説明

煙香から由来する低風味抗微生物薬

【課題】食料品を抗微生物処理するための方法、及び組成物を提供する。
【解決手段】食料品に煙香を付与しない燻煙液の由来物を用いて該食料品を処理することを含み、それによって微生物の成長を阻害する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願書類は、2004年1月13日に出願された米国仮特許出願番号第60/536,160号
に対して利益を主張し、その開示は、その全てにおいて引用により本明細書中に組み込ま
れている。
【0002】
(技術分野)
ここで開示する主題は、食料品を抗微生物処理するための方法、及び組成物に関するも
のである。さらに、ここで開示される主題は、燻煙液の由来物、及び食料品に燻製の風味
を付与することなしに微生物の生育を阻害するために、該由来物を用いて食料品を処理す
る方法に関するものである。
【0003】
(略語表)
CFU - コロニー形成単位
DLS - 燻煙液の由来物
KSU - カンザス州立大学
LS - 燻煙液
MEB - 麦芽抽出ブロス
MIC - 最小阻害濃度
MOX - 改良オックスフォード寒天
PDA - ポテトデキストロース寒天
PW - ペプトン水
RTE - インスタント食品
RTC - 調理準備済み食料品
TSA - トリプティックソイ寒天
TSB - トリプティックソイブロス
【背景技術】
【0004】
(背景)
食料品における微生物の存在は、公衆衛生にかなり関係している。例えば、エシェリキ
アコリ(Escherichia coli)の様々な菌株に関連した食物媒介性の病気や死の発生が、
頻繁に報告されている。事実、E.コリ O157:H7は、食物媒介性の病原体として認知され
ており、調理済の牛肉製品、とりわけ、ひき肉を汚染することが見出されている。
他のそのような食物媒介性病原体は、リステリア モノサイトジーンズ(Listeria mon
ocytogenes)であり、これは肺炎、髄膜炎、及び敗血症を引き起こし得る。食肉加工工場
におけるリステリア モノサイトジーンズの罹患率は、梱包者に密接に関連しており、現
在の主要な健康への脅威になると考えられる。加工された食肉製品におけるリステリア
モノサイトジーンズの存在は、該バクテリアが食物中で成長し、かつ冷蔵条件下において
感染量を増加し得るという、公衆への危険性を示す。
【0005】
安全な食物供給を維持することの重要性を考慮し、食物の中、又は表面に存在し得る病
原菌を殺すための試みとして、様々なアプローチが行われている。1つの慣習的アプロー
チは、スモークハウスにおいて食料品を燻製にすることである。しかし、これは、大きな
スペースを必要とする時間のかかるプロセスであり、それゆえより効率的な方法が望まれ
る。
【0006】
現在、木の煙を用いた食物の処理は、実質的に、"燻煙液"の使用に代わっており、これ
は、該溶液の液、又は蒸気に曝された食肉に、煙の色、又は色彩、及び燻製の風味を付与
することができる液体凝縮物を含む液体である。燻煙液のこれらの特性に加えて、現在、
食肉製品の加工に適用される燻煙液の調合液は、リステリア モノサイトジーンズのよう
な細菌に対して抗微生物活性を有することも知られている。
残念なことに、燻煙液の適用は、おそらくリステリア モノサイトジーンズを殺すため
に食肉加工している間で非常に効果的であるが、近年、調理から、食肉加工段階の最後の
梱包時の間のいくつかの点に、リステリア モノサイトジーンズ細菌によって再接種、又
は再汚染される危険性があることが明らかとなった。残念なことに、再接種による極めて
低いレベルの細菌の汚染は、その食肉製品が貯蔵棚に一定期間保存されている時間によっ
て、危険な高レベルの細菌を生じ得る。
【0007】
その問題を解決するための試みにおいて、研究者らは、梱包された食肉製品上でのリス
テリア モノサイトジーンズの再接種とそれに続く増殖を防ぐために、食肉加工工場で、
梱包前に該食肉製品に燻煙液を直接塗布することを実施している。Lindnerの米国特許番
号第5.043,174号を参照されたい。それゆえ、該細菌を、該燻煙液、及び食肉加工過程の
間に行われる熱処理によって最初に殺すか、又は最小限に抑え、かつ梱包前に、細菌、又
は他の微生物による食肉製品の再接種を制御するために、燻煙液の他の処理を加工食料品
の表面に直接適用する。
【0008】
単純で効果的ではあるが、しかし、このアプローチはいつも受け入れられるものではな
い。なぜならば従来の食肉梱包過程に続いて塗布された燻煙液を有する食肉製品は、逆に
味に影響を与えるためである。付加的な燻煙液は、食肉製品の好ましくない燻製の風味の
過剰増加となり、かつ一般的に商業的に不十分な製品となる。さらに重要なことには、燻
煙液を用いた食料品の処理は、煙香を有することを全く意図しない食料品において、特に
望ましくない。従って、実質的に食べられず、かつ結果として商品にならない食肉製品と
なるわけではない危険な病原体が食料品に生育する問題を解決するために、探求が続けら
れている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
その結果必要とされていることは、抗微生物活性を有し、食料品に燻製の風味を付与し
ない燻煙液の由来物である。この必要性を満たすために、ここで開示する主題は、燻煙液
の由来物、及び食料品にその燻製の風味を変化させることなしに微生物の成長を阻害する
燻煙液の由来物を用いた食料品の処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(要旨)
ここで開示する主題は、食料品における微生物の生育を阻害する方法を提供する。いく
つかの実施態様において、該方法は、該食料品に煙香を付与しない、燻煙液の由来物を用
いて該食料品を処理する方法を含み、それによって、微生物の生育を阻害する。いくつか
の実施態様において、該微生物は、細菌、酵母、及び真菌からなる群から選択される。い
くつかの実施態様において、該細菌は、ストレプトコッカス(Streptococcus)、シゲラ
(Shigella)、ハフニア(Hafnia)、エンテロバクター(Enterobacter)、セラティア(
Serratia)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)
、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、エシェリキアコリ(E
scherichia coli)、リステリア(Listeria)、及びサルモネラ(Salmonella)の種から
なる群から選択される。いくつかの実施態様において、該酵母はサッカロマイセス(Sacc
haromyces)の種である。いくつかの実施態様において、該真菌はアスペルギルス(Asper
gillus)の種である。
【0011】
ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、該食料品は、インスタント食品
(RTE)である。いくつかの実施態様において、インスタント食品は、家禽肉、豚肉、
又は牛肉を含む。いくつかの実施態様において、RTE食料品は、デリミート(例えば、
七面鳥、ローストビーフ、ハム、鶏、サラミ、ボローニャなど)、及びホットドッグを含
む。
ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、該食料品は、調理準備済み(R
TC)食料品である。いくつかの実施態様において、該調理準備済み食料品は、家禽肉、
豚肉、牛肉、又は焼いたパン生地製品を含む。いくつかの実施態様において、該調理準備
済み食料品は、牛のひき肉、又は食パンやロールパンのような、焼いたパン生地製品を含
む。
【0012】
ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は以下を含む
:(a)単位容量当たり0から約6%重量(w/v)の濃度の滴定酸度;(b)単位容量当
たり少なくとも3%重量(w/v)のカルボニル;(c)単位容量当たり約0.5%未満の
濃度のフェノール;及び(d)単位容量当たり約97%重量(w/v)未満の濃度の水であ
る。いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、単位容量当たり約8.0から約
12.0%重量(w/v)の濃度のカルボニルを含み、かつpHは約5.0から約6.0で
ある。いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、単位容量当たり約3.0から
約8.0%重量(w/v)の濃度のカルボニル、単位容量当たり約0.01から0.5%
重量(w/v)の濃度のフェノールを含み、かつpHは約5.0から約6.0である。いく
つかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、少なくとも約3.0のpHを有する。いく
つかの実施態様において、該pHは約4.5から6.5の間である。いくつかの実施態様に
おいて、該燻煙液の由来物は、単位容量当たり少なくとも10%重量(w/v)のカルボ
ニルを含む。
【0013】
いくつかの実施態様において、燻煙液の1つの由来物は、燻煙液をエバポレータ処理し
て、該燻煙液の由来物を製造するように低沸点成分を分離、凝縮することで製造される。
いくつかの実施態様において、おがくずは、低風味製品を製造するように、熱分解前に使
用される。多様なこれらの製品、及び由来物は、ある範囲のカルボニル濃度を作り出すた
めに互いにブレンドすることができる。これらは、実質的にフェノールを減らすために処
理される炭素であり得る。また、これらはpH/酸性度を調整するための中和剤を用いて処
理され得る。いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、該食料品上に噴霧され
る。いくつかの実施態様において、該食料品は、燻煙液の由来物の溶液に浸される。いく
つかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、付加的な湿潤剤を含む。いくつかの実施
態様において、該付加的な湿潤剤はポリソルベートを含む。
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、少なくとも約1分間、少なく
とも約73.9℃で食料品を加熱することを含む。いくつかの実施態様において、該過熱
ステップは、該処理ステップの後に行われる。
【0014】
また、ここで開示される主題は、燻煙液の抗微生物性由来物を提供する。いくつかの実
施態様において、該燻煙液の由来物は、以下のものである:(i)単位容量当たり少なく
とも3%重量(w/v)のカルボニルを含み;(ii)食料品が燻煙液の由来物で処理され
た場合、該食料品に煙香は付与されず;かつ(iii)食料品が燻煙液の由来物で処理され
た場合、ストレプトコッカス、シゲラ、ハフニア、エンテロバクター、セラティア、スタ
フィロコッカス、シュードモナス、シトロバクター、クレブシエラ、エシェリキアコリ、
リステリア、サルモネラ、サッカロマイセス、及びアスペルギルスからなる群から選択さ
れる微生物の食料品上における生育を阻害するものである。いくつかの実施態様において
、該燻煙液の由来物は、約3.0以上のpHを有する。いくつかの実施態様において、該pH
は、約4.5から6.5の間である。いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は
、単位容量当たり少なくとも10%重量(w/v)のカルボニルを含む。
いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は以下を含む:(a)単位容量当たり
0から約6%重量(w/v)の濃度の滴定酸度;(b)単位容量当たり少なくとも約3%重
量(w/v)のカルボニル;(c)単位容量当たり約0.5%重量(w/v)以下の濃度の
フェノール;及び(d)単位容量当たり約97%重量(w/v)以下の濃度の水である。い
くつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、単位容量当たり約8.0から約12.
0%重量(w/v)の濃度のカルボニルを含み、かつpHは約5.0から約6.0である。
いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、単位容量当たり約5.0から約8.
0%重量(w/v)の濃度のカルボニル、単位容量当たり約0.01から0.5%重量(
w/v)の濃度のフェノール成分を含み、かつpHは約5.0から約6.0である。
【0015】
ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、該食料品はインスタント食品で
ある。
いくつかの実施態様において、該インスタント食品は、家禽肉、豚肉、牛肉、又は焼い
たパン生地製品を含む。いくつかの実施態様において、RTE食料品は、デリミート(例
えば、七面鳥、ローストビーフ、ハム、鶏、サラミ、ボローニャなど)、又はホットドッ
グを含む。
いくつかの実施態様において、該食料品は、調理準備済み食料品である。いくつかの実
施態様において、該調理準備済み食料品は、家禽肉、豚肉、又は牛肉を含む。いくつかの
実施態様において、該調理準備済み食料品は、牛のひき肉を含む。いくつかの実施態様に
おいて、RTCは、食パンやロールパンのような焼いたパン生地製品を含む。
【0016】
いくつかの実施態様において、該燻煙液の由来物は、付加的な湿潤剤を含む。いくつか
の実施態様において、該付加的な湿潤剤は、ポリソルベートを含む。
ここで開示される主題の目的は、上記に規定され、ここで開示される主題の他の目的、
及び利点は、下記説明、及び限定されない実施例の検討後に、当業者に明らかになるであ
ろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
明細書中に引用した特許、特許出願書類、及び特許でない文献を含む、すべての引用文
献は、それらが補足し、説明し、背景を提供し、又は方法論、技術、及び/又は構成を教
示、引用により組み込まれる。また引用文献によって含まれるものに、Moeller及び/又
はMoellerらの、米国特許第5,637,339号、第6,214,395号、第6,261,623号、第6,541,053
号がある。
【0018】
(I.定義)
本明細書中で用いられているすべての技術、及び科学用語は、下記において、他に定義
されない限り、当業者によって、共通に理解されるものと同じ意味を有することが意図さ
れる。本明細書中で使用される技術の参照は、当業者に共通に理解される技術を参照し、
それらの技術の変化、又は当業者によって理解されるであろう同等の技術の置換を含むこ
とが意図される。以下の用語は、当業者によってよく理解されるべきと考えられるが、以
下の定義は、ここで開示される主題の説明を手助けするために示される。
【0019】
長年にわたる特許法の慣習に従って、“a”、“an”、及び“the”の用語は、特許請求
の範囲を含む本出願において使用される場合、“1以上”を意味する。
本明細書中で使用されているように、単語“又は”は、他に特別に示していない限り、
“及び/又は”の“包括的な”意味で使われ、かつ“か/又は”の “排他的な” 意味で
はない。
本明細書中で使用されているように、句“燻煙液(LS)”は、該溶液の液体又は気体
にさらされた食料品に、煙の色又は色彩、及び燻製の風味を付与できる液体試料を含む溶
液を意味する。燻煙液の使用は、食肉加工において多くの利点を提供し、それは、食肉の
燻製時に連続処理を使用することができ、そこで処理された食肉製品に、燻製の味、及び
色彩を一様に与えることができることである。木の煙に代わる燻煙液の使用は、今では食
肉加工の習慣であり、かつ代表的な米国特許番号第3,873,741号;第4,250,199号;第4,29
8,435号;及び第5,043,174号の引例で、十分に認識され得る。
【0020】
また、LSは、抗微生物活性を有することが見出されている。例えば、米国特許番号第
5,043,174号は、LSでホットドッグを処理することにより(ZESTI-SMOKE (コード 10)、
アメリカ合衆国、テネシー州、クロスビルのMastertaste社から入手可能)、処理後のリ
ステリア モノサイトジーンズの再感染を防ぐことができることを開示している。しかし
、使用されるLSは、処理済食料品に、燻製の風味を十分に与えるが、特定の状況下では
望ましくないことがある。それゆえ、処理段階中に、食料品に燻製の風味を与えず、抗微
生物活性を有する燻煙液の由来物を生産することは有利であろう。本明細書中で主張し、
描写し、開示された構成や方法の結果は予期されなかった驚くべきものである。
【0021】
本明細書中で使用されているように、“抗微生物活性”という句は、一般的に、微生物
を殺す(殺菌性、及び微生物分解活性を含むが、これらに限定されない。)か、又は微生
物の成長を阻害する(微生物静活性を含むが、これに限定されない。)のどちらかを生じ
る、燻煙液、又は燻煙液の由来物の活性を意味する。微生物の成長阻害に関して、“抗微
生物活性”という用語は、完全阻害(すなわち、微生物は、DLSの存在下において全く
成長しない、あるいは検出不可能な割合である。)及び部分的阻害の両方を示し、後者は
微生物の成長の開始を引き伸ばすか、又はその微生物が成長する速度を減らすか、あるい
はその両方により特徴付けられる。
【0022】
本明細書中で用いられているように、“燻煙液の由来物(DLS)”という句は、所定
の使用に適切な特徴を有する燻煙液の由来物を意味する。DLSは燻煙液の画分であり、
例えば、従来の燻煙液をエバポレータを通して処理して、燻煙液溶液の由来物を製造する
ように、該燻煙液の低沸点成分を分離、凝縮することで調製される。従って、“燻煙液の
由来物”、“由来物”、“燻煙液画分”、及び“画分”の句は、本明細書中で同義的に使
用され、かつ燻煙液それ自身から単離された燻煙液の成分であり、続いてさらなる調製及
び/又は改質段階が、あってもなくてもよい。いくつかの実施態様において、DLSは抗
微生物活性として特徴付けられており、かつ食料品がDLSで処理された場合、食料品に
燻製の風味はつかない。
【0023】
本明細書中で用いられているように、“インスタント食品(RTE)”という句は、す
ぐに、又は再加熱した後に消費することができるように調製された食料品を意味する。典
型的なRTE食料品は、デリミート(例えば、七面鳥、ローストビーフ、ハム、鶏、サラ
ミ、ボローニャなど)、及びホットドッグを含む。
RTE食料品は、調理準備済み食料品と対比され得る。通常、調理準備済み食料品は、
生もの、家禽肉、豚肉、及び牛肉のような調理されていない食材、並びに焼いたパン生地
製品のような一部分調理された/焼いた食材を含む。典型的な調理準備済食料品は、家禽
肉、豚肉、及び牛肉(例えば牛のひき肉)、並びに食パンやロールパンなどの焼いたパン
生地製品である。RTC食料品は、海産物、野菜、及び他の最小限に加工された食材を含
む。
【0024】
(II. 燻煙液からの燻煙液由来物の調製)
当業者にとってよく知られていることとして、広葉樹材のおがくずの熱分解から得られ
る燻煙液の組成物は、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニンの熱分解からの一次的
成分を含む。とりわけ、該燻煙液の組成物は、400以上にわたる様々な化学物質を含み
、それゆえ、燻煙液の組成物は、特定の種類の化合物、すなわち酸(%滴定酸度、米国特
許番号第6,214,395号に開示されている方法を用いて決定される。)、フェノール成分、
及びカルボニルの含有量により特徴付けられる。
【0025】
該酸は、防腐剤であり、かつpH調整剤である。商業的な燻煙液組成物は、約2.5以下
のpH、より一般的には約2.3以下のpH、及び約3%から約18%の容量あたりa%の
滴定酸度を有する。該フェノール成分は、燻煙液組成物に、燻製の風味、及び香りを与え
、通常、フェノール成分含有量は、約10から約45mg/mlであり、さらに一般的に
は、約14から約30mg/mlである。該カルボニルは、燻煙液組成物に茶色発色能を
付与する。該フェノール成分、及び該カルボニルは、米国特許番号第4,431,032号に記載
されているように測定することができ、それには、燻煙液組成物から、望ましくないター
ル成分を除去する技術が記載されている。該酸、及びカルボニルは、二次的に、燻煙液組
成物の燻製の風味を付与することを注記する。
【0026】
テネシー州クロスビルのMastertaste社は、さまざまな燻煙液の製造会社である。例証
