説明

焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器

【課題】焦電体が還元ガスにより還元されて焦電効果を失することを防止することができる焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】基体100より突出するスペーサー部材104に支持される支持部材210に支持される焦電型検出素子を有し、焦電型検出素子は第1電極234と第2電極236と第1,第2電極間に配置された焦電体232とを含むキャパシター230を有し、熱型検出素子はキャパシターの表面を覆う絶縁層250と絶縁層が第2電極と対面する位置に形成された第2開口部252と開口部に埋め込まれたプラグ226と絶縁層上に形成され第2電極にプラグを介して接続される第2電極配線層224と絶縁層とキャパシターとの間に形成された第1開口部を有する第1還元ガスバリア層240と少なくともプラグを覆って層間絶縁層及び第2電極配線層上に形成された第2還元ガスバリア層260を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
熱型検出器として、焦電型の赤外線検出器が知られている。焦電型赤外線検出器は、受光した赤外線の光量に応じた焦電体の温度変化によって焦電体の自発分極量が変化すること(焦電効果またはパイロ電子効果)を利用して焦電体の両端に焦電流(分極量変化による表面電荷量変化)を生じさせ、赤外線を検出している。焦電型赤外線検出器は、ボロメーター型赤外線検出器と比較して、製造工程が複雑である反面、検出感度が優れるという利点がある。
【0003】
焦電型赤外線検出器は、上部電極と下部電極とに接続された焦電体から成るキャパシターを含む赤外線検出素子を有し、電極や焦電体の材料や電極配線構造に関して、各種の提案がなされている(特許文献1)。
【0004】
また、赤外線検出素子はメンブレン(支持部材)に搭載され、赤外線検出器を形成する基体とメンブレンの間には空洞部が形成されることで、赤外線検出素子は基体から熱分離される。
【0005】
焦電体は酸化物であり、検出器の製造工程中や使用時に焦電体が還元ガスにより還元されると、焦電効果を失することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−104062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の幾つかの態様によれば、焦電体が還元ガスにより還元されて焦電効果を失することを防止することができる焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る焦電型検出器は、基体と、第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含む支持部材と、前記基体に接続して設けられ、前記基体と前記支持部材の前記第2面との間に空洞部が形成されるように前記支持部材を支持するスペーサー部材と、前記支持部材の前記第1面に支持される焦電型検出素子と、を有し、前記焦電型検出素子は、前記支持部材に搭載される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1,第2電極間に配置された焦電体と、を含むキャパシターと、前記キャパシターの少なくとも前記第2電極、および前記焦電体を覆い、かつ平面視で前記第2電極と重なる位置にて第1開口部を有する第1還元ガスバリア層と、少なくとも前記第1還元ガスバリア層を覆い、かつ平面視で前記第1還元ガスバリア層の第1開口部と重なる位置にて第2開口部を有する絶縁層と、前記第1還元ガスバリア層の第1開口部および前記絶縁層の第2開口部に配置され前記第2電極に接続されるプラグと、前記絶縁層上に形成され、前記プラグに接続される第2電極配線層と、少なくとも前記プラグを覆って前記絶縁層及び前記第2電極配線層上に形成された第2還元ガスバリア層と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様によれば、キャパシターを覆う第1還元ガスバリア層は、層間絶縁層(絶縁層)の形成時にはホール(第1開口部)がなく閉じているので、層間絶縁層の形成中の還元ガスがキャパシターに侵入することはない。しかし、第1還元ガスバリア層に第1開口部が形成された後は、バリア性が劣化する。これを防止するために、第2還元性ガスバリア層260を増設している。第2還元性ガスバリア層は、第1開口部の形成により第1還元ガスバリア層が欠如することによるバリア性の劣化を補償するものである。よって、第2還元性ガスバリア層は少なくとも第1,第2開口部に充填されるプラグを覆って形成されれば良い。
【0010】
本発明の一態様では、前記第2還元ガスバリア層は、前記第1還元ガスバリア層を覆って前記絶縁層及び前記第2電極配線層上に形成されてもよい。還元ガスの回り込みを抑止するためには、第1還元ガスバリア層を覆って広範囲に第2還元ガスバリア層が形成されるのが良い。
【0011】
本発明の一態様では、前記第2還元ガスバリア層は前記第1還元ガスバリア層よりも薄くすることができる。
【0012】
第2還元ガスバリア層を薄く形成することで、光吸収層として機能する層間絶縁層に光を透過させる機能を担保し、あるいはキャパシターの熱の放出に寄与させないようにすることができる。
【0013】
本発明の一態様では、前記焦電型検出素子は、光入射方向にて前記第2還元ガスバリア層よりも上流側となる領域に形成された光吸収部材をさらに含み、前記第2還元ガスバリア層は、前記絶縁層と前記光吸収部材との間に形成することができる。
【0014】
これにより、第2還元ガスバリア層が広範囲に形成されるので、還元ガスの回り込みを抑止することができる。また、光吸収部材をエッチングする時に用いられる還元ガスが焦電体側に導かれることを、第2還元ガスバリア層で遮断することができる。
【0015】
本発明の一態様では、前記焦電型検出素子は、前記光吸収部材を覆って形成された第3還元ガスバリア層をさらに含み、前記第3還元ガスバリア層は前記第2還元ガスバリア層よりも厚くすることができる。
【0016】
第3還元ガスバリア層は光吸収部材に光を導く透過性が担保される必要はあるが、支持部材等の形状加工時のエッチングストップ層として機能させるために、第2還元ガスバリア層よりも厚くされる。
【0017】
本発明の一態様では、前記第1、第2及び第3還元ガスバリア層は、酸化アルミニウムで形成することができる。
【0018】
シリコン窒化層等の他の層でも還元ガスバリア層としての機能を発揮できるが、厚く形成しないと効果が少なくなる。上述した第1〜第3還元ガスバリア層の厚さの関係を維持しつつ、第2還元ガスバリア膜に求められる薄さを達成するには、酸化アルミニウムが好適である。
【0019】
本発明の他の態様に係る焦電型検出装置は、上述した焦電型検出器が交差する二つの直線方向に沿って二次元配置して構成される。この焦電型検出装置は、各セルの焦電型検出器にて検出感度が高められるので、明瞭な光(温度)分布画像を提供できる。
【0020】
本発明のさらに他の態様に係る電子機器は、上述した焦電型検出器または焦電型検出装置を有し、1セル分または複数セルの焦電型検出器をセンサーとして用いることで、光(温度)分布画像を出力するサーモグラフィー、車載用ナイトビジョンまたは監視カメラの他、物体の物理情報の解析(測定)を行う物体の解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場などに設けられるFA(Factory Automation)機器などに最適である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る焦電型赤外線検出装置の1セル分の焦電型検出器の概略断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る焦電型赤外線検出装置の概略平面図である。
