溶接継手の開先部と溶接施工法
【課題】 製作加工が簡単にできる開先部を設けた側板材を用いて、現場での溶接継手の位置合わせと組立て及び溶接施工が簡単となる貯槽側板の溶接継手の開先部と溶接施工法を提供する。
【解決手段】 現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手4において、側板材3同士の下段側板材3aの上辺となる開先面5aの全体または一部に凸状部6を設け、かつ上段側板材3bの下辺となる開先面5bの全体または一部に前記凸状部6と嵌合する凹状部7を設けて形成したことを特徴とする。
【解決手段】 現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手4において、側板材3同士の下段側板材3aの上辺となる開先面5aの全体または一部に凸状部6を設け、かつ上段側板材3bの下辺となる開先面5bの全体または一部に前記凸状部6と嵌合する凹状部7を設けて形成したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現場で組立てる貯槽側板における溶接継手の開先部と溶接施工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般に、貯槽の側板を上下ブロック状に積み上げて組立てる場合は図12及び図13に例示するように、側板材3a,3bの水平溶接継手40の開先部50の形状は、下段の側板材3aは水平面に形成し上段の側板材3bは傾斜角度をつけて形成する「レ開先」や「K開先」の形状が採用されている。この開先部50を現地で位置を合わせて調整する(肌合せをする)ためには、組立て用の専用治具60として門形部材や押え部材など種々多数の取付部材(一部図示を省略)を必要とした。
【0003】
溶接に関する技術として例えば特許文献1の特開平11−156590号「溶接用裏当て」がある。この発明には、側板材を突合せて両面溶接する際に、開先部に設ける溶接用裏当てとして、開先部のルートエッジに当接する断面略円形状の当接材とこの当接材を開先部へ押し付ける押圧材とから形成した部材が開示され、さらにその開先部近傍に門形部材や押え部材などの取付部材が取付けられている
【0004】
また、特許文献2の特開昭55−133882号「横向サブマージ溶接の気泡欠陥防止法」には、上下に積み重ねた被溶接部材相互の水平突合せ継手部の横向サブマージ溶接において、上段被溶接部材の片側のルートエッジ部より、ルートフェースの一部を切除いて溶接線方向に連続したガス抜用切溝を設け、その後上記切溝を設けた側の初層溶接を行ない、次に裏はつり及び裏側の初層溶接を行って切溝を埋めることが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3の特開2004−268052号「開先形状およびその溶接方法」には、2個の部材の突き合わせ溶接あるいは隅肉溶接等における、開先形状およびその溶接方法において、一方のパイプ又は板材の開先端部は、少なくとも一個の凸部を有するように加工し、他方の開先端部は、凸部がはまり合う凹部を有するように加工し、凸部と凹部とをはめ合わせた後、2個の部材を溶接することが開示されている。
【0006】
さらにまた、特許文献4の特開2006−226259号「排気マニホールドの接続構造」には、排気マニホールドの被接続端面を傾斜角20〜40度の傾斜面が少なくとも1.5往復するインロー構造とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−156590号公報
【特許文献2】特開昭55−133882号公報
【特許文献3】特開2004−268052号公報
【特許文献4】特開2006−226259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図12及び図13に例示するように、従来一般に貯槽側板3の側板材3a,3b同士を組立てる際には、水平溶接継手40の開先部50の近傍に種々多数の専用治具60(一部図示を省略)の溶接仮付けを必要とした。また、この専用治具60の撤去跡のグラインダーによる表面仕上げ処理、および補修溶接や検査などが煩雑で手間を要していた。さらに、開先部50の側板同士の板面のくい違いによる段差や側板円周方向への位置ずれなど不具合の発生を回避する調整が面倒であった。加えて、組立完了後に開先面内にずれ防止を目的として所定ピッチで仮付け溶接を施工して固定していたが、その仮付け部分については裏はつりを深くしなければならず、裏はつり深さが均一にならないため自動溶接の障害となっていた。
【0009】
特許文献1は、開先部に合わせた銅裏当ての設置が必要でかつその位置合わせが大変で、さらに門形部材や押え部材などの取付部材の取扱いに手間を要した。
【0010】
特許文献2は、ルートフェースの一部を切除いてガス抜用切溝を設けることによって、溶接部の欠陥発生を防止することができるが、板材同士の開先部の位置合わせや専用治具の削減を意図するものではなかった。
【0011】
特許文献3及び特許文献4は、比較的小規模の配管材や板材を片側から溶接する構造のもので、大規模の貯槽側板などの側板材同士を両側から施工する溶接継手部に適用するものではなかった。
