説明

無線通信システムおよび基地局

【課題】基地局が非同期状態になっても干渉の発生を抑制する。
【解決手段】無線通信システムはネットワークを介して互いに接続されている複数の基地局20を有する。基地局20は制御部22、ネットワークI/F24、および無線リソース割当部23を有する。制御部22は隣接局と同期が取れているか否かを監視する。ネットワークI/F24は自局が同期状態から外れている場合に隣接局に同期外れを通知する。無線リソース割当部23は自局のセル内の無線端末に自局と隣接局との間で共通する第1、第2の共通帯域を少なくとも含む周波数帯域の中から無線リソースを割当て可能である。制御部22は自局が同期状態から外れている場合に第1の共通帯域の中から無線リソースを割当てさせる。制御部22は隣接局が同期状態から外れている場合に第2の共通帯域以外の帯域の中から無線リソースを割当させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムおよび基地局に関するものである。
【背景技術】
【0002】
WiMAX、AXGP、およびTD−LTEのような近年のOFDMA(直交周波数分割多元接続)方式の通信システムにおいては、周波数リユース1が適用されており、全セルで同じ周波数帯域が利用されている。このような周波数リユース1の適用下において、セル間の境界に位置する無線端末が基地局から受信する信号は、当該基地局に隣接する隣接基地局からの信号により干渉を受ける。
【0003】
そこで、FFR(Fractional Frequency Reuse)などの干渉回避方法が提案されている(特許文献1参照)。図6、7を用いて、周波数軸方向のFFRの適用による干渉回避方法の一例を説明する。図6は、第1〜第3の基地局20a〜20cのセル配置の例を示す図である。図7は、TDD(Time Division Duplex)方式におけるDL(Down Link)サブフレームの無線リソースの分割方法を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−074469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6に示すように、基地局20a〜20cの中心領域caにおいては、どの基地局20a〜20cでも同じ周波数帯域(F1+F2+F3)が無線リソースに用いられる。一方、セルcが相互に重なる周辺領域saにおいては、基地局20a〜20c毎に異なる周波数帯域が用いられる。例えば、第1〜第3の基地局20a〜20cでは、それぞれ3分割した第1〜第3の周波数帯域F1、F2、F3が無線リソースに用いられる。
【0006】
図7に示すように、中央領域ca内に位置する無線端末に対しては、共通ゾーンにおいて全基地局に共通する周波数帯域(F1+F2+F3)の中から無線リソースが割当てられる。また、周辺領域saに位置する無線端末に対しては、分割ゾーンにおいて基地局毎に異なる周波数帯域(F1、F2、およびF3のいずれか)の中から無線リソースが割当てられる。
【0007】
このような無線リソースの分割方法を適用することにより、周辺領域saに位置する無線端末において干渉の発生を抑えることが可能である。また、中心領域caでは、第1〜第3の基地局すべてにおいて共通する周波数帯域(F1+F2+F3)を無線リソースに用いることが出来るので、周波数ダイバーシティを最大限活用することも可能であり、受信性能が改善される。
【0008】
しかし、上述の無線リソースの分割方法を実行するためには、共通ゾーンおよび分割ゾーンの期間を他の基地局と合わせる必要がある。したがって、複数の基地局を同期させることが必要である。
【0009】
複数の基地局を同期させるために、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの基準信号が用いられている。各基地局において、基準信号に基づいて同期が行われている。
【0010】
しかし、基準信号の受信に失敗するなどの理由により、同期を維持できないことが生じ得る。同期していない基地局と正常な基地局との間では共通ゾーンと分割ゾーンの期間がずれるため干渉が発生し得る。
【0011】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、基地局間での同期が崩れた場合においても干渉の発生を抑制可能な無線通信システムおよび基地局を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した諸課題を解決すべく、本発明による無線通信システムは、
ネットワークを介して互いに接続された複数の基地局を有して構成される無線通信システムであって、
前記基地局は、それぞれ