【図3】段差のある支持部材の比較例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る焦電型赤外線検出器のキャパシターと支持部材の拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る焦電型赤外線検出装置の1セル分の焦電型検出器の概略断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る焦電型赤外線検出装置の1セル分の焦電型検出器の概略断面図である。
【図7】焦電型検出器または焦電型検出装置を含む赤外線カメラ(電子機器)のブロック図である。
【図8】赤外線カメラを含む運転支援装置(電子機器)を示す図である。
【図9】図7に示す赤外線カメラを前部に搭載した車両を示す図である。
【図10】赤外線カメラを含むセキュリティー機器(電子機器)を示す図である。
【図11】図10に示すセキュリティー機器の赤外線カメラ及び人感センサーの検知エリアを示す図である。
【図12】図7に示すセンサーデバイスを含む、ゲーム機器に用いられるコントローラーを示す図である。
【図13】図12に示すコントローラーを含むゲーム機器を示す図である。
【図14】赤外線カメラを含む体温測定装置(電子機器)を示す図である。
【図15】図7のセンサーデバイスをテラヘルツセンサーデバイスとして用い、テラヘルツ照射ユニットと組み合わせて特定物質探知装置(電子機器)を構成した例を示す図である。
【図16】図16(A)、図16(B)は焦電型検出器を二次元配置した焦電型検出装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0023】
1.焦電型赤外線検出装置
図1に示す支持部材210及びそれに搭載される焦電型検出素子220を1セル分備えた複数セルの焦電型赤外線検出器200が、二つの直線例えば直交二軸方向に複数配列された焦電型赤外線検出装置(広義には焦電型検出装置)を、図2に示す。なお、1セル分のみの焦電型赤外線検出器にて焦電型赤外線検出装置が構成されても良い。図2において、基体100から複数のポスト104が立設され、例えば2本のポスト(スペーサー部材)104に支持された1セル分の焦電型赤外線検出器200が、直交二軸方向に配列されている。1セル分の焦電型赤外線検出器200が占める領域は、例えば30×30μmである。
【0024】
図2に示すように、焦電型赤外線検出器200は、2本のポスト104に支持された支持部材(メンブレン)210と、赤外線検出素子(広義には焦電型検出素子)220と、を含んでいる。1セル分の焦電型赤外線検出素子220が占める領域は、例えば20×20μmである。
【0025】
1セル分の焦電型赤外線検出器200は、2本のポスト104と接続される以外は非接触とされ、焦電型赤外線検出器200の下方には空洞部102(図1参照)が形成され、平面視で焦電型赤外線検出器200の周囲には、空洞部102に連通する開口部102Aが配置される。これにより、1セル分の焦電型赤外線検出器200は、基体100や他のセルの焦電型赤外線検出器200から熱的に分離されている。つまり、ポスト104は、支持部材210と基体100との間に空洞部102を形成するためのスペーサー部材として機能する。スペーサー部材としては、基体上において支持部材の側に基体面から所定の高さを有して、基体と支持部材とが接触しないように基体の一部と支持部材の第2面の一部とに接続する部材であればよい。また,スペーサー部材であるポスト104の形状は柱状に限らず、枠状、格子状等に形成しても良い。
【0026】
支持部材210は、赤外線検出素子220を搭載して支持する搭載部210Aと、搭載部210Aに連結された2本のアーム210Bとを有し、2本のアーム210Bの自由端部がポスト104に連結されている。2本のアーム210Bは、赤外線検出素子220を熱分離するために、細幅でかつ冗長に延在形成される。
【0027】
図2には支持部材210に配置される第1配線層214及び第2配線層217が示されている。第1,第2配線層214,217の各々は、アーム210Bに沿って延在され、ポスト104を介して基体100内の回路に接続される。第1,第2配線層214,217も、赤外線検出素子220を熱分離するために、細幅でかつ冗長に延在形成される。
【0028】
2.焦電型赤外線検出器の概要
図1は、図2に示す焦電型赤外線検出器200の断面図である。なお、製造工程途中の焦電型赤外線検出器200では、図1の空洞部102が犠牲層(図示せず)により埋め込まれている。この犠牲層は、支持部材210及び焦電型赤外線検出素子220の形成工程前から形成工程後まで存在しており、焦電型赤外線検出素子220の形成工程後に等方性エッチングにより除去されるものである。
【0029】
図1に示すように、基体100は、基板例えばシリコン基板110と、シリコン基板110上の絶縁層(例えばSiO)120とを含んでいる。ポスト104は、絶縁層120をエッチングすることで形成され、例えばSiOにて形成されている。このポスト104及び絶縁層120内の配線構造は、図1に示すように、複数の金属層L1A〜LICと、それらを接続する複数のプラグCNT,HLA,HLB,HLCで構成される。これらの配線は、図1に示すシリコン基板110にMOSトランジスター構造にて形成される検出回路に接続される。検出回路は、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路とを含むことができる(図16(A)にて後述する)。空洞部102は、絶縁層120をエッチングすることで、ポスト104と同時に形成される。図2に示す開口部102Aは、支持部材210をパターンエッチングすることで形成される。
【0030】
支持部材210の第1面211A上に搭載される赤外線検出素子220は、キャパシター230を含んでいる。キャパシター230は、焦電体232と、焦電体232の下面に接続される第1電極(下部電極)234と、焦電体232の上面に接続される第2電極(上部電極)236とを含んでいる。第1電極234は、支持部材210との密着性を高める密着層(図示せず)を含むことができる。
【0031】
2.1.第1還元ガスバリア層
キャパシター230は、キャパシター230の形成後の工程で還元ガス(水素、水蒸気、OH基、メチル基など)がキャパシター230に侵入することを抑制する第1還元ガスバリア層240に覆われている。キャパシター230の焦電体(例えばPZT等)232は酸化物であり、酸化物が還元されると酸素欠損を生じて、焦電効果が損なわれるからである。
【0032】
第1還元ガスバリア層240は、下層の第1バリア層と上層の第2バリア層とを含むことができる。第1バリア層は、例えば酸化アルミニウムAlをスパッタ法により成膜して形成することができる。スパッタ法では還元ガスが用いられないので、キャパシター230が還元されることはない。第2水素バリア層は、例えば酸化アルミニウムAlを例えば原子層化学気相成長(ALCVD:Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)法により成膜して形成すことができる。通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法は還元ガスを用いるが、第1層バリア層によりキャパシター230は還元ガスから隔離される。
【0033】
