説明

混合根固め剤採取装置

【課題】 セメントミルク工法において掘削穴の底部において形成される混合根固め剤が、正しく形成されているかどうかの判断や、実際に混合根固め剤が固化するまでの時間の判断を正確に行う必要があった。
【解決手段】 鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管と連結可能な連結部材と、周壁に形成された周壁導入口を有する筒状の胴体部材とを有し、連結部材内部に設置されたピストン部材と連動して、周壁採取蓋が周壁導入口を開閉することにより、必要な混合根固め剤を採取可能とする混合根固め剤採取装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削穴中において混合形成された根固め剤を採取する混合根固め剤採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の基礎工事、地盤改良、若しくは連壁工事で用いられるセメントミルク工法では、建築物の基礎となる杭を地中に形成した掘削穴に貫入させることによって設置する。その際、掘削穴の底部にはセメントミルクが注入され、掘削穴の底部においてセメントミルクと底部周囲の土砂を攪拌混合することによって、杭を定着させるための混合根固め剤が形成される。掘削穴中に貫入された杭は、下端部が混合根固め剤中に挿入された状態で所定時間保持され、混合根固め剤が固化することによって定着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2873423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来の基礎工事では、混合根固め剤は形成された直後から固化反応が始まるため、混合根固め剤を採取し、正しい組成で形成されているかどうかの分析や、実際に混合根固め剤が固化するまでの時間の判断を正確に行うことが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、現場で形成された混合根固め剤の採取を、確実かつ迅速に行なう装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る混合根固め剤採取装置は、地中に向けて鋼管を進入させる鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管と連結可能であり、軸方向に貫通した貫通孔を備え、鋼管を介して貫通孔内に流体圧を付与可能に設けられた連結部材と、前記連結部材の下方に前記貫通孔と連通して設けられると共に、周壁に形成された周壁導入口及び底部に設けられた取出口を有する筒状の胴体部材と、前記胴体部材の前記取出口に、開閉可能に取り付けられた蓋部材と、前記貫通孔内に設置され、貫通孔内を軸方向に摺動可能なピストン部材と、前記胴体部材の周面に沿って移動可能に配置され前記周壁導入口を閉塞可能に形成された周壁採取蓋と、該周壁採取蓋と前記ピストン部材とを結合する腕部とを備え、周壁採取蓋は、前記ピストン部材が初期位置に位置する場合に、前記周壁導入口を閉塞する位置に配置され、ピストン部材には、前記初期位置から軸方向上向きへの力を付勢する付勢手段が設けられ、鋼管を介して流体圧を付与したとき、ピストン部材は押し下げられ、流体圧を減圧することによって、付勢手段の付勢力によってピストン部材が押し上げられるように構成され、流体圧の加減によってピストン部材が軸方向に摺動した場合に、ピストン部材と連動して、周壁採取蓋が周壁導入口を開閉することを特徴とする。
【0007】
また、前記胴体部材の周壁内に形成され、胴体部材の内部空間を上下に分割する分割壁と、前記分割壁の中央部に設けられた筒内導入口と、前記ピストン部材に取り付けられ、前記分割壁と下方から係合することにより前記筒内導入口を閉塞可能な筒内採取蓋とを備え、筒内採取蓋は、前記ピストン部材が初期位置に位置する場合には、前記筒内導入口と閉塞する位置に配置され、流体圧の加減によってピストン部材が軸方向に摺動した場合に、ピストン部材と連動して、周壁採取蓋が周壁導入口を開閉すると共に、筒内採取蓋が筒内導入口を開閉することを特徴としても好ましい。
【0008】
さらに、地中に向けて鋼管を進入させる鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管と連結可能であり、軸方向に貫通した貫通孔を備え、鋼管を介して貫通孔内に流体圧を付与可能に設けられた連結部材と、前記連結部材の下方に前記貫通孔と連通して設けられると共に、周壁に形成された周壁導入口及び底部に設けられた取出口を有する筒状の胴体部材と、前記胴体部材の前記取出口に、開閉可能に取り付けられた蓋部材と、前記貫通孔内に設置され、貫通孔内を軸方向に摺動可能なピストン部材と、前記胴体部材の周壁内に形成され、胴体部材の内部空間を上下に分割する分割壁と、前記分割壁の中央部に設けられた筒内導入口と、前記ピストン部材に取り付けられ、前記分割壁と下方から係合することにより前記筒内導入口を閉塞可能な筒内採取蓋とを備え、筒内採取蓋は、前記ピストン部材が初期位置に位置する場合に、前記筒内導入口と閉塞する位置に配置され、ピストン部材には、前記初期位置から軸方向上向きへの力を付勢する付勢手段が設けられ、鋼管を介して流体圧を付与したとき、ピストン部材は押し下げられ、流体圧を減圧することによって、付勢手段の付勢力によってピストン部材が押し上げられるように構成され、流体圧の加減によってピストン部材が軸方向に摺動した場合に、ピストン部材と連動して、筒内採取蓋が筒内導入口を開閉することを特徴とするとしても好ましい。
