説明

消費電力計測装置、消費電力計測方法及びプログラム

【課題】消費電力の測定精度を高くする。
【解決手段】負荷計測部120は、構成装置160の負荷情報を求める。状態取得部130は、負荷計測部120から受信した負荷情報を基に、構成装置160の状態情報を求める。学習部112は、受信部111が受信した実消費電力と、負荷計測部120が求めた負荷情報と、状態取得部130が求めた状態情報と、を基に実消費電力の学習を行う。推測部141は、学習部112の学習結果と、負荷計測部120が求めた負荷情報と、状態取得部130が求めた状態情報と、を基に推測消費電力を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力計測装置、消費電力計測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー消費の増加による省エネルギーの推進に伴い、オフィスや家庭において使用する電子機器の消費電力を把握することができるシステムが求められている。
【0003】
通常、電力の測定には、電力計等の測定器が使用される。オフィスや家庭において使用する電子機器の消費電力を、測定器を使用して測定するためには、電子機器の数と同数の測定器を用意する必要があり、多大なコストがかかってしまう。そこで、オフィスや家庭において電力計等の測定器を用いずに低コストで消費電力を推測する技術が考案されている。
【0004】
特許文献1は、電子機器を消費電力の寄与が大きいユニットと、それ以外のユニットに区分し、各ユニットの消費電力を基に電子機器全体の消費電力を求める消費電力モニタリングシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−034669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が開示する消費電力モニタリングシステムは、電子機器の構成部品の状態を加味せずに電子機器全体の消費電力を求めている。このため、例えば自動的に省電力状態に遷移する構成部品を備える電子機器では、消費電力のモニタリング精度が低くなるという問題がある。
【0007】
具体的には、現在市販されているハードディスクドライブ(以下、HDD)は、HDDを参照するコンピュータ側から一定時間通信がなかった場合に、自動的に省電力状態に遷移する機能を有している。特許文献1が開示する消費電力モニタリングシステムは、このようなHDDを備えていてもHDDが現在省電力状態にあるか否かを検出することができないため、実際の消費電力と求めた消費電力との誤差が大きくなり、モニタリング精度が低くなる。
【0008】
また、特許文献1が開示する消費電力モニタリングシステムは、各構成部品の消費電力を予め求めてデータベースに蓄積する。このため、例えば数年間使用した旧式の電子機器で経年劣化に伴い各構成部品の消費電力が変化している場合、消費電力のモニタリング精度が低くなる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、消費電力の測定精度を高くすることができる消費電力計測装置、消費電力計測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る消費電力計測装置は、
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得手段と、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と、前記状態取得手段が求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と、前記状態取得手段が求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習手段が求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る消費電力計測方法は、
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得ステップと、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得ステップで取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習ステップで求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測ステップと、を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得ステップと、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得ステップで取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習ステップで求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、消費電力の測定精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る消費電力計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る記憶部が記憶するデータの一例を説明するための図である。
【図3】本発明に係る消費電力計測装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る消費電力学習処理の一例を示すフロー図である。
【図5】(A)は消費電力計測装置の消費電力の推移を説明するための図であり、(B)は消費電力計測装置の状態の推移を説明するための図である。
【図6】消費電力計測装置の消費電力と負荷情報の関係を説明するための図である。
【図7】消費電力計測装置の消費電力と負荷情報及び状態情報の関係を説明するための図である。
