説明

浄水バッグ及び浄水方法

【課題】 攪拌操作が不要であるにもかかわらず浄水性能の即効性を発揮し、水中への活性炭のダストの移行を抑制できる浄水バッグを提供すること。
【解決手段】 合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋2に、(A)粒状活性炭4、(B)コーラルサンド6及び(C)アスコルビン酸又はその塩8からなる浄水成分を封入せしめた浄水バッグ1であって、(A)成分と(B)成分の重量比[(A)/(B)]が、10/90〜90/10であり、且つ、混抄紙の目付け重量が10g/m以上30g/m以下であることを特徴とする浄水バッグ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水バッグ及び浄水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境汚染に伴う水源の水質の悪化が進むにつれ、水道水の異味臭が問題となってきている。このような水道水の異味臭を除去する材料としては、例えば、活性炭、コーラルサンド及びアスコルビン酸又はその塩を含有する浄水剤(特許文献1)や、活性炭とL−アスコルビン酸及び/又はその塩を含有する水処理剤(特許文献2)が知られている。
【特許文献1】特開平6−206066号公報
【特許文献2】特開昭62−227489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の浄水剤は、水中に投入してから60分間放置することで浄水効果を発現することが記されており、浄水性能に即効性があるとは言いがたい。また、特許文献2では浄水性能の即効性を発揮させるために、金属製の半球状網体を使用することで沈降を促進させたり、強制攪拌操作を行ったりしている。
【0004】
浄水性能の即効性を改善するために、目付け重量の小さい不織布を収納体として用いることも考えられるが、不織布の目の粗さに由来して活性炭ダストが水中に移行するという問題が生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明の課題は、攪拌操作が不要であるにもかかわらず浄水性能の即効性を発揮し、水中への活性炭のダストの移行を抑制できる浄水バッグを提供することにある。本発明の課題はまた、この浄水バッグを用いた浄水方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、下記の発明に到達するに至った。
【0007】
[1]合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋に、(A)粒状活性炭、(B)コーラルサンド及び(C)アスコルビン酸又はその塩からなる浄水成分を封入せしめた浄水バッグであって、(A)成分と(B)成分の重量比[(A)/(B)]が、10/90〜90/10であり、且つ、混抄紙の目付け重量が10g/m以上30g/m以下であることを特徴とする浄水バッグ。
【0008】
[2]合成高分子化合物が、ポリオレフィン樹脂及び/又はポリエステル樹脂であることを特徴とする[1]記載の浄水バッグ。
【0009】
[3][1]又は[2]に記載の浄水バッグに、水を接触させる接触工程を含むことを特徴とする浄水方法。
【0010】
[4]冷蔵庫の製氷室用の給水タンクに収容された水を、浄水バックに接触させることにより、接触工程を実施することを特徴とする[3]記載の浄水方法。
【0011】
[5]炊飯時に米と共存している水を、浄水バックに接触させることにより、接触工程を実施することを特徴とする[3]記載の浄水方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、攪拌操作が不要であるにもかかわらず浄水性能の即効性を発揮し、水中への活性炭のダストの移行を抑制できる浄水バッグ、及びこの浄水バッグを用いた水の浄水方法が提供される。本発明の浄水バッグ及び浄水方法は、水中への活性炭ダストの移行を抑制できるため、移行した活性炭ダストによる水の汚染がなく衛生性に優れると共に、浄水性能に即効性を持たせることが達成でき、攪拌操作が不要で浄水効果発現までの放置時間も著しく短縮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
【0014】
図1(a)は実施形態に係る浄水バッグの斜視図であり、図1(b)は、(a)に示す浄水バッグの上部を切り取った斜視図である。
【0015】
図1(a)(b)に示すように、実施形態に係る浄水バッグ1は、合成高分子化合物を混抄した混抄紙から形成された三角錐状の袋2の内部に、粒状活性炭4((A)成分)、コーラルサンド6((B)成分)、アスコルビン酸又はその塩8((C)成分)からなる浄水成分を備えている。なお、袋2は、底面から、高さの1/3まで上記浄水成分で満たされている。
【0016】
浄水バッグ1においては、浄水成分を構成する(A)成分と(B)成分の質量比[(A)/(B)]は、10/90〜90/10となっており、袋2を構成する混抄紙の目付け重量は10g/m以上30g/m以下である。
