液供給装置、燃料供給装置
【課題】本発明は、装置が備える燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることを抑制できる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料供給装置20は、燃料Fを移動可能なポンプ装置30と、ポンプ装置30によって流動する燃料Fを濾過する濾過装置40とを備える。
【解決手段】燃料供給装置20は、燃料Fを移動可能なポンプ装置30と、ポンプ装置30によって流動する燃料Fを濾過する濾過装置40とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば重機が備える燃料タンクに燃料を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば油圧ショベルカーなどの重機は、エンジンに供給する燃料を収容する燃料タンクを備えている。また、重機には、燃料タンク内に燃料を供給するためのポンプが設けられている。このように、ポンプを備える重機では、燃料タンク内に、重機の外部に設置される燃料貯留タンクなどの燃料供給源からポンプを介して燃料が補給される。燃料タンク内に収容される燃料は、エンジンに供給される。
【0003】
一方、エンジンに供給される燃料内にごみなどの不純物が入り込んでいることは好ましくない。このため、燃料タンクからエンジンまでの燃料の流れ経路中に、燃料フィルタが設けられる構造が提案されている。燃料フィルタによって、エンジンに供給される燃料内のごみなどの不純物を取り除くことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−89391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、燃料タンク内には、燃料中に含まれるごみなどの不純物が溜まることが考えられる。特に、重機など可動時間が多い機械においては、燃料タンク内に燃料を供給する回数が多くなり、それにともなって、燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることが考えられる。
【0005】
特許文献1に開示される技術であると、エンジンに入る前の燃料中のごみなどの不純物を取り除くことはできるが、燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まってしまうことが考えられる。燃料タンク内に、ごみなどの不純物が溜まることは好ましくない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、供給する燃料などの液を濾過できる液供給装置を提供することである。また、他の発明の目的は、燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることを抑制できる燃料供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の液供給装置は、液を移動可能なポンプ装置と、前記ポンプ装置によって流動する液を濾過する濾過装置とを備える。
【0008】
請求項2に記載の液供給装置では、請求項1に記載の液供給装置において、前記ポンプ装置は、液が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを備える。前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに液が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを備える。前記第1,2の連結部は互いに連結される。
【0009】
請求項3に記載の液供給装置では、請求項1または請求項2に記載の液供給装置において、前記濾過装置は、固定用の基部を備える。前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように配置される。
【0010】
請求項4に記載の液供給装置では、請求項1に記載の液供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記液が流動可能な管部材を介して互いに連結される。
【0011】
請求項5に記載の液供給装置では、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の液供給装置において、前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材とを備える。
【0012】
請求項6に記載の燃料供給装置は、燃料タンクを備える装置に設けられて前記燃料タンク内に燃料を送り込むポンプ装置と、前記装置に設けられるとともに、前記燃料タンク内に入る前の燃料を濾過する濾過装置とを備える。
【0013】
請求項7に記載の燃料供給装置では、請求項6に記載の燃料供給装置において、前記ポンプ装置は、燃料が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを備える。前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに燃料が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを備える。前記第1,2の連結部は互いに連結される。
【0014】
請求項8に記載の燃料供給装置では、請求項6または請求項7に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される。
【0015】
請求項9に記載の燃料供給装置では、請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置は、当該濾過装置を前記壁部に固定する基部を備える。前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように前記濾過装置と前記壁部との間に入り込む。
【0016】
請求項10に記載の燃料供給装置では、請求項6に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記燃料が流動可能な管部材を介して連結される。
【0017】
請求項11に記載の燃料供給装置では、請求項10に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される。
【0018】
請求項12に記載の燃料供給装置では、請求項6〜11のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材とを備える。
【0019】
請求項13に記載の燃料供給装置では、請求項6〜12のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、前記タンク内の燃料を前記濾過装置に導く流路部を備える。
【0020】
請求項14に記載の燃料供給装置では、請求項13に記載の燃料供給装置において、さらに、前記タンク内の燃料が前記濾過装置に導かれない第1の状態と前記タンク内の燃料が前記流路部を通って前記濾過装置に導かれる第2の状態とを切り替える切替手段を備える。
【0021】
請求項15に記載の燃料供給装置では、請求項6〜14のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、さらに前記タンクを備える。
【発明の効果】
【0022】
液供給装置は、当該液供給装置によって供給される液を濾過することができる。別の発明である燃料供給装置は、装置が備える燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の第1の実施形態に係る燃料供給装置を、図1〜6を用いて説明する。本実施形態に係る燃料供給装置は、例えば一例としてショベルカー10などの重機に用いられる。本実施形態では、ショベルカー10は、本発明で言う燃料タンクを備える装置の一例である。なお、燃料タンクを備える装置は、ショベルカー10に限定されるものではない。他の重機や建設機械や自動車などであってもよい。要するに、燃料タンクを備える装置であればよい。
【0024】
図1は、ショベルカー10の外観(外からみた状態)の一部を拡大して示す斜視図である。図1中では、ショベルカー10の外観を規定する外壁部11の一部12が図示されている。
【0025】
ショベルカー10は、図示しないエンジンが生じる駆動力によって走行する(駆動する)。このため、ショベルカー10は、図示しないエンジンを備えるとともに、当該エンジンを駆動する燃料を溜めておく燃料タンク13(図5に示す)を備えている。
【0026】
燃料タンク13は、例えば図1中に示されるショベルカー10の外壁部11の一部12の近傍に配置されている。なお、図5中に2点鎖線で示される燃料タンク13は、後述される燃料の流れを説明するために概略的に図示されており、実際にショベルカー10に搭載される位置に図示されているものではない。
【0027】
ショベルカー10は、燃料タンク13内に燃料を補給する燃料供給装置20を備えている。燃料供給装置20は、本発明で言う液供給装置の一例であるとともに、本発明で言う燃料供給装置の一例である。燃料供給装置20は、ポンプ装置30と、濾過装置40と、固定板部21と、第1の管部材70と、第2の管部材80とを備えている。
【0028】
固定板部21は、ポンプ装置30と濾過装置40とが固定される台部である。燃料供給装置20は、固定板部21にポンプ装置30と濾過装置40が固定されて1つのユニットに形成される。そして、図1に示すように、上記ユニット化された燃料供給装置20(固定板部21にポンプ装置30と濾過装置40とが固定された状態)は、固定板部21がショベルカー10の外壁部11の一部12に固定されることによって、ショベルカー10において図示される一部12に設置される。
【0029】
ここで、ショベルカー10の外壁部11の一部12(図示される部分)について説明する。一部12は、ショベルカー10の外部に露出する外壁部11のうち、燃料タンク13の近傍の位置であって、かつ、設置スペースが確保されている部位である。
【0030】
本実施形態では、一部12は、一例として、ショベルカー10(本発明で言う装置)が水平な面(重力が作用する方向に対して垂直な面)上に配置された際に重力が作用する方向に対して略垂直な方向に広がる水平面部である。なお、ここで言う重力が作用する方向に対して略垂直な方向とは、厳密に垂直な方向も含む概念である。
【0031】
一部12には、燃料供給装置20を収容する収容部14が設けられている。図2は、燃料供給装置20が、収容部14内に収容されている状態を示している。図2に示すように、収容部14は、燃料供給装置20の周囲に設けられるとともに外壁部11の一部12から立ち上がる周壁部15と、周壁部15の端部によって規定される開口部16を覆う蓋部材17とを備えている。
【0032】
周壁部15の一部15aと、蓋部材17とは、取り外し可能となっている。図1,3は、周壁部15の一部15aと、蓋部材17とが取り外された状態を示している。図3は、蓋部材17側から、収容部14内を見た状態示す平面図である。
【0033】
図1,3に示すように、周壁部15の一部15aと蓋部材17とが取り外された状態では、外部からポンプ装置30と濾過装置40とを操作可能となるように、ポンプ装置30と濾過装置40とが外部に露出するようになる。
【0034】
ここで、燃料供給装置20の説明に戻る。燃料供給装置20を、当該燃料供給装置20がショベルカー10の外壁部11の一部12に固定された状態において説明する。図4は、燃料供給装置20のうち、ポンプ装置30と濾過装置40とを示す正面図である。なお、図中、第1の管部材70は、2点鎖線で示している。ポンプ装置30は、燃料タンク13に燃料を補給する際に、ショベルカー10の外部にある燃料供給源の一例である燃料貯留タンク18(図5に示す)内の燃料を燃料タンク13内に移すために用いられる。第1の管部材70は、本発明で言うポンプ装置用管部材の一例である。
【0035】
図5は、燃料供給装置20を示す側面図である。図5は、図4中に示される燃料供給装置20を矢印F5方向に沿って見た状態を示している。図5に示すように、ポンプ装置30は、燃料貯留タンク18内の燃料を吸い込む吸い込み力を発生する駆動部31と、当該駆動部31によって吸い込まれる燃料が流動する流路32が形成されるポンプ装置用ハウジング33とを備えている。
【0036】
図4に示すように、ポンプ装置30は、吸い込み口34と、吐き出し口35とを備えている。吸い込み口34と吐き出し口35とは、ポンプ装置用ハウジング33に形成されている。流路32は、吸い込み口34と吐き出し口35とを連通している。吸い込み口34と吐き出し口35とは、ポンプ装置用ハウジング33において外壁部11の一部12と反対側に向かって開口しており、互いに隣り合う位置に配置されている。
【0037】
吸い込み口34には、後述される第1の管部材70が連結される管部材連結部36が設けられている。管部材連結部36は、外壁部11の一部12と反対側に向かって突出している。吐き出し口35には、図4中に点線で示すように、連結部22が形成されている。連結部22は、外壁部11の一部12に対して反対側に向かって突出している。連結部22は、本発明で言う第1の連結部の一例である。
【0038】
駆動部31は、例えばポンプ装置用ハウジング33とは別部品となっており、ポンプ装置用ハウジング33に組みつけられている。または、駆動部31は、ポンプ装置用ハウジング33内に収容されてもよい。駆動部31は、例えば電動式である。駆動部31が駆動することによって吸い込み力が発生し、当該吸い込み力によって、吸い込み口34を通して流路32内に燃料が流入し、吐き出し口35から吐き出される。
【0039】
ポンプ装置30は、固定板部21に固定されている。固定板部21は、例えば平板状であって、外壁部11の一部12に例えば溶接などによって固定されている。なお、固定板部21の固定方法は溶接に限定されない。
【0040】
固定板部21の表面21aと、固定板部21において一部12に固定される面(表面21aの反対側の面)は、例えば、互いに平行な平面である。一部12において固定板部21が固定される面12aは、例えば平面である。それゆえ、面12aと面21aとは、平行な平面である。
【0041】
図5に示すように、ポンプ装置用ハウジング33には、固定板部21の表面21a上に固定される台部37が設けられている。台部37は、固定板部21の表面21a上に安定して固定されるように、底面が広い平面状である。この底面が固定板部21の表面に面接触する。台部37は、例えば、ボルト38によって固定板部21に固定される。
【0042】
同様に、駆動部31にも、ポンプ装置用ハウジング33に形成される台部37と同様の構造の台部39が形成されている。台部39は、例えば底面が平面状であって固定板部21の表面に面接触し、それゆえ、安定して固定板部21上に固定される。台部37は、例えばボルト39aによって固定板部21に固定される。なお、駆動部31がポンプ装置用ハウジング33内に収容される構造の場合は、ポンプ装置用ハウジング33にのみ台部が形成されてもよい。
【0043】
このように、ポンプ装置30は、固定板部21を介してショベルカー10の外壁部11に固定される。外壁部11は、本発明で言う壁部の一例である。外壁部11の一部12は、固定板部21が設けられることによって補強され、それゆえ、燃料供給装置20が設けられても大丈夫な強度が確保されている。なお、充分な強度が確保される場合は、固定板部21を用いずに、ポンプ装置30は外壁部11に直接固定されてもよい。
【0044】
本発明で言う壁部に固定されるということは、本実施形態のように、固定板部21を介して壁部に固定されることと、壁部に直接に固定されることも含む概念である。
【0045】
図6は、図4に示された燃料供給装置20において濾過装置40の一部が切りかかれた状態を示す正面図である。図6に示すように、濾過装置40は、基部41と、濾過装置用ハウジング42と、フィルタエレメント60とを備えている。
【0046】
基部41は、固定板部21に固定されている。基部41は、固定板部21においてポンプ装置30と隣り合う位置に配置されて固定されている。基部41は、固定板部21から、当該固定板部21を挟んで外壁部11の一部12と反対側に向かって延びる形状である。基部41は、一例として直線状に延びており、延びる方向をBとする。基部41は、一例として、固定板部21の表面21aに対して垂直方向に延びている。なお、基部41は、固定板部21を介して固定されない場合は、一部12に対して垂直方向に延びてもよい。このように、基部41が固定される部位に対して垂直方向に延びていてもよい。
【0047】
基部41は、筒状であって固定板部21側の端部が開口している。基部41の周囲には、固定板部21に安定して固定されるように底面が平面状で固定板部21に面接触可能なフランジ部43が形成されている。フランジ部43と固定板部21との間にはシール構造の一例としてOリング44が設けられている。Oリング44は、開口45の周囲を囲む形状である。
【0048】
図4に示すように、フランジ部43は、例えば複数のボルト23によって固定板部21に固定されている。フランジ部43が固定板部21に固定された状態では、基部41の開口45は、Oリング44と固定板部21とによって液密に塞がれる。このため、基部41と固定板部21との間から燃料などの液が漏れることはない。基部41の周壁部には、流出口46が形成されている。
【0049】
