説明

温度測定装置

溶融金属用の温度測定装置は、第1端部と反対側の第2端部とを有する多孔性プラグと、閉端部を有する外側保護シースと、閉端部を有する内側保護管と、内側保護管の内部に配置される熱電対とを含む。外側保護シースは、プラグの第1端部から離れて延びる。内側保護管は、外側保護シースの内部に配置される。多孔性プラグは、実質的に耐火材料から成り、外側保護シースは、実質的に耐火金属酸化物とグラファイトとから本質的に成る。熱電対の接点は、内側保護管の閉端部の付近にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属溶融物の温度を測定するための装置に関し、更に詳しくは、冶金容器もしくは入れ物の壁を通じて溶融金属の温度を連続的に測定するための装置に関する。本発明は更に、そのような容器もしくは入れ物での多孔性パージング(浄化)プラグの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔性(通気性)パージング(パージ)プラグは、鋼を製造する際に重要な役割を果たす。一つ又は複数の多孔性パージングプラグは、取鍋もしくは他の冶金学的容器の底部に取り替え可能に取り付けられる。該容器内では、種々の高温化学プロセスが実行され、そこでは多孔性パージングプラグが極めて重要である。何故なら、溶融金属をパージするために、アルゴン等の不活性ガスが該プラグを通じて移送されるためである。一般に、パージガスによって気泡が生じ、これが、プラグの周りに鋼の渦を引き起こし、プラグ上における金属の堆積を招く。金属の堆積によりプラグの化学的浸食が引き起こされ、また、プラグに対する鋼の継続的な洗浄によって物理的浸食がもたらされる。そのため、パージプラグの最上部は、一般に、冶金プロセス中に激しく摩耗する。従って、パージプラグは、その高さが最小許容値に縮小した際、定期的に新しいプラグと取り替えられなければならない。従来のパージプラグは、そういうものであるから、鋼の製造に使用される容器に対し、信頼性が高くない構成要素である。
【0003】
冶金容器の壁に熱電対装置を使用もしくは配置することは、先行技術から一般に知られている。従来の構成では、熱電対装置は、該装置が用いられる溶融金属環境のため、化学的及び機械的損傷を受け易いであろう。また、熱電対装置は、金属溶融物との均衡温度に達するのに比較的長い時間がかかり得る。そのため、溶融物の測定を迅速かつ効率的に行うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、より耐久性があり機能的な溶融金属用の温度測定装置を提供することが望まれるであろう。出願人は、多孔性パージプラグから噴出されるガスは、温度測定部材に対する保護の付加的手段としての役割を果たすことができるため、温度測定部材と共に多孔性パージプラグを提供する装置が特に望ましいであろうことを発見した。出願人は、更に、冶金容器の窪み部に配置される温度測定装置が、窪み部内で固化した金属が機械的及び化学的損傷に対して温度測定装置を保護し得るため、特に望ましいであろうことを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
簡単に言えば、本発明は、溶融金属のための次の温度測定装置に向けられる。該温度測定装置は、第1端部及び反対側の第2端部を有する多孔性(通気性)プラグと、閉端部を有する外側保護シースと、閉端部を有する内側保護管と、内側保護管の内部に配置される熱電対とを含む。外側保護シースは、多孔性プラグの第1端部から離れるように延び、内側保護管は、外側保護シースの内部に配置される。多孔性プラグは実質的に耐火材料から成り、外側保護シースは、実質的に耐火性金属酸化物とグラファイトとから本質的に成る。熱電対の接点は、内側保護管の閉端部の付近にある。
【0006】
