説明

漂白したデキストリン及びその形成方法

漂白したデキストリン組成物、その形成方法、及びそれから形成された製品が提供される。組成物はデキストリンベースの組成物又はスラリー、腐食剤、及び酸化剤を含む。腐食剤は水酸化ナトリウムを含んでもよい。酸化剤は過酸化水素を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は漂白したデキストリン及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デンプンは無水グルコース単位でできた天然素材のポリマであり、植物性の素材を加工することにより得られる。デンプンが抽出される植物性の素材は、トウモロコシ、小麦、じゃがいも、キャッサバ、及び米を含むがこれらに限定されない。これらの植物性の素材のうち、トウモロコシは北アメリカにおける最も一般的なデンプン供給源の1つである。
【0003】
デンプンは2つの主成分、アミロースとアミロペクチンからなる。アミロースは主としてα(1→4)グリコシド結合で結合したグルコースの線状重合体である。アミロペクチンはα(1→4)及びα(1→6)グリコシド結合の双方で結合したグルコースの分岐ポリマである。
【0004】
難消化性炭水化物は人体で消化しにくい炭水化物である。このような難消化性炭水化物はデキストリン化と呼ばれる工程において、高温でデンプンを熱処理することにより処理が可能である。
【0005】
デキストリン化は消化しにくい分岐構造を形成するためにデンプンの分子構造を配列し直す。デキストリン化を通して、デンプンの一般的なα(1→4)グリコシド結合は、ランダムな(1→4)、(1→3)、及び(1→2)α又はβ結合に変換される。これらの化学変化は、「Modified Starches:Properties and Uses」, O.B.Wurzburg,CRC Press,Inc.1986,pp.33−34に記載されている。人間の消化器系はα(1→4)結合のみ効果的に消化することができ、α(1→3)及びα(1→2)グリコシド結合は消化できない。このように難消化性炭水化物は小腸において未消化のままとなる。
【0006】
難消化性炭水化物に加えてデキストリンもまた、デキストリン化工程を通じて中間生成物として生成される。デキストリンはデンプンと同じ一般式を有するが、より小さくて少ない錯体である低分子量炭水化物群である。
【0007】
デキストリン化の方法によると、デキストリンはピロデキストリン又はマルトデキストリンの何れかに分類される。例えば、ピロデキストリンは酸加水分解及び熱処理されたデキストリンである。マルトデキストリンは酸加水分解の酵素的加水分解に伴う酸加水分解により処理されたデキストリン又は加熱中に酵素的加水分解により処理されたデキストリンの何れかである。
【0008】
デキストリンは多くの産業用途に用いられる。関連する製造領域の例は、接着剤産業、製紙産業、製薬産業、採鉱産業、食品産業、及び織物産業を含むがこれらに限定されない。より具体的には、デキストリンは水溶性糊、印刷インク、食品、ラクトースの代用品、及び(例えば、郵便切手、封筒、及び壁紙用等の)接着剤に用いることができる。さらに、いくつかの難消化性デキストリンはファイバーサプリメントに用いられる。例えば、デキストリンは難消化性マルトデキストリンを生成するのに用いられる(例えば、Fibersol−2(登録商標)Matsutani Chemical Industry Co.,Ltd.,Itami−shi Hyogo−ken,JAPANの登録商標)。
【0009】
デキストリン(難消化性デキストリン)における難消化性炭水化物の処理において、デキストリン化の度合いは、例えば、用いられる温度、加熱速度、選択温度でのデンプン保持温度、及び用いられる酸又は触媒の種類や量による。これはまた、カラメル化反応による色の変化による。カラメル化は、脱水、断片化、及び反応率が温度及びpHによる重合反応の様々な群である(「Sugar Chemistry」,R.S.Shallenberger and G.G.Birch,AVI,1975,pp.167−177を参照)。
【0010】
デキストリン化及びカラメル化反応の結果として、デキストリンはそれらの物性により区別されるが、水における色や溶解性に限定されない。デキストリンの種類は、白色デキストリン、黄色デキストリン、及びブリティッシュゴムを含む。
【0011】
白色デキストリンは、3時間乃至8時間、酸触媒の存在下、79℃乃至121℃でデンプンを加熱することにより処理されうる。これらの条件下、デンプンは加水分解され、これによりデンプン分子のグルコース単位の長鎖がかなり減少する。白色デキストリンは一般に、限られた冷水可溶度及び限られた溶液安定性を有する。冷却後、加熱された白色デキストリンの水溶液はすぐにペーストへと向かう。
【0012】
黄色デキストリンは、6時間乃至8時間、酸触媒の追加しながら、120℃乃至220℃でデンプンを加熱することにより調整される。トランスグリコシル化反応の結果として、黄色デキストリンは白色デキストリンと比べてより多くの分岐構造を有する。トランスグリコシル化反応は、分岐構造を生成するために遊離の水酸基を用いた加水分解の結果として起こる断片の再結合であると考えられる。熱変換がより高い温度で実施されるとき、あるいは反応時間が増大するとき、分岐が増す。さらに、黄色デキストリンは白色デキストリンと比べて、より親水性を有するとともに、より高い冷水可溶度を有する。
【0013】