【0017】
このような構成を有する浄水バッグ1は、水中への活性炭のダストの移行を抑制できると共に、浄水性能の即効性に優れている。
【0018】
袋2を構成する合成高分子化合物を混抄した混抄紙は、天然パルプから作った一般の紙とは異なり、紙パルプの中に合成高分子化合物からなる化学繊維を配合して抄いた紙である。混抄紙に用いられる合成高分子化合物としては、一般に製造されている汎用樹脂(汎用高分子樹脂)を採用することができる。このような構成の混抄紙は、プラスチックだけで作られた合成紙、合繊紙、スパンボンド不織布と明瞭に区別される。
【0019】
図1(a)(b)に示す袋2は、合成高分子化合物を混抄した混抄紙の周縁をヒートシールして得られたものであるが、本発明の浄水バッグに用いられる袋としては、このような構成のものに限られない。例えば、ヒートシールと共に又はヒートシールに代えて縫製して袋状にしたものでもよく、ヒートシール又は縫製は、混抄紙の周縁の全部に施されていても、その一部に施されていてもよい。さらに、ヒートシールと共に又はヒートシールに代えて、超音波シールや、高周波シールを施したものでもよい。
【0020】
また、袋の全体構造としては、矩形の混抄紙を折り返すか2枚の矩形の混抄紙を対向させて、周縁をヒートシール、超音波シール、高周波シール又は縫製して得られる構造や、混抄紙を折り畳むか複数の混抄紙を合わせて、全体が円柱状、多角柱状、四面体状、三角錐状となるように、周縁をヒートシール、超音波シール、高周波シール又は縫製した構造が挙げられる。なお、粒状活性炭4のバブリング効果をより顕著にするためには、袋の全体構造は、図1(a)(b)に示すような三角錐状が好ましい。
【0021】
上述した混抄紙は、紙パルプの親水的な性質により浄水バッグ内に水が浸透しやすいために、浄水性能の即効性に優れている。また、合成高分子化合物の疎水的な性質により浄水バッグが水中での強度が保たれる点で優れているだけでなく、合成高分子化合物成分が存在するが故に、浄水バッグにした際のヒートシール性や超音波シール性、高周波シール性などが優れている。
【0022】
混抄紙の目付け重量は、10g/m以上30g/m以下である必要があり、18g/m以上28g/m以下が好ましく、15g/m以上25g/m以下がより好ましい。混抄紙の目付け重量が10g/m未満であると、水中での袋体としての強度が不足するため袋の破れの原因につながり、水中への活性炭ダストの移行につながる。30g/mを超えると、袋体を水に投込んだ際、水が袋内に透水しにくいため、浄水性能の即効性が期待できない。
【0023】
さらに、混抄紙の全体厚みは、特に限定されるものではないが、100μm以下であることが好ましい。100μmを超えると浄水バッグを水に投込んだ際、水が浄水バッグ内に透水しにくいため、浄水性能の即効性が期待できない可能性がある。
【0024】
また、混抄紙を構成する合成高分子化合物は、ポリオレフィン樹脂及び/又はポリエステル樹脂であることが好ましい。これは、疎水性と親水性のバランスが良いためだけではなく、浄水バッグにした際のヒートシール性や超音波シール性、高周波シール性などに優れているためである。
【0025】
ポリオレフィン樹脂とは、具体的には、ナフサから生成されるエチレン、プロピレンを主原料として生産されるポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を指す。
【0026】
ポリエステル樹脂とは、主たるジカルボン酸成分としてテレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはこれらのエステル形成性誘導体を用い、主たるグリコール成分として炭素数2〜10のグリコール又はそのエステル形成性誘導体を用いて得られる線状飽和ポリエステルが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PBN)等が挙げられる。
【0027】
混抄紙のプラスチック成分と紙成分の組成重量比は、合成高分子化合物成分/紙成分=5/95〜95/5が望ましく、好ましくは7/93〜93/7、さらに好ましくは10/90〜90/10であることが望ましい。合成高分子化合物成分比が5以上であると、疎水的な性質が強くなるため、水中での袋体としての強度が保たれ袋が破れにくくなる。また、紙成分比が5以上であると、親水的性質が強くなるため、水が浄水バッグ内に浸透しやすくなるとともにろ過性能が向上して水中へのダストの移行が抑制される傾向がある。
【0028】
混抄紙及びこれからなる袋は、上記の条件を満たしていれば、他の成分を含有するものであってもよい。
【0029】
粒状活性炭((A)成分)は、木質(ヤシ殻、おが屑)、石炭等を原料として、これらの原料を炭化及び賦活処理を施して破砕して作られた、黒色、多孔性の炭素質の物質で、気体や液体中の微量有機物を吸着する性質を有しているものを指し、粒度、粒形については限定されるものではない。
【0030】