濾過装置用ハウジング42は、フィルタエレメント60を収容するハウジング本体47と、蓋部材48とを備えている。ハウジング本体47は、基部41において固定板部21と反対側の端部に固定されており、基部41と一体になっている。言い換えると、基部41は、ハウジング本体47から一部12に向かって方向Bに沿って延びる。
【0050】
基部41が固定板部21に固定されることによって、濾過装置用ハウジング42が固定板部21に固定される。本発明で言う、濾過装置が壁部に固定されるとは、上記のように、固定板部21を介して間接的に固定されることも含む概念である。
【0051】
また、本発明で言う基部が濾過装置を壁部に固定するということは、本実施形態のように、基部が固定板部21を介して壁部に固定されることと、基部41が壁部(一部12)に直接に固定されることも含む概念である。ポンプ装置30について説明したように、基部41は、固定板部21を用いずに、外壁部11の一部12に直接固定されてもよい。
【0052】
ハウジング本体47は、内部にフィルタエレメント60を収容可能な中空形状であって、例えば底壁部52を有する有底円筒状である。ハウジング本体47において基部41と反対側の端部は、開口している。当該開口を通して、後述されるフィルタエレメント60がハウジング本体47内に着脱される。底壁部52には、基部41が固定されている。
【0053】
ハウジング本体47の外面において、周壁部15の一部15aと対向する位置には、ポンプ装置30の駆動部31を駆動する駆動スイッチ31aと、駆動を解除する解除スイッチ31bとが固定されている。
【0054】
蓋部材48は、ハウジング本体47の開口47aを液密に塞ぐ。ハウジング本体47の開口47aの縁部には、開口47aを囲むフランジ部49が形成されている。フランジ部49には、シール構造の一例として、開口47aを囲むとともに蓋部材48との間に介装されるOリング50が設けられている。蓋部材48は、フランジ部49にボルト51によって固定される。蓋部材48がフランジ部49に固定されることによって、開口47aは、Oリング50と蓋部材48とによって液密に塞がれる。このため、開口47aを通して燃料などの液が外部に漏れることはない。
【0055】
ハウジング本体47の底壁部52には、内側に向かって突出する突出部53が形成されている。なお、底壁部52は、ハウジング本体47において基部41が設けられる部位である。また、底壁部52は、基部41が延びる方向Bに沿って固定板部21(壁部12も含む)と対向する。底壁部52は、一例として、固定板部21と対向する平板状である。
【0056】
突出部53は、固定板部21とは反対側に向かって延びている。突出部53は、基部41の内部空間と直線状に連通する中空の筒状である。なお、本実施形態では、一例として、ショベルカー10(本発明で言う装置の一例)が水平な面(重力が作用する方向に対して垂直な面)上に配置された際に、基部41と突出部53とは、重力が作用する方向に略沿って延びている。なお、ここで言う重力が作用する方向に略沿って延びているとは、厳密に重力が作用する方向に沿うことも含む概念である。突出部53は、ハウジング本体47内において、底壁部52と開口47aとの略中間位置まで延びている。
【0057】
突出部53の内側端部53aは開口している。このため、ハウジング本体47の内部空間と基部41の内部空間とは、連通している。
【0058】
フィルタエレメント60は、両端が開口する筒状の濾材61と、濾材61の端部に設けられる第1の端部材62と、第2の端部材63と、蓋部材64とを備えている。
【0059】
濾材61は、例えばプリーツ状に折りたたまれて円筒状に形成されており、両端が開口している。第1の端部材62は、濾材61の一端部61aに設けられており、一端部61aを支持している。第1の端部材62は、一端部61aの端面のうち開口以外の部分(実際に濾材61がある部分)を液密に塞いでいる。また、第1の端部材62は、濾材61の開口と連通する開口を有している。
【0060】
第2の端部材63は、濾材61の他端部61bに設けられており、他端部61bを支持している。第2の端部材63は、他端部61bの端面のうち開口以外の部分(実際に濾材61がある部分)を液密に塞いでいる。また、第2の端部材63は、濾材61の開口と連通する開口を有している。
【0061】
蓋部材64は、一端部61a側に設けられている。具体的には、蓋部材64は、第1の端部材62に設けられており、第1の端部材62の開口を液密に塞いでいる。蓋部材64には、作業者が把持するための把持部65が設けられている。
【0062】
上記のように構成されるフィルタエレメント60は、濾材61の一端部61aの端面(開口も含めて)は第1の端部材62と蓋部材64とによって液密に塞がれる。他端部61bの端面は、実際に濾材61がある部分が第2の端部材63によって液密に塞がれつつ、第2の端部材63の開口を通して濾材61の内部と外部とが連通する。
【0063】
フィルタエレメント60は、第2の端部材63の開口66を通して突出部53が濾材61の内部に挿入された状態で、ハウジング本体47内に配置される。このとき、第2の端部材63は、開口66が底壁部52によって液密に塞がれるように、底壁部52に当接する。
【0064】
上記作用を得る構造の一例として、フィルタエレメント60の蓋部材64と濾過装置用ハウジング42の蓋部材48との間には、ばね部材67が介装される。ばね部材67は、コイルばねである。ばね部材67は、蓋部材64の把持部65が内側に嵌まるようになっており、それゆえ、把持部65によって支持されるので蓋部材64,48間で位置決めされる。
【0065】
フィルタエレメント60がハウジング本体47内に収容されて蓋部材48がハウジング本体47にボルト51で固定された状態では、ばね部材67は、蓋部材48,64間で圧縮される。このため、フィルタエレメント60は、底壁部52に押し付けられる。この押し付け力によって、第2の端部材63の開口66の縁部が底壁部52に押し付けられ、それゆえ、当該開口が液密にシールされる。
【0066】
フィルタエレメント60が上記のようにハウジング本体47内に収容されることによって、濾材61の両端部61a,61bは、第1,2の端部材62,63と、蓋部材64と、底壁部52とによって、液密に塞がれる。濾材61の内部は、突出部53を通して、基部41の内部空間と連通している。
【0067】
なお、フィルタエレメント60の蓋部材64にリリーフ弁68が設けられている。リリーフ弁68は、ハウジング本体47内の圧力が過大になったときに開く。リリーフ弁68が開くと、濾材61の内部が蓋部材64を通してハウジング本体47と連通する。なお、リリーフ弁68は、燃料供給装置20の通常動作の際には開かないように設定されている。
【0068】
ハウジング本体47は、ポンプ装置用ハウジング33と連結されている。ここで、ハウジング本体47とポンプ装置用ハウジング33とに連結構造について具体的に説明する。
【0069】
図6に示すように、ハウジング本体47内にフィルタエレメント60が収容された状態において、底壁部52においてフィルタエレメント60と重ならない部位には、流入口54が形成されている。このため、流入口54は、固定板部21側に開口している。流入口54は、本発明で言う第2の連結部の一例である。
【0070】
ポンプ装置用ハウジング33の吐き出し口35に形成される連結部22は、流入口54内に挿入されて嵌合しており、それゆえ、連結部22と流入口54とが液密に連結される。このため、吐き出し口35から突出された燃料は、連結部22と流入口54とを通って、外部に漏れることなく、ハウジング本体47内に流入する。
【0071】
このため、ハウジング本体47内では、流入口54を形成するために、フィルタエレメント60が流入口54を避けるように、いずれかの方向に偏って配置される。本実施形態では、一例として、フィルタエレメント60は、ハウジング本体47内において、濾過装置40とポンプ装置30とが並ぶ方向Aに沿って(または並ぶ方向Aに略沿って)ハウジング本体47の周壁に向かって偏った位置に配置されている。濾過装置40とポンプ装置30とが並ぶ方向Aは、図3中矢印で示されている。つまり、基部41と突出部53とは、底壁部52において上記偏った位置に設けられている。
【0072】
濾過装置40とポンプ装置30とが上記のように互いに連結されることによって、ポンプ装置30の一部は、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように、ハウジング本体47と固定板部21との間に入り込むようになる。連結部22は、例えば、方向Bに沿って(または略沿って)延びている。
【0073】
ポンプ装置30の大きさを調整したり、または、図6中2点鎖線で示すように管部材連結部36が形成される位置を変更するなどして当該管部材連結部36がハウジング本体47と干渉することをさけることによって、ポンプ装置30全てが延びる方向Bに沿ってハウジング本体47と重なるようにハウジング本体47と固定板部21との間に入り込むようにしてもよい。なお、上記されている2点鎖線で示される管部材連結部36は、当該連結部36の位置を変更した場合の一例である。この場合では、管部材連結部36に連通するように、吸い込み口34が形成される。
【0074】
このように、ポンプ装置30の少なくとも一部が方向Bにハウジング本体47と重なるようにハウジング本体47と固定板部21の間に入り込むことによって、つまり、ポンプ装置30の少なくとも一部が方向Bにハウジング本体47と重なるようにハウジング本体47と外壁部11の一部12との間に入り込むことによって、濾過装置40とポンプ装置30とが重なるので、ショベルカー10の外壁部11において燃料供給装置20の配置スペースをコンパクトにすることができる。また、ポンプ装置30が濾過装置40を支持する機能を有するようにもなる。
【0075】
図5に示すように、第1の管部材70の一端部71は、ポンプ装置30の吸い込み口34に形成される管部材連結部36に連結されて固定されており、吸い込み口34と連通している。第1の管部材70の他端部72は、燃料タンク13内に燃料を補給する際に、燃料貯留タンク18などの燃料供給源に連結される。このため、燃料を補給しないとき、つまり第1の管部材70の他端部72が燃料供給源に連結されていないときは、第1の管部材70は、図1に示すように、丸められてポンプ装置30と濾過装置40との近傍に収容されている。このため、第1の管部材70は、丸められるように可撓性を有している。
【0076】
第2の管部材80は、基部41に形成される流出口46に連結されている。具体的には、図5に示すように、基部41の外面部には、流出口46と連通するとともに外部に突出する流出口用連結部55が設けられている。第2の管部材80の一端部81は、流出口用連結部55に連結されて固定されている。第2の管部材80は、本発明で言う濾過装置用管部材の一例である。
【0077】
第2の管部材80の他端部82は、燃料タンク13に常に連結されている。このため、図1に示すように、第2の管部材80は、収容部から出ている。第2の管部材80は、流出口46と燃料タンク13との位置関係に関わらずに流出口46と燃料タンク13とを連結できるように、可撓性を有している。なお、図1,2中では、第2の管部材80は、一部省略されている。
【0078】
つぎに、燃料供給装置20の組み立て手順の一例と、燃料供給装置20の外壁部11の一部12への固定とを説明する。
【0079】
上記したように、燃料供給装置20は、ポンプ装置30と濾過装置40とが固定板部21に固定されてユニット化された後固定板部21が一部12に固定されることによって、ショベルカー10などの燃料タンク13を備える装置に固定される。
【0080】
燃料供給装置20を組み立てる手順の一例として、まず、固定板部21にポンプ装置30を固定する。この際、ポンプ装置30は、固定板部21上の決められた位置に固定される。
【0081】
ついで、固定板部21に濾過装置40を固定する。この際、ポンプ装置30の連結部22を流入口54内に挿入して嵌合させる。そして、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように濾過装置40の姿勢を調整する。ついで、濾過装置40を固定板部21に固定する。
【0082】
ついで、第1,2の管部材70,80が取り付けられる。このようにして、燃料供給装置20が1つのユニットとして形成される。
【0083】
燃料供給装置20を外壁部11の一部12に固定するために、固定板部21を一部12に固定する。このように固定されることによって、ポンプ装置30の少なくとも一部が方向Bにハウジング本体47と重なるように形成された燃料供給装置20は、ポンプ装置30の少なくとも一部が、方向Bにハウジング本体47と一部12との間に入り込むようになる。
【0084】
つぎに、燃料供給装置20の動作を説明する。図2に示すように、燃料を燃料タンク13に補給しないときは、収容部14は、蓋部材17と、周壁部15の一部15aとが取り付けられている。
【0085】
燃料タンク13に燃料を補給する際には、図1に示すように、収容部14の周壁部15の一部15aと蓋部材17とが取り外される。ついで、図5に示すように、第1の管部材70の他端部72を燃料貯留タンク18などの燃料供給源に連結する。
【0086】
ついで、ポンプ装置30の駆動部31の駆動スイッチ31aを押す。駆動スイッチ31aが押されると、駆動部31が駆動するので、燃料貯留タンク18から、第1の管部材70を通って、吸い込み口34からポンプ装置用ハウジング33内に燃料が流入する。ついで、図6中に矢印に示すように、燃料Fは、流路32(図中点線で一部を示し、他の部分を2点鎖線で省略して示している)を通って、吐き出し口35と連結部22とからハウジング本体47内に流入する。
【0087】
燃料Fは、本発明で言う燃料であるとともに、本発明で言う液の一例である。また、ポンプ装置30が燃料Fを燃料貯留タンク18から燃料タンク13に移動することは、本発明で言う液を移動の一例である。
【0088】
ハウジング本体47内に流入した燃料Fは、フィルタエレメント60の濾材61の側面から濾材61内に侵入して濾材61の内側まで通過する。この際に、燃料Fは、濾材61によって濾過されるので、燃料F中に含まれるごみなどの不純物が取り除かれる。
【0089】
濾材61の内側に出た燃料Fは、濾材61によって濾過されている。濾材61によって濾過された燃料は、突出部53の内部と基部41の内部とを通って流出口46に到達する。
【0090】
ついで、濾過された燃料は、流出口46から第2の管部材80内に流入して、第2の管部材80を通って燃料タンク13内に出る。
【0091】
このように、燃料供給装置20の動作によって、濾過された後の燃料が燃料タンク13内に補給されるようになる。
【0092】
燃料の補給が終了すると、ポンプ装置30の解除スイッチ31bを押す。解除スイッチ31bが押されると、駆動部31の駆動が停止し、それゆえ、燃料タンク13への燃料の供給が停止される。
【0093】
なお、第2の管部材80の燃料タンク側の端部に、燃料が充分な量補給されたことを検出するセンサを設けてもよい。駆動部31は、センサの検出結果に基づいて(燃料タンク13内に充分な量の燃料が補給されると)、自動的に駆動を停止する。この構造であれば、燃料タンク13内に充分な量の燃料が補給されると、操作者が駆動停止スイッチを操作することなく、ポンプ装置30が停止する。
【0094】
このように構成される燃料供給装置20では、燃料は、燃料タンク13内に補給される前(入る前)に濾過装置40によって濾過される。言い換えると、燃料供給装置20は、供給する燃料などの液を濾過できる。このため、燃料タンク13には、濾過された後であってごみなどの不純物が取り除かれた燃料が補給されるようなるので、燃料タンク13内にごみなどの不純物が溜まることを抑制することができる。
【0095】
また、ポンプ装置30のポンプ装置用ハウジング33と、濾過装置40の濾過装置用ハウジング42とは、連結部22と流入口54とが連結することによって、互いに直接連結される。
【0096】
このため、ポンプ装置用ハウジング33と濾過装置用ハウジング42とを、管部材などの別部品を介して連結することがないので、燃料供給装置20をコンパクトにすることができる。
【0097】
また、濾過装置用ハウジング42が外壁部11の一部12に固定され(本実施形態では、基部41と固定板部21とを介して固定され)、ポンプ装置用ハウジング33が一部12に固定される(本実施形態では、固定板部21を介して固定される)ことによって、互いに支え合うようになる。このため、燃料供給装置20がショベルカー10などの装置に強固に固定支持されるようになる。
【0098】
この結果、本実施形態のように、ショベルカー10のような比較的振動が大きい装置(建設用機械や重機など)であっても、燃料供給装置20を搭載することができるようになる。
【0099】
なお、濾過装置用ハウジング42が一部12に固定されることは、濾過装置40が一部12に固定されることの一例である。ポンプ装置用ハウジング33が一部12に固定されることは、ポンプ装置30が一部12に固定されることの一例である。
【0100】
また、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように形成されている。
【0101】
このため、ハウジング本体47とポンプ装置30とが重なるように配置されるので、燃料供給装置20の配置スペースを小さくすることができる。この結果、燃料供給装置20をショベルカー10などの装置に搭載しやすくなる。
【0102】
さらに、ポンプ装置30の少なくとも一部は、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように、ハウジング本体47と一部12との間に入り込むように配置される。このため、より一層、燃料供給装置20の配置スペースを小さくすることができる。この結果、燃料供給装置20をショベルカー10などの装置に搭載しやすくなる。