的な燻煙液には、ZESTI−SMOKE コード10、及びZESTI−SMOKE
コードVがある。これらの燻煙液の明細は以下の通りである:

コード10 コードV
酸度 (% w/v) 10.5-11.0 6.8-7.8
染色指数 69-80 なし
カルボニル濃度 (g/100mL) 15-25 2.0-7.0
フェノール濃度 (mg/mL) 12-22 1.0-4.0
特有の比重(w/v) (25°C) 1.068-1.079 1.005-1.015
密度 (lbs/gal) 8.90-8.99 8.37-8.46
pH 2-3 2.0-2.4
色 琥珀色 琥珀色
【0027】
ここで開示される主題により開始物質として利用されるZESTI−SMOKE コー
ドVの画分は、ZESTI−SMOKE コード10の由来物、又は二次的生成物として
製造され得る。該コード10は、分離器(例えば、AVPエバポレーター)を通して、供給
原料として該コード10を供給することにより処理され得る。該原料は、最初に、低沸点
の酸を除去するために加熱され、次に二次的生成物としてのコードVに凝縮される。また
、この処理は、従来の燻煙液よりも高い、酸の割合、染色指数、カルボニル及びフェノー
ル濃度、特有の比重(w/v)、密度、及び暗い色を有し、かつ様々な最終用途のための
、テネシー州クロスビルのMastertaste社から商標SUPERSMOKEとして売られて
いる凝縮燻煙液を与える。
【0028】
該コード Vの由来物は、低いpH、少ない風味、低着色又は無着色製品である。いくつ
かの実施態様において、その後、コードVは、pHを少なくとも約5.0まで上げるために
、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムのような
適切なpH調整剤で処理される。該pHを約7.0まで上げることができる。いくつかの実施
態様において、該pHは、約5.0から約6.0の範囲である。このpH調整剤は、本明細書
中で開示されるように、燻煙液の由来物を製造するために、さらに改質され得る。
【0029】
いくつかの実施態様において、該コードVの由来物を、最初に、米国特許番号第5,637,
339号において開示される方法に従って処理する。これにより、フェノール成分を取り除
く。次に、その産物を、適切なpH調整剤で処理する。任意に、該pH調整を、該炭素処理前
に行うことができる。この炭素処理、pH調整された物質を、本明細書中に使用される燻
煙液の由来物を製造するための出発物質として使用することができる。
いくつかの実施態様において、おがくずを、熱分解前に脱木化し、低風味産物を製造す
る。様々なこれらの産物、及び由来物を、共に配合して、ある範囲のカルボニル濃度を生
成する。それらは、フェノール成分を実質的に減らすために炭素処理され得る。また、そ
れらを、pH/酸度を調節するために中和剤で処理することができる。
以下に示した実施例において、燻煙液の様々な由来物を、細菌、酵母、及びカビに対す
るDLSの抗微生物活性の試験に用いた。
【実施例】
【0030】
(実施例)
下記実施例は、ここで開示される主題の様式を説明することを含んでいる。下記実施例
の特定の態様は、ここで開示される主題の実施において、よりよく機能するように、本発
明者らによって見出されるか、又は意図された技術及び手順に関して記載される。これら
の実施例は、本発明者らの標準的な実施を説明する。本開示、及び当業者の一般的水準の
観点から、当業者は、下記実施例が、例示的なものであり、多くの変化、改質、及び変更
を、ここで開示される主題の範囲からはずれることなく使用することができることを認識
するであろう。
【0031】
(実施例1)
(燻煙液の由来物の調製)
スモーク1、2、及び5は、本明細書中に記載したように脱リグニン、及び脱フェノー
ルの様々な組合せにより、これらのフェノール成分を実質的に除去した煙の一次的凝縮物
から誘導した。スモーク3は、酸、カルボニル、及びフェノール成分の全てを有する標準
型の一次的煙凝縮物である。容易な比較のために、幾つかの他のLS/DLS画分に類似
した滴定酸度を有するように、その強度を希釈して調節した。スモーク4は、典型的な一
次的煙凝縮物の不溶性沈殿タール画分の抽出物である。それは主に、高フェノール成分の
画分であり、わずかな量の滴定酸度、及びカルボニル化合物を有する。それに、ポリソル
ベート80(Polysorbate 80)を添加することにより水溶性を示す。スモーク6、7、8
、及び9の調製は、一次的LSの蒸発からの凝縮物の様々な操作を伴う。これらの操作に
より、様々なレベルの滴定酸度、pH、及びフェノール成分を有し、カルボニル成分がほ
とんどない生成物を調節した。
9つの燻煙液の由来物の全てを、表1にまとめた特性を有するように生成した。
【0032】
【表1】

【0033】
(実施例2)
(グラム陰性菌に対するMIC値)
実施例1からの燻煙液の由来物1〜9を、グラム陰性菌の混合液に対して、ブロス、又
は寒天希釈法に使用した。該混液は、サルモネラ ムエンスター(Salmonella muenster
)、サルモネラ セフテンベルク(Salmonella seftenberg)、サルモネラ タイフィリ
ウム(Salmonella typhimurium)、及びE.コリ8677を含む。各細菌種の1000個の細胞
を用いて、該煙画分の異なる希釈液(v/v%として存在する希釈液)に接種させた。該
画分のそれぞれの最小阻害濃度を測定するために、次に、試験管内に異なる割合で燻煙液
の由来物を含むTSBに、適切な接種を行った。該試験管を37℃で24時間、及び48
時間保温し、かつ成長/非成長を記録した。該MIC値を表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
幾つかの細菌種の成長曲線を、選択した燻煙液の由来物(DLS)の所定のMIC濃度以
下で、別々に作成した。該成長曲線を、図1〜4に示した。それぞれは、3回反復実験の
平均値を示す。
【0036】
(実施例3)
(グラム陽性菌に対するMIC値)
また、燻煙液1〜9の由来物を、グラム陽性菌(リステリア イノキュアM1(Lsteria
innocua M1))に対して、実施例2に記載した技術を用いて試験した。該MIC値を、表
3に示す。
【0037】
【表3】

【0038】
リステリア イノキュアM1の成長曲線を、選択した燻煙液の由来物(DLS)の所定のM
IC濃度以下で作成した。該成長曲線を、図5〜6に示した。それぞれは、3回反復実験
の平均値を示す。
【0039】
(実施例4)
(酵母に対するMIC値)
また、燻煙液の由来物(DLS)1、2、3.及び8を、サッカロマイセス セレビシエ
に対して、TSBの代わりに麦芽抽出ブロス(MEB)を用いたことを除き、実施例2に記
載した技術を用いて試験した。各DLSに対するMIC値は、1.5%であった。
サッカロマイセス セレビシエの成長曲線を、DLS1、2、3、及び8に対して0.
