説明

温度依存性易壊シールを有する多区画パッケージ

周辺端部がヒートシールされた可撓性ポリマー材料から製造された多区画パッケージであって、互いから分離して貯蔵され、ついで加熱後に組合わされる製品で満たすためのパッケージが開示される。ポリマーパッケージ材料のシート間の温度依存性易壊シールが、このパッケージの区画を形成する。同様に、これらのパッケージに用いるのに適したフィルムも開示される。同様に、これらのパッケージを含むインスタント食品も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性多区画パッケージ、このためのフィルム、および製品、例えばこのパッケージを含むインスタント食品に関する。
【背景技術】
【0002】
一緒にパッケージされているが、分離されていて、後で混合するための製品を有することが、多くの場合望ましい。このようなパッケージは、いくつかの製品が異なる物理的特徴を有するか、または貯蔵の間不適合性であり、消費の直前に混合すべき場合に有利である。
【0003】
一例は、1つまたは複数のシールによって分離された多数の食品を包容するためのパッケージまたはパウチである。これらの食品は、加熱調理サイクルの間のある時点、またはその終了時のどちらかに、混合または組合せを必要とする。様々な成分は、加熱調理の前に互いに混合することはできないが、その理由は一般に、これらは貯蔵において不適合性であるからか、または2つ以上の成分が、準備中に、または貯蔵の間に、または加熱調理に先立って組合わされるならば、最終加熱調理製品に望まれる品質(例えば風味および風合い)が得られないからである。したがって2つ以上の成分は、加熱調理の間(例えばオーブンにおいて)、またはこれらが加熱調理された後でのみ組合わされる方がよい。同様に、第一成分、またはその製品自体の加熱調理後、またはその間に、独立して第二成分または他の成分を使用者が供給する必要があるのは、一般的に不便であるか、または実用的ではない。その理由は、これらの成分は、使用者にとって、容易に入手できるものでないことがあるか、またはこのような追加の成分を添加するために、加熱調理サイクルを中断することは実用的でなく、また安全でもないことがあるからである。このようなパッケージの例は、米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,596,713号明細書
【特許文献2】米国特許第4,806,371号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
区画を破り、それによって内容物を解放するために、食品(例えばポップコーン)の大きい圧力増加または膨張に依存する、分離された区画を有するパッケージが知られている。フィルムを壊すために、蒸気または食品の膨張に依存しないパッケージを開発することは、望ましい。本発明は、上昇した内部温度の下、軟化して破れ、区画の内容物を解放して組合せることを可能にする、特別なシーラントを含むポリマーフィルムから作成されるパッケージに関する。内部圧力の増加は、シールの破れに対して二次的効果しか有さない。
【0006】
したがって多区画パッケージは、使用の準備が整うまで、出荷および貯蔵の間に食品を包容して保存するが、例えば加熱による加工処理後に食品の混合を可能にするように構成される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パッケージに用いることができ、かつ少なくとも1つのポリマー層および少なくとも1つのシーラント層を含むか、またはこれらから製造することができる多層フィルムを含む。
【0008】
本発明はまた、ポリマーフィルムの第一シート、ポリマーフィルムの第二シート、および少なくとも1つの温度依存性易壊シールを含む多区画パッケージも含む。
【0009】
本発明はまた、ポリマーフィルムの第一シート、ポリマーフィルムの第二シート、および少なくとも1つの温度依存性易壊シールを含む多区画パッケージも含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
1つの実施形態において、パッケージは、少なくとも1つのポリマー層、およびポリマー材料を含むシーラント層を含むか、またはこれらから製造されたポリマーフィルムを含むか、またはこれから製造することができる。このポリマー層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、およびエチレン/ビニルアルコールコポリマーからなる群から選択された少なくとも1つのポリマー材料を含むか、またはこれから製造することができる。このシーラント層は、非晶質ポリエチレンテレフタレート、またはエチレン/ビニルアセテートコポリマーを含むか、または非晶質ポリエチレンテレフタレート、またはエチレン/ビニルアセテートコポリマーから製造することができる。このシーラント層は、1,500g/インチ(590g/cm)超の強度を有するシールおよび温度依存性易壊シールを形成できる。
【0011】
これらのパッケージを製造するために用いることができるポリマー層は、可撓性シートまたはフィルム形態にあってもよい。この多層ポリマーフィルムまたはシートは、少なくとも3層を包含しうる。これは、最外構造層または濫用(abuse)層、内部または外部バリヤー層、および最内層、および任意選択的にこれらの間に1つまたは複数の接着剤層またはタイ層が含むが、これらに限定されるわけではない。同様に、このパッケージ(これはまた、本出願においてパウチとも呼ばれる)の意図された内容物と接触し、これらと適合性がある最内層は、閉鎖周辺シール(すなわち典型的には、1,500g/インチまたは590g/cm超のシール強度)および内部易壊シールの両方を形成しうる。内部易壊シールは、約400〜約2,500g/インチ(157−984g/cm)幅の剥離強さを有し、周辺シールは、約1,500〜約3,500g/インチ(590−1,378g/cm)幅の剥離強さを有する。好ましくは、外部シールと内部易壊シールとの間の強度の差は、少なくとも800g/インチ(315g/cm)である。最も好ましくは、最内層もまた、ヒートシール可能である。
【0012】
