説明

液体分注装置

【課題】液体の物性に関係なくより正確な液滴容積を求めることができる液体分注装置及び液体分注方法を提供する。
【解決手段】本発明の液体分注装置10は、液滴を吐出する分注素子20の駆動を制御することにより予め設定された容量の液体試料をサンプルプレートに分注する。この液体分注装置10では、分析用の分注動作に先立ち、定量用分注作業を実行する。定量用分注作業では、予め設定された駆動パラメータに従ってテーブル12上の定量分注領域に設けられたウェル内に所定数の液滴を吐出し、定量用液体収容部である凹部の液面画像から凹部内に貯留された液体容積を算出する。定量用液体収容部に貯留された液体の液滴数は予め設定されており、この液滴数と算出した液体容積とから1滴当たりの液滴容積を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学、工業、臨床、バイオ技術などの分野で使用される分析装置において、サンプルや試薬を分注する液体分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機化学や生化学、医療等の分野で用いられる種々の分析装置には、所定量の液状の試料や試薬をマイクロプレートのウェルやサンプルプレート等の容器に自動で分注する液体分注装置を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、分注素子の吐出部につながる空間をピエゾ素子からなる駆動部によって押圧することにより当該空間に充填された試料等を吐出部から吐出する液体分注装置が記載されている。このようなピエゾ素子の駆動により液体を分注する分注素子を備えた液体分注装置では、ピエゾ素子への印加電圧の大きさや印加時間、印加電圧の立ち上がり時間や立ち下がり時間等をパラメータとする制御信号により、吐出部から吐出される液滴量が調整される。
ところが、同一のパラメータであっても、分注する液体の表面張力や粘性等の物性、温度等の環境条件によって吐出される液滴の容積は変化する。分注量は液滴数によって管理されるため、液滴容積の変化は定量的な分注を困難にする。
【0003】
特許文献2には、撥水性の基材の表面に例えば1000滴の液滴を吐出し、基材上に溜まった液滴1000滴分の容積から1滴の液滴容積を求める液体分注装置が記載されている。この液体分注装置では、基材上に溜まった1000滴分の液滴の画像をCCDカメラで取り込み、その画像から1000滴分の液滴を球としてその球の半径を求める。求めた半径より球の体積を求めて1滴分の液滴容積を算出している。
この場合、上記液体分注装置では、表面張力が大きく基材上で球状に成り易い液体(水など)を標準サンプルとして液滴の容積を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-283123号公報([0026])
【特許文献2】特開2005-49267号公報([0013]〜[0015],図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、バイオ技術等の分野で用いられる試薬には塩類や有機溶媒が多く含まれており、撥水性の基材に馴染んで広がり易いため液滴が球状に成り難い場合がある。この場合、分注のための駆動パラメータが同一条件であっても、標準サンプルを用いて求めた液滴容積と実際に分注する試薬等の液滴容積とに乖離がみられ、正確な分注量を算出することができない虞がある。
本発明が解決しようとする課題は、液体の物性に関係なくより正確な液滴の容積を求めることができる液体分注装置及び液体分注方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために成された本発明に係る液体分注装置は、
a) 先端から液滴を吐出する吐出部及び前記吐出部からの液滴の吐出を駆動する吐出駆動部を備えた吐出ユニットと、
b) 前記吐出駆動部の駆動パラメータの制御、及び、吐出された液滴数を記録する駆動制御部と、
c) 前記吐出ユニットから吐出された液滴が貯留される、底部から所定の高さ位置までの容量を当該所定の高さ位置における水平断面に関する情報を変数とする式で表すことができる定量用液体収容部と、
d)所定数の液滴が前記定量用液体収容部に貯留されたときの当該定量用液体収容部の液面画像を読み取る画像読取装置と、
e)前記画像読取装置が読み取った画像に基づいて前記定量用液体収容部の液面に関する情報を求め、この液面情報から前記定量用液体収容部に貯留された液滴一滴当たりの容量を算出し、算出された一滴当たりの液滴容量に基づいて液体を所定量分注するために必要な液滴数を算出する演算部とを備え、