ブリティッシュゴムは白色及び黄色デキストリンと比べて比較的高いpHで熱を加えることにより調整される。例えば、ブリティッシュゴムは、3時間乃至8時間、酸触媒の不在下、135℃乃至218℃でデンプンを加熱することにより調整される。高温で処理されたため、ブリティッシュゴムは白色デキストリンより大幅に黒い。
【0014】
生活水準の向上は、健康に対する関心の増大や食習慣の向上をもたらし、他の要因では平均寿命を延ばすという結果をもたらした。したがって、食物や家畜の餌の効用を高める食物繊維やオリゴ糖は、これらの物質が便秘や、他の好ましい生物的規制機能を軽減するとされることで注目を浴びるようになった。難消化性デキストリンのような難消化性物質は、消化器管に働く様々なモードを表し、生体への生理学的効果を生み出す。まず上部消化管において、難消化性デキストリンは食物の輸送を遅くし、栄養の吸収を遅らせる。遅い糖の吸収は、例えば、血糖値の上昇を抑え、これによりインシュリン必要量を低減させる。さらに胆汁の排出を促進し、身体のステロール基を減少させ、これにより血清のコレステロール値を低減させる。内分泌系を通して、他の生理的影響も報告されている。
【0015】
難消化性物質は小腸を含む消化管により消化も吸収もされず、最終的に大腸に達する。大腸に達すると、オリゴ糖、食物繊維及び難消化性デキストリンは部分的に短鎖脂肪酸、腸内ガス、ビタミンなどを生じさせる腸内細菌に作用する。短鎖脂肪酸による腸環境の酸性化は腸を整える。これらの短鎖脂肪酸が代謝するとエネルギを提供し、コレステロールの合成を抑制すると報告されている。このように、難消化性物質は多くの望ましい生理学的効果を得るのに必要とされる。
【0016】
本書で述べたように、デキストリン(難消化性デキストリン)における難消化性炭水化物は人の食生活の重要部分であり、いくつかの健康上の利点を提供する。しかしながら、難消化性デキストリンの生成は一般に、デキストリン化反応が進む際に、色の変化と同時に起こる。より高い難消化性デンプン含有量を得るために、デンプンが変更された条件下で加熱されるため、生成物は着色物量を増大させ、よって精製が必要となる。
【0017】
高難消化性含有量に加えて、色もまた特定の産業用途にふさわしいデキストリンを選択する際の主たる検討材料であることが多い。このように、難消化性デキストリンの生成に用いられる処理法は対象とされる用途に直接関係する。例えば、褐色デキストリンはより望ましい接着性及び溶解性を有しうるが、褐色の欠如は、紙接着剤、製薬、又は食品に用いられるデキストリンを選ぶ際に望ましい。
【0018】
難消化性デキストリン製品は大抵、食品業界における用途のためほぼ無色の溶液が望ましい場合が多い。多くの場合、デキストリン化工程において展開した任意の色は、最終生成品には望ましくなく、後の工程を通して大幅に取り除かれ、脱色工程においては費用がかかる。色度除去に関する費用を最小限にするために、最小限の色の展開を有するデキストリンは有用であろう。
【0019】
このように、高難消化性デンプン含有率を有する欠色漂白したデキストリン及びその製造方法の必要性がある。目的は、好ましくない色の形成を最小にしながら、難消化性炭水化物を最大に有するデキストリンを製造することである。
【発明の概要】
【0020】
本書に開示されたものは一般に、デキストリンペースト、デキストリンスラリー、及びこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない漂白したデキストリンを形成する方法に関する様々な非限定的な実施例である。
【0021】
一実施例において、本開示は、混合物を形成するために、20重量%以下の水分量を有するデキストリンベースの組成物に腐食剤及び酸化剤を混ぜるステップを含む。混合物は一定時間、最適温度で加熱され、かつ漂白したデキストリンを形成するために乾燥させてもよい。
【0022】
別の実施例において、本開示は、デキストリンベースのスラリーを形成するステップと、混合物を形成するために、水酸化ナトリウムと過酸化水素とをデキストリンベースのスラリーに混ぜるステップとを含む方法を提供する。混合物は漂白したデキストリンを形成するために、一定時間加熱され、乾燥され、かつすりつぶされてもよい。
【0023】
別の実施例において、本開示は、デキストリンベースの組成物を形成するために、0.3乃至3の粉末デキストリンを1乃至5の水で水和するステップを含む方法を提供する。デキストリンベースの組成物は、pH6乃至pH10の第1の混合物を形成するために、水酸化ナトリウムを混ぜてもよい。第2の混合物を形成するために、過酸化水素に第1の混合物を混ぜてもよい。漂白したデキストリンを形成するために、第2の混合物を0時間乃至2時間、20℃乃至50℃で培養してもよい。
【0024】
本発明が、この概要に開示された実施例に限定されず、かつクレームにより規定されるような発明の精神と範囲内の変更を含むよう意図される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、高繊維含有量を有する食物グレードのデキストリンを漂白するための製造方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本書の実施例以外、又は他に明記されない限り、以下の明細書及び添付のクレームの部分において、物質の量、構成要素の内容、反応時間及び温度、量の割合、及びその他の数値の範囲、量、値、及び割合のすべては、たとえ用語「約」が値、量、又は範囲と明白に現れされなくとも、用語「約」として読むことができる。従って、反対に示されない限り、以下の明細書とクレームとに実施される数値のパラメータは、本願により得られるべき所望の物性により変化してもよい概算である。少なくともクレームの範囲と等価の原理の適用を限定することを意図せず、各数値パラメータは報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技術を適用することにより解釈される。