【0012】
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、製作加工が簡単にできる開先部を設けた側板材を用いて、現場での溶接継手部の位置合わせと組立て及び溶接施工が簡単となる貯槽側板の溶接継手の開先部と溶接施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の溶接継手の開先部は、現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手部において、側板材同士の下段側板材の上辺となる開先面の全体または一部に凸状部を設け、かつ上段側板材の下辺となる開先面の全体または一部に前記凸状部と嵌合する凹状部を設けて形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の溶接施工法は、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、次いで前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工した後に、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の溶接施工法は、完全溶込み溶接を必要としない貯槽において、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工することなく凸状部と凹状部を残した状態で、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の溶接継手の開先部は、現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手部において、側板材同士の下段側板材の上辺となる開先面の全体または一部に凸状部を設け、かつ上段側板材の下辺となる開先面の全体または一部に前記凸状部と嵌合する凹状部を設けて形成したので、溶接部位の位置合わせと調整が楽になり、側板同士の板面のくい違いによる段差や側板円周方向への位置ずれなど不具合の生じ難い構造となる。そして、組立て時の専用治具を削減することができ、組立て作業のスピードアップを図ることができる。さらに開先部に溶接用裏当てが必要ないため自動溶接に適した溶接継手部となる。
【0017】
請求項2記載の溶接施工法は、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、次いで前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工した後に、開先部に内面溶接を施工するので、治具跡処理のグラインダー作業を低減することができ、当該部位の補修溶接や検査を低減することができる。さらに、開先面内への仮付け溶接を省略できることにより外面側の溶込み深さが一定となることで、裏はつり深さが比較的均一となり自動溶接がし易くなる。このように、裏はつりと溶接が適正に行われる条件に合う構築物に適用することができ、溶接方法にも限定されず種々の溶接施工法に応用することができる。
【0018】
請求項3記載の溶接施工法は、完全溶込み溶接を必要としない貯槽において、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工することなく凸状部と凹状部を残した状態で、開先部に内面溶接を施工するので、裏はつりを行わず合致部を残しても良く、裏はつりの手間がかからず、溶接箇所の位置合わせと位置の安定化確保が容易となり溶接作業に専念でき作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る溶接継手の開先部を有する側板材を用いて貯槽側板を構築する状況を示す側面説明図である。
【図2】本発明に係る溶接継手の開先部を有する側板材を突き合わせて設置した状況を示す。
【図3】本発明に係る溶接継手の開先部を有する側板材を突き合わせて設置する状況を示す。
【図4】本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を示す側断面説明図である。
【図5】本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を順次示す側断面説明図である。
【図6】完全溶込み溶接を必要としない場合に、本発明に係る溶接継手の開先部について裏はつりを行わないで溶接施工する状況を示す側断面説明図である。
【図7】本発明に係る溶接継手の開先部の第1事例を示す斜視説明図である。
【図8】本発明に係る溶接継手の開先部の第2事例を示す斜視説明図である。
【図9】本発明に係る溶接継手の開先部の第3事例を示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る溶接継手の開先部の他の実施形態例を示す斜視説明図である。
【図11】溶接継手の開先部の比較例を示す斜視説明図である。
【図12】従来一般の水平継手の開先部を示す側断面説明図である。
