説明

無機薄膜EL素子

【課題】この発明は、高輝度であり、長寿命の無機薄膜EL素子を提供することにある。
【解決手段】 ガラス基板上に透明導電膜を備え、該透明導電膜の上に第一の絶縁層膜を備え、該第一の絶縁層膜の上に、無機発光物質を含む発光層膜を備え、該発光層膜表面を覆い形成された第二の絶縁層膜を備え、該第二の絶縁層膜の上に背面電極を備えた無機薄膜EL素子において、該発光層膜の膜組織がランダムに配向した平均結晶粒径100nm以下の微小結晶からなっており、膜の密度が95%以上であることを特徴とする無機薄膜EL素子とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は無機薄膜EL素子に関する。特に、高輝度と長寿命に特徴をもつ無機薄膜EL素子の膜組織に関する。応用分野は、一般照明用途、自動車照明用途、各種バックライト、店舗照明用途、看板や広告用途などである。
【背景技術】
【0002】
従来の無機薄膜EL素子は一般的に低輝度であり、また発光輝度を上げると極端に寿命が短くなる問題があった。そのため無機薄膜ELは、他の発光素子と比べ実用化が遅れており、一部の自動車や計測機器のインジケーターなどに部分的に使われている程度である。輝度を向上するには発光層膜物質の結晶性を上げることが重要であり、また長寿命のためには緻密性の高い膜とすることが重要である。
【0003】
無機薄膜EL素子の発光層膜物質には一般に用いられている蛍光体物質と同様なものである。母体物質を大別すると酸化物系、酸硫化物系、硫化物系にわけられる。母体物質そのものが発光する場合もあるが、通常はこれに数%以下の遷移金属あるいは希土類金属などの発光中心物質がドープされる。蛍光体の一般的な表記法は、母体と発光中心を:でつないで表す。かかる蛍光体には、例えば酸化物系ではCaWO4系、MgWO4系、YVO4:Eu系、Y(PV)O4:Eu系、Zn2SiO4:Mn系、Zn2SiO4:Ti系、MgSiO3:Mn系、(Ca,Mg)SiO3:Mn系、CaSiO3:Pb,Mn系、(Sr,Mg)3(PO4)2:Sn系、Ca2MgSi2O7:Ce系、Y2SiO5:Ce系、Y2SiO5:Tb系、Ca2P2O7:Dy系、(Zn,Ca)3(PO4)2:Mn系、Ba2P2O7:Ti系、Y2O3:Eu,Mn系、(Sr,Mg)2P2O7:Eu系、Ca10(PO)F,Cl:Sb,Mn系、3Ca3(PO4)2Ca(F,Cl)2:Sb、Mn系など、酸硫化物系ではLa2O2S:Tb系、Y2O2S:Eu系、(Y,Gd)2O2S:Tb系など、また硫化物系ではZnS:Mn,ZnS:希土類元素系、ZnS:Ag系、ZnS:Ag,Cu系、ZnS:Ag,Al系、ZnS:Cu,Au系、ZnS:Au,Ag,Al系、ZnS:Ag,Ga,Cl系などがあり、これらの少なくとも一種、あるいはこれら各系統に属する二種以上の複合化合物あるいはこれらの母材物質や発光物質が任意に組み合わされ、発光層膜として使用できる。
【0004】
この他、交流駆動型の無機薄膜EL素子には、半導体的で非線形な電圧−電流特性を持つ発光層膜に必要な高電界を素子全体に絶縁破壊を起こすことなく安定に印加するために、出来るだけ高い絶縁破壊電界を有する絶縁層膜がいる。またこの絶縁層膜物質は、動作電圧を出来るだけ低くし、発光層膜中を流しうる最大電荷量を増すために誘電率が高いことが望ましい。具体的な絶縁層膜物質としては、SiO2,Si3N4,Al2O3,TiO2,Ta2O5,Y2O3,BaTiO3,BaTa2O6,SrTiO3,PbTiO3などである。
勿論、絶縁破壊特性が十分であれば、上記物質以外の酸化物、窒化物、炭化物、などの単一化合物あるいは複合化合物でもよく、またこれら物質の多層膜でもよい。
【0005】