【0027】
広い範囲の発明を実施する数値の範囲及びパラメータは概算であるが、特定の例に実施される数値はできるだけ正確に報告される。しかしながら、各テスト測定値に潜在的に見つけられる標準偏差から本質的な誤差は必ず含む。さらに、数値の範囲が本書に実施される場合、これらの範囲は引用範囲の終点(すなわち、終点は用いられてもよい)を含む。重量%が本書に用いられる場合、報告された数値の値は全重量に関する。
【0028】
また、本書に任意の引用数値の範囲は、本書に含まれるすべてのサブレンジを含むよう意図される。例えば、「1乃至10」の範囲は、示された最小値1乃至示された最大値10のサブレンジをすべて含むよう意図され、すなわち、1と等しいかそれより大きい値及び10と等しいかそれより小さい値を有する。本書に用いられる用語「one」、「a」、又は「an」は、指示されない限り、「少なくとも1」又は「1以上」である。
【0029】
本書で明らかにされる任意の特許、出願、出版、又は他の開示材料は、全体又は部分的にその全体が本書に組み込まれるが、組み込まれた材料が、存在する定義、明細書、又は本開示に実施される他の開示材料と矛盾しない範囲までしか組み込まれない。このようなものとして、必要な範囲まで本書に明白に実施される開示は、参照により本書に組み込まれる任意の矛盾する材料を取り替える。任意の材料、又はその部分は参照により本書に組み込まれるが、存在する定義、明細書、又は本書に実施される他の開示材料と矛盾するものは、組み込まれた材料と存在する開示材料との間に矛盾を生じない範囲までしか組み込まれない。
【0030】
本開示は、本書に提供された例示的な実施例の様々な特徴と態様を提供する。しかしながら、本願が多くの代替的な実施例を採用し、当業者の一人が、それらが有用だと分かる任意の組み合わせにおいて、本書に記載された異なる形態、状況、及び実施形態を組み合わせることにより達成することができる。
【0031】
本開示の様々な非限定的な実施例は、混合物を形成するために、デキストリンベースの組成物を水酸化ナトリウムのような腐食剤、及び過酸化水素のような酸化剤と混ぜるステップを含む漂白したデキストリンを形成する方法を提供する。本書に用いられるように、用語「混合物」は、少なくとも2の成分の任意の組み合わせを言い、例えば、混合物、分散物、溶液、乳液、懸濁物、及びそれらの任意の組み合わせを含む。混合物は一定時間加熱されてもよいし、漂白したデキストリンを形成するために乾燥されてもよい。
【0032】
本願において、様々なデキストリンは、本書に実施されるデキストリンベースの組成物に用いられてもよい。本書に用いられるように、用語「デキストリンベースの組成物」は、任意の色のデキストリンを40重量%含む組成、又は、例えば、ペースト、スラリー、又はそれらの任意の組み合わせのような任意の物質の形態において、20%以下の水分量を有するその1以上の混合物を言う。例えば、白から暗褐色まで色が変化するデキストリンは、本書に実施されるデキストリンベースの組成物に用いられてもよい。
【0033】
デキストリンは、デキストリン反応器を用いるデンプンの加水分解及び解重合において、中間生成物として生成される低分子量の炭水化物の一群である。任意の好適な反応器は、本開示のデキストリン化工程において用いられてもよい。例えば、NOREDUXから商業上入手可能なNOREDUX調理器タイプF/11が用いられてもよい。用語「デキストリン」は、デンプンとして同じ一般式を有する多くのオリゴ−D−グルコース化合物の任意の1つを言うが、より小さく少ない錯体である。デキストリンは、2つの別個の基、ピロデキストリンとマルトデキストリンに分類されてもよい。ピロデキストリンは熱及び酸を用いるデンプンのデキストリン化の生成物である。ピロデキストリンの大規模生産は、非食品関連用途に用いられてもよい。マルトデキストリンは酸加水分解又は加熱により結合された酵素を用いるデンプンのデキストリン化の生成物である。マルトデキストリンの大規模生産は食物関連用途又は製品に用いられてもよい。
【0034】
デキストリンは、いくつかの異なる基準により分類されてもよい。第1にデキストリンは、デンプン由来のデンプンの供給源により分類されてもよい。例えば、デキストリンは、コーンスターチ、小麦デンプン、ジャガイモデンプン、キャッサバデンプン、米デンプン、サトウモロコシ、及びそれらの任意の組み合わせ由来であってもよい。本書に用いられるように、用語「デンプン」は、トウモロコシ、じゃがいも、小麦、及び米において顕著な植物の種子、果実、塊茎、根、及び茎の芯において主に見つけられる。第2にデキストリンはまた、完成デキストリンのヨウ素親和性により分類されてもよい。例えば、いくらかのデキストリンは赤茶けた色、青色、又は無色となったヨウ素と反応する。また、デキストリンは、デキストリンを形成するデンプンを解重合するのに用いられる処理法により分類されてもよい。デンプンを解重合するのに用いられる処理の例は、酸性条件下、熱、酸、酸化剤、紫外線照射、ガンマ照射、五塩化燐、臭化アセチル、及び酵素を含むが、これらに限定されない。白色デキストリン、黄色デキストリン、及びブリティッシュゴムを含む様々な種類のデキストリンが知られている。
【0035】