【図13】従来一般の貯槽側板水平継手を組立てる状況を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の溶接継手の開先部及び溶接施工法の実施形態例について図1から図11を参照しながら説明する。図面において同様のものや対応するもの、総称できるものについては同じ符号を付して説明する。本発明は、下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、図1から図11の事例は、貯槽側板の水平溶接継手について示しているが、種々の溶接構築物の「レ開先」や「K開先」、その他「I開先」などの開先形状を有する水平溶接継手や垂直溶接継手にも適用することができる。
【0021】
図1は、底板2と側板3を有する平底円筒形の貯槽1を屋外の現場にて構築する状況を示す。
側板3はクレーンを用いて側板材3a,bを吊り込んで組立てる。この溶接継手4の開先部5の全体または一部に凸状部6と凹状部7を設ける。
【0022】
この開先部5の全体または一部に設ける凸状部6及び凹状部7は、研削によって製作する。この凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置することにより、組立て時に溶接部位の位置合わせが容易となり、側板材3a,b同士の板面のくい違いによる段差や側板円周方向への位置ずれなど不具合の生じ難い構造となる。また、従来の組立て用の専用治具を削減することができる。さらに、凸状部6と凹状部7を嵌合させて開先部5にルートフェース(隙間)を設けることなく設置しているため、溶接用裏当てが必要なく自動溶接に適した溶接継手部となる。
【0023】
図2に示す事例は、側板材3a,3b同士を突合せる水平方向の溶接継手4の開先部5に、下段の側板材3aの上辺となる開先面5aの全体にわたる凸状部6を設け、かつ上段の側板材3bの下辺となる開先面5bの全体にわたる凹状部7を設けた場合を示す。この上下に対応する凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置する。このように、全体にわたって凸凹部を設ける場合は、製作加工の距離が長くなり、かつ組立て時の位置合わせも大変となるが固定状態は確りとする。
【0024】
図3は、側板材3a,3b同士を突合せる水平方向の溶接継手4の開先部5の一部の上下対応する所定箇所に凸状部6及び凹状部7を設けた場合を示す。
下段の側板材3aの上辺となる水平な開先面5aの一部にルートフェースを設けない尖った山型形状の凸状部6を設け、かつ上段の側板材3bの広い傾斜面と狭い傾斜面を有する開先面5bの一部に谷型形状の凹状部7を設け、図の矢印のように、上下に対応する凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置する。このように、一部の所定箇所に凸凹部を設ける場合は、製作加工の距離が短く簡単で、かつ組立時の位置合わせも容易となり組立て作業のスピードアップを図ることができる。
【0025】
図4は、本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を示す。
奥行きの深い外面側の開先に外面溶接8を施工し、その反対の内面側の開先には裏はつり9を施工し、この裏はつり9の部位に内面溶接10を施工する。なお、裏はつり9を行う範囲はできるだけ深くならないようにするのが好ましい。
【0026】
このように、側板材3a,3bの凸状部6と凹状部7を合致させて設置し、外面溶接8を施工し、裏はつり9を施工して凸状部6と凹状部7を削除した後に、内面溶接10を行うので、従来の取付用や肌合わせ用の専用治具を削減することができ、治具跡処理のグラインダー作業の低減と当該部位の補修溶接や検査の低減が可能となる。
さらに、開先面内への仮付け溶接を省略できることにより外面側の溶込み深さが一定となることで、内面側の裏はつり深さを均一に行えるようになり自動溶接がし易くなる。このように、裏はつりと溶接が適正に行われる条件に合う種々の構築物に適用し、溶接方法にも限定されず種々の溶接施工法に応用することができる。
【0027】
図5(a),(b),(c),(d),(e)は、本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を順次示す。
(a)から(b)に示すように、側板材3a,3b同士を突合せ、開先部5は側板材3aの凸状部6に側板材3bの凹状部7を合致させて垂直に設置する。
(c)に示すように外面溶接8を施工し、(d)に示すように内側に裏はつり9を施工し、(e)に示すように裏はつり9の部位に内面溶接10を施工する。
【0028】
図6は、完全溶込み溶接を必要としない場合に、本発明に係る溶接継手の開先部について裏はつりを行わないで溶接施工する状況を示す。
水平溶接継手4の開先部5は、外面溶接11を施工し、凸状部6と凹状部7は裏はつりなし合致部13としてそのまま残して隙間が生じないように密着状態を確保し、内面溶接12を施工する。
この裏はつりを行わない溶接施工法は、裏はつりなし合致部13を継手部内に残しても良くかつ溶接が適正に行われる場合に適用する。