【図8】本発明に係る消費電力学習処理における学習結果について説明するための図である。
【図9】本発明に係る記憶部が記憶する学習結果の一例を説明するための図である。
【図10】本発明に係る消費電力推測処理の一例を示すフロー図である。
【図11】本発明に係る消費電力学習処理における推測消費電力について説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る消費電力計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る消費電力学習処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る消費電力計測装置100は、図1に示すように、消費電力学習部110と、負荷計測部120と、状態取得部130と、消費電力推測部140と、記憶部150と、構成装置160と、を備え、消費電力の計測対象の装置であり、自装置の消費電力の学習及び推測を行う電子機器である。
【0017】
消費電力学習部110は、受信部111と、学習部112を備え、自装置の消費電力を基に消費電力の学習を行う。
【0018】
受信部111は、電力計200が送信した消費電力計測装置100の実際の消費電力(以下、実消費電力とする)を受信し、受信した実消費電力を学習部112に出力する。
【0019】
学習部112は、受信部111から受信した実消費電力と、後述する負荷計測部120から受信した構成装置160の負荷情報と、後述する状態取得部130から受信した構成装置160の状態情報と、を基に実消費電力の学習を行い、学習結果を記憶部150に記憶する。なお、学習結果とは、消費電力を推測するためのモデル及びパラメータである。
【0020】
本実施形態では、学習部112は、状態情報毎に負荷情報と実消費電力との相関関係を求め、求めた相関関係を記憶部150に記憶する。ここで、相関関係とは、負荷情報と実消費電力の線形近似式である。
【0021】
負荷計測部120は、構成装置160の負荷情報を求め、求めた負荷情報を学習部112、状態取得部130及び推測部141に出力する。
【0022】
ここで、負荷情報とは、構成装置160に含まれる装置160A、装置160B等の負荷を示す情報であり、例えば装置160AがCPU(Central Processing Unit)の場合にはCPU使用率、HDD(Hard Disk Drive)の場合にはHDD転送量等である。本実施形態では、理解を容易にするため、構成装置160はCPUとHDDとを含むものとし、負荷計測部120が求める負荷情報はCPU使用率とHDD転送量であるものとして説明する。
【0023】
状態取得部130は、負荷計測部120から受信した負荷情報を基に、記憶部150に記憶されている状態テーブルを参照して構成装置160の状態情報を求め、求めた状態情報を学習部112、推測部141に出力する。
【0024】
ここで、状態情報とは、構成装置160の状態を示す情報であり、例えば、高消費電力状態であることを示す情報や、低消費電力状態であることを示す情報である。本実施形態では、状態情報は、構成装置160の状態を一意に識別する状態識別子とする。
【0025】
消費電力推測部140は、推測部141と、提示部142と、を備え、消費電力の学習結果を基に消費電力を推測する。
【0026】
推測部141は、記憶部150に記憶されている学習部112の学習結果と、負荷計測部120から受信した負荷情報と、状態取得部130から受信した状態情報と、を基に消費電力を求め、求めた消費電力(以下、推測消費電力とする)を提示部142に出力する。
【0027】
提示部142は、推測部141から受信した推測消費電力を消費電力計測装置100のユーザに対して提示する。
【0028】
記憶部150は、学習部112が学習した学習結果、及び状態取得部130が構成装置160の状態を求めるための状態テーブルを記憶している。状態テーブルは、図2に示すように、構成装置160の状態を一意に識別する状態識別子と、その状態に対応する負荷の条件とを関連付けるテーブルである。
【0029】
構成装置160は、消費電力計測装置100を構成するハードウェアであり、複数の装置が含まれる。上述の通り、本実施形態では、構成装置160はCPUとHDDを含むものとするが、これに限られず、RAM、ROM等を含むものとしても良い。また、構成装置160が備える装置160A、装置160Bは複数であっても良い。
【0030】
電力計200は、計測部210と、送信部220と、を備え、消費電力計測装置100の実消費電力を求め、求めた実消費電力を消費電力計測装置100に送信する。
【0031】
計測部210は、消費電力計測装置100の実消費電力を計測し、計測した実消費電力を送信部220に出力する。
【0032】
送信部220は、計測部210から実消費電力を受信し、受信した実消費電力を消費電力計測装置100に送信する。
【0033】
電力計200は、消費電力計測装置100が備える電源プラグ1000に接続されており、計測部210は、電源プラグ1000を介して実消費電力を取得する。電力計200は、一般的な電力計であっても良いが、消費電力測定の対象となる消費電力計測装置100の実消費電力を取得でき、取得した実消費電力を消費電力計測装置100に送信できれば任意である。
【0034】
消費電力計測装置100と電力計200は、相互に接続しているが、消費電力計測装置100の実消費電力を測定する際に接続されていれば良く、常に接続されている必要はない。また、接続方法はシリアル接続やネットワーク接続等、消費電力計測装置100及び電力計200の形態に応じて任意に選択することが可能である。
【0035】
以上が、消費電力計測装置100の概要である。
【0036】
続いて、消費電力計測装置100のハードウェア構成の一例について説明する。
【0037】