50%で、及びDLS1に対して0.25%、0.5%、及び0.75%で作成した。該
成長曲線を、図7〜8に示した。それぞれは、3回反復実験の平均値を示す。
【0040】
(実施例5)
(典型的真菌に対するMIC値)
また、燻煙液の由来物1、2、3、及び8を、アスペルギルス ナイガーに対して、各
DLS希釈液に1000個の細胞を接種する代わりに、等量のA. ナイガー胞子をポテト
デキストロース寒天 (PDA)に加えたことを除き、実施例2に記載した技術を用いて試
験した。該MICを表4に示す。
【0041】
【表4】

【0042】
成長曲線の代わりに、A. ナイガー胞子の外周を、37℃で、DLS1に対して0.75
%、DLS2に対して1.25%、DLS3に対して1.25%、及びDLS8に対して
5.0%で、処理の1、3、4、及び7日目に測定した。このデータを、図9に示す。
【0043】
(実施例1〜5の考察)
上記、及び図面に記載したように、煙成分は、抗微生物特性を有する。異なる煙凝縮物
は、例外があるものの、異なる微生物に対して幾らか別々に作用する。そして、示した該
データは、MIC値において、酸度とpHとの間の一般的な相関関係を示唆している。興
味深いことに、これらのデータは、カルボニルが、グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母、
及び真菌に対する抗微生物作用に寄与することも示唆している。また、MIC値は、1つ
の変数が他方全体を補うことにより影響され得る(例えば、カルボニル対フェノール成分
、及びその逆)。
【0044】
(実施例6)
(焼いたパン生地製品のカビ抑制)
包装紙上で消費期限2日前の焼いた正餐用ロールパンを購入した。期限前日に、該パン
に、スモーク1の30%溶液を軽く噴霧し、包装し、かつ室温に放置した。適用範囲を保
証するために、含浸率を1.5〜2.0%とした。処理開始24時間後(すなわち、期限日)に
、ロールを観察した。
その結果を、図14A〜14Eに示した。灰色点が、カビコロニーの増殖を示す。処理
により、消費期間が一週間増加した。
【0045】
(実施例7)
(リステリア イノキュアM1のコントロールに対する、燻煙液処理済インスタント(RT
E)食肉製品の検証)
商業的製造会社のRTE高級品(40%以下の結合剤、及びブロスを添加して形成され
た胸部全体)、及び低級品(形成、及び調理前に、60%までの結合剤、及びブロスが添
加され得る七面鳥の胸部のひき肉)の七面鳥ロール、及びローストビーフの切片を用いて
、L.イノキュアM1感染を制御する煙画分の性能を4週間に渡って試験した。該七面鳥製
品は、3.5〜4.5kgの範囲であり、かつ収縮性調理袋内の湯で内部温度を71℃に
調理して、続いて水で内部温度7℃に調理した。該ローストビーフの各片を、約1kgに
して、かつその場合直ぐに収縮性フィルムで包装し、かつ1つの単位として使用した。該
七面鳥ロールを、それぞれ4切片に切った。各切片を、1つの単位としてみなす。
【0046】
4つの異なる燻煙液の由来物 (DLS)を、アメリカ合衆国テネシー州クロスビルのMas
tertaste社から入手した。各肉を、100%DLSに浸漬し、かつ少なくとも60秒間、
浸漬し続けた。除去後に、該肉を、室温で5分間以上、スクリーンで覆って空気乾燥させ
、L. イノキュア M1(アメリカ合衆国ノースカロライナ州ローリーのノースカロライナ州
大学Dr. P. M. Foegedingから入手した。)とともに保温した。
各肉片の2つの表面積25cm(滅菌テンプレートを用いて食用インクでマークした
。)に、活発に増殖する(18時間)培養液50μL中100CFUのL. イノキュア M1
を接種し、100CFU/25cmの全接種物を得た。次に、各片をCRYOVAC(登録商標
)バリアーバッグ(barrier bag)(アメリカ合衆国サウスカロライナ州ダンカンのCRYOVAC
(登録商標)Food Packagingから入手可能)内に置き、真空包装し、かつ4℃に置いた。
【0047】
生存L. イノキュア M1を、4℃で、0、2、及び4週で評価した。該マークエリアを、
無菌状態で切除し、かつストマッカーバッグ(stomacher bag)に移した。0.1%滅菌
ペプトン水(PW)100mLを加え、かつ該混合液を2分間消化した。一定分量を除去
し、かつ直接プレートするか、又は希釈液を作り、かつ数を数えた。生存L. イノキュア
M1細胞を、ストレプトマイシン250mg/mL、及びリファンピシン50mg/mLで
補ったDIFCO(商標)TSA (アメリカ合衆国ミシガン州デトロイトのDifco Laboratori
es社から入手可能)を用いて、AUTOPLATE(登録商標)4000(アメリカ合衆国マサチ
ューセッツ州ノーウッドのSpiral Biotech社から入手可能)で、直接スパイラルプレーテ
ィング法(spiral plating methods)により数えた。3群の各RTE製品(高級品、及び
低級品の七面鳥、並びにローストビーフ切片)は、各群において行われる試験15回分を
有する。各群から3つの試料を、ポジティブコントロール(DLS処理なし)として提供
した。データを、各製品上の2つの指定エリアのCFUの平均、及びパージの2つの試料
として、表5〜7に示す。
【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
(実施例8)
(デリミートの低濃度リステリア モノサイトジーンズ接種後のDLSの抗微生物作用)
リステリア モノサイトジーンズの3種(SLR10, 1/2a;SLR31, 1/2b;及びSLR1234, 4
b Scott A;アメリカ合衆国イリノイ州サウスオランダのSilliker社から入手可能)を同
数含む細菌混合物を用いて、食料品におけるDLSスモーク8、及びDLSスモーク2の
抗微生物活性を試験した。約1000〜10,000CFUを、ハム、ローストビーフ、
ホットドッグ、及び七面鳥の試料上に接種させた。該接種物を、滅菌ループを用いて該食
料品の表面上に広げ、かつ15分間乾燥させた。各デリスタイルミートの個々の切片を、
スモーク8、又はスモーク2に15秒間浸漬し、かつ1分間滴らせて過剰な液体を除去し
た。次に、該製品をヒートシール包装物内に包装し、かつ4℃で貯蔵した。個々の試料を
、0、1、2、5、10、30、60、90、 及び/又は120日目に分析した。図1
5〜18に示した該データは、各時間点での3回反復実験の平均値を示す。
図15に示すように、スモーク8、及びスモーク2、双方は、ホットドッグ上のリステ
リアの増殖を阻害しており、スモーク2で処理した試料は、2日から90日目まで(90
日目含む)、リステリアが検出されないことを示している。該スモーク8で処理したホッ
トドッグのリステリア滴定量は、30日目まで低下した。
【0052】
図16に示すように、スモーク8、及びスモーク2、双方は、10日目(10日目含む
)まで、ローストビーフ上のリステリアの増殖阻害を示した。
また、スモーク8、及びスモーク2は、ハム上のリステリアの増殖を阻害した。図17
に示すように、スモーク8で処理したハムに対する細菌滴定量は、一般的に10日目まで
減少した。スモーク2での処理は、10日目まで(10日目含む)、リステリアレベルの
検出はないことを示した。
図18は、七面鳥をスモーク8、及びスモーク2を用いて処理した結果を示す。ここで
再び、各製品の処理は、10日目まで、細菌レベルが低下するか、又は検出されない結果
を示した。