前記駆動制御部は前記算出された液滴数を吐出するように前記吐出駆動部の駆動パラメータを調節することを特徴とする。
【0007】
又、本発明に係る液体分注方法は、先端から液滴を吐出する吐出部及び前記吐出部からの液滴の吐出を駆動する吐出駆動部を備えた吐出ユニットの前記吐出駆動部の駆動パラメータを制御することにより、予め設定された容量の液体試料を分注する液体分注方法であって、
a)底部から所定の高さ位置までの容量を、当該所定の高さ位置における水平断面に関する情報を変数とする式で表すことができる定量用液体収容部に、前記吐出ユニットから液滴を吐出するステップと、
b)前記定量用液体収容部に貯留された液滴が所定数に達したときの前記定量用液体収容部の液面画像を読み取るステップと、
c)読み取った画像に基づいて前記液面に関する情報を求め、この液面情報から前記定量用液体収容部に貯留された一滴当たりの液滴容積を算出するステップと、
d)算出された一滴当たりの液滴容積に基づいて液体を所定量分注するために必要な液滴数を算出するステップと、
e)前記算出された液滴数を吐出するように前記吐出駆動部の駆動パラメータを調節するステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、「水平断面に関する情報」とは、前記定量用液体収容部の所定高さ位置における水平断面形状が円形であるときは、半径や直径、面積であり、水平断面形状が多角形であるときは、一辺の長さや面積である。「液面情報」は「水平断面に関する情報」に対応する情報であり、半径や直径、一辺の長さ寸法、面積である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、実際に分注される液体試料を用いて一滴当たりの液滴容量を求め、その求めた液滴容量に基づき、前記液体試料の分注量が設定容量になるように吐出ユニットの吐出駆動部の駆動を制御するようにしたため、分注動作の定量性が向上する。また、定量用液体収容部を、底部から所定の高さ位置までの容量を、当該所定の高さ位置における水平断面に関する情報を変数とする式で表すことができる構成にし、前記定量用液体収容部に所定数の液滴を貯留したときの液面画像から一滴当たりの液滴容量を求めるようにしたので、撥水性の基材上で球形成が困難な種々の液体試料についても一滴当たりの液滴容量を容易に且つ正確に求めることができる。従って、液体試料の物性に関係なく正確な分注動作を行うことができる。
【0010】
この場合、前記定量用液体収容部が、下部から上部に向かって水平断面積が徐々に大きくなるように構成されていると、当該定量用液体収容部に所定数の液滴が貯留されたときの液面画像を正確に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例に係る液体分注装置の概略図。
【図2】分注素子の概略的な縦断面図。
【図3】テスト領域を機能ブロックと共に示す図。
【図4】凹部に貯留された液体の液面画像から液体容量を算出する方法を説明するための図。
【図5】分注液滴定量動作を示すフローチャート。
【図6】他の分注液滴定量動作の例を説明するための図。
【図7】定量用液体収容部の他の例を示す図。
【図8】定量用液体収容部の別の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本実施例に係る液体分注装置を概略的に示したものである。この液体分注装置10は、本体10aおよび蓋10bから成るケース内に、テーブル12、吐出ユニットであるプリントヘッド14、CCDカメラ16およびスキャナ18を収容した構成となっている。
【0013】
プリントヘッド14の下面部には、試薬などを分注するための4個の分注素子20が一列に並べられて固定されている。図2に示すように、前記分注素子20は、先端の吐出部22と液溜め24とを繋ぐキャピラリー26を取り囲むようにピエゾ素子28が配置されており、前記ピエゾ素子28の駆動によりキャピラリー26が押されて吐出部22から液滴Lが吐出する。前記ピエゾ素子28が本発明の吐出駆動部となる。分注素子20は、吐出部22のノズル径が例えば55μmと非常に小さいことから、1滴当たりの容積が87pl(ピコリットル)といったピコリットルオーダーの液滴を吐出することができる。液溜め24に収容され分注対象となる液体試料は分析対象の試料や分析に用いられる試薬などであり、DNA、RNAなどの核酸、酵素、抗原、抗体などタンパク質、化学試薬などを含む液体試料などが挙げられる。
