説明

液体混合方法及び液体混合装置

【課題】A液タンクに収容されたA液とB液タンクに収容されたB液を配管内で所望の比率で混合した混合液を得る液体混合装置の製造コストを低減する。
【解決手段】液体混合装置は、A液タンク1aに収容されたA液を送液するためのA液配管3aと、B液タンク1bに収容されたB液を送液するためのB液配管3bと、A液配管3aとB液配管3bが合流された混合液配管7を備えている。A液タンク1a及びB液タンク1bは圧力調整できる容器である。A液タンク1a内の圧力を調節するためのA液タンク内圧力調節機構17aと、B液タンク1b内の圧力を調節するためのB液タンク内圧力機構17bを備えている。A液タンク内圧力調節機構17aによってA液タンク1a内でA液面に加える圧力と、B液タンク内圧力調節機構17bによってB液タンク1b内でB液面に加える圧力とを相対的に変化させることによって、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体混合方法及び液体混合装置に関し、特に、A液タンクに収容されたA液を送液するためのA液配管と、B液タンクに収容されたB液を送液するためのB液配管とを合流させる場合に、混合液配管へ導き、混合液配管でA液とB液を所望の比率で混合した混合液を得る液体混合方法及びそれに用いる液体混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14から図19は、従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
図14に示す液体混合装置は、A液タンク101aからのA液配管103aとB液タンク101bからのB液配管103bをティーズ105にて結合し、ティーズ105からの混合液配管107に設けられたミキサー109でA液とB液を混合させ、その混合液をユースポイントに送液する系である。この系では、重力落下にて、配管103a,103b,107内の流速を確保する。
【0003】
A液とB液の混合比率は、A液配管103aに設けられたA液流量可変バルブ111aとB液配管103bに設けられたB液流量可変バルブ111bにて、配管103a,103bの断面積を調整して、A液、B液の流量を可変にすることによって調整される。A液とB液の流量の調整には、流量可変バルブ111a,111bの下流に設けられたA液流量計113a、B液流量計113bの指示値が使用される。
【0004】
図15に示す液体混合装置は、図14に示した構成に加え、混合液配管107に送液ポンプ115を備えた系である。この系では、送液ポンプ115にて、配管103a,103b,107内の流速を確保する。送液ポンプ115は、ミキサー109の下流側に挿入されている。
【0005】
この場合、A液とB液の混合比率は、流量可変バルブ111a,111bにて、配管103a,103bの断面積を調整して、A液、B液の流量を可変にすることによって調整される。A液とB液の流量の調整には、流量可変バルブ111a,111bの下流に設けられたA液流量計113a、B液流量計113bの指示値が使用される。
【0006】
図16に示す液体混合装置は、図14に示した構成の流量可変バルブ111a,111bに替えて、A液配管103aにA液送液ポンプ117aを備え、B液配管103bにB液送液ポンプ117bを備えた系である。この系では、送液ポンプ117a,117bにて、配管103a,103b,107内の流速を確保する。
【0007】
この液体混合装置において、A液とB液の混合比率は、送液ポンプ117a,117bの稼働率を変えて、A液、B液のそれぞれの配管103a,103b内の流量を可変にすることによって調整される。A液とB液の流量の調整には、送液ポンプ117a,117bの下流に設けられたA液流量計113a、B液流量計113bの指示値が使用される。
【0008】
図17に示す液体混合装置は、図16に示した構成のティーズ105に替えてバッファタンク119を備え、ミキサー109に替えてバッファタンク内ミキサー121を備えた系である。
送液ポンプ117a,117bにて、A液タンク101aとB液タンク101bからA液とB液をバッファタンク119に入れる。A液とB液の流量の調整には、A液流量計113a、B液流量計113bの指示値が使用される。
【0009】
この系において、A液流量計113a、B液流量計113bは例えば積算流量計である。A液とB液がバッファタンク119内にとどまっている時間に、流量計113a,113bの積算値がバッファタンク119に収容されているので、A液とB液の混合比率は計算より求めることができる。
バッファタンク119に設置されているミキサー121によりA液とB液を混合し、混合が終了した後、混合液はユースポイントへと送液される。
【0010】
図18は、図17に示した構成の流量計113a,113bに替えて液面計123を備えた系である。
送液ポンプ117a,117bにて、A液タンク101aとB液タンク101bからA液とB液をバッファタンク119に入れる。バッファタンク119には、液面計123が設置されており、まずバッファタンク119が空の状態から、送液ポンプ117aを稼働させて、指定の液面になるまで、A液をバッファタンク119に入れる。次に送液ポンプ117bを稼働させ、指定の液面になるまで、B液バッファタンク119に入れる。バッファタンク119内の液面高さにより、バッファタンク119に入ったA液及びB液の容量が求められる。その容量値から、A液とB液の混合比率が計算より求められる。その後、バッファタンク119に設置してあるミキサー121によりA液とB液を混合し、混合が終了した後、混合液はユースポイントへと送液される。
【0011】
図19に示す液体混合装置は、A液タンク125aからのA液配管103aとB液タンク125bからのB液配管103bをティーズ105にて結合し、ティーズ105からの混合液配管107に設けられたミキサー109でA液とB液を混合させ、その混合液をユースポイントに送液する系である。A液タンク125a及びB液タンク125bは内部を加圧可能な容器である。A液タンク125aにはA液上の空間内を加圧するための加圧用配管127aが接続されている。B液タンク125bにはB液上の空間内を加圧するための加圧用配管127bが接続されている。加圧用配管127a,127bはともに加圧用配管127に接続されている。この系では、A液タンク125a内、B液タンク125b内へ一定の圧力を加えて、配管103a,103b,107内の流速を確保する。
【0012】
A液とB液の混合比率は、A液配管103aに設けられたA液流量可変バルブ111aとB液配管103bに設けられたB液流量可変バルブ111bにて、配管103a,103bの断面積を調整して、A液、B液の流量を可変にすることによって調整される。A液とB液の流量の調整には、流量可変バルブ111a,111bの下流に設けられたA液流量計113a、B液流量計113bの指示値が使用される。
【0013】
図14〜図19を参照して説明した従来の液体混合装置は、大きく分けて図14〜図16、図19のグループと、図17、図18のグループの2つに分類できる。
前者は、バッファタンクなしで、流量計113a,113bによりA液とB液の液流量を随時測定し、その測定データより混合比率を計算して、指定混合値になるように制御した混合液をユースポイントに送液することができる。
後者の図17は流量計113a,113bを使用して、図18は液面計123を使用して、バッファタンク119内の液容量を求めて混合比率を算出している。
【0014】