このように、凸状部6と凹状部7を裏はつりなし合致部13として残した状態で内面溶接12を行うので、裏はつりの手間がかからず、溶接箇所の位置合わせが容易となり、溶接作業に専念でき作業性が向上する。
【0029】
図7は、本発明に係る溶接継手の開先部の第1事例を示す斜視説明図である。
側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部は、断面三角形からなる構造で、(A)は大きい凸状部6aと小さい凹状部7aとで形成した場合を示し、(B)は小さい凸状部6bと大きい凹状部7bとで形成した場合を示す。
(A)の構造は、凸状部6aと凹状部7aを合致させて確りと位置決めをすることができる。(B)の構造は、凸状部6bと凹状部7bを合わせた後、隙間を利用して内外方向の移動調整を行うことができる。
【0030】
図8は、本発明に係る溶接継手の開先部の第2事例を示す斜視説明図である。
側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部は、断面台形からなる平坦面構造で、(A)は広い凸状部6cと狭い凹状部7cとで形成した場合を示し、(B)は狭い凸状部6dと広い凹状部7dとで形成した場合を示す。
(A)の構造は、凸状部6cと凹状部7cを合致させて確りと位置決めすることができる。(B)の構造は、凸状部6dと凹状部7dを平坦面で安定支持し、内外方向の余裕代を利用して移動調整を行うことができる。
【0031】
図9は、本発明に係る溶接継手の開先部の第3事例を示す斜視説明図である。
側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部は、断面円弧からなる湾曲面構造で、(A)は大きい凸状部6eと小さい凹状部7eとで形成した場合を示し、(B)は小さい凸状部6fと大きい凹状部7fとで形成した場合を示す。
(A)の構造は、凸状部6eと凹状部7eの湾曲面を合わせて確りと位置決めすることができる。(B)の構造は、凸状部6fと凹状部7fを合わせた後、隙間を利用して内外方向の移動調整を行うことができる。
【0032】
図10は、本発明に係る溶接継手の開先部の他の実施形態となる変化例を示す斜視説明図である。
この変化例は、側板材3a,3b同士を突合せる開先部5の下段の側板材3aの上辺となる開先面5aを山型に傾斜させてその先端を尖った山型形状の凸状部6に形成し、上段の側板材3bの広い傾斜面と狭い傾斜面を有する開先面5bに谷型形状の凹状部7を設け、この上下に対応する凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置する。
この場合は、下段側板材3aの山型の開先面5a及び先端の凸状部6の工場製作加工が簡単に行え、さらに組立時に開先が広いため凸凹部を除去する裏はつり作業も容易に行える。
【0033】
図11は、本発明に係る溶接継手の開先部の比較例を示す斜視説明図である。
この比較例は、側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部を、図2から図10の事例と上下逆に設けた構造で、(A)は断面三角形からなる凸状部16aと凹状部17a、(B)は断面台形からなる凸状部16bと凹状部17bを有する。このように凸凹部を上下逆に設ける構造は、屋外設置の貯槽を構築する場合には凹状部17a,17bに雨水や錆、埃などが溜まりやすく溶接欠陥の発生原因となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の溶接継手の開先部は、取付用治具が使えない場合、開先加工が容易な場合、裏はつりが容易な場合や裏はつりをしなくても良い場合など、溶接が適正に行われる条件に合う種々の構築物に適用することができ、溶接方法にも限定されず種々の溶接施工法に応用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 貯槽
2 底板
3 側板
3a,3b 側板材
4 溶接継手
5 開先部
5a,5b 開先面
6 凸状部
7 凹状部
8 外面溶接
9 内側はつり
10 内面溶接
11 外面溶接
12 内面溶接
13 裏はつりなし合致部
15 開先部
16 凸状部
17 凹状部
40 溶接継手
50 開先部
60 専用治具
【技術分野】
【0001】
この発明は、現場で組立てる貯槽側板における溶接継手の開先部と溶接施工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般に、貯槽の側板を上下ブロック状に積み上げて組立てる場合は図12及び図13に例示するように、側板材3a,3bの水平溶接継手40の開先部50の形状は、下段の側板材3aは水平面に形成し上段の側板材3bは傾斜角度をつけて形成する「レ開先」や「K開先」の形状が採用されている。この開先部50を現地で位置を合わせて調整する(肌合せをする)ためには、組立て用の専用治具60として門形部材や押え部材など種々多数の取付部材(一部図示を省略)を必要とした。
【0003】