【0014】
テーブル12の上には例えば2枚のサンプルプレート34が載置されるようになっている。テーブル12は水平面内をXY方向(図1に矢印X,Yで示す方向)に移動できる可動テーブルであり、分注時には、指定された分注素子20の下方部にサンプルプレート34を位置決めし、画像取り込み時には、テーブル12上の撮像すべき部分をスキャナ18の下方部に位置決めする。
【0015】
サンプルプレート34は例えば上面にメンブレン341が貼り付けられる平板から成る。メンブレン341には、例えばSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)ポリアクリルアミドゲル電気泳動やその他のクロマトグラフィによって一次元方向に分離されて展開したタンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸等の分子又はそれらの混合物が固相化されている。サンプルプレート34としては、1つまたは複数の試料切片を貼り付けたスライドガラスとしてもよい。
【0016】
また、テーブル12上には、定量用分注作業を行うための定量分注領域36、分注素子20のメインテナンス領域38が設けられている。定量用分注作業は、サンプルプレート34に試薬又は試料液を分注する作業を開始する前に行われるもので、分注素子20の吐出部22から吐出される液滴1滴当たりの容積を求める作業である。定量分注領域36及び定量用分注作業については後述する。
【0017】
メインテナンス領域38には例えばスポンジが設けられており、分注素子20の先端に液や汚れが付着した場合に前記メインテナンス領域38が分注素子20の下に移動され、前記スポンジによって分注素子20の先端についた液や汚れが拭き取られるようになっている。
なお、図示しないが、テーブル12の表面にはテーブル12上に配置されるサンプルプレート34の位置の基準となるベースポイントとしてのマークが設けられている。マークは、分注位置を情報として取り出す場合の基準となるものであり、スキャナ18で取得した画像上の位置とテーブル12の動きとを合わせる基準となるものである。
【0018】
CCDカメラ16は、分注素子20から試薬等を分注するときに該分注素子20の先端部の画像を取り込み、分注の様子をモニタするためのもので、本体10a内の左端部に配置されている。CCDカメラ16は、サンプルプレート34や定量分注領域36に対していずれの分注素子20が分注動作を行う場合でもその分注素子20の先端部の画像を取り込むことができるように構成されている。
【0019】
次に、定量分注領域36及び定量用分注作業について図3〜図5を参照して説明する。図3はテーブル12上の定量分注領域36等を機能ブロックと共に表したものである。定量分注領域36には下部から上部に向かって水平断面が徐々に大きくなる例えば円錐状の凹部40aを備えたウェル40が設けられている。前記CCDカメラ16は、分注素子20の先端部の画像の他、凹部40aの上面の画像をも取り込むことができるように構成されている。CCDカメラ16が取り込んだ画像は画像処理装置41に入力される。画像処理装置41は、画像記憶部43と画像処理部45を備えている。画像処理部45には画像表示部47が接続されている。分注素子20から凹部40aに吐出された液滴数が所定数に達したことが駆動制御部49から画像処理装置41に伝達されると、画像記憶部43はCCDカメラ16が取り込んだ画像を記憶する。画像記憶部43に記憶されている画像は画像処理部45にて二値化や輪郭抽出などの画像処理が施され、凹部40a内に貯留された液体の液面の半径が求められる。尚、画像処理部45では直径を求めるようにしても良い。
【0020】
図4に、凹部40aの拡大図を示す。凹部40aは、上部開口面の半径がR、凹部40aの底部から上部開口面までの高さがHである円錐状の容器である。これらR、Hの値は予め求められている。
今、凹部40aに貯留された液体の上面(液面)の半径をrとすると、その時点での凹部40aの底面から液面までの高さhは、次の式(1)で表される。
=r/R ×H ・・・・(1)
よって、その時点での底部から液面までの容積Vは次の式(2)で表される。
=πr/3=πr/3 ・・・(2)
このように、CCDカメラ16で取り込んだ液面の画像から半径rが求められれば、凹部40a内に貯留された液体の容積を算出することができる。液面の半径rと凹部40a内に貯留された液滴の容積Vとの関係を表す式(2)は演算部51に予め記憶されている。
【0021】