粒状活性炭は、浄水性能に優れているだけでなく、多孔質であるが故に、水中で内包された空気と水が置換される際に気泡が発生し、そのバブリング効果により、アスコルビン酸又はその塩が全体に浸透しやすくなり、浄水性能の即効性が達成できる。
【0031】
粒状活性炭としては、いずれの製法によるものも用いることができるが、水及び/又は酸性を呈する水溶液で1回以上洗浄することが好ましい。1回以上洗浄がされていれば、合成高分子化合物が混抄された混抄紙由来の袋内に封入し、水中に投入した際に、水中への活性炭のダストの移行を低減できる傾向がある。
【0032】
コーラルサンド((B)成分)は、天然の造礁サンゴの生骨格、半化石を粉砕して、所定の粒度にしたものが採用できる。また、必要に応じて、抗菌成分等を添着してもよい。
【0033】
コーラルサンドは、浄水性能に優れているだけでなく、コーラルサンドに含まれるミネラル成分が溶出して、水がミネラル化されるという利点もある。また、比重が水より大きいため水中で沈降促進効果があり、水に沈んでいない状態に比べてアスコルビン酸及び又はその塩が全体に浸透しやすくなり、浄水性能の即効性が達成できる。
【0034】
粒状活性炭((A)成分)とコーラルサンド((B)成分)分の充填重量%比は、(A)/(B)=10/90〜90/10である必要があり、好ましくは(A)/(B)=15/85〜85/15、さらに好ましくは(A)/(B)=20/80〜80/20が望ましい。
【0035】
(A)成分が10%未満の充填重量比であると、活性炭量が不足しているため、バブリング効果が乏しく、浄水性能の即効性が期待できないだけでなく、(A)成分(B)成分双方のかさ比重の差により、袋内に充填する際に分級し、所望の添加量を達成できない。また、(A)成分が90%超の充填重量比であると、コーラルサンド量が不足しているため、沈降促進効果が乏しく、浄水性能の即効性が期待できないだけでなく、同様に(A)成分(B)成分双方のかさ比重の差により、袋内に充填する際に分級し、所望の添加量を達成できない可能性がある。
【0036】
アスコルビン酸又はその塩((C)成分)は、(A)成分及び(B)成分として併用して優れた浄水性能を発揮する。アスコルビン酸はL−体、D−体のいずれであってもよく、また、その塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が適している。また、これらの成分を併用して使用してもかまわない。
【0037】
アスコルビン酸及び又はその塩の含有量は任意であるが、対象となる水1L以上5L以下に対して、0.001g以上0.5g以下含まれていることが望ましく、好ましくは0.005g以上0.45g以下、さらに好ましくは0.01g以上0.4g以下が望ましい。この範囲内であると充分な浄水性能を発現できる傾向にある。
【0038】
浄水成分は、上記組合せで充分に浄水性能の即効性が発現できるが、必要に応じて他の成分を配合してもよい。本発明の浄水成分に添加してもよい他の成分の例としては、亜硫酸塩、クエン酸塩、植物抽出成分、エリソルビン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0039】
浄水バッグ中の浄水成分の全体重量は、特に限定されるものではないが、対象となる水1L以上5L以下の場合、0.5g以上50g以下含有されていることが望ましく、好ましくは0.7g以上40g以下、さらに好ましくは0.1g以上30g以下が望ましい。0.5g未満であると、浄水性能の即効性が期待できない可能性があり、50gを超えると、その使用上明らかに大きすぎて使い勝手に問題が発生する。
【0040】
本発明の浄水バッグ及び水の浄水方法は、水中への活性炭のダストの移行を抑制できるため、移行した活性炭ダストによる水の汚染がなく衛生性に優れると共に、浄水性能に即効性を持たせることが達成でき、攪拌操作が不要で浄水効果発現までの放置時間も著しく短縮されるために、その性質上、攪拌することが煩わしいと考えられる、冷蔵庫の自動製氷室に併設されている給水タンクに投込んで使用する方法や米の炊飯時に炊飯器に投込んで使用する方法に特に有効に用いられる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】
(1)浄水効果確認試験
一辺5cmの正三角錘の袋体の中に、よくブレンドした浄水成分約2gを秤量、封入し、浄水バッグを得た。別途、全塩素濃度が約1ppmになるように調整した水1Lを容量2Lビーカーに準備し、30分間静置した後、作成した上記浄水バッグを投入して静置し、5分ごとに水面下3cmの部位から水を取水し、水質分析計(HACH社製、商品名:DR2800)を用いて、ジエチル−p−フェニレンジアミン法にて全塩素濃度を測定した。
【0043】
(2)水中への活性炭のダストの移行確認試験
上記(1)の実験中に、水の中に浄水バッグを投入する際に、目視により水中への活性炭のダストの移行状態を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:目視では水中へのダストの移行が確認されない。