ここで、第1還元ガスバリア層240のトータル層厚は50〜70nm、例えば60nmとする。このとき、CVD法で形成される第1バリア層の層厚は原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成される第2バリア層よりも厚く、薄くても35〜65nm例えば40nmとなる。これに対して、原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成される第2バリア層の層厚は薄くでき、例えば酸化アルミニウムAlを5〜30nm例えば20nmで成膜して形成される。原子層化学気相成長(ALCVD)法は、スパッタ法等と比較して、優れた埋め込み特性を有するため、微細化に対応することが可能となり、第1,第2バリア層にて還元ガスバリア性を高めることができる。また、スパッタ法で成膜される第1バリア層は第2バリア層に比べて緻密ではないが、それが効を奏して伝熱率を下げる要因となるので、キャパシター230からの熱の散逸を防止できる。
【0034】
第1還元ガスバリア層240上には層間絶縁層(絶縁層)250が形成されている。一般に、層間絶縁層250の原料ガス(TEOS)が化学反応する際には、水素ガスや水蒸気等の還元ガスが発生する。キャパシター230の周囲に設けた第1還元ガスバリア層240は、この層間絶縁層250の形成中に発生する還元ガスからキャパシター230を保護するものである。
【0035】
層間絶縁層250上に、第2電極(上部電極)配線層224が配置される。つまり、層間絶縁層250は、第2電極配線層224をキャパシター230中の第1,第2電極234,236から絶縁するものである。層間絶縁層250は、焦電体232が誘電体として機能するものと異なり、電気的絶縁体として機能する。層間絶縁層250には、電極配線形成前に予め、ホール252(第2開口部)とホール254が形成される。その際、第1還元ガスバリア層240にも同様にコンタクトホール(第1開口部)が形成される。ホール252及び第1還元ガスバリア層240のコンタクトホールに埋め込まれたプラグ226により、第2電極(上部電極)236と第2電極配線層224とが導通される。
【0036】
支持部材210の第1面211A上には、第2電極配線層224と接続される中継導電層238を有することができる。ホール254に埋め込まれたプラグ228により、第2電極(上部電極)236と中継導電層238とが導通される。なお、中継導電層238は、第1電極234と同一プロセスにて、第1電極234と同一構造に形成しても良い。
【0037】
ここで、層間絶縁層250が存在しないと、第1電極(下部電極)配線層222と第2電極(上部電極)配線層224をパターンエッチングする際に、その下層の第1還元ガスバリア層240の第2バリア層244がエッチングされて、バリア性が低下してしまう。層間絶縁層250は、第1還元ガスバリア層240のバリア性を担保する上で必要である。
【0038】
層間絶縁層250は水素含有率が低いことが好ましい。そこで、層間絶縁層250はアニーリングにより脱ガス処理される。こうして、層間絶縁層250の水素含有率は、第2電極配線層224を覆うパッシベーション層270よりも低くされる。
【0039】
2.2.第2還元ガスバリア層
キャパシター230の天面の第1還元ガスバリア層240は、層間絶縁層250の形成時にはホール(第1開口部)がなく閉じているので、層間絶縁層250の形成中の還元ガスがキャパシター230に侵入することはない。しかし、第1還元ガスバリア層240にホール(第1開口部)が形成された後は、バリア性が劣化する。これを防止する一例として、好ましくは第1還元ガスバリア層240を包囲して第2還元性ガスバリア層260を増設しても良い。この第2還元性ガスバリア層260は、ホール(第2開口部)252の形成により第1還元ガスバリア層240が欠如することによるバリア性の劣化を補償するものである。よって、第2還元性ガスバリア層260は少なくともホール252に充填されるプラグ226を覆って形成されれば良いが、還元ガスの回り込みを抑止するためには第1還元ガスバリア層240を覆って形成されるのが良い。
【0040】
第2還元ガスバリア層260は、第2電極配線層224上に形成されることから、薄膜として熱を伝達して放熱させることを抑制する必要がある。加えて、層間絶縁層250が赤外線吸収効果を有することから、第2還元ガスバリア層260を薄膜として、赤外線(波長帯域は8〜14μm)を透過し易くすることが好ましい。
【0041】
このため、本実施形態では第2還元ガスバリア層260を酸化アルミニウムAlにて形成され、しかも第1還元ガスバリア層240よりも薄膜とした。このために、第2還元ガスバリア層260は、原子の大きさレベルで層厚が調整できる例えば原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成され、第2還元ガスバリア層260の層厚は例えば20nmである。上述の通り、原子層化学気相成長(ALCVD)法は、スパッタ法等と比較して、優れた埋め込み特性を有するため、微細化に対応して原子レベルで緻密な層を形成することが可能となり、薄くても還元ガスバリア性を高めることができる。通常のCVD法では厚すぎて赤外線透過率が悪化してしまうからである。この点、シリコン窒化膜Si3N4は、還元ガスバリア性を確保するには例えば100nm以上に厚くする必要あり、第2還元ガスバリア層260として好ましくない。
【0042】
第2電極配線層224を覆って、SiOまたはSiNのパッシベーション層270が設けられている。少なくともキャパシター230の上方には、パッシベーション層270上に赤外線吸収体(広義には光吸収部材)280が設けられている。パッシベーション層270もSiOまたはSiNにて形成されるが、赤外線吸収体280のパターンエッチングの必要上、下層のパッシベーション層270とはエッチング選択比が大きい異種材料とすることが好ましい。この赤外線吸収体280に赤外線が図1の矢印方向から入射され、赤外線吸収体280は吸収した赤外線量に応じて発熱する。その熱が焦電体232に伝熱されることで、キャパシター230の自発分極量が熱によって変化し、自発分極による電荷を検出することで赤外線を検出できる。なお、赤外線吸収体280はキャパシター230と別個に設けるものに限らず、キャパシター230内に赤外線吸収体280が存在する場合には不要となる。
【0043】
パッシベーション層270や赤外線吸収体280のCVD形成時に還元ガスが発生しても、キャパシター230は第1還元ガスバリア層240及び第2還元ガスバリア層260により保護される。
【0044】
2.3.第3還元ガスバリア層
この赤外線吸収体280を含む赤外線検出器200の外表面を覆って、第3還元ガスバリア層290が設けられている。この第3還元ガスバリア層290は、赤外線吸収体280に入射する赤外線(波長帯域は8〜14μm)の透過率を高くするために、例えば第1還元ガスバリア層240よりも薄肉に形成される必要がある。このために、原子層化学気相成長(ALCVD)法が採用される。ただし、第3還元ガスバリア層290は後述する通りエッチングストップ層として機能させるために、第2還元ガスバリア層260よりも厚く形成している。本実施形態では、例えば酸化アルミニウムAlを40〜50nm、例えば45nmの厚さで成膜して形成される。
【0045】
また、基体100側では、空洞部102を規定する壁部、つまり空洞部102を規定する底壁110Aと側壁104Aには、焦電型赤外線検出器200を製造する過程で空洞部102に埋め込まれていた犠牲層(図示せず)を等方性エッチングする時のエッチングストップ層130が形成されている。同様に、支持部材210の下面にもエッチングストップ層140が形成されている。本実施形態では、エッチングストップ層130,140と同一材料により第3還元ガスバリア層290を形成している。つまり、エッチングストップ層130,140も還元ガスバリア性を有することになる。このエッチングストップ層130,140も、酸化アルミニウムAlが原子層化学気相成長(ALCVD)法により層厚20〜50nmで成膜されて形成される。
【0046】
