説明

液晶材料マーキングを用いた識別および認証

本発明は、機械による認証および読み取りと人間の目による認証とを可能にする所定の光学特性、を有する高分子液晶材料のマーキングに関する。マーキングは、可変情報印刷法によって、アイテム、商品、または物品上に付けられる。マーキングは、人間の目による容易な認証と、マーキングされたアイテム、商品、または物品の、そのライフサイクルを通じたセキュアな追跡(tracking)および追跡(tracing)とを可能にする固有の符号を表す識別印の形をしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別アイテムの認識、識別、および認証のための、機械読み取り可能なマーキングに関する。マーキングは、液晶材料で作られ、液晶材料は、既知の可変情報印刷技術によって基材に付けられる。マーキングは、例えば非偏光(周囲光)下の光学フィルタのような、受動的な検出手段によって、また偏光での照明によっても、検出可能および/または識別可能である。マーキングは、1次元または2次元のバーコードや、マトリックスコードなどのような、識別印の形で付けられる。
【背景技術】
【0002】
現在、さまざまな産業分野で「追跡(Track and Trace)」システムが使われている。特に、飲料、香水、医薬品、たばこ、CD/DVDや、他の種類の消耗品のような、量産アイテムの分野において、多くの産業が偽造品または転売品に苦しんでいる。
【0003】
量産品がロットを基準として扱われると、個別アイテムを基準として扱われるよりも、偽造および市場転売が助長される。そのような場合、偽造品または転売品は容易にサプライチェーンに取り込まれる。生産者および小売業者であれば、自身のオリジナル製品を、販売され得る個別単位のレベルで、そのような偽造品または転売品(並行輸入品)と区別できる立場にありたいと願うであろう。
【0004】
この根底にある技術的課題は、当技術分野では、サプライチェーンに取り込まれる各販売可能アイテムの個別マーキングにより対処されてきた。従来技術のマーキングは、写真複写されにくくなるように選ばれた。すなわち、好ましくは、肉眼または写真複写機にとって可視でない隠しマーキングが用いられた。
【0005】
「隠し」(covert)マーキングは、本発明の関連では、肉眼では認証され得ず、光学フィルタまたは電子認証機器のような任意の種類の検出装置または読取装置に認証を依存する、任意のマーキングまたはセキュリティ要素である。
【0006】
「明白な」(overt)マーキングは、本発明の関連では、検出装置または読取装置に認証を依存しない、つまり肉眼で認証され得る、任意のマーキングまたはセキュリティ要素である。
【0007】
「色」は、本発明の関連では、照明された物体から戻る任意のスペクトル選択的な光(電磁放射)を、たとえそれが電磁スペクトルの可視領域であれ、赤外領域であれ、または紫外領域であれ(すなわち、200nmないし2500nmの波長範囲全体において)、呼ぶのに用いられる。
【0008】
「可視」という用語は、ある特性が肉眼で明らかにされ得ることを示すために用いられ、「検出可能」は、必ずしも肉眼で明らかにされなくても、光学器械によって明らかにされ得る特性に用いられ、「不可視」は、肉眼で検出され得ない特性に用いられる。特に、「可視色」という用語は、肉眼で検出可能な、400nmないし700nmの波長範囲で戻るスペクトル選択的な光を意味する。
【0009】
米国特許第5,569,317号明細書、米国特許第5,502,304号明細書、米国特許第5,542,971号明細書、および米国特許第5,525,798号明細書には、偽造および転売を防ぐのに有用な第1の種類の個別マーキングが開示されている。これらの文書によれば、可視スペクトル(波長400nmないし700nm)の光の下では検出可能でないが紫外スペクトル(波長200nmないし380nm)の光で照明されると可視になるインクを用いて、アイテム上にバーコードが付けられる。
【0010】
米国特許第5,611,958号明細書および米国特許第5,766,324号明細書には、第2の種類の個別マーキングが開示されている。これらの文書によれば、可視スペクトルにおいては検出可能でないが赤外スペクトル(波長800nmないし1600nm)の光での照明により検出され得るインクを用いて、商品上にマーキングが付けられる。
【0011】
米国特許第5,360,628号明細書および米国特許第6,612,494号明細書には、インクによって付けられる、さらに別の種類の個別マーキングが開示されている。このマーキングを明らかにするためには、紫外光および赤外光で一緒に照明する必要がある。
【0012】
さらに別の種類の個別マーキングは、米国特許第5,698,397号明細書に記載されたような上方変換型の燐光体を含むインクに依拠するものである。
【0013】
ここに挙げた従来技術で触れられているマーキングは、すべてが隠しマーキングであり、肉眼では完全に不可視である。このような隠しマーキングの読み取りは、マーキングの検出または読み取りが可能な、対応する検出装置または読取装置に依存することになる。これは、適切な読取装置がいつでも利用できるとは限らない小売センターまたは店頭では、不利となり得る。
【0014】
当技術分野では、例えば視角に依存する色を呈するといった、「光学的に変化する」特徴を備える明白なマーキングが、「普通の人」のための認証手段として提案されている。これらの中には、ホログラム(Rudolf L. van Renesse, "Optical Document Security" 2nded., 1998, chapter 10を参照)、光学薄膜セキュリティデバイス(同chapter 13)、および液晶セキュリティデバイス(同chapter 14)がある。
【0015】
セキュリティデバイスとして特に有用なのは、コレステリック液晶である。コレステリック液晶構造は、白色光で照明されると決まった色の光を反射するが、その色は、当該材料に依存し、一般に観察角度およびデバイス温度によって変化する。コレステリック材料自体は無色であり、観察される色は、所与の温度においてその液晶材料がとるコレステリックらせん構造での物理的な反射効果のみに起因する(J. L Fergason, Molecular Crystals, Vol. 1, pp. 293-307 (1966)を参照)。特定の液晶材料、コレステリック液晶ポリマー(cholesteric liquid crystal polymers、CLCP)では、コレステリックらせん構造が、重合により決まった状態に「凍結」して、温度に依存しなくなる。
【0016】
暗い背景または黒い背景上にコレステリック液晶材料が付けられると、その反射色は肉眼で非常にはっきりと見えるが、これは、コレステリック材料を透過する光の大部分が背景に吸収され、その結果、背景からの残りの後方散乱がコレステリック材料自体の反射の知覚を妨げないからである。従って、背景色を注意深く選ぶことによって、こうした明白なマーキングの視認性に寄与できる。
【0017】
明るい背景または白い背景上では、コレステリック材料自体の反射が背景からの強い後方散乱と重なるために、コレステリック液晶材料の反射色が事実上不可視になる。しかしながら、コレステリック液晶材料は、円偏光フィルタを用いて常に識別することができる。これは、コレステリック液晶材料が、そのキラルらせん構造に従って、可能性のある2つの円偏光成分のうちの一方のみを選択的に反射するからである。
【0018】
欧州特許第1381520(B1)号明細書および欧州特許出願公開第1681586(A1)号明細書は、複屈折マーキングと、厚さの異なる不均一な模様の領域を有する液晶層の形で複屈折マーキングを付ける方法とについて言及している。付けられた液晶コーティングまたは液晶層は、隠れた画像を反射基材上に提供し得るものであり、この画像は、非偏光下で見ると不可視であるが、偏光下で、または偏光フィルタを用いると、可視になる。
【0019】
米国特許第5,678,863号明細書は、紙またはポリマーの領域であって透明および半透明の特性を有する領域を含む有価書類の識別手段に言及している。この領域には、透過光および反射光で見た時に異なる光学的効果を生じさせるために、液晶材料が付けられる。液晶材料は、室温では液体形態であり、グラビア印刷、ローラ印刷、噴霧印刷、またはインクジェット印刷のような印刷法で用いられるために、マイクロカプセルのような収容手段に封入されなければならない。印刷された液晶領域は、例えばバーコードのような、模様の形態とすることができる。この模様が、左旋性および右旋性の液晶形態を有する領域の偏光状態の目視検査または機械検査によって、検証され得る。
【0020】
米国特許第5,798,147号明細書は、凸版印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、およびインクジェット印刷のような従来の印刷法によって付けることのできる、重合可能な液晶モノマーのコーティング組成物に言及している。この印刷インクを用いて、人間の目には不可視のマーキングおよびセキュリティ表示を生成することができる。マーキングは、その円偏光または角度に依存する反射色により検出できる。
【0021】
米国特許第6,899,824号明細書は、液晶性組成物と、少なくとも1つの非液晶性コーティングとの多層で基材を印刷またはコーティングする方法に言及している。この方法および印刷された基材は、物品の耐偽造マーキングを生成するのに有用である。そのような印刷またはコーティングを施すための好ましい方法は、スクリーン印刷、平版印刷、フレキソ印刷、および凸版印刷である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、従来技術に開示されたどのマーキングも、「追跡(track & trace)」応用の根底にある技術的課題に対して解決策を与えない。こうした応用では、耐偽造セキュリティマーキングでのアイテムの機械読み取り可能な個別符号化に加えて、肉眼によるマーキングの容易な認証が要求されるのである。
【0023】