自局が相互にセルの一部が重なる隣接局と同期状態にあるか否かを監視する同期監視部と、
自局が同期状態から外れていると同期監視部に判別された場合に相互にセルの一部が重なる隣接局に同期外れを通知する通知部と、
自局のセル内の無線端末に、自局と隣接局との間で共通する第1、第2の共通帯域を少なくとも含む周波数帯域の中から無線リソースを割当て可能な割当部と、
自局が同期状態から外れている場合には割当部に第1の共通帯域の中から無線リソースを割当てさせ、隣接局が同期状態から外れていることを通知された場合には割当部に第2の共通帯域以外の帯域の中から無線リソースを割当させる制御部とを有する
ことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明による基地局はは、
ネットワークを介して互いに接続され得る基地局であって、
自局が相互にセルの一部が重なる隣接局と同期状態にあるか否かを監視する同期監視部と、
自局が同期状態から外れていると同期監視部に判別された場合に相互にセルの一部が重なる隣接局に同期外れを通知する通知部と、
自局のセル内の無線端末に、自局と隣接局との間で共通する第1、第2の共通帯域を少なくとも含む周波数帯域の中から無線リソースを割当て可能な割当部と、
自局が同期状態から外れている場合には割当部に第1の共通帯域の中から無線リソースを割当てさせ、隣接局が同期状態から外れていることを通知された場合には割当部に第2の共通帯域以外の帯域の中から無線リソースを割当させる制御部とを備える
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成された本発明に係る無線通信システムによれば、同期から外れた基地局は第1の共通帯域の中から無線リソースを割当て、当該基地局の隣接局は第1の共通帯域以外の帯域の中から無線リソースの割当てを行うので、干渉の発生を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信システムにおける各基地局のセルの範囲を示す基地局の配置図である。
【図2】図1の無線通信システムにおいて第3の基地局が非同期状態である場合における各基地局で用いる周波数帯域を示す図である。
【図3】図1の無線通信システムにおいて、第3の基地局が非同期状態である場合における無線リソースの分割方法を示す図である。
【図4】図1の基地局の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】図1の基地局の制御部によって実行される割当方法決定処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の無線通信システムにおいて全基地局が同期状態である場合における各基地局で用いる周波数帯域を示す図である。
【図7】図1の無線通信システムにおいて、全基地局が同期状態である場合における無線リソースの分割方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した無線通信システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略的な通信ネットワーク図である。無線通信システムは、複数の基地局20を有して構成される。基地局20からはセルcの範囲内に電波が届く。任意の基地局20のセルcに対し隣接する基地局20のセルcの一部が重なり合うように、基地局20は配置される。このようなセルcが重なり合う領域では、対応する何れの基地局20とも無線端末(図示せず)は通信可能である。
【0018】
以下、任意の基地局20に対して、セルcの一部が重なり合う他のセルcを隣接局とする。互いに隣接局となる第1〜第3の基地局20を用いて、各基地局20で実行される無線リソースの割当て方法について説明する。
【0019】
図2に示すように、第1〜第3の基地局20a〜20cのセルc1〜c3は、中心領域caと周辺領域saとに分けられる。中心領域caは基地局20を含み、他の何れの隣接局のセルcと重なり合いを有さない領域である。また、周辺領域saは、中心領域caとセルcの外縁との間の領域である。
【0020】
後述するように、第1〜第3の基地局20a〜20cは、自局および隣接局が同期状態であるか否かに応じて、通信方法を切替える。なお、同期状態であるとは、他の基地局20とDLサブフレームおよびULサブフレームの期間や、後に説明するDLサブフレームにおける共通ゾーンおよび分割ゾーンの期間が一致した状態を言う。
【0021】