最外層または構造層または濫用層は、延伸ポリエステル(好ましいポリエステルは、延伸ポリエチレンテレフタレートPETである)、または延伸ポリプロピレン、または延伸ポリアミド(ナイロン)またはその両方を含むか、または延伸ポリエステル(好ましいポリエステルは、延伸ポリエチレンテレフタレートPETである)、または延伸ポリプロピレン、または延伸ポリアミド(ナイロン)またはその両方から製造されてもよい。この層は好ましくは白抜き印刷可能(reverse−printable)であり、このパッケージおよび区画を製造するために用いられたシール温度によって影響されない。このパッケージは、多層構造の厚さ全体を通してシールすることができる。この層の厚さは、このパウチの剛性を制御するために選択することができ、約10〜約60μm、または約10〜約60μm、または約50μmであってもよい。これらの構造層には、図形要素、例えば消費者への情報および/またはパッケージへの感じのよい外見を与えるために、印刷およびエンボスを備えていてもよい。用いられる特定の多層フィルムは、パッケージの最終用途に応じてもよい。これらの強度層に好ましい材料は、ポリアミド、例えば厚さが約0.5ミル(12.7μm)〜約3ミル(76.2μm)の二軸延伸ナイロンである。例えば外側層として用いられるナイロンは、好ましくは約1(25.4μm)〜約3ミル(76.2μm)厚さである。もう1つの層と組合せて内側層として用いられるナイロンは、好ましくは約0.5〜1.5ミル(12.7〜38.1μm)厚さである。
【0013】
この構造層はまた、パウチの内部の製品に潜在的に影響を与えることがある大気条件(酸素、湿度、光など)に応じて、1つまたは複数のバリヤー層を含んでもよい。バリヤー層は例えば、延伸PET、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ナイロンまたは二軸延伸ナイロン、これのブレンドまたは複合材料、ならびにこれの関連コポリマーであってもよい。このパッケージが、電子レンジ加熱用として意図されたものでない時、他のバリヤー層もまた、金属化または酸化ケイ素コーティングされたポリマーを含んでもよい。バリヤー層の厚さは、製品の感受性および所望の貯蔵寿命に応じてもよい。いくつかの用途において、構造層およびバリヤー層の機能は、適切な樹脂の単一層中に組合わされてもよい。例えばナイロンまたはPETは、構造機能およびバリヤー機能の両方に適している。
【0014】
このパッケージの最内層は、シーラントである。このシーラントは、内容物の味および色に最小限の効果しか有さず、この製品によって影響されず、シール条件(例えば液体小滴、脂、ほこりなど)に耐えるように選択される。このシーラントは、最外層の外見が、シールプロセスによって影響されず、シールバーのあごに粘着しないように、最外層の融解温度よりも実質的に低い温度で、それ自体に接着(シール)されうる樹脂であってもよい。シーラント層は典型的には、約6〜約100μm厚さ、好ましくは約6〜約25μmである。このシーラントは、ひとたび特定の温度に達すると破れる区画、すなわち温度依存性易壊シールを形成しうる。これらの易壊シールの性能を確保するために、このシーラントの特徴は一定のままであり、パッケージが形成され、充填され、任意選択的に冷却(すなわち凍結または冷蔵)された時からこれが再加熱されるまで、特性の変化を受けない。当業者に公知の他のシーラントも、用いることができるであろう。
【0015】
シーラントは、好ましくはコポリエステルまたはエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、好ましくは非晶質コポリエステル、例えば非晶質PETの形態で、ウエブ全体に対して加えることができる。
【0016】
非晶質PETコポリエステルヒートシーラントは、少なくとも次の成分に由来してもよい。すなわち、約10〜約60モル%のテレフタル酸(「モノマーA」);約10〜約60モル%のエチレングリコール(「モノマーB」);および約5〜約60モル%の、第二二酸(「モノマーC」)および/または第二ジオール(「モノマーD」)である第三モノマーである。モノマーCの例は、1つまたは複数のコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ドデカンジオン酸などを包含しうる。好ましくは、例えばアゼライン酸、セバシン酸、および/またはイソフタル酸である。モノマーDの例は、1つまたは複数のプロピレングリコール、メトキシポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコールなどを包含しうる。
【0017】
シールの強さは、加えられているシーラントの型および厚さに応じて、温度、滞留時間、およびヒートシールバーの圧力によって操作することができる。シールの幅は、約0.1(2.54mm)〜約0.4インチ(1.02mm)幅であり、外周シールは好ましくは、約0.5(12.7mm)〜約1インチ(25.4mm)またはそれ以上の幅である。
【0018】
シーラントおよびコーティング重量の選択は、パッケージされた製品の量、必要とされる加熱調理時間、および1つの食品として組合わされることになるパッケージ中の製品の組合せに影響を与えることがある。例えば、糖を含有する食品またはソースは一般的に、他の食品よりも速い速度で温まる。これらの糖含有食品が、より長い加熱要件を有する製品と組合わされる時、加熱サイクルに耐え、正しい時に破れうる正しいシーラントの組合せが、それに応じてなされる。シーラントのより厚い層は、より薄い層と同じ軟化点を有してもよいが、内容物に応じて破れるまでの時間を増加させうる。シール幅の変動も、所望の時にシールの破れを実施するために用いることができる。加熱調理の時、より厚いシールは、ほぼ同じ温度で軟化して開くが、同じ型のより軽いシール層よりも、破れるまで長い時間がかかる。
【0019】
このポリマー層は好ましくは、ポリアミド層、非晶質PETコポリマー層、またはその両方を含む。このシーラント層は好ましくは、非晶質PETコポリマー層を含む。
【0020】