【0103】
なお、本実施形態では、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41の延びる方向Bにハウジング本体47と重なっている。しかしながら、これに限定されない。
【0104】
本実施形態では、一例として、図4,5に示すように、基部41が延びる方向Bに沿って見たときに、蓋部材48とハウジング本体47とは略同じ大きさを有しており、それゆえ、蓋部材48とハウジング本体47とは、方向Bに略重なっている。
【0105】
しかしながら、蓋部材48とハウジング本体47とを方向Bに沿って見たときに蓋部材48がハウジング本体47よりも大きく、それゆえ蓋部材48が方向Bにハウジング本体47と重ならない部分を有する場合、または、蓋部材48が方向Bと交差する方向(蓋部材48の内側から外側へ向かう方向)にハウジング本体47よりも突出している部分を有しており、それゆえ蓋部材48が方向Bにハウジング47と重ならない部分を有する場合などでは、ポンプ装置30の少なくとも一部が基部41の延びる方向Bに蓋部材48(上記部分)と重なっていれば、同様の作用と効果とを得ることができる。
【0106】
言い換えると、ポンプ装置30が、基部41の延びる方向Bにハウジング本体47と重なっていない場合であっても、ポンプ装置30の少なくとも一部が基部41の延びる方向Bに蓋部材48と重なっていれば、同様の作用と効果とを得られる。
【0107】
このように、ポンプ装置30の少なくとも一部が、ハウジング本体47や蓋部材48などによって構成される濾過装置用ハウジング42と基部41が延びる方向Bに重なっていれば、濾過装置用ハウジング42とポンプ装置30とが重なるように配置されるので、燃料供給装置20の配置スペースを小さくすることができる。この結果、燃料供給装置20をショベルカー10などの装置に搭載しやすくなる。なお、ポンプ装置30の全てが方向Bに重なることによって、さらに効果的となる。
【0108】
さらに、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bに濾過装置用ハウジング42に重なるように濾過装置用ハウジング42と一部12との間に入り込むことによって、燃料供給装置20の配置スペースをより一層小さくすることができる。なお、濾過装置用ハウジング42と一部12との間に入り込む場合であってもポンプ装置30の全てが方向Bに濾過装置用ハウジング42と重なることによって、さらに効果的となる。
【0109】
また、本実施形態では、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41の延びる方向Bに濾過装置用ハウジング42と重なるように配置されている。しかしながら、例えば、濾過装置40が、濾過装置用ハウジング42以外の部品を備える構造である場合では、基部41が延びる方向Bにポンプ装置30の少なくとも一部が濾過装置40において濾過装置用ハウジング42以外の部分(上記部品)と重なるように配置されてもよい。
【0110】
このように、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bに濾過装置40(濾過装置40を構成する部品の少なくとも一部、濾過装置用ハウジング42も含む)と重なるように配置されても、同様の作用と効果とを得ることができる。なお、方向Bに全て重なることによって、さらに効果的となる。
【0111】
さらに、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bに濾過装置40と重なるように濾過装置40と一部12との間に入り込むことによって、燃料供給装置20の配置スペースをより一層小さくすることができる。また、濾過装置40と一部12との間に入り込む場合であってもポンプ装置30の全てが方向Bに濾過装置40と重なることによって、さらに効果的となる。
【0112】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る燃料供給装置を、図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構造は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、濾過装置40とポンプ装置30との配置が第1の実施形態と異なる。上記異なる点以外は、同様の構造であってよい。
【0113】
上記異なる点を具体的に説明する。図7は、本実施形態の燃料供給装置20を、濾過装置40の一部を切り欠いて示す断面図である。第1の実施形態では、燃料供給源から燃料タンク13までの燃料の流れにおいて、ポンプ装置30は、濾過装置40よりも上流に配置されている。本実施形態では、図中燃料の流れを矢印で示すように、ポンプ装置30は、濾過装置40の下流に配置されている。
【0114】
このため、第2の管部材80の他端部82は、燃料タンク13ではなく、燃料貯留タンク18などの燃料供給源に着脱可能に取り付けられる。そして、第1の管部材70の他端部72は、燃料タンク13に連結される。また、第1の実施形態で説明された流出口46と流入口54とが入れ代わる。また、ポンプ装置30でも、第1の実施形態で説明された吐き出し口35と吸い込み口34とが入れ代わる。
【0115】
本実施形態の燃料供給装置20では、図中矢印で示すように、燃料は、濾過装置40の濾材61を内側から外側に向かって通過する。そして、濾過された燃料がポンプ装置用ハウジング33を通過して燃料タンク13内に入る。つまり、第1の実施形態で説明された流れに対して逆の流れとなる。
【0116】
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、ポンプ装置用ハウジング33内に燃料に含まれるごみなどの不純物が入り込むことを抑制できるので、燃料中のごみなどの不純物に起因するポンプ装置30に作用する影響を抑制することができる。
【0117】
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る燃料供給装置を、図8を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、濾過装置40とポンプ装置30との配置関係と、濾過装置40とポンプ装置30との連結構造とが、第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造について、具体的に説明する。
【0118】
図8は、本実施形態の燃料供給装置20を示す斜視図である。図8に示すように、本実施形態では、燃料供給装置20が配置される部位が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、燃料供給装置20は、第1の実施形態と異なり、ショベルカー10の外壁部11において配置スペースが比較的広い他の部位に配置されている。本実施形態で燃料供給装置20が配置される部位は、外壁部11の一部12(第1の実施形態で燃料供給装置20が配置された部位)とは異なる位置である一部100である。なお、一部100は、燃料タンク13の近傍である。
【0119】
本実施形態の濾過装置40は、例えば基部41を有しておらず、それゆえ、濾過装置用ハウジング42のハウジング本体47が固定板部21に直接固定されている。本実施形態では、濾過装置40は、一例として、流入口54が濾過装置用ハウジング42の側壁104に形成されている。フィルタエレメント60(一例として円筒状)は、例えば、濾過装置用ハウジング42(一例として円筒状)の略同心上に配置されており、燃料Fが当該フィルタエレメント60(ハウジング本体47内に収容されており図示せず)を外側から内側に通過することによって、燃料Fを濾過する。
【0120】
また、濾過装置用ハウジング42内には、フィルタエレメント60を通過して当該フィルタエレメント60の内側に溜まった濾過後の燃料Fを、フィルタエレメント60の外側に導く流路が形成されている。この流路には、濾過される前の燃料Fが流入することはない。
【0121】
本実施形態では、例えば流出口46(図示せず)は、濾過装置用ハウジング42の側壁104に形成されている。上記された濾過後の燃料Fが通る流路(図示せず)は、流出口46に液密に連結されている。
【0122】
濾過装置40が上記構造であることによって、濾過装置40によって濾過された燃料Fが、第2の管部材80を通って燃料タンク13に供給される。
【0123】
ポンプ装置30は、濾過装置40と離れた位置に配置されており、固定板部21に固定されている。ポンプ装置30のスイッチ31a,31bは、本実施形態では図示されていないが、例えば濾過装置40ではなく、ポンプ装置30のポンプ装置用ハウジング33に設けられてもよい。
【0124】
燃料供給装置20は、ポンプ装置30と濾過装置40とを互いに連結する第3の管部材101を備えている。第3の管部材101の一端102は、ポンプ装置用ハウジング33の連結部22に液密に連結され、固定されている。このため、第3の管部材101には、ポンプ装置30が吐出する燃料F(本発明で言う液の一例)が流入する。第3の管部材101の他端103は、流入口54に液密に連結され、固定されている。第3の管部材101を通った燃料Fは、濾過装置40内に流入する。第3の管部材101は、本発明で言う管部材の一例である。
【0125】
つぎに、本実施形態の燃料供給装置20の動作を説明する。ポンプ装置30が駆動することによって、第1の管部材70を通って燃料貯留タンク18から燃料Fがポンプ装置30内に導かれる。
【0126】
そして、燃料Fは、ポンプ装置30から第3の管部材101内に吐出される。ついで、燃料Fは、第3の管部材101から流入口54を通って濾過装置40内に流入する。濾過装置40によって濾過された燃料Fは、流出口46を追って第2の管部材80内に吐出される。ついで、燃料Fは、第2の管部材80を通って燃料タンク13に供給される。
【0127】
本実施形態のように、濾過装置40とポンプ装置30とが互いに第3の管部材101を介して連結されて連通する構造であっても、燃料Fは、燃料タンク13内に補給される前(入る前)に濾過装置40によって濾過される。言い換えると、燃料供給装置20は、供給する燃料などの液を濾過できる。このため、燃料タンク13には、濾過された後であってごみなどの不純物が取り除かれた燃料が補給されるようなるので、燃料タンク13内にごみなどの不純物が溜まることを抑制することができる。
【0128】
なお、本実施形態においてもポンプ装置30と濾過装置40とは、固定板部21を介して外壁部11の一部100に固定されたが、この固定構造は、第1の実施形態と同様であってよい。つまり、ポンプ装置30と濾過装置40とは、固定板部21に固定されてユニット化された後、固定板部21が一部100に固定されることによって一部100(外壁部11)に固定(固定板21を介しての固定)されることに限定されない。ポンプ装置30と濾過装置40とは、直接一部100上に固定されてもよい。
【0129】
また、本実施形態の燃料供給装置20は、第2の実施形態のようにポンプ装置30が濾過装置40よりも下流に配置されてもよい。この場合、第2の実施形態で説明したように、ポンプ装置用ハウジング33内に燃料に含まれるごみなどの不純物が入り込むことを抑制できるので、燃料中のごみなどの不純物に起因するポンプ装置30に作用する影響を抑制することができる。
【0130】
つぎに、本発明の第4の実施系形態に係る燃料供給装置を、図9を用いて説明する。なお、第3の実施形態と同様の機能を有する構成は、第3の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0131】
本実施形態では、燃料供給装置20は、さらに、燃料タンク13内の燃料Fを濾過装置40の上流に導く流路部と、切替手段とを備える点が第1の実施形態と異なる。また、燃料供給装置20の構成要素として、燃料タンク13を含める点が、第3の実施形態と異なる。また、濾過装置40が、燃料Fと水Wとを分離する機能を有する点およびそれに伴う周囲の構造が第3の実施形態と異なる。他の構造は、第3の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造について具体的に説明する。
【0132】
図9は、本実施形態の燃料供給装置20を示す斜視図である。なお、本実施形態では、燃料タンク13は、燃料供給装置20に隣接して配置されている。本実施形態の燃料供給装置20は、流路部200を備える。流路部200は、第4の管部材201と、第5の管部材210と、連結部材220とを備えている。
【0133】
第4の管部材201の一端部202は、燃料タンク13に連通している。燃料タンク13の縦壁部203には、一端部202が連通する連通部204が形成されている。第4の管部材201は、燃料タンク13内と連通している。
【0134】
連結部材220は、T字状であって、3つの開口部221〜223を備えており、各開口部221〜223は互いに連通している。第1の管部材70の一端部71は、開口部221に連結されている。第1の管部材70は、開口部221を通して連結部材220と連通している。第4の管部材201の他端部205は、連結部材220の開口部222に連結されている。第5の管部材210は、開口部222を通して連結部材220と連通している。
【0135】
第5の管部材210の一端部211は、連結部材220の開口部223に連結されている。第5の管部材210は、連結部材220に開口部223を通して連通している。第5の管部材210の他端部212は、ポンプ装置30の吸込み口34の管部材連結部36に連結されている。
【0136】
連結部材220内には、点線で示すように切替バルブ230が設けられている。切替バルブ230は、連結部材220の外側から例えば作業員によって操作が可能である。切替バルブ230を切り替えることによって、第1の状態と第2の状態とが切り替えらえれる。
【0137】
第1の状態は、燃料貯留タンク18内の燃料Fを濾過して燃料タンク13内に導く際に用いられる。第1の状態は、開口部222が閉められて(開口部222を通して燃料タンク13内の燃料が流出しない状態、つまり開口部222を燃料などの流体が流動できない状態)開口部221,223が互いに連通されて、第1の管部材70と第5の管部材210とが連通する状態である。
【0138】
第2の状態は、燃料タンク13内の燃料Fを濾過装置40を用いて濾過する場合などに用いられる。第2の状態は、開口部221が閉められて(開口部221を通して燃料タンク18内の燃料が流出しない状態、つまり、開口部221を燃料などの流体が流動できない状態)開口部222,223が互いに連通されて、第4の管部材201と第5の管部材210とが連通する状態である。切替バルブ230は、本発明で言う切替手段の一例である。
【0139】
また、燃料供給装置20は、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する分離構造を有している。燃料Fと水Wとの分離の際には、油水分離用のフィルタエレメントが用いられる。なお、第1〜3の実施形態では、燃料F中に含まれるごみなどの不純物を取り除くために濾材61を有するフィルタエレメント60を用いられた。例えば、フィルタエレメント60を燃料F中のごみなどの不純物を取り除くため用の濾材とすると、本実施形態では、フィルタエレメント60に加えて、さらに、別途に油水分離用のフィルタエレメント300を備える。
【0140】
フィルタエレメント300は、濾材61に代えて、燃料Fと水Wとを分離できる濾材301を備えている。濾材301の形状(外観など)は、濾材61と同様であってよい。他の構造は、第1の実施形態で説明されたフィルタエレメント60と同様であってよい。このため、フィルタエレメント60とフィルタエレメント300とは、大きさや外観形状が略同じである。
【0141】
濾過装置用ハウジング42には、燃料Fと水Wとを分離する構造が設けられている。図10は、図9中に示されるF10−F10線に沿って示す濾過装置40の断面図である。図10は、濾過装置40の内部を示している。濾過装置用ハウジング42は、上下方向(重力が作用する方向)に2つの部屋303,304を有している。上方の部屋303と下方の部屋304とは、仕切壁部305によって仕切られている。濾過装置用ハウジング42内では、後述される貫通孔310を通して以外は、上方の部屋303と下方の部屋304とは連通していない。
【0142】
フィルタエレメント60またはフィルタエレメント300は、仕切壁部305上に設置される。仕切壁部305には、フィルタエレメント60,300を位置決めする位置決用板部材306が設けられている(フィルタエレメント60,300は、外観形状が略同じであるため)。
【0143】
位置決用板部材306は、例えば円形であり、周縁部307が例えば全周にわたって立ち上がっている。位置決用板部材306の形状は、立ち上がった周縁部307によって規定される内側にフィルタエレメント60,300が嵌まるように設定されている。このため、周縁部307内にフィルタエレメント60,300が嵌まることによって、濾過装置用ハウジング42内でフィルタエレメント300が位置決めされる。フィルタエレメント60,300は、例えば、仕切壁部305の中央に配置される。仕切壁部305と位置決用板部材306の中央部には、フィルタエレメント60,300の第2の端部材63の開口66と連通する貫通孔310が形成されている。蓋部材48を閉めることによって、ばね部材67の押圧力によってフィルタエレメント60,300は位置決用板部材306に押し付けられる。
【0144】