別の側面において、本発明は、溶融金属のための次の容器に向けられる。該容器は、該容器からの溶融金属の流出のための出口と、該容器の壁に固定される温度測定装置とを含む。温度測定装置は、容器の壁に固定されるプラグと、閉端部を有する外側保護シースと、閉端部を有する内側保護管と、内側保護管の内部に配置される熱電対とを含む。プラグは、第1端部と反対側の第2端部とを有し、内側保護管は、外側保護シースの内側に配置される。プラグは、実質的に耐火材料から成り、外側保護シースは、実質的に耐火性金属酸化物とグラファイトとから本質的に成る。外側保護シースは、プラグの第1端部から離れるように延びて、容器の壁の窪み部内に突出する。外側保護シースの閉端部は、窪み部に配置される。熱電対の接点は、内側保護管の閉端部の付近にある。
【0007】
本発明の上述した概要並びに以下の詳細な説明は、図面と共に読まれると、より良く理解されるであろう。発明を例示する目的で、図面には目下好ましい実施形態が示される。しかしながら、本発明は、示されたまさにその構成及び手段に限定されなことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う、温度測定装置を有する溶融金属用の容器の概略側断面図であり、温度測定装置は容器の底壁に配置される。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従う温度測定装置の概略斜視図である。
【図3】図3は、図2の実施形態に従う温度測定装置の概略縦断面図である。
【図4】図4は、図2の実施形態に従う温度測定装置の別の縦断面図であり、そこに挿入された熱電対を示す。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態に従う温度測定装置のための窪み部を有する、溶融金属のための容器の壁の一部の概略側断面図である。
【図6】図6は、本発明の更なる実施形態に従う温度測定装置の部分断面図である。
【図6A】図6Aは、図6に示す温度測定装置の囲み部Aの拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の更なる実施形態に従う温度測定装置の部分断面図である。
【図7A】図7Aは、図7に示す温度測定装置の囲み部Aの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜5を参照して、溶融金属の温度を連続的に測定するための温度測定装置10が示される。図1に示す一実施形態において、温度測定装置10は、冶金容器12の底壁を通じて冶金容器12に固定される。冶金容器12は、溶融金属を、溶融作業、精製作業、取鍋冶金作業、及び注湯作業へと搬送する製鋼プロセスに関連して使用される、溶融金属用のどのような適切な容器であってもよい。好ましくは、冶金容器12は、底壁14と一般に管状の側壁16とを有する取鍋である。管状側壁16は、底壁14から離れる方の上方へと延びかつ底壁14を囲む。冶金容器12はまた、溶融金属の容器12からの流出及び抜き出し(移動)のための出口13を含み得る。好ましくは、出口13は、容器12の底壁14に形成され、また、出口13には、溶融金属の流出を制御するための機構、例えば、ストッパーロッド(図示せず)あるいはスライディングゲート(図示せず)等が設けられる。
【0010】
図1及び5を参照して、冶金容器12は、好ましくは、耐火材料から成る。特に、冶金容器12は、金属外殻18と、金属外殻18の内部の耐火材料ライニング(裏張り)20とを備え得る。好ましくは、耐火ライニング20は、耐火レンガ材から成る。しかしながら、溶融金属浸透に対する十分な耐性、耐食性、及び耐熱破砕(熱剥離)性を提供することができるいかなる耐火材料も使用され得ることが当業者には理解される。温度測定装置10は、耐火性モルタルを用いて冶金容器12の壁を通じて固定され得、また、容器12の金属外殻18の外側面にボルトで留められるか又は他の方法で取り付けられ得る金属カバー(図示せず)によって所定の位置に保持され得る。
【0011】
本発明の温度測定装置10は、容器12の底壁14又は側壁16のいずれかに好ましく固定される。図2〜4を参照して、温度測定装置10は、プラグ22と、閉端部24aを有する外側保護シース24と、閉端部26aを有する内側保護管26と、内側保護管26の内部に配置された熱電対28とを備える。熱電対28の熱接点29は、図4に示すように、内側保護管26の閉端部26aの付近にある。