本発明はまた、互いから隔離して貯蔵される材料で満たすのに適しうる多区画パッケージであって、重なった関係に配置され、かつ周辺端部が永久的にヒートシールされて1つのパッケージを形成するポリマーフィルム材料の2枚のシート;およびこのパーケージの中の予め決定された位置に配置されて、ポリマーフィルムのシート間に、分離された区画(パッケージされることになる材料に応じて適切なサイズを有する)を形成する、少なくとも1つの温度依存性易壊シールを含むか、またはこれらから製造されたパッケージも包含する。このポリマーフィルムは、上に開示されたものと同じであってもよい。この温度依存性易壊シールは、上に開示されたシーラントまたはシーラント層と同じであってもよい。
【0021】
本発明はまた、互いから隔離して貯蔵される材料で満たすのに適しうる多区画パッケージであって、(a)ポリマーフィルムの第一シート;(b)ポリマーフィルムの第一シート上に重ね合わされたポリマーフィルムの第二シートであって、ポリマーフィルムの第一シートおよび第二シートが直接または、第三の介在ポリマーフィルムを介して間接的に互いにシールされ、このようにして、周縁シール部を画定してパウチを形成する第二シート;および(c)このパウチの周縁部の内部の少なくとも1つの温度依存性易壊シールであって、このパウチを、分離された区画に分けるシールを含むか、またはこれらから製造されたパッケージも包含し、ここで前記パウチが、少なくとも1つのひだを含む。このポリマーフィルムおよび温度依存性易壊シールはまた、上に開示されたものと同じであってもよい。
【0022】
本発明はまたさらに、前記分離された区画の一つに閉じ込められた食品、および少なくとも1つの他の分離された区画へ閉じ込められた少なくとも1つの他の食品も含む前記パッケージも提供する。
【0023】
本発明はまた、このようなパッケージにおける使用に適しうる多区画パッケージであって、(a)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、およびエチレン/ビニルアルコールコポリマーを含むか、またはこれらからなる群から選択された少なくとも1つのポリマー材料を含む少なくとも1つの層;(b)非晶質ポリエチレンテレフタレートまたはエチレン/ビニルアセテートコポリマーからなる群から選択されたポリマー材料を含むシーラント層であって、1,500グラム/インチ超の強度を有するシールを形成することができ、かつ温度依存性易壊シールも形成することができるシーラント層;および任意選択的に(c)少なくとも1つの絶縁層を含むか、またはこれらから製造されたパッケージも包含する。
【0024】
本発明はさらに、製品、例えば
(a)(1)重ねた関係に配置され、かつ周辺端部が永久的にヒートシールされて、1つのパッケージを形成するポリマーフィルム材料の2枚のシート;および(2)このパッケージの中の予め決定された位置に配置されて、ポリマーフィルムの前記シート間に分離された区画を形成する少なくとも1つの温度依存性易壊シールを含む多区画パッケージ;
(b)前記区画の1つに包容された食品;および
(c)前記区画の少なくとも1つの他の区画に包容された少なくとも1つの他の食品または成分
を含むか、またはこれらから製造されたインスタント食品のような製品であって、前記温度依存性易壊シールは、加熱時に解放することが可能であり、これによって(b)と(c)とを組合せる製品も包含する。
【0025】
開示された多区画パッケージは、パウチを含んでもよく、またはパウチであってもよい。このパウチは、食品を封じ込めている永久周縁シールとともに構成されていてもよく、内容物の当初分離を与える温度依存性易壊内部シールは、それでも所望の時に容易に破ることができる。例えば電子レンジ、従来のオーブン、対流オーブン、または沸騰水において熱に暴露された時、これらの易壊シールは破れ、内容物を互いに混合させるが、一方で、周縁シールは無傷のままである。ついでこのパッケージを開けることができ、食品を消費することができる。
【0026】
内部易壊シールは、この製品がシーラントの軟化点まで加熱された時(隣接製品が、約60〜約100℃、例えば約75〜80℃に達した後で)、破れるように設計され、このことがシールを破損させる。その結果、パッケージ中の以前に分離されていた製品が組合わされることになる。
【0027】
パッケージまたはパウチは、単一フィルム構造から製造することができる。パッケージ構成は、ひだをともなっていてもよく、またはともなっていなくてもよい。このパッケージは、加熱調理サイクルの間、立たせることもでき、または平らに置くこともできる。本発明のパッケージは、例えば、1つの管を形成し、これをついで、底部を横断してヒートシールするか、またはポリマー材料の単一シートをそれ自体の上に折り畳み、側面の2つをヒートシールして、末端が開いているパッケージを形成することにより、1つのバッグとして形成することができるようにすることによって、製造することができる。このパウチの別々の区画の形成およびヒートシール、区画の充填、および区画の(例えばヒートシールによる)閉鎖は、所望であれば、単一加工処理ラインで行なうことができる。あるいはまた、末端が開いている多区画パッケージそれ自体は、1操作で行なうことができ、その後の操作において別々の区画を充填および閉鎖するために、マガジン装置から供給することができる。
【0028】
この発明のパッケージ用のもう1つのフィルムは、構造層としてのポリアミドと延伸PETとの組合せ、シーラント層としての非晶質PETコポリマーを含む。このような組合せは、電子レンジまたは従来のオーブンにおいて用いることができる。いくつかの場合、延伸PETを非晶質PETでヒートシールコーティングして、ポリマー材料の追加層へのラミネーションのために二層ウエブを供給することが便利である。
【0029】
ポリアミドとPETとの(ヒートシール可能な)組合せは、予め刻み目(pre−notched)が入れられたパッケージが縦方向または横断方向のどちらかに、直線的に引き裂いて開けることができるという点において、方向性引き裂き特性を与えることができる。これらの引き裂き特性は、パッケージ構成および設計において大きい可撓性を可能にする。このようにして、加熱後、食品へ接近するための開封区域は、パウチの特定の部分(例えば上部)に限定されず、これによって、開封のための所望の区域の側に刻み目を配置することが可能になる。例えば、この刻み目を、パウチの「底部」区画のわずかに上に配置することができるであろう。易壊シールが破れ、以前は分離されていたすべての製品が、残っている単一区画中で組合わされた後、この刻み目は、パウチを開けるためにパッケージの側面シールを横断して方向性引き裂き特徴を伝搬するために用いられる。このことによって、パウチを短くすることができ、上部を捨てて、食品を底部から直接消費することができる;または食品は、そう望むならば、二次的な皿に載せることもできる。