上方の部屋303には、流入口54が設けられている。フィルタエレメント60,300(濾材61,301)によって濾過された燃料Fは、貫通孔310を通って、下方の部屋302に流入する。なお、フィルタエレメント60,300において位置決用板部材306と当接する部位(図中では下端)は、ばね部材67に押圧されることによって、液密に位置決用板部材306に当接している。このため、濾材61,301を通過した燃料Fがフィルタエレメント300と位置決用板部材306との間から漏れることはない。
【0145】
濾材301は、燃料Fと水Wとを分離する機能を有している。濾材301を通過する前の状態では、燃料F中に存在する水Wは、その粒が小さい。濾材301を通過することによって、燃料F中の水Wの粒が大きくなる。この結果、水Wが分離される。
【0146】
濾材301を通過した燃料Fと水Wとは、貫通孔310を通って下方の部屋304に流
入する。燃料Fの比重は、水Wよりも小さい。このため、濾材301を通過して粒が大きくなりそれゆえ燃料Fから分離された水Wは、下方の部屋304内の下部に溜まる。このため、下方の部屋304において濾過装置用ハウジング42の側壁104の上方部分には、流出口46が形成されている。下方部分には、水Wを排出するための排出口320が形成されている。
【0147】
排出口320は、フィルタエレメント60を用いて燃料Fとごみなどの不純物を分離する際では、蓋部材321によって液密に閉塞されている。排出口320は、フィルタエレメント300を用いて燃料Fと水Wとを分離する際には、蓋部材321が取り外されて排出用管部材322が連結され、分離された水Wが濾過装置40外に排出されるようになる。なお、図10中、蓋部材321と排出用管部材322とは、2点鎖線で示されており、互いに交換可能である様子を示している。
【0148】
また、ポンプ装置30によって濾過装置40に導かれる燃料の流量が可変となっている。例えば、流路中においてポンプ装置30の近傍にバルブを設けて、流量を調整できるようになっている。または、ポンプ装置30の例えば駆動モータなどの動作能力を調整することによってポンプ装置30の流量を調整可能となっている。なお、濾過装置40へ供給される燃料の流量を可変とする構造は、上記限定されない。要するに、濾過装置40へ供給される燃料の流量が可変となればよい。
【0149】
燃料貯留タンク18から供給される燃料Fを濾過する場合や燃料タンク13内の燃料を濾過装置40で濾過する場合(フィルタエレメント60を用いる場合)では、濾過装置40に供給される燃料の流量を例えば50リットル/minとする。フィルタエレメント300を用いて燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する際では、濾過装置40に供給される流量(燃料と水とを含む)を2〜10リットル/minとする。
【0150】
上記のように、ごみなどの不純物を取り除くのに最適な流量(例えば、50リットル/min)と、水分を取り除くのに最適な流量(例えば、2〜10リットル/min)とは、実験などによって予め求められている。
【0151】
つぎに、本実施形態の燃料供給装置20の動作を説明する。第1の実施形態で説明されたように、濾過装置40を通して当該濾過装置40で濾過された燃料貯留タンク18内の燃料Fを燃料タンク13内に供給する際では、フィルタエレメント60が用いられるとともに、切替バルブ230は、例えば作業員によって第1の状態に設定される。
【0152】
切替バルブ230が第1の状態に設定されることによって、燃料貯留タンク18内の燃料Fは、第1の管部材70と連結部材220と第5の管部材210とポンプ装置30と第3の管部材101とを通って濾過装置40に導かれ、当該濾過装置40で濾過された後、燃料タンク13内に導かれる。
【0153】
このとき、連結部材220内では、第4の管部材201が連結される開口部222と、第5の管部材210が連結される開口部223とは互いに連通していない。このため、燃料タンク13内の燃料Fが第4の管部材201を通って再び濾過装置40に導かれることはない。
【0154】
つぎに、燃料タンク13内に溜められた燃料を濾過装置40によって濾過する動作を説明する。燃料タンク13内へは、濾過装置40を通さずに燃料が供給される場合がある。例えば、燃料タンク13に設けられる供給口(図示せず)を通して外部から燃料タンク13内に直接燃料が供給される場合などである。
【0155】
この場合では、濾過装置40によって濾過されていない燃料Fが燃料タンク13内に導かれるので、燃料タンク13内に、濾過されていない燃料中に含まれるごみなどの不純物が溜まることが考えられる。このため、濾過装置40を通さずに燃料Fが燃料タンク13に供給されると、濾過装置40を用いて燃料タンク13内の燃料を濾過する動作が行われる。
【0156】
具体的には、フィルタエレメント60が用いられるとともに、例えば作業員によって切替バルブ230が第2の状態に設定される。切替バルブ230が第2の状態に設定されることによって、連結部材220内では、第4の管部材201が連結される開口部222と第5の管部材210が連結される開口部223とが互いに連通し、第1の管部材70が連結される開口部221が閉まるので、燃料タンク13内の燃料Fのみがポンプ装置30によって濾過装置40に導かれる。濾過装置40に導かれた燃料Fは、濾過された後、再び燃料タンク13内に導かれる。
【0157】
つぎに、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する動作を説明する。なお、燃料F中の水Wを取り除く作業は、例えば、燃料貯留タンク18内の燃料Fを濾過装置(フィルタエレメント60)で濾過して燃料タンク13内に例えば満タン状態に供給した後(第1の状態)、または、流路部200を第2の状態に設定して燃料タンク13内の燃料Fを濾過装置(フィルタエレメント60)で濾過した後に行われる。なお、これに限定されない。
【0158】
燃料タンク13内の燃料Fから水Wを分離する際には、流路部200は、第2の状態に設定される。そして、濾過装置40の蓋部材48を取り外してフィルタエレメント60を取り外す。ついで、フィルタエレメント300を取り付けて(フィルタエレメント60とフィルタエレメント300とが交換される)蓋部材48を取り付ける。ついで、濾過装置40に導かれる流量を2〜10リットル/minに設定する。ついで、蓋部材321が取り外されて、排出用管部材322が排出口320に固定される。ついで、ポンプ装置30が動作される。なお、ポンプ装置30が動作される前までの作業の順番は、上記に限定されない。
【0159】
このことによって、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとが濾過装置40に導かれる。図10に示すように、導かれた燃料Fと水Wが濾材301を通過することによって、水Wの粒が大きくなる。濾材301を通過して水Wが分離された燃料Fは、下方の部屋304に流入した後、流出口46を通って燃料タンク13に導かれる。濾材301を通過して分離された水Wは、下方の部屋304の下部に溜まるとともに、排出口320から外部へ排出される。
【0160】
ポンプ装置30が所定時間運転されると、ポンプ装置30の運転が停止される。なお、この所定時間は、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離するのに必要な時間であり、燃料タンク13内の容量などに基づいて計算することができる。
【0161】
このように、濾過装置40への流量を調整するとともに、ごみなどの不純物を取り除くためのフィルタエレメント60と燃料Fと水Wとを分離するためのフィルタエレメント300とを使い分けることによって、ごみなどの不純物を取り除く動作と、燃料Fと水Wと分ける動作とを切り替えることができる。
【0162】
本実施形態では、第3の実施形態の効果に加えて、濾過装置40を通さずに燃料Fが燃料タンク13内に供給された場合などに燃料タンク13内の燃料中のごみなどの不純物を取り除くことができる。また、燃料タンク13内の燃料をろ過する構造に、ポンプ装置30と濾過装置40とを利用することによって、構造を簡素にすることができる。
【0163】
また、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離することができる。また、燃料Fと水Wとを分離する構造に、流路部200、ポンプ装置30、濾過装置40とを利用することによって、構造を簡素にすることができる。
【0164】
なお、本実施形態では、第3の実施形態で説明された燃料供給装置の構造に、本発明で言う流路部が組み込まれた構造が説明されたがこれに限定されない。例えば、第1,2の実施形態で説明された燃料供給装置に、本実施形態で説明されたような本発明で言う流路部と、切替手段と、燃料と水とを分離する構造とが設けられてもよい。この場合、第1,2の実施形態の効果に加えて、本実施形態で説明された効果を得ることができる。
【0165】
つぎに、第5の実施形態に係る燃料供給装置を、図11を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態で説明された燃料供給装置20が、さらに、第4の実施形態で説明された、燃料タンク内の燃料を濾過装置の上流に導く流路部と切替手段とを備える。また、第4の実施形態で説明された、燃料Fと水Wとを分離する構造を備えている。
【0166】
このため、本実施形態は、第1の実施形態に対して、本発明で言う流路部(一例として流路部200)と切替手段(一例として切替バルブ230)とを備える点と、濾過装置40への流量を調整できる機構とフィルタエレメント300とを備える構造を備える点とが異なる。本実施形態において、第1,4の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1,4の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。以下、上記異なる点について、具体的に説明する。
【0167】
図11は、本実施形態の燃料供給装置20を示している。本実施形態では、燃料供給装置20は、第4の実施形態と同様に、燃料タンク13を備えている。図11に示すように、本実施形態では、燃料タンク13は、燃料供給装置20に隣接した位置に配置されている。燃料タンク13は、流路部200と、切替バルブ230とを備えている。濾過装置40は、フィルタエレメント60と交換可能なフィルタエレメント300を備えている。なお、フィルタエレメント300は、図中2点鎖線で示されており、フィルタエレメント60と交換可能である様子を示している。
【0168】
燃料タンク13内の燃料F中のごみなどの不純物を取り除く動作と、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する際の動作は、第4の実施形態と同様である。本実施形態では、第1の実施形態の効果と第4の実施形態の効果とを得ることができる。
【0169】
なお、第4,5の本実施形態では、燃料タンク13が燃料供給装置20の構成要素の1つとされたが、これに限定されない。同様に、第1〜3の実施形態で説明された燃料供給装置20であっても、燃料タンク13が構成要素の1つであってもよい(請求項15に対応)。
【0170】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料供給装置を備えるショベルカーの外観において燃料供給装置を拡大して示す斜視図。
【図2】図1に示された燃料供給装置が、図1に示された収容部内に収容されている状態を示す斜視図。
【図3】図1に示された収容部内を、蓋部側から見た状態を示す平面図。
【図4】図1に示された燃料供給装置を示す正面図。
【図5】図5に示された燃料供給装置を示す側面図。
【図6】図4に示された燃料供給装置において濾過装置の一部が切り欠かれた状態を示す正面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る燃料供給装置を、濾過装置の一部を切り欠いて示す正面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る燃料供給装置を示す斜視図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る燃料供給装置を示す斜視図。
【図10】図9に示されたF9−F9線に沿って示す濾過装置の断面図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る燃料供給装置を示す斜視図。
【符号の説明】
【0172】
10…ショベルカー(装置)、12…一部(壁部、固定部)、13…燃料タンク、20…燃料供給装置、22…連結部(第1の連結部)、30…ポンプ装置、33…ポンプ装置用ハウジング、40…濾過装置、41…基部、42…濾過装置用ハウジング、54…流入口(第2の連結部)、60…フィルタエレメント、70…第1の管部材(ポンプ装置用管部材)、80…第2の管部材(濾過装置用管部材)、101…第3の管部材(管部材)、230…切替バルブ(切替手段)、B…方向(基部が延びる方向)、F…燃料(液)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば重機が備える燃料タンクに燃料を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば油圧ショベルカーなどの重機は、エンジンに供給する燃料を収容する燃料タンクを備えている。また、重機には、燃料タンク内に燃料を供給するためのポンプが設けられている。このように、ポンプを備える重機では、燃料タンク内に、重機の外部に設置される燃料貯留タンクなどの燃料供給源からポンプを介して燃料が補給される。燃料タンク内に収容される燃料は、エンジンに供給される。
【0003】
一方、エンジンに供給される燃料内にごみなどの不純物が入り込んでいることは好ましくない。このため、燃料タンクからエンジンまでの燃料の流れ経路中に、燃料フィルタが設けられる構造が提案されている。燃料フィルタによって、エンジンに供給される燃料内のごみなどの不純物を取り除くことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−89391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、燃料タンク内には、燃料中に含まれるごみなどの不純物が溜まることが考えられる。特に、重機など可動時間が多い機械においては、燃料タンク内に燃料を供給する回数が多くなり、それにともなって、燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることが考えられる。
【0005】
特許文献1に開示される技術であると、エンジンに入る前の燃料中のごみなどの不純物を取り除くことはできるが、燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まってしまうことが考えられる。燃料タンク内に、ごみなどの不純物が溜まることは好ましくない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、供給する燃料などの液を濾過できる液供給装置を提供することである。また、他の発明の目的は、燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることを抑制できる燃料供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の液供給装置は、液を移動可能なポンプ装置と、前記ポンプ装置によって流動する液を濾過する濾過装置とを備える。
【0008】
請求項2に記載の液供給装置では、請求項1に記載の液供給装置において、前記ポンプ装置は、液が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを備える。前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに液が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを備える。前記第1,2の連結部は互いに連結される。
【0009】
請求項3に記載の液供給装置では、請求項1または請求項2に記載の液供給装置において、前記濾過装置は、固定用の基部を備える。前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように配置される。
【0010】
請求項4に記載の液供給装置では、請求項1に記載の液供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記液が流動可能な管部材を介して互いに連結される。
【0011】
請求項5に記載の液供給装置では、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の液供給装置において、前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材とを備える。
【0012】
請求項6に記載の燃料供給装置は、燃料タンクを備える装置に設けられて前記燃料タンク内に燃料を送り込むポンプ装置と、前記装置に設けられるとともに、前記燃料タンク内に入る前の燃料を濾過する濾過装置とを備える。
【0013】