「追跡(Track & Trace)」応用は、当技術分野において、例えば郵便業務で知られている。郵便業務では、郵便物が1通ごとに個別にマーキングされ、その配達の連鎖を通して追いかけられる。マーキングおよび識別の手段としては、1次元バーコード、スタック型1次元バーコード、2次元バーコード、またはマトリックスコードのようなバーコードが使われることが最も多い。
【0024】
こうした郵便のマーキングの場合、認証という面に対しては特段の努力はささげられない。これは、郵便物が配達の連鎖全体を通して郵便会社によって内部業務的に扱われ、認証が不要だからである。郵便の「追跡(Track & Trace)」応用は、単に郵便物の識別のみに焦点を合わせている。
【0025】
しかしながら、認証の面は、オリジナル商品が偽造商品または転売商品と置き換えられる潜在的なリスクのある小売用途においては、決定的に重要である。このため、この分野における「追跡(Track & Trace)」応用は、マーキングされた商品の、オリジナル商品としての真正性を証明できる少なくとも1つのセキュリティ要素と組み合わされなければならない。
【0026】
以下において、「セキュアな追跡(Secure Track & Trace)」とは、個別アイテムの識別を可能にする「追跡(Track & Trace)」応用と、そのアイテムが真正であると認証することをさらに可能にする少なくとも1つのセキュリティ要素との組み合わせを意味する。
【0027】
「セキュアな追跡(Secure Track & Trace)」応用では、例えば責任の理由のため、開かれた流通における商品が、その真正性および同一性に関して個別にマーキングされ、その製品寿命を通じて、または特定の期間、追いかけられなければならないが、そうした「セキュアな追跡(Secure Track & Trace)」応用では、以下のようなマーキングが必要である。すなわち、i)識別可能となるように一意に符号化され、ii)機械読み取り可能であり、iii)複製(偽造)に対して抵抗力があり、iv)人間のユーザにより目で認証可能であり、v)機械によって認証可能なマーキングである。特定の用途においては、マーキングの一部が肉眼では不可視であることが、さらに望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明のマーキングは、アイテムまたは物品のセキュアな追跡(tracking)または追跡(tracing)のためのものであり、マーキングの機械による認証および読み取りと、マーキングの人間の目による認証とを可能にする所定の光学特性、を有する高分子液晶材料を含む。マーキングは、マーキングの識別を可能にする固有の符号を表す識別印の形で、可変情報印刷法によって基材上に生成される。マーキングは、その一部が肉眼では不可視となるように配置されることがさらに好ましい。
【0029】
本発明のマーキングは、有価書類、銀行券、パスポート、本人確認書類、運転免許証、公的な許可証、アクセス書類、切手、納税印紙およびバンデロール、交通機関の切符、イベントのチケット、ラベル、ホイル、包装、予備部品、ならびに消費財のような、アイテムまたは物品上に付けられ、それによりアイテムまたは物品は、直接に、すなわちその表面に付けられた状態で、あるいは間接的に、すなわちその表面に付けられたラベルに付けられた状態で、マーキングを持つ。
【0030】
高分子液晶材料は、コレステリック(すなわち、ねじれネマチック)型であることが好ましく、いくつかの用途では、ネマチック(複屈折)液晶材料が用いられてもよい。
【0031】
マーキングの高分子液晶材料は、基材の表面で重合させられた液晶材料として存在することができ、あるいは、基材に付けられたコーティング組成物に含まれる、液晶ポリマーの顔料薄片で構成されることができる。
【0032】
基材は、織られていても織られていなくても、どんな種類の基材であってもよく、特に、紙、ボール紙、木、ガラス、セラミック、金属、プラスチック、布地、革などとすることができる。また、基材は、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよく、あるいは封止された表面または封止されていない表面を備えてよい。
【0033】
マーキングの高分子液晶材料は、存在することで偽造に対するマーキングの抵抗力を増す、さらなるセキュリティ材料を備えることが好ましい。これらのセキュリティ材料は、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、犯罪捜査用マーカー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
セキュリティ材料は、単なる混加物として存在することもできるし、あるいは、セキュリティ材料の性質に従って、液晶顔料の共重合成分、液晶前駆体組成物の共重合成分、またはインク結合剤の共重合成分として存在することもできる。特に、アクリル官能性またはビニル官能性を備える有機セキュリティ材料は、対応する主ポリマーへ容易に共重合させられる。あるいは、セキュリティ材料は、すでに存在するポリマー鎖にグラフト、すなわち化学的に結合されてもよい。
【0035】
基材は、液晶材料が付けられる背景に相当するものであり、どんな色にすることもできる。白い背景は、可視色が観察されないという意味で肉眼では不可視となるマーキングを実現するのに好ましい選択肢である。金属反射する背景は、特にネマチック(複屈折)液晶材料の場合において、さらに好ましい選択肢である。基材は、通常、反射基材、着色基材、および透明基材からなる群から選択されてよい。
【0036】
人間のユーザによる容易な認証を可能にするには、液晶材料が付けられる背景の少なくとも一部分が、赤、緑、青、または黒のような対比色を有することが好ましい。対比色を液晶マーキングと組み合わせることにより、可視色と、角度に依存する色変化とを肉眼で知覚できるようになる。
【0037】
従って、基材は、好ましくは、色の異なる少なくとも2つの表面領域を備える模様入り基材であり、色の異なる少なくとも2つの表面領域のそれぞれが、白い表面領域、黒い表面領域、可視的に着色された表面領域、反射表面領域、透明表面領域、およびそれらの組み合わせの群から選択される。このように、液晶材料を持つ基材表面が、液晶材料の下に2つ以上の着色領域を有し得ることは、当業者には明らかである。
【0038】
液晶材料が付けられる基材表面は、さらに識別印を持つことができる。識別印は、どんな形または色でもよく、例えば模様、画像、ロゴ、文、1次元もしくは2次元のバーコード、またはマトリックスコード等でよい。識別印は、任意の印刷方法またはコーティング方法で付けることができる。
【0039】
基材は、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、および犯罪捜査用マーカー、またはそれらの組み合わせの群から選択された少なくとも1つのセキュリティ要素をさらに持つことができる。セキュリティ要素は、基材表面上に識別印の形で存在してもよいし、基材自体に組み込まれ(埋め込まれ)てもよい。
【0040】
高分子液晶材料は、文や符号のような識別印の形で存在することが好ましい。好ましい識別印は、1次元バーコード、スタック型1次元バーコード、および2次元バーコードを含む群から選ばれる。現在通用しているバーコード記号体系は、ボブ・ウィリアムズによって「Understanding Barcoding」(Pira International Ltd., 2004、ISBN1-85802-917-1)に開示されている。
【0041】
本発明の液晶マーキングは、好ましくは、液晶前駆体組成物を基材に付け、組成物を秩序化された液晶状態で硬化させることによって生成される。前駆体組成物は、少なくとも1つのネマチック液晶化合物の反応性モノマーまたは反応性オリゴマーを含む。反応性モノマーまたは反応性オリゴマーは、好ましくは紫外線硬化性であり、この場合、当業者に知られるように、付けられる組成物は、紫外線硬化させられ、光開始剤系も含む。
【0042】
秩序化された液晶状態は、キラルドーパントの存在に依存する。キラルドーパントのないネマチック液晶は、複屈折を特徴とする分子構造で配列する。ネマチック前駆体は、欧州特許出願公開第0216712(A)号明細書、欧州特許第0847432(B)号明細書、および米国特許第6,589,445(B)号明細書で知られている。
【0043】
コレステリック(すなわち、ねじれネマチックの)液晶ポリマーを生成するには、前駆体組成物はキラルドーパントも含まなければならない。ドーパントは、欧州特許第0847432(B)号明細書、英国特許出願公開第2330139(A)号明細書、および米国特許第6,589,445(B)号明細書で知られるように、イソソルビドの誘導体およびイソマンニドの誘導体ならびにこれらの混合物から選ばれてよい。イソソルビドは右らせんねじれを引き起こすことが知られている一方、イソマンニドは左らせんねじれを引き起こすことが知られている。
【0044】
ドーパントは、可視光の波長程度のらせんピッチを特徴とするらせん構造をネマチック液晶化合物に引き起こし、その結果、決まった波長で光反射が起こるので、干渉色と、角度に依存する色シフトとが現れるようになる。コレステリック液晶相からの反射光は、コレステリックらせんねじれの回転方向に応じて、(左回りまたは右回りのいずれかの)円偏光になる。
【0045】
本発明のマーキングは、液晶前駆体化合物を基材に付け、続いてその化合物を基材上で硬化させることによって生成される。硬化は、付けられた化合物を紫外光の照射にさらすことによって行うのが好ましい。紫外光の照射は、反応性モノマーまたは反応性オリゴマーの重合を引き起こして、液晶ポリマーを形成する。これにより、液晶の分子秩序化が保持される。すなわち、ネマチック構造またはコレステリック構造が、照射中に存在した状態で固定される。コレステリック液晶材料の場合は、らせんピッチと、これに伴って、反射色および角度に依存する色シフトのような光学特性とが、そのように固定されたままとなる。
【0046】