無機薄膜EL素子においては、二重絶縁層膜構造が採用されている。図5に従来の二重絶縁層膜構造を示す。第一及び第二の2層の絶縁層膜33および35でEL発光層膜34を包み込むことにより、破局的な絶縁破壊を防ぐことができ、ある程度高い電界を安定に印加できるようになり、比較的発光輝度の高い無機薄膜EL素子30が得られるようになった。しかし、発光層膜34を上下から絶縁層膜33および35ではさみ込み、発光層膜に空気中の水分が入り込みにくい構造となっているが、このような構造でも水分の進入を完全には阻止することができず、長寿命のEL素子を得るのは困難であった。36は背面電極である。
【0006】
無機薄膜EL素子の製作は一般的に真空中における薄膜堆積技術を用いる。EL素子の発光層膜の製作方法として、電子ビーム蒸着(EB)法、スパッタリング法、化学気相結晶成長(CVD)法、原子層エピタキシャル成長(ALE)法、分子線エピタキシャル成長(MBE)法、活性化反応性蒸着(ARE)法、クラスターイオンビーム(ICB)法、イオンビームスパッタ(IBS)法、ガスソースMBE法、エレクトロンサイクトロン共鳴(ECR)法、パルスレーザー蒸着(PLD)法などがある。これらの中で生産性を考慮すると電子ビーム蒸着(EB)法あるいはスパッタリング法が現実的な製造方法である。しかしながら、上記で示した薄膜形成方法では密度が95%以上の緻密な膜を得るのは困難であり、また膜組織も柱状晶となり、結晶性も極めて悪く蒸着後の膜は非晶質であることがほとんどである。
特開2002−201468号公報には電子ビーム蒸着とそれに続くアニール処理により成膜する技術が開示されている。
【0007】
EL発光のためには発光層膜物質の結晶性を上げる必要があり、そのためには蒸着後600℃以上の高温で発光層膜をアニールする必要があり、製造コストのアップと素子材料の選択や素子設計の大きな妨げになっていた。また蒸着後の膜の焼成において、焼成温度が高いほど結晶粒の部分的な粗大化が生じ膜内の結晶粒径が不揃いになるとともに、膜表面がでこぼこな荒れた面になってしまう。さらには、高い焼成温度は基板、絶縁層膜、導電膜など、あるいは膜内の結晶粒同士の熱膨張の差が大きくなり膜間の剥離は結晶粒間の解離や結晶粒内でのクラックが発生し好ましくない。蒸着後のアニール温度は出来るだけ低いほうが望ましい。
【0008】
また、従来の薄膜堆積技術で被膜形成した発光層膜や絶縁層膜は密度が約90%以下と低く空気中の水分を透過あるいは吸着し易く発光寿命に大きな影響を与えていた。さらにまた、発光層膜の膜組織は粗大な柱状晶に堆積し、上記したように、これが高温アニールでさらに粗大化し粒子間の応力に抗しきれず粒間で解離が生ずることとなる。この膜組織の粗大化と粒間の解離は発光層膜中で発生した光の散乱と損失をもたらすこととなり、また発光に関与する電子の流れを著しく阻害することとなると思われる。このことは取りも直さず発光輝度の向上に著しい悪影響をもたらすものと考えられる。
【特許文献1】特開2002−201468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、高輝度かつ長寿命の無機薄膜EL素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、ガラス基板上に透明導電膜を備え、該透明導電膜の上に第一の絶縁層膜を備え、該第一の絶縁層膜の上に、外部エネルギーを受けて励起し励起状態から基底状態へ戻る際に発光するように結合した無機発光物質を含む発光層膜を備え、該発光層膜表面を覆い形成された第二の絶縁層膜を備え、該第二の絶縁層膜の上に背面電極を備えた無機薄膜EL素子において、該発光層膜の膜組織がランダムに配向した平均結晶粒径100nm以下の微小結晶からなっており、膜の密度が95%以上であることを特徴とする無機薄膜EL素子とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記発光層膜はエアロゾルデポジッション法を用いて作製されたことを特徴とする請求項1に記載の無機薄膜EL素子とするものである。
【0012】
エアロゾルデポジッション法(以降AD法と記す)については、特開2003−183848号公報に開示されている。