請求項7に記載の燃料供給装置では、請求項6に記載の燃料供給装置において、前記ポンプ装置は、燃料が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを備える。前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに燃料が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを備える。前記第1,2の連結部は互いに連結される。
【0014】
請求項8に記載の燃料供給装置では、請求項6または請求項7に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される。
【0015】
請求項9に記載の燃料供給装置では、請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置は、当該濾過装置を前記壁部に固定する基部を備える。前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように前記濾過装置と前記壁部との間に入り込む。
【0016】
請求項10に記載の燃料供給装置では、請求項6に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記燃料が流動可能な管部材を介して連結される。
【0017】
請求項11に記載の燃料供給装置では、請求項10に記載の燃料供給装置において、前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される。
【0018】
請求項12に記載の燃料供給装置では、請求項6〜11のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材とを備える。
【0019】
請求項13に記載の燃料供給装置では、請求項6〜12のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、前記タンク内の燃料を前記濾過装置に導く流路部を備える。
【0020】
請求項14に記載の燃料供給装置では、請求項13に記載の燃料供給装置において、さらに、前記タンク内の燃料が前記濾過装置に導かれない第1の状態と前記タンク内の燃料が前記流路部を通って前記濾過装置に導かれる第2の状態とを切り替える切替手段を備える。
【0021】
請求項15に記載の燃料供給装置では、請求項6〜14のうちのいずれか1項に記載の燃料供給装置において、さらに前記タンクを備える。
【発明の効果】
【0022】
液供給装置は、当該液供給装置によって供給される液を濾過することができる。別の発明である燃料供給装置は、装置が備える燃料タンク内にごみなどの不純物が溜まることを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の第1の実施形態に係る燃料供給装置を、図1〜6を用いて説明する。本実施形態に係る燃料供給装置は、例えば一例としてショベルカー10などの重機に用いられる。本実施形態では、ショベルカー10は、本発明で言う燃料タンクを備える装置の一例である。なお、燃料タンクを備える装置は、ショベルカー10に限定されるものではない。他の重機や建設機械や自動車などであってもよい。要するに、燃料タンクを備える装置であればよい。
【0024】
図1は、ショベルカー10の外観(外からみた状態)の一部を拡大して示す斜視図である。図1中では、ショベルカー10の外観を規定する外壁部11の一部12が図示されている。
【0025】
ショベルカー10は、図示しないエンジンが生じる駆動力によって走行する(駆動する)。このため、ショベルカー10は、図示しないエンジンを備えるとともに、当該エンジンを駆動する燃料を溜めておく燃料タンク13(図5に示す)を備えている。
【0026】
燃料タンク13は、例えば図1中に示されるショベルカー10の外壁部11の一部12の近傍に配置されている。なお、図5中に2点鎖線で示される燃料タンク13は、後述される燃料の流れを説明するために概略的に図示されており、実際にショベルカー10に搭載される位置に図示されているものではない。
【0027】
ショベルカー10は、燃料タンク13内に燃料を補給する燃料供給装置20を備えている。燃料供給装置20は、本発明で言う液供給装置の一例であるとともに、本発明で言う燃料供給装置の一例である。燃料供給装置20は、ポンプ装置30と、濾過装置40と、固定板部21と、第1の管部材70と、第2の管部材80とを備えている。
【0028】
固定板部21は、ポンプ装置30と濾過装置40とが固定される台部である。燃料供給装置20は、固定板部21にポンプ装置30と濾過装置40が固定されて1つのユニットに形成される。そして、図1に示すように、上記ユニット化された燃料供給装置20(固定板部21にポンプ装置30と濾過装置40とが固定された状態)は、固定板部21がショベルカー10の外壁部11の一部12に固定されることによって、ショベルカー10において図示される一部12に設置される。
【0029】
ここで、ショベルカー10の外壁部11の一部12(図示される部分)について説明する。一部12は、ショベルカー10の外部に露出する外壁部11のうち、燃料タンク13の近傍の位置であって、かつ、設置スペースが確保されている部位である。
【0030】
本実施形態では、一部12は、一例として、ショベルカー10(本発明で言う装置)が水平な面(重力が作用する方向に対して垂直な面)上に配置された際に重力が作用する方向に対して略垂直な方向に広がる水平面部である。なお、ここで言う重力が作用する方向に対して略垂直な方向とは、厳密に垂直な方向も含む概念である。
【0031】
一部12には、燃料供給装置20を収容する収容部14が設けられている。図2は、燃料供給装置20が、収容部14内に収容されている状態を示している。図2に示すように、収容部14は、燃料供給装置20の周囲に設けられるとともに外壁部11の一部12から立ち上がる周壁部15と、周壁部15の端部によって規定される開口部16を覆う蓋部材17とを備えている。
【0032】
周壁部15の一部15aと、蓋部材17とは、取り外し可能となっている。図1,3は、周壁部15の一部15aと、蓋部材17とが取り外された状態を示している。図3は、蓋部材17側から、収容部14内を見た状態示す平面図である。
【0033】
図1,3に示すように、周壁部15の一部15aと蓋部材17とが取り外された状態では、外部からポンプ装置30と濾過装置40とを操作可能となるように、ポンプ装置30と濾過装置40とが外部に露出するようになる。
【0034】
ここで、燃料供給装置20の説明に戻る。燃料供給装置20を、当該燃料供給装置20がショベルカー10の外壁部11の一部12に固定された状態において説明する。図4は、燃料供給装置20のうち、ポンプ装置30と濾過装置40とを示す正面図である。なお、図中、第1の管部材70は、2点鎖線で示している。ポンプ装置30は、燃料タンク13に燃料を補給する際に、ショベルカー10の外部にある燃料供給源の一例である燃料貯留タンク18(図5に示す)内の燃料を燃料タンク13内に移すために用いられる。第1の管部材70は、本発明で言うポンプ装置用管部材の一例である。
【0035】
図5は、燃料供給装置20を示す側面図である。図5は、図4中に示される燃料供給装置20を矢印F5方向に沿って見た状態を示している。図5に示すように、ポンプ装置30は、燃料貯留タンク18内の燃料を吸い込む吸い込み力を発生する駆動部31と、当該駆動部31によって吸い込まれる燃料が流動する流路32が形成されるポンプ装置用ハウジング33とを備えている。
【0036】
図4に示すように、ポンプ装置30は、吸い込み口34と、吐き出し口35とを備えている。吸い込み口34と吐き出し口35とは、ポンプ装置用ハウジング33に形成されている。流路32は、吸い込み口34と吐き出し口35とを連通している。吸い込み口34と吐き出し口35とは、ポンプ装置用ハウジング33において外壁部11の一部12と反対側に向かって開口しており、互いに隣り合う位置に配置されている。
【0037】
吸い込み口34には、後述される第1の管部材70が連結される管部材連結部36が設けられている。管部材連結部36は、外壁部11の一部12と反対側に向かって突出している。吐き出し口35には、図4中に点線で示すように、連結部22が形成されている。連結部22は、外壁部11の一部12に対して反対側に向かって突出している。連結部22は、本発明で言う第1の連結部の一例である。
【0038】
駆動部31は、例えばポンプ装置用ハウジング33とは別部品となっており、ポンプ装置用ハウジング33に組みつけられている。または、駆動部31は、ポンプ装置用ハウジング33内に収容されてもよい。駆動部31は、例えば電動式である。駆動部31が駆動することによって吸い込み力が発生し、当該吸い込み力によって、吸い込み口34を通して流路32内に燃料が流入し、吐き出し口35から吐き出される。
【0039】
ポンプ装置30は、固定板部21に固定されている。固定板部21は、例えば平板状であって、外壁部11の一部12に例えば溶接などによって固定されている。なお、固定板部21の固定方法は溶接に限定されない。
【0040】
固定板部21の表面21aと、固定板部21において一部12に固定される面(表面21aの反対側の面)は、例えば、互いに平行な平面である。一部12において固定板部21が固定される面12aは、例えば平面である。それゆえ、面12aと面21aとは、平行な平面である。
【0041】
図5に示すように、ポンプ装置用ハウジング33には、固定板部21の表面21a上に固定される台部37が設けられている。台部37は、固定板部21の表面21a上に安定して固定されるように、底面が広い平面状である。この底面が固定板部21の表面に面接触する。台部37は、例えば、ボルト38によって固定板部21に固定される。
【0042】
同様に、駆動部31にも、ポンプ装置用ハウジング33に形成される台部37と同様の構造の台部39が形成されている。台部39は、例えば底面が平面状であって固定板部21の表面に面接触し、それゆえ、安定して固定板部21上に固定される。台部37は、例えばボルト39aによって固定板部21に固定される。なお、駆動部31がポンプ装置用ハウジング33内に収容される構造の場合は、ポンプ装置用ハウジング33にのみ台部が形成されてもよい。
【0043】
このように、ポンプ装置30は、固定板部21を介してショベルカー10の外壁部11に固定される。外壁部11は、本発明で言う壁部の一例である。外壁部11の一部12は、固定板部21が設けられることによって補強され、それゆえ、燃料供給装置20が設けられても大丈夫な強度が確保されている。なお、充分な強度が確保される場合は、固定板部21を用いずに、ポンプ装置30は外壁部11に直接固定されてもよい。
【0044】
本発明で言う壁部に固定されるということは、本実施形態のように、固定板部21を介して壁部に固定されることと、壁部に直接に固定されることも含む概念である。
【0045】
図6は、図4に示された燃料供給装置20において濾過装置40の一部が切りかかれた状態を示す正面図である。図6に示すように、濾過装置40は、基部41と、濾過装置用ハウジング42と、フィルタエレメント60とを備えている。
【0046】
基部41は、固定板部21に固定されている。基部41は、固定板部21においてポンプ装置30と隣り合う位置に配置されて固定されている。基部41は、固定板部21から、当該固定板部21を挟んで外壁部11の一部12と反対側に向かって延びる形状である。基部41は、一例として直線状に延びており、延びる方向をBとする。基部41は、一例として、固定板部21の表面21aに対して垂直方向に延びている。なお、基部41は、固定板部21を介して固定されない場合は、一部12に対して垂直方向に延びてもよい。このように、基部41が固定される部位に対して垂直方向に延びていてもよい。
【0047】
基部41は、筒状であって固定板部21側の端部が開口している。基部41の周囲には、固定板部21に安定して固定されるように底面が平面状で固定板部21に面接触可能なフランジ部43が形成されている。フランジ部43と固定板部21との間にはシール構造の一例としてOリング44が設けられている。Oリング44は、開口45の周囲を囲む形状である。
【0048】
図4に示すように、フランジ部43は、例えば複数のボルト23によって固定板部21に固定されている。フランジ部43が固定板部21に固定された状態では、基部41の開口45は、Oリング44と固定板部21とによって液密に塞がれる。このため、基部41と固定板部21との間から燃料などの液が漏れることはない。基部41の周壁部には、流出口46が形成されている。
【0049】
濾過装置用ハウジング42は、フィルタエレメント60を収容するハウジング本体47と、蓋部材48とを備えている。ハウジング本体47は、基部41において固定板部21と反対側の端部に固定されており、基部41と一体になっている。言い換えると、基部41は、ハウジング本体47から一部12に向かって方向Bに沿って延びる。
【0050】
基部41が固定板部21に固定されることによって、濾過装置用ハウジング42が固定板部21に固定される。本発明で言う、濾過装置が壁部に固定されるとは、上記のように、固定板部21を介して間接的に固定されることも含む概念である。
【0051】
また、本発明で言う基部が濾過装置を壁部に固定するということは、本実施形態のように、基部が固定板部21を介して壁部に固定されることと、基部41が壁部(一部12)に直接に固定されることも含む概念である。ポンプ装置30について説明したように、基部41は、固定板部21を用いずに、外壁部11の一部12に直接固定されてもよい。
【0052】
ハウジング本体47は、内部にフィルタエレメント60を収容可能な中空形状であって、例えば底壁部52を有する有底円筒状である。ハウジング本体47において基部41と反対側の端部は、開口している。当該開口を通して、後述されるフィルタエレメント60がハウジング本体47内に着脱される。底壁部52には、基部41が固定されている。
【0053】
ハウジング本体47の外面において、周壁部15の一部15aと対向する位置には、ポンプ装置30の駆動部31を駆動する駆動スイッチ31aと、駆動を解除する解除スイッチ31bとが固定されている。
【0054】
蓋部材48は、ハウジング本体47の開口47aを液密に塞ぐ。ハウジング本体47の開口47aの縁部には、開口47aを囲むフランジ部49が形成されている。フランジ部49には、シール構造の一例として、開口47aを囲むとともに蓋部材48との間に介装されるOリング50が設けられている。蓋部材48は、フランジ部49にボルト51によって固定される。蓋部材48がフランジ部49に固定されることによって、開口47aは、Oリング50と蓋部材48とによって液密に塞がれる。このため、開口47aを通して燃料などの液が外部に漏れることはない。
【0055】
ハウジング本体47の底壁部52には、内側に向かって突出する突出部53が形成されている。なお、底壁部52は、ハウジング本体47において基部41が設けられる部位である。また、底壁部52は、基部41が延びる方向Bに沿って固定板部21(壁部12も含む)と対向する。底壁部52は、一例として、固定板部21と対向する平板状である。
【0056】
突出部53は、固定板部21とは反対側に向かって延びている。突出部53は、基部41の内部空間と直線状に連通する中空の筒状である。なお、本実施形態では、一例として、ショベルカー10(本発明で言う装置の一例)が水平な面(重力が作用する方向に対して垂直な面)上に配置された際に、基部41と突出部53とは、重力が作用する方向に略沿って延びている。なお、ここで言う重力が作用する方向に略沿って延びているとは、厳密に重力が作用する方向に沿うことも含む概念である。突出部53は、ハウジング本体47内において、底壁部52と開口47aとの略中間位置まで延びている。
【0057】
突出部53の内側端部53aは開口している。このため、ハウジング本体47の内部空間と基部41の内部空間とは、連通している。
【0058】
フィルタエレメント60は、両端が開口する筒状の濾材61と、濾材61の端部に設けられる第1の端部材62と、第2の端部材63と、蓋部材64とを備えている。
【0059】
濾材61は、例えばプリーツ状に折りたたまれて円筒状に形成されており、両端が開口している。第1の端部材62は、濾材61の一端部61aに設けられており、一端部61aを支持している。第1の端部材62は、一端部61aの端面のうち開口以外の部分(実際に濾材61がある部分)を液密に塞いでいる。また、第1の端部材62は、濾材61の開口と連通する開口を有している。
【0060】
第2の端部材63は、濾材61の他端部61bに設けられており、他端部61bを支持している。第2の端部材63は、他端部61bの端面のうち開口以外の部分(実際に濾材61がある部分)を液密に塞いでいる。また、第2の端部材63は、濾材61の開口と連通する開口を有している。
【0061】
蓋部材64は、一端部61a側に設けられている。具体的には、蓋部材64は、第1の端部材62に設けられており、第1の端部材62の開口を液密に塞いでいる。蓋部材64には、作業者が把持するための把持部65が設けられている。
【0062】
上記のように構成されるフィルタエレメント60は、濾材61の一端部61aの端面(開口も含めて)は第1の端部材62と蓋部材64とによって液密に塞がれる。他端部61bの端面は、実際に濾材61がある部分が第2の端部材63によって液密に塞がれつつ、第2の端部材63の開口を通して濾材61の内部と外部とが連通する。
【0063】
フィルタエレメント60は、第2の端部材63の開口66を通して突出部53が濾材61の内部に挿入された状態で、ハウジング本体47内に配置される。このとき、第2の端部材63は、開口66が底壁部52によって液密に塞がれるように、底壁部52に当接する。
【0064】