アイテムまたは物品にマーキングする方法は、例えば、マーキングされる好適なアイテムまたは物品を用意するステップと、少なくとも1つの高分子液晶材料を、固有の符号を表す識別印の形で可変情報印刷法によりアイテムまたは物品の上に付けるステップとを含む。特に、識別印によって表される固有の符号は、暗号化された情報であってよく、方法は、情報を暗号化するステップを含んでよい。
【0047】
液晶前駆体化合物は、任意のコーティング技術または印刷技術によって基材に付けられてよい。好ましくは、化合物は、レーザー印刷または連続式もしくはドロップオンデマンド式のインクジェット印刷のような、可変情報印刷法によって付けられる。可変情報印刷法により、印刷されるアイテムごとのマーキングの固有符号化が可能になる。
【0048】
レーザー印刷によって付ける場合は、液晶ポリマー顔料薄片がトナー組成物へ混合されてよい。この目的のためには、結合剤樹脂と、随意に、電荷制御剤またはワックスのような、添加剤とを含むトナー組成物に、1重量%ないし50重量%の割合で、液晶ポリマー顔料粒子が加えられる。
【0049】
結合剤樹脂は、45重量%ないし95重量%の割合で存在し、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン、ビニル樹脂、エポキシド、スチレンブタジエン、スチレンアクリレート共重合体、またはポリエステル樹脂のような、熱可塑性ポリマーから構成され、40℃ないし120℃、好ましくは60℃ないし70℃の範囲のガラス転移温度Tgと、印刷画像の所望の解像度に応じた、2〜30μmの範囲にある平均ポリマー粒度とを有する。液晶ポリマー顔料薄片は、このような結合剤樹脂に封入されてよい。
【0050】
随意に、上記のようにトナー組成物へ混合された液晶ポリマー顔料薄片は、5重量%ないし60重量%の割合で液体担体へ加えられて、液体現像剤を形成することができ、そして液体現像剤が液体トナーとして用いられ得るが、これは当業者に知られる通りである。好ましい液体担体は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、またはポリシロキサンである。それらの中で、パラフィン溶媒およびイソパラフィン溶媒が好ましい。
【0051】
インクジェット印刷によって付ける場合は、当業者に知られるように、組成物の粘度の値を選ばれた印刷法に適合するよう調整するために、組成物は有機溶媒も含む。
【0052】
連続インクジェット印刷によって付ける場合は、組成物は導電剤(塩)も含み、導電剤は、用いられる組成物に溶解できなければならない。そのような導電剤は、当業者に知られるように、この印刷法の技術的要件として必要である。
【0053】
代替の実施の形態において、本発明の液晶マーキングは、好適な結合剤に液晶ポリマー顔料薄片を含むコーティング組成物を、基材に付けることによって生成される。
【0054】
液晶ポリマー顔料薄片は、好ましくは、決まった波長での光反射(干渉色)と、角度に依存する色シフトとを呈するコレステリック液晶ポリマーである。そのような顔料は、国際公開第2008/000755(A1)号(および関連文書)、欧州特許第1213338(B1)号明細書、欧州特許第0685749(B1)号明細書、独国特許出願公開第19922158(A1)号明細書、欧州特許出願公開第0601483(A1)号明細書、独国特許出願公開第4418490(A1)号明細書、欧州特許第0887398(B1)号明細書、国際公開第2006/063926号、米国特許第5,211,877号明細書、米国特許第5,362,315号明細書、および米国特許第6,423,246号明細書で当業者に知られている。
【0055】
好適な結合剤は、ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、およびそれらの混合物から選ばれ得る。結合剤は、アクリレート、ビニルエーテル、エポキシド、およびこれらの組み合わせのような、紫外線硬化性のモノマーおよびオリゴマーからさらに選ばれてよい。
【0056】
マーキングは、インクジェット印刷によって付けられることが好ましい。確実な印刷と許容できる印刷品質のために、使用されるインクジェット機器は十分に大きなオリフィス(ノズル)径を持たなければならない。ノズル径は、液晶ポリマー顔料薄片の平均径の少なくとも10倍であるべきである。例えば、平均薄片径が25μmの場合、ノズル径は少なくとも250μmであるべきである。上記特性を与えるシステムは、ドロップオンデマンドインクジェットプリンタの特定の形態であるバルブジェットプリンタである。
【0057】
概して、本発明によるマーキングを持つアイテムまたは物品を認証する方法は、a)本発明によるマーキングを持つアイテムまたは物品を用意するステップと、b)少なくとも1つの光源から少なくとも1つの性質の光でアイテムまたは物品のマーキングを照明するステップと、c)マーキングから反射された光の検知によってマーキングの光学特性を検出するステップと、d)マーキングの検出された光学特性からアイテムまたは物品の真正性を判定するステップとを含む。
【0058】
本発明のマーキングは、周囲光下での単純な目視検査による第1の方法に従って認証され得る。この目的のためには、人間の観察者が液晶材料の反射色および色シフトを知覚できるように、液晶材料が付けられる背景が十分な光学的コントラストを提供しなければならない。背景次第では、マーキングの一部分は肉眼で事実上不可視のままでよい。
【0059】
第2の方法において、マーキングは、光学フィルタのような受動的な検出手段を用い、周囲光下で認証される。そのような受動的な検出手段で好ましいのは、左回りもしくは右回りの円偏光フィルタ、またはこの両方の並置である。これにより、コレステリック液晶材料で反射された光の偏光状態を求めることによって、コレステリック液晶材料のらせんピッチの回転方向を求めることができる。随意に、偏光フィルタを色フィルタと組み合わせることができるが、これは、スペクトル帯域幅を液晶材料のスペクトル反射帯域まで減らし、それによって背景の寄与を減らすためである。2つ以上の光学フィルタが併用されてもよい。
【0060】
第3の方法において、マーキングは、少なくとも1つの偏光光源からの円偏光を用いて認証される。液晶材料は異なる円偏光の光を各様に反射するので、左らせんピッチおよび右らせんピッチの材料を、円偏光に対するそれぞれの反応により区別することができる。随意に、偏光光源によるマーキングの照明と、マーキングからの反射光の観察とを、色フィルタを通して行ってもよい。2つ以上の偏光光源が併用されてもよい。
【0061】
第4の方法において、マーキングは、電気光学認証装置を用いて認証される。第1の実施の形態では、装置は、少なくとも1つの光電池を、円偏光フィルタおよび/または円偏光光源と組み合わせて備える。別の実施の形態では、装置は、リニアCCDセンサアレイ、2次元CCD画像センサアレイ、リニアCMOS画像センサアレイ、または2次元CMOS画像センサアレイのような電気光学カメラを、円偏光フィルタおよび/または円偏光光源と組み合わせて備える。
【0062】
随意に、上記の実施の形態の円偏光フィルタまたは円偏光光源を色フィルタと組み合わせて、特定のスペクトル領域を選択し、液晶材料から反射した光の、背景から反射した光に対するコントラスト比を高めることができる。
【0063】
また、円偏光フィルタは、通常、電気光学偏光スイッチで置き換えることもできる。そのようなデバイスは、当技術分野において、例えば独国特許第10211310(B4)号明細書で知られており、そのようなデバイスにより、対応する印加電圧によって一方または他方の円偏光状態を選択することができる。
【0064】
コレステリック液晶材料のすべての場合において、本発明のマーキングは、その1つ以上の特有性、すなわちマーキングからの反射光の、円偏光状態および/または視角に依存する色を検証することによって認証される。偏光光源もしくは偏光検出機器またはこの両方は、マーキングの光学特性に応じて、電磁スペクトルの可視領域、赤外領域、もしくは紫外領域で、またはこれらの組み合わせで動作するように選ばれてよい。
【0065】
本発明のマーキングは、マーキングが表す識別印を読み取り、続いて、そのようにマーキングから取り出された情報とデータベースに格納された情報との相互関係を示すことによって、識別することができる。ある特定の実施の形態において、マーキングの識別印によって表される情報は暗号化され、識別は、その情報を復号するステップを含む。好ましくは、識別印は、CCD画像センサアレイまたはCMOS画像センサアレイのような電気光学カメラによって読み取られる。
【0066】
概して、本発明によるマーキングを持つアイテムまたは物品を識別する方法は、a)本発明によるマーキングを持つアイテムまたは物品を用意するステップと、b)少なくとも1つの光源から少なくとも1つの性質の光でアイテムまたは物品のマーキングを照明するステップと、c)マーキングによって表された識別印を読み取って、対応する情報を引き出すステップと、d)マーキングの識別印から取り出された情報とデータベースに格納された情報との相互関係を示すステップと、e)アイテムまたは物品の同一性について確認または否認を得るステップとを含む。
【0067】
本発明によるマーキングを持つアイテムまたは物品の識別は、認証に用いられる読取機器の構成または組立品と同じもので行うことができる。
【0068】
第1の実施の形態において、識別印は、1次元または2次元のバーコードで表され、電気光学カメラによりデジタル形式で取り出された画像が、対応するアルゴリズムを用いて解析される。バーコードに含まれる情報は、取り出され、必要に応じて復号され、データベースに格納された情報と比較されて、これによりアイテムが識別され、随意に、例えばアイテムの履歴について、補足情報でデータベースが更新される。カメラは、自前の通信能力を備えた読取装置の一部であってもよいし、通信装置の一部であってもよく、通信装置は、例えば携帯電話であり、その場合、情報の取り出しは、携帯電話の内部資源を用いて行われる。データベースは、通信装置内に置かれてもよいし(内蔵または交換可能なメモリ)、通信ネットワークを介してつながる外部サーバ上に置かれてもよい。