消費電力計測装置100は、図3に示すように、制御部11と、主記憶部12と、外部記憶部13と、操作部14と、表示部15と、送受信部16と、から構成されている。主記憶部12と、外部記憶部13と、操作部14と、表示部15と、送受信部16とは、いずれも内部バス10を介して制御部11と接続している。
【0038】
送受信部16は、シリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェース等から構成されている。送受信部16は、例えば電力計200から送信された実消費電力を受信する。また、送受信部16は、受信した実消費電力を制御部11に供給する。
【0039】
外部記憶部13は、フラッシュメモリ、HDD、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random−Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、後述する各処理を制御部11に行わせるためのプログラム19を予め記憶し、また、制御部11の指示に従って、外部記憶部13が記憶するデータを制御部11に供給し、制御部11から供給されたデータを記憶する。本実施形態では、外部記憶部13はHDDであるとする。
【0040】
主記憶部12は、RAM(Random−Access Memory)等から構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラム19を読み込み、さらに制御部11の作業領域としても使用される。
【0041】
制御部11は、CPUから構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラム19に従って、後述する各処理を実行する。
【0042】
操作部14は、キーボードやマウス、操作キーやタッチパネルなどの入力デバイス等と、入力デバイス等を内部バス10に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部14は、ユーザの指示を処理する機能を備え、ユーザの操作によって入力されたデータを制御部11に供給する。
【0043】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)等から構成されている。表示部15は、推測消費電力等を表示する。
【0044】
図1では、理解を容易にするため、消費電力学習部110、負荷計測部120、状態取得部130、消費電力推測部140、記憶部150は、CPUとHDDを含む構成装置160から独立して図示されているが、CPUがプログラムを実行することで実現される機能部である。
【0045】
また、構成装置160は、図3に示すようなハードウェアであり、消費電力計測装置100は、これらのハードウェアと図1に示す消費電力学習部110、負荷計測部120、状態取得部130、消費電力推測部140、記憶部150が協同して作業することにより動作する。
【0046】
以上が、消費電力計測装置100のハードウェア構成の一例である。
【0047】
続いて、消費電力計測装置100の消費電力学習処理について説明する。消費電力学習処理は、消費電力計測装置100の出荷時等に一度実行されていれば良いが、これに限られず、ユーザの操作によって実行されても良い。
【0048】
消費電力の計測対象となる消費電力計測装置100の実消費電力は、電力計200によって計測される。電力計200の計測部210は、消費電力計測装置100の実消費電力を計測すると、送信部220を介して計測した実消費電力を消費電力計測装置100に送信する。
【0049】
消費電力計測装置100は、電力計200から実消費電力を受信すると、図4に示すように、消費電力学習処理を開始する。受信部111は、電力計200から実消費電力を受信すると(ステップS101)、受信した実消費電力を学習部112に出力する。
【0050】
負荷計測部120は、構成装置160の負荷情報を求め(ステップS102)、求めた負荷情報を学習部112及び状態取得部130に出力する。すなわち、負荷計測部120は、構成装置160のCPU使用率とHDD転送量を求め、CPU使用率を学習部112に出力し、HDD転送量を状態取得部130に出力する。ただし、求めた負荷情報の出力先はこれに限られず、出力先を区別せずにCPU使用率とHDD転送量を学習部112と状態取得部130に出力しても良い。
【0051】
状態取得部130は、負荷計測部120から負荷情報を受信すると、受信した負荷情報と記憶部150に記憶されている状態テーブルとを基に、構成装置160の状態情報を求め(ステップS103)、求めた状態情報を学習部112に出力する。すなわち、状態取得部130は、負荷計測部120からHDD転送量を受信し、記憶部150に記憶されている状態テーブルから受信したHDD転送量に対応する状態識別子を取得する。
【0052】
ここで、例えば、図5(A)に示すように消費電力計測装置100の実消費電力が推移し、図5(B)に示すようにHDD転送量が推移した場合、状態取得部130は、負荷計測部120が求めたHDD転送量を基に状態識別子を取得する。すなわち、例えば記憶部150が図2に示すような状態テーブルを記憶しているとすると、状態取得部130は、図5(B)に示すように、HDD転送量が0であることに従って状態識別子「3」を取得し、HDD転送量が0より大きいことに従って状態識別子「1」を取得し、HDD転送量が0であり、かつHDD転送終了から10秒未満であることに従って状態識別子「2」を取得する。
【0053】
なお、消費電力計測装置100は内部にタイマ等の時間情報が取得可能な時間取得部を備えており、各構成要素は、時間取得部を介して時間情報を取得することができるものとする。
【0054】
図4に戻り、学習部112は、受信部111から受信した実消費電力と、負荷計測部120から受信した負荷情報と、状態取得部130から受信した状態情報と、を基に、消費電力の学習に十分なデータが蓄積されたか否かを判別する(ステップS104)。