エッチングストップ層130が還元ガスバリア性を有することで、犠牲層をフッ酸により還元雰囲気で等方性エッチングしたとき、支持部材210を透過してキャパシター230に還元ガスが侵入することを抑制できる。また、基体100を覆うエッチングストップ層140が還元ガスバリア性を有することで、基体100内に配置される回路のトランジスターや配線が還元されて劣化することを抑制できる。
【0047】
3.支持部材の基本構造
図1に示すように、下層から上層に向う方向に沿って、基体100上に、ポスト104、支持部材210及び焦電型赤外線検出素子220が積層されている。支持部材210は、第1面211A側に焦電型赤外線検出素子220を搭載し、第2面211B側は空洞部102に面している。
【0048】
支持部材210は、図1に示すように、第1面側の第1層部材212をSiO支持層(絶縁層)としている。このSiO支持層212は、SiO支持層212よりも下方に位置する他のSiO層である例えばポスト104より水素含有率が小さい。これはCVD層成膜時にO流量を通常の層間絶縁層CVD時よりも多くして水素や水分の層中含有量を低減することにより得られる。こうして、SiO支持層212は、水素含有率が他のSiO層(第2絶縁層)である例えばポスト104よりも低い低水分層となる。
【0049】
支持部材210の最上層のSiO支持層212の水素含有率が小さいと、焦電体232の形成後に熱処理により高温に晒されても、SiO支持層212自体から還元ガス(水素、水蒸気)が発生することを抑制できる。こうして、キャパシター230中の焦電体232に対して、そのキャパシター230の直下の下方(支持部材210側)から侵入する還元種を抑制することができ、焦電体232が酸素欠損することを抑制できる。
【0050】
SiO支持層212よりも下方に位置する他のSiO層である例えばポスト104の水分も還元種となり得るが、キャパシター230から離れているので、SiO支持層212よりも影響度は少ない。ただし、ポスト104の水分も還元種となり得るので、SiO支持層212よりも下方に位置する支持部材210中に、還元ガスバリア性のある層を形成しておくことが好ましい。この点も含め、支持部材210のより具体的構造について以下に説明する。
【0051】
つまり、本実施形態では、単一材料では反りが生じてしまう支持部材210を、複数の異種材料を積層することで形成している。具体的には、第1層部材212を酸化層(SiO)とし、第2層部材213を窒化層(例えばSi)で形成することができる。
【0052】
例えば第1層部材212に生ずる例えば圧縮残留応力と、第2層部材213に生ずる引張残留応力とを互いに相殺する方向に作用させる。これにより、支持部材210全体としての残留応力をさらに低減するか消滅させることができる。
【0053】
ここで、第2層部材213を形成する窒化層(例えばSi)は、還元ガスバリア性を有する。これにより、キャパシター230の焦電体232に支持部材210側から侵入する還元性阻害要因をブロックする機能を、支持部材210自体に持たせることができる。このため、第2層部材213よりも下方に水素含有率が大きいSiO層があっても、還元種(水素、水蒸気)が焦電体232に侵入することを、還元ガスバリア性を有する第2層部材213により抑制することができる。
【0054】
4.支持部材の配線構造
4.1.第1電極(下部電極)への配線構造
本実施形態では、図1に示すように、第1電極234が、焦電体232が積層形成される第1領域234−1と、第1領域234−1より延在形成された第2領域234−2とを含んでいる。
【0055】
支持部材210は、絶縁層である第1層部材212よりも第2面211B側に配置された第1配線層214と、第1電極234の第2領域234−2及び第1配線層214とそれぞれ対面する位置に第1層部材212に貫通形成された第1ホール215と、第1ホール215に埋め込まれた第1プラグ216と、を含んでいる。
【0056】
本実施形態によれば、第1電極234に接続される配線は、支持部材210に形成された第1プラグ216と第1配線層215により形成することができる。第1プラグ216は、キャパシター230とは非対向の位置にて支持部材210に形成されるので、キャパシター230と対向する支持部材210の平坦性等には無関係となり、キャパシター230の後述する配向性は維持される。
【0057】
また、第1ホール215は浅くアスペクト比が小さいことに加え、第2領域234−2では第1プラグ216の平坦性は過度に求められないので、第1プラグ216はステップカバレッジ(段差被膜性)の高い高価な材料、例えばタングステン(W)等を用いる必要は必ずしもない。
【0058】
また、第1電極234に接続される配線は第1プラグ216を介して支持部材210側に引き出されるので、焦電型検出素子220や支持部材210は第1電極234への配線によって段差が形成されることはない(図1参照)。支持部材210の平坦性が確保されると、製造過程で支持部材210に形成されるレジストの形成精度が高められ、支持部材210の形状加工性が向上される。
【0059】
図3は比較例のエッチング工程を示している。支持部材210上に配線層300が形成され、配線層300上にパッシベーション層301が形成されている。配線層300の存在により、パッシベーション層301は平坦でなく段差が生じている。よって、パッシベーション層301上に形成されるレジスト302の形成精度が悪化する。よって、そのようなレジスト302によって、支持部材210を本来の輪郭位置303にてエッチングできないことがあり、支持部材210の形状加工性は悪化する。本実施形態では、支持部材
210は平坦性が維持されるので、支持部材210の形状加工性は良好である。
【0060】
4.2.第2電極(上部電極)への配線構造
本実施形態では上述した通り、支持部材210の第1面211A上に、第2電極236に接続された中継導電層238を設けることができる。この場合、支持部材210は、第1層部材(絶縁層)212よりも第2面211B側に配置された第2配線層217と、中継導電層238及び第2配線層217とそれぞれ対面する位置にて第1層部材(絶縁層)212に貫通形成された第2ホール218と、第2ホール218に埋め込まれた第2プラグ219と、をさらに含むことができる。
【0061】
この場合も、第2電極236に接続される配線は第2プラグ219を介して支持部材210側に引き出されるので、支持部材210は第2電極236への配線によって段差が形成されることはない(図1参照)。支持部材210の平坦性が確保されると、製造過程で支持部材210に形成されるレジストの形成精度が高められ、支持部材210の形状加工性が向上されることは、上述の通りである。
【0062】
5.キャパシターの構造と配線との関係
次に、本実施形態のキャパシター230の構造について図4を参照して説明する。図4に示すキャパシター230は、焦電体232、第1電極234及び第2電極236の結晶配向は、その優先配向方位が例えば(111)面方位で揃えられている。(111)面方位に優先配向されることで、他の面方位に(111)配向の配向率が例えば90%以上に制御される。焦電係数を大きくするには(111)配向よりもむしろ(100)配向などが好ましいが、印加電界方向に対して分極を制御しやくするために(111)配向としている。ただし、優先配向方位はこれに限定されない。
【0063】
5.1.第1電極構造と配線との関係
第1電極234は、支持部材210から順に、第1電極234を例えば(111)面に優先配向するように配向制御する配向制御層(例えばIr)234Aと、第1還元ガスバリア層(例えばIrOx)234Bと、優先配向したシード層(例えばPt)234Cとを含むことができる。
【0064】
第2電極236は、焦電体232側から順に、焦電体232と結晶配向が整合する配向整合層(例えばPt)236Aと、第2還元ガスバリア層(例えばIrOx)236Bと、第2電極236に接続されるプラグ228との接合面を低抵抗化する低抵抗化層(例えばIr)236Cとを含むことができる。