【0069】
第2の実施の形態において、識別印は、英数字符号で表され、電気光学カメラ(読取装置)によりデジタル形式で取り出された画像は、対応する光学式文字認識(OCR)アルゴリズムを用いて解析される。符号に含まれる情報は、取り出され、データベースに格納された情報と比較されて、これによりアイテムが識別され、随意にデータベースが更新される。第1の実施の形態と同様に、データベースは、読取装置内に置かれてもよいし(内蔵または交換可能なメモリ)、通信ネットワークを介してつながる外部サーバ上に置かれてもよい。英数字符号は、標準的なフォント、または特別の、機械識別可能なフォントを用いて印刷され得る。あるいは、英数字符号は、目視で読み取られて、検証のために通信システム(例えばインターネットまたはSMS)を介してデータセンターへ送信されるか、またはラベル、参照マーク、もしくは他の英数字符号の形でアイテムに備わるデータと照合されてよい。
【0070】
所定の光学特性を有する高分子液晶材料で作られる本発明のマーキングは、アイテム、物品、または商品のセキュアな追跡(tracking)および追跡(tracing)のための個別化された耐偽造符号による、アイテム、物品、または商品のセキュアな追跡(tracking)および追跡(tracing)に用いることができる。
【0071】
個別符号を商品またはアイテム上に付けるには、可変情報印刷法が必要である。本発明の関連では、好ましい可変情報印刷法は、連続インクジェット印刷およびドロップオンデマンドインクジェット印刷の群から選ばれ、これらの印刷法によって、個別符号をあらゆる種類の表面に迅速かつ非接触で付けることが可能になる。個別符号により、各単一アイテムを、そのライフサイクルの後の段階で識別できるようになる。
【0072】
個別符号の複製を持つ偽造品によるオリジナルアイテムの置き換えを防ぐためには、個別符号が耐偽造性を持たなければならない。耐偽造性は、物理的な、好ましくは光学的な、特定の特性を有する特定のセキュリティ材料によって与えられ得るものであり、そうした材料は、マーキングの構成要素であってもよいし、あるいはマーキングに組み込まれてもよい。特定のセキュリティ材料は、所定の光学特性を有する高分子液晶材料であってもよいし、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、犯罪捜査用マーカー、およびそれらの組み合わせの群から選択された添加剤であってもよい。
【0073】
本発明のマーキングは、有価書類、銀行券、パスポート、本人確認書類、運転免許証、公的な許可証、アクセス書類、切手、納税印紙およびバンデロール(特に、たばこ製品およびアルコール飲料用)、交通機関の切符、イベントのチケット、ラベル、ホイル、包装(特に、医薬品用)のような、アイテムまたは物品で用いることができ、また、概して、予備部品および消費財に(特に、責任問題に対処するために)マーキングするのに用いることができる。
【0074】
アイテム、商品、または物品に付けられる本発明のマーキングは、そのようなマーキングされたアイテム、商品、または物品の、セキュアな追跡(tracking)および追跡(tracing)で用いるのに好適である。そのような、アイテムまたは物品のセキュアな追跡(tracking)および追跡(tracing)は、特に、a)追跡(trace)するアイテムまたは物品に本発明によるマーキングを付けるステップと、b)マーキングされたアイテムまたは物品に関する情報をデータベースに格納するステップとの第1の交換可能なステップと、c)ここに開示された認証方法に従ってアイテムまたは物品を認証するステップと、d)ここに開示された識別方法に従い、データベースにあらかじめ格納された情報を用いてアイテムまたは物品を識別するステップとの第2の交換可能なステップとを含む。また、これにより、随意にデータベースがアイテムまたは物品に関する新しい情報要素で更新されてよい。
【0075】
アイテムまたは商品に付けられる符号は、デジタル情報を表し、このデジタル情報は、後の段階でアイテムまたは商品を識別するために、データベースに格納される。符号は、データベースとのやり取りの際に符号が含む情報を保護するために、暗号化されてよい。データベースは、データベース管理システムの一部であってよい。また、例えばRSA型の公開・秘密鍵のような、あらゆる種類の暗号化アルゴリズムが好適である。
【0076】
データベースは、認証装置に組み込まれたローカルデータベースであってよい。あるいは、データベースは、有線または無線の接続を介して認証装置につながれたリモートデータベースであってもよい。ローカルデータベースが、リモートサーバから定期的に更新されてもよい。
【0077】
さらなる態様において、本発明は、可変情報印刷法によって個別マーキングを付けることができる。好ましいのは、連続インクジェット印刷法、またはドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷法もしくはバルブジェット印刷法、のいずれかを用いたインクジェット印刷である。調整ラインおよび印刷機での番号付けおよび符号付けの用途に一般に用いられる産業用インクジェットプリンタが、特に好適である。好ましいインクジェットプリンタは、単一ノズル連続インクジェットプリンタ(ラスタプリンタまたは多値偏向型プリンタとも呼ばれる)、およびドロップオンデマンドインクジェット型、特にバルブジェット型のプリンタである。
【0078】
完全に隠れた機械読み取り可能なマーキングを提供するには、ネマチック液晶材料が用いられる。明白または半隠れ状態の機械読み取り可能なマーキングを提供するには、コレステリック液晶材料またはキラルネマチック液晶材料が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
本発明のさらに完全な理解のために、本発明の詳細な説明および添付の図面を参照する。
【図1】本発明による表示マーキング(a)、(b)、(c)を持つ、例えば医薬品包装のようなボール紙包装を模式的に描く図である。これらのマーキングは、ボール紙包装の異なる位置に液晶材料で印刷されており、(a)は、例えば黒い背景のような、特に暗い色の背景上のデータマトリックスコードを示し、(b)は、例えば暗色部分と明色部分とを有する、混合色の背景上のデータマトリックスコードを示し、(c)白い背景上のデータマトリックスコードを示す。
【図2】コーティングされたボール紙に紫外線硬化液晶(LC)材料で印刷されたECC200データマトリックスコードから取り込まれた画像を示し、(a)は、右円偏光白色光照明下、CMOSカメラの前に右円偏光フィルタを有する状態で、黒い背景から取り出されたLCデータマトリックスコードであり、(b)は、右円偏光白色光照明下、CMOSカメラの前に右円偏光フィルタを有する状態で、白黒の背景から取り出されたLCデータマトリックスコードであり、(c)は、右円偏光白色光照明下、CMOSカメラの前にフィルタを持たない状態で、白黒の背景から取り出されたLCデータマトリックスコードであり、(d)は、非偏光白色光照明下、CMOSカメラの前にフィルタを持たない状態で、白黒の背景から取り出されたLCデータマトリックスコードである。
【発明を実施するための形態】
【0080】
第1の実施の形態において、本発明のマーキングは、液晶前駆体材料でできており、それが基材の表面に液晶状態で付けられて、さらに紫外光または電子ビーム放射での照射によって、秩序化された液晶状態で重合(硬化)されるが、これは当業者に知られる通りである。
【0081】
このように、この実施の形態において付けられる液晶材料は、液晶ポリマーのモノマー前駆体またはオリゴマー前駆体である。前駆体は、重合性基を有する少なくとも1つのネマチック液晶モノマーまたはネマチック液晶オリゴマーを含む。好適なネマチック液晶モノマーまたはネマチック液晶オリゴマーは、
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ブトキシ]-1,4-フェニレンエステル、
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ブトキシ]-,2-メチル-1,4-フェニレンエステル、
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ヘキソキシ]-,2-メチル-1,4-フェニレンエステル、
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ブトキシカルボキシ]-1,4-フェニレンエステル、
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ブトキシカルボキシ]-,2-メチル-1,4-フェニレンエステル、
およびこれらの組み合わせのような、ビスアクリレートの群からのものである。
ネマチック液晶モノマーまたはネマチック液晶オリゴマーは、10重量%ないし100重量%の範囲で前駆体材料中に存在してよい。
紫外線放射によって硬化が行われる場合は、前駆体材料は、少なくとも1つの光開始剤と随意に安定剤とを含む、少なくとも1つの光開始剤系を含む。好適な光開始剤は、イルガキュア(Irgacure、例えばイルガキュア369、651、907、または1300)、またはゲノマー(Genomer、例えばBP/EPD)などの、フリーラジカル誘発剤の群から選ぶことができる。
好適な安定剤は、クロマケム(Kromachem)社から供給されるFlorstab UV-1、およびラーン(Rahn)社から供給されるGenorad 16である。
【0082】
光開始剤は、0.5重量%ないし5重量%の範囲で前駆体材料中に存在してよい。
【0083】