【0055】
上述の通り本実施形態では、学習部112は、状態情報毎に、負荷情報と実消費電力との相関関係を求める。相関関係を求めるためには、一定のデータ量が必要であり、ここでは、相関関係を求めるために必要なデータが蓄積されたか否かを判別する。例えば、学習部112は、状態テーブルに記憶されている全ての状態において、CPU使用率が0%の場合の実消費電力データを10点以上、かつCPU使用率が100%の場合の実消費電力データを10点以上取得している場合に十分であると判別する。
【0056】
上述のような判別によって、蓄積された学習用のデータが不十分であると判別された場合(ステップS104;No)、消費電力計測装置100は、ステップS101の処理に戻り、再度各種データの取得を行う。
【0057】
蓄積された学習用のデータが十分であると判別された場合(ステップS104;Yes)、学習部112は、受信部111から受信した実消費電力と、負荷計測部120から受信した負荷情報と、状態取得部130から受信した状態情報と、を基に実消費電力の学習を行う(ステップS105)。そして、学習部112は、学習結果を記憶部150に記憶し(ステップS106)、処理を終了する。
【0058】
本実施形態では、負荷情報としてCPU使用率とHDD転送量が求められ、状態情報として状態識別子が求められる。そして、学習部112は、状態識別子毎に、CPU使用率をx、実消費電力をyとした線形近似式y=αx+βを求める。この場合、αとβがそれぞれパラメータとなり、状態識別子がN個設定されていたとすると、学習部112によって2×N個のパラメータが得られる。また、近似式の求め方は、最小二乗法を採用する。以下の説明では、上述のように最小二乗法を用いた線形近似によって学習した場合について説明するが、学習方法はこれに限らず任意である。例えば、学習部112は多項式近似や指数近似等によって学習しても良い。
【0059】
また、上述の消費電力学習処理が終了すると、消費電力計測装置100の実消費電力を計測する必要が無くなる。すなわち、電力計200は消費電力学習処理でのみ必要となり、後述する消費電力推測処理では不要となる。このため、消費電力学習処理が終了すれば、電力計200は消費電力計測装置100から取り外されても良い。
【0060】
以上が、消費電力計測装置100の消費電力学習処理である。
【0061】
続いて、学習部112の具体的な学習方法について説明する。ここでは、記憶部150が図2に示す状態テーブルを記憶している場合について説明する。
【0062】
消費電力計測装置100は、消費電力学習処理を開始すると、上述のように学習に必要なデータが蓄積されるまで受信部111が消費電力計測装置100の実消費電力を受信し、負荷計測部120が負荷情報としてCPU使用率とHDD転送量を求め、状態取得部130が、負荷計測部120が求めたHDD転送量を基に状態情報として状態識別子を取得する。これらのデータは、学習部112に出力される。
【0063】
学習部112の入力データであるCPU使用率及び実消費電力は、図6に示すように表すことができる。ここで、仮に学習部112がCPU使用率と実消費電力のみを基に学習しようとしても、十分な相関関係が得られず、パラメータの誤差が大きくなる。そこで、本実施形態では、状態情報として状態識別子を学習部112の入力データとし、状態識別子を基にCPU使用率及び実消費電力を分類する。状態識別子を基にCPU使用率及び実消費電力を分類すると、各入力データは図7に示すように表すことができる。状態識別子が「1」、すなわち、R/W実行中の時に最も実消費電力が高くなり、状態識別子が「3」、すなわち、低消費電力待機状態の時に最も実消費電力が低くなる。
【0064】
学習部112は、図7に示すようなCPU使用率と実消費電力、及び状態識別子の関係を基に学習を行う。すなわち、学習部112は、図8に示すように、状態識別子毎にCPU使用率と実消費電力の線形近似式を求める。状態識別子「1」に対応する近似式f1は、y=Ax+Bであり、状態識別子「2」に対応する近似式f2は、y=Cx+Dであり、状態識別子「3」に対応する近似式f3は、y=Ex+Fである。
【0065】
学習部112は、近似式を求めると、図9に示すように、求めた近似式のパラメータを、状態識別子に関連付けて学習結果として記憶部150に記憶する。消費電力計測装置100は、このような学習結果を基に後述する消費電力推測処理を実施する。
【0066】
以上が、学習部112の具体的な学習方法である。
【0067】
続いて、消費電力計測装置100の消費電力推測処理について説明する。消費電力推測処理は、所定のタイミング(例えば10秒毎)で実行されても良いが、ユーザの操作によって実行されても良い。
【0068】
消費電力計測装置100は、消費電力学習処理が終了すると、図10に示すように、消費電力推測処理を開始する。
【0069】
消費電力計測装置100は、まず学習部112による学習が完了しているか否かを、記憶部150を参照することにより判別し(ステップS201)、学習が未完了である場合(ステップS201;No)、処理を終了する。ここでは、消費電力計測装置100は、記憶部150に学習結果が記憶されているか否かを判別し、学習結果が記憶されている場合は学習が完了していると判別し、学習結果が記憶されていない場合は学習が未完了であると判別する。
【0070】
なお、消費電力計測装置100は、学習が未完了であることに従って消費電力推測処理を終了する際、ユーザにエラーメッセージを提示しても良い。また、学習が完了しているか否かの判別は、消費電力学習処理終了後に記憶部150に学習完了フラグを設定し、学習完了フラグを基に判別しても良い。
【0071】
学習部112による学習が完了している場合(ステップS201;Yes)、負荷計測部120は、構成装置160の負荷情報を求め(ステップS202)、求めた負荷情報を状態取得部130と推測部141に出力する。すなわち、負荷計測部120は、消費電力計測装置100のCPU使用率とHDD転送量を求め、CPU使用率を推測部141に出力し、HDD転送量を状態取得部130に出力する。