【0065】
本実施形態にてキャパシター230の第1,第2電極234,236を多層構造とした理由は、熱容量の小さい赤外線検出素子220でありながら、能力を低めずに低ダメージで加工して界面での結晶格子レベルを整合させ、しかも、キャパシター230の周囲が製造時または使用時に還元雰囲気となっても焦電体(酸化物)232を還元ガスから隔離することにある。
【0066】
焦電体232は例えばPZT(Pb(Zr,Ti)Oの総称:チタン酸ジルコン酸鉛)またはPZTN(PZTにNbを添加したものの総称)等を例えば(111)方位で優先配向させて結晶成長させている。PZTNを用いると、薄膜になっても還元されにくく酸化欠損を抑制できる点で好ましい。焦電体232を配向結晶化させるために、焦電体232の下層の第1電極234をその形成段階から配向結晶化させている。
【0067】
このために、下部電極234には配向制御層として機能するIr層234Aがスパッタ法で形成される。なお、配向制御層234Aの下に密着層としてたとえばチタン・アルミ・ナイトライド(TiAlN)層または窒化チタン(TiN)層を形成しても良い。支持部材210の最上層であるSiO支持層(第1絶縁層)212のSiOとの密着性を確保できるからである。この種の密着層としてチタン(Ti)も適用可能であるが、チタン(Ti)のように拡散性の高いものは好ましくなく、拡散性が少なくかつ還元ガスバリア性の高いチタン・アルミ・ナイトライド(TiAlN)または窒化チタン(TiN)の方が好ましい。
【0068】
また、支持部材210の第1層部材212をSiOで形成するとき、該SiO層が第1電極234と接する側の表面ラフネスRaは30nm未満とすることが好ましい。こうすると、第1層部材212がキャパシター230を搭載する表面の平坦性を確保できるからである。もし、配向制御層234Aが形成される面が粗面であるすると、結晶成長中に粗面の凹凸により結晶の配向が乱れてしまうから好ましくない。
【0069】
本実施形態では、第1プラグ216はキャパシター230が形成される第1領域234−1とは非対向の位置にあるので、第1層部材212がキャパシター230を搭載する表面の平坦性には無関係となる。よって、キャパシター230の配向性は維持される。
【0070】
ここで、支持部材210に設けられた第1プラグ216が接続する領域での第1配線層214の構成材料の熱伝導率は、第1プラグ216が接続する領域での第1電極234中の構成材料の熱伝導率よりも低くすることができる。例えば、第1配線層214は、下層がチタンTiで上層が窒化チタン(TiN)とすることができる。
【0071】
こうすると、支持部材210に設けられた第1プラグ216が接続する領域での第1配線層214の構成材料である窒化チタン(TiN)の熱伝導率は、第1プラグ216が接続する領域での第1電極234中の構成材料であるイリジウム(Ir)の熱伝導率よりも低くすることができる。チタン(Ti)の熱伝導率は21.9(W/mK)であり、イリジウム(Ir)の熱伝導率147(W/m・K)よりも格段に小さいことに加え、窒化チタン(TiN)の熱伝導率は、窒素/チタンの混合率に応じてさらに低くなるからである。
【0072】
なお、第1プラグ216が接続する領域での第1電極234中の構成材料を密着層例えばチタン・アルミ・ナイトライド(TiAlN)とした時には、第1プラグ216が接続する領域での第1配線層214の構成材料である窒化チタン(TiN)の熱伝導率をチタン・アルミ・ナイトライド(TiAlN)の熱伝導率よりも低くなるように窒素/チタンの混合率を調整すれば良い。
【0073】
第1電極234中にて還元ガスバリア層として機能するIrOx層234Bは、キャパシター230の下方からの還元性の阻害因子から焦電体232を隔離するために、還元ガスバリア性を呈する支持部材210の第2層部材(例えばSi)213及び支持部材210のエッチングストップ層(例えばAl)140と共に用いられる。例えば焦電体(セラミック)232の焼成時や他のアニール工程での基体100からの脱ガスや、犠牲層150の等方性エッチング工程に用いる還元ガスが、還元性阻害因子となる。
【0074】
なお、焦電体232の焼成工程中など、高温処理時にはキャパシター230内部で蒸発気体が生成されることがあるが、その蒸発気体の逃げ道が、支持部材210の第1層部材212にて確保される。つまり、キャパシター230内部で発生する蒸発気体を逃がすには、第1層部材212にはガスバリア性を備えず、第2層部材213にガスバリア性を備える方が良い。
【0075】
また、IrOx層234Bは、それ自体の結晶性は少ないが、Ir層234Aとは金属−金属酸化物の関係となって相性が良いので、Ir層234Aと同一の優先配向方位を持つことができる。
【0076】
第1電極234中にてシード層として機能するPt層234Cが、焦電体232の優先配向のシード層となり、(111)配向される。本実施形態では、Pt層234Cは二層構造となっている。第1層目のPt層で(111)配向の基礎をつくり、第2層目のPt層で表面にマイクロラフネスを形成して、焦電体232の優先配向のシード層として機能させる。焦電体232は、シード層234Cにならつて(111)配向される。
【0077】
ここで、第1電極234は、2つの金属層234A,234Cの間に金属酸化物層234Bを含んでいる。このため、第1電極234から第1プラグ216及び第1配線層214に放出される熱量を、金属層234A,234Cよりも熱伝導率が小さい金属酸化物層234Bによって低減することができ、焦電型検出素子220の熱分離性を確保できる。
【0078】
5.2.第2電極構造
第2電極236では、スパッタ法で成膜されるとは物理的に界面が荒れ、トラップサイトが生じて特性が劣化する虞があるので、第1電極234、焦電体232、第2電極236の結晶配向が連続的につながるように、結晶レベル格子整合の再構築を行なっている。
【0079】
第2電極236中のPt層236Aはスパッタ法で形成されるが、スパッタ直後で界面の結晶方向は不連続となる。そこで、その後にアニール処理してPt層236Aを再結晶化させている。つまり、Pt層236Aは、焦電体232と結晶配向が整合する配向整合層として機能する。
【0080】
第2電極236中のIrOx層236Bは、キャパシター230の上方からの還元性劣化因子のバリアとして機能する。また、第2電極236中のIr層236Cは、IrOx層236Bの抵抗値が大きいので、プラグ228との間の抵抗値を低抵抗化させるために用いられる。Ir層236Cは、IrOx層236Bと金属酸化物−金属の関係で相性がよく、IrOx層236Bと同一の優先配向方位を持つことができる。
【0081】
このように、本実施形態では、第1,第2電極234,236は、焦電体232側から順に、Pt、IrOx、Irと多層に配置され、焦電体232を中心として、形成材料が対称配置されている。
【0082】
ただし、第1,第2電極234,236を形成する多層構造の各層の厚さは、焦電体232を中心として非対称となっている。
【0083】
6.変形例
6.1.第1変形例
図5の実施形態でも、図1と同様に第1〜第3還元ガスバリア層240,260,290が形成されている。図1との相違点は、第1ホール215及び第1プラグ216の位置である。
【0084】
図5に示すように、第1ホール215は、第1電極234及び第1配線層214とそれぞれ対面する位置であって、キャパシター230と対向する位置にて第1層部材212に貫通形成してもよい。キャパシター230と対向する位置に形成された第1ホール215に、第1プラグ216が埋め込まれる。
【0085】
図5の場合には、第1プラグ216はステップカバレッジ(段差被膜性)の高い材料、例えばタングステン(W)等を用いることが好ましい。支持部材210の第1面211Aは、キャパシター230の配向性に影響があるため平坦性が求められるからである。