【0030】
本発明のもう1つの実施形態は、中に組み込まれたシーラントをヒートシールすることによって、直立した(stand−up)パウチ(SUP)を製造するために、ひだを有するパッケージフィルムのウエブの形成を用いる。SUPパウチは、設計に応じて2つまたは3つのウエブから製造されてもよい。したがって多区画パッケージは、ポリマーフィルムの第一シート;ポリマーフィルムの第一シートの上に重ね合わされたポリマーフィルムの第二シートであって、ポリマーフィルムの第一シートおよび第二シートが直接または、第三の介在ポリマーフィルムを介して間接的に互いにシールされ、このようにして、周縁シール部を画定して1つのパウチを形成するシート;および易壊シールがこのパウチを分離された区画に分ける、このパウチの周縁部の内部の少なくとも1つの温度依存性易壊シールを含んでもよく、ここで前記パウチが、少なくとも1つのひだを含む。
【0031】
パッケージ構造の組合せは、予め成形されたパウチ、例えば記載されているような直立したパウチ;水平/成形/充填/シール(HFFS)方法によって充填の直前にインライン成形されるか、または垂直/成形/充填/シール(VFFS)方法によって充填の直前にインライン成形されたパウチを包含するあらゆるフォーマットにおいて用いることができる。充填およびシールバーの組合せは、必要とされるパウチの型へ構成されなければならず、これには、例えば所望のパッケージサイズ、構成、および内容物などの要因が含まれる。
【0032】
正しい材料の組合せは、パッケージされた製品を保護するために必要とされる穿刺抵抗および/またはバリヤー特性を与えうる。例えば凍結野菜またはパスタは、非常に先が尖って硬くなり、適切な穿刺抵抗性層と組合わされない場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)または紙を穿刺しやすいことがある。この問題は、出荷(handling)および流通サイクルの間に明らかになりうる。これらのパッケージはまた、周囲温度、冷蔵温度、または必要な場合には凍結ついで冷蔵された温度において、延長された貯蔵寿命を有する調整気相パッケージ(MAP)用途のためにバリヤー特性をともなって製造することもできる。構造および/またはバリヤー層の適切な選択は、消費者がそれを使用する状態にある時に、このパッケージの保護および性能にとって特に重要である。
【0033】
加熱の時、所望の区画の区域において、パッケージ面に単にスリットを与えることによって、パッケージのどこかに通気区域を作ることができる。あるいはまた、三層ラミネート構造において、温度依存性シーラント材料(自己通気(self−venting))と組合せた非通気シーラントを含む材料の組合せが、所望の通気効果を与えてもよい。自己通気は、パッケージを開けた時に蒸気爆発の発生を最小限にするための望ましい安全特徴である。例えばシーラントの厚さおよびシール温度は、ひとたび食品が170°Fに達したら、通気(破れを介して)を与えるよう設計することができる。このようにして、自己通気特徴はまた、食品が適切な温度に加熱され、消費の準備ができていることを示すための温度指示器としても役立つ。
【0034】
内部易壊シールを破るために熱を用い、同時に食品を、安全に消費されうる正しい温度にする、開示されたパッケージの一例は、1つの区画にパスタを有し、他方にソースを有するパッケージである。その中にパッケージされた食品の質量は、周縁シールを無傷なままにしつつ、易壊シールを軟化させて破るのに必要とされる温度まで食品を加熱するのにかかる時間の長さを決定する。このことは、あらゆるパウチ構成において行なうことができる。一ウエブ構造は、高温での混合を必要とする、あらゆる一定の用途のために設計された、中に組み込まれた多数の機能をともなって製造することができる。一ウエブ構造は、多様なシーラント材料、シール構成、およびシール強度の組込みによって、ニーズに合わせてテーラーメードするための可撓性を与える。
【0035】
ヒートシールコーティングされたPETと組合わされた他の材料は、どちらの用途のためにも製造することができる。パッケージは、生の食品、または半分調理された食品を加熱調理するため、または調理済み製品を再加熱するために製造することができる。
【0036】
ナイロンとPETコポリマーとを組合せる多層構造は、接着剤、例えばポリエステルウレタンを用いて接着させることができる。この接着剤は、溶液として塗布される。溶剤ベース接着剤のベースフィルムへの塗布は、乾燥を約76.7℃で達成することができ、残留溶剤レベルを低下させるように、接着剤用溶剤(例えば好ましくはテトラヒドロフラン)の適切な選択に依存しうる。溶剤ベースの接着剤は、当業者に公知の多くのコーティング技術のいずれかを用いて、ベースシートの一方の面(または両面)に塗布することができる。例えばフィルムは、ローラー(例えばドクターロール)コーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、またはスロットコーティングによって、好ましくは溶液コーティング方法を用いたローラーまたはグラビアコーティングによってコーティングされてもよい。
【0037】
もう1つの実施形態において、これから調製されたフィルムおよびパッケージは、少なくとも1つの断熱層を含む。この断熱層は、絶縁単位またはCLOとして測定された場合、0.05〜0.5の熱抵抗を有しうる。CLO単位は、衣服の熱抵抗単位として規定される。熱抵抗のSI単位は、1ワットあたりの平方メートルケルビン(mK/W)である(「テキスタイル用語および定義(Textile Terms and Definitions)」、第10版、The Textile Institute、1995年、pp66、350参照)。このようにして、本発明の断熱層のSI単位における熱抵抗の範囲は、0.0077〜0.077mK/Wである。CLOは、衣服に関して定義されているが、この測定は、あらゆるテキスタイル系の熱抵抗を記載するために用いることができ、本明細書において、本発明の断熱層の熱抵抗を記載するために用いられる。CLO価は、絶縁層に用いられる材料およびその厚さによる。絶縁層をともなわずに製造されたパッケージフィルムのCLO価は、この範囲の下限以下である(0.05CLO、または0.0077mK/W)。