【0012】
図3を参照して、プラグ22は、好ましくは、第1端部22aと、反対側の第2端部22bと、これらの間に形成されるテーパーが付けられた多孔性本体23とを有する。詳しくは、プラグ22の本体23は、第2端部22bから第1端部22aへと縮径すなわち細くなり、また、据え付けられた状態で冶金容器12の内部を向く小さい方の断ち切られた端部を有する切頭円錐の全体的形状とされる。プラグ22の多孔性本体23は、実質的に耐火材料から成り、図1及び5に示すように、容器12の底壁14又は側壁16の開口にはめ込まれる。好ましくは、プラグ22の耐火材料は、アルミナ、マグネシア、キャスタブルアルミナ−スピネルキャスタブル(好ましくはマグネシア−アルミナスピネル)の内の一つ又は複数の材料から成る。しかしながら、プラグ22は、十分に高い熱強度を有しかつ溶融金属浸透に対する十分な耐性、耐食性及び耐熱破損性を提供することができるいかなる適切な耐火材料からも形成され得ることが当業者には理解される。更に、プラグ22の本体23は、金属ハウジング30に対し作られるか、又は金属ハウジング30に少なくとも部分的に入れられる。好ましくは、ハウジング30は鋼又は鉄から成る。プラグ22の耐火材料のため、溶融金属に直接曝されるプラグ22の本体23のいかなる部分も、スラグ及び溶融金属による腐食や付着に対する高い耐性を有する汚れがこびりつかない(もしくは粘着しない)面を有する。
【0013】
図3及び4を参照して、外側保護シース24は、プラグ22の第1端部22aから形成される真っ直ぐな円柱状凹部46内に固定される。外側保護シース24の長さは、外側保護シース24の閉端部24aが先端部となるようにプラグ22の第1端部22aから上方に離れるように延びる。プラグ22内に固定される外側保護シース24の部分は、おおむね真っ直ぐな円柱形状を有するが、プラグ22から突出する外側保護シース24の大部分は、全体的にテーパーが付けられた(先細りする)円筒形状を有する。詳しくは、外側保護シース24の本体は、プラグ22の第1端部22a付近の位置から閉端部24aに向かって縮径すなわち細くなり、これは、閉端部24aが、据え付けられた状態で冶金容器12の内部を指向しもしくは該内部へと延びる先細り(縮径)の端部であるようにされる。
【0014】
内側保護管26は、外側保護シース24の内部に配置され、内側保護管26もプラグ22の第1端部22aから上方に離れるように、かつ外側保護シース24の閉端部24aに向かって延びる。内側保護管26は、好ましくは、単一の又は一体構造のアルミナ管である。あるいは、内側保護管26は、二重管の形態、あるいは複数の個々の管区分としての形態であり得る。
【0015】
外側保護シース24は、実質的に耐火性金属酸化物及びグラファイトから本質的に形成される熱伝導性耐火性体であり、これは、外側保護シース24が、活動的(アグレッシブ)溶融金属、特に溶融鋼に対し十分に耐性があり、かつ長期使用に適するようにされる。より好ましくは、外側保護シース24は、酸化アルミニウムとグラファイトから本質的に成り、ここで、酸化アルミニウムは、耐火材料のほぼ20〜ほぼ80重量%を構成し、グラファイトは、耐火材料のほぼ5〜ほぼ60重量%を構成する。外側保護シース24はまた、グラファイト以外の形態の炭素を含み得、及び/又は、他の適切な耐火性酸化物を得ることが当業者には理解される。
【0016】
内側保護管26が外側保護シース24内に配置されるので、これらの間に中間空間34が形成され、中間空間34に絶縁材及び酸素還元材が配置され得る。絶縁材は、酸化アルミニウム等の酸化物から好ましくは成り、また、酸素還元材は、アルミニウム等の卑金属から好ましくは成る。
【0017】