【0009】
本発明は、掘削穴の底部において、セメントミルクと土砂とを混合して形成された混合根固め剤中に浸漬され、該混合根固め剤を採取する装置である。
【0010】
本発明は、基礎工事用の杭を貫入する前にアースオーガー等に代表される地中に向けて鋼管を進入させる鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管に連結して使用される。
【0011】
鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管は、掘削穴の掘削に用いられたスクリュー若しくは攪拌ロッドを流用することができる。具体的には、掘削作業後のスクリュー若しくは攪拌ロッドを地上へ引き上げ、その先端部分を取り外し、本発明に付け替えて使用することができる。
【0012】
連結部材は、本発明に係る装置を鋼管と連結する際に用いられる部材であり、軸方向に貫通した貫通孔を有するものである。鋼管との連結は、連結部材の上端部を鋼管の内側に挿入して固定する方法、若しくは鋼管を連結部材の上端部に嵌め込んで固定する方法等により行なわれることが好ましい。
【0013】
鋼管に連結された連結部材は、鋼管の内部と貫通孔とが連通するため、地上から鋼管内に圧入された流体を貫通孔内に流入させることができる。これにより、流体による流体圧を貫通孔内に設置されたピストン部材に付与することができるものである。ここで流体としては、水、油、又は空気などを用いることができる。
【0014】
なお、本発明に係る装置について、上記連結部材の上端部の外径又は内径が異なるものを複数用意しておくことによって、径の異なる多種類の鋼管に対応することができる。
【0015】
周壁導入口は、胴体部材の周面に1つ設けられていてもよいが、複数設けられていることが好ましい。複数も受けられていることによって混合根固め材をより短時間で採取することができるからである。周壁導入口を複数設ける場合には、1つ設けても良いが、2〜4つ設けることが好ましい。周壁導入口の面積を胴体部材の周面に対して均等に確保することができるからである。
【0016】
胴体部材の底部には取出口が設けられており、当該取出口は混合根固め剤の採取時には蓋部材によって閉じられている。地上へ引き上げられた際に蓋部材を開くことによって、胴体部材内に貯留された混合根固め剤を容易に取り出すことができる。
【0017】
蓋部材の下面には先端ビットが形成されていても好ましい。何らかの原因で本発明にかかる装置が掘削穴内への導入が阻害された場合に、阻害原因を当該先端ビットで除去し、掘削穴内への導入作業を継続することができるからである。
【0018】
ピストン部材は、地上から鋼管内に圧入された流体が、貫通孔内でピストン部材の上端面を押し下げる方向に流体圧を付与することによって軸方向下向きに向かって摺動することができる。
【0019】
ピストン部材は、貫通孔の内径よりも僅かに小さい外径を有する部分を備えており、貫通孔内を滑らかに摺動することができる。さらに、ピストン部材の上部外周面に樹脂製のオーリングを備えることで、ピストン部材を押し下げるための流体が胴体部材内に侵入することを効果的に防止することができる。
【0020】
周壁採取蓋は、本発明に係る装置が掘削穴の底部まで導入される間に、採取不要な土砂、若しくは杭周固定液等の不要物質が胴体部材内に侵入することを防止するために配置されるものである。但し、掘削穴の直径が十分に大きい場合など、本発明が、混合根固め剤が溜まっている掘削穴の底部に導入されるまで前記不要物質が胴体部材中に入りにくく、筒内導入口を閉塞する筒内採取蓋のみで十分な場合には、周壁採取蓋を取り付けなくても良い。
【0021】
周壁採取蓋は、周壁導入口が複数設けられている場合には、各周壁導入口を個別に被覆可能な板状に形成されていても良いが、全ての周壁導入口を覆うことができる筒状に形成されることが好ましい。ピストン部材と周壁採取蓋とを結合する腕部の数を少なくすることができ、本発明に係る装置の構造を単純化することができるからである。
【0022】
また、周壁採取蓋は、胴体部材の周壁外面又は周壁内面のいずれに配置されていても良いが、周壁外面に配置されていることがより好ましい。組立が簡単であるからである。
【0023】