溶接に関する技術として例えば特許文献1の特開平11−156590号「溶接用裏当て」がある。この発明には、側板材を突合せて両面溶接する際に、開先部に設ける溶接用裏当てとして、開先部のルートエッジに当接する断面略円形状の当接材とこの当接材を開先部へ押し付ける押圧材とから形成した部材が開示され、さらにその開先部近傍に門形部材や押え部材などの取付部材が取付けられている
【0004】
また、特許文献2の特開昭55−133882号「横向サブマージ溶接の気泡欠陥防止法」には、上下に積み重ねた被溶接部材相互の水平突合せ継手部の横向サブマージ溶接において、上段被溶接部材の片側のルートエッジ部より、ルートフェースの一部を切除いて溶接線方向に連続したガス抜用切溝を設け、その後上記切溝を設けた側の初層溶接を行ない、次に裏はつり及び裏側の初層溶接を行って切溝を埋めることが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3の特開2004−268052号「開先形状およびその溶接方法」には、2個の部材の突き合わせ溶接あるいは隅肉溶接等における、開先形状およびその溶接方法において、一方のパイプ又は板材の開先端部は、少なくとも一個の凸部を有するように加工し、他方の開先端部は、凸部がはまり合う凹部を有するように加工し、凸部と凹部とをはめ合わせた後、2個の部材を溶接することが開示されている。
【0006】
さらにまた、特許文献4の特開2006−226259号「排気マニホールドの接続構造」には、排気マニホールドの被接続端面を傾斜角20〜40度の傾斜面が少なくとも1.5往復するインロー構造とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−156590号公報
【特許文献2】特開昭55−133882号公報
【特許文献3】特開2004−268052号公報
【特許文献4】特開2006−226259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図12及び図13に例示するように、従来一般に貯槽側板3の側板材3a,3b同士を組立てる際には、水平溶接継手40の開先部50の近傍に種々多数の専用治具60(一部図示を省略)の溶接仮付けを必要とした。また、この専用治具60の撤去跡のグラインダーによる表面仕上げ処理、および補修溶接や検査などが煩雑で手間を要していた。さらに、開先部50の側板同士の板面のくい違いによる段差や側板円周方向への位置ずれなど不具合の発生を回避する調整が面倒であった。加えて、組立完了後に開先面内にずれ防止を目的として所定ピッチで仮付け溶接を施工して固定していたが、その仮付け部分については裏はつりを深くしなければならず、裏はつり深さが均一にならないため自動溶接の障害となっていた。
【0009】
特許文献1は、開先部に合わせた銅裏当ての設置が必要でかつその位置合わせが大変で、さらに門形部材や押え部材などの取付部材の取扱いに手間を要した。
【0010】
特許文献2は、ルートフェースの一部を切除いてガス抜用切溝を設けることによって、溶接部の欠陥発生を防止することができるが、板材同士の開先部の位置合わせや専用治具の削減を意図するものではなかった。
【0011】
特許文献3及び特許文献4は、比較的小規模の配管材や板材を片側から溶接する構造のもので、大規模の貯槽側板などの側板材同士を両側から施工する溶接継手部に適用するものではなかった。
【0012】
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、製作加工が簡単にできる開先部を設けた側板材を用いて、現場での溶接継手部の位置合わせと組立て及び溶接施工が簡単となる貯槽側板の溶接継手の開先部と溶接施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の溶接継手の開先部は、現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手部において、側板材同士の下段側板材の上辺となる開先面の全体または一部に凸状部を設け、かつ上段側板材の下辺となる開先面の全体または一部に前記凸状部と嵌合する凹状部を設けて形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の溶接施工法は、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、次いで前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工した後に、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の溶接施工法は、完全溶込み溶接を必要としない貯槽において、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工することなく凸状部と凹状部を残した状態で、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の溶接継手の開先部は、現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手部において、側板材同士の下段側板材の上辺となる開先面の全体または一部に凸状部を設け、かつ上段側板材の下辺となる開先面の全体または一部に前記凸状部と嵌合する凹状部を設けて形成したので、溶接部位の位置合わせと調整が楽になり、側板同士の板面のくい違いによる段差や側板円周方向への位置ずれなど不具合の生じ難い構造となる。そして、組立て時の専用治具を削減することができ、組立て作業のスピードアップを図ることができる。さらに開先部に溶接用裏当てが必要ないため自動溶接に適した溶接継手部となる。