【0038】
絶縁パッケージ材料は、十分なロフトを有する。すなわち、例えば絶縁パウチとして用いられる時に適切な絶縁を与えるのに十分なほど厚い(0.0075インチ(0.0190cm)超)が、可撓性であるのに十分なほど薄い。本発明の絶縁パッケージ材料は、印刷可能であり、これによってパッケージ材料としてのその用途を向上させる。
【0039】
本発明の絶縁パッケージ材料は、上に開示された熱抵抗を有し、かつ表面材料へラミネートされた断熱層を含んでもよく、この場合、この絶縁パッケージ材料は、0.0075インチ(0.0190cm)〜0.07インチ(0.1778cm)の範囲内の厚さを有する。1つの実施形態において、絶縁パッケージ材料またはフィルムは、構造層および/または濫用層として役立つ少なくとも1つ、より好ましくは2つの表面材料へラミネートされている、0.05〜0.5CLOの範囲内の断熱価を有する断熱層、例えばファイバーフィルバットを含む。この絶縁パッケージフィルムは、少なくとも0.0075インチ(0.0190cm)の厚さを有する。
【0040】
この断熱層は、ポリエステル、ポリエチレン、またはポリプロピレンを含む有機熱可塑性繊維ベースの材料を含む。好ましい実施形態において、断熱層は、ポリエステルを含むか、またはこれから製造することができるファイバーフィルバットである。本願特許出願人によって、サーモライト(THERMOLITE)(登録商標)アクティブ・オリジナル(Active Original)として販売されているファイバーフィルバットを用いることができる。用いられたファイバーフィルバットは、10g/m〜200g/mの範囲内の面積重量(areal weight)、および0.3g/cm未満のかさ密度を有しうる。あるいはまた、断熱層は、メルトブローン繊維、例えば3M社からシンシュレイト(THINSULATE)(登録商標)として販売されているメルトブローンポリオレフィンを含んでもよい。
【0041】
断熱層用の絶縁材料の多くの他の変形例を、本発明とともに用いることができる。例えばこの断熱層は、フォームを含んでもよい。このフォームは、ポリウレタンまたはポリプロピレン、または当業界において公知のあらゆる他のフォーム組成物であってもよい。この断熱層はあるいはまた、グラスウール、ホウケイ酸ガラス、またはロックウールを含む無機熱可塑性繊維ベース材料からできていてもよい。
【0042】
あるいはまた、この断熱層は、例えば本願特許出願人によって商標クールマックス(COOLMAX)(登録商標)として販売されている、テトラチャネルまたはホタテ貝型(scalloped)の卵形繊維からできているメリヤス生地を含んでもよい。この断熱層はまた、織布またはフリース材料であってもよい。この絶縁層はまた、なんらかの種類の不織布テキスタイル、例えばフェルト、またはハイロフト不織布、またはニードル不織布を含んでもよいであろう。
【0043】
少なくとも1つの絶縁層を含む好ましいフィルムは、構造層として少なくとも1つのポリエステル層(例えば延伸PET)、およびシーラントとして非晶質ポリエチレンテレフタレートコポリマーの層を含む。
【0044】
パッケージを製造する時に用いられることになるポリマーフィルムまたはシートの製造の間、同時押出し可能な接着剤が、これらの層を互いに接着させるため、および構造一体性を与えるために、機能層間に任意選択的に用いられる。これらのフィルムは、同時押出しされるか、またはラミネートされてもよく、同時押出しされたタイ層、例えばエチレン/ビニルアセテートコポリマー、イオノマー、無水物グラフト化エチレン/ビニルアセテートコポリマー、低密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチレンとともに接着させてもよい。あるいはまた、これらの機能層のラミネーションは、これらの層間に、高温に耐えるように設計された接着剤を組み込むことによって達成されてもよい。ラミネーションからの典型的なフィルム対フィルム接着は、接着剤ラミネーター上のポリウレタンコーティングの薄い層とともにフィルムを接着させることによって行なわれる。接着界面において、接着性同時押出しタイ層樹脂での押出しラミネーションまたは押出しコーティングもまた、このラミネーションを達成することができる。これらの多層フィルムは典型的には、0.75ミル〜5.0ミルの厚さ、好ましくは約1.5〜約3.0ミルの厚さである。
【0045】
同様に、追加の厚さを与えるために(特定の用途のために消費者によって望まれる場合)、ポリオレフィンのバルク層またはパウチ製造の間にトリミングされた多層フィルムの細断屑を、多層構造中に組み込むことができる。ポリマーフィルムのシート(すなわちいわゆる「ウエブ素材」)は、当業界において一般に公知の方法のあらゆる組合せ、例えば単層または多層注型、吹き込みフィルム、押出しラミネーション、および接着剤ラミネーション、およびこれらの組合せなどを用いて製造することができると考えられる。例としてであって非限定的に、スリップ剤(例えばアミドワックス)、ブロッキング防止剤(例えばシリカ)、および酸化防止剤(例えばヒンダードフェノール)を包含する、当業界において一般に公知の加工処理助剤を、フィルムの製造またはパウチ形成のどちらかを容易にするために、ウエブ素材中に組み込むことができる。パウチは、ウエブ素材の別々の断片をカットしてヒートシールすることによって、または折り畳みおよびヒートシールとカットとの組合せによって、ウエブ素材から形成することができる。本明細書に記載されているように、パウチは、2つのフィルムシートから形成される。これらの2つのフィルムシートは、2つの個別フィルムシートであってもよい。フィルムの単一ウエブを、それ自体の上に折り畳んで、2枚の上に重なったシートを生じてもよく、またはフィルム管が、この管の2つの上に重なっている部分が、2枚のフィルムシートの同等物を生じるように形成されてもよい。本発明によるパウチのヒート周縁シール部は、ポリマーフィルムの第一および第二シートを重ね合わせ、ついで各々を他方へ直接ヒートシールするか、またはこれも当業界において一般に公知でかつ実施されているように、介在第三ポリマーフィルムの使用を通して間接的にこれらをヒートシールすることによって得ることができる。易壊シールは、パウチ形成の間、またはその後に取り付けることができる。パウチ製造装置、例えば日本国京都のトタニ技研工業株式会社またはバージニア州ゴードンスビルのクロックナー・バーレルト・カンパニー(Klockner Barlelt Co.,Gordonsville,VA)によって製造されたものを用いることができる。