ただし、周壁採取蓋を胴体部材の周壁内面に配置した場合には、腕部によって常に周壁採取蓋を胴体部材の周壁を押圧する機構を設けることによって、周壁導入口をより確実に閉塞することができるという効果を備えることができる。
【0024】
腕部によって常に周壁採取蓋を胴体部材の周壁を押圧する機構としては、腕部とピストン部材とを枢着し、さらに腕部とピストン部材との間に腕部を径方向外方へ押圧するバネ部材を取り付けること等が挙げられる。
【0025】
筒内採取蓋は、筒内導入口の開閉に用いられ、ピストン部材に取り付けられている。筒内導入口の閉塞時には、筒内採取蓋が筒内導入口の縁部分に下方から係合することにより閉塞状態を形成していることが好ましい。下方から係合することにより、筒内採取蓋の動作をピストン部材の摺動と連動させることが容易だからである。
【0026】
ピストン部材が流体圧によって軸方向下向きへ摺動すると、請求項1の場合にはピストン部材の動きに連動して周壁導入口が開放され、本発明が浸漬されている混合根固め剤を胴体部材内部へ取り入れ、貯留することができる。
【0027】
さらに、請求項2の場合には、ピストン部材の動きに連動して周壁導入口と筒内導入口が開放され、本発明が浸漬されている混合根固め剤を胴体部材内部へ取り入れると共に、分割壁の下方に形成されている胴体部材の貯留部まで導入して貯留することができる。
【0028】
また、請求項3の場合には、ピストン部材の動きに連動して筒内導入口が開放され、本発明が浸漬されている混合根固め剤を、分割壁の下方に形成されている胴体部材の貯留部まで導入して貯留することができる。
【0029】
混合根固め剤の採取後には、鋼管内の流体圧を減圧させることでピストン部材が付勢手段の付勢力によって押し上げられ、これに伴い周壁採取蓋が周壁導入口を再度閉塞し、筒内採取蓋が筒内導入口を再度閉塞する。ここで、付勢手段にはバネを用いることが好ましい。本発明を地上へ引き上げ、蓋部材を開くと胴体部材内に満たされた混合根固め剤を取出口から取り出すことができる。
【0030】
特に、分割壁によって胴体部材の下部に貯留部を備えた請求項2及び3の場合には、筒内採取蓋によって分割壁より上に溜まった混合根固め剤を排出させることなく前記貯留部に満たされた混合根固め剤のみを取出すことができるので、複数回にわたる採取においても正確に同じ量の混合根固め剤を採取することができる。
【0031】
さらに請求項2及び3の場合には、本発明に係る装置を引き上げる際に、何らかの原因で周壁導入口から不要物質が混入したとしても分割壁より上に不要物質を留めることができる。そのため、貯留部から取り出した混合根固め剤に不要物質が混在することを防止することができる。
【0032】
一方、請求項1の場合には、貯留部を備えない分装置全体の長さを短くすることができるため、掘削穴の底部に溜まっている混合根固め剤の深さが浅くても採取可能であるほか、製造コストも安くすることができる。
【0033】
なお、分割壁を形成した場合には、胴体部材全体を一体に形成しても良いが、分割壁の上下で胴体部材を分離できるように形成することが好ましい。本発明の使用後において胴体部材内の洗浄作業を容易にするためである。
【0034】
胴体部材内部には、胴体部材の内周面から軸中心方向に向かってピストン部材の周面近傍まで延出して形成される軸受部が設けられていることが好ましい。軸受部は、ピストン部材の軸方向の動作を安定化させる効果を有する。
【0035】
また、前記筒内採取蓋の表面であって分離壁と当接する部分には、樹脂製のオーリングが嵌め込まれていることとしても好ましい。混合根固め剤の採取後に、分離壁の上下の分離を確実に行い、不要物質が貯留部に侵入することを効果的に防止することができるからである。
【0036】
また、前記胴体部材の周面であって前記周壁導入口の周囲には樹脂製のオーリングが嵌め込まれていることとしても好ましい。周壁導入口と周壁採取蓋との隙間の発生を抑制し、外部から不要物質が侵入することを効果的に防止することができるからである。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、鋼管との連結作業及び混合根固め剤の採取作業を迅速に行なうことができるため、後に続く工事の遅延を招くことなく混合根固め剤の採取を行なうことができる。
【0038】
鋼管と連通する連通孔を備えた連結部材及び流体圧を受けて摺動可能なピストン部材によって、周壁採取蓋及び筒内採取蓋の動作機構を単純化することができ、混合根固め剤の採取を確実に行なうことができる。
【0039】
さらにまた、当該鋼管及び鋼管内を圧入される流体は、掘削穴の掘削時にも鋼管内に圧入して使用される流体と同一のものを用いることができるため、掘削後の装置の付け替えが簡易であり、高い作業効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】装置1の中央縦断面図である。
【図2】胴体部材3のA−A断面図である。
【図3】ピストン部材13を軸方向下向きに摺動させたときの装置1の状態を示す中央縦断面図である。
【図4】蓋部材5を開いたときの装置1の状態を示す中央縦断面図である。