【0017】
請求項2記載の溶接施工法は、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、次いで前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工した後に、開先部に内面溶接を施工するので、治具跡処理のグラインダー作業を低減することができ、当該部位の補修溶接や検査を低減することができる。さらに、開先面内への仮付け溶接を省略できることにより外面側の溶込み深さが一定となることで、裏はつり深さが比較的均一となり自動溶接がし易くなる。このように、裏はつりと溶接が適正に行われる条件に合う構築物に適用することができ、溶接方法にも限定されず種々の溶接施工法に応用することができる。
【0018】
請求項3記載の溶接施工法は、完全溶込み溶接を必要としない貯槽において、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工することなく凸状部と凹状部を残した状態で、開先部に内面溶接を施工するので、裏はつりを行わず合致部を残しても良く、裏はつりの手間がかからず、溶接箇所の位置合わせと位置の安定化確保が容易となり溶接作業に専念でき作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る溶接継手の開先部を有する側板材を用いて貯槽側板を構築する状況を示す側面説明図である。
【図2】本発明に係る溶接継手の開先部を有する側板材を突き合わせて設置した状況を示す。
【図3】本発明に係る溶接継手の開先部を有する側板材を突き合わせて設置する状況を示す。
【図4】本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を示す側断面説明図である。
【図5】本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を順次示す側断面説明図である。
【図6】完全溶込み溶接を必要としない場合に、本発明に係る溶接継手の開先部について裏はつりを行わないで溶接施工する状況を示す側断面説明図である。
【図7】本発明に係る溶接継手の開先部の第1事例を示す斜視説明図である。
【図8】本発明に係る溶接継手の開先部の第2事例を示す斜視説明図である。
【図9】本発明に係る溶接継手の開先部の第3事例を示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る溶接継手の開先部の他の実施形態例を示す斜視説明図である。
【図11】溶接継手の開先部の比較例を示す斜視説明図である。
【図12】従来一般の水平継手の開先部を示す側断面説明図である。
【図13】従来一般の貯槽側板水平継手を組立てる状況を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の溶接継手の開先部及び溶接施工法の実施形態例について図1から図11を参照しながら説明する。図面において同様のものや対応するもの、総称できるものについては同じ符号を付して説明する。本発明は、下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、図1から図11の事例は、貯槽側板の水平溶接継手について示しているが、種々の溶接構築物の「レ開先」や「K開先」、その他「I開先」などの開先形状を有する水平溶接継手や垂直溶接継手にも適用することができる。
【0021】
図1は、底板2と側板3を有する平底円筒形の貯槽1を屋外の現場にて構築する状況を示す。
側板3はクレーンを用いて側板材3a,bを吊り込んで組立てる。この溶接継手4の開先部5の全体または一部に凸状部6と凹状部7を設ける。
【0022】
この開先部5の全体または一部に設ける凸状部6及び凹状部7は、研削によって製作する。この凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置することにより、組立て時に溶接部位の位置合わせが容易となり、側板材3a,b同士の板面のくい違いによる段差や側板円周方向への位置ずれなど不具合の生じ難い構造となる。また、従来の組立て用の専用治具を削減することができる。さらに、凸状部6と凹状部7を嵌合させて開先部5にルートフェース(隙間)を設けることなく設置しているため、溶接用裏当てが必要なく自動溶接に適した溶接継手部となる。
【0023】
図2に示す事例は、側板材3a,3b同士を突合せる水平方向の溶接継手4の開先部5に、下段の側板材3aの上辺となる開先面5aの全体にわたる凸状部6を設け、かつ上段の側板材3bの下辺となる開先面5bの全体にわたる凹状部7を設けた場合を示す。この上下に対応する凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置する。このように、全体にわたって凸凹部を設ける場合は、製作加工の距離が長くなり、かつ組立て時の位置合わせも大変となるが固定状態は確りとする。