図6及び7を参照して、絶縁材及び酸素還元材は、粉末混合物の形態又は、該粉末混合物から形成される圧縮された(固められた)管37の形態であり得る。後者の実施形態によれば、粉末混合物管37は、図6A及び7Aに示すように、第1間隔36を持って内側保護管26を囲む。あるいは、もしくは追加的に、粉末混合物管は、図6Aに示すように、第2間隔38を持って外側保護シース24によって囲まれ得る。図7及び7Aに示す別の実施形態によれば、粉末混合物管37の外側面全体は、外側保護シース24の内側面全体と実質的に係合する。粉末混合物管37が内側保護管26及び外側保護シース24の一方又は両方に対し移動可能なので、温度測定装置10の全体構成は熱応力を補償し、温度測定装置10は、破損の受けやすさが低減する。絶縁材及び酸素還元材のどのような適切な構成も、例えば、絶縁材に埋め込まれたロッド、ワイヤ、ペレット又は顆粒(これらは充填材である)の形態の酸素還元材等も使用され得ることが当業者には理解される。
【0018】
上述したように、プラグ22の本体23は、容器12の底壁14又は側壁16に配置又は固定される。図5を参照して、本発明の好ましい実施形態によれば、底壁14又は側壁16は、温度測定装置10が配置される窪み部40を含む。好ましくは、窪み部40は容器12の底壁14に形成される。詳しくは、窪み部40は、容器12の耐火ライニング20に形成される。
【0019】
この実施形態によれば、容器14の壁に固定されたプラグ22により、プラグ22の本体23は、耐火ライニング20に固定される一方、温度測定装置10の外側保護シース24は、窪み部40の開放領域40a内へと突出する。そのようなものであるため、装置10の検出部44は、熱電対28の熱接点29と、内側保護管26の閉端部26aと、外側保護シース24の閉端部24aとを備え、開放領域40a内に配置され、窪み部40の壁42に囲まれる。
【0020】
冶金容器12の使用及び稼働中、容器12に収容された溶融金属は、容器12の窪み部40内へと自由に流入することができ、これにより、温度測定装置10の検出部44を包囲する。熱電対28は、絶縁材と酸素還元材と内側保護管26と外側保護シース24とにより、溶融金属環境の過酷な浸食性の機械的及び化学的状況から保護されたままである。また、検出部44が窪み部40内へと延びるので、検出部44は、容器12内に収容された溶融金属と熱的均衡状態のままである。また、容器12の稼働が終わった後、窪み部40の開放領域40aへと流れた溶融金属は、そこで固化する。従って、容器12が空にされる(容器12から溶融金属が排出される)時、容器12が完全に空にされた後でさえ、固化した金属が窪み部40に残り、装置10の検出部44を囲む。該固化金属は、容器12が次の溶融金属の投入で再び満たされるまで、機械的及び化学的損傷から検出部44、特に熱電対28を保護する。
【0021】
更なる実施形態によれば、本発明の温度測定装置10は、プラグ22によりかつプラグ22を通じて、不活性ガスを溶融金属に導入するように構成される。詳しくは、その第2端部22bにおいて、プラグ22の多孔性本体23は、ガス入口管32により、好ましくは圧力下で、不活性ガス35の源と接触状態にある。不活性ガスは、ガス入口管32を通ってプラグ22の本体23内に導入される。その多孔性(通気性)の性質により、プラグ22の多孔性本体23は、その細孔を介して、プラグ22の第1端部22aから溶融金属内に不活性ガスを注入する(吹き込む)ように構成される。ここで用いられるように、用語「多孔性本体」は、任意の物体にして、第2端部22bにおけるガス源から第1端部22aでの溶融金属へと該物体を通じてガスの通過を許容する細孔又はチャネルを有する物体を含む。例えば、多孔性本体は、天然多孔性材料から成り得、又は、小径の気孔又はチャネルを有するように形成されもしくはドリルで穴があけられ得る。
【0022】
プラグ22を包囲する金属ハウジング30は、プラグ22の第2端部22bにおける金属ハウジング30とガス入口管32との連結により、プラグ22の不活性ガス源35への接続を助長する。従って、不活性ガスは、ガス入口管32から流れ、プラグ22の第2端部22bから多孔性プラグ本体23の細孔へと流入し該細孔を通って流れ、プラグ22の反対側の第1端部22aから溶融金属内に注入(噴出)される。金属ハウジング30と不活性ガス源35間の接続はまた、熱電対28の連結を案内及び保護するために有益である。
【0023】