後者グループは以下の問題を有する。(1)前者グループと比較して、バッチ処理による混合であり、迅速性に欠ける。(2)バッファタンク分の液が常に存在することになり、残液が発生して、液使用効率が低下する場合がある。(3)バッファタンク分がかさ高になり、装置自体が大きくなるのと、その分のコスト高になる。(4)混合ムラが発生しやすい。
【0015】
また、図18の液体混合装置は、液面計123によりバッファタンク119内の液容量を測定しているが、バッファタンク119の重量測定より、バッファタンク119内のA液、B液の量を測定する場合もある。その場合の重量測定手段としては、重量センサーを使用するが、概してその価格は高いという問題があった。
【0016】
前者グループである図14〜図16、図19の液体混合装置は、流量可変バルブ111a,111bを使用するもの(図14、図15、図19)と、そうでないもの(図16)に分類できる。
図14,図15,図19の液体混合装置における流量可変バルブ111a,111bは、バルブの開度を調整して流量を調整するもので、一般的に使用されるが、液体の種類、温度、圧力、動作速度により、それに合ったものが選定される。流量可変バルブの種類によっては、高価であったり、複雑なため信頼性が低下したりする問題があった。また、耐薬品性を要求される場合は、接液部にフッ素樹脂を使用しなければならず、フッ素樹脂が有するクリープ特性により、再現性が劣るという問題があった。
【0017】
図16の液体混合装置は、流量可変バルブの代わりに、送液ポンプ117a,117bの稼働率を調整することにより流量を変えるものである。送液ポンプの場合は、流量可変バルブと同じで、液体の種類、温度、圧力、動作速度により、それに合ったものが選定される。流量可変バルブと同じく、送液ポンプの種類によっては、高価であったり、複雑なため信頼性が低下したりする問題があった。
【0018】
バッファタンク、A液流量可変バルブ、B液流量可変バルブ、A液用送液ポンプ及びB液送液ポンプを用いない液体混合装置が特許文献1に開示されている。図20にその液体混合装置の概略的な構成図を示す。
【0019】
図20に示す液体混合装置は、A液タンク125aからのA液配管103aとB液タンク101bからのB液配管103bをアスピレータ129にて結合し、アスピレータ129からの混合液配管107でA液とB液を混合させ、その混合液をユースポイントに送液する系である。A液タンク125aは内部を加圧可能な容器である。A液タンク125aにはA液上の空間内を加圧するための加圧用配管127aが接続されている。
【0020】
A液タンク125aへ一定の圧力が加えられて、アスピレータ129にA液が流されることにより、アスピレータ129に生じる吸引力でB液がアスピレータ129に流れ込み、混合液配管107でA液とB液が混合される。
この系では、A液タンク125a内の加圧により、配管103a,103b,107内の流速が確保される。
【0021】
また、図20の液体混合装置は、混合液配管107に、アスピレータ129側から順にティーズ131と混合液ストップバルブ133を備えている。ティーズ131にはドレイン配管135が接続されている。ドレイン配管135にはドレインストップバルブ137が設けられている。
【0022】
アスピレータ129にA液を流し始めた直後は、混合液配管107でのA液とB液の混合比率の精度が良くないため、混合液ストップバルブ133が閉じられ、ドレインストップバルブ137が開かれて、混合液はティーズ131からドレイン配管135へ導かれる。所定時間後、混合液ストップバルブ133が開かれ、ドレインストップバルブ137が閉じられて、混合液はユースポイントへ導かれる。
【0023】
図14から図20は従来の混合系を模式的に示したものであり、流量計、流量可変バルブ、ティーズ、ミキサー、送液ポンプ、バッファタンクは、形状や機構が変わっても、それぞれの機能が同じであれば、実際の液体混合装置は各部類に分けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2000−42390号公報
【特許文献2】特開平10−320056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
図20に示した液体混合装置は、バッファタンク、A液流量可変バルブ、B液流量可変バルブ、A液用送液ポンプ及びB液送液ポンプを備えていないので、上述の課題は解決できる。
【0026】
しかし、図20に示した液体混合装置では、アスピレータ129に吸引力を生じさせるためにA液タンク125aに高い圧力をかけなければならず、高圧に耐え得るA液タンク125aが必要であるという問題があった。高圧用のタンクを用いる場合、故障などで所定以上の圧力がタンク内にかかったときに備えて、タンクの破裂防止の設備を設ける必要がある。その設備は、例えば安全弁であったり、本質的に設計以上の圧力がかかっても破裂しないような設計であったりするが、コストが高く、装置が複雑になり、部品点数の増加で結果的に信頼性が低下する。
【0027】
さらに、図20に示した液体混合装置には、アスピレータ自体の問題もある。例えば、A液とB液の混合比率を変えるにはアスピレータを変更しなければならないという問題があった。また、アスピレータを用いた混合は混合比率が安定しにくい、アスピレータは高価である、アスピレータを用いた混合における混合比率が流量に対してリニアではない、などの問題もあった。
【0028】
本発明は、A液タンクに収容されたA液を送液するためのA液配管と、B液タンクに収容されたB液を送液するためのB液配管とを合流させて混合液配管へ導き、混合液配管でA液とB液を所望の比率で混合した混合液を得る液体混合方法及びそれに用いる液体混合装置において、装置の製造コストを低減することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明に係る液体混合方法は、A液タンクに収容されたA液を送液するためのA液配管と、B液タンクに収容されたB液を送液するためのB液配管とを合流させて混合液配管へ導き、混合液配管でA液とB液を所望の比率で混合した混合液を得る液体混合方法であって、送液手段として送液ポンプ又は重力落下を用い、上記A液タンク及び上記B液タンクとして圧力調整できる容器を用い、上記A液タンク内でA液面に加わる圧力と上記B液タンク内でB液面に加わる圧力とを相対的に変化させることによって、A液を送液する能力とB液を送液する能力を制御してA液流量とB液流量を変化させ、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させる。
【0030】
本発明に係る液体混合装置は、A液タンクに収容されたA液を送液するためのA液配管と、B液タンクに収容されたB液を送液するためのB液配管と、A液配管とB液配管が合流された混合液配管とを備えた液体混合装置であって、送液ポンプ又は重力落下により送液を行ない、上記A液タンク及び上記B液タンクは圧力調整できる容器であり、上記A液タンク内の圧力を調節するためのA液タンク内圧力調節機構と、上記B液タンク内の圧力を調節するためのB液タンク内圧力機構とを備え、上記A液タンク内圧力調節機構によって上記A液タンク内でA液面に加える圧力と、上記B液タンク内圧力調節機構によって上記B液タンク内でB液面に加える圧力とを相対的に変化させることによって、A液を送液する能力とB液を送液する能力を制御して、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させる。
【0031】