自局および隣接局が同期状態である場合の通信方法について説明する。図6に示すように、自局および隣接局が同期状態である場合には、第1〜第3の基地局20a〜20cのいずれにおいても、中心領域ca内の無線端末に対して第1〜第3の周波数帯域(F1+F2+F3)の中から無線リソースが割当てられる。また、第1の基地局20aにおいて、周辺領域sa内の無線端末に対して第1の周波数帯域F1の中から無線リソースが割当てられる。また、第2の基地局20bにおいて、周辺領域sa内の無線端末に対して第2の周波数帯域F2の中から無線リソースが割当てられる。また、第3の基地局20cにおいて、周辺領域sa内の無線端末に対しては第3の周波数帯域F3の中から無線リソースが割当てられる。
【0022】
自局および隣接局が同期状態である場合における無線リソースの割当てについて、詳細に説明する。図7に示すように、共通ゾーンの期間中に各基地局20において中心領域ca内の無線端末と第1〜第3の周波数帯域(F1+F2+F3)を用いて無線通信が行われる。全基地局20で同じ周波数帯域を用いるものの、中心領域ca内の無線端末には他の基地局20からの電波が到達しないので、干渉の生じる可能性は比較的低い。
【0023】
一方、分割ゾーンの期間中には、第1の基地局20aにおいて周辺領域sa内の無線端末と第1の周波数帯域F1を用いて無線通信が行われる。また、第2の基地局20bにおいて周辺領域sa内の無線端末と第2の周波数帯域F2を用いて無線通信が行われる。また、第3の基地局20cにおいて周辺領域sa内の無線端末と第3の周波数帯域F3を用いて無線通信が行われる。周辺領域sa内の無線端末は複数の基地局20と無線通信が可能であるが、用いられる周波数帯域が異なるので、干渉の生じる可能性は低い。
【0024】
次に、一部の基地局20が同期状態から外れた場合の通信方法について説明する。図2に示すように、同期状態から外れた基地局(図2においては、第3の基地局20cとする)においては、中心領域caおよび周囲領域sa内の無線端末に対して第3の周波数帯域F3(第1の共通帯域)の中から無線リソースが割当てられる。一方、自局は同期状態でありながら隣接局が同期状態でない基地局20(図2においては、第1、第2の基地局20a、20b)においては、中心領域ca内の無線端末に対して第1、第2の周波数帯域F1、F2の中から無線リソースが割当てられる。
【0025】
なお、隣接局が同期状態から外れた場合であっても自局の同期が保たれている場合には、周辺領域sa内の無線端末に対して割当て可能な周波数帯域は、自局およびすべての隣接局が同期状態である場合の周波数帯域と同じである。すなわち、第1の基地局20aの周辺領域sa内の無線端末に対して第1の周波数帯域F1の中から無線リソースが割当てられ、第2の基地局20bの周辺領域sa内の無線端末に対して第2の周波数帯域F2の中から無線リソースが割当てられる。
【0026】
自局および隣接局のいずれかが同期状態でない場合における無線リソースの割当てについて、詳細に説明する。図3に示すように、共通ゾーンの期間中には、同期状態である第1、第2の基地局20a、20bにおいて中心領域caの無線端末と第1、第2の周波数帯域(F1+F2)を用いて無線通信が行われる。第3の基地局20cは共通ゾーンと分割ゾーンとを区別することなく、中心領域caの無線端末と第3の周波数帯域F3を用いて無線通信が行われる。
【0027】
第1、第2の基地局20a、20b間においては、自局および隣接局が同期状態である場合と同様に、干渉の生じる可能性は比較的低い。また、第1、第2の基地局20a、20bの少なくとも一方と第3の基地局20c間では、用いる周波数の帯域が異なるので干渉の生じる可能性は低い。
【0028】
一方、分割ゾーンの期間中には、自局および隣接局が同期状態である場合と同様に、第1の基地局20aにおいて周辺領域sa内の無線端末と第1の周波数帯域F1を用いて無線通信が行われる。また、第2の基地局20bにおいて周辺領域sa内の無線端末と第2の周波数帯域F2を用いて無線通信が行われる。前述のように、第3の基地局20cは共通ゾーンと分割ゾーンとを区別することなく、周辺領域saの無線端末と第3の周波数帯域F3を用いて無線通信が行われる。前述のように、周辺領域sa内の無線端末は複数の基地局20と無線通信が可能であるが、用いられる周波数帯域が異なるので、干渉の生じる可能性は低い。
【0029】
次に、基地局20の内部構成について説明する。図4に示すように、基地局20は、無線通信部21、制御部22(同期監視部、制御部)、無線リソース割当部23、およびネットワークインターフェース(I/F)24(通知部)などによって構成される。
【0030】
無線通信部21は、基地局アンテナ26を介して、セルc内の無線端末と音声データなどの様々なデータなどを無線信号として送受信する。また、GPS衛星(図示せず)から発せられる基準信号や無線端末から発せられる位置信号を受信する。
【0031】