コレステリック(すなわち、ねじれネマチック)相を得るため、前駆体は、少なくとも1つのキラルドーパント(キラル誘導剤)をさらに含む。好適なキラルドーパントは、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)-2-メチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)-3-メトキシベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4'-(アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾイルオキシ)-3-メトキシベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシ)-2-メチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシ)-3-メチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシ)-3,5-ジメチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(アクリロイルオキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6R,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)ベンゾイルオキシ)-3-メトキシベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)-2-メチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)-3-メトキシベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4'-(アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾイルオキシ)-3-メトキシベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシ)-2-メチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシ)-3-メチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシ)-3,5-ジメチルベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(アクリロイルオキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゾアート)、
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゾアート)、および
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(4-(4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)ベンゾイルオキシ)-3-メトキシベンゾアート)、
ならびにこれらの組み合わせのような、イソマンニドの誘導体およびイソソルビドの誘導体を含む。
【0084】
キラルドーパントは、0.1重量%ないし25重量%の範囲で前駆体材料中に存在してよい。
【0085】
マーキングは、連続インクジェット型またはドロップオンデマンドインクジェット型のいずれかのインクジェット印刷によって、好ましくは単一ノズル/ラスタまたはバルブジェット印刷によって付けられることが好ましい。インクジェット印刷によって付ける場合、組成物は、その粘度をこれらの印刷法に必要な低い値に合わせて調整するために、さらに溶媒を含まなければならない。インクジェット印刷用インクの典型的な粘度値は、25℃において4mPa・sないし30mPa・sの範囲にある。使用できる溶媒は、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、酢酸エチル、エチル3-エトキシプロピオナート、またはトルエンのような、低粘度でわずかに極性のある非プロトン性の有機溶媒の群から選ばれる。ジクロロメタン、トリクロロメタン、またはトリクロロエチレンのような塩素化溶媒は、技術的には好適であるが、その毒性のため印刷用インクでは望ましくない。
【0086】
溶媒は、10重量%ないし95重量%の範囲、典型的には55重量%ないし85重量%の範囲で、インクジェット前駆体材料中に含まれる。
【0087】
連続インクジェット印刷の場合、前駆体材料は、溶解した導電剤、典型的には、硝酸リチウム、過塩素酸リチウム、塩化テトラブチルアンモニウム、またはテトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウムのような、塩も含む。
【0088】
塩は、0.1重量%ないし5重量%の濃度範囲で存在する。
【0089】
前駆体材料は、好ましくは、偽造に対するマーキングの抵抗力を増すために、低濃度から中濃度で存在するセキュリティ材料をさらに含んでよい。これらのセキュリティ材料は、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、犯罪捜査用マーカー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。濃度の範囲は、発光化合物は0.01%ないし5%、赤外線吸収材または磁性材料は0.1%ないし10%、犯罪捜査用マーカー材料は0.001%ないし1%である。
【0090】
インクジェット印刷機器を用いて本発明を実行するための、好ましいコレステリック液晶前駆体材料は、少なくとも1つのネマチック化合物と、少なくとも1つのキラル誘導化合物と、有機溶媒と、光開始剤との混合物を含む。
【0091】
ネマチック化合物は、欧州特許出願公開第0216712(A)号明細書、欧州特許第0847432(B)号明細書、および米国特許第6,589,445(B)号明細書に開示されたようなアクリル系またはビスアクリル系のものが好ましく、当該出願は引用することによりここに含まれるものとする。コレステリック液晶前駆体混合物中に存在するネマチック化合物の好ましい量は、約10重量%ないし約60重量%、より好ましくは約10重量%ないし約45重量%である。
【0092】
好ましいキラル誘導剤は、欧州特許第0739403(B)号明細書、英国特許出願公開第2330139(A)号明細書、および米国特許第6,589,445(B)号明細書に開示された、イソソルビドの誘導体およびイソマンニドの誘導体から選択され、当該出願は引用することによりここに含まれるものとする。コレステリック液晶前駆体混合物中に存在するキラル誘導剤の量は、約0.1重量%ないし約25重量%、好ましくは約0.5重量%ないし約15重量%である。
【0093】
本発明によるマーキングを生成するための液晶前駆体材料は、染料、顔料、着色剤、希釈液、導電性塩、表面活性化合物、表面接着促進剤、湿潤剤、消泡剤、および分散剤をさらに含んでよい。
【0094】
本発明のマーキングは、好ましくは、固有の1次元バーコード、スタック型1次元バーコード、もしくは2次元バーコード、またはマトリックスコードを表す識別印の形で付けられる。記号体系は、小売業界で消費財のマーキングに用いられるものから選ばれることが好ましい。これらの記号体系は国際的に認められた標準であり、対応する読取アルゴリズムおよび復号アルゴリズムが、知られ、市販の装置に実装されている。
【0095】
好適な1次元およびスタック型1次元のバーコード記号体系は、当業者に知られており、プレッシー(Plessey)、UPC、コーダバー(Codabar)、コード25ノンインターリーブド2/5(Code 25 Non−interleaved 2 of 5)、コード25インターリーブド2/5(Code 25 Interleaved 2 of 5)、コード39、コード93、コード128、コード128A、コード128B、コード128C、コード11、CPCバイナリ(CPC Binary)、DUN14、EAN2、EAN5、EAN8、EAN13、(かつてはUCC/EAN−128として知られた)GS1−128、EAN128、UCC128、かつての省スペースシンボル(Reduced Space Symbology、RSS)であるGS1データバー(GS1 DataBar)、ITF−14、ファーマコード(Pharmacode)、PLANET、POSTNET、OneCode、MSI、PostBar、RM4SCC/KIX、またはTelepenのような記号体系名で入手可能である。
【0096】
好適な2次元バーコード記号体系は、当業者に知られており、3−DI、ArrayTag、アズテックコード(Aztec Code)、スモールアズテックコード(Small Aztec Code)、bCODE、Bullseye、Codablock、コード1、コード16K、コード49、カラーコード(ColorCode)、CPコード(CP Code)、DataGlyphs、データマトリックス(Datamatrix)、Datastrip Code、Dot Code A、EZcode、High Capacity Color Barcode、HueCode、インタクタコード(INTACTA.CODE)、InterCode、マキシコード(MaxiCode)、mCode、MiniCode、PDF417、マイクロPDF417、PDMark、PaperDisk、Optar、QRコード、Semacode、SmartCode、Snowflake Code、ShotCode、SuperCode、Trillcode、UltraCode、ベリコード(VeriCode)、VSCode、WaterCode、およびECC200のような記号体系名で入手可能である。この後者は、組み込みの誤り訂正符号を有し、国際標準ISO/CEI 16022:2006に規定されている。
【0097】
光学式文字認識(OCR)に好適なフォントタイプは、当業者に知られている。
【0098】
図1は、本発明のコレステリック液晶マーキングを有する製品包装を模式的に示す図である。マーキングは、包装の表面にECC200データマトリックスコードの形で存在する。データマトリックスECC200は、パブリックドメインの記号体系である。マーキングは、包装上の任意の所望の位置に付けることができる。従って、マーキングは、全体が第1の背景色上に存在してもよいし(a)、包装上に存在する第1の背景色および第2のデザインカラーモチーフと部分的に重なって存在してもよいし(b)、全体が包装の白い領域または無色の領域に存在してもよい(c)。