要約すると、DLS画分のスモーク8、及びスモーク2で処理したこれらのRTE食料
品は、消費期間が少なくとも10日間増加されるという結果を示した。
【0053】
(実施例9)
(デリミートの高濃度リステリア モノサイトジーンズ接種後のDLSの抗微生物作用)
実施例8に記載した実験を繰り返した。しかし、この時、各食料品に対する最初の接種
を、10〜10CFUとした。該試験製品に、リステリア モノサイトジーンズを接
種させた。該リステリア混合物を、12〜18時間後の5つのUSDA-認可リステリア種の
等分量を組合せて作成した。該試験製品に接種するために、該リステリア混合物0.1m
Lを、マイクロピペッターを用いて該製品上に置いた。図19〜22に示した該データは
、各時間点での3回反復実験の平均値を示す。
【0054】
図19は、ホットドッグに、約10CFUのリステリアを接種させた結果を示す。ス
モーク8での処理は、約10日目で、約1Log分の細菌滴定量の低下を示し、これは、
さらに約6週間維持された。一方、スモーク2は、2日目で、細菌が検出されなくなり、
60日目まで検出レベル以下を維持する結果を示した。
図20は、約10CFUのリステリアを接種させたローストビーフを、スモーク8、
及びスモーク2で処理した結果を示す。スモーク8での処理は、60日目まで増殖阻害を
示した。スモーク2での処理は、1日目で細菌滴定量の減少が1Logよりも大きくなり
、かつ22日目で2Logよりも大きくなることを示し、これは、60日目まで維持され
た。
【0055】
図21は、約5×10CFUのリステリアを接種させたハムを、スモーク8、及びス
モーク2で処理した結果を示す。スモーク8での処理は、5日目まで増殖阻害を示した。
スモーク2での処理は、1日目で細菌滴定量の減少が1Logよりも大きくなることを示
し、これは、45日目まで維持された。
図22は、約10CFUのリステリアを接種させた七面鳥を、スモーク8、及びスモ
ーク2で処理した結果を示す。スモーク8での処理は、2日目までに1Logの減少を示
した。スモーク2での処理は、1日目で細菌滴定量の減少が約2Logよりも大きくなる
ことを示し、これは、10日目まで維持された。
【0056】
(実施例10)
(100%燻煙液、及び熱分解凝縮物の抗微生物性の詳細)
商業的提供先から購入したホットドッグを、100%燻煙液(スモーク2;Mastertast
e社)、及び/又は低温殺菌(約73.9℃(165°F)で1分間)した蒸気で処理し
た。ホットドッグを、2分間、スモーク2に浸漬し、かつ60秒間滴らせて過剰な液体を
除去した。第二の一組のコントロールのホットドッグを、処理せずに置いておいた。次に
、これらに、リステリア モノサイトジーンズの4種混合物を接種させた。試料を、適切
なプラスチックフィルム内に真空包装した。各組(処理、及び未処理)の該ホットドッグ
の一部を熱低温殺菌(約73.9℃(165°F)で1分間)した。試験を3通り行い、
かつ試料を(約10℃(50°F)(酷使温度))で保持した。図23に示した該結果は
、リステリア モノサイトジーンズが、熱のみで2.8Log減少し、すぐに高レベルに
回復するという結果を示した。約10℃(50°F)保持温度が過度の酷使であることは
、予想外のことではないが、これは興味深い。しかし、その高保持温度にもかかわらず、
スモーク2のみは、L. モノサイトジーンズを約2Log減少させることが可能であり、
それは、試験期間6週間まで維持された。
燻煙液、及び熱、両方の組合せ処理は、熱のみで見られた初期効果と類似した効果を有
していた。しかし、該燻煙液処理は、熱のみで見られた該細菌の迅速な回復を抑制した。
さらに、該細菌滴定量が、約3週間まで減少し続け、最終的に約7Logの減少に達し、
かつ試験期間中、そのレベルを維持した。
【0057】
(実施例11の物質、及び方法)
(接種物調製)
リステリア モノサイトジーンズの4種混合物(109, 108M, 血清型4c, 血清
型3)を、再構築した皮のない七面鳥胸部の表面接種に使用した。接種物を、5mLチュ
ーブ内のTSBボトル(Difco Laboratories社から入手可能)に、続いて100mLTS
B遠心分離ボトルに連続移動した後で傾斜培養から調製した。定常期培養液(20時間)
を、Beckman J2-21 M/E遠心分離機(アメリカ合衆国カルフォルニア州フラートンのBeckm
an Coulter社から入手可能)中、JA-14ローターを用いて、4℃、10分間、10,00
0gで遠心分離し、0.1%滅菌ペプトン水(PW)で洗浄し、かつ該4種(約10
FU/mL)を、等量(各50mL)で組合せ、かつ噴霧接種に使用した。接種物濃度を、
ホイットリースパイラルプレーター(Whitley spiral plater)を用いて、改良オックス
フォード寒天(MOX, イギリスのハンプシャー州ベージングストークのOxoid Ltd.から
入手可能)上で直接プレーティングすることにより測定し、かつ24時間37℃で保温し
た。保温後に、典型的な黒色コロニーを数え、かつ接種物濃度を、Log10CFU/m
Lとして記録した。
【0058】
(製品の接種、及び処理)
該製品包装材を無菌状態で取り除き、かつ該製品をトレイ上に置き、かつ生物学的閉じ
込めチャンバー内で、4種混合物を噴霧接種させた。該製品を15分間保持し、該L.モノ
サイトジーンズを付着させた。DLS塗布を要求する処理物に、ガーデン用噴霧器を用い
て、該DLSを噴霧した(50mL/七面鳥胸部)。次に、カンザス州立大学無菌処理研
究室(Kansas State University Aseptic Processing Laboratory)(アメリカ合衆国カ
ンザス州マンハッタン)で、タウンゼンド後処理殺菌装置(Townsend post-process past
eurizer)(アメリカ合衆国アイオワ州デモインのTownsend社から入手可能)を用いて、
該接種され、処理された製品を真空包装し、かつ96℃で1、2、又は3分間、低温殺菌
した。低温殺菌済製品を、氷浴で15分間冷却し、かつ表面中心抜出装置(surface-cori
ng device)を用いてサンプリングした。
【0059】
(残存L.モノサイトジーンズのサンプリング)
低温殺菌、及び冷却後に、無菌状態で該包装を取り除き、かつ上部、及び下部表面、両
方の中心を抜き出すことにより(1側面につき2つ)、該接種させた製品をサンプリング
した。次に、該表面中心試料を、ストマッカーバッグ内で0.1%PW50mLと混合し
、かつ2分間ホモジナイズ(アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティのTekmar社)した。
次に、該ホモジナイズ試料を、0.1%PWで連続的に希釈し、かつMOX、及びTSA
上にプレートした。該プレートを、37℃で245時間保温した。MOX、及びTSA(
熱損傷細胞の回復に使用した。)上の典型的な黒色コロニーを数えることにより列挙した
。該数を、Log10CFU/cmとして記録した。
【0060】
(実施例11)
(DLS/熱処理を組合せたRTE肉)
表面に接種したリステリア モノサイトジーンズのDLS単独、又は飽和蒸気との組合
せによる駆除を評価するために、three-by-four実験計画を使用した。上記節(実施例1
1の物質、及び方法)に記載したように、3つのDLS処理(コントロール、スモーク1
、及びスモーク2)、及び4つの熱処理(0、1、2、及び3分間)を使用した。
再構築した七面鳥胸部製品の噴霧接種により、4.17 Log10CFU/cmの表面L.