好ましくは、不活性ガスは窒素又はアルゴンである。しかしながら、十分に不活性な性質のどのような気体も使用され得ることが当業者には理解される。不活性ガスは、不活性ガスの細かい気泡が生じるように十分な圧力及び濃度を持ってプラグ22により溶融金属中に注入される。しかし、注入された不活性ガスは、溶融金属の望ましくない流出を引き起こさない。不活性ガスの細かい気泡は、溶融金属内に含まれる介在物及び微小介在物と接触し、接触するやいなや、該気泡は、溶融金属内の介在物及び微小介在物を、比較的迅速に上昇させ、溶融金属の表面へと移動させる。
【0024】
注入された不活性ガスの気泡はまた、プラグ22の第1端部22aにおいて及び該端部22a付近において溶融金属の運動を引き起こす。より詳しくは、注入された不活性ガスは、装置10の検出部44の周囲、特に熱電対28の周囲で溶融金属の渦を作り出し、検出部44の領域において溶融金属温度の均質化をもたらす。そのため、気泡は、溶融金属と検出部44、特に熱電対28との間に熱的均衡を作り出し、これにより、より正確な温度測定につながる。詳しくは、熱電対28を含み検出部44が、窪み部40内の溶融金属に近接又は直接接触するので、溶融金属の温度の均質化が成し遂げられ、温度測定装置10は、溶融金属との平衡温度に非常に素早く達する。そのため、溶融金属の温度の測定が非常に迅速かつ効率的に実行され得る。注入された不活性ガスの気泡はまた、溶融金属の化学組成の均質化に貢献する。
【0025】
容器12の移送操作中でさえも連続的な温度測定を可能にするため、データ信号を測定器具(図示せず)に送信する無線データ受信機(図示せず)が温度測定装置10と共に好ましく使用される。
【0026】
温度測定装置10の準備において、外側保護シース24は、炭素結合材料から等方加工プレスされ、次いで、耐火コンクリート等の耐火材料により金属ハウジング30内にくくりつけられる。詳しくは、真っ直ぐな円柱形状を有する外側保護シース24の部分がプラグ22の第1端部22aの円柱状凹部46内に耐火コンクリートによって固定され、これは、外側保護シース24のテーパーが付けられた閉端部24aがプラグ22の第1端部22aから離れて突出するように行われる。次いで、熱電対28及び内側保護管26がプラグ22に形成された対応する開口15を介して外側保護シース24の内部に挿入される。
【0027】
その広範な発明概念から逸脱することなく、上述した実施形態に対して変更がなされ得ることが当業者には理解される。そのため、この発明は、開示した特定の実施形態には限定されないことが理解され、特許請求の範囲により定義された本発明の精神及び範囲内における変更を包含することが企図される。
【符号の説明】
【0028】
10 温度測定装置
12 冶金容器
14 底壁
22 プラグ
22a プラグの第1端部
22b プラグの第2端部
24 外側保護シース
24a 外側保護シースの閉端部
26 内側保護管
26a 内側保護管の閉端部
28 熱電対
29 熱接点
30 金属ハウジング
34 中間空間
40 窪み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属のための温度測定装置であって、第1端部及び反対側の第2端部を有する多孔性プラグと、閉端部を有する外側保護シースにして、多孔性プラグの第1端部から離れるように延びる外側保護シースと、閉端部を有する内側保護管にして、外側保護シースの内部に配置される内側保護管と、内側保護管の内部に配置される熱電対とを備え、
前記多孔性プラグは実質的に耐火材料から成り、前記外側保護シースは、実質的に耐火金属酸化物とグラファイトとから本質的に成り、
前記熱電対の接点が内側保護管の閉端部の付近にある温度測定装置。
【請求項2】
前記外側保護シースの金属酸化物は、酸化アルミニウムから成る請求項1の温度測定装置。
【請求項3】
前記内側保護管はアルミナから成る請求項1の温度測定装置。
【請求項4】
前記多孔性プラグは、金属製ハウジングに少なくとも一部が入れられる請求項1の温度測定装置。
【請求項5】
前記多孔性プラグの第2端部は、不活性ガスの源と連通し、多孔性プラグは、多孔性プラグの第1端部から溶融金属中へと不活性ガスを注入するように構成され、該注入された不活性ガスは、多孔性プラグの第1端部において溶融金属の運動を引き起こす請求項1の温度測定装置。