【0072】
状態取得部130は、負荷計測部120から負荷情報を受信すると、受信した負荷情報と記憶部150に記憶されている状態テーブルとを基に構成装置160の状態情報を求め(ステップS203)、求めた状態情報を推測部141に出力する。すなわち、状態取得部130は、負荷計測部120からHDD転送量を受信し、記憶部150に記憶されている状態テーブルから受信したHDD転送量に対応する状態識別子を取得する。
【0073】
推測部141は、記憶部150に記憶されている学習結果と、負荷計測部120から受信した負荷情報と、状態取得部130から受信した状態情報と、を基に推測消費電力を求め(ステップS204)、求めた推測消費電力を提示部142に出力する。すなわち、推測部141は、状態情報としての状態識別子を基に記憶部150に記憶されている近似式を取得し、取得した近似式に負荷情報としてのCPU使用率を適用して推測消費電力を求める。
【0074】
そして、提示部142は、推測部141から受信した推測消費電力をユーザに提示し(ステップS205)、処理を終了する。提示部142による提示方法は、表示部15を介して推測消費電力を表示する方法や、ネットワークを介してユーザが保持する端末装置に送信する方法、ネットワークを介してサーバにデータをアップロードし、ユーザが他のPC等から参照する方法等、任意に選択することが可能である。
【0075】
以上が、消費電力計測装置100の消費電力推測処理である。
【0076】
続いて、推測部141の具体的な推測方法について説明する。
【0077】
推測部141は、記憶部150に記憶されている学習結果と、負荷計測部120から受信した負荷情報と、状態取得部130から受信した状態情報と、を基に推測消費電力を求める。上述のように、本実施形態では、学習結果として負荷情報と実消費電力との相関関係、すなわち近似式のパラメータが記憶部150に記憶されており、負荷情報としてCPU使用率が求められ、状態情報として状態識別子が取得される。
【0078】
推測部141は、まず、状態識別子を基に記憶部150に記憶されている学習結果を参照し、状態識別子に対応する近似式を取得する。例えば、推測部141は、状態取得部130から状態識別子「3」を受信した場合、状態識別子「3」に対応する近似式f3を取得する。
【0079】
次に、推測部141は、取得した近似式に負荷計測部120から受信したCPU使用率を代入し、近似式から得られる消費電力を求める。そして、推測部141は、求めた消費電力を推測消費電力として提示部142に出力する。
【0080】
より具体的には、例えば、上述のように、学習部112による学習結果が図8に示すようなグラフ、及び図9に示すようなパラメータである場合、推測部141が負荷計測部120からCPU使用率Zを受信し、状態取得部130から状態識別子「3」を受信すると、推測部141が求める推測消費電力は、図11に示すように、CPU使用率がZであるy=Zの直線と、近似式f3との交点となる。
【0081】
すなわち、この場合、推測部141が求める推測消費電力は、近似式f3にCPU使用率Zを代入した値、EZ+Fとなる。この値が推測消費電力として提示部142に出力され、ユーザに提示される。
【0082】
以上が、推測部141の具体的な推測方法である。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る消費電力計測装置100によれば、構成装置160の現在の状態を判別することができるため、構成装置160の現在の状態に従った消費電力の学習、推測を行うことができ、消費電力の測定精度を高くすることができる。
【0084】
また、本実施形態に係る消費電力計測装置100は、電力計200を備えて予め消費電力の学習を行うことで、同一機種間にある個体差の影響を排除して学習を行うことができる。このため、さらに消費電力の測定精度を高くすることができる。
【0085】
また、本実施形態に係る消費電力計測装置100は、消費電力計測装置100の導入時に構成装置160の負荷を基にした消費電力を学習することができるため、経年劣化が生じていた場合でも、経年劣化の影響を加味した消費電力の推測を行うことができ、消費電力の測定精度を高くすることができる。
【0086】
また、本実施形態に係る消費電力計測装置100は、出荷時等に一度消費電力学習処理を完了していれば、記憶部150に記憶された学習結果を基に推測消費電力を求めることができる。このため、オフィスや家庭において使用する際、改めて電力計等を用いて消費電力を測定する必要がなく、低コストで消費電力を推測することができる。
【0087】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る消費電力計測装置100’は、図12に示すように、第1実施形態に係る消費電力計測装置100の構成に加え、負荷付与部170を備える。
【0088】
負荷付与部170は、構成装置160に所定の負荷を付与する。すなわち、負荷付与部170は、構成装置160の負荷を制御する構成要素である。例えば構成装置160がCPUとHDDとを含む場合、負荷付与部170は、CPUに演算命令を実行させて一定の負荷を与え、空データの書き込み、読み出しを繰り返すことでHDDに一定の負荷を与える。
【0089】
消費電力計測装置100’は、負荷付与部170を備えることで、能動的に構成装置160に負荷を与えることができ、消費電力学習処理を効率化することができる。以下、その手法について説明する。
【0090】
まず、予め負荷量の範囲及び幅を設定する。ここで、負荷量とは、CPU使用率やHDD転送量等の値を意味している。負荷量の範囲とは、例えばCPU使用率の範囲であり、負荷量の幅とは、例えばCPU使用率を5%単位で上昇させる、等の幅である。この設定は、予めユーザによって設定されても良く、設計段階で設計者に設定され、記憶部150に記憶されても良い。
