前記流延膜に風をあて前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる風供給部と、
前記流延ダイ及び前記風供給部の間に設けられ、前記流延膜へ向かう前記風を
遮る遮風部と、
前記流延ダイ及び前記遮風部の間に設けられ、前記流延膜に赤外線をあてる膜照射部を有することを特徴とする流延装置。
【請求項3】
前記流延ダイ及び前記移動支持体が金属からなることを特徴とする請求項1または2記載の流延装置。
【請求項4】
前記流延ダイを用いてポリマー及び溶剤を含むドープを移動支持体に向けて流出するドープ流出工程と、
前記流出したドープからなり、前記流延ダイから前記移動支持体にかけて形成されるビードに赤外線をあて、前記ビードから前記溶剤を蒸発させるビード照射工程と、
前記流出したドープからなる流延膜を前記移動支持体上に形成する膜形成工程と、
前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる膜乾燥工程とを有することを特徴とする溶液製膜方法。
【請求項5】
前記流延ダイを用いてポリマー及び溶剤を含むドープを移動支持体に向けて流出するドープ流出工程と、
前記流出したドープからなる流延膜を前記移動支持体上に形成する膜形成工程と、
前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる膜乾燥工程とを有し、
前記膜乾燥工程では、
前記流延膜に赤外線をあて、前記流延膜から前記溶剤を蒸発させる膜照射工程を行うこと特徴とする溶液製膜方法。
【請求項6】
前記流出工程と前記膜形成工程との間にて、前記流出したドープからなり、前記流延ダイから前記移動支持体にかけて形成されるビードに赤外線をあて、前記ビードから前記溶剤を蒸発させるビード照射工程を行うことを特徴とする請求項5記載の溶液製膜方法。
【請求項7】
表面に皮膜が形成される前の前記流延膜に前記膜照射工程を行うことを特徴とする請求項5または6記載の溶液製膜方法。
【請求項8】
前記膜乾燥工程を経た前記流延膜を前記移動支持体から剥ぎ取って湿潤フィルムとする剥取工程と、
この湿潤フィルムから前記溶剤を蒸発させるフィルム乾燥工程とを有することを特徴とする請求項4ないし7のうちいずれか1項記載の溶液製膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−66483(P2012−66483A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213258(P2010−213258)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】