【0046】
一般に平らな長方形のパウチ様形状の形態にある多区画パッケージの一例は、上記のような薄い可撓性不浸透性ポリマー材料の2枚の並置シートから形成される。本発明の特定の実施形態は、これらの多区画パッケージが、2つまたは3つの区画を有するものを含む。パウチは、その後の充填のために開口部を残して、並置されたポリマーシートの周辺端部をヒートシールすることによって形成することができる。このパウチの中の予め決定された位置においてこれらの層をともにヒートシールすることによって、フィルム層間に形成された複数の易壊シールが、このパウチを別々の区画に分ける。易壊シールは、パウチの中のあらゆる適切な位置に配置されてもよく、これらの位置は、パッケージされることになる材料の相対量および/またはパッケージを形成および充填する方法によるであろう。これらの区画は、周縁シールの中の上記開口部を通って、食品および/または他の成分で満たすことができる。各区画に充填した後、このパッケージの開口部がヒートシールされて、各区画を永久閉鎖し、製品を互いとは別々に貯蔵する。あるいはまた、食品は、底部シート上の、内部シールによって分離されるのに適した位置に置かれてもよく、第二上部シートが、上部および底部シートの周縁部が並置されるように食品の上を覆って配置されてもよい。周縁シールは、適切な温度、圧力、および持続時間でヒートシールし、ロックダウンシールを形成することによって形成される。内部易壊シールは、適切な温度、圧力、および持続時間でヒートシールし、食品を分離することによって形成される。
【0047】
機能的構造は、押出しラミネーションまたは同時押出し構造において製造することができる。吹き込みフィルムバージョンもまた、用途によって必要とされる要求および機能に応じて可能である。
【0048】
インスタント食品は、この食品を準備および消費する(すなわち食べる)ための手段の少なくともいくつかがこの食品とともに供給される食品である(例えば消費者は、この食品を消費するために、食器および/または調理器具を供給する必要がない)。
【0049】
インスタント食品の例は、容易な準備および消費を可能にするようにパッケージされた、例えばパスタとソース、マカロニとチーズ、肉と野菜などの組合せを含む。同様に、このようなインスタント食品の一例は、3区画のパウチにおける、ソース、ライス、チキン、および野菜の組合せである。インスタント食品の追加の例は、食品が別の成分とともにパッケージされている(例えば乾燥または脱水食品が、乾燥食品および液体が加熱時に組合わされるように、液体とともにパッケージされている)パッケージを包含する。このようなインスタント食品のさらに1つの例は、ドライオートミールと水との2区画パッケージである。
【0050】
次の実施例は、例証的であり、本発明の範囲を制限するものではないと考えるべきである。
【実施例】
【0051】
(実施例1)
この実施例は、高温に耐えるように設計されたポリエステルウレタン接着剤を組み込んでいる、ナイロンおよびポリエステルの接着剤ラミネーションを例証する。ナイロン外側層は、穿刺抵抗および熱抵抗のための靭性をフィルムに与え、また酸素バリヤーおよび可能性のある印刷キャリヤーとしても役立つ。非晶質ポリエステルシール層は、より高温において、より幅広い1インチヒートシールを製造することによって破れないように設計された、温度抵抗性周縁シールを与える。同じシール層が、区画間で破れるように設計された易壊シールも提供する。電子レンジ用途において、非晶質ポリエステルシーラントは、0.25”シールバーを用いて、より低い温度でヒートシールされるならば、内部易壊シールにとって効率的である。
【0052】
(構造要素)
外部構造層:ナイロン6:カナダ/リキ−ボックス(Liqui−Box)のデュポン社からの商品名ダーテック(Dartek)(登録商標)B601として入手可能な2ミル(50.8μm)の厚さ。
【0053】
ラミネーション接着剤:ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)のモートン(Morton)部からの商品名アドコート(Adcote)503A/カタリストFとして入手可能な、溶剤ベースのポリエステルウレタン接着剤。
【0054】
シール層:非晶質PETコポリマー(APET)ヒートシール層でコーティングされた二軸延伸ポリエステル(OPET);デュポン・テイジン・フィルムズからの商品名マイラー(Mylar)(登録商標)OL13として入手しうる0.5ミル(12.7μm)。
【0055】
これらの構造要素は、これらの層(最も外側から最も内側へ):ナイロン/接着剤/OPET/APETからなる多層フィルムを調製するために、下記のように組合せた。
【0056】
接着剤と接触しているすべての表面を、ラミネーションに先立って、48ダインにコロナ処理した。接着剤をまず、輪転グラビア方法によってナイロン構造層へ塗布し、170°F(76.7℃)で乾燥した。ポリエステルヒートシール層を、第二ウエブとしてこのラミネーション中に入れた。ナイロン構造ウエブおよび第二ポリエステルウエブの両方が、24インチ(61cm)幅であり、接着剤レイダウン最適化のために23.5インチ(60cm)バックアップロールを用いてこれらをラミネートした。巻き出した時にヒートシール可能なAPET表面を空気に暴露したままにして、170°F(76.7℃)の動的温度でホットニップ方法を用いて、このポリエステルのヒートシール非適性面を、この構造層へラミネートした。このヒートシール層を、ホットニップから遠ざけておいた。ポリエステルの非晶質コーティングされた面は、周縁シールおよび易壊シールに必要とされる場合、高温シールを生じた。ついでこのラミネートされたナイロン/ポリエステルフィルムは、パッケージ素材への製造のために、このラミネートをロール素材として仕上げるための第一ウエブになった。