本開示のある実施例において、デキストリンベースの組成物は白色デキストリンを含んでもよい。白色デキストリン(無色)は、デンプンを大量の添加触媒(例えば、塩酸)と混ぜ、かつ例えば、短時間(3時間乃至8時間)、79℃乃至121℃で穏やかに加熱することにより処理される。生じた白色デキストリンは、白色でも、白色に近くてもよく、水への溶解を制限し、かつ本来のデンプンペーストの多くの性質を保持することができる。白色デキストリンは水と混ぜると接着性ペーストを形成することができ、それは白色で紙にしわを生じさせないため、紙製品の製造に用いることができる。
【0036】
白色デキストリンはわずかに処理され、一方でより過酷な処理(例えば、熱、時間、及び/又は化学濃度の増加)は、暗色が増大したデキストリン製品を生成する。例えば、白色デキストリンは酸性化デンプンの穏やかな焼き(すなわち、150℃以下の加熱)により製造され、他方、黄色デキストリンは酸性化デンプンの強い焼きにより生成され得る。効率的に、処理の継続により白色デキストリンは黄色デキストリンになる。
【0037】
本開示のある実施例において、デキストリンベースの組成物は黄色デキストリンを含み得る。別の実施例において、デキストリンベースの組成物は十分な量の黄色デキストリンを含み、このデキストリンベースの組成物が黄色となってもよい。白色デキストリンに対して、より低い酸又は触媒レベルとともにより高い変換熱(例えば、120℃乃至220℃)で、より長い時間(6乃至8時間)用いられると、黄色デキストリンが形成され得る。黄色デキストリンは水溶性であってもよく、薄い黄色から褐色の溶液を形成してもよいし、比較的低粘度を有してもよい。
【0038】
本開示のある実施例において、デキストリンベースの組成物はブリティッシュゴムである。ブリティッシュゴムはデンプン自体を加熱することにより生成されてもよいし、135℃乃至218℃で少量のアルカリ緩衝塩と混ぜられてもよい。最終生成物は明褐色乃至暗褐色であってもよい。ブリティッシュゴムは水溶性であってもよい。別の実施例において、デキストリンベースの組成物は十分な量のブリティッシュゴムを含み、このデキストリンベースの組成物が明褐色、ベージュ、又は暗褐色のいずれかとなってもよい。
【0039】
ある実施例において、デキストリンベースの組成物は、スラリー、ペースト、又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択された形態であってもよい。ある実施例において、デキストリンベースの組成物は、5%乃至55%固体の同質スラリーであってもよい。別の実施例において、デキストリンベースの組成物は、55%固体より多いペーストであってもよい。本書に用いられるような用語「デキストリンベースのスラリー」は、液状媒体におけるデキストリン粒子の懸濁液を言う。本開示のある実施例において、デキストリンベースの組成物は水及び高繊維デキストリンを含んでもよい。本書に用いられる「高繊維」は、25%繊維より高いものを言う。高繊維デキストリンは、デンプンデキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、水素化難消化性デキストリン、水添デンプン加水分解物、高分岐マルトデキストリン、セルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるような様々なデキストリンであってもよい。ある実施例において、高繊維デキストリンはFibersol−2(登録商標)を含んでもよい。
【0040】
本開示のある実施例において、デキストリンベースの組成物は、20重量%以下の水分含有量であってもよい。本開示の別の実施例において、デキストリンベースの組成物は30重量%以下の水分含有量であってもよい。本開示のさらに別の実施例において、デキストリンベースの組成物は40重量%以下の水分含有量であってもよい。別の実施例において、デキストリンベースの組成物は、35%重量乃至85重量%の水分含有量であってもよい。
【0041】
本開示は、デキストリンベースの組成物から漂白したデキストリンを形成する方法を提供する。本開示の様々な実施例が、粉末デキストリンを水和するステップを含む漂白したデキストリンを形成する方法を提供する。例えば、重量割合で0.3乃至3の粉末デキストリンが、デキストリンベースの組成物を形成するために重量割合で1乃至5の水で水和されてもよい。ある実施例において、デキストリンベースの組成物は、重量割合で1乃至100の粉末デキストリン1乃至50の水で水和することにより形成されてもよい。別の実施例において、デキストリンベースの組成物は、重量割合で1乃至10の粉末デキストリンを1乃至10の水で水和することにより形成されてもよい。
【0042】
ある実施例において、漂白したデキストリンを形成する方法は、本書に実施されるようなデキストリンベースの組成物、腐食剤、及び酸化剤を含む混合物を形成するステップを含む。
【0043】
当業者に周知の様々な腐食剤は、本開示の実施例に用いられてもよい。好適な腐食剤の例は、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、及びライムを含むがこれらに限定されない。腐食剤は、固体及び液体を含むが、これらに限定されない様々な状態又は相で添加されでもよい。腐食剤の任意の好適な濃度は、デキストリン乾燥ベースで10重量%までの様々な量で、デキストリンベースの組成物に添加される際に用いられてもよい。例えば、本開示のある実施例において、0.1乃至100重量%の水酸化ナトリウムのような腐食剤は、デキストリン乾燥ベースで、0.01%乃至10%の範囲の量でデキストリンベースの組成物に添加されてもよい。別の実施例において、腐食剤は、乾燥ベースで0.1乃至3重量%の範囲の量で、デキストリンべースの組成物に添加されてもよい。別の実施例において、腐食剤は乾燥又は溶液の状態で添加されてもよい。