【0091】
消費電力計測装置100’は、消費電力学習処理を開始すると、図13に示すように、負荷付与部170が負荷量を調整する(ステップS301)。負荷付与部170は、初めは最も低い負荷量を選択するが、それ以降は設定された負荷量の幅に従って負荷量を増加させる。負荷量を増加させた結果、負荷量の範囲を超える場合、負荷付与部170は、再度最も低い負荷量を選択する。
【0092】
負荷付与部170は、負荷量を調整すると、調整した負荷量に基づく負荷を構成装置160に付与する(ステップS302)。負荷の付与方法は、例えば、CPUに適当な演算を一定時間行わせる方法や、演算時間と休止時間を調整する方法等、任意に選択することが可能である。
【0093】
負荷付与部170によって構成装置160に負荷が付与された後は、消費電力計測装置100’は、第1実施形態で説明した消費電力学習処理と同様の処理を行うが、学習に必要なデータが十分に蓄積されていない場合、ステップS301に戻る。すなわち、学習に必要なデータが十分に蓄積されるまで、負荷付与部170は負荷量の範囲及び幅に従った負荷を構成装置160に付与し続ける。
【0094】
また、負荷付与部170の処理と、消費電力学習処理とを平行して実施するようにしても良い。例えば、負荷付与部170は、最も低い負荷量から一定期間毎に順に負荷量を増加させながら構成装置160に負荷を付与し、最大の負荷量に基づく負荷を構成装置160に一定時間付与した後に処理を終了するようにしても良い。なお、この間図4に示す消費電力学習処理は順次実行されている。
【0095】
いずれの場合であっても、消費電力計測装置100’は、能動的に学習に必要なデータを蓄積することにより、効率良く学習に必要なデータを蓄積することができる。すなわち、消費電力計測装置100’の消費電力学習処理は、第1実施形態に係る消費電力計測装置100の消費電力学習処理よりも短時間で終了することとなる。
【0096】
なお、消費電力計測装置100’のその他の構成及び動作については、第1実施形態に係る消費電力計測装置100と同様である。
【0097】
[変形例]
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。その他、上述の装置構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。以下、本発明に適用可能な上記実施形態の変形例について説明する。
【0098】
上記実施形態では、構成装置160がCPUとHDDとを含み、負荷計測部120が負荷情報としてCPU使用率とHDD転送量を求める構成について説明したが、これに限られず、主記憶部12や表示部15等の負荷情報を求める構成であっても良い。このような構成を採用する場合、負荷計測部120は、RAM転送量や画面照度を負荷情報として求め、状態取得部130はこれらの情報から状態情報を求める。すなわち、負荷計測部120が求める負荷情報は、実消費電力に起因するハードウェア特有の情報であり、負荷情報を基に構成装置160の状態情報、実消費電力との相関関係を求めることができれば任意である。
【0099】
上記実施形態では、消費電力学習処理の学習結果に従った消費電力推測処理によって推測消費電力が求められる構成について説明した。消費電力学習処理は、消費電力計測装置100の出荷時等で完了されていれば良いが、構成装置160は、装置が配置される場所の温度や気圧、湿度等、様々な環境に影響を受け、出荷時の消費電力と誤差が生じる場合がある。このため、ユーザの操作やネットワークを経由した管理者からの指示等によって再度消費電力学習処理を実行し、出荷時に記憶部150に記憶された学習結果を上書きする構成を採用しても良い。この構成を採用することで、実際に消費電力計測装置100が配置される場所や使用されている期間に従った実消費電力の学習を行うことができ、より消費電力の測定精度を高くすることができる。
【0100】
また、本実施形態に係る消費電力計測装置100は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、上述の動作を実行するためのプログラム19を、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、このプログラム19をコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する消費電力計測装置100を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のファイル特定装置が有する記憶装置にこのプログラム19を格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで消費電力計測装置100を構成してもよい。
【0101】
また、消費電力計測装置100の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0102】
また、搬送波にプログラム19を重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にこのプログラム19を掲示し、ネットワークを介してプログラム19を配信してもよい。そして、このプログラム19を起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0103】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0104】
(付記1)