制御部22は、自局の各部位の動作を制御する。例えば、制御部22は無線通信部21およびネットワークI/F24を制御して、無線通信部21が受信した無線信号をネットワークI/F24および通信ネットワーク11を介して他局に送信させる。また、他局から受信した信号を、無線通信部21を介して無線端末に送信させることが可能である。
【0032】
図3に示したように、無線通信には第1〜第3の周波数帯域(F1+F2+F3)が無線リソースに用いられる。無線リソース割当部23によって、無線端末毎に無線リソースが割当てられる。
【0033】
無線リソースの割当は、制御部22によって制御される。制御部22は、自局および隣接局が同期状態であるか否か、同期状態においては共通ゾーンまたは分割ゾーンのいずれの期間であるか、および通信を行う無線端末が中心領域caおよび周辺領域saに位置するかに応じて無線リソースの割当を制御する。
【0034】
自局が同期状態であるか否かは、制御部22によって判別される。制御部22は、無線通信部21から送信される基準信号の有無に基づいて判別する。基準信号が受信された場合には、自局が同期状態であると判別される。基準信号が受信されない場合には、非同期状態にあると判別される。
【0035】
同期状態であることを認識すると、制御部22は同期状態に対応した割当方法で無線リソースの割当を実行させる。一方、非同期状態であることを認識すると、制御部22は非同期状態であることに対応した割当方法で無線リソースの割当を実行させる。
【0036】
また、非同期状態であることを認識すると、制御部22はネットワークI/F24を制御して、隣接局の制御部22に送信する。したがって、隣接局が非同期状態である場合には、非同期状態であることが隣接局から通知されることにより、各基地局20の制御部22は隣接局が非同期状態であることを認識可能である。さらに、非同期状態から同期状態に回復したことを認識すると、制御部22は隣接局の制御部22に同期状態が回復したことを通知する。
【0037】
制御部22は、受信した基準信号により自局の同期状態を維持させる。維持された同期状態においてサブクレームにおける共通ゾーンおよび分割ゾーンの期間が認識され、それぞれの期間に応じた無線リソースの割当を、制御部22は無線リソース割当部23に実行させる。
【0038】
また、制御部22には無線通信部21が受信する無線端末の位置が通知される。自局のセルc内の無線端末の位置に応じて、共通ゾーンおよび分割ゾーンのいずれかに割当てられる。
【0039】
続いて、各基地局20の制御部22によって実行される割当方法決定処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
ステップS101において、制御部22は無線リソースに用いる周波数帯域を第1〜第3の周波数帯域(F1+F2+F3)に決定する。周波数帯域の決定後、ステップS102に進む。
【0041】
ステップS102では、制御部22は自局が同期状態であるか否かを判別する。なお、前述のように、制御部22は基準信号の受信の有無に基づいて同期状態であるかを判別する。同期状態である場合には、ステップS103に進む。
【0042】
ステップS103では、制御部22は何れかの隣接局が同期状態であるか否かを判別する。なお、前述のように、制御部22は隣接局からの通知に基づいて、隣接局が同期状態であるかを判別する。すべての隣接局が同期状態である場合には、ステップS101に戻る。何れか一つでも隣接局が非同期状態である場合には、ステップS104に進む。
【0043】
ステップS104では、制御部22は無線リソースに用いる周波数帯域から、非同期状態である隣接局専用に定められた周波数帯域を除外する。すなわち、隣接局用の周波数帯域以外の帯域を無線リソースに用いることを決定する。周波数帯域の決定後、ステップS105に進む。
【0044】
ステップS105では、制御部22は隣接局における非同期状態が回復したか否かを判別する。なお、前述のように、制御部22は隣接局からの通知に基づいて、同期状態に回復したか否かを判別する。隣接局が非同期状態のままである場合には、同期状態になるまでステップS105を繰返し、待ち状態となる。一方、同期状態に回復した場合には、ステップS101に戻る。
【0045】
ステップS102において自局が非同期状態であると判別された場合には、ステップS106に進む。ステップS106では、制御部22は自局が非同期状態であることを隣接局に通知する。隣接局への通知後、ステップS107に進む。
【0046】
ステップS107では、制御部22は自局専用に定められた周波数帯域を無線リソースに用いることを決定する。周波数帯域の決定後、ステップS108に進む。
【0047】