上記作用を得る構造の一例として、フィルタエレメント60の蓋部材64と濾過装置用ハウジング42の蓋部材48との間には、ばね部材67が介装される。ばね部材67は、コイルばねである。ばね部材67は、蓋部材64の把持部65が内側に嵌まるようになっており、それゆえ、把持部65によって支持されるので蓋部材64,48間で位置決めされる。
【0065】
フィルタエレメント60がハウジング本体47内に収容されて蓋部材48がハウジング本体47にボルト51で固定された状態では、ばね部材67は、蓋部材48,64間で圧縮される。このため、フィルタエレメント60は、底壁部52に押し付けられる。この押し付け力によって、第2の端部材63の開口66の縁部が底壁部52に押し付けられ、それゆえ、当該開口が液密にシールされる。
【0066】
フィルタエレメント60が上記のようにハウジング本体47内に収容されることによって、濾材61の両端部61a,61bは、第1,2の端部材62,63と、蓋部材64と、底壁部52とによって、液密に塞がれる。濾材61の内部は、突出部53を通して、基部41の内部空間と連通している。
【0067】
なお、フィルタエレメント60の蓋部材64にリリーフ弁68が設けられている。リリーフ弁68は、ハウジング本体47内の圧力が過大になったときに開く。リリーフ弁68が開くと、濾材61の内部が蓋部材64を通してハウジング本体47と連通する。なお、リリーフ弁68は、燃料供給装置20の通常動作の際には開かないように設定されている。
【0068】
ハウジング本体47は、ポンプ装置用ハウジング33と連結されている。ここで、ハウジング本体47とポンプ装置用ハウジング33とに連結構造について具体的に説明する。
【0069】
図6に示すように、ハウジング本体47内にフィルタエレメント60が収容された状態において、底壁部52においてフィルタエレメント60と重ならない部位には、流入口54が形成されている。このため、流入口54は、固定板部21側に開口している。流入口54は、本発明で言う第2の連結部の一例である。
【0070】
ポンプ装置用ハウジング33の吐き出し口35に形成される連結部22は、流入口54内に挿入されて嵌合しており、それゆえ、連結部22と流入口54とが液密に連結される。このため、吐き出し口35から突出された燃料は、連結部22と流入口54とを通って、外部に漏れることなく、ハウジング本体47内に流入する。
【0071】
このため、ハウジング本体47内では、流入口54を形成するために、フィルタエレメント60が流入口54を避けるように、いずれかの方向に偏って配置される。本実施形態では、一例として、フィルタエレメント60は、ハウジング本体47内において、濾過装置40とポンプ装置30とが並ぶ方向Aに沿って(または並ぶ方向Aに略沿って)ハウジング本体47の周壁に向かって偏った位置に配置されている。濾過装置40とポンプ装置30とが並ぶ方向Aは、図3中矢印で示されている。つまり、基部41と突出部53とは、底壁部52において上記偏った位置に設けられている。
【0072】
濾過装置40とポンプ装置30とが上記のように互いに連結されることによって、ポンプ装置30の一部は、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように、ハウジング本体47と固定板部21との間に入り込むようになる。連結部22は、例えば、方向Bに沿って(または略沿って)延びている。
【0073】
ポンプ装置30の大きさを調整したり、または、図6中2点鎖線で示すように管部材連結部36が形成される位置を変更するなどして当該管部材連結部36がハウジング本体47と干渉することをさけることによって、ポンプ装置30全てが延びる方向Bに沿ってハウジング本体47と重なるようにハウジング本体47と固定板部21との間に入り込むようにしてもよい。なお、上記されている2点鎖線で示される管部材連結部36は、当該連結部36の位置を変更した場合の一例である。この場合では、管部材連結部36に連通するように、吸い込み口34が形成される。
【0074】
このように、ポンプ装置30の少なくとも一部が方向Bにハウジング本体47と重なるようにハウジング本体47と固定板部21の間に入り込むことによって、つまり、ポンプ装置30の少なくとも一部が方向Bにハウジング本体47と重なるようにハウジング本体47と外壁部11の一部12との間に入り込むことによって、濾過装置40とポンプ装置30とが重なるので、ショベルカー10の外壁部11において燃料供給装置20の配置スペースをコンパクトにすることができる。また、ポンプ装置30が濾過装置40を支持する機能を有するようにもなる。
【0075】
図5に示すように、第1の管部材70の一端部71は、ポンプ装置30の吸い込み口34に形成される管部材連結部36に連結されて固定されており、吸い込み口34と連通している。第1の管部材70の他端部72は、燃料タンク13内に燃料を補給する際に、燃料貯留タンク18などの燃料供給源に連結される。このため、燃料を補給しないとき、つまり第1の管部材70の他端部72が燃料供給源に連結されていないときは、第1の管部材70は、図1に示すように、丸められてポンプ装置30と濾過装置40との近傍に収容されている。このため、第1の管部材70は、丸められるように可撓性を有している。
【0076】
第2の管部材80は、基部41に形成される流出口46に連結されている。具体的には、図5に示すように、基部41の外面部には、流出口46と連通するとともに外部に突出する流出口用連結部55が設けられている。第2の管部材80の一端部81は、流出口用連結部55に連結されて固定されている。第2の管部材80は、本発明で言う濾過装置用管部材の一例である。
【0077】
第2の管部材80の他端部82は、燃料タンク13に常に連結されている。このため、図1に示すように、第2の管部材80は、収容部から出ている。第2の管部材80は、流出口46と燃料タンク13との位置関係に関わらずに流出口46と燃料タンク13とを連結できるように、可撓性を有している。なお、図1,2中では、第2の管部材80は、一部省略されている。
【0078】
つぎに、燃料供給装置20の組み立て手順の一例と、燃料供給装置20の外壁部11の一部12への固定とを説明する。
【0079】
上記したように、燃料供給装置20は、ポンプ装置30と濾過装置40とが固定板部21に固定されてユニット化された後固定板部21が一部12に固定されることによって、ショベルカー10などの燃料タンク13を備える装置に固定される。
【0080】
燃料供給装置20を組み立てる手順の一例として、まず、固定板部21にポンプ装置30を固定する。この際、ポンプ装置30は、固定板部21上の決められた位置に固定される。
【0081】
ついで、固定板部21に濾過装置40を固定する。この際、ポンプ装置30の連結部22を流入口54内に挿入して嵌合させる。そして、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように濾過装置40の姿勢を調整する。ついで、濾過装置40を固定板部21に固定する。
【0082】
ついで、第1,2の管部材70,80が取り付けられる。このようにして、燃料供給装置20が1つのユニットとして形成される。
【0083】
燃料供給装置20を外壁部11の一部12に固定するために、固定板部21を一部12に固定する。このように固定されることによって、ポンプ装置30の少なくとも一部が方向Bにハウジング本体47と重なるように形成された燃料供給装置20は、ポンプ装置30の少なくとも一部が、方向Bにハウジング本体47と一部12との間に入り込むようになる。
【0084】
つぎに、燃料供給装置20の動作を説明する。図2に示すように、燃料を燃料タンク13に補給しないときは、収容部14は、蓋部材17と、周壁部15の一部15aとが取り付けられている。
【0085】
燃料タンク13に燃料を補給する際には、図1に示すように、収容部14の周壁部15の一部15aと蓋部材17とが取り外される。ついで、図5に示すように、第1の管部材70の他端部72を燃料貯留タンク18などの燃料供給源に連結する。
【0086】
ついで、ポンプ装置30の駆動部31の駆動スイッチ31aを押す。駆動スイッチ31aが押されると、駆動部31が駆動するので、燃料貯留タンク18から、第1の管部材70を通って、吸い込み口34からポンプ装置用ハウジング33内に燃料が流入する。ついで、図6中に矢印に示すように、燃料Fは、流路32(図中点線で一部を示し、他の部分を2点鎖線で省略して示している)を通って、吐き出し口35と連結部22とからハウジング本体47内に流入する。
【0087】
燃料Fは、本発明で言う燃料であるとともに、本発明で言う液の一例である。また、ポンプ装置30が燃料Fを燃料貯留タンク18から燃料タンク13に移動することは、本発明で言う液を移動の一例である。
【0088】
ハウジング本体47内に流入した燃料Fは、フィルタエレメント60の濾材61の側面から濾材61内に侵入して濾材61の内側まで通過する。この際に、燃料Fは、濾材61によって濾過されるので、燃料F中に含まれるごみなどの不純物が取り除かれる。
【0089】
濾材61の内側に出た燃料Fは、濾材61によって濾過されている。濾材61によって濾過された燃料は、突出部53の内部と基部41の内部とを通って流出口46に到達する。
【0090】
ついで、濾過された燃料は、流出口46から第2の管部材80内に流入して、第2の管部材80を通って燃料タンク13内に出る。
【0091】
このように、燃料供給装置20の動作によって、濾過された後の燃料が燃料タンク13内に補給されるようになる。
【0092】
燃料の補給が終了すると、ポンプ装置30の解除スイッチ31bを押す。解除スイッチ31bが押されると、駆動部31の駆動が停止し、それゆえ、燃料タンク13への燃料の供給が停止される。
【0093】
なお、第2の管部材80の燃料タンク側の端部に、燃料が充分な量補給されたことを検出するセンサを設けてもよい。駆動部31は、センサの検出結果に基づいて(燃料タンク13内に充分な量の燃料が補給されると)、自動的に駆動を停止する。この構造であれば、燃料タンク13内に充分な量の燃料が補給されると、操作者が駆動停止スイッチを操作することなく、ポンプ装置30が停止する。
【0094】
このように構成される燃料供給装置20では、燃料は、燃料タンク13内に補給される前(入る前)に濾過装置40によって濾過される。言い換えると、燃料供給装置20は、供給する燃料などの液を濾過できる。このため、燃料タンク13には、濾過された後であってごみなどの不純物が取り除かれた燃料が補給されるようなるので、燃料タンク13内にごみなどの不純物が溜まることを抑制することができる。
【0095】
また、ポンプ装置30のポンプ装置用ハウジング33と、濾過装置40の濾過装置用ハウジング42とは、連結部22と流入口54とが連結することによって、互いに直接連結される。
【0096】
このため、ポンプ装置用ハウジング33と濾過装置用ハウジング42とを、管部材などの別部品を介して連結することがないので、燃料供給装置20をコンパクトにすることができる。
【0097】
また、濾過装置用ハウジング42が外壁部11の一部12に固定され(本実施形態では、基部41と固定板部21とを介して固定され)、ポンプ装置用ハウジング33が一部12に固定される(本実施形態では、固定板部21を介して固定される)ことによって、互いに支え合うようになる。このため、燃料供給装置20がショベルカー10などの装置に強固に固定支持されるようになる。
【0098】
この結果、本実施形態のように、ショベルカー10のような比較的振動が大きい装置(建設用機械や重機など)であっても、燃料供給装置20を搭載することができるようになる。
【0099】
なお、濾過装置用ハウジング42が一部12に固定されることは、濾過装置40が一部12に固定されることの一例である。ポンプ装置用ハウジング33が一部12に固定されることは、ポンプ装置30が一部12に固定されることの一例である。
【0100】
また、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように形成されている。
【0101】
このため、ハウジング本体47とポンプ装置30とが重なるように配置されるので、燃料供給装置20の配置スペースを小さくすることができる。この結果、燃料供給装置20をショベルカー10などの装置に搭載しやすくなる。
【0102】
さらに、ポンプ装置30の少なくとも一部は、基部41が延びる方向Bにハウジング本体47と重なるように、ハウジング本体47と一部12との間に入り込むように配置される。このため、より一層、燃料供給装置20の配置スペースを小さくすることができる。この結果、燃料供給装置20をショベルカー10などの装置に搭載しやすくなる。
【0103】
なお、本実施形態では、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41の延びる方向Bにハウジング本体47と重なっている。しかしながら、これに限定されない。
【0104】
本実施形態では、一例として、図4,5に示すように、基部41が延びる方向Bに沿って見たときに、蓋部材48とハウジング本体47とは略同じ大きさを有しており、それゆえ、蓋部材48とハウジング本体47とは、方向Bに略重なっている。
【0105】
しかしながら、蓋部材48とハウジング本体47とを方向Bに沿って見たときに蓋部材48がハウジング本体47よりも大きく、それゆえ蓋部材48が方向Bにハウジング本体47と重ならない部分を有する場合、または、蓋部材48が方向Bと交差する方向(蓋部材48の内側から外側へ向かう方向)にハウジング本体47よりも突出している部分を有しており、それゆえ蓋部材48が方向Bにハウジング47と重ならない部分を有する場合などでは、ポンプ装置30の少なくとも一部が基部41の延びる方向Bに蓋部材48(上記部分)と重なっていれば、同様の作用と効果とを得ることができる。
【0106】
言い換えると、ポンプ装置30が、基部41の延びる方向Bにハウジング本体47と重なっていない場合であっても、ポンプ装置30の少なくとも一部が基部41の延びる方向Bに蓋部材48と重なっていれば、同様の作用と効果とを得られる。
【0107】
このように、ポンプ装置30の少なくとも一部が、ハウジング本体47や蓋部材48などによって構成される濾過装置用ハウジング42と基部41が延びる方向Bに重なっていれば、濾過装置用ハウジング42とポンプ装置30とが重なるように配置されるので、燃料供給装置20の配置スペースを小さくすることができる。この結果、燃料供給装置20をショベルカー10などの装置に搭載しやすくなる。なお、ポンプ装置30の全てが方向Bに重なることによって、さらに効果的となる。
【0108】
さらに、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bに濾過装置用ハウジング42に重なるように濾過装置用ハウジング42と一部12との間に入り込むことによって、燃料供給装置20の配置スペースをより一層小さくすることができる。なお、濾過装置用ハウジング42と一部12との間に入り込む場合であってもポンプ装置30の全てが方向Bに濾過装置用ハウジング42と重なることによって、さらに効果的となる。
【0109】
また、本実施形態では、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41の延びる方向Bに濾過装置用ハウジング42と重なるように配置されている。しかしながら、例えば、濾過装置40が、濾過装置用ハウジング42以外の部品を備える構造である場合では、基部41が延びる方向Bにポンプ装置30の少なくとも一部が濾過装置40において濾過装置用ハウジング42以外の部分(上記部品)と重なるように配置されてもよい。
【0110】
このように、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bに濾過装置40(濾過装置40を構成する部品の少なくとも一部、濾過装置用ハウジング42も含む)と重なるように配置されても、同様の作用と効果とを得ることができる。なお、方向Bに全て重なることによって、さらに効果的となる。
【0111】
さらに、ポンプ装置30の少なくとも一部が、基部41が延びる方向Bに濾過装置40と重なるように濾過装置40と一部12との間に入り込むことによって、燃料供給装置20の配置スペースをより一層小さくすることができる。また、濾過装置40と一部12との間に入り込む場合であってもポンプ装置30の全てが方向Bに濾過装置40と重なることによって、さらに効果的となる。
【0112】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る燃料供給装置を、図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構造は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、濾過装置40とポンプ装置30との配置が第1の実施形態と異なる。上記異なる点以外は、同様の構造であってよい。
【0113】
上記異なる点を具体的に説明する。図7は、本実施形態の燃料供給装置20を、濾過装置40の一部を切り欠いて示す断面図である。第1の実施形態では、燃料供給源から燃料タンク13までの燃料の流れにおいて、ポンプ装置30は、濾過装置40よりも上流に配置されている。本実施形態では、図中燃料の流れを矢印で示すように、ポンプ装置30は、濾過装置40の下流に配置されている。
【0114】
このため、第2の管部材80の他端部82は、燃料タンク13ではなく、燃料貯留タンク18などの燃料供給源に着脱可能に取り付けられる。そして、第1の管部材70の他端部72は、燃料タンク13に連結される。また、第1の実施形態で説明された流出口46と流入口54とが入れ代わる。また、ポンプ装置30でも、第1の実施形態で説明された吐き出し口35と吸い込み口34とが入れ代わる。