セラミックスに機械的衝撃力を付加すると、結晶子同士の界面などの壁開面に沿って結晶格子のずれを生じたり、破砕され、そのずれ面や破面には内部に存在し別の原子と結合していた原子が剥き出しになった新生面が形成され、隣接する新生面同士が接合し安定する。このことにより、緻密な組織となり、セラミックスの透明層が形成されるというものである。本願発明は、そのAD法を無機薄膜EL素子の製造に応用したものである。
【0013】
なお、本発明でいう平均結晶粒径100nm以下というのは次の定義による。
結晶粒径は直径法で求める。方法としては以下の通りである。
まず、薄膜断面を透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて粒径の大きさが判別できる膜組織の拡大写真をとる。拡大写真上で任意の同一方向における10個の粒の粒径のうち、最大長さの粒径を採用する。これを場所と方向を変え200ヶ所程度の粒子径を求める。これらの平均を平均結晶粒径とする。上述の方法で求めた膜断面の平均結晶粒径が100nm以下であれば、それは本発明で定義した平均結晶粒径である。
【0014】
また、発光層膜の密度が95%以上であるというのは次の定義による。膜密度は膜の屈折率から求める。膜屈折率をnとすると、nはn=P(n−1)+1で与えられる。Pが密度である。nは膜の実質的な理論密度である。基板や絶縁膜などをフッ酸で剥いで分光学的に発光層膜の屈折率を求め、屈折率から密度が計算される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の無機薄膜EL素子は発光層膜の膜組織が平均結晶粒径100nm以下の微小結晶からなっており、膜の密度が95%以上であることから、絶縁膜界面で発生した電子の移動が阻害されることなくスムーズに流れ、また、発光膜内で発生した400〜700nmの可視光が散乱されることなく放出されるので、EL素子から明るい発光が得られ、発光効率に優れている。平均結晶粒径が100nm以下になると、可視光の散乱が小さくなる。それは、散乱中心の大きさ(平均結晶粒径)が光の波長の1/3以下ではレーリー散乱が主体となり、これは粒径が小さくなればなるほど散乱が小さくなることを示している。可視域における最短波長400nmの1/3は、約100nmである。このような理由により平均結晶粒径を100nm以下とすることで散乱が少なく、明るいEL素子が得られることになる。
【0016】
そして、本発明の無機薄膜EL素子は、AD法により作製されたものであり、AD法は結晶性の高い微粒子原料を高速で基板に吹き付けて成膜する方法であって、成膜後でも結晶性が高く高密度な膜となっているので成膜後のアニール処理が不要か低温のアニールで十分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の無機薄膜EL素子は、典型的には図1に示すような二重絶縁型無機薄膜EL素子10として表すことができる。図1の構造は、下からガラス基板1、透明導電膜2、第一の絶縁層膜3、発光層膜4、第二の絶縁層膜5、背面電極6である。
【0018】
発光層膜4は10V/cm程度の電界で電子が流れる半導体である。発光層膜4を上下から挟んでいる第一の絶縁層膜3、第二の絶縁層膜5は、既に述べたように、素子の絶縁破壊を起こすことなく高い電界を発光層膜4に印加させる必要がある。このため2つの絶縁層膜3、5には高い絶縁破壊電界を有する材料が使用される。絶縁層膜3、5の膜厚が同じなら比誘電率が大きい絶縁層膜材料ほど発光層膜4に印加される電界は大きくなるのでEL素子の低電圧駆動には有利であるが、通常は絶縁破壊に対する蒸着膜の信頼性や蒸着後のアニール温度などを考慮して決められる。例えば絶縁層膜に比誘電率8、厚さ300〜500nmのAl2O3を用いた場合、両電極間に200〜300Vの交流電圧を印加すると、1000nmの膜厚の発光層膜4(比誘電率8)には1〜2MV/cmの電界が印加されることになるので、EL発光には十分となる。