駆動制御部49は、分注素子20が吐出した液滴数が予め設定された所定値に達すると、画像処理部45から液面の半径rを読み込み、液滴数及び半径rを演算部51に出力する。演算部51は、液面の半径から凹部40a内の液体の容積を求め、この容積と液滴数とから1滴当たりの液滴容積を算出し、さらに、所定量の液体を分注するために必要な液滴数を算出する。本実施例では凹部40aが定量用液体収容部となる。「所定量」とは、サンプルプレート34に対する液体試料の分注量であり、作業者によって予め設定される。
【0022】
このように所定量の液体を分注するために必要な液滴数が演算部51によって算出されると、駆動制御部49はピエゾ素子28への印加電圧の大きさや印加時間、印加電圧の立ち上がり時間・立ち下がり時間の全て又はこれらのうちの少なくとも1つを含む駆動パラメータを調節することによりピエゾ素子28の駆動を制御する。これにより、分注素子20の吐出部22から液滴が吐出される。
【0023】
図5は分注動作処理を示すフローチャートである。本実施例では、サンプルプレート34への液体試料の分注作業(以下、「分析用分注作業」という)に先立ち定量用分注作業が行われる。まず、駆動パラメータが設定されると(S1)、この駆動パラメータに従って駆動制御部49はピエゾ素子28の駆動を制御し、定量用分注作業を実行する(S2)。そして、凹部40aに吐出された液滴の数が所定値に達すると、駆動制御部49は画像記憶部43に記憶されているウェル40内に貯留された液体の液面L画像を取り込み(S3)、画像処理により液面LPの半径rを求める(S4)。演算部51は、予め記憶する演算式を用い、液面の半径rからウェル40内に貯留された液体の容量を求め(S5)、この液体容量と液滴数とから1滴当たりの液滴容積を算出する(S6)。次いで、サンプルプレート34に分注する液体試料の量(以下「分注液量」)を設定し(S7)、この分注液量と液滴容積とから、当該分注液量の液体を分注するために必要な液滴数を算出する(S8)。
【0024】
続いて、駆動制御部49は、S1にて設定された駆動パラメータ及びS7にて算出された液滴数に従い、サンプルプレート34に対して分析用分注作業を実行する(S9)。また、連続して複数回の分析用分注作業が行われる場合は(S10にてNo)、各分析用分注作業の前に分注液量が設定され、該分注液量と1滴当たりの液滴容積から液滴数が算出される。
【0025】
なお、CCDカメラ16による液面画像の取り込み回数を2回にし、第1撮像時点の液面半径と、第2撮像時点の液面半径とから1滴当たりの液滴容量を求めるようにしても良い。具体的には、図6に示すように、第1撮像時点の液面の直径を2r、高さをhとし、第2撮像時点の液面の直径を2R、高さをHとすると、第1撮像時点から第2撮像時点までにウェル40に吐出された液滴の総容量Vは次の式で与えられる。
V=πRH/3−πrh/3
【0026】
上述したように、ウェル40の凹部40aの底部から液面までの高さは液面半径の関数で表されるため、液面半径が求められれば、第1撮像時点から第2撮像時点までにウェル40に吐出された液滴の総容量Vを求めることができる。
【0027】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
定量用液体収容部は角錐状の他、図7に示すような形状でも良い。図7に示す定量用液体収容部は、底面が長さdとWの辺からなる長方形であり、上部開口面が長さdとWの辺からなる長方形で、底面から上部開口面までの高さがHの容器である。すなわち、図7に示されるように、対向する一対の台形の側面を有する。これら、d、H、Wa、の値は予め求められている。
分注開始後、第1撮像時点での液面について、液面を形成する長方形の辺のうち、前記台形側面と接する1辺をWとすると、第1撮像時点での容器の底面から液面までの高さhは、(3)式で表される。
=(w−w)/(w−w)×H ・・・・(3)
分注開始後、第1撮像時点での、底面から液面までの容積は(4)式で表される。
=(w+w)×h/2 × d
=(w+w)×(w−w)/(w−w)×H/2×d ・・・(4)
これより、CCDカメラ16で取り込んだ液面の画像から液面の1辺の長さwが求められれば、液滴容量を算出することができる。
【0028】
図8は定量用液体収容部の別の変形例を示す。図8に示す定量用液体収容部は、円錐形と円筒形を組み合わせた形状を有しており、底部から高さhまでの水平断面積は一定であるが、高さがhを超えると水平断面積は徐々に増加する。この場合は、所定数の液滴が貯留されたときの定量用液体収容部の液面の高さhが高さhよりも大きくなるように設定する。そうすれば、容器内に貯留された液滴の容量は液面面積を変数とする式で表すことができるため、撮像された液面画像から容器内に貯留された液滴の容量を求めることができ、その結果、液滴一滴当たりの容量を求めることができる。