【0057】
同様なラミネートされたフィルム構造を、同様な手順を用いて、1.25ミル(31.8μm)厚さのナイロン6フィルムを使用して調製した。個々の層の厚さおよびこのラミネート全体の厚さは、材料の組合せ、および特定のパッケージ構成の必要条件によって決定されるであろう。
【0058】
(実施例2)
実施例1のフィルムを用いて、3区画パウチを形成した。フィルム素材の2つの部分を、フィルム素材の各々のヒートシール層(APET)が向かい合って接触するように上に重ねた。このパウチの全体の寸法は、10.5インチ×14インチ(26.7cm×35.7cm)であった。内部易壊シールは、このパウチを3区画に分けた。2区画が、各々約4インチ×約6インチであり、第三区画が約6インチ×約8インチ(15.2cm×20.3cm)であった。バートロッド・インパルス(Vertrod Impulse)ヒートシーラーを用いて易壊シールを作り、200°F(93.3℃)、1秒の滞留時間で、圧力制御を行なわずに0.125インチ(0.32cm)シール幅を生じた。1つの小さい区画にソース75gを充填し、第二の小さい区画に白米185gを充填し、大きいほうの区画に、スライスチキン114gとミックスベジタブル185gを充填した。センティネル(Sentinel)ヒートシーラーを用いて、周縁シールを作り、350°F(176.7℃)、1.5秒の滞留時間、30psiの圧力で、1インチシール幅を生じた。ライス区画に隣接して、ライスおよびチキン/ベジタブル区画とを分けている易壊シールから約1インチ離れた周縁シールに、刻み目を作った。この刻み目は、加熱後にパッケージを開けるための方向性引き裂き用ガイドを与えた。
【0059】
充填されてシールされたパウチを、ついで凍結した。
【0060】
(実施例3)
この実施例は、温度依存性易壊シールが解放され、以前には分離されていた内容物を混合させるように、実施例2のパッケージを加熱する工程を例証する。実施例2のパッケージのサンプルを、標準的家庭用電子レンジの回転皿に個別に平らに載せ、その中の食品を再加熱するために全出力(800ワット)で加熱した。
【0061】
テスト1:凍結パッケージは通気されていなかった。4分43秒の加熱後、易壊シールが破れた。ソース区画を形成しているシールが最初に壊れたが、その理由は、ソース中の糖が、ライスおよびチキンと比べて速い加熱を与えたからである。7分20秒後、周縁シールの一部分が破れ、蒸気放出のための通気孔を生じた。この通気はまた、温度ゲージとしても役立ち、このパッケージの内容物が、いつ少なくとも170°F(76.7℃)に達するかについての指示器を提供する。
【0062】
このパウチは、直立配向に変わり、ソースおよびライス区画を、チキンおよび野菜上に落ちるようにする。パウチは、まっすぐな均一方向の引き裂きのための刻み目を水平に横断して剥がすことによって開けられた。この食品の温度は、175°F(79.4℃)であった。
【0063】
テスト2:凍結パッケージは、このパッケージの上部表面に小さいスリットを入れることによって、加熱に先立って通気した。5分の加熱後、易壊シールが破けた。シールが破ける順序は、テスト1に記載されているのと同じであった。7分の加熱後、パウチは、テスト1に記載されているように開けられた。食品の温度は、175°F(79.4℃)であった。
【0064】
(実施例4)
この実施例は、絶縁層を組み込んでいる多層接着剤ラミネーションを例証する。この絶縁層は、加熱後、触った感じを比較的冷たくしたまま、パッケージの内部に熱を保持することによって、このパッケージが食器としての容器として用いられることを可能にした。
【0065】
(構造要素)
外部構造層:エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーヒートシール層でコーティングされた50ゲージ二軸OPET;0.5ミル(12.7μm);デュポン・テイジン・フィルムズから商品名マイラー(登録商標)RL33として入手しうる。
【0066】
絶縁層:商標サーモライト(登録商標)アクティブオリジナルとして本願特許出願人によって販売されている型のファイバーフィルバットを、断熱層として用いた。このファイバーフィルバットは、0.25インチ(0.63cm)の特定の厚さにおいて100g/mの面積重量、または0.013g/cmのかさ密度を有した。このバットは、ニードリングおよびカレンダリングを介して、厚さを約0.030インチ(0.0012cm)に減少させた。
【0067】
内部構造層:EVAコポリマーヒートシール層でコーティングされた50ゲージ二軸延伸OPET;0.5ミル(12.7μm)。
【0068】
ラミネーション接着剤:ペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハースのモートン部からの、商品名アドコート503A/カタリストFとして入手しうるポリエステルウレタン。
【0069】
シール層:非晶質APETヒートシール層でコーティングされた二軸OPET;商品名マイラー(登録商標)OL13として入手しうる0.5ミル(12.7μm)。
【0070】
これらの構造要素を下に記載されているように組合せて、次の層(最も外側から最も内側へ):OPET/EVA/絶縁層/EVA/OPET/接着剤/OPET/APETからなる多層フィルムを調製する。
【0071】
貼合わせ機を用いて、内部および外部構造層を、EVAヒートシール層が絶縁バットと接触し、加熱されたニップロールによってともにプレスされるように、このバットの反対面に載せた。
【0072】
溶剤ベースの接着剤と接触することになるすべての表面を、ラミネーションに先立って、48ダインにコロナ処理した。接着剤をまず、輪転グラビア方法によって構造ラミネートへ塗布し、170°F(76.7℃)で乾燥した。ポリエステルヒートシール層を、第二ウエブとしてこのラミネーション中に入れた。構造ウエブおよび第二ポリエステルウエブの両方が、24インチ(61cm)幅であり、接着剤レイダウン最適化のために23.5インチ(60cm)バックアップロールを用いてこれらをラミネートした。巻き出した時にヒートシール可能なAPET表面を空気に暴露したままにして、170°F(76.7℃)の動的温度でホットニップ方法を用いて、このポリエステルのヒートシール非適性面を、この構造ラミネートへラミネートした。