【0019】
第一の絶縁層膜3、第二の絶縁層膜5には、絶縁破壊に対する高い信頼性と低いアニール温度が求められる。第一および第二の絶縁層膜にもAD法を適用することが可能であり、またこれで優れたEL素子を製作できる。AD法を用いることで無秩序に配向した、いろいろな粒径の多結晶膜を任意に作製することが可能である。
【0020】
発光層膜4であるZn2SiO4:Mn原料の平均結晶粒径を0.005〜5μm、また搬送ガス(空気)の速度を0.1〜2mm/sの間でいろいろ変化させ、種々の粒径のZn2SiO4:Mn発光層膜4のEL素子を作製した。第一の絶縁層膜3、第二の絶縁層膜5はAD法で作製した厚さ300nmであり作製条件は一定である。このように発光層膜の粒径を変え作製したEL素子の発光輝度と寿命の変化を図2に示す。点灯は250V−1000Hzの正弦波交流で行なった。本発明における寿命とは発光輝度が初期輝度の50%に低下した時の時間をEL素子の寿命とした。平均結晶粒径が100nm以下付近から発光輝度が向上し、また寿命も長くなっているのがわかる。
【0021】
なぜこのように発光層膜の膜組織や膜密度がEL素子の発光輝度や寿命に影響を与えるのか詳細は不明であるが、以下のように考えられる。
本発明の無機薄膜EL素子は、発光層膜を構成する多結晶粒子の平均結晶粒径が100nm以下とすることにより、発光層膜中で発生したEL光がすべて直線透過光となり散乱損失なく外部に放出されるので極めて効率が高くなると考えられ、また、膜の密度を95%以上とすることで結晶粒界面における結晶格子の乱れを最小限に抑えられ、発光層膜中を流れる電子を損失なくスムーズに流すことができ、発光効率を高めることができるものと考えられる。また、細孔のほとんどない緻密な膜とすることで空気中の水分の透過や吸収を最大限抑制することが出来るので発光寿命を延ばすことができると考えられる。図3にはガラス基板上に成膜した膜組織について、従来方法である真空蒸着法で作製した膜組織(図3(a))とAD法を使用した膜組織(図3(b))を模式図的に示す。従来法ではガラス基板1上に柱状晶7が垂直に成長し、比較的粗い組織となるが、AD法では、微小結晶8が緻密に充填した組織となる。
【実施例1】
【0022】
本発明の実施例を、AD法を用いて成膜したEL素子について示す。図4にAD法を行うAD法成膜装置20の概略の構成図を示し、それを用いて以下に成膜法について説明する。このAD法成膜装置20は、細い搬送管29で接続されたエアロゾル発生器22と成膜チャンバー21から構成され、成膜チャンバー21は排気ポンプ23で50〜1000Pa前後に減圧される。原料であるドライな微粒子、超微粒子材料はエアロゾル発生器22内で高圧ガスボンベ26からのガス(例えば空気)と攪拌・混合してエアロゾル化され、エアロゾル発生器22と成膜チャンバー21の圧力差により生じるガスの流れにより成膜チャンバー21内に搬送、スリット状のノズル25を通して加速、被コート基板24に噴射し成膜される。27はガス配管、28は排気管である。
【0023】
透明導電膜であるITOを別にスパッタ法で被膜形成したガラス基板に、第一の絶縁層膜として、Al2O3をAD法で被膜形成した。Al2O3の被膜形成条件は、サブミクロン粒径のAl2O3をエアロゾル発生器内に充填した後、乾燥空気を流量3リットル/分でエアロゾル発生器に導入しAl2O3微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを発生させ、このエアロゾルを数kPaの圧力に保った薄膜形成室に搬入しITOの被膜を形成したガラス基板上に厚さ300nmになるように吹き付けした。
【0024】
この上に発光層膜を同じくAD法を用いて被膜形成した。被膜はZn2SiO4:Mn(2at%Mn)およびZnS:Mn(2at%Mn)の二種類である。原料のZn2SiO4:MnとZnS:Mnは、結晶性のよいZn2SiO4:MnとZnS:Mnになるまで高温で焼成した後、サブミクロン粒子まで粉砕したものである。これをAl2O3と同じ条件で1μmの厚さに被膜形成した。さらにその上に第二の絶縁層膜としてAl2O3をやはり同じ条件で300nmの厚さに被膜形成した。