【図5】装置101の中央縦断面図である。
【図6】胴体部材103のB−B断面図である。
【図7】ピストン部材113を軸方向下向きに摺動させたときの装置101の状態を示す中央縦断面図である。
【図8】蓋部材105を開いたときの装置101の状態を示す中央縦断面図である。
【図9】混合根固め剤Nを採取する工程を示す概略図である。
【図10】鋼管進入駆動装置Aに取り付けられたスクリューSの先端に連結された装置1の様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳しく説明する。
【実施例1】
【0042】
図1は、実施例1に係る混合根固め剤採取装置(以下、装置1とする。)の中央縦断面図である。
【0043】
装置1は、連結部材2、連結部材2の下方に連接して設けられた胴体部材3、及び胴体部材3の下面に取り付けられた蓋部材5によって外殻が形成されている。
【0044】
装置1は、図10に示すように連結部材2が鋼管進入駆動装置Aに取り付けられたスクリューSの先端に連結されて使用される。スクリューSは、軸部分を構成する鋼管Pの先端部に継手部6が形成されており、連結部材2は当該継手部6に挿入することにより連結することができる。
【0045】
連結部材2は、上半部が継手部6に挿入可能な連結上半部7を構成し、連結上半部7は継手部6の内径よりも僅かに小さな外径を有する円筒形に形成される。連結上半部7よりも下の下半部は、連結上半部7よりも径方向外方に拡径した円筒形に形成された連結下半部8を構成する。
【0046】
装置1を使用する際には連結上半部7を継手部6内に挿入して連結部材2と継手部6とを連結する。継手部6の内周面と連結上半部7の外周面には連結部材2を連結した際に対向する係止溝9、10が形成されており、止め具11を係止溝9、10に嵌め込むことによって連結部材2と継手部6との連結強度を強固にすることができる。
【0047】
連結部材2の中央部には連結上半部7及び連結下半部8を軸方向に貫通した貫通孔12が形成されている。貫通孔12の上端は継手部6の内部と連通し、貫通孔12の下端は胴体部材3の内部と連通している。
【0048】
貫通孔12内にはピストン部材13が設置されており、ピストン部材13は貫通孔12の下方向に突出している。
【0049】
実施例1において、ピストン部材13は、貫通孔12の内径よりも僅かに小さい外径を備えたピストン基部14と、該ピストン基部14の下方に形成されたピストン先部15とから構成される。
【0050】
ここで、ピストン基部14の上部に設けられた溝16には樹脂製のオーリング17が嵌め込まれており、ピストン基部14と貫通孔12との間に適度な摩擦抵抗を生じさせ、ピストン部材13の軸方向の動作を滑らかにさせる。
【0051】
胴体部材3は、連結下半部8に差し込まれたボルト18によって連結部材2に固定されている。胴体部材3の天壁には挿通孔19が形成されて貫通孔12と連通している。なお、貫通孔12の下端部には基部軸受20が固定されており、ピストン基部14の摺動を補助している。
【0052】
胴体部材3の周壁21には図2に示すように周方向に2つの周壁導入口22が対向して形成されている。
【0053】
胴体部材3内部には、中心部に挿通穴23が形成された略矩形板状の先部軸受24が胴体部材3の径方向に設けられ、挿通穴23にはピストン先部15が挿通されている。胴体部材3の内部を上方から下方に向けて見た図2に示すように、先部軸受24と胴体部材3の内面との間には隙間が設けられており、周壁導入口22から取り込まれた混合根固め剤Nを、当該隙間を通して胴体部材3の底部まで導入することができる。
【0054】
ピストン先部15の下端部には、図2に示すように円板状の係止板27が取り付けられている。
【0055】
ピストン先部15の上部には、周方向に延出して形成される当て板部28が形成されており、当該当て板部28と先部軸受24との間には、ピストン先部15の周面を巻回するようにバネ29が設置されている。バネ29の上端は当て板部28の下面と当接し、バネ29の下端は先部軸受24の上面と当接しており、ピストン部材13が軸方向下向きに摺動するとバネ29が当て板部28を介してピストン部材13に対し軸方向上向きに力を付勢する。
【0056】
ピストン部材13を軸方向下向きに摺動させる押圧力を除去すると、バネ29がピストン部材13を軸方向上向きに押し上げる。
【0057】
一方、前述したようにピストン先部15の先端部には係止板27が取り付けられているため、バネ29がピストン部材13を一定位置まで押し上げると係止板27が先部軸受24に係止され、ピストン部材13の上昇が止まる。
【0058】
胴体部材3の周壁21には周壁採取蓋30が設置されている。周壁採取蓋30は円筒形に形成され、周壁導入口22の高さよりも長い高さを有している。周壁採取蓋30の高さ中心を周壁導入口22の高さ中心に合わせると、全ての周壁導入口22を塞ぐことができる。
【0059】