【0115】
本実施形態の燃料供給装置20では、図中矢印で示すように、燃料は、濾過装置40の濾材61を内側から外側に向かって通過する。そして、濾過された燃料がポンプ装置用ハウジング33を通過して燃料タンク13内に入る。つまり、第1の実施形態で説明された流れに対して逆の流れとなる。
【0116】
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、ポンプ装置用ハウジング33内に燃料に含まれるごみなどの不純物が入り込むことを抑制できるので、燃料中のごみなどの不純物に起因するポンプ装置30に作用する影響を抑制することができる。
【0117】
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る燃料供給装置を、図8を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、濾過装置40とポンプ装置30との配置関係と、濾過装置40とポンプ装置30との連結構造とが、第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造について、具体的に説明する。
【0118】
図8は、本実施形態の燃料供給装置20を示す斜視図である。図8に示すように、本実施形態では、燃料供給装置20が配置される部位が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、燃料供給装置20は、第1の実施形態と異なり、ショベルカー10の外壁部11において配置スペースが比較的広い他の部位に配置されている。本実施形態で燃料供給装置20が配置される部位は、外壁部11の一部12(第1の実施形態で燃料供給装置20が配置された部位)とは異なる位置である一部100である。なお、一部100は、燃料タンク13の近傍である。
【0119】
本実施形態の濾過装置40は、例えば基部41を有しておらず、それゆえ、濾過装置用ハウジング42のハウジング本体47が固定板部21に直接固定されている。本実施形態では、濾過装置40は、一例として、流入口54が濾過装置用ハウジング42の側壁104に形成されている。フィルタエレメント60(一例として円筒状)は、例えば、濾過装置用ハウジング42(一例として円筒状)の略同心上に配置されており、燃料Fが当該フィルタエレメント60(ハウジング本体47内に収容されており図示せず)を外側から内側に通過することによって、燃料Fを濾過する。
【0120】
また、濾過装置用ハウジング42内には、フィルタエレメント60を通過して当該フィルタエレメント60の内側に溜まった濾過後の燃料Fを、フィルタエレメント60の外側に導く流路が形成されている。この流路には、濾過される前の燃料Fが流入することはない。
【0121】
本実施形態では、例えば流出口46(図示せず)は、濾過装置用ハウジング42の側壁104に形成されている。上記された濾過後の燃料Fが通る流路(図示せず)は、流出口46に液密に連結されている。
【0122】
濾過装置40が上記構造であることによって、濾過装置40によって濾過された燃料Fが、第2の管部材80を通って燃料タンク13に供給される。
【0123】
ポンプ装置30は、濾過装置40と離れた位置に配置されており、固定板部21に固定されている。ポンプ装置30のスイッチ31a,31bは、本実施形態では図示されていないが、例えば濾過装置40ではなく、ポンプ装置30のポンプ装置用ハウジング33に設けられてもよい。
【0124】
燃料供給装置20は、ポンプ装置30と濾過装置40とを互いに連結する第3の管部材101を備えている。第3の管部材101の一端102は、ポンプ装置用ハウジング33の連結部22に液密に連結され、固定されている。このため、第3の管部材101には、ポンプ装置30が吐出する燃料F(本発明で言う液の一例)が流入する。第3の管部材101の他端103は、流入口54に液密に連結され、固定されている。第3の管部材101を通った燃料Fは、濾過装置40内に流入する。第3の管部材101は、本発明で言う管部材の一例である。
【0125】
つぎに、本実施形態の燃料供給装置20の動作を説明する。ポンプ装置30が駆動することによって、第1の管部材70を通って燃料貯留タンク18から燃料Fがポンプ装置30内に導かれる。
【0126】
そして、燃料Fは、ポンプ装置30から第3の管部材101内に吐出される。ついで、燃料Fは、第3の管部材101から流入口54を通って濾過装置40内に流入する。濾過装置40によって濾過された燃料Fは、流出口46を追って第2の管部材80内に吐出される。ついで、燃料Fは、第2の管部材80を通って燃料タンク13に供給される。
【0127】
本実施形態のように、濾過装置40とポンプ装置30とが互いに第3の管部材101を介して連結されて連通する構造であっても、燃料Fは、燃料タンク13内に補給される前(入る前)に濾過装置40によって濾過される。言い換えると、燃料供給装置20は、供給する燃料などの液を濾過できる。このため、燃料タンク13には、濾過された後であってごみなどの不純物が取り除かれた燃料が補給されるようなるので、燃料タンク13内にごみなどの不純物が溜まることを抑制することができる。
【0128】
なお、本実施形態においてもポンプ装置30と濾過装置40とは、固定板部21を介して外壁部11の一部100に固定されたが、この固定構造は、第1の実施形態と同様であってよい。つまり、ポンプ装置30と濾過装置40とは、固定板部21に固定されてユニット化された後、固定板部21が一部100に固定されることによって一部100(外壁部11)に固定(固定板21を介しての固定)されることに限定されない。ポンプ装置30と濾過装置40とは、直接一部100上に固定されてもよい。
【0129】
また、本実施形態の燃料供給装置20は、第2の実施形態のようにポンプ装置30が濾過装置40よりも下流に配置されてもよい。この場合、第2の実施形態で説明したように、ポンプ装置用ハウジング33内に燃料に含まれるごみなどの不純物が入り込むことを抑制できるので、燃料中のごみなどの不純物に起因するポンプ装置30に作用する影響を抑制することができる。
【0130】
つぎに、本発明の第4の実施系形態に係る燃料供給装置を、図9を用いて説明する。なお、第3の実施形態と同様の機能を有する構成は、第3の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0131】
本実施形態では、燃料供給装置20は、さらに、燃料タンク13内の燃料Fを濾過装置40の上流に導く流路部と、切替手段とを備える点が第1の実施形態と異なる。また、燃料供給装置20の構成要素として、燃料タンク13を含める点が、第3の実施形態と異なる。また、濾過装置40が、燃料Fと水Wとを分離する機能を有する点およびそれに伴う周囲の構造が第3の実施形態と異なる。他の構造は、第3の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造について具体的に説明する。
【0132】
図9は、本実施形態の燃料供給装置20を示す斜視図である。なお、本実施形態では、燃料タンク13は、燃料供給装置20に隣接して配置されている。本実施形態の燃料供給装置20は、流路部200を備える。流路部200は、第4の管部材201と、第5の管部材210と、連結部材220とを備えている。
【0133】
第4の管部材201の一端部202は、燃料タンク13に連通している。燃料タンク13の縦壁部203には、一端部202が連通する連通部204が形成されている。第4の管部材201は、燃料タンク13内と連通している。
【0134】
連結部材220は、T字状であって、3つの開口部221〜223を備えており、各開口部221〜223は互いに連通している。第1の管部材70の一端部71は、開口部221に連結されている。第1の管部材70は、開口部221を通して連結部材220と連通している。第4の管部材201の他端部205は、連結部材220の開口部222に連結されている。第5の管部材210は、開口部222を通して連結部材220と連通している。
【0135】
第5の管部材210の一端部211は、連結部材220の開口部223に連結されている。第5の管部材210は、連結部材220に開口部223を通して連通している。第5の管部材210の他端部212は、ポンプ装置30の吸込み口34の管部材連結部36に連結されている。
【0136】
連結部材220内には、点線で示すように切替バルブ230が設けられている。切替バルブ230は、連結部材220の外側から例えば作業員によって操作が可能である。切替バルブ230を切り替えることによって、第1の状態と第2の状態とが切り替えらえれる。
【0137】
第1の状態は、燃料貯留タンク18内の燃料Fを濾過して燃料タンク13内に導く際に用いられる。第1の状態は、開口部222が閉められて(開口部222を通して燃料タンク13内の燃料が流出しない状態、つまり開口部222を燃料などの流体が流動できない状態)開口部221,223が互いに連通されて、第1の管部材70と第5の管部材210とが連通する状態である。
【0138】
第2の状態は、燃料タンク13内の燃料Fを濾過装置40を用いて濾過する場合などに用いられる。第2の状態は、開口部221が閉められて(開口部221を通して燃料タンク18内の燃料が流出しない状態、つまり、開口部221を燃料などの流体が流動できない状態)開口部222,223が互いに連通されて、第4の管部材201と第5の管部材210とが連通する状態である。切替バルブ230は、本発明で言う切替手段の一例である。
【0139】
また、燃料供給装置20は、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する分離構造を有している。燃料Fと水Wとの分離の際には、油水分離用のフィルタエレメントが用いられる。なお、第1〜3の実施形態では、燃料F中に含まれるごみなどの不純物を取り除くために濾材61を有するフィルタエレメント60を用いられた。例えば、フィルタエレメント60を燃料F中のごみなどの不純物を取り除くため用の濾材とすると、本実施形態では、フィルタエレメント60に加えて、さらに、別途に油水分離用のフィルタエレメント300を備える。
【0140】
フィルタエレメント300は、濾材61に代えて、燃料Fと水Wとを分離できる濾材301を備えている。濾材301の形状(外観など)は、濾材61と同様であってよい。他の構造は、第1の実施形態で説明されたフィルタエレメント60と同様であってよい。このため、フィルタエレメント60とフィルタエレメント300とは、大きさや外観形状が略同じである。
【0141】
濾過装置用ハウジング42には、燃料Fと水Wとを分離する構造が設けられている。図10は、図9中に示されるF10−F10線に沿って示す濾過装置40の断面図である。図10は、濾過装置40の内部を示している。濾過装置用ハウジング42は、上下方向(重力が作用する方向)に2つの部屋303,304を有している。上方の部屋303と下方の部屋304とは、仕切壁部305によって仕切られている。濾過装置用ハウジング42内では、後述される貫通孔310を通して以外は、上方の部屋303と下方の部屋304とは連通していない。
【0142】
フィルタエレメント60またはフィルタエレメント300は、仕切壁部305上に設置される。仕切壁部305には、フィルタエレメント60,300を位置決めする位置決用板部材306が設けられている(フィルタエレメント60,300は、外観形状が略同じであるため)。
【0143】
位置決用板部材306は、例えば円形であり、周縁部307が例えば全周にわたって立ち上がっている。位置決用板部材306の形状は、立ち上がった周縁部307によって規定される内側にフィルタエレメント60,300が嵌まるように設定されている。このため、周縁部307内にフィルタエレメント60,300が嵌まることによって、濾過装置用ハウジング42内でフィルタエレメント300が位置決めされる。フィルタエレメント60,300は、例えば、仕切壁部305の中央に配置される。仕切壁部305と位置決用板部材306の中央部には、フィルタエレメント60,300の第2の端部材63の開口66と連通する貫通孔310が形成されている。蓋部材48を閉めることによって、ばね部材67の押圧力によってフィルタエレメント60,300は位置決用板部材306に押し付けられる。
【0144】
上方の部屋303には、流入口54が設けられている。フィルタエレメント60,300(濾材61,301)によって濾過された燃料Fは、貫通孔310を通って、下方の部屋302に流入する。なお、フィルタエレメント60,300において位置決用板部材306と当接する部位(図中では下端)は、ばね部材67に押圧されることによって、液密に位置決用板部材306に当接している。このため、濾材61,301を通過した燃料Fがフィルタエレメント300と位置決用板部材306との間から漏れることはない。
【0145】
濾材301は、燃料Fと水Wとを分離する機能を有している。濾材301を通過する前の状態では、燃料F中に存在する水Wは、その粒が小さい。濾材301を通過することによって、燃料F中の水Wの粒が大きくなる。この結果、水Wが分離される。
【0146】
濾材301を通過した燃料Fと水Wとは、貫通孔310を通って下方の部屋304に流
入する。燃料Fの比重は、水Wよりも小さい。このため、濾材301を通過して粒が大きくなりそれゆえ燃料Fから分離された水Wは、下方の部屋304内の下部に溜まる。このため、下方の部屋304において濾過装置用ハウジング42の側壁104の上方部分には、流出口46が形成されている。下方部分には、水Wを排出するための排出口320が形成されている。
【0147】
排出口320は、フィルタエレメント60を用いて燃料Fとごみなどの不純物を分離する際では、蓋部材321によって液密に閉塞されている。排出口320は、フィルタエレメント300を用いて燃料Fと水Wとを分離する際には、蓋部材321が取り外されて排出用管部材322が連結され、分離された水Wが濾過装置40外に排出されるようになる。なお、図10中、蓋部材321と排出用管部材322とは、2点鎖線で示されており、互いに交換可能である様子を示している。
【0148】
また、ポンプ装置30によって濾過装置40に導かれる燃料の流量が可変となっている。例えば、流路中においてポンプ装置30の近傍にバルブを設けて、流量を調整できるようになっている。または、ポンプ装置30の例えば駆動モータなどの動作能力を調整することによってポンプ装置30の流量を調整可能となっている。なお、濾過装置40へ供給される燃料の流量を可変とする構造は、上記限定されない。要するに、濾過装置40へ供給される燃料の流量が可変となればよい。
【0149】
燃料貯留タンク18から供給される燃料Fを濾過する場合や燃料タンク13内の燃料を濾過装置40で濾過する場合(フィルタエレメント60を用いる場合)では、濾過装置40に供給される燃料の流量を例えば50リットル/minとする。フィルタエレメント300を用いて燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する際では、濾過装置40に供給される流量(燃料と水とを含む)を2〜10リットル/minとする。
【0150】
上記のように、ごみなどの不純物を取り除くのに最適な流量(例えば、50リットル/min)と、水分を取り除くのに最適な流量(例えば、2〜10リットル/min)とは、実験などによって予め求められている。
【0151】
つぎに、本実施形態の燃料供給装置20の動作を説明する。第1の実施形態で説明されたように、濾過装置40を通して当該濾過装置40で濾過された燃料貯留タンク18内の燃料Fを燃料タンク13内に供給する際では、フィルタエレメント60が用いられるとともに、切替バルブ230は、例えば作業員によって第1の状態に設定される。
【0152】
切替バルブ230が第1の状態に設定されることによって、燃料貯留タンク18内の燃料Fは、第1の管部材70と連結部材220と第5の管部材210とポンプ装置30と第3の管部材101とを通って濾過装置40に導かれ、当該濾過装置40で濾過された後、燃料タンク13内に導かれる。
【0153】
このとき、連結部材220内では、第4の管部材201が連結される開口部222と、第5の管部材210が連結される開口部223とは互いに連通していない。このため、燃料タンク13内の燃料Fが第4の管部材201を通って再び濾過装置40に導かれることはない。
【0154】
つぎに、燃料タンク13内に溜められた燃料を濾過装置40によって濾過する動作を説明する。燃料タンク13内へは、濾過装置40を通さずに燃料が供給される場合がある。例えば、燃料タンク13に設けられる供給口(図示せず)を通して外部から燃料タンク13内に直接燃料が供給される場合などである。
【0155】
この場合では、濾過装置40によって濾過されていない燃料Fが燃料タンク13内に導かれるので、燃料タンク13内に、濾過されていない燃料中に含まれるごみなどの不純物が溜まることが考えられる。このため、濾過装置40を通さずに燃料Fが燃料タンク13に供給されると、濾過装置40を用いて燃料タンク13内の燃料を濾過する動作が行われる。
【0156】
具体的には、フィルタエレメント60が用いられるとともに、例えば作業員によって切替バルブ230が第2の状態に設定される。切替バルブ230が第2の状態に設定されることによって、連結部材220内では、第4の管部材201が連結される開口部222と第5の管部材210が連結される開口部223とが互いに連通し、第1の管部材70が連結される開口部221が閉まるので、燃料タンク13内の燃料Fのみがポンプ装置30によって濾過装置40に導かれる。濾過装置40に導かれた燃料Fは、濾過された後、再び燃料タンク13内に導かれる。