【0044】
ある実施例において水酸化ナトリウムのような腐食剤は、第1の混合物を形成するためにpH1乃至pH10の範囲で、別の実施例においてpH4乃至pH10の範囲で、別の実施例においてpH6乃至pH10の範囲で、及びさらに別の実施例においてpH8乃至pH10の範囲でデキストリンベースの組成物に混ぜられてもよい。本書に用いられるように、用語「第1の混合物」は、腐食剤が混ぜられたデキストリンベースの組成物を含む混合物を言う。腐食剤は酸化剤が第1の混合物のpHを安定化させ、かつ制御する前に添加される。
【0045】
本開示のある実施例において、漂白したデキストリンを形成する方法は、第2の混合物を形成するために酸化剤をデキストリンベースの組成物に添加するステップを含んでもよい。本書に用いられるように、用語「第2の混合物」は、デキストリンベースの組成物を腐食剤及び酸化剤に混ぜる混合物を言う。当業者には周知の様々な酸化剤は、本開示の実施例に用いられてもよい。好適な酸化剤の例は、過酸化水素及び過酸化ベンゾイルを含むがこれらに限定されない。酸化剤の任意の好適な濃度は、デキストリン乾燥ベースで、10重量%までの量でデキストリンベースの組成物に添加される。例えば、ある実施例において、過酸化水素のような酸化剤は、乾燥ベースで0.1%乃至10%の範囲量でデキストリンべースの組成物に添加されてもよい。別の実施例において、0.1%乃至70%の濃度で過酸化水素のような酸化剤は、デキストリン乾燥ベースで、3%乃至15%の範囲の量でデキストリンベースの組成物に添加されてもよい。別の実施例において、25%乃至70%の濃度の過酸化水素が用いられてもよい。
【0046】
酸化剤の添加時間は様々であるが、ある実施例において酸化剤は5分乃至120分の時間範囲で第1の混合物に添加されてもよいし、別の実施例において5分乃至60分間、別の実施例において5分乃至45分間、いくつかの実施例において5分乃至30分間、さらに別の実施例において5分乃至20分間、及び別の実施例において10分乃至20分間、第1の混合物に添加されてもよい。ある実施例において酸化剤は水酸化ナトリウムのような腐食剤で調整されたpHの下、第1の混合物に添加されてもよい。ある実施例においてpHは5分乃至60分間調整されてもよいし、いくつかの実施例において5分乃至45分間、別の実施例において5分乃至30分間、別の実施例において5乃至20分間でもよいし、さらに別の実施例において、反応を完了させるまで10分乃至20分間調整されてもよい。
【0047】
デキストリンベースの組成物、腐食剤、及び酸化剤の混合物は、あるpHで混ぜられてもよく、及び/又は図1に例示されるような漂白反応器において、一定時間、上昇した温度で加熱されてもよい。本書に用いられるように、用語「上昇した温度」は、30℃を超える温度、及びある実施例において40℃を超える温度を含むことを意味する。任意の好適な反応器は、本開示のプロセスに用いられてもよい。例えば、MILLER PLASTIC PRODUCTSから商業的に入手可能な攪拌器を有するファイバグラス混合タンクが用いられてもよい。ある実施例において、第2の混合物は6乃至10のpH範囲を有してもよい。ある実施例において、混合物は10分乃至360分の時間の範囲で、10℃乃至80℃の温度範囲まで加熱されてもよい。別の実施例において、混合物は20分乃至120分の時間の範囲で、20℃乃至50℃の温度範囲まで加熱されてもよい。ある実施例において第2の混合物は20℃乃至50℃の温度範囲で45分間培養されてもよい。別の実施例において第2の混合物は、20℃乃至50℃の温度範囲で60分間、いくつかの実施例において30分間、及び別の実施例において15分間培養されてもよい。
【0048】
本開示の別の実施例において、酵素は混合物を乾燥させる前に、余分な過酸化水素を取り除くために添加されてもよい。用いられる酵素の例は、カタラーゼ及びペロキシダーゼを含むが、これらに限定されない。他の実施例において、100ppm以上の酵素の使用は、最終製品に影響を与えることなく混合物に添加されてもよい。
【0049】
混合物は一定時間加熱された後、図1に記載されるような乾燥器において、漂白したデキストリンを形成するために乾燥させてもよい。ある実施例において、加熱及び乾燥は同時に行われてもよい。任意の好適な乾燥器は、本願の実施例において用いられてもよい。例えば、Barr & Murphyから商業化が可能なスプレイドライヤが用いられてもよい。本書で用いられるように、「スプレイドライ」は、液体供給(スプレイ)を高温ガスに通して乾燥させる一般的に用いられる方法を言う。一般に、高温ガスは空気である。ある実施例では、混合物は1分乃至120分の時間の範囲で、40℃乃至500℃の範囲の温度で乾燥させてもよい。別の実施例において、混合物は1分乃至120分の時間の範囲で、60℃乃至250℃の温度範囲で乾燥させてもよい。
【0050】
ある実施例において、混合物は好適な寸法の粒子にすりつぶされる。任意の好適な粉砕器が本開示の実施例において用いられてもよい。例えば、Palmannから商業的に入手可能な粉砕器が用いられてもよい。混合物は30乃至500メッシュ(600乃至25ミクロン)の範囲の粒子のような任意の好適な寸法の粒子にすりつぶされてもよい。ある実施例において、すりつぶされた粒子は、30メッシュ(600ミクロン)より100%細かくてもよい。平均粒子寸法は、周知の技術により測定され得る。例えば、このような粒子の平均粒子寸法は、Fullerton,CAのBeckman Coulter,Inc.から商業化が可能なレーザ回折粒子寸法分析器を用いて測定することができ、この分析器は粒子の大きさを測定し、かつ粒子が球形を有する、すなわち、「粒子サイズ」は粒子を完全に囲む最小の球体を言う、粒子サイズの器具である。粒子の大きさはまた、USA Standard Sieve Method ASTME−II specificationにより測定され得る。