【0086】
本実施形態でも、第1電極234に接続される配線は、支持部材210に形成された第1プラグ216と第1配線層215により形成することができる。第1プラグ216は、キャパシター230と対向する位置にて支持部材210に形成されるので、第1電極234に接続される配線のために素子面積が図1よりも拡大することがない。よって、高集積化に適した焦電型検出器を提供できる。
【0087】
6.2.第2変形例
図6に示すように、第1,第2電極234,236への配線を、支持部材210の上層に引き出す構造にも、本発明を適用できる。図6でも、図1及び図5と同様に第1〜第3還元ガスバリア層240,260,290が形成されている。
【0088】
図1及び図5と同様に、層間絶縁層250に形成されたホール252にプラグ226が埋め込まれ、プラグ226は第2電極配線層224に接続されている。しかし、第2電極配線層224は、図1及び図5とは異なり、支持部材210の上層に位置している。
【0089】
さらに、図1及び図5とは異なり、層間絶縁層250に形成されたホール254にプラグ228が埋め込まれ、プラグ228は第1電極配線層2222に接続されている。第1電極配線層222は、図1及び図5とは異なり、支持部材210の上層に位置している。
【0090】
この実施形態では、還元ガスバリア層について上述した他の実施形態と同様であるが、図3の比較例と同様に支持部材210のアーム部210Bには段差が生ずる構造となる。
【0091】
7.電子機器
7.1.赤外線カメラ
図7に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の例として赤外線カメラ400Aの構成例を示す。この赤外線カメラ400Aは、光学系400、センサーデバイス(焦電型検出装置)410、画像処理部420、処理部430、記憶部440、操作部450、表示部460を含む。なお本実施形態の赤外線カメラ400Aは図7の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略し、あるいは他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0092】
光学系400は、例えば1又は複数のレンズや、これらのレンズを駆動する駆動部などを含む。そしてセンサーデバイス410への物体像の結像などを行う。また必要であればフォーカス調整なども行う。
【0093】
センサーデバイス410は、上述した本実施形態の焦電型検出器200を二次元配列させて構成され、複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。センサーデバイス410は、二次元配列された検出器に加えて、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路と、A/D変換部等を含むことができる。二次元配列された各検出器からのデータを順次読み出すことで、物体像の撮像処理を行うことができる。
【0094】
画像処理部420は、センサーデバイス410からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理などの各種の画像処理を行う。
【0095】
処理部430は、赤外線カメラ400Aの全体の制御を行い、赤外線カメラ400A内の各ブロックの制御を行う。この処理部430は、例えばCPU等により実現される。記憶部440は、各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部430や画像処理部420のワーク領域として機能する。操作部450は、ユーザーが赤外線カメラ400Aを操作するためのインターフェースとなるものであり、例えば各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面などにより実現される。表示部460は、例えばセンサーデバイス410により取得された画像やGUI画面などを表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種のディスプレイにより実現される。
【0096】
このように、1セル分の焦電型検出器を赤外線センサー等のセンサーとして用いる他、1セル分の焦電型検出器を二軸方向例えば直交二軸方向に二次元配置することでセンサーデバイス410を構成することができ、こうすると熱(光)分布画像を提供することができる。このセンサーデバイス410を用いて、サーモグラフィー、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラなどの電子機器を構成することができる。
【0097】
もちろん、1セル分または複数セルの焦電型検出器をセンサーとして用いることで物体の物理情報の解析(測定)を行う解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場などに設けられるFA(Factory Automation)機器などの各種の電子機器を構成することもできる。
【0098】
7.2.運転支援装置
図8に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の例として、運転支援装置600の構成例を示す。この運転支援装置600は、運転支援装置600を制御するCPUを備えた処理ユニット610と、車両外部の所定撮像領域に対して赤外線を検出可能な赤外線カメラ620と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサー630と、車両の走行速度を検出する車速センサー640と、運転者のブレーキ操作の有無を検出するブレーキセンサー650と、スピーカー660と、表示装置670とを備えて構成されている。
【0099】
この運転支援装置600の処理ユニット610は、例えば赤外線カメラ620の撮像により得られる自車両周辺の赤外線画像と、各センサー630〜650により検出される自車両の走行状態に係る検出信号とから、自車両の進行方向前方に存在する物体及び歩行者などの対象物を検出し、検出した対象物と自車両との接触が発生する可能性があると判断したときに、スピーカー660または表示装置670により警報を出力する。
【0100】
また、たとえば図9に示すように、赤外線カメラ620は、車両の前部において車幅方向の中心付近に配置されている。表示装置670は、フロントウィンドーにおいて運転者の前方視界を妨げない位置に各種情報を表示するHUD(Head Up Display)671などを備えて構成されている。
【0101】
7.3.セキュリティー機器
図10に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の例として、セキュリティー機器700の構成例を示す。
【0102】
セキュリティー機器700は、少なくとも監視エリアを撮影する赤外線カメラ710と、監視エリアへの侵入者を検知する人感センサー720と、赤外線カメラ710から出力された画像データを処理して監視エリアに侵入した移動体を検知する動き検知処理部730と、人感センサー720の検知処理を行う人感センサー検知処理部740と、赤外線カメラ710から出力された画像データを所定の方式で圧縮する画像圧縮部750と、圧縮された画像データや侵入者検知情報の送信や外部装置からセキュリティー機器700への各種設定情報などを受信する通信処理部760と、セキュリティー機器700の各処理部に対して条件設定、処理コマンド送信、レスポンス処理をCPUで行う制御部770とを備えて構成されている。
【0103】