【0157】
つぎに、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する動作を説明する。なお、燃料F中の水Wを取り除く作業は、例えば、燃料貯留タンク18内の燃料Fを濾過装置(フィルタエレメント60)で濾過して燃料タンク13内に例えば満タン状態に供給した後(第1の状態)、または、流路部200を第2の状態に設定して燃料タンク13内の燃料Fを濾過装置(フィルタエレメント60)で濾過した後に行われる。なお、これに限定されない。
【0158】
燃料タンク13内の燃料Fから水Wを分離する際には、流路部200は、第2の状態に設定される。そして、濾過装置40の蓋部材48を取り外してフィルタエレメント60を取り外す。ついで、フィルタエレメント300を取り付けて(フィルタエレメント60とフィルタエレメント300とが交換される)蓋部材48を取り付ける。ついで、濾過装置40に導かれる流量を2〜10リットル/minに設定する。ついで、蓋部材321が取り外されて、排出用管部材322が排出口320に固定される。ついで、ポンプ装置30が動作される。なお、ポンプ装置30が動作される前までの作業の順番は、上記に限定されない。
【0159】
このことによって、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとが濾過装置40に導かれる。図10に示すように、導かれた燃料Fと水Wが濾材301を通過することによって、水Wの粒が大きくなる。濾材301を通過して水Wが分離された燃料Fは、下方の部屋304に流入した後、流出口46を通って燃料タンク13に導かれる。濾材301を通過して分離された水Wは、下方の部屋304の下部に溜まるとともに、排出口320から外部へ排出される。
【0160】
ポンプ装置30が所定時間運転されると、ポンプ装置30の運転が停止される。なお、この所定時間は、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離するのに必要な時間であり、燃料タンク13内の容量などに基づいて計算することができる。
【0161】
このように、濾過装置40への流量を調整するとともに、ごみなどの不純物を取り除くためのフィルタエレメント60と燃料Fと水Wとを分離するためのフィルタエレメント300とを使い分けることによって、ごみなどの不純物を取り除く動作と、燃料Fと水Wと分ける動作とを切り替えることができる。
【0162】
本実施形態では、第3の実施形態の効果に加えて、濾過装置40を通さずに燃料Fが燃料タンク13内に供給された場合などに燃料タンク13内の燃料中のごみなどの不純物を取り除くことができる。また、燃料タンク13内の燃料をろ過する構造に、ポンプ装置30と濾過装置40とを利用することによって、構造を簡素にすることができる。
【0163】
また、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離することができる。また、燃料Fと水Wとを分離する構造に、流路部200、ポンプ装置30、濾過装置40とを利用することによって、構造を簡素にすることができる。
【0164】
なお、本実施形態では、第3の実施形態で説明された燃料供給装置の構造に、本発明で言う流路部が組み込まれた構造が説明されたがこれに限定されない。例えば、第1,2の実施形態で説明された燃料供給装置に、本実施形態で説明されたような本発明で言う流路部と、切替手段と、燃料と水とを分離する構造とが設けられてもよい。この場合、第1,2の実施形態の効果に加えて、本実施形態で説明された効果を得ることができる。
【0165】
つぎに、第5の実施形態に係る燃料供給装置を、図11を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態で説明された燃料供給装置20が、さらに、第4の実施形態で説明された、燃料タンク内の燃料を濾過装置の上流に導く流路部と切替手段とを備える。また、第4の実施形態で説明された、燃料Fと水Wとを分離する構造を備えている。
【0166】
このため、本実施形態は、第1の実施形態に対して、本発明で言う流路部(一例として流路部200)と切替手段(一例として切替バルブ230)とを備える点と、濾過装置40への流量を調整できる機構とフィルタエレメント300とを備える構造を備える点とが異なる。本実施形態において、第1,4の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1,4の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。以下、上記異なる点について、具体的に説明する。
【0167】
図11は、本実施形態の燃料供給装置20を示している。本実施形態では、燃料供給装置20は、第4の実施形態と同様に、燃料タンク13を備えている。図11に示すように、本実施形態では、燃料タンク13は、燃料供給装置20に隣接した位置に配置されている。燃料タンク13は、流路部200と、切替バルブ230とを備えている。濾過装置40は、フィルタエレメント60と交換可能なフィルタエレメント300を備えている。なお、フィルタエレメント300は、図中2点鎖線で示されており、フィルタエレメント60と交換可能である様子を示している。
【0168】
燃料タンク13内の燃料F中のごみなどの不純物を取り除く動作と、燃料タンク13内の燃料Fと水Wとを分離する際の動作は、第4の実施形態と同様である。本実施形態では、第1の実施形態の効果と第4の実施形態の効果とを得ることができる。
【0169】
なお、第4,5の本実施形態では、燃料タンク13が燃料供給装置20の構成要素の1つとされたが、これに限定されない。同様に、第1〜3の実施形態で説明された燃料供給装置20であっても、燃料タンク13が構成要素の1つであってもよい(請求項15に対応)。
【0170】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料供給装置を備えるショベルカーの外観において燃料供給装置を拡大して示す斜視図。
【図2】図1に示された燃料供給装置が、図1に示された収容部内に収容されている状態を示す斜視図。
【図3】図1に示された収容部内を、蓋部側から見た状態を示す平面図。
【図4】図1に示された燃料供給装置を示す正面図。
【図5】図5に示された燃料供給装置を示す側面図。
【図6】図4に示された燃料供給装置において濾過装置の一部が切り欠かれた状態を示す正面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る燃料供給装置を、濾過装置の一部を切り欠いて示す正面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る燃料供給装置を示す斜視図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る燃料供給装置を示す斜視図。
【図10】図9に示されたF9−F9線に沿って示す濾過装置の断面図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る燃料供給装置を示す斜視図。
【符号の説明】
【0172】
10…ショベルカー(装置)、12…一部(壁部、固定部)、13…燃料タンク、20…燃料供給装置、22…連結部(第1の連結部)、30…ポンプ装置、33…ポンプ装置用ハウジング、40…濾過装置、41…基部、42…濾過装置用ハウジング、54…流入口(第2の連結部)、60…フィルタエレメント、70…第1の管部材(ポンプ装置用管部材)、80…第2の管部材(濾過装置用管部材)、101…第3の管部材(管部材)、230…切替バルブ(切替手段)、B…方向(基部が延びる方向)、F…燃料(液)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液を移動可能なポンプ装置と、
前記ポンプ装置によって流動する液を濾過する濾過装置と
を具備することを特徴とする液供給装置。
【請求項2】
前記ポンプ装置は、液が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを具備し、
前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに液が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを具備し、
前記第1,2の連結部は互いに連結される
ことを特徴とする請求項1に記載の液供給装置。
【請求項3】
前記濾過装置は、固定用の基部を具備し、
前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように配置される
ことを特徴とする請求項1または2のうちいずれか一項に記載の液供給装置。
【請求項4】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記液が流動可能な管部材を介して互いに連結される
ことを特徴とする請求項1に記載の液供給装置。
【請求項5】
前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、
前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材と
を具備することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の液供給装置。
【請求項6】
燃料タンクを備える装置に設けられて前記燃料タンク内に燃料を送り込むポンプ装置と、
前記装置に設けられるとともに、前記燃料タンク内に入る前の燃料を濾過する濾過装置と
を具備することを特徴とする燃料供給装置。
【請求項7】
前記ポンプ装置は、燃料が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを具備し、
前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに燃料が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを具備し、
前記第1,2の連結部は互いに連結される
ことを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される
ことを特徴とする請求項6または7のうちいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項9】
前記濾過装置は、当該濾過装置を前記壁部に固定する基部を具備し、
前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように前記濾過装置と前記壁部との間に入り込む
ことを特徴とする請求項6から8のうちいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項10】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記燃料が流動可能な管部材を介して連結されることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
【請求項11】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される
ことを特徴とする請求項10に記載の燃料供給装置。
【請求項12】
前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、
前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材と
を具備することを特徴とする請求項6〜11のうちいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項13】
前記タンク内の燃料を前記濾過装置に導く流路部を具備する
ことを特徴とする請求項6から請求項12のうちいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項14】
さらに、前記タンク内の燃料が前記濾過装置に導かれない第1の状態と前記タンク内の燃料が前記流路部を通って前記濾過装置に導かれる第2の状態とを切り替える切替手段
を具備することを特徴とする請求項13に記載の燃料供給装置。
【請求項15】
さらに前記タンクを具備することを特徴とする請求項6から請求項14のうちいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項1】
液を移動可能なポンプ装置と、
前記ポンプ装置によって流動する液を濾過する濾過装置と
を具備することを特徴とする液供給装置。
【請求項2】
前記ポンプ装置は、液が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを具備し、
前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに液が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを具備し、
前記第1,2の連結部は互いに連結される
ことを特徴とする請求項1に記載の液供給装置。
【請求項3】
前記濾過装置は、固定用の基部を具備し、
前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように配置される
ことを特徴とする請求項1または2のうちいずれか一項に記載の液供給装置。
【請求項4】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記液が流動可能な管部材を介して互いに連結される
ことを特徴とする請求項1に記載の液供給装置。
【請求項5】
前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、
前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材と
を具備することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の液供給装置。
【請求項6】
燃料タンクを備える装置に設けられて前記燃料タンク内に燃料を送り込むポンプ装置と、
前記装置に設けられるとともに、前記燃料タンク内に入る前の燃料を濾過する濾過装置と
を具備することを特徴とする燃料供給装置。
【請求項7】
前記ポンプ装置は、燃料が流動可能な第1の連結部が設けられるポンプ装置用ハウジングを具備し、
前記濾過装置は、フィルタエレメントを収容するとともに燃料が流動可能な第2の連結部が設けられる濾過装置用ハウジングを具備し、
前記第1,2の連結部は互いに連結される
ことを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される
ことを特徴とする請求項6または7のうちいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項9】
前記濾過装置は、当該濾過装置を前記壁部に固定する基部を具備し、
前記ポンプ装置の少なくとも一部は、前記基部が延びる方向に前記濾過装置と重なるように前記濾過装置と前記壁部との間に入り込む
ことを特徴とする請求項6から8のうちいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項10】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、内部を前記燃料が流動可能な管部材を介して連結されることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
【請求項11】
前記濾過装置と前記ポンプ装置とは、前記装置の壁部に固定される
ことを特徴とする請求項10に記載の燃料供給装置。
【請求項12】
前記ポンプ装置に連結されるポンプ装置用管部材と、
前記濾過装置に連結される濾過装置用管部材と
を具備することを特徴とする請求項6〜11のうちいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項13】
前記タンク内の燃料を前記濾過装置に導く流路部を具備する
ことを特徴とする請求項6から請求項12のうちいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項14】
さらに、前記タンク内の燃料が前記濾過装置に導かれない第1の状態と前記タンク内の燃料が前記流路部を通って前記濾過装置に導かれる第2の状態とを切り替える切替手段
を具備することを特徴とする請求項13に記載の燃料供給装置。
【請求項15】
さらに前記タンクを具備することを特徴とする請求項6から請求項14のうちいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−101306(P2010−101306A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93253(P2009−93253)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000178675)ヤマシンフィルタ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000178675)ヤマシンフィルタ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]