A液タンク内でのA液面へ加える圧力とB液タンク内でのB液面へ加える圧力とを相対的に変化させると、A液配管内のA液流量とB液配管内のB液流量の比率が変化し、混合液でのA液とB液の混合比率が変化するので、A液面への圧力とB液面への圧力を制御することにより、A液とB液を所望の比率で混合した混合液が得られる。
【0032】
また、A液タンク内とB液タンク内との差圧をある一定以上にすることにより、ストップバルブなどの切替え弁をA液配管及びB液配管に設けなくても、A液のみ又はB液のみを混合液配管に流すこともできる。ただし、本発明の液体混合装置において、A液配管、B液配管にストップバルブなどの切替え弁を配置することを排除するものではない。
【0033】
ストップバルブを使用せずに、A液のみ又はB液のみを流すことができる理由は以下のものによる。A液配管とB液配管の合流部分で、A液、B液の流路ができるが、A液の送液圧力とB液の送液圧力の差がある値以上になり、例えばA液に圧力が加えられてA液配管とB液配管の合流部分にA液のみが流れ出すと、その合流部分にA液のみの流路が形成される。その流路は、液の粘性のためにあたかもA液そのもので構成された配管のようなもので、合流部分へのB液の進入を阻む状況になる。この状態で、B液側に多少圧力がかかっても、A液の流路障壁を破ることができなければ、合流部分にB液は流れ込まない。
A液、B液ともに合流部分に流れ込む状況(後述する実施例での比例領域)では、各液へ加わる圧力比率により、流量が比例して、混合される。
【0034】
本発明の液体混合方法及び液体混合装置において、上記A液タンク内でA液面に加わる圧力と上記B液タンク内でB液面に加わる圧力は、上記タンクを設置している場所の大気圧に対して負圧、又は上記大気圧から上記大気圧の約1.1倍の圧力の範囲内である。
【0035】
また、A液タンク及びB液タンクの耐圧の例は、約−0.1MPa(メガパスカル)〜約10,000Pa(パスカル)の範囲内の低耐圧である。
【0036】
本発明の液体混合方法及び液体混合装置において、各種条件が一定であるならば、A液面への圧力とB液面への圧力の制御により、混合液でのA液とB液の比率と、混合液の流量を決定できる。
各種条件の変動として、例えば、A液タンク液面高さ、B液タンク液面高さが変化すると、A液、B液の流量が変化することが知られている(特許文献2を参照。)。また、発明者の知見として、A液、B液の温度、配管の温度、A液流量、B液流量により、混合液のA液とB液の混合比率は変化する。そのことから、A液、B液への液面へ加える圧力値だけでは所望の混合比率の混合液を得ることができない場合がある。
【0037】
このような場合は、A液配管、B液配管に流量計などの流量に相関するセンサーを設けて、A液、B液が所定の流量になるように、A液タンク内、B液タンク内の液面に加える圧力を制御、調整するようにしてもよい。
【0038】
また、A液とB液の混合後のA液とB液の比率に相関のある値を計測するセンサーを混合液配管に設けて、所望の混合比率になるように、A液タンク内、B液タンク内の液面に加える圧力を制御、調整するようにしてもよい。
【0039】
本発明の液体混合装置において、A液とB液を確実に混合させるために、混合液配管に混合器を設置してもよい。混合器と、混合液配管に上記センサーを設ける場合には、上記センサーは混合器の下流側に設けることが好ましい。ただし、混合器が混合液配管に配置される位置は特に限定されず、混合液配管の任意の位置である。
【0040】
混合後の出口であるユースポイントがA液タンクとB液タンクのそれぞれの液面よりも低い箇所に設けられている場合には、A液、B液及び混合液の送液手段として、重力落下を用いることができる。この場合は、A液タンク、B液タンクに加える圧力が、そのままユースポイントへ液を送液するための圧力にもなる。
【0041】
ところが、ユースポイントは、大気圧又は液槽内など、大気圧以上の圧力であることがほとんどである。この場合、A液タンク、B液タンクに加える圧力は大気圧よりも高い圧力であるようにすれば送液できる。
また、A液タンク、B液タンクからユースポイントまで、流量比で細い配管であったり、各液の粘度が高かったりする場合は、送液に必要な圧力が高圧になる場合が多い。
その場合、従来技術では、A液タンク、B液タンクは高耐圧タンクである必要があった。
【0042】
本発明の液体混合装置において、このような場合に対応すべく、混合液配管に送液ポンプを備えているようにしてもよい。送液ポンプにより混合液配管内の液体を送液することにより、A液タンク、B液タンクとして高耐圧のものを用いる必要がなくなる。送液ポンプが混合液配管に配置される位置は特に限定されず、混合液配管の任意の位置である。
【0043】
各タンクに加えられている高圧の圧力を調整する場合は、その制御誤差というのは、圧力にほぼ比例している。例えば、1MPaで加圧している場合、1%精度の圧力制御装置は、0.01MPaの圧力精度で制御できる。同じ精度の圧力制御装置で、0.1MPaで加圧している場合は、0.001MPaの圧力精度で制御できる。つまり、A液タンク、B液タンクに加えられている圧力を調整する場合、高圧が加えられている場合よりも、低圧の方が精度の高い圧力制御ができる。
【0044】
また、タンク内の液には、人体に有害な薬液の場合があり、特許文献1ではフッ酸が用いられている。特許文献1ではフッ酸側のタンクには圧力をかけず大気圧であるのは、特許文献1中では記載されていないが、装置トラブル時のタンク破裂によるフッ酸飛散を防止する意図があると考えられる。
また、高耐圧タンクはその構造上、肉厚で頑丈な構造で大型になり、安全弁の装備等でタンク自体のコストアップになる問題がある。
【0045】
本発明では、混合液配管に送液ポンプを設置して、各タンク側からは吸引して、送液ポンプの吐出側からユースポントまでが、大気圧以上になるようにできる。この場合、A液タンク、B液タンクからポンプの入り口側までの配管内圧力は、大気圧以下にもなり得る。そして、トラブルなどで配管の漏れや、配管継手外れの場合にも液が飛散せず、安全性が高まる。
さらに、A液タンク、B液タンクの圧力調整は、微差圧でよく、精度の高い圧力制御が可能となる。
さらに、A液タンク内及びB液タンク内が負圧(大気圧よりも小さい圧力)又は大気圧になる場合には、A液タンク内圧力調節機構及びB液タンク内圧力調節機構として、加圧機構は不要であり、A液タンク外部(大気圧)とA液タンク内部との流通路に設けられた弁の開度、及び、B液タンク外部(大気圧)とB液タンク内部との流通経路に設けられた弁の開度を制御するだけで、それぞれのタンク内圧力の調整が可能となる。
【0046】
ところで、図20に示した従来の液体混合装置では、混合液配管107を分岐するためにドレイン配管135及びストップバルブ133,137を備えている。ストップバルブは、構造上、流量可変バルブとよく似ていて、上述の流量可変バルブと同様の問題点を有する。
【0047】
そこで、本発明の液体混合方法において、上記混合液配管の出口に第1分岐配管及び第2分岐配管を接続し、上記第1分岐配管の出口に圧力調整できる容器からなる分岐配管タンクを接続し、上記第1分岐配管タンク内の圧力を変化させることによって、上記第1分岐配管側へ流れる液と上記第2分岐配管側へ流れる液の流量比率を変化させるようにしてもよい。
また、本発明の液体混合装置において、上記混合液配管が分岐された第1分岐配管及び第2分岐配管と、上記第1分岐配管の出口に接続された圧力調整できる容器からなる分岐配管タンクと、上記分岐配管タンク内の圧力を調節するための分岐配管タンク内圧力調節機構と、をさらに備えているようにしてもよい。
ここで、第2分岐配管の出口は、例えばユースポイントであり、大気圧であってもよいし、大気圧よりも大きい圧力であってもよい。