動き検知処理部730は、図示しないバッファメモリーと、バッファメモリーの出力が入力されるブロックデータ平滑部と、ブロックデータ平滑部の出力が入力される状態変化検出部とを備える。そして動き検出処理部730の状態変化検出部は、監視エリアが静止状態であれば動画で撮影した異なるフレームでも同一画像データとなるが、状態変化(移動体の侵入)があるとフレーム間の画像データで差が生じることを利用して状態変化を検知している。
【0104】
また、たとえば軒下に設置されているセキュリティー機器700と、セキュリティー機器700に組み込まれている赤外線カメラ710の撮像エリアA1と、人感センサー720の検知エリアA2を側面から示したものを図11に示す。
【0105】
7.4.ゲーム機器
図12および図13に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の例として、前述のセンサーデバイス410を用いたコントローラー820を含むゲーム機器800の構成例を示す。
【0106】
図12に示すように、図13のゲーム機器800に用いられるコントローラー820は、撮像情報演算ユニット830と、操作スイッチ840と、加速度センサー850と、コネクター860と、プロセッサー870と、無線モジュール880と、を備えて構成される。
【0107】
撮像情報演算ユニット830は、撮像ユニット831と、この撮像ユニット831で撮像した画像データを処理するための画像処理回路835を有する。撮像ユニット831は、センサーデバイス832(図7のセンサーデバイス410)を含み、その前方には、赤外線フィルター(赤外線だけを通すフィルター)833及び光学系(レンズ)834を配置している。そして、画像処理回路835は、撮像ユニット831から得られた赤外線画像データを処理して、高輝度部分を検知し、それの重心位置や面積を検出してこれらのデータを出力する。
【0108】
プロセッサー870は、操作スイッチ840からの操作データと、加速度センサー850からの加速度データおよび高輝度部分データを一連のコントロールデータとして出力する。無線モジュール880は所定周波数の搬送波をこのコントロールデータで変調し、アンテナ890から電波信号として出力する。
【0109】
なおコントローラー820に設けられているコネクター860を通して入力されたデータもプロセッサー870によって上述のデータと同様に処理されてコントロールデータとして無線モジュール880とアンテナ890を介して出力される。
【0110】
図13に示すように、ゲーム機器800は、コントローラー820と、ゲーム機本体810と、ディスプレイ811と、LEDモジュール812Aおよび812Bとを備え、プレイヤー801が一方の手でコントローラー820を把持してゲームをプレイすることができる。そして、コントローラー820の撮像ユニット831をディスプレイ811の画面813を向くようにすると、ディスプレイ811の近傍に設置された二つのLEDモジュール812Aおよび812Bから出力される赤外線を撮像ユニット831が検知して、コントローラー820は、二つのLEDモジュール812A,812Bの位置や面積情報を高輝度点の情報として取得する。輝点の位置や大きさのデータがコントローラー820から無線でゲーム機本体810に送信され、ゲーム機本体810で受信される。プレイヤー801がコントローラー820を動かすと、輝点の位置や大きさのデータが変化するため、それを利用して、ゲーム機本体810はコントローラー820の動きに対応した操作信号を取得できるので、それにしたがってゲームを進行させることができる。
【0111】
7.5.体温測定装置
図14に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の例として、体温測定装置900の構成例を示す。
【0112】
図14に示すように、体温測定装置900は、赤外線カメラ910と、体温分析装置920と、情報通信装置930と、ケーブル940とを備えて構成されている。赤外線カメラ910は、図示しないレンズなどの光学系と前述のセンサーデバイス410を含んで構成されている。
【0113】
赤外線カメラ910は所定の対象領域を撮影し、撮影された対象者の画像情報を、ケーブル940を経由して体温分析装置920に送信する。体温分析装置920は、図示しないが、赤外線カメラ910からの熱分布画像を読み取る画像読取処理ユニットと、画像読取処理ユニットからのデータと画像分析設定テーブルに基づいて体温分析テーブルを作成する体温分析処理ユニットとを含み、体温分析テーブルに基づいて体温情報送信用データを情報通信装置930へ送信する。この体温情報送信用データは体温異常であることに対応する所定のデータを含んでもよい。また、撮影領域内に複数の対象者を含んでいると判断した場合には、対象者の人数と体温異常者の人数の情報を体温情報送信用データに含んでもよい。
【0114】
7.6.特定物質探知装置
図15に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の例として、前述のセンサーデバイス410の焦電型検出器の光吸収材の吸収波長をテラヘルツ域としたセンサーデバイスをテラヘルツ光センサーデバイスとして用い、テラヘルツ光照射ユニットと組み合わせて特定物質探知装置1000を構成した例を示す。
【0115】
特定物質探知装置1000は、制御ユニット1010と、照射光ユニット1020と、光学フィルター1030と、撮像ユニット1040と、表示部1050とを備えて構成されている。撮像ユニット1040は、図示しないレンズなどの光学系と前述の焦電型検出器の光吸収材の吸収波長をテラヘルツ域としたセンサーデバイスを含んで構成されている。
【0116】
制御ユニット1010は、本装置全体を制御するシステムコントローラーを含み、該システムコントローラーは制御ユニットに含まれる光源駆動部および画像処理ユニットを制御する。照射光ユニット1020は、テラヘルツ光(波長が100μm〜1000μmの範囲にある電磁波を指す。)出射するレーザー装置と光学系を含み、テラヘルツ光を検査対象の人物1060に照射する。人物1060からの反射テラヘルツ光は、探知対象である特定物質1070の分光スペクトルのみを通過させる光学フィルター1030を介して撮像ユニット1040に受光される。撮像ユニット1040で生成された画像信号は、制御ユニット1010の画像処理ユニットで所定の画像処理が施され、その画像信号が表示部1050へ出力される。そして人物1060の衣服内等に特定物質1070が存在するか否かにより受光信号の強度が異なるので特定物質1070の存在が判別できる。
【0117】
以上、いくつかの電子機器の実施形態について説明したが、上記実施形態の電子機器は説明した構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略し、あるいは他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0118】
8.センサーデバイス
図16(A)に図7のセンサーデバイス410の構成例を示す。このセンサーデバイスは、センサーアレイ500と、行選択回路(行ドライバー)510と、読み出し回路520を含む。またA/D変換部530、制御回路550を含むことができる。行選択回路(行ドライバー)510と読み出し回路520を駆動回路と称する。このセンサーデバイスを用いることで、図7に示す、たとえばナイトビジョン機器などに用いられる赤外線カメラ400Aなどを実現できる。
【0119】
センサーアレイ500には、例えば図2に示すように二軸方向に複数のセンサーセルが配列(配置)される。また複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。なお行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には、図16(A)において行線に沿った方向(横方向)に複数のセンサーセルが配列される。一方、列線が1本である場合には、列線に沿った方向(縦方向)に複数のセンサーセルが配列される。