○:目を凝らして見ると、水中へのダストの移行が確認されるが、飲食するうえでほとんど気にならない程度である。
△:目視によって、水中でのダストの移行が確認され、飲食することが躊躇される。
×:単純な目視によっても、水中へのダストの移行が確認され、とても飲食できない状態である。
【0044】
(3)浄水バッグを投入した水を用いて作成した氷の味の官能評価試験
上記(1)の実験で5分後の水を採取し、−20℃の条件で製氷した。その氷を無作為に選んだパネラー10名により、味の官能評価試験を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:臭くなくおいしい氷であった。
○:少し臭いを感じる気がするが、飲食するうえで気にならない程度であり、おいしい氷であった。
△:臭いが気になり、飲食することが躊躇される。
×:臭いが非常に気になり、とても飲食できない状態である。
【0045】
(4)プラスチックが混抄された紙の目付け重量の測定方法
JIS−P 8124記載の方法に準じた測定を行った。
【0046】
(5)プラスチックが混抄された紙の厚み測定方法
JIS−P 8118記載の方法に準じた測定を行った。
【0047】
(実施例1)
粒状活性炭(株式会社ツルミコール社製、商品名:太閤活性炭CW130S)0.5gと、コーラルサンドであるサンゴ未焼成カルシウム(マリーンバイオ株式会社製、商品名:ソメライトSL)1.5gと、L−アスコルビン酸ナトリウム(三栄源エフエフアイ株式会社製)0.03gをよくブレンドし、5cm四方の正四角錘に切り出した袋(山中産業株式会社製、商品名:ティーロードエルパックPER−22、合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が22g/mである。)の中に封入し、浄水バッグを得た。その評価結果を表1に示した。
【0048】
(実施例2)
L−アスコルビン酸ナトリウムの代わりにL−アスコルビン酸(三栄源エフエフアイ株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その評価結果を表1に示した。
【0049】
(実施例3)
袋として、ティーロードエルパックPER−22の代わりに、ティーロードエルパックNTE−18(山中産業株式会社製、商品名。合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が18g/mである。)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表1に示した。
【0050】
(実施例4)
粒状活性炭(株式会社ツルミコール社製、商品名:太閤活性炭CW130S)を0.2g、サンゴ未焼成カルシウム(マリーンバイオ株式会社製、商品名:ソメライトSL)を1.8g用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表1に示した。
【0051】
(実施例5)
粒状活性炭(株式会社ツルミコール社製、商品名:太閤活性炭CW130S)を1.8g、サンゴ未焼成カルシウム(マリーンバイオ株式会社製、商品名:ソメライトSL)を0.2g用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表1に示した。
【0052】
(実施例6)
袋として、ティーロードエルパックPER−22の代わりに、ティーロードエルパックNTE−30(山中産業株式会社製、商品名。合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が30g/mである。)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表2に示した。
【0053】
(実施例7)
袋として、ティーロードエルパックPER−22の代わりに、シルキーファインPET紙 10GSM(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名。合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が10g/mである。)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表2に示した。
【0054】
(実施例8)
粒状活性炭(株式会社ツルミコール社製、商品名:太閤活性炭CW130S)の代わりに、粒状活性炭(株式会社ツルミコール社製、商品名:太閤活性炭CW130B)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表2に示した。
【0055】
(実施例9)
L−アスコルビン酸ナトリウムの重量を0.3gとした以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表2に示した。
【0056】
(比較例1)
粒状活性炭を使用せず、サンゴ未焼成カルシウムの重量を2.0gとした以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表3に示した。