【0048】
分岐配管タンク内の圧力を変化させることによって、第1分岐配管内の圧力と第2分岐配管内の圧力の差を調整できる。この圧力差をある一定以上にした場合、液が第1分岐配管側のみに流れる状態、又は、第2分岐配管側のみに流れる状態にでき、ストップバルブなどの切替え弁をなしで、液を分岐できる。これにより、さらに液体混合装置の製造コストを低減できる。
精度の高い分岐比率を得るためには、第1分岐配管もしくは第2分岐配管又はその両方の液流量をセンサーで測定して、所望値からのずれ量に基づいて第1分岐配管内と第2分岐配管内の差圧を制御して、各分岐配管内で所望の流量を得るようにすればよい。
【0049】
分岐配管タンクの耐圧の例は、約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内の低耐圧である。
また、送液ポンプを用いる場合は、送液ポンプは混合液配管又は第2分岐配管に配置される。
【発明の効果】
【0050】
本発明の液体混合方法では、A液タンク及びB液タンクとし圧力調整できる容器を用い、A液タンク内でA液面に加わる圧力とB液タンク内でB液面に加わる圧力とを相対的に変化させることによって、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させるようにした。
本発明の液体混合装置では、A液タンク及びB液タンクは圧力調整できる容器であり、A液タンク内の圧力を調節するためのA液タンク内圧力調節機構と、B液タンク内の圧力を調節するためのB液タンク内圧力機構とを備え、A液タンク内圧力調節機構によってA液タンク内でA液面に加える圧力と、B液タンク内圧力調節機構によってB液タンク内でB液面に加える圧力とを相対的に変化させることによって、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させるようにした。
これにより、バッファタンク、A液流量可変バルブ、B液流量可変バルブ、A液用送液ポンプ、B液用送液ポンプ及びアスピレータを用いることなく、所望の混合比率のA液とB液の混合液を得ることができ、液体混合装置の製造コストを低減できる。
【0051】
本発明の液体混合方法及び液体混合装置において、A液タンク内でA液面に加わる圧力とB液タンク内でB液面に加わる圧力は、それらのタンクを設置している場所の大気圧に対して負圧、又は上記大気圧から上記大気圧の約1.1倍の圧力の範囲内であるようにしたり、A液タンク及びB液タンクの耐圧は約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内の低耐圧であるようにしたりすれば、高価な高耐圧タンクを用いないので、液体混合装置の製造コストを低減できる。さらに、低い圧力の範囲内でA液面及びB液面に加えるので、高い圧力を用いる場合に比べて圧力制御の精度が増し、ひいては混合比率の精度が向上する。
【0052】
本発明の液体混合方法において、混合液配管の出口に第1分岐配管及び第2分岐配管を接続し、第1分岐配管の出口に圧力調整できる容器からなる分岐配管タンクを接続し、第1分岐配管タンク内の圧力を変化させることによって、第1分岐配管側へ流れる液と第2分岐配管側へ流れる液の流量比率を変化させるようにしてもよい。
本発明の液体混合装置において、混合液配管が分岐された第1分岐配管及び第2分岐配管と、第1分岐配管の出口に接続された圧力調整できる容器からなる分岐配管タンクと、分岐配管タンク内の圧力を調節するための分岐配管タンク内圧力調節機構と、をさらに備えているようにしてもよい。
これにより、ストップバルブなどの切替え弁を用いることなく、混合液配管内を流れる液を第1分岐配管と第2分岐配管に分岐することができる。
【0053】
本発明の液体混合方法及び液体混合装置において、分岐配管タンクを用いる場合、分岐配管タンクの耐圧は約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内の低耐圧であるようにすれば、高価な高耐圧タンクを用いないので、液体混合装置の製造コストを低減できる。さらに、低い圧力の範囲内で分岐配管タンク内の圧力を制御するので、高い圧力を用いる場合に比べて圧力制御の精度が増す。
【0054】
本発明の液体混合装置において、混合液中のA液濃度又はB液濃度の少なくとも一方を測定するために混合液配管に設けられた測定部を備えているようにすれば、混合液でのA液とB液の混合比率を随時監視できる。
この場合、測定部の測定データに基づき、混合液が所望のA液とB液の混合比率になるようにA液タンク内でA液面に加わる圧力とB液タンク内でB液面に加わる圧力とをフィードバック制御をかける制御部を備えているようにすれば、迅速かつ自動で所望の混合比率の混合液を得ることができる。
【0055】
また、A液配管に設けられたA液流量計と、B液配管に設けられたB液流量計を備えているようにすれば、混合液でのA液とB液の混合比率を随時監視できる。
この場合、A液流量計及びB液流量計の測定データに基づき、混合液が所望のA液とB液の混合比率になるようにA液タンク内でA液面に加わる圧力とB液タンク内でB液面に加わる圧力とをフィードバック制御をかける制御部を備えているようにすれば、迅速かつ自動で所望の混合比率の混合液を得ることができる。
【0056】
また、A液とB液を混合するために混合液配管に設けられた混合器を備えているようにすれば、混合液配管でA液とB液を確実に混合させることができる。
【0057】
また、混合液を送液するために混合液配管に設けられた送液ポンプを備えているようにすれば、送液に重力落下を用いる場合に比べて流速制御の迅速性及び範囲が増す。さらに、送液ポンプの駆動により、A液タンク内及びB液タンク内を負圧にする構成にすれば、A液タンク内圧力調節機構及びB液タンク内圧力調節機構として、加圧機構ではなく、弁の開度によりタンク内圧力を調整する構造の簡単なものを用いることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】液体混合装置の一実施例を概略的に示す図である。
【図2】図1の液体混合装置で混合比率を制御した一例における、IPA濃度と、A液タンクとB液タンクの差圧の関係を示す図である。
【図3】図2に理論カーブを表示した図である。
【図4】図1の液体混合装置で混合比率を制御した他の例における、IPA濃度と、A液タンクとB液タンクの差圧の関係を示す図である。
【図5】図2に理論カーブを表示した図である。
【図6】液体混合装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【図7】図6の液体混合装置で廃液配管側へ流れる液の流量とユースポイント配管側へ流れる液の流量の比率を変化させたときの、ユースポイント側への流量と、廃液タンク内に加える圧力との関係を示す図である。
【図8】液体混合装置のさらに他の実施例を概略的に示す図である。
【図9】液体混合装置のさらに他の実施例を概略的に示す図である。
【図10】液体混合装置のさらに他の実施例を概略的に示す図である。
【図11】同実施例の混合部の平面図と側面図を示す図である。
【図12】同実施例のミキシング部内における液体の流れを矢印で示す平面図である。
【図13】同実施例のチップを構成する、接合前のガラス間仕切り板及び2枚のガラス板を示す側面図である。