【0073】
(実施例5)
本発明のパッケージは、フィルムの2つの部分を、これらの各々のシール層が向かい合って接触し、長さ7.0インチ(17.8cm)、幅5.5インチ(14cm)の平らなパウチを形成するように上に重ねることによって、実施例4のフィルムから調製した。周縁シールは、0.5インチ(1.27cm)幅の金属ヒートシールバーを、このパッケージの両面へ、350°F(176.7℃)、40psiで4秒間押し付けることによって形成した。このパッケージを2区画に分ける内部易壊シールは、0.125インチ(0.32cm)幅の金属ヒートシールバーを、このパッケージの両面へ、200°F(93.3℃)、40psiで1.25秒間押し付けることによって形成した。4.25インチ×3.0インチ(10.9cm×7.62cm)の一方の区画を、1.5オンスのドライオートミールで満たし、5.25インチ×2.75インチ(13.3cm×7cm)の他方の区画を、70mLの水で満たした。これらの区画の開口部を、上記のように周縁シールにおいてシールし、消費のための電子レンジ加熱に適したパッケージ中に、オートミールおよび水を含む自己完結型(self−contained)インスタント食品を提供した。
【0074】
(実施例6)
この実施例は、実施例5のパッケージを加熱して、温度依存性易壊シールを破り、以前には分離されていた内容物を混合させるようにする工程を例証する。
【0075】
このパッケージを、標準的な家庭用電子レンジの回転皿の上に載せ、40〜50秒間全出力(800ワット)で加熱した。内部易壊シールが解放され、ドライオートミールおよび加熱水が組合わされた。パッケージを約20秒間混練すると、オートミールと水との完全な混合を生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのポリマー層、少なくとも1つのシーラント層、および任意選択的に少なくとも1つの絶縁層を含むか、またはこれらから製造された多層フィルムであって、前記ポリマー層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、またはこれらの2つ以上の組合せ、好ましくはポリアミドを含むか、またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、またはこれらの2つ以上の組合せ、好ましくはポリアミドから製造され;前記シーラント層が、非晶質ポリエチレンテレフタレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、またはこれらの組合せ、好ましくは非晶質ポリエチレンテレフタレートコポリマーを含むか、または非晶質ポリエチレンテレフタレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、またはこれらの組合せ、好ましくは非晶質ポリエチレンテレフタレートコポリマーから製造され;前記シーラント層が、1,500g/インチ超の強度を有するシールを形成できる温度依存性易壊シールであることを特徴とするフィルム。
【請求項2】
前記ポリマー層がさらに、延伸ポリエチレンテレフタレートを含むか、またはこれから製造された層を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記フィルムが、少なくとも0.05CLO(または0.0077mK/W)の熱抵抗値および少なくとも0.0075インチ(0.0190cm)の厚さを有する絶縁層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
【請求項4】
ポリマーフィルムの第一シート、ポリマーフィルムの第二シート、および少なくとも1つの温度依存性易壊シールを含み、前記フィルムが、請求項1、2、または3に記載のものであり、前記シールが、請求項1、2、または3に記載のシーラント層であることを特徴とする多区画パッケージ。
【請求項5】
第一シートおよび第二シートは重なる関係に配置され、前記シートの周辺端部が永久的にヒートシールされてパッケージを形成し;前記シールは、前記パッケージの中の予め決定された位置に配置され、前記第一シートと第二シートとの間に分離された区画を形成することを特徴とする請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記第二シートが、前記第一シート上に重ね合わされ;前記第一シートおよび前記第二シートが直接または、第三の介在ポリマーフィルムを介して間接的に互いにシールされ、これによって、周縁シール部を画定してパウチを形成し;前記パウチは、少なくとも1つのひだを含み;前記シールは、前記パウチを分離された区画に分けることを特徴とする請求項4に記載のパッケージ。
【請求項7】
さらに、前記区画の1つに閉じ込められた食品、および少なくとも1つの他の区画に閉じ込められた少なくとも1つの他の食品も含むことを特徴とする請求項4、5、または6に記載のパッケージ。
【請求項8】
請求項4、5、6、または7に記載のパッケージ;前記区画の1つに包容された食品または成分;および前記区画の少なくとも1つの他の区画に包容された少なくとも1つの他の食品または成分を含むインスタント食品であって、少なくとも1つの温度依存性易壊シールが、加熱時に破れることを特徴とするインスタント食品。
【請求項9】
ドライオートミールおよび水を含むことを特徴とする請求項25に記載のインスタント食品。

【公表番号】特表2007−512187(P2007−512187A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535417(P2006−535417)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/034445
【国際公開番号】WO2005/037679
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】