【0051】
ある実施例において、漂白したデキストリン生成物は、最初のデキストリン材料と同じ繊維含有量を有してもよい。別の実施例において、漂白したデキストリン生成物は、最初のデキストリン材料と比べて、わずかに高い繊維含有量を有していてもよい。ある実施例において、繊維含有量は25重量%乃至60重量%である。
【0052】
ある実施例において、本書に記載される方法により製造される漂白したデキストリン生成物は、真白か、あるいはわずかに白色であってもよい。CIEラボは、人の目に見えるすべての色を表すのに用いられる従来からの色モデルである。このモデルは3つの基礎座標軸、色の明るさを表す座標軸、マゼンタと緑の間、及び黄色と青の間に配置される座標軸からなる。
【0053】
操作において、色を測定する2つの分析がある。第1の分析は白色度メータであり、乾燥デキストリンサンプルに実施される。白色度メータの例は、0乃至100の範囲を有するKett Electric Laboratory Whiteness meter,model C−1であり、0は最暗色を表し、100はスケールで最も白いポイントを表す。第2の分析は、10%の乾燥固体でスラリー形状で水に溶解されたデキストリンサンプルの色を測定する分光光度計である。第2の分析において、最高レベルの吸収度は最も彩色された生成物を示す。吸収度は420nm乃至720nmの波長で分光光度計によりモニタされ、10倍の差異で色として記録される。
【0054】
炭素処理のような脱色工程は再投入(recharging)の前にある量の色体しか処理できないため、難消化性炭水化物を製造する方法が設計される際に、設計パラメータとしてデキストリンの白色値及び吸収色値の双方を考慮に入れる。費用を実用レベルに保つために、デキストリン化されたデンプンを着色しすぎてはいけない。例えば、白色度65及び吸収色値20以下を維持することにより、後の脱色工程は採算が合う最終生成物を製造することとなる。
【0055】
デキストリン化工程の目的は、白色度を65で、かつ分光光度計の色を20より低く維持しながら、難消化性水和物のできる限り最大の生産量を含むデキストリンを生成することである。別の白色度及び吸収色対象が用いてもよい、これらの対象は、あまり着色されていない(より少ない器具及び材料)か、より着色された(追加の器具及び材料)かにより、色を取り除くために多かれ少なかれ器具を必要とする。
【0056】
ある実施例において、漂白したデキストリンはCIEラボモデルに基づき90%乃至100%の範囲で白色度レベルを有する。別の実施例において、漂白したデキストリンは、CIEラボモデルに基づき94%乃至100%の範囲の白色度レベルを有してもよい。別の実施例において、漂白したデキストリンはCIEラボモデルに基づき80%乃至100%の範囲の白色度レベルを有してもよい。
【0057】
漂白したデキストリンは上述の方法により生成されてもよく、かつ多くの産業用途に用いられてもよい。関連する産業のいくつかの例は、接着剤産業、製紙産業、製薬産業、採鉱産業、織物産業、及び食品産業を含むがこれらに限定されない。例えば、食品は上述の方法により生成される漂白したデキストリンから作られてもよい。ある実施例において、食品は焼き菓子、スナック食品、パイの詰め物、及び飲料からなる群から選択されてもよい。別の実施例において、食品は紅茶、コーラ飲料、ジュース、スポーツ飲料、ミルクシェイク、アイスクリーム、発酵脱脂乳ハードヨーグルト、粉末コーヒーホワイトナー、キャンディ、チューイングガム、スイートチョコレート、カスタードクリーム、オレンジゼリー、ストローベリージャム、リンゴジャム、あんこを含むゼリー及びジャム、及びようかん、シリアル、パスタ、パン、ドーナツ、小麦リプレイサー(wheat flower replacer)、クッキー、ケーキ、パイ、スープ、カレー、シチュー、ノンオイルドレッシング(MIRACLE WHIP(登録商標)タイプ)、マヨネーズ、ピーナッツバター、粉チーズ、クリームチーズ、ソース、ビーフとポークのソーセージ、コンビーフ、ハンバーガーステーキ、ハンバーガーパテ、レバーペースト、ピザ、オムレツ、ミートパイの具、餃子、かまぼこ、ブラックベリーリキュール、ドッグフード、キャットフード、豚と牛の餌、ブロイラー家禽の飼料、及び実験用齧歯動物の飼料からなる群から選択されてもよい。デキストリンはまた、Fibersol−2(登録商標)のような難消化性マルトデキストリンを生成するよう用いられてもよい。本書に提供されるデキストリンの非食品産業用途の例は、段ボール、合板、壁紙の製造、及び郵便切手や封筒に見られる再吸湿ガム及び関連する接着剤を含んでもよい。
【0058】
郵便切手、封筒の折りぶた及び壁紙、及び製薬品及び食品のような用途にとって、白色度(即ち、色の欠如)は用いられるデキストリンの選択において重要な検討材料でありうる。郵便切手、封筒、及び製薬品において、味がないことはまた重要な要因である。例えば、漂白したデキストリンは少し焦げた紙の味がする。
【0059】