【図14】従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【図15】他の従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【図16】さらに他の従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【図17】さらに他の従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【図18】さらに他の従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【図19】さらに他の従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【図20】さらに他の従来の液体混合装置を説明するための概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、液体混合装置の一実施例を概略的に示す図である。
A液を収容するためのA液タンク1aと、B液を収容するためのB液タンク1bが設けられている。A液タンク1aに収容されたA液を送液するためのA液配管3aと、B液タンク1bに収容されたB液を送液するためのB液配管3bと、A液配管3aとB液配管3bを合流させるためのティーズ5と、ティーズ5に接続され、A液とB液の混合液を送液するための混合液配管7が設けられている。
【0060】
混合液配管7に、上流側から順に、ミキサー(混合器)9、測定部11、送液ポンプ13が設けられている。ミキサー9はA液とB液を混合するためのものである。測定部11は混合液中のA液濃度又はB液濃度の少なくとも一方を測定するためのものである。送液ポンプ13は配管3a,3b,7内の液をユースポイントへ送液するためのものである。ミキサー9、測定部11、送液ポンプ13を並べる順序は特に限定されない。ただし、ミキサー9は測定部11よりも上流側に配置されることが好ましい。
【0061】
A液タンク1a及びB液タンク1bは圧力調整できる容器である。A液タンク1a及びB液タンク1bは高圧に耐え得るものである必要はなく、例えば±2000Pa(約±0.02kg/cm2)の微圧の圧力制御ができるものであればよい。A液タンク1a及びB液タンク1bは、例えば市販されているポリエチレン製のものである。
【0062】
A液タンク1aには、A液タンク1a内の圧力を調節するための圧力調節用配管15a及びA液タンク内圧力調節機構17aが接続されている。B液タンク1bには、B液タンク1b内の圧力を調節するための圧力調節用配管15b及びB液タンク内圧力調節機構17bが接続されている。圧力調節機構17a,17bは例えば加圧及び減圧の動作が可能なものである。圧力調節機構17a,17bは例えばエアー圧によってタンク1a,1b内の圧力を調節する。
【0063】
圧力調節機構17a,17bの動作を制御するための制御部19が設けられている。制御部19は、測定部11の測定データに基づき、混合液が所望のA液とB液の混合比率になるように圧力調節機構17a,17bにフィードバック制御をかける。
【0064】
この実施例では、送液ポンプ13によって配管3a,3b,7内の液をユースポイントへ送液する。このとき、圧力調節機構17aによってA液タンク1a内でA液面に加える圧力と、圧力調節機構17bによってB液タンク内でB液面に加える圧力とを相対的に変化させることによって、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させる。
【0065】
ミキサー9を通過した後の混合液のA液濃度もしくはB液濃度又はその両方を測定部11で測定する。測定部11の測定データに基づいて、制御部19により、所望の混合比の混合液が得られるように圧力調節機構17a,17bが制御される。ユースポイントへの混合液流量は、送液ポンプ13の稼働率で可変にできる。また、混合液流量は、圧力調節機構17a,17bによってタンク1a,1b内でA液面及びB液面に加える圧力を変化させることによっても可変である。
【0066】
A液とB液の混合比率の制御方法は、測定部11の測定データから、現在流れている混合液の混合比率が、設定された値よりも高いか低いかを、制御部19で判断する。例えば、A液の比率が高い場合、A液タンク1a内でのA液面への加圧を低くするか、B液タンク1b内でのB液面への加圧を高くする。圧力調節機構17a,17bの動作は、制御部19から圧力調節機構17a,17bに電気信号が伝えられることによって行なわれる。例えば数秒後に、このアクションの結果が、測定部11の測定データに反映される。制御部19は、測定データに基づいて、設定された混合比率にまだ達していないと判断した場合は、圧力調節機構17a,17bに、さらにA液タンク1a内でのA液面への加圧を低くするか、B液タンクb内でのB液面への加圧を高くする動作を指示し、すでに設定された混合比率に達している場合は逆の動作を指示するフィードバック制御を行なう。
【0067】
また、タンク1a,1b内でA液面及びB液面に加える圧力の変化と流量変化との関係を予め取得したデータを制御部19に設けられたメモリ装置に格納しておくようにしてもよい。制御部19は、設定された混合比率と、測定部11からの測定データとを比較して、設定された混合比率にするために必要なA液、B液の流量変化分を求め、それに応じたA液面及びB液面に加える圧力の変化量を算出する。そして、制御部19は、その圧力変化量を圧力調節機構17a,17bに電気信号で伝える。本発明の液体混合装置は、このようなフィードフォワード制御を行なうこともできる。
【0068】
次に、図1に示した実施例を用い、A液とB液の混合比率を変化させた結果を説明する。
A液タンク1a及びB液タンク1bとして20L(リットル)タンクを用いた。A液タンク1aには純水を入れた。B液タンク1bには、濃度が4.2wt%(重量パーセント)のIPA(イソプロピルアルコール)を入れた。A液タンク1a、B液タンク1bは、ともに圧力調整できる容器であり、±2000Pa(約±0.02kg/cm2)の微圧の圧力制御ができるポリエチレン製のものである。
【0069】
A液タンク1aからティーズ5までのA液配管3aの長さは3m(メートル)である。B液タンク1bからティーズ5までのB液配管の長さも3mである。ティーズ5からミキサー9までの混合液配管7の長さは1cm(センチメートル)である。ミキサー9から測定部11までの混合液配管7の長さは30cmである。測定部11からポンプ13までの混合液配管7の長さは50cmである。
【0070】
配管は、全て外径3mm、内径2mmのPFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)製チューブである。ミキサー9は、チューブ内に螺旋状の攪拌部があり、液がそこを通過する間にミキシングされるものである。測定部11は、液体の近赤外線スペクトル透過減衰率を測定するものである。送液ポンプ13はチューブしごきポンプである。送液ポンプ13の流量は、10cc/分である。温度条件は25℃である。
【0071】
表1は、A液タンクへの圧力と、B液タンクへの圧力と、IPA濃度との関係の表である。圧力のマイナス値は大気圧に対する負圧を表す。
【0072】
【表1】

【0073】
図2は、表1をグラフ化したものであり、IPA濃度と、A液タンクとB液タンクの差圧の関係を示す図である。縦軸が測定部の出力値であるIPA濃度(wt%)である。横軸は差圧(Pa)である。差圧は(B液タンクへの圧力−A液タンクへの圧力)である。
【0074】
これらの結果から、差圧にほぼ相関のある結果が得られているのがわかる。差圧を制御することにより、IPA濃度を制御できる。
図3は、図2に理論カーブを表示した図である。