装置1において、ピストン部材13がバネ29によって押し上げられると、当該係止板27が先部軸受24に係止されてピストン部材13の上昇が止まる。実施例1において、図1に示すこの上昇が止まったピストン部材13の位置を初期位置とする。
【0060】
周壁採取蓋30の内周面には、当て板部28に取り付けられた腕部31の先端が固定されており、ピストン部材13の摺動と連動して周壁採取蓋30も胴体部材3の外周面に沿って上下に動くことができる。
【0061】
なお、胴体部材3の外周面上であって、周壁採取蓋30の上方及び下方にはそれぞれ環状のストッパー25、26が取り付けられていることが好ましい。これにより、周壁採取蓋30が上下に過度に移動すること妨げることができるため、腕部31が周壁導入口22の縁端に衝突して破損することを防止することができる。
【0062】
ピストン部材13が初期位置に配置されている場合において周壁採取蓋30は周壁導入口22を閉塞するように位置している。次にピストン部材13が軸方向下向きに摺動すると周壁採取蓋30も下方に移動し、周壁導入口22が開放される。これにより、図3に示すように装置1の外部と胴体部材3の内部とを導通させることができる。
【0063】
周壁導入口22の上下近傍であって胴体部材3の外周面には、それぞれ樹脂製のオーリング32、32が周方向に沿って取り付けられている。周壁採取蓋30が周壁導入口22を閉塞した際に、オーリング32、32によって、上下方向からの採取不要な土砂や杭周固定液等からなる外部からの不要物質の侵入を防止することができる。
【0064】
胴体部材3の底部には取出口4が設けられている。
【0065】
蓋部材5は、胴体部材3の下面に取り付けられており、蝶板33で蓋部材5と胴体部材3の周面同士が連結されると共に、胴体部材3の底部と蓋部材5とはボルト34によって固定されている。ボルト34を胴体部材3から取り外すことによって、図4に示すように蝶板33を中心に蓋部材5が開き、取出口4が開放される。
【0066】
胴体部材3の下面には、取出口4を囲う位置に樹脂製のオーリング35が取り付けられており、蓋部材5を固定した際に取出口4を確実に閉塞し、胴体部材3内に貯留した混合根固め剤Nが漏出することを防止することができる。
【0067】
なお、蓋部材5の下面には、下方に先端ビット36が設けられている。
【0068】
次に、装置1を使用して混合根固め剤Nを採取する工程ついて説明する。
【0069】
建築物の基礎工事において、図9(a)、(b)に示すように、アースオーガー等の鋼管進入駆動装置Aに取り付けられたスクリューSによって掘削穴Hが形成されると共に、スクリューSの軸部分を構成する鋼管Pを介して掘削穴Hの底部にセメントミルクMが注入される。注入されたセメントミルクMは掘削穴Hの底部において周囲の土砂成分と混合攪拌され、混合根固め剤Nが形成される。
【0070】
その後、図9(c)に示すようにスクリューSが引き抜かれスクリューSの先端に取り付けられていたビットBを装置1に取替え、装置1を掘削穴Hの底部へ進入させる。
【0071】
掘削穴Hの底部において装置1が混合根固め剤N中に浸漬された後、続けて鋼管P内に水を圧送することで、水が貫通孔12内でピストン部材13を押し下げると、図3に示すようにピストン部材13と連動して周壁採取蓋30が下方に移動し、周壁導入口22が開放される。
【0072】
そうすると、図3中の矢印に示すように混合根固め剤Nが胴体部材3の内部に取り込まれ、貯留される。
【0073】
混合根固め剤Nの採取が終了すると、鋼管P内の水の圧送を停止することによってバネ29がピストン部材13を押し上げ、周壁採取蓋30が周壁導入口22を閉塞させる。
【0074】
混合根固め剤Nを採取した装置1は地上へ引き上げられ、所定位置まで運ばれた後、図4に示すようにボルト34を取り外し、蓋部材5を開くことで取出口4から胴体部材3内に貯留された混合根固め剤Nを取り出すことができる。
【実施例2】
【0075】
図5は、実施例2に係る混合根固め剤採取装置(以下、装置101とする。)の中央縦断面図である。
【0076】
装置101は、連結部材102、連結部材102の下方に連接して設けられた胴体部材103、及び胴体部材103の下面に取り付けられた蓋部材105によって外殻が形成されている。
【0077】
装置101は、図10に示すように連結部材102が鋼管進入駆動装置Aに取り付けられたスクリューSの先端に連結されて使用される。スクリューSは、軸部分を構成する鋼管Pの先端部に継手部106が形成されており、連結部材102は当該継手部106に挿入することにより連結することができる。
【0078】
連結部材102は、上半部が継手部106に挿入可能な連結上半部107を構成し、連結上半部107は継手部106の内径よりも僅かに小さな外径を有する円筒形に形成される。連結上半部107よりも下の下半部は、連結上半部107よりも径方向外方に拡径した円筒形に形成された連結下半部108を構成する。
【0079】