モノサイトジーンズ集団を得た。タウンゼンド後処理表面殺菌装置(Townsend post-proc
ess surface pasteurizer)内で、1、2、又は3分間、蒸気に曝すことにより、それぞ
れ、1.08、2.01、及び2.92 Log10CFU/cmに減少した。DLSを用いた接種済
七面鳥胸部の噴霧処理により、スモーク1、及びスモーク2に対して、それぞれ、コント
ロールから0.94、及び0.41 Log10CFU/cm減少した。スモーク1を用いた接種
済七面鳥胸部の噴霧処理、及び続く飽和蒸気への暴露により、表面L.モノサイトジーンズ
は、2.17、2.37、及び3.57 Log10CFU/cmと大きく減少した(それぞれ、蒸気
暴露1、2、及び3分間)。類似した減少(2.30、3.11、及び3.54 Log10CFU/c
)が、スモーク2と蒸気処理とを用いることにより観察された。
【0061】
(実施例11の考察)
加工七面鳥胸部製品の表面噴霧処理により、L.モノサイトジーンズの減少を示したが、
表面スモーク塗布と表面熱処理との組合せにより、どちらかの単独処理よりも大きく減少
する(図12、及び13)。該組合せ処理は、より大きな減少を提供するが、該減少の平
均値は、DLSと1分間の低温殺菌とで処理した製品よりも大きい。
ここに開示される主題の様々な詳細は、ここに開示される主題の範囲から逸脱すること
なく、変えることができることが理解されるであろう。さらに、前記の記載は、説明のみ
を目的とするものであって、制限を目的とするものではない。
(図面の簡単な説明)
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、スモーク1(0.75%)、2(1.00%)、3(1.00%)、又は8(2.00%)の希釈液で補ったトリプティックソイブロス(TSB)中のエシェリキアコリ8677の成長曲線を示す。該希釈は、別々の燻煙液の由来物(DLS)の各々に対する最小阻害濃度(MIC)以下になるように選択した。
【図2】図2は、0.00%〜0.75%の濃度のスモーク1で補ったトリプティックソイブロス(TSB)中のエシェリキアコリ8677の成長曲線を示す。
【図3】図3は、スモーク1(0.50%)、2(1.00%)、3(1.00%)、及び8(2.00%)の希釈液で補ったトリプティックソイブロス(TSB)中のサルモネラ セフテンベルクの成長曲線を示す。
【図4】図4は、0.00%〜0.50%の濃度のスモーク1で補ったトリプティックソイブロス(TSB)中のサルモネラ セフテンベルクの成長曲線を示す。
【図5】図5は、スモーク1(0.50%)、2(0.40%)、3(0.50%)、及び8(2.00%)の希釈液で補ったトリプティックソイブロス(TSB)中のリステリア イノキュアM1の成長曲線を示す。
【図6】図6は、0.00%〜0.75%の濃度のスモーク1で補ったトリプティックソイブロス(TSB)中のリステリア イノキュアM1の成長曲線を示す。
【図7】図7は、スモーク1、2、3、及び8の0.50%希釈液で補った麦芽抽出ブロス (MEB)中のサッカロマイセス セレビシエの成長曲線を示す。
【0063】
【図8】図8は、0.00%〜0.75%の濃度のスモーク1で補った麦芽抽出ブロス(MEB)中のサッカロマイセス セレビシエの成長曲線を示す。
【図9】図9は、スモーク1(0.75%)、2(1.25%)、3(1.25%)、及び8(5.00%)の希釈液の存在下、ポテトデキストロース寒天上で成長したアスペルギルス ナイガー胞子の1、3、4、及び7日目の平均外周を示す。
【図10】図10は、トリプティックソイ寒天上で数えられるリステリア モノサイトジーンズの増殖における、燻煙液の由来物(スモーク2、又はスモーク3)と表面飽和蒸気をベースとした低温殺菌(0、1、2、及び3分)とを用いた、再構築した七面鳥胸部表面の組合せ処理の効果を示す。コロニーの数は、Log10CFU/cmとして示した。
【図11】図11は、改良オックスフォード寒天(MOX)上で数えられるリステリア モノサイトジーンズの増殖における、燻煙液の由来物(スモーク2、又はスモーク3)と表面飽和蒸気をベースとした低温殺菌(0、1、2、及び3分)とを用いた、再構築した七面鳥胸部表面の組合せ処理の効果を示す。コロニーの数は、Log10CFU/cmとして示した。
【図12】図12は、トリプティックソイ寒天上で数えられるリステリア モノサイトジーンズの増殖における、燻煙液の由来物(スモーク2、又はスモーク3)と表面飽和蒸気をベースとした低温殺菌(0、1、2、及び3分)とを用いた、再構築した七面鳥胸部表面の組合せ処理の結果のコロニー数の減少を示す(Log10CFU/cmとして示した。)。
【図13】図13は、改良オックスフォード寒天(MOX)上で数えられるリステリア モノサイトジーンズの増殖における、燻煙液の由来物(スモーク2、又はスモーク3)と表面飽和蒸気をベースとした低温殺菌(0、1、2、及び3分)とを用いた、再構築した七面鳥胸部表面の組合せ処理の結果のコロニー数の減少を示す(Log10CFU/cmとして示した。)。
【0064】
【図14A−14E】図14A〜14Eは、焼いた正餐用ロールパンをスモーク1で処理した結果を示す。包装紙上で消費期限2日前の、商業用の焼いた正餐用ロールパンを購入した。期限前日に、該パンに、スモーク1の30%溶液を軽く噴霧し、包装し、かつ室温に放置した。適用範囲を保証するために、含浸率を1.5〜2.0%とした。期限日にあたる処理開始24時間後の写真を撮った。 図14Aは、DLSで処理した1日後の該焼いた正餐用ロールパンの写真(上の2つのパネル)を示す。下のパネルは、未処理のネガティブコントロールを示す。図14Bは、DLSで処理した2日後の該焼いた正餐用ロールパンの写真(上の2つのパネル)を示す。下のパネルは、未処理のネガティブコントロールを示す。図14Cは、DLSで処理した3日後の該焼いた正餐用ロールパンの写真(上の2つのパネル)を示す。下のパネルは、未処理のネガティブコントロールを示す。図14Dは、DLSで処理した4日後の該焼いた正餐用ロールパンの写真(上の2つのパネル)を示す。下のパネルは、未処理のネガティブコントロールを示す。図14Eは、DLSで処理した1週間後の該焼いた正餐用ロールパンの写真(上の2つのパネル)を示す。下のパネルは、未処理のネガティブコントロールを示す。12個のロールパン全ては、購入した同じ包装紙からのものである。該8個の処理ロールパン(各図中の上の2つのパネル)全てを、同じDLSで均一に処理し、かつ別々に包装した。該4個のコントロールのロールパン(図14A〜14D中の下のパネル)を、未処理のままとし、かつ閉じたプラスチックバッグに置いた。
【0065】
【図15−18】図15〜18は、リステリア モノサイトジーンズを用いた低レベル(103-104CFU)接種の結果を示す。図15は、約3500CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種したホットドッグを、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図16は、約1700CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種したローストビーフを、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図17は、約1700CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種したハムを、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図18は、約7500CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種した七面鳥を、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。
【0066】
【図19−23】図19〜23は、リステリア モノサイトジーンズを用いた高レベル(105-107CFU)接種の結果を示す。図19は、約1.6×105CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種したホットドッグを、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図20は、約2.4×106CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種したローストビーフを、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図21は、約3.8×106CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種したハムを、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図22は、約1.2×106CFUのリステリア モノサイトジーンズを接種した七面鳥を、スモーク8、及びスモーク3で処理した結果を示す。図23は、接種したホットドッグの消費期間保存時の、リステリア モノサイトジーンズ増殖における、スモーク2、及び/又は熱処理(約73.9℃(165°F)で1分間)の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食料品における微生物の成長を阻害する方法であって、該食料品に煙香を付与しない燻煙