【0057】
(比較例2)
粒状活性炭の重量を2.0gとし、サンゴ未焼成カルシウムを不使用にした以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表3に示した。
【0058】
(比較例3)
袋として、ティーロードエルパックPER−22の代わりに、ティーロードエルパックNTE−40(山中産業株式会社製、商品名。合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が40g/mである。合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が40g/mである。)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表3に示した。
【0059】
(比較例4)
袋として、ティーロードエルパックPER−22の代わりに、シルキーファインPET紙 6GSM(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名。合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋であり、混抄紙の目付け重量が6g/mである。)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表3に示した。
【0060】
(比較例5)
袋として、ティーロードエルパックPER−22の代わりに、スパンボンド不織布(山中産業株式会社製、商品名:ティーロードセブン SO203)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果を表3に示した。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
本発明の浄水バッグは、水中への活性炭のダストの移行を抑制できると共に、浄水性能に即効性を持たせることが達成でき攪拌操作が不要で浄水効果発現までの放置時間も著しく短縮される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明で提供する浄水バッグ及び浄水方法は、水中への活性炭のダストの移行を抑制できるため、移行した活性炭ダストによる水の汚染がなく衛生性に優れると共に、浄水性能に即効性を持たせることが達成でき攪拌操作が不要で浄水効果発現までの放置時間も著しく短縮されるために、その性質上、攪拌することが煩わしいと考えられる、冷蔵庫の自動製氷室に併設されている給水タンクに投込んで使用する方法や米の炊飯時に炊飯器に投込んで使用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】(a)は実施形態に係る浄水バッグの斜視図であり、(b)は、(a)に示す浄水バッグの上部を切り取った斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1…浄水バッグ、2…袋、4…粒状活性炭、6…コーラルサンド、8…アスコルビン酸又はその塩。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成高分子化合物を混抄した混抄紙からなる袋に、(A)粒状活性炭、(B)コーラルサンド及び(C)アスコルビン酸又はその塩からなる浄水成分を封入せしめた浄水バッグであって、
前記(A)成分と前記(B)成分の重量比[(A)/(B)]が、10/90〜90/10であり、且つ、前記混抄紙の目付け重量が10g/m以上30g/m以下であることを特徴とする浄水バッグ。
【請求項2】
前記合成高分子化合物が、ポリオレフィン樹脂及び/又はポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の浄水バッグ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の浄水バッグに、水を接触させる接触工程を含むことを特徴とする浄水方法。
【請求項4】
冷蔵庫の製氷室用の給水タンクに収容された水を、前記浄水バックに接触させることにより、前記接触工程を実施することを特徴とする請求項3記載の浄水方法。
【請求項5】
炊飯時に米と共存している水を、前記浄水バックに接触させることにより、前記接触工程を実施することを特徴とする請求項3記載の浄水方法。


【図1】
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【公開番号】特開2009−291722(P2009−291722A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148528(P2008−148528)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(390017949)旭化成ホームプロダクツ株式会社 (56)
【Fターム(参考)】