装置101を使用する際には連結上半部107を継手部106内に挿入して連結部材102と継手部106とを連結する。継手部106の内周面と連結上半部107の外周面には連結部材102を連結した際に対向する係止溝109、110が形成されており、止め具111を係止溝109、110に嵌め込むことによって連結部材102と継手部106との連結強度を強固にすることができる。
【0080】
連結部材102の中央部には連結上半部107及び連結下半部108を軸方向に貫通した貫通孔112が形成されている。貫通孔112の上端は継手部106の内部と連通し、貫通孔112の下端は胴体部材103の内部と連通している。
【0081】
貫通孔112内にはピストン部材113が設置されており、ピストン部材113は貫通孔112の下方向に突出し、胴体部材103の下端付近まで延在している。
【0082】
実施例2において、ピストン部材113は、貫通孔112の内径よりも僅かに小さい外径を備えたピストン基部114と、該ピストン基部114の下方に形成されたピストン先部115とから構成される。
【0083】
ここで、ピストン基部114の上部に設けられた溝116には樹脂製のオーリング117が嵌め込まれており、ピストン基部114と貫通孔112との間に適度な摩擦抵抗を生じさせ、ピストン部材113の軸方向の動作を滑らかにさせる。
【0084】
胴体部材103は、連結下半部108に差し込まれたボルト118によって連結部材102に固定されている。胴体部材103の天壁には挿通孔119が形成されて貫通孔112と連通している。なお、貫通孔112の下端部には基部軸受120が固定されており、ピストン基部114の摺動を補助している。
【0085】
胴体部材103の周壁121には図6に示すように、周方向に4つの周壁導入口122が互いに離間して形成されている。
【0086】
胴体部材103内部には、中心部に挿通穴123が形成された略矩形板状の先部軸受124が設けられ、挿通穴123にはピストン先部115が挿通されている。胴体部材103の内部を上方から下方に向けて見た図6に示すように、先部軸受124と胴体部材103の内面との間には隙間が設けられており、周壁導入口122から取り込まれた混合根固め剤Nを、当該隙間を通して胴体部材103の底部まで導入することができる。
【0087】
胴体部材103の周壁内には内部空間を上下に分割する分割壁104が設けられており、分割壁104の中心部には筒内導入口125が形成されている。分割壁104で分割された胴体部財103のうち上方部分を導入部139とし、下方部分を貯留部140とする。筒内導入口125は分割壁104を貫通して形成され、導入部139から貯留部140へ連通している。
【0088】
ピストン先部115の下端部には、図6に示すように円盤状の筒内採取蓋126が取り付けられている。筒内採取蓋126の外周端面は斜め上方を向くように形成されており、斜め下方に向けて形成された前記筒内導入口125の内周端面と係合することにより、筒内導入口125を閉塞可能に形成されている。筒内採取蓋126が筒内導入口125を閉塞すると、貯留部140内部を導入部139内部から隔離することができる。
【0089】
さらに、筒内採取蓋126の外周端面には樹脂製のオーリング127が取り付けられており、筒内導入口125と筒内採取蓋126とが係合した際にオーリング127が筒内導入口125の内周端面と密着することによって、より確実に貯留部140内部を導入部139内部から隔離することができる。
【0090】
ピストン先部115の上部には、周方向に延出して形成される当て板部128が形成されており、当該当て板部128と先部軸受124との間には、ピストン先部115の周面を巻回するようにバネ129が設置されている。バネ129の上端は当て板部128の下面と当接し、バネ129の下端は先部軸受124の上面と当接しており、ピストン部材113が軸方向下向きに摺動するとバネ129が当て板部128を介してピストン部材113に対し軸方向上向きに力を付勢する。
【0091】
ピストン部材113を軸方向下向きに摺動させる押圧力を除去すると、バネ129がピストン部材113を軸方向上向きに押し上げる。
【0092】
一方、前述したようにピストン先部115の先端部には筒内採取蓋126が取り付けられているため、バネ129がピストン部材113を一定位置まで押し上げると筒内採取蓋126が筒内導入口125に係合し、ピストン部材113の上昇が止まる。
【0093】
装置101において、ピストン部材113がバネ129によって押し上げられると、当該筒内採取蓋126と筒内導入口125とが係合し、ピストン部材113の上昇が止まる。実施例2において、図5に示すこの上昇が止まったピストン部材113の位置を初期位置とする。
【0094】
胴体部材103を構成する導入部139の周壁121には周壁採取蓋130が設置されている。周壁採取蓋130は円筒形に形成され、周壁導入口122の高さよりも長い高さを有する。周壁採取蓋130の高さ中心を周壁導入口122の高さ中心に合わせると、全ての周壁導入口122を塞ぐことができる。
【0095】