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得手段と、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と、前記状態取得手段が求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と、前記状態取得手段が求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習手段が求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測手段と、を備える、
ことを特徴とする消費電力計測装置。
【0105】
(付記2)
前記構成装置の状態を識別する状態識別子と、前記負荷情報と、を関連付けて記憶する状態情報記憶手段をさらに備え、
前記状態取得手段は、前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を基に、前記状態情報記憶手段に該負荷情報と関連付けて記憶されている前記状態識別子を取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の消費電力計測装置。
【0106】
(付記3)
前記負荷計測手段と前記状態取得手段は、前記消費電力学習手段が前記相関関係を求めるために必要な所定のデータが蓄積されるまで、前記負荷情報と前記状態情報とを求める、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の消費電力計測装置。
【0107】
(付記4)
予め設定された負荷を前記構成装置に所定のタイミングで付与する負荷付与手段をさらに備え、
前記負荷付与手段は、前記消費電力学習手段が前記相関関係を求めるために必要な所定のデータが蓄積されるまで、前記構成装置に予め設定された負荷を付与する、
ことを特徴とする付記3に記載の消費電力計測装置
【0108】
(付記5)
前記消費電力学習手段は、前記状態取得手段が求めた前記状態情報毎に、前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力との線形近似式を求め、
前記消費電力学習手段が求めた前記線形近似式と前記状態情報とを関連付けて記憶する学習結果記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の消費電力計測装置。
【0109】
(付記6)
前記消費電力推測手段は、前記状態取得手段が求めた前記状態情報を基に、前記学習結果記憶手段に該状態情報と関連付けて記憶されている前記線形近似式を取得し、取得した該線形近似式に前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を適用して前記推測消費電力を求める、
ことを特徴とする付記5に記載の消費電力計測装置。
【0110】
(付記7)
前記消費電力学習手段は、最小二乗法を基に、前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力との線形近似式を求める、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の消費電力計測装置。
【0111】
(付記8)
前記構成装置は、CPU(Central Processing Unit)とHDD(Hard Disk Drive)とを含み、
前記負荷計測手段は、前記CPUのCPU使用率と前記HDDのHDD転送量とを求め、
前記状態取得手段は、前記負荷計測手段が求めた前記HDD転送量を基に、前記構成装置の状態を識別する状態識別子を求め、
前記消費電力学習手段は、前記負荷計測手段が求めた前記CPU使用率と、前記状態取得手段が求めた前記状態識別子と、前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力と、を基に、該状態識別子毎に該CPU使用率と該実消費電力との相関関係を求め、
前記消費電力推測手段は、前記負荷計測手段が求めた前記CPU使用率と、前記状態取得手段が取得した前記状態識別子と、を基に、前記消費電力学習手段が求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の消費電力計測装置。
【0112】
(付記9)
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得ステップと、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得ステップで取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習ステップで求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測ステップと、を備える、
ことを特徴とする消費電力計測方法。
【0113】
(付記10)
コンピュータに、
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得ステップと、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得ステップで取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習ステップで求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測ステップと、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0114】
100 消費電力計測装置
110 消費電力学習部
111 受信部
112 学習部
120 負荷計測部
130 状態取得部
140 消費電力推測部
150 記憶部
160 構成装置
160A、160B 装置
170 負荷付与部
10 内部バス
11 制御部
12 主記憶部
13 外部記憶部
14 操作部
15 表示部
16 送受信部