図3に示すように、A液飽和領域と、比例領域と、B液飽和領域に分けられる。A液(純水)だけを混合液流路7に流したいならば、この例では、差圧を−1200Pa以下にすればよい。また、B液(IPA 4.2wt%)だけを混合液流路7に流したいならば、差圧を+1200Pa以上にすればよい。
【0075】
次に、図1に示した実施例を用い、他の条件でA液とB液の混合比率を変化させた結果を説明する。
A液タンク1a及びB液タンク1bとして20Lタンクを用いた。A液タンク1aには、純水を入れた。B液タンク1bには、濃度が1wt%のIPAを入れた。A液タンク1a、B液タンク1bは、ともに圧力調整できる容器であり、±2000Pa(約±0.02kg/cm2)の微圧の圧力制御ができるポリエチレン製のものである。
【0076】
A液タンク1aからティーズ5までのA液配管3aの長さは0.8mである。B液タンク1bからティーズ5までのB液配管の長さは0.8mである。ティーズ5からミキサー9までの混合液配管7の長さは1cmである。ミキサー9から測定部11までの混合液配管7の長さは30cmである。測定部11からポンプ13までの混合液配管7の長さは50cmである。
【0077】
A液配管3a及び混合液配管7は、外径3mm、内径2mmのPFA製チューブである。B液配管3bは、外径2mm、内径1mmのPFA製チューブである。ミキサー9は、チューブ内に螺旋状の攪拌部があり、液がそこを通過する間にミキシングされるものである。測定部11は、液体の近赤外線スペクトル透過減衰率を測定するものである。送液ポンプ13はチューブしごきポンプである。送液ポンプ13の流量は、10cc/分である。温度条件は25℃である。
【0078】
表2は、A液タンクへの圧力と、B液タンクへの圧力と、IPA濃度との関係の表である。圧力のマイナス値は大気圧に対する負圧を表す。
【0079】
【表2】

【0080】
図4は、表2をグラフ化したものであり、IPA濃度と、A液タンクとB液タンクの差圧の関係を示す図である。縦軸が測定部の出力値であるIPA濃度(wt%)である。横軸は差圧(Pa)である。差圧は(B液タンクへの圧力−A液タンクへの圧力)である。
【0081】
これら結果から、液面差にほぼ相関のある結果が得られているのがわかる。差圧を制御することにより、IPA濃度を0.01wt%から0.035wt%付近まで制御できる。これは、希釈率として、30倍から100倍程度が可能な例である。
【0082】
図5は、図4に理論カーブを表示した図である。
図5に示すように、A液飽和領域と、比例領域に分けられる。A液(純水)だけを混合液配管7に流したいならば、この例では、差圧を−1000Pa以下にすればよい。
この例では、B液飽和領域を得るためにはB液タンク1bへ桁違いの圧力を加えなければならない状況で、B液タンク1bの耐圧以上なので、データはないが、必ずその領域があることは容易に推定できる。
【0083】
ユースポイントへ、所望濃度の混合液を送液したいが、装置立ち上げ時は、どうしても混合濃度への制御が過渡期になるために、所望濃度になっていない液がユースポイント方向に向かうことになる。そこで、混合液配管の出口にティーズを接続し、そのティーズにユースポイントにつながる配管と廃液タンクにつながる配管を接続して、所望濃度以外の液を廃液タンク側へ向かわせるようにすればよい。混合液が所望濃度比率になったかどうかの判断は測定部で行なうことが好ましい。
【0084】
図6は、液体混合装置の他の実施例を概略的に示す図である。図1と同じ部分には同じ符号を付す。
この実施例では、図1に示した実施例と比較して、ティーズ21、廃液配管(第1分岐配管)23、ユースポイント配管(第2分岐配管)25、廃液タンク(分岐配管タンク)27、圧力調節用配管29及び廃液タンク内圧力調節機構31をさらに備えている。
【0085】
ティーズ21は混合液配管7の出口に接続されている。廃液配管23及びユースポイント配管25はティーズ21に接続されている。廃液配管23の出口は廃液タンク27に接続されている。ユースポイント配管25の出口はユースポイントへ導かれている。
【0086】
廃液タンク27は圧力調整できる容器である。廃液タンク27の耐圧は例えば−15000Pa〜15000Paである。廃液タンク27の材質は例えばポリエチレンである。
廃液タンク27には、廃液タンク27内の圧力を調節するための圧力調節用配管29及びA液タンク内圧力調節機構31が接続されている。圧力調節機構31は例えば加圧及び減圧の動作が可能なものである。廃液タンク内圧力調節機構31は、例えばエアー圧によって廃液タンク27内の圧力を調節する。圧力調節機構31の動作は制御部19によって制御される。
【0087】
また、この実施例では、図1に示した実施例と比較して、混合液配管7で送液ポンプ13が測定部11の上流側に配置されているが、ミキサー9、測定部11、送液ポンプ13を並べる順序は特に限定されない。ただし、ここでもミキサー9は測定部11よりも上流側に配置されることが好ましい。
【0088】
圧力調節機構31の動作により、廃液タンク27内の圧力を変動させることにより、ティーズ21から廃液配管23側へ流れる液の流量とユースポイント配管25側へ流れる液の流量の比率を変化させることができる。
表3は、ユースポイント側への流量と、廃液タンク内に加える圧力との関係を示す表である。
【0089】
【表3】

【0090】
図7は、表3をグラフ化したものである。
廃液タンク31内の圧力を−2000Paよりも低くすれば、混合液配管7内の液体はすべてティーズ21から廃液配管23を介して廃液タンク31側へ向かう。
また、廃液タンク31内の圧力を2000Pa以上にすれば、混合液配管7内の液体はすべてティーズ21からユースポイント配管25を介してユースポイント側へ向かう。
ティーズ21の箇所で、ポンプ13による圧力が10000Paであり、廃液タンク31の圧力が10000Pa以上の状態では、圧力調節用配管29を通じて廃液タンク31内に加えているエアー圧が廃液配管23を逆流してユースポイントに向かう。
【0091】
このデータより、廃液タンク31の圧力を、−2000Paよりも低い値と、2000Pa以上10000Pa以下の値とで切り替えることにより、ユースポイントへ向かう流量のオン/オフの制御が可能となる。
【0092】
混合液配管7内を流れる混合液が所望濃度になっていないときは、廃液タンク31内の圧力を−2000Pa以下に制御部19によって制御して、ユースポイントへ混合液が向かわないようにする。混合液配管7内を流れる混合液が所望濃度であるときは、廃液タンク31内の圧力を、2000Pa以上10000Pa以下の値にして、混合液を全てユースポイント側へ向かわせる。
ユースポイント配管25内での流量調整をすばやく行なう場合は、ポンプ13を制御するのではなく、図7の比例領域を積極的に利用して、制御してもよい。
【0093】
図8、図9、それぞれ、液体混合装置のさらに他の実施例を概略的に示す図である。
図8の実施例は図1の実施例に対して、図9の実施例は図6の実施例に対して、測定部11に替えて、A液配管3aにA液流量計33aを、B液配管3bにB液流量計33bを備えたものである。
これらの実施例において、流量計33a,33bの指示値に基づき、混合液での混合比率は計算で求められることができる。制御部19は、流量計33a,33bの指示値に基づき、所望の混合比率になるように圧力調節機構17a,17bの動作を制御する。
【0094】
次に図10〜図13を参照して他の実施例について説明する。