【0120】
図16(B)に示すように、センサーアレイ500の各センサーセルは、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置(形成)される。例えば図16(B)のセンサーセルは、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に配置されている。他のセンサーセルも同様である。
【0121】
行選択回路510は、1又は複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。例えば図16(B)のようなQVGA(320×240画素)のセンサーアレイ500(焦点面アレイ)を例にとれば、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239を順次選択(走査)する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号(ワード選択信号)をセンサーアレイ500に出力する。
【0122】
読み出し回路520は、1又は複数の列線に接続される。そして各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ500を例にとれば、列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
【0123】
A/D変換部530は、読み出し回路520において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部530には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路520により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。なお、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
【0124】
制御回路550(タイミング生成回路)は、各種の制御信号を生成して、行選択回路510、読み出し回路520、A/D変換部530に出力する。例えば充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。或いは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。
【0125】
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0126】
本発明は、種々の焦電型検出器(例えば、熱伝対型素子(サーモパイル)、焦電型素子等)に広く適用することができる。検出する光の波長は問わない。また、焦電型検出器または焦電型検出装置、あるいはそれらを有する電子機器は、例えば、供給する熱量と流体が奪う熱量とが均衡する条件下にて流体の流量を検出するフローセンサーなどにも適用できる。このフローセンサーに設けられる熱伝対などに代えて本発明の焦電型検出器または焦電型検出装置を設けることができ、光以外を検出対象とすることができる。
【符号の説明】
【0127】
100 基体、102 空洞部、104 スペーサー部材(ポスト)、200 焦電型検出器、210 支持部材、211A 第1面、211B 第2面、212 第1層部材(絶縁層)、213 第2層部材、214 第1配線層、215 第1ホール、216 第1プラグ、217 第2配線層、218 第2ホール、219 第2プラグ、220 赤外線検出素子(焦電型検出素子)、224 第2電極配線層、230 キャパシター、232 焦電体、234 第1電極、234A 配向制御層(金属層)、234B 第1還元ガスバリア層(金属酸化物層)、234C シード層(金属層)、236 第2電極、240 第1還元ガスバリア層、250 層間絶縁層(絶縁層)、260 第2還元ガスバリア層、270 パッシベーション膜、280 光吸収部材(赤外線吸収体)、290 第3還元ガスバリア層(エッチングストップ層)、400A、612、710、910 赤外線カメラ、600、700、800、900、1000 電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含む支持部材と、
前記基体に接続して設けられ、前記基体と前記支持部材の前記第2面との間に空洞部が形成されるように前記支持部材を支持するスペーサー部材と、
前記支持部材の前記第1面に支持される焦電型検出素子と、
を有し、
前記焦電型検出素子は、
前記支持部材に搭載される第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1,第2電極間に配置された焦電体と、を含むキャパシターと、
前記キャパシターの少なくとも前記第2電極、および前記焦電体を覆い、かつ平面視で前記第2電極と重なる位置にて第1開口部を有する第1還元ガスバリア層と、
少なくとも前記第1還元ガスバリア層を覆い、かつ平面視で前記第1還元ガスバリア層の第1開口部と重なる位置にて第2開口部を有する絶縁層と、
前記第1還元ガスバリア層の前記第1開口部および前記絶縁層の前記第2開口部に配置され前記第2電極に接続されるプラグと、
前記絶縁層上に形成され、前記プラグに接続される第2電極配線層と、
少なくとも前記プラグを覆って前記絶縁層及び前記第2電極配線層上に形成された第2還元ガスバリア層と、
を含むことを特徴とする焦電型検出器。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2還元ガスバリア層は、前記第1還元ガスバリア層を覆って前記絶縁層及び前記第2電極配線層上に形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2還元ガスバリア層は前記第1還元ガスバリア層よりも薄いことを特徴とする焦電型検出器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記焦電型検出素子は、光入射方向にて前記第2還元ガスバリア層よりも上流側となる領域に形成された光吸収部材をさらに含み、
前記第2還元ガスバリア層は、前記絶縁層と前記光吸収部材との間に形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
【請求項5】
請求項4において、
前記焦電型検出素子は、前記光吸収部材を覆って形成された第3還元ガスバリア層をさらに含み、
前記第3還元ガスバリア層は前記第2還元ガスバリア層よりも厚いことを特徴とする焦電型検出器。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1、第2及び第3還元ガスバリア層は、酸化アルミニウムで形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の焦電型検出器を交差する二つの直線方向に沿って二次元配置したことを特徴とする焦電型検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の焦電型検出器を有することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項7に記載の焦電型検出装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−173186(P2012−173186A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36671(P2011−36671)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】