ステップS108では、制御部22は自局の非同期状態が回復したか否かを判別する。非同期状態が維持されている場合には、同期状態になるまでステップS108を繰返し、待ち状態となる。一方、同期状態に回復した場合には、ステップS109に進む。
【0048】
ステップS109では、制御部22は自局が同期状態に回復したことを隣接局に通知する。隣接局への通知後、ステップS101に戻る。
【0049】
以上のような構成の本実施形態の無線通信システムによれば、基地局20の同期が外れた場合には、外れた基地局20専用の周波数帯域を無線リソースに用い、隣接局では当該基地局20専用の周波数帯域以外の帯域を無線リソースに用いるので、干渉の発生を抑制することが可能である。
【0050】
また、非同期状態の基地局20および隣接局それぞれが無線リソースに使用可能な周波数帯域は、全基地局20が同期状態であるときに比べて狭小化する。しかし、本実施形態では、同期状態の回復時に使用する周波数帯域を戻すので、狭小化による周波数ダイバーシティが不十分となるなどの不利益の発生を限定的に抑えることが可能である。
【0051】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0052】
例えば、上記実施の形態では、第1〜第3の基地局20a〜20cが相互に隣接する基地局20であると仮定して無線リソースの割当を説明したが、任意の基地局20に隣接する基地局20は2つに限定されない。1または3以上の基地局20が隣接局となり得る。
【0053】
また、本実施形態では、GPS衛星から受信する基準信号に基づいて、基地局20の同期状態を維持する構成であるが、従来公知の他の手段によって基地局20の同期状態を維持する構成であってもよい。
【0054】
また、本実施形態では、相互に隣接局となる基地局20すべてが同期状態である場合に、無線リソースに用いる周波数帯域は全基地局20で同じ(F1+F2+F3)である構成だが、共通する帯域を含めば基地局20毎に異なっていてもよい。
【0055】
例えば、第1の基地局における無線リソースに用いる周波数帯域が(F1+F2+F3)であって、第2の基地局における無線リソースに用いる周波数帯域が(F2+F3+F4)であってもよい。このような構成において第1の基地局が同期状態から外れた場合には、第1の基地局ではF2の帯域から無線リソースを割当て、第2の基地局ではF2以外の帯域から無線リソースを割当てれば、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
10 無線通信システム
20 基地局
20a〜20c 第1〜第3の基地局
22 制御部
23 無線リソース割当部
24 同期監視部
24 ネットワークインターフェース(I/F)
c セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して互いに接続された複数の基地局を有して構成される無線通信システムであって、
前記基地局は、それぞれ
自局が相互にセルの一部が重なる隣接局と同期状態にあるか否かを監視する同期監視部と、
前記自局が同期状態から外れていると前記同期監視部に判別された場合に前記相互にセルの一部が重なる隣接局に同期外れを通知する通知部と、
前記自局のセル内の無線端末に、前記自局と前記隣接局との間で共通する第1、第2の共通帯域を少なくとも含む周波数帯域の中から無線リソースを割当て可能な割当部と、
前記自局が同期状態から外れている場合には前記割当部に前記第1の共通帯域の中から無線リソースを割当てさせ、前記隣接局が同期状態から外れていることを通知された場合には前記割当部に前記第2の共通帯域以外の帯域の中から無線リソースを割当させる制御部とを有する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
ネットワークに接続され得る基地局であって、
自局が相互にセルの一部が重なる隣接局と同期状態にあるか否かを監視する同期監視部と、
前記自局が同期状態から外れていると前記同期監視部に判別された場合に前記相互にセルの一部が重なる隣接局に同期外れを通知する通知部と、
前記自局のセル内の無線端末に、前記自局と前記隣接局との間で共通する第1、第2の共通帯域を少なくとも含む周波数帯域の中から無線リソースを割当て可能な割当部と、
前記自局が同期状態から外れている場合には前記割当部に前記第1の共通帯域の中から無線リソースを割当てさせ、前記隣接局が同期状態から外れていることを通知された場合には前記割当部に前記第2の共通帯域以外の帯域の中から無線リソースを割当させる制御部とを備える
ことを特徴とする基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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