燃料電池で、携帯機器向けの小型のものとして、直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)がある。DMFC型燃料電池の燃料供給は、メタノール濃度3〜5wt%の濃度のメタノール水溶液で行なう。メタノール濃度が高いと、燃料極で未反応なメタノールが電解質膜を透過して空気極へ到達するクロスオーバー現象が発生して、発電効率が低下する問題が発生する。他方、メタノール濃度が低くいと、発電効率が落ちる。したがって、常に最適なメタノール濃度を供給することが望まれる。また、濃度の濃いメタノールを、水で最適な濃度に希釈して使用することができれば、メタノール燃料体積の減少ができ、より小型にすることができる。
【0095】
図10は、この実施例で用いた送液機構の構成を説明するための概略図である。図1、図6と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
【0096】
濃度が30%のメタノールの入ったA液タンク1aと、水の入ったB液タンク1bが設けられている。
メタノールの入ったA液タンク1aにA液配管3aの一端が接続されている。A液配管3aの他端は混合部35に接続されている。
水の入ったB液タンク1bにB液配管3bの一端が接続されている。B液配管3bの他端は混合部35に接続されている。混合部35には、配管3a,3bからのメタノール及び水が混合された所望濃度の希釈メタノールを流すためのユースポイント配管25と、所望濃度でない希釈メタノールを流すための廃液配管23も接続されている。ユースポイント配管25にはポンプ13が設けられている。
【0097】
図11は図10に示した装置の混合部の平面図と側面図を示す図である。図11において、チップ内部に形成された配管を透過して図示している。
混合部35は、ガラスのエッチングで内部に配管が形成されたチップ37と、チップ37を支持するための金属製の枠部39と、配管3a,3b,23,25をチップ37に接続するための継手41,43,45,47を備えている。チップ37はマイクロ流体デバイスである。
【0098】
チップ37の平面サイズは12.5mm×39mm、厚みは2.2mmである。枠部39の外周平面サイズは19mm×46mm、内周平面サイズは13mm×40mm、厚みは4.2mmである。枠部39には、ネジで継手41,43,45,47が差し込まれている。枠部39の内側に配置されたチップ37は継手41,43,45,47によって押さえ込まれることによって固定されている。チップ37は、側面に継手41,43,45,47に対応する位置に、チップ37内部の配管につながるテーパー形状の凹部を備えている。継手41,43,45,47の先端がチップ37側面の凹部に差し込まれることによって配管がシールされて液漏れを防止している。
【0099】
チップ37内部の配管パターンについて説明する。
A液配管3aに接続されるチップ内A液配管49aと、B液配管3bが接続されるチップ内B液配管49bが設けられている。配管49a,49bは下流側で合流されてチップ内混合液配管51に接続されている。チップ内混合液配管51の下流側にミキシング部(混合器)53が設けられている。チップ内混合液配管51には、ミキシング部53よりも下流側にセンサー部55が設けられている。センサー部55は、混合後のメタノール濃度の測定に用いられる小空間である。
【0100】
センサー部55の下流側でチップ内混合液配管51が分岐されたチップ内廃液配管57とチップ内ユースポイント配管59が設けられている。チップ内廃液配管57は廃液配管23に接続される。チップ内ユースポイント配管59はユースポイント配管25に接続される。
【0101】
図12は、ミキシング部53内における液体の流れを矢印で示す平面図である。
ミキシング部53は2つの広い箇所61,63を備えている。上流側の広い箇所61と下流側の広い箇所63は2本の配管65,67で接続されている。
【0102】
上流側の広い箇所61にはチップ内混合液配管51が接続されている。広い箇所61の近傍でチップ内混合液配管51に配管の細い箇所69が設けられている。広い箇所61と63とを接続する2本の配管65,67の上流側の端部は、細い箇所69の両隣の箇所で広い箇所61に接続されている。
【0103】
下流側の広い箇所63には下流側の配管71が接続されている。広い箇所61と63とを接続する2本の配管65,67の下流側の端部は、配管71の両隣の箇所で広い箇所63に接続されている。広い箇所63の近傍で配管65,67に配管の細い箇所73,75が設けられている。
【0104】
チップ内混合液配管51から細い箇所69を介して広い箇所61に導入された液体は、細い箇所69で流速が早くなるので、広い箇所61内で渦を発生する(矢印を参照)。広い箇所61から、広い箇所61と63とを接続する2本の配管65,67及び流路の細い箇所73,75を介して広い箇所63に導入された液体は、細い箇所73,75で流速が速くなるので、広い箇所63内で渦を発生する(矢印を参照)。これらの渦により、液体の混合が促進される。
図11に示すように、ミキシング部53は2段に設けられているので、図12に示した混合パターンを2段繰り返すことにより、液体は完全に混合される。
【0105】
図13に示すように、チップ37は、流路を形成するための貫通溝が形成された厚みの均一なガラス間仕切り板37aを2枚のガラス平面板37b,37cで挟み込んだ3層構造になっている。ガラス間仕切り板37aの厚みは0.2mmで均一である。ガラス平面板37b,37cは継手との接触部だけがテーパー形状になるように加工されている。ガラス平面板37b,37cの厚みは1mmである。ガラス間仕切り板37aにおける貫通溝はエッチング技術で形成されている。
【0106】
チップ37内に形成された配管や空間の高さは0.2mmである。
チップ内A液配管49aの溝幅は1mmである。チップ内B液配管49bの溝幅は4mmである。チップ内廃液配管57の溝幅及びチップ内ユースポイント配管59の溝幅はどちらも1mmである。
【0107】
図10に戻って装置全体の説明を続ける。
図6に示した実施例と同様に、A液タンク1a、B液タンク1b、廃液タンク27に対して、圧力調節用配管15a,15b,29及びタンク内圧力調節機構17a,17b,31が設けられている。タンク内圧力調節機構17a,17b,31の動作を制御するための制御部19が設けられている。
【0108】
混合部35のセンサー部55内の液のメタノール濃度を測定するための測定部77が設けられている。測定部77は例えば近赤外線スペクトル透過減衰率を測定する方法でメタノール濃度を計測する。チップ37に対して上部から光を照射して、反対面からその光の透過光を受光して、液体の近赤外線スペクトル透過減衰率を測定する。測定部77は、例えばメタノール濃度が4wt%になっているかを常時測定して、制御部19にその信号を伝える。
【0109】
制御部19は、測定部77が測定したメタノール濃度に応じてタンク内圧力調節機構17a,17b,31の動作を制御する。
メタノール濃度が4wt%よりも濃い場合、メタノール側の流量を減少させるように、A液タンク1aに加えている圧力からB液タンク1bに加えている圧力を引いた差圧を減少させるように制御する。メタノール濃度が4wt%よりも薄い場合は、その逆の制御が行なわれる。制御部19の制御により、タンク内圧力調節機構17a,17bは圧力調節用配管15a,15bを介してタンク1a,1b内で液面に加える圧力を制御する。この加える圧力は、大気圧に対して正圧にも負圧にもなる。制御圧力範囲は、±200Paの微圧の制御で十分である。
【0110】