【0024】
図3は、側板材3a,3b同士を突合せる水平方向の溶接継手4の開先部5の一部の上下対応する所定箇所に凸状部6及び凹状部7を設けた場合を示す。
下段の側板材3aの上辺となる水平な開先面5aの一部にルートフェースを設けない尖った山型形状の凸状部6を設け、かつ上段の側板材3bの広い傾斜面と狭い傾斜面を有する開先面5bの一部に谷型形状の凹状部7を設け、図の矢印のように、上下に対応する凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置する。このように、一部の所定箇所に凸凹部を設ける場合は、製作加工の距離が短く簡単で、かつ組立時の位置合わせも容易となり組立て作業のスピードアップを図ることができる。
【0025】
図4は、本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を示す。
奥行きの深い外面側の開先に外面溶接8を施工し、その反対の内面側の開先には裏はつり9を施工し、この裏はつり9の部位に内面溶接10を施工する。なお、裏はつり9を行う範囲はできるだけ深くならないようにするのが好ましい。
【0026】
このように、側板材3a,3bの凸状部6と凹状部7を合致させて設置し、外面溶接8を施工し、裏はつり9を施工して凸状部6と凹状部7を削除した後に、内面溶接10を行うので、従来の取付用や肌合わせ用の専用治具を削減することができ、治具跡処理のグラインダー作業の低減と当該部位の補修溶接や検査の低減が可能となる。
さらに、開先面内への仮付け溶接を省略できることにより外面側の溶込み深さが一定となることで、内面側の裏はつり深さを均一に行えるようになり自動溶接がし易くなる。このように、裏はつりと溶接が適正に行われる条件に合う種々の構築物に適用し、溶接方法にも限定されず種々の溶接施工法に応用することができる。
【0027】
図5(a),(b),(c),(d),(e)は、本発明に係る溶接継手の開先部について、裏はつりを行って溶接施工する状況を順次示す。
(a)から(b)に示すように、側板材3a,3b同士を突合せ、開先部5は側板材3aの凸状部6に側板材3bの凹状部7を合致させて垂直に設置する。
(c)に示すように外面溶接8を施工し、(d)に示すように内側に裏はつり9を施工し、(e)に示すように裏はつり9の部位に内面溶接10を施工する。
【0028】
図6は、完全溶込み溶接を必要としない場合に、本発明に係る溶接継手の開先部について裏はつりを行わないで溶接施工する状況を示す。
水平溶接継手4の開先部5は、外面溶接11を施工し、凸状部6と凹状部7は裏はつりなし合致部13としてそのまま残して隙間が生じないように密着状態を確保し、内面溶接12を施工する。
この裏はつりを行わない溶接施工法は、裏はつりなし合致部13を継手部内に残しても良くかつ溶接が適正に行われる場合に適用する。
このように、凸状部6と凹状部7を裏はつりなし合致部13として残した状態で内面溶接12を行うので、裏はつりの手間がかからず、溶接箇所の位置合わせが容易となり、溶接作業に専念でき作業性が向上する。
【0029】
図7は、本発明に係る溶接継手の開先部の第1事例を示す斜視説明図である。
側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部は、断面三角形からなる構造で、(A)は大きい凸状部6aと小さい凹状部7aとで形成した場合を示し、(B)は小さい凸状部6bと大きい凹状部7bとで形成した場合を示す。
(A)の構造は、凸状部6aと凹状部7aを合致させて確りと位置決めをすることができる。(B)の構造は、凸状部6bと凹状部7bを合わせた後、隙間を利用して内外方向の移動調整を行うことができる。
【0030】
図8は、本発明に係る溶接継手の開先部の第2事例を示す斜視説明図である。
側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部は、断面台形からなる平坦面構造で、(A)は広い凸状部6cと狭い凹状部7cとで形成した場合を示し、(B)は狭い凸状部6dと広い凹状部7dとで形成した場合を示す。
(A)の構造は、凸状部6cと凹状部7cを合致させて確りと位置決めすることができる。(B)の構造は、凸状部6dと凹状部7dを平坦面で安定支持し、内外方向の余裕代を利用して移動調整を行うことができる。
【0031】
図9は、本発明に係る溶接継手の開先部の第3事例を示す斜視説明図である。
側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部は、断面円弧からなる湾曲面構造で、(A)は大きい凸状部6eと小さい凹状部7eとで形成した場合を示し、(B)は小さい凸状部6fと大きい凹状部7fとで形成した場合を示す。
(A)の構造は、凸状部6eと凹状部7eの湾曲面を合わせて確りと位置決めすることができる。(B)の構造は、凸状部6fと凹状部7fを合わせた後、隙間を利用して内外方向の移動調整を行うことができる。