【0025】
被膜形成後、アルゴン雰囲気中でZn2SiO4:Mnでは300℃1時間、ZnS:Mnでは200℃で1時間のアニール処理した。アニール温度はEL発光を始める最も低い温度に決めた。最後にAl金属電極を真空蒸着法で被膜形成した。Zn2SiO4:MnとZnS:Mn発光層膜のいずれも平均結晶粒径が約50nmの微小結晶組織からなっており、また密度も95%以上であった。最高発光輝度はZn2SiO4:Mnで、6000Cd/m2であり、ZnS:Mnで、40000Cd/m2であった。
【実施例2】
【0026】
比較のために従来の製作法であるスパッタ法(Zn2SiO4:Mn)と真空蒸着法(ZnS:Mn)で発光層膜を膜厚1μmで作製した。アニール温度は、アルゴン雰囲気中でZn2SiO4:Mnでは800℃1時間、ZnS:Mnでは600℃1時間であった。これらの膜組織はいずれも太さが300nm程度の柱状晶であり、また密度が約85%と比較的粗い組織であった。第一および第二の絶縁層膜のAl2O3は実施例1と同じAD法で作製した。透明導電膜はITOをターゲットとしてAr雰囲気下でスパッタにより成膜した。最高発光輝度はZn2SiO4:Mnで、3500Cd/m2であり、ZnS:Mnで、20000Cd/m2であった。
大きな結晶粒組織からなる従来方法によるEL素子では、微小結晶組織からなるEL素子と比べ、また発光輝度は半分程度と低いものであった。
1は本発明の無機薄膜EL素子の構造を表したものである。
なお、発光層膜と同様にして絶縁層膜をAD法で成膜すると、絶縁層膜の信頼性が向上するという利点がある。また、透明導電膜をAD法で成膜すると、蒸着の速度が速くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の無機薄膜EL素子の構造を表す。
【図2】平均結晶粒径と発光輝度および密度と発光輝度および寿命との関係を示す。
【図3】この発明の発光層膜と従来の発光層膜の微細組織を比較して表す。
【図4】本発明で使用したAD法の装置概略を示す。
【図5】従来の無機薄膜EL素子の構造を表す。
【符号の説明】
【0028】
1 ガラス基板
2 透明導電膜
3 第一の絶縁層膜
4 発光層膜
5 第二の絶縁層膜
6 背面電極
7 柱状晶
8 微小結晶
10 無機薄膜EL素子
20 AD法成膜装置
21 成膜チャンバー
22 エアロゾル発生器
23 排気ポンプ
24 被コート基板
25 ノズル
26 高圧ガスボンベ
27 ガス配管
28 排気管
29 搬送管
30 無機薄膜EL素子
31 ガラス基板
32 透明導電膜
33 第一の絶縁層膜
34 発光層膜
35 第二の絶縁層膜
36 背面電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板上に透明導電膜を備え、該透明導電膜の上に第一の絶縁層膜を備え、該第一の絶縁層膜の上に、無機発光物質を含む発光層膜を備え、該発光層膜表面を覆い形成された第二の絶縁層膜を備え、該第二の絶縁層膜の上に背面電極を備えた無機薄膜EL素子において、
該発光層膜の膜組織が平均結晶粒径100nm以下の微小結晶からなっており、膜の密度が95%以上であることを特徴とする無機薄膜EL素子。
【請求項2】
前記発光層膜はエアロゾルデポジッション法を用いて作製されたことを特徴とする請求項1に記載の無機薄膜EL素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−134691(P2006−134691A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321729(P2004−321729)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】