【0099】
本発明のマーキングを読み取る読取装置は、市販のバーコードリーダを基にして、特に、小売業界で用いられる手持ち式のCCD/CMOSカメラ読取機器や読取台を基にして、構成することができる。マーキングが、その場で得られる(狭帯域の)照明と適切に合う場合は、読取機器は直接、液晶の符号を読み取れるようにされてよい。
【0100】
その他の場合において、読取装置はさらに、マーキングに実装された特定のセキュリティ要素の反応を読み取るように適合させられ得る(読み取れるようにされ得る)。相応に適合させられたフラットベッドスキャナを用いることもできる。CCDカメラを基にしたバーコードリーダは、当業者に知られており、アキュソート(Accu-Sort)、コグネックス、DVT、マイクロスキャン、オムロン、ジック、RVSI、キーエンス等のような、いくつかの産業会社によって生産されている。
【0101】
上記のように読取装置を適合させることとして、直線偏光フィルタ、右円偏光フィルタ、左円偏光フィルタ、電気光学偏光フィルタ、波長板、およびスペクトル選択的な任意の種類の色フィルタ、ならびにこれらの組み合わせ、の群から選ばれた1つまたはいくつかの光学フィルタの実装が含まれてよい。ある特定の実施の形態では、少なくとも2つの異なる光学フィルタが用いられる。また、上記のように適合させることとして、スペクトル選択的な(すなわち、有色の)光源、直線偏光光源、左円偏光光源、および右円偏光光源、ならびにこれらの組み合わせ、の群から選ばれた1つまたはいくつかの特定の光源の実装がさらに含まれてよい。
【0102】
しかしながら、光源は、周囲光、白熱灯、レーザーダイオード、発光ダイオード、および色フィルタを有するあらゆる種類の光源から選ぶことができる。光源は、電磁スペクトルの可視領域(波長400nmないし700nm)、近赤外領域(波長700nmないし1100nm)、遠赤外領域(波長1100nmないし2500nm)、または紫外領域(波長200nmないし400nm)のスペクトル領域に放射スペクトルを有してよい。
【0103】
従って、読取装置は、マーキングを読み取れるようにされるだけでなく、正しいセキュリティ材料でできているものである、すなわち必要なセキュリティ材料を含むものであると、マーキングを認証できるようにもされる。読取装置は、読み取られた符号を表し、そのマーキングおよび符号を持つアイテムに対応するデータベースのエントリを指示する、デジタル情報を出力する。
【0104】
デジタル情報は、読取装置に格納された情報と比較されてもよいし、読取装置と外部のデータベースとの間でやり取りされてもよい。このやり取りは、例えばRSA型の公開・秘密の符号化を用いて、暗号化された形で行うことができる。この情報交換は、例えば結線による伝送、無線リンク、赤外線リンクなどの、あらゆる種類の伝送手段によって行うことができる。
【0105】
前駆体材料にキラル誘導剤が含まれない特定の場合は、ネマチック液晶ポリマーが得られる。そのようなポリマーは、通常、複屈折を特徴とする。すなわち、印刷層の分子が主たる方向に配向し、分子軸に沿った屈折率の成分が、分子軸と直交する屈折率の成分と異なる。
【0106】
このようなネマチック液晶ポリマーは、その複屈折性を利用することにより、セキュリティ要素として働くことができる。その場合、ネマチック液晶ポリマーは、波長板の役割を果たし、適切な層厚さにおいて、直線偏光を円偏光に変換すること、またはその逆が可能である。反射基材の場合であれば、マーキング上に適切な向きで置かれた直線偏光フィルタを用いて、付けられた液晶ポリマーの有無を明らかにすることができる。透過基材の場合は、マーキングを可視にするために、反射体または第2の偏光フィルタのいずれかを基材の背面に付ける必要がある。
【0107】
第2の実施の形態において、本発明のマーキングは、コーティング組成物に含まれて基材表面に付けられた、液晶ポリマーの顔料薄片からなる。
【0108】
好ましい液晶ポリマー顔料は、国際公開第2008/000755(A1)号に開示された種類のものであり、当該出願は引用することによりここに含まれるものとする。そのような顔料を含む本発明によるマーキングは、200nmないし2500nmの波長範囲に少なくとも2つの反射帯を呈する。
【0109】
本発明を実行するのに有用なコレステリック液晶ポリマー(CLCP)顔料は、欧州特許第1213338(B1)号明細書、欧州特許第0685749(B1)号明細書、独国特許出願公開第19922158(A1)号明細書、欧州特許出願公開第0601483(A1)号明細書、独国特許出願公開第4418490(A1)号明細書、欧州特許第0887398(B1)号明細書、および国際公開第2006/063926号に開示されている。米国特許第5,211,877号明細書、米国特許第5,362,315号明細書、および米国特許第6,423,246号明細書も参照される。このような粒子は、1マイクロメートルないし10マイクロメートルほどの厚さと、10マイクロメートルないし100マイクロメートルほどの薄片径とを有し、対応する液晶ポリマー膜を粉砕することによって得られる。本発明で用いるのに好ましい薄片は、1マイクロメートルないし10マイクロメートルの範囲の厚さと、20マイクロメートルないし50マイクロメートルの範囲の平均薄片径とを有する。
【0110】
コーティング組成物は、必須成分として少なくとも1つの結合剤を含み、また随意に、付ける方法およびマーキングされる基材からの必要に応じて、顔料、染料、エクステンダー、添加剤、光開始剤などがさらに存在してよい。好ましい結合剤は、ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、ならびに、アクリレート、ビニルエーテル、エポキシド、およびこれらの組み合わせのような、紫外線硬化性のモノマーおよびオリゴマーの群から選ばれる。
【0111】
コーティング組成物は、好ましくは、偽造に対するその抵抗力を増すために、低濃度から中濃度で存在するさらなるセキュリティ材料を含んでよい。これらのセキュリティ材料は、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、犯罪捜査用マーカー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。典型的な濃度の範囲は、発光化合物は0.01%ないし5%、赤外線吸収材または磁性材料は0.1%ないし10%、犯罪捜査用マーカー材料は0.001%ないし1%である。
【0112】
特定の条件に対応するため、本発明によるマーキングを生成するためのコーティング組成物は、当技術分野で知られるように、染料、顔料、着色剤、希釈液、導電性塩、表面活性化合物、表面接着促進剤、湿潤剤、消泡剤、および分散剤をさらに含んでよい。
【0113】
本発明による液晶マーキングの認証および識別は、光源を必要とし、以下の方法のうちの1つで行われなければならない。
i)円偏光または直線偏光でマーキングを照明し、マーキングの反射を検出することによる方法。
ii)非偏光(例えば周囲光)でマーキングを照明し、円偏光フィルタまたは直線偏光フィルタを通してマーキングの反射を検出することによる方法。
iii)円偏光照明または直線偏光照明と、円偏光フィルタまたは直線偏光フィルタを通しての検出との組み合わせによる方法。
【0114】
このように、マーキングされたアイテムまたは物品の照明は、非偏光光源、直線偏光光源、左円偏光光源、および右円偏光光源から選ばれた光源によって行われる。
【0115】
すべての場合において、検出は、目で、あるいは、光電池またはCCDカメラもしくはCMOSカメラのような、電気光学検出機器を利用して行われてよい。光源および検出は、特定の発光体および/または色フィルタを用いて、スペクトル選択的に行われ、あるいは選ばれてよい。検出は、電磁スペクトルの可視領域(波長400nmないし700nm)で行われることが好ましい。
【0116】
ある特定の実施の形態において、アイテムまたは物品を認証するためのマーキングの照明は、非偏光(ランダム偏光)光源、直線偏光光源、左円偏光光源、および右円偏光光源から選択された少なくとも2つの異なる光源を用いて行われる。
【0117】
図2は、コーティングされたボール紙に液晶材料で印刷されたECC200データマトリックスコードから撮影された画像を示す図である。これらの画像は、明るい背景または構成された背景上の印刷された符号の読み取りに、液晶材料マーキングの偏光特性を用いることの利点を、明確に示している。最も有利なのは、照明のための偏光と、カメラの前の偏光フィルタの使用との組み合わせである。すべての画像は同じ光源および同じカメラ設定で撮影されたものであり、すべて白黒モードで、また、光源および/またはカメラの前に偏光フィルタがある状態またはない状態で撮影された。また、画像は、最大のコントラストと最適な輝度を得るために、デジタル的に処理された。
【0118】
好ましい選択肢において、本発明の液晶マーキングは、直線偏光フィルタまたは円偏光フィルタのような受動的な検出手段により、非偏光(好ましくは周囲光)下で可視にされる。しかしながら、例えば、電磁スペクトルの赤外領域(波長700nmないし2500nm)、好ましくは近赤外領域(波長700nmないし1100nm)、遠赤外領域(波長1100nmないし2500nm)、または紫外領域(波長200nmないし400nm)のような、可視スペクトル(波長400nmないし700nm)の外側でも、マーキングがこれらの領域に反射帯域を有するのであれば、マーキングを識別および認証することができる。
【0119】
コレステリック液晶ポリマーは、その性質上、そのらせんピッチを適切に選ぶことにより反射帯域を電磁スペクトルの一部にわたって調整することのできる、スペクトル選択的な反射体である。ピッチが、液晶前駆体中のキラル誘導化合物に対するネマチック前駆体材料の比と、重合温度とに依存することは注目に値する。重合の後は、材料のらせんピッチ、従って反射色が、固定されたままとなる。