周壁採取蓋130の内周面には、当て板部128に取り付けられた腕部131の先端が固定されており、ピストン部材113の摺動と連動して周壁採取蓋130も胴体部材103の外周面に沿って上下に動くことができる。
【0096】
ピストン部材113が初期位置に配置されている場合において周壁採取蓋130は周壁導入口122を閉塞するように位置している。次にピストン部材113が軸方向下向きに摺動すると周壁採取蓋130も下方に移動し、周壁導入口122が開放される。またこのとき、筒内採取蓋126もピストン部材113と連動して下方に移動するため、周壁導入口122が開放されると共に筒内導入口125も開放され、図7に示すように装置101の外部、導入部139の内部、及び貯留部140の内部を導通させることができる。
【0097】
周壁導入口122の上下近傍であって胴体部材103の外周面には、それぞれ樹脂製のオーリング132、132が周方向に沿って取り付けられている。周壁採取蓋130が周壁導入口122を閉塞した際に、オーリング132、132によって、上下方向からの採取不要な土砂や杭周固定液等からなる外部からの不要物質の侵入を防止することができる。
【0098】
貯留部140は、ボルト133によって導入部139の下方に連接して固定されており、装置101を使用した後貯留部140を取り外すことによって、導入部139及び貯留部140の洗浄を容易に行うことができる。
【0099】
蓋部材105は、胴体部材103の下面に取り付けられており、蝶板135で蓋部材105と胴体部材103の周面同士が連結されると共に、胴体部材103の底部と蓋部材105とはボルト136によって固定されている。ボルト136を蓋部材105から取り外すことによって、図8に示すように蝶板135を中心に蓋部材15が開き、取出口134が開放される。
【0100】
蓋部材105の上面には、取出口134を囲う位置に樹脂製のオーリング137が取り付けられており、蓋部材105を固定した際に取出口134を確実に閉塞し、貯留部140内に貯留した混合根固め剤Nが漏出することを防止することができる。
【0101】
なお、蓋部材105の下面には、下方に先端ビット138が設けられている。
【0102】
次に、装置101を使用して混合根固め剤Nを採取する工程ついて説明する。
【0103】
建築物の基礎工事において、図9(a)、(b)に示すように、アースオーガー等の鋼管進入駆動装置に取り付けられたスクリューSによって掘削穴Hが形成されると共に、スクリューSの軸部分を構成する鋼管Pを介して掘削穴Hの底部にセメントミルクMが注入される。注入されたセメントミルクMは掘削穴Hの底部において周囲の土砂成分と混合攪拌され、混合根固め剤Nが形成される。
【0104】
その後、図9(c)に示すようにスクリューSが引き抜かれスクリューSの先端に取り付けられていたビットBを装置101に取替え、装置101を掘削穴Hの底部へ進入させる。
【0105】
掘削穴Hの底部において装置101が混合根固め剤N中に浸漬された後、続けて鋼管P内に水を圧送することで、水が貫通孔112内でピストン部材113を押し下げると、図7に示すようにピストン部材113と連動して周壁採取蓋130及び筒内採取蓋126が下方に移動し、周壁導入口122及び筒内導入口125が開放される。
【0106】
そうすると、図7中の矢印に示すように混合根固め剤Nが導入部139の内部に取り込まれると共に下方へ流れ落ち、筒内導入口125から貯留部140内に貯留される。
【0107】
混合根固め剤Nの採取が終了すると、鋼管P内の水の圧送を止めることによってバネ129がピストン部材113を押し上げ、周壁採取蓋130及び筒内採取蓋126が周壁導入口122及び筒内導入口125をそれぞれ閉塞させる。
【0108】
混合根固め剤Nを採取した装置101は地上へ引き上げられ、所定位置まで運ばれた後、図8に示すようにボルト136を取り除き、蓋部材105を開くことで取出口134から貯留部140内に貯留された混合根固め剤Nを取り出すことができる。
【0109】
このとき、筒内採取蓋126は筒内導入口125を閉塞しているため、導入部139内部の溜まっている物質まで排出されることはない。このため、装置101の引き上げ時に何らかの原因で胴体部材103内に侵入した不要物質があった場合にも、必要な混合根固め剤N中にこのような不要物質が混ざることを防止することができる。
【実施例3】
【0110】
実施例3として、前記装置101のうち、周壁採取蓋130及び腕部131を備えておらず、その他の構成については装置101が有する構成と同じ構成を有するものとしてもよい。
【0111】
なお、実施例3においても、ピストン部材113がバネ129によって押し上げられると、当該筒内採取蓋126と筒内導入口125とが係合し、ピストン部材113の上昇が止まる。実施例2と同じくこの上昇が止まったピストン部材113の位置を初期位置とする。
【0112】
ピストン部材113が軸方向下向きに摺動すると筒内採取蓋126がピストン部材113と連動して下方に移動するため、筒内導入口125が開放される。これにより、装置101の外部から取り込んだ混合根固め剤Nを貯留部140内に貯留することができる。