19 プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得手段と、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と、前記状態取得手段が求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習手段と、
前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と、前記状態取得手段が求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習手段が求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測手段と、を備える、
ことを特徴とする消費電力計測装置。
【請求項2】
前記構成装置の状態を識別する状態識別子と、前記負荷情報と、を関連付けて記憶する状態情報記憶手段をさらに備え、
前記状態取得手段は、前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を基に、前記状態情報記憶手段に該負荷情報と関連付けて記憶されている前記状態識別子を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の消費電力計測装置。
【請求項3】
前記負荷計測手段と前記状態取得手段は、前記消費電力学習手段が前記相関関係を求めるために必要な所定のデータが蓄積されるまで、前記負荷情報と前記状態情報とを求める、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の消費電力計測装置。
【請求項4】
予め設定された負荷を前記構成装置に所定のタイミングで付与する負荷付与手段をさらに備え、
前記負荷付与手段は、前記消費電力学習手段が前記相関関係を求めるために必要な所定のデータが蓄積されるまで、前記構成装置に予め設定された負荷を付与する、
ことを特徴とする請求項3に記載の消費電力計測装置
【請求項5】
前記消費電力学習手段は、前記状態取得手段が求めた前記状態情報毎に、前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力との線形近似式を求め、
前記消費電力学習手段が求めた前記線形近似式と前記状態情報とを関連付けて記憶する学習結果記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の消費電力計測装置。
【請求項6】
前記消費電力推測手段は、前記状態取得手段が求めた前記状態情報を基に、前記学習結果記憶手段に該状態情報と関連付けて記憶されている前記線形近似式を取得し、取得した該線形近似式に前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報を適用して前記推測消費電力を求める、
ことを特徴とする請求項5に記載の消費電力計測装置。
【請求項7】
前記消費電力学習手段は、最小二乗法を基に、前記負荷計測手段が求めた前記負荷情報と前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力との線形近似式を求める、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の消費電力計測装置。
【請求項8】
前記構成装置は、CPU(Central Processing Unit)とHDD(Hard Disk Drive)とを含み、
前記負荷計測手段は、前記CPUのCPU使用率と前記HDDのHDD転送量とを求め、
前記状態取得手段は、前記負荷計測手段が求めた前記HDD転送量を基に、前記構成装置の状態を識別する状態識別子を求め、
前記消費電力学習手段は、前記負荷計測手段が求めた前記CPU使用率と、前記状態取得手段が求めた前記状態識別子と、前記実消費電力取得手段が取得した前記実消費電力と、を基に、該状態識別子毎に該CPU使用率と該実消費電力との相関関係を求め、
前記消費電力推測手段は、前記負荷計測手段が求めた前記CPU使用率と、前記状態取得手段が取得した前記状態識別子と、を基に、前記消費電力学習手段が求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の消費電力計測装置。
【請求項9】
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得ステップと、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得ステップで取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習ステップで求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測ステップと、を備える、
ことを特徴とする消費電力計測方法。
【請求項10】
コンピュータに、
自装置を構成する構成装置の負荷情報を求める負荷計測ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報を基に、前記構成装置の状態情報を求める状態取得ステップと、
自装置が実際に消費している実消費電力を取得する実消費電力取得ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、前記実消費電力取得ステップで取得した前記実消費電力と、を基に、該状態情報毎に該負荷情報と該実消費電力との相関関係を求める消費電力学習ステップと、
前記負荷計測ステップで求めた前記負荷情報と、前記状態取得ステップで求めた前記状態情報と、を基に、前記消費電力学習ステップで求めた前記相関関係から自装置の推測消費電力を求める消費電力推測ステップと、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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