【0120】
当業者に知られるように、キラル誘導剤の量が少ないと、らせんねじれが小さくなり、その結果、らせんピッチが大きくなる。従って、キラル誘導剤の量が少ないと、結果として生じるポリマーの反射帯域がスペクトルの長波長端、典型的には赤外領域または赤領域に生成され、一方、誘導剤の量がより多くなると、結果として生じるポリマーの反射帯域がスペクトルの短波長端、典型的には青領域または紫外領域に生成される。
【0121】
キラル誘導剤の掌性、すなわち所定の誘導剤が左らせんピッチを生じるのか右らせんピッチを生じるのかについても、反射光の円偏光がそれぞれ逆になるので、注意しなければならない。イソマンニド誘導体は、左円偏光の反射を引き起こすことが知られ、一方、イソソルビド誘導体は、右円偏光の反射を引き起こすことが知られている。
【0122】
以下に、連続インクジェット印刷法によって付けることのできる、コレステリック液晶ポリマー前駆体組成物の典型的な例を示す。
MEK 55.7重量%
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ブトキシカルボキシ]-,2-メチル-1,4-フェニレンエステル 40.1重量%
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾアート) 1.70重量%
イルガキュア907 1.30重量%
LiClO4 1.20重量%
【0123】
以下の例は、バルブジェット(ドロップオンデマンド)インクジェット印刷法によって付けることのできる、典型的なコレステリック液晶ポリマー顔料組成物である。
PIOLOFORM(登録商標)BL18 5.0重量%
MEK 64.6重量%
ジエチレングリコール 10.0重量%
エタノール 8.0重量%
LCポリマー顔料 10.0重量%
BYK(登録商標)−430 1.5重量%
BYK(登録商標)−410 0.9重量%
PIOLOFORM(登録商標)BL18は、ワッカー(Wacker)社から供給されるCAS番号63148−65−2のポリビニルブチラール樹脂である。BYK(登録商標)−430は、BYK社から供給される変性尿素の溶液である。BYK(登録商標)−410は、BYK社から供給される高分子尿素変性極性ポリアミドの溶液である。
【0124】
以下は、バルブジェット印刷法によって付けることのできる、コレステリック液晶ポリマー前駆体組成物の代替例である。
MEK 83.0重量%
安息香酸4-[4-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ブトキシ]-,2-メチル-1,4-フェニレンエステル 14.7重量%
(3R,3aR,6S,6aR)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジイルビス(4-(アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾアート) 1.50重量%
イルガキュア907 0.8重量%
【0125】
当業者は、以上に挙げられた指摘および例示的な実施の形態に基づいて、本発明のさらなる実施の形態を導出できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムまたは物品のマーキングであって、前記マーキングの機械による認証および読み取りと、前記マーキングの人間の目による認証とを可能にする所定の光学特性、を有する高分子液晶材料を含むマーキングにおいて、前記マーキングが、可変情報印刷法によって基材上に生成され、前記マーキングの識別を可能にする固有の符号を表す識別印の形を有することを特徴とするマーキング。
【請求項2】
前記マーキングの少なくとも一部が肉眼では不可視であることを特徴とする請求項1に記載のマーキング。
【請求項3】
前記高分子液晶材料が、色と、角度に依存する色の変化とを呈するコレステリック液晶材料である請求項1ないし2のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項4】
前記コレステリック液晶材料が、200nmないし400nmの波長範囲に対応する紫外スペクトルに反射帯域を有する請求項3に記載のマーキング。
【請求項5】
前記コレステリック液晶材料が、400nmないし700nmの波長範囲に対応する可視スペクトルに反射帯域を有する請求項3に記載のマーキング。
【請求項6】
前記コレステリック液晶材料が、700nmないし2500nmの波長範囲に対応する赤外スペクトルに、好ましくは700nmないし1100nmの波長範囲に対応する赤外スペクトルに反射帯域を有する請求項3に記載のマーキング。
【請求項7】
前記コレステリック液晶材料が、200nmないし2500nmの波長範囲に第2の反射帯域を有する請求項4ないし6のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項8】
前記高分子液晶材料が、光学複屈折を呈するネマチック液晶材料である請求項1ないし2のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項9】
前記高分子液晶材料が、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、および犯罪捜査用マーカー、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択されたさらなるセキュリティ材料を含む請求項1ないし8のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項10】
前記基材が、反射基材、着色基材、および透明基材の群から選択される請求項1ないし9のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項11】
前記基材が、少なくとも2つの異なる表面領域を備える模様入り基材であり、前記少なくとも2つの異なる表面領域のそれぞれが、白い表面領域、黒い表面領域、着色表面領域、反射表面領域、透明表面領域、およびそれらの組み合わせの群から選択される請求項1ないし9のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項12】
前記基材が識別印を持つ請求項1ないし9のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項13】
前記基材が、無機発光化合物、有機発光化合物、赤外線吸収材、磁性材料、犯罪捜査用マーカー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つのセキュリティ要素を持つ請求項1ないし9のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項14】
前記セキュリティ要素が識別印の形で存在する請求項13に記載のマーキング。
【請求項15】
前記基材が、織られた基材、織られていない基材、コーティングされた基材、紙、ボール紙、木製基材、ガラス基材、セラミック基材、金属基材、プラスチック基材、布地、および革からなる群から選択される請求項1ないし14のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項16】
前記マーキングが、連続インクジェット印刷、ドロップオンデマンドインクジェット印刷、およびレーザー印刷の群から選択された方法によって生成される請求項1ないし15のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項17】
固有の符号を表す前記識別印が、1次元バーコード、スタック型1次元バーコード、および2次元バーコードの群から選ばれる請求項1ないし16のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項18】
前記1次元バーコードが、プレッシー(Plessey)、UPC、コーダバー(Codabar)、コード25ノンインターリーブド2/5(Code 25 Non−interleaved 2 of 5)、コード25インターリーブド2/5(Code 25 Interleaved 2 of 5)、コード39、コード93、コード128、コード128A、コード128B、コード128C、コード11、CPCバイナリ(CPC Binary)、DUN14、EAN2、EAN5、EAN8、EAN13、(かつてはUCC/EAN−128として知られた)GS1−128、EAN128、UCC128、かつての省スペースシンボル(Reduced Space Symbology、RSS)であるGS1データバー(GS1 DataBar)、ITF−14、ファーマコード(Pharmacode)、PLANET、POSTNET、OneCode、MSI、PostBar、RM4SCC/KIX、またはTelepenの群から選択される請求項17に記載のマーキング。
【請求項19】
前記2次元バーコードが、3−DI、ArrayTag、アズテックコード(Aztec Code)、スモールアズテックコード(Small Aztec Code)、bCODE、Bullseye、Codablock、コード1、コード16K、コード49、カラーコード(ColorCode)、CPコード(CP Code)、DataGlyphs、データマトリックス(Datamatrix)、Datastrip Code、Dot Code A、EZcode、High Capacity Color Barcode、HueCode、インタクタコード(INTACTA.CODE)、InterCode、マキシコード(MaxiCode)、mCode、MiniCode、PDF417、マイクロPDF417、PDMark、PaperDisk、Optar、QRコード、Semacode、SmartCode、Snowflake Code、ShotCode、SuperCode、Trillcode、UltraCode、ベリコード(VeriCode)、VSCode、WaterCode、およびECC200の群から選択される請求項17に記載のマーキング。