本開示の実施例によると、本書に記載された方法の何れかはさらに、輸送のために構成されうるコンテナに、漂白したデキストリンを配置するステップを含む。方法はさらに、例えば、コンテナに絵、字、又は数のしるしを配置するなど、コンテナにしるしを付すことを含んでもよい。このしるしはコンテナの中身を記載すること、中身の製造者を指定すること、及び/又は食品の製造において、どのように構造物を用いるかに関して、例えば、食品製造者のようなエンドユーザを導くことが可能となりうる。別の実施例によると、方法はさらに、漂白したデキストリン構造物を含むコンテナを輸送するステップを含む。任意の従来型の輸送方法は、例えば、トラック、電車、船、飛行機、又はそれらの任意の組み合わせによる輸送に用いることができる。
【0060】
本発明はさらに、以下の実施例を参照することにより理解されうる。以下の例は、発明の単なる例示にすぎず、限定を意図しない。他に示されない限り、すべての割合は重量による。
【実施例1】
【0061】
ペーストを形成するために、10グラムのWC9524(ADM Canadian Plant commercial product)、小麦デンプンで作られたカナリアデキストリンがビーカー内で、3%の苛性溶液(水酸化ナトリウム)と混ぜられた。このペーストは混合物を均質化させてスムースなペーストを得るために、へらを使って手動で混ぜられる。
【0062】
水酸化ナトリウム(3%)溶液が、デキストリンの色が褐色になるまで混ぜられた。褐色はpHが8.5またはそれ以上に近いことを意味する。この第1の実験において、ペーストに添加される場合、過酸化水素の正確な投量は測定されなかった。代わりに、漂白が生じたかを確かめるために過酸化水素が添加されただけであった。15分間混ぜ続けた後、ペースト状の混合物は白色になった。完全な白色の粉を生成するために、ペースト状の混合物を次いで、60℃のオーブンで乾燥させた。色は装置により測定されなかった。代わりに、色の変化が視認された。
【実施例2】
【0063】
10グラムのWC9524(ADM Canadian Plant commercial product)を、攪拌により、90グラムの水の中にけん濁させた。水酸化ナトリウムは正確に測定されなかったが、代わりに、ペースト状の混合物を形成するために(8より高いpHに達するまで)混合物に添加された。次いで、漂白されたペースト状の混合物を生成するために、室温で一定に混ぜている間、過酸化水素(測っていない)が添加された。
【実施例3】
【0064】
実施例2にあるように、漂白がより暗いデキストリンを用いて可能かどうかを確かめるために、10グラムのF7の実験的な小麦デキストリン(暗褐色)が分析された。
【実施例4】
【0065】
WC9524に関して、及び実施例1乃至3からの最終漂白生成物に関して、AND Clinton Laboratoryにて繊維分析が行われた。実施例1乃至3からの漂白生成品は元のデキストリンの暗ベージュ色と比べて、白色に変化した。
【実施例5】
【0066】
WC9524(30グラム)を水(50グラム)中でけん濁させる。3%水酸化ナトリウム(2.2グラム)が混合物に添加され、25℃でpH9.1のペースト状の混合物を形成する。反応中、このpHを維持するために全143滴の3%水酸化ナトリウムが添加された。次いで、35滴の過酸化水素(30%乃至35%)が反応混合物に添加された。反応又は色変化の後、ペースト状の混合物をオーブンで乾燥させた。
【実施例6】
【0067】
デキストリンは、粗い粒子を取り除くために、600ミクロンのふるいにかけられた。ふるいにかけられたデキストリン(30グラム)は、ファイバーゾル工程において用いられるデキストランと呼ばれるコーンデキストリンであった。ふるいにかけられたデキストリンを水(50グラム)中でけん濁させた。3%水酸化ナトリウムが混合物に添加され、pH9.6のペースト状の混合物を形成する。次いで、30滴の過酸化水素が添加され、反応混合物の温度は45℃で20分間調整された。反応又は色変化の後、ペースト状の混合物を60℃のオーブンで一晩乾燥させた。
【0068】
好適な実施例を参照して具体的に本発明を示し、記載してきたが、形状や詳細における様々な変更がクレームに含まれる本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが当業者に理解されるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
漂白したデキストリンを形成する方法であって、
混合物を形成するために、デキストリンベースの組成物に腐食剤及び酸化剤を混ぜるステップと、
前記混合物を一定時間、最適温度で加熱するステップと、
前記漂白したデキストリンを形成するために、前記混合物を乾燥させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記デキストリンベースの組成物が、ペースト、スラリー及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記ペーストが、水及び高繊維デキストリンを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記高繊維デキストリンが、デンプンデキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、水素化難消化性デキストリン、水添デンプン加水分解物、高分岐マルトデキストリン、セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法において、前記腐食剤が、無水ベースのデキストリンについて、0.01%乃至10%の範囲の量で、前記デキストリンベースの組成物に添加されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法において、前記デキストリンベースの組成物が、20重量%又はそれ以下の水分含有量を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法において、前記腐食剤が、pH1乃至pH10の範囲で混ぜられることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法において、前記酸化剤が、0.1%乃至10%の範囲の量で前記デキストリンベースの組成物に添加されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法において、0.1%乃至70%の濃度で前記酸化剤が、3%乃至15%の範囲の量で前記デキストリンベースの組成物に添加されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法において、前記混合物が、pH6乃至pH10の範囲を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法において、前記混合物が、10分乃至360分の範囲の期間、10℃乃至80℃の温度範囲に加熱されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法において、前記乾燥は、1分乃至120分の範囲での期間、40℃乃至500℃の温度範囲でなされることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法がさらに、前記混合物をすりつぶすステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法において、前記漂白したデキストリンが、CIEラボモデルに基づき、90%乃至100%の範囲の白色度レベルを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
漂白したデキストリンを形成する方法であって、
デキストリンベースのスラリーを形成するステップと、
混合物を形成するために、前記デキストリンベースのスラリーを、水酸化ナトリウム及び過酸化水素と混ぜるステップと、
前記混合物を、一定時間加熱するステップと、
前記漂白したデキストリンを形成するために、前記混合物を乾燥させるステップと、
前記混合物をすりつぶすステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法がさらに、前記乾燥させるステップの前に、余分な過酸化水素を取り除くために、酵素を添加するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
漂白したデキストリンを形成する方法であって、
デキストリンベースの組成物を形成するために、重量の割合で0.3乃至3の粉末デキストリンを1乃至5の水で水和させるステップと、
pH6乃至pH10を有する第1の混合物を形成するために、前記デキストリンベースの組成物を水酸化ナトリウムと混ぜるステップと、
第2の混合物を形成するために、過酸化水素を前記第1の混合物に混ぜるステップと、
20℃乃至50℃の前記第2の混合物を0時間乃至2時間促進するステップと、
前記漂白したデキストリンを形成するために、前記第2の混合物を乾燥させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法において、前記過酸化水素が、前記第1の混合物に10分乃至20分間添加されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、水酸化ナトリウムで調整されたpHの下、前記過酸化水素が前記第1の混合物に添加されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、反応を完了させるために、pHが30分乃至45分間調整されることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項15乃至19の何れか1項に記載の方法がさらに、前記漂白したデキストリンをすりつぶすステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法により生成された漂白したデキストリン。
【請求項23】
請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法により生成された漂白したデキストリンを含む食品。
【請求項24】
請求項23に記載の食品において、前記食品が、焼き菓子、スナック食品、パイの具、及び飲料からなる群から選択されることを特徴とする方法。


【図1】
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【公表番号】特表2012−524155(P2012−524155A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506088(P2012−506088)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/030673
【国際公開番号】WO2010/120661
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(507303309)アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド カンパニー (16)
【Fターム(参考)】