【0113】
実施例3の場合、掘削穴の径が十分大きければ周壁採取蓋130を備えていなくても、掘削穴への本発明に係る装置の導入中に胴体部材103中に不要物質が侵入させることなく混合根固め剤Nを採取することができる。そのため、周壁採取蓋130及び腕部131を装備するための費用を削減することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 装置
2 連結部材
3 胴体部材
4 取出口
5 蓋部材
6 継手部
13 ピストン部材
22 周壁導入口
29 バネ
30 周壁採取蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に向けて鋼管を進入させる鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管と連結可能であり、軸方向に貫通した貫通孔を備え、鋼管を介して貫通孔内に流体圧を付与可能に設けられた連結部材と、
前記連結部材の下方に前記貫通孔と連通して設けられると共に、周壁に形成された周壁導入口及び底部に設けられた取出口を有する筒状の胴体部材と、
前記胴体部材の前記取出口に、開閉可能に取り付けられた蓋部材と、
前記貫通孔内に設置され、貫通孔内を軸方向に摺動可能なピストン部材と、
前記胴体部材の周面に沿って移動可能に配置され前記周壁導入口を閉塞可能に形成された周壁採取蓋と、
該周壁採取蓋と前記ピストン部材とを結合する腕部とを備え、
周壁採取蓋は、前記ピストン部材が初期位置に位置する場合に、前記周壁導入口を閉塞する位置に配置され、
ピストン部材には、前記初期位置から軸方向上向きへの力を付勢する付勢手段が設けられ、
鋼管を介して流体圧を付与したとき、ピストン部材は押し下げられ、流体圧を減圧することによって、付勢手段の付勢力によってピストン部材が押し上げられるように構成され、
流体圧の加減によってピストン部材が軸方向に摺動した場合に、ピストン部材と連動して、周壁採取蓋が周壁導入口を開閉する
ことを特徴とする混合根固め剤採取装置。
【請求項2】
前記胴体部材の周壁内に形成され、胴体部材の内部空間を上下に分割する分割壁と、
前記分割壁の中央部に設けられた筒内導入口と、
前記ピストン部材に取り付けられ、前記分割壁と下方から係合することにより前記筒内導入口を閉塞可能な筒内採取蓋とを備え、
筒内採取蓋は、前記ピストン部材が初期位置に位置する場合には、前記筒内導入口と閉塞する位置に配置され、
流体圧の加減によってピストン部材が軸方向に摺動した場合に、ピストン部材と連動して、周壁採取蓋が周壁導入口を開閉すると共に、筒内採取蓋が筒内導入口を開閉する
ことを特徴とする請求項1に記載の混合根固め剤採取装置。
【請求項3】
地中に向けて鋼管を進入させる鋼管進入駆動装置に取り付けられた鋼管と連結可能であり、軸方向に貫通した貫通孔を備え、鋼管を介して貫通孔内に流体圧を付与可能に設けられた連結部材と、
前記連結部材の下方に前記貫通孔と連通して設けられると共に、周壁に形成された周壁導入口及び底部に設けられた取出口を有する筒状の胴体部材と、
前記胴体部材の前記取出口に、開閉可能に取り付けられた蓋部材と、
前記貫通孔内に設置され、貫通孔内を軸方向に摺動可能なピストン部材と、
前記胴体部材の周壁内に形成され、胴体部材の内部空間を上下に分割する分割壁と、
前記分割壁の中央部に設けられた筒内導入口と、
前記ピストン部材に取り付けられ、前記分割壁と下方から係合することにより前記筒内導入口を閉塞可能な筒内採取蓋とを備え、
筒内採取蓋は、前記ピストン部材が初期位置に位置する場合に、前記筒内導入口と閉塞する位置に配置され、
ピストン部材には、前記初期位置から軸方向上向きへの力を付勢する付勢手段が設けられ、
鋼管を介して流体圧を付与したとき、ピストン部材は押し下げられ、流体圧を減圧することによって、付勢手段の付勢力によってピストン部材が押し上げられるように構成され、
流体圧の加減によってピストン部材が軸方向に摺動した場合に、ピストン部材と連動して、筒内採取蓋が筒内導入口を開閉する
ことを特徴とする混合根固め剤採取装置。
【請求項4】
前記胴体部材の周面であって前記周壁導入口の周囲には樹脂製のオーリングが嵌め込まれている
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の混合根固め剤採取装置。
【請求項5】
前記筒内採取蓋の表面であって筒内導入口の周囲部と当接する部分には、樹脂製のオーリングが嵌め込まれている
ことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の混合根固め剤採取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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