例えばタンク1a,1b内の圧力制御が不完全で、測定部77が測定したメタノール濃度が4wt%から外れている場合は、制御部19により廃液タンク内圧力調節機構31の動作を制御して、廃液タンク27内を減圧して、混合後の液が廃液配管23に向かうようにして、ユースポイント配管25側に流れないようにする。この場合は、ユースポイント配管25側からポンプ13で引いているため、その圧力に勝る圧力で引く必要がある。例えば10000Paの圧力にて、液がユースポイント配管25側へ完全に行かないようにできる。
【0111】
以上、本発明の実施例を説明したが、材料、形状、配置、寸法等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0112】
例えば、A液、B液の2液混合でティーズ(3分岐継手)と記載したが、3分岐路であれば、どういう形状でもよい。
また、A液、B液、C液の3液混合でも同じで、その場合は、4分岐継手でもよいし、複数の3分岐継手を組み合わせてもよい。
3液以上の混合は、この例の2液混合の方法の組み合わせで行なうことができる。
また、分岐に関しても、2方向の分岐のみ例を記載しているが、3方向以上でも、2方向分岐の組み合わせで実現できることは明白である。
また、上記実施例では、送液ポンプ13を備えているが、本発明において重力落下により送液できる場合には送液ポンプは必ずしも必要でない。
【符号の説明】
【0113】
1a A液タンク
1b B液タンク
3a A液配管
3b B液配管
7 混合液配管
9 ミキサー(混合器)
11 測定部
13 送液ポンプ
17a A液タンク内圧力調節機構
17b B液タンク内圧力調節機構
19 制御部
23 廃液配管(第1分岐配管)
25 ユースポイント配管(第2分岐配管)
27 廃液タンク(第1分岐配管タンク)
31 廃液タンク内圧力調節機構(分岐配管タンク内圧力調節機構)
33a A液流量計
33b B液流量計
49a チップ内A液配管
49b チップ内B液配管
51 チップ内混合液配管
53 ミキシング部(混合器)
57 チップ内廃液配管(第1分岐配管)
59 チップ内ユースポイント配管(第2分岐配管)
77 測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A液タンクに収容されたA液を送液するためのA液配管と、B液タンクに収容されたB液を送液するためのB液配管とを合流させて混合液配管へ導き、混合液配管でA液とB液を所望の比率で混合した混合液を得る液体混合方法において、
送液手段として送液ポンプ又は重力落下を用い、
前記A液タンク及び前記B液タンクとして圧力調整できる容器を用い、
前記A液タンク内でA液面に加わる圧力と前記B液タンク内でB液面に加わる圧力とを相対的に変化させることによって、A液を送液する能力とB液を送液する能力を制御してA液流量とB液流量を変化させ、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させることを特徴とする液体混合方法。
【請求項2】
前記A液タンク内でA液面に加わる圧力と前記B液タンク内でB液面に加わる圧力は、前記タンクを設置している場所の大気圧に対して負圧、又は前記大気圧から前記大気圧の約1.1倍の圧力の範囲内である請求項1に記載の液体混合方法。
【請求項3】
前記A液タンク及び前記B液タンクとして耐圧が約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内であるものを用い、その耐圧の範囲内でA液面に加わる圧力とB液面に加わる圧力を制御する請求項1に記載の液体混合方法。
【請求項4】
前記混合液配管の出口に第1分岐配管及び第2分岐配管を接続し、
前記第1分岐配管の出口に圧力調整できる容器からなる分岐配管タンクを接続し、
前記第1分岐配管タンク内の圧力を変化させることによって、前記第1分岐配管側へ流れる液と前記第2分岐配管側へ流れる液の流量比率を変化させる請求項1から3のいずれか一項に記載の液体混合方法。
【請求項5】
前記第1分岐配管タンクとして耐圧が約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内の低耐圧のものを用い、その耐圧の範囲内で前記第1分岐配管タンク内の圧力を制御する請求項4に記載の液体混合方法。
【請求項6】
A液タンクに収容されたA液を送液するためのA液配管と、B液タンクに収容されたB液を送液するためのB液配管と、A液配管とB液配管が合流された混合液配管とを備えた液体混合装置において、
送液ポンプ又は重力落下により送液を行ない、
前記A液タンク及び前記B液タンクは圧力調整できる容器であり、
前記A液タンク内の圧力を調節するためのA液タンク内圧力調節機構と、前記B液タンク内の圧力を調節するためのB液タンク内圧力機構とを備え、
前記A液タンク内圧力調節機構によって前記A液タンク内でA液面に加える圧力と、前記B液タンク内圧力調節機構によって前記B液タンク内でB液面に加える圧力とを相対的に変化させることによって、A液を送液する能力とB液を送液する能力を制御して、混合液でのA液とB液の混合比率を変化させることを特徴とする液体混合装置。
【請求項7】
前記A液タンク内圧力調節機構と前記B液タンク内圧力調節機構は、前記A液タンク内でA液面に加わる圧力と前記B液タンク内でB液面に加わる圧力が、前記タンクを設置している場所の大気圧に対して負圧、又は前記大気圧から前記大気圧の約1.1倍の圧力の範囲内になるように前記A液タンク内の圧力と前記B液タンク内の圧力を調節する請求項6に記載の液体混合装置。
【請求項8】
前記A液タンク及び前記B液タンクは耐圧が約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内の低耐圧のものであり、
前記A液タンク内圧力調節機構及び前記B液タンク内圧力調節機構はその耐圧の範囲内でA液面に加わる圧力とB液面に加わる圧力を調節する請求項6に記載の液体混合装置。
【請求項9】
混合液中のA液濃度又はB液濃度の少なくとも一方を測定するために前記混合液配管に設けられた測定部を備えている請求項6から8のいずれか一項に記載の液体混合装置。
【請求項10】
前記測定部の測定データに基づき、混合液が所望のA液とB液の混合比率になるように前記A液タンク内圧力調節機構及び前記B液タンク内圧力調節機構にフィードバック制御をかける制御部を備えている請求項9に記載の液体混合装置。
【請求項11】
前記A液配管に設けられたA液流量計と、前記B液配管に設けられたB液流量計を備えている請求項6から8のいずれか一項に記載の液体混合装置。
【請求項12】
前記A液流量計及び前記B液流量計の測定データに基づき、混合液が所望のA液とB液の混合比率になるように前記A液タンク内圧力調節機構及び前記B液タンク内圧力調節機構にフィードバック制御をかける制御部を備えている請求項11に記載の液体混合装置。
【請求項13】
A液とB液を混合するために前記混合液配管に設けられた混合器を備えている請求項6〜12のいずれか一項に記載の液体混合装置。
【請求項14】
前記混合液配管が分岐された第1分岐配管及び第2分岐配管と、
前記第1分岐配管の出口に接続された圧力調整できる容器からなる分岐配管タンクと、
前記分岐配管タンク内の圧力を調節するための分岐配管タンク内圧力調節機構と、をさらに備えている請求項6〜13のいずれか一項に記載の液体混合装置。
【請求項15】
前記第1分岐配管タンクは耐圧約−0.1MPa〜約10000Paの範囲内の低耐圧のものであり、
前記分岐配管タンク内圧力調節機構はその耐圧の範囲内で前記第1分岐配管タンク内の圧力を制御する請求項14に記載の液体混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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