【0029】
定量用液体収容部内に貯留された液体容積を求める式は、CCDカメラが取り込んだ液面画像の画像処理を施して求められる情報、例えば液面が円形状であるときは直径や半径、液面が多角形状であるときは一辺の長さ寸法を変数とする式で表すことができる。また、ほか、液面の面積を変数とする式で表すこともできる。
【0030】
分注素子は、シリンジポンプを駆動源とするものでも良い。この場合の制御信号は、シリンジポンプのプランジャのストローク、速度、加速度のうちの少なくとも一つを含んだ駆動パラメータとすることができる。CCDカメラとしては、図1では分注素子20の先端部の画像の他、凹部40aの上面の画像をも取り込むことができるような構成としたが、少なくとも凹部40aの上面の画像を取り込むことができればよい。
【符号の説明】
【0031】
10・・・液体分注装置
12・・・テーブル
14・・・プリントヘッド
16・・・CCDカメラ(画像読取装置)
18・・・スキャナ
20・・・分注素子
22・・・吐出部
28・・・ピエゾ素子
34・・・サンプルプレート
36・・・定量分注領域
40・・・ウェル
41・・・画像処理装置
43・・・画像記憶部
45・・・画像処理部
47・・・画像表示部
49・・・駆動制御部
51・・・演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)先端から液滴を吐出する吐出部及び前記吐出部からの液滴の吐出を駆動する吐出駆動部を備えた吐出ユニットと、
b)前記吐出駆動部の駆動パラメータの制御、及び、吐出された液滴数を記録する駆動制御部と、
c)前記吐出ユニットから吐出された液滴が貯留される、底部から所定の高さ位置までの容量を当該所定の高さ位置における水平断面に関する情報を変数とする式で表すことができる定量用液体収容部と、
d)所定数の液滴が前記定量用液体収容部に貯留されたときの当該定量用液体収容部の液面画像を読み取る画像読取装置と、
e)前記画像読取装置が読み取った画像に基づいて前記定量用液体収容部の液面に関する情報を求め、この液面情報から前記定量用液体収容部に貯留された液滴一滴当たりの容量を算出し、算出された一滴当たりの液滴容量に基づいて液体を所定量分注するために必要な液滴数を算出する演算部と
を備え、
前記駆動制御部は前記算出された液滴数を吐出するように前記吐出駆動部の駆動パラメータを調節する液体分注装置。
【請求項2】
前記定量用液体収容部が、下部から上部に向かって水平断面積が徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体分注装置。
【請求項3】
先端から液滴を吐出する吐出部及び前記吐出部からの液滴の吐出を駆動する吐出駆動部を備えた吐出ユニットの前記吐出駆動部の駆動パラメータを制御することにより、予め設定された容量の液体試料を分注する液体分注方法において、
a)底部から所定の高さ位置までの容量を、当該所定の高さ位置における水平断面に関する情報を変数とする式で表すことができる定量用液体収容部に、前記吐出ユニットから液滴を吐出するステップと、
b)前記定量用液体収容部に貯留された液滴が所定数に達したときの前記定量用液体収容部の液面画像を読み取るステップと、
c)読み取った画像に基づいて前記液面に関する情報を求め、この液面情報から前記定量用液体収容部に貯留された一滴当たりの液滴容積を算出するステップと、
d)算出された一滴当たりの液滴容積に基づいて液体を所定量分注するために必要な液滴数を算出するステップと、
e)前記算出された液滴数を吐出するように前記吐出駆動部の駆動パラメータを調節するステップと
を備えることを特徴とする液体分注方法。
【請求項4】
前記定量用液体収容部が、下部から上部に向かって水平断面積が徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体分注方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−95213(P2011−95213A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251966(P2009−251966)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】