【0032】
図10は、本発明に係る溶接継手の開先部の他の実施形態となる変化例を示す斜視説明図である。
この変化例は、側板材3a,3b同士を突合せる開先部5の下段の側板材3aの上辺となる開先面5aを山型に傾斜させてその先端を尖った山型形状の凸状部6に形成し、上段の側板材3bの広い傾斜面と狭い傾斜面を有する開先面5bに谷型形状の凹状部7を設け、この上下に対応する凸状部6と凹状部7を嵌合させて設置する。
この場合は、下段側板材3aの山型の開先面5a及び先端の凸状部6の工場製作加工が簡単に行え、さらに組立時に開先が広いため凸凹部を除去する裏はつり作業も容易に行える。
【0033】
図11は、本発明に係る溶接継手の開先部の比較例を示す斜視説明図である。
この比較例は、側板材3a,3bの開先部5に設ける凸凹部を、図2から図10の事例と上下逆に設けた構造で、(A)は断面三角形からなる凸状部16aと凹状部17a、(B)は断面台形からなる凸状部16bと凹状部17bを有する。このように凸凹部を上下逆に設ける構造は、屋外設置の貯槽を構築する場合には凹状部17a,17bに雨水や錆、埃などが溜まりやすく溶接欠陥の発生原因となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の溶接継手の開先部は、取付用治具が使えない場合、開先加工が容易な場合、裏はつりが容易な場合や裏はつりをしなくても良い場合など、溶接が適正に行われる条件に合う種々の構築物に適用することができ、溶接方法にも限定されず種々の溶接施工法に応用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 貯槽
2 底板
3 側板
3a,3b 側板材
4 溶接継手
5 開先部
5a,5b 開先面
6 凸状部
7 凹状部
8 外面溶接
9 内側はつり
10 内面溶接
11 外面溶接
12 内面溶接
13 裏はつりなし合致部
15 開先部
16 凸状部
17 凹状部
40 溶接継手
50 開先部
60 専用治具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手において、側板材同士の下段側板材の上辺となる開先面の全体または一部に凸状部を設け、かつ上段側板材の下辺となる開先面の全体または一部に前記凸状部と嵌合する凹状部を設けて形成したことを特徴とする溶接継手の開先部。
【請求項2】
請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、次いで前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工した後に、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする溶接施工法。
【請求項3】
完全溶込み溶接を必要としない貯槽において、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工することなく凸状部と凹状部を残した状態で、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする溶接施工法。
【請求項1】
現場で組立てる貯槽側板の突合せ溶接継手において、側板材同士の下段側板材の上辺となる開先面の全体または一部に凸状部を設け、かつ上段側板材の下辺となる開先面の全体または一部に前記凸状部と嵌合する凹状部を設けて形成したことを特徴とする溶接継手の開先部。
【請求項2】
請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、次いで前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工した後に、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする溶接施工法。
【請求項3】
完全溶込み溶接を必要としない貯槽において、請求項1記載の溶接継手の開先部に形成した側板材同士の凸状部と凹状部を嵌合させて設置し、開先部に外面溶接を施工し、前記凸状部と凹状部を削除する裏はつりを施工することなく凸状部と凹状部を残した状態で、開先部に内面溶接を施工することを特徴とする溶接施工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−115858(P2012−115858A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266114(P2010−266114)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000147729)株式会社石井鐵工所 (67)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000147729)株式会社石井鐵工所 (67)
【Fターム(参考)】
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