液の由来物を用いて該食料品を処理することを含み、それによって微生物の成長を阻害す
る、前記方法。
【請求項2】
前記微生物が、細菌、酵母、及び真菌からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記細菌が、ストレプトコッカス、シゲラ、ハフニア、エンテロバクター、セラティア、
スタフィロコッカス、シュードモナス、シトロバクター、クレブシエラ、エシェリキアコ
リ、リステリア、又はサルモネラの種である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記酵母が、サッカロマイセスの種である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記真菌が、アスペルギルスの種である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記食料品が、インスタント食品である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記インスタント食品が、家禽肉、豚肉、牛肉、海産物、又は焼いたパン生地製品を含む
、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記食料品が、調理準備済み食料品である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記調理準備済み食料品が、家禽肉、豚肉、牛肉、海産物、新鮮な野菜、又は焼いたパン
生地製品を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記燻煙液の由来物が、(a)単位容量当たり0から約6%重量(w/v)の濃度の滴定酸
度;(b)単位容量当たり少なくとも約3%重量(w/v)のカルボニル;(c)単位容量
当たり約0.5%重量(w/v)未満の濃度のフェノール成分;及び(d)単位容量当たり
約97%重量(w/v)未満の濃度の水を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記燻煙液の由来物が、単位容量当たり約8.0から約12.0%重量(w/v)の濃度
のカルボニルを含み、かつpHは約5.0から約6.0である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記燻煙液の由来物が、単位容量当たり約3.0から約8.0%重量(w/v)の濃度の
カルボニル、単位容量当たり約0.01から0.5%重量(w/v)の濃度のフェノール
成分を含み、かつpHは約5.0から約6.0である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記燻煙液の由来物が、少なくとも約3.0のpHを有する、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記pHが、約4.5から6.5である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記燻煙液の由来物が、単位容量当たり少なくとも10%重量(w/v)のカルボニルを
含む、請求項10記載の方法。
【請求項16】
前記燻煙液の由来物が、燻煙液をエバポレータを通して処理して、該燻煙液の由来物を製
造するように低沸点成分を分離、凝縮することで製造される、請求項10記載の方法。
【請求項17】
前記燻煙液の由来物が、前記食料品上に噴霧される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記食料品が、前記燻煙液の由来物の溶液に浸される、請求項1記載の方法。
【請求項19】
少なくとも約1分間、少なくとも約73.9℃に食料品を加熱することをさらに含む、請
求項1記載の方法。
【請求項20】
前記加熱ステップが、前記処理ステップの後に行われる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記燻煙液の由来物は、さらに、付加的な湿潤剤を含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記付加的な湿潤剤が、ポリソルベートを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
燻煙液の抗微生物性由来物であって:(i)単位容量当たり少なくとも3%重量(w/v)
のカルボニルを含み;(ii)食料品が燻煙液の由来物で処理された場合、該食料品に煙香
は付与されず;かつ(iii)該食料品が燻煙液の由来物で処理された場合、ストレプトコ
ッカス、シゲラ、ハフニア、エンテロバクター、セラティア、スタフィロコッカス、シュ
ードモナス、シトロバクター、クレブシエラ、エシェリキアコリ、リステリア、サルモネ
ラ、サッカロマイセス、及びアスペルギルスからなる群から選択される微生物の食料品上
における生育を阻害する、前記燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項24】
約3.0以上のpHを有する、請求項23記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項25】
pHが、約4.5から6.5の間である、請求項24記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項26】
前記燻煙液の由来物が、単位容量当たり少なくとも10%重量(w/v)のカルボニルを
含む、請求項23記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項27】
(a)単位容量当たり0から約6%重量(w/v)の濃度の滴定酸度;(b)単位容量当た
り少なくとも3%重量(w/v)のカルボニル;(c)単位容量当たり約0.5%重量(w
/v)未満の濃度のフェノール成分;及び(d)単位容量当たり約97%重量(w/v)未
満の濃度の水を含む、請求項23記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項28】
単位容量当たり約8.0から約12.0%重量(w/v)の濃度のカルボニルを含み、か
つpHは約5.0から約6.0である、請求項27記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項29】
単位容量当たり約5.0から約8.0%重量(w/v)の濃度のカルボニル、単位容量当
たり約0.1から0.5%重量(w/v)の濃度のフェノール成分を含み、かつpHは約5
.0から約6.0である、請求項27記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項30】
前記食料品が、インスタント食品である、請求項23記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項31】
前記インスタント食品が、家禽肉、豚肉、牛肉、海産物、又は焼いたパン生地製品を含む
、請求項30記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項32】
前記食料品が、調理準備済み食料品である、請求項23記載の燻煙液の抗微生物性由来物

【請求項33】
前記調理準備済み食料品が、家禽肉、豚肉、又は牛肉、海産物、又は焼いたパン生地製品
を含む、請求項32記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項34】
付加的な湿潤剤を含む、請求項23記載の燻煙液の抗微生物性由来物。
【請求項35】
前記付加的な湿潤剤が、ポリソルベートを含む、請求項34記載の燻煙液の抗微生物性由
来物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−65664(P2012−65664A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250373(P2011−250373)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【分割の表示】特願2006−549562(P2006−549562)の分割
【原出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(506239843)
【Fターム(参考)】