【請求項6】
前記金属製ハウジングは、多孔性プラグの第2端部において不活性ガスの源に接続される請求項5の温度測定装置。
【請求項7】
前記多孔性プラグの耐火材料は、アルミナ、マグネシア及びスピネルからなる群から選択される一つ又は複数の材料から成る請求項1の温度測定装置。
【請求項8】
前記スピナルは、マグネシア−アルミナスピナルである請求項7の温度測定装置。
【請求項9】
前記内側保護管と外側保護シースとの間に中間空間が形成され、該中間空間に絶縁材及び酸素還元材が配置され、該絶縁材及び酸素還元材は、粉末混合物、及び、管を形成する粉末混合物である粉末混合物管の一方の形態であり、粉末混合物管は、間隔を持って内側保護管を囲み、及び/又は、間隔を持って外側保護シースによって囲まれる請求項1の温度測定装置。
【請求項10】
前記粉末混合物管の外側面全体は、外側保護シースの内側面全体と実質的に係合する請求項9の温度測定装置。
【請求項11】
前記絶縁材は酸化物から成り、前記酸素還元材は卑金属から成る請求項10の温度測定装置。
【請求項12】
前記絶縁材は酸化アルミニウムから成り、前記卑金属はアルミニウムから成る請求項11の温度測定装置。
【請求項13】
溶融金属のための容器であって、該容器からの溶融金属の流出のための出口と、該容器の壁に固定される温度測定装置とを備え、
前記温度測定装置は、前記容器の壁に固定され、かつ第1端部及び反対側の第2端部を有するプラグと、閉端部を有する外側保護シースと、閉端部を有する内側保護管にして、外側保護シースの内部に配置される内側保護管と、内側保護管の内部に配置される熱電対とを備え、
前記プラグは実質的に耐火材料から成り、前記外側保護シースは、実質的に耐火金属酸化物とグラファイトとから本質的に成り、かつプラグの第1端部から離れるように延びて、前記容器の壁の窪み部内に突出し、外側保護シースの閉端部は前記窪み部内に配置され、
前記熱電対の接点が内側保護管の閉端部の付近にある容器。
【請求項14】
前記容器は耐火材料でライニングされ、前記窪み部は、該耐火材料のライニングに形成され、流れる溶融金属を受け入れるように構成される請求項13の容器。
【請求項15】
前記外側保護シースの金属酸化物は、酸化アルミニウムから成る請求項13の容器。
【請求項16】
前記内側保護管はアルミナから成る請求項13の容器。
【請求項17】
前記プラグは、金属製ハウジングに少なくとも一部が入れられる多孔性本体を備える請求項13の容器。
【請求項18】
前記プラグの第2端部は、不活性ガスの源と連通し、プラグの多孔性本体は、プラグの第1端部から溶融金属中へと不活性ガスを注入するように構成され、該注入された不活性ガスは、プラグの第1端部において溶融金属の運動を引き起こす請求項17の容器。
【請求項19】
前記プラグの耐火材料は、アルミナ、マグネシア及びスピネルからなる群から選択される一つ又は複数の材料から成る請求項13の容器。
【請求項20】
前記スピナルは、マグネシア−アルミナスピナルである請求項19の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【公表番号】特表2012−518158(P2012−518158A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549495(P2011−549495)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000987
【国際公開番号】WO2010/094464
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(598083577)ヘレーウス エレクトロ−ナイト インターナシヨナル エヌ ヴイ (37)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Electro−Nite International N.V.
【住所又は居所原語表記】Centrum Zuid 1105, B−3530 Houthalen,Belgium
【Fターム(参考)】