【請求項20】
前記高分子液晶材料が、好適な結合剤に含まれる顔料薄片の形で存在する請求項1ないし19のうちの1項に記載のマーキング。
【請求項21】
前記結合剤が、ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項20に記載のマーキング。
【請求項22】
前記結合剤が、アクリレート、ビニルエーテル、エポキシド、およびこれらの組み合わせの紫外線硬化性のモノマーおよびオリゴマーからなる群から選ばれる請求項20に記載のマーキング。
【請求項23】
請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングを少なくとも1つ持つアイテムまたは物品。
【請求項24】
前記アイテムまたは物品が、有価書類、銀行券、パスポート、本人確認書類、運転免許証、公的な許可証、アクセス書類、切手、納税印紙およびバンデロール、交通機関の切符、イベントのチケット、ラベル、ホイル、包装、予備部品、ならびに消費財の群から選ばれる請求項23に記載のアイテムまたは物品。
【請求項25】
アイテムまたは物品を追跡(track)または追跡(trace)するための、請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングの使用。
【請求項26】
前記アイテムまたは物品が、有価書類、銀行券、パスポート、本人確認書類、運転免許証、公的な許可証、アクセス書類、切手、納税印紙およびバンデロール、交通機関の切符、イベントのチケット、ラベル、ホイル、包装、予備部品、ならびに消費財の群から選ばれる請求項25に記載の使用。
【請求項27】
請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングを生成する方法であって、
a)基材を用意するステップと、
b)液晶前駆体組成物を識別印の形で前記基材に付けるステップと、
c)前記付けられた組成物を秩序化された液晶状態で硬化させるステップと
を含む方法。
【請求項28】
前記前駆体組成物が紫外線硬化性の反応性モノマーまたは反応性オリゴマーを含み、前記付けられた組成物の硬化が紫外線硬化によって行われる請求項27に記載の方法。
【請求項29】
アイテムまたは物品にマーキングする方法であって、
a)マーキングされるアイテムまたは物品を用意するステップと、
b)請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングを少なくとも1つ、前記アイテムまたは物品の上に付けるステップと
を含む方法。
【請求項30】
前記識別印によって表される前記固有の符号が、暗号化された情報であり、前記方法が、前記情報を暗号化するステップを含む請求項27ないし29のうちの1項に記載の方法。
【請求項31】
アイテムまたは物品を認証する方法であって、
a)請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングを持つアイテムまたは物品を用意するステップと、
b)少なくとも1つの光源から少なくとも1つの性質の光で前記物品またはアイテムの前記マーキングを照明するステップと、
c)前記マーキングから反射された光の検知によって前記マーキングの所定の光学特性を検出するステップと、
d)前記マーキングの前記検出された光学特性から前記アイテムまたは物品の真正性を判定するステップと
を含む方法。
【請求項32】
前記マーキングが、スペクトル選択的な、視角に依存する光反射を呈するコレステリック液晶材料を含み、前記反射光が、特定の向きの円偏光を有する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記光源が、スペクトル選択的な光源である請求項31ないし32のうちの1項に記載の方法。
【請求項34】
前記光源が、周囲光、白熱灯、レーザーダイオード、発光ダイオード、および色フィルタを有する光源の群から選ばれる請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記光源が、電磁スペクトルの可視領域(波長400nmないし700nm)、近赤外領域(波長700nmないし1100nm)、遠赤外領域(波長1100nmないし2500nm)、および紫外領域(波長200nmないし400nm)からなる群のうちのスペクトル領域で放射するように選ばれる請求項31ないし34のうちの1項に記載の方法。
【請求項36】
前記照明が、非偏光光源、直線偏光光源、左円偏光光源、および右円偏光光源からなる群から選ばれた光源によって行われる請求項31ないし35のうちの1項に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも2つの異なる前記光源が併用される請求項31ないし36のうちの1項に記載の方法。
【請求項38】
前記検出が、直線偏光フィルタ、左円偏光フィルタ、右円偏光フィルタ、および電気光学偏光スイッチからなる群から選ばれた少なくとも1つの光学フィルタを用いて行われる請求項31ないし37のうちの1項に記載の方法。
【請求項39】
前記光学フィルタが色フィルタと組み合わされる請求項38に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも2つの異なる前記光学フィルタが併用される請求項38ないし39のうちの1項に記載の方法。
【請求項41】
前記検出が目で行われる請求項31ないし40のうちの1項に記載の方法。
【請求項42】
前記検出が電気光学検出機器によって行われる請求項31ないし40のうちの1項に記載の方法。
【請求項43】
前記電気光学検出機器が、光電池、リニアCCD画像センサアレイ、2次元CCD画像センサアレイ、リニアCMOS画像センサアレイ、2次元CMOS画像センサアレイからなる群から選ばれる請求項42に記載の方法。
【請求項44】
アイテムまたは物品を識別する方法であって、
a)請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングを持つアイテムまたは物品を用意するステップと、
b)少なくとも1つの光源から少なくとも1つの性質の光で前記物品またはアイテムの前記マーキングを照明するステップと、
c)前記マーキングによって表された前記識別印を読み取って、対応する情報を引き出すステップと、
d)前記マーキングの前記識別印から取り出された前記情報とデータベースに格納された情報との相互関係を示すステップと、
e)前記アイテムまたは物品の同一性について確認または否認を得るステップと
を含む方法。
【請求項45】
請求項31ないし43のうちの1項に記載の方法を用いて前記アイテムまたは物品を認証するさらなるステップを含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記識別印が、電気光学画像センサアレイを用いて読み取られる請求項44ないし45のうちの1項に記載の方法。
【請求項47】
前記電気光学画像センサアレイが、リニアCCD画像センサアレイ、2次元CCD画像センサアレイ、リニアCMOS画像センサアレイ、および2次元CMOS画像センサアレイからなる群から選ばれる請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記アイテムまたは物品についての情報が前記データベースに格納される請求項44ないし47のうちの1項に記載の方法。
【請求項49】
前記データベースとの前記情報交換が、暗号化された形で行われる請求項44ないし48のうちの1項に記載の方法。
【請求項50】
前記マーキングの前記識別印によって表される前記固有の符号が、暗号化された情報であり、前記方法が、前記情報を復号するステップを含む請求項44ないし49のうちの1項に記載の方法。
【請求項51】
請求項1ないし22のうちの1項に記載のマーキングを用いた、アイテムまたは物品のセキュアな追跡(tracking)または追跡(tracing)の方法であって、
a)請求項27ないし30のうちの1項に従って前記アイテムまたは物品に前記マーキングを付けるステップと、
b)前記マーキングされたアイテムまたは物品に関する情報をデータベースに格納するステップと
の第1の交換可能なステップと、
c)請求項31ないし43のうちの1項に従って前記アイテムまたは物品を認証するステップと、
d)請求項44ないし50のうちの1項に従い、前記データベースに格納された前記情報を用いて前記アイテムまたは物品を識別するステップと
の第2の交換可能なステップと、
e)前記アイテムまたは物品に関する新しい情報要素で前記データベースを更新する
随意のステップとを含む方法。
【請求項52】
前記アイテムまたは物品が、有価書類、銀行券、パスポート、本人確認書類、運転免許証、公的な許可証、アクセス書類、切手、納税印紙およびバンデロール、交通機関の切符、イベントのチケット、ラベル、ホイル、包装、医薬品、予備部品、ならびに消費財の群から選ばれる請求項51に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−524556(P2011−524556A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502295(P2011−502295)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002435
【国際公開番号】WO2009/121605
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(311003204)シクパ ホールディング エスアー (21)
【氏名又は名称原語表記】SICPA HOLDING SA
【住所又は居所原語表記】Avenue de Florissant 41,CH−1008 Prilly Switzerland
【Fターム(参考)】