照明ランプ交換方法及び交換治具
【課題】核燃料セル内の照明装置の維持管理費を低減するために照明ランプの交換を容易に行える交換治具を提供する。
【解決手段】照明ランプ56の交換治具は、マスタスレーブマニピュレータによって把持される把持部82と、照明ランプ56の外周を弾性的に把持することにより保持する弾性把持筒81より構成される。弾性把持筒81は、スリット812を有する弾性を持ったゴム板811を巻き付けて、天板821の端面にネジ止め83で固定する。照明ランプの交換時は、弾性把持筒81を照明ランプ56に挿入して照明ランプの外周を比較的弱い力で弾性的に把持する。
【解決手段】照明ランプ56の交換治具は、マスタスレーブマニピュレータによって把持される把持部82と、照明ランプ56の外周を弾性的に把持することにより保持する弾性把持筒81より構成される。弾性把持筒81は、スリット812を有する弾性を持ったゴム板811を巻き付けて、天板821の端面にネジ止め83で固定する。照明ランプの交換時は、弾性把持筒81を照明ランプ56に挿入して照明ランプの外周を比較的弱い力で弾性的に把持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明ランプ交換方法および交換治具に関する。
【背景技術】
【0002】
再処理センター分離精製工場の機械処理工程セル内には、遠隔操作や機器の状態を監視するために、セル内にはセル窓ごとに照明装置が設置されている。この照明装置の光源である照明ランプには、水銀灯が使用されている。
【0003】
このような照明装置における照明ランプは、経年劣化やその他の原因により、照度が低下したり点灯しなくなったりすることから、適宜、交換することが必要となる。
【0004】
照明ランプの交換方法として、特開2002−104751号公報に、エレベータ外装照明ランプの交換治具として、照明ランプに押し付けることによって先端部を押し広げて該照明ランプを弾性的に把持する把持部を長尺体の先端部に回転可能に設け、この把持部を長尺体の基端部から索状体を介して遠隔操作により回転させることにより照明ランプを回転させてソケットに着脱するものが記載されている。
【0005】
セル内には放射性物質や放射性汚染物質が存在することから、従来の交換治具を使用することは困難であり、照明ランプの交換はマニピュレータを使用した遠隔操作で行うことが必要であり、照明ランプのみを交換することができないことから、照明器具一式(照明ランプと照明ランプ取り付け具と反射鏡等のユニット)を交換せざるを得ない状況である。
【0006】
しかしながら、このような交換方法によれば、照明器具一式は極めて高価であることから照明装置の維持管理費が高額となり、また、セル内に多くの廃棄物が発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−104751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、セル内に設置された照明装置における照明ランプのみを交換可能にすることにより、その他の器具を継続的に使用して照明装置の維持管理費を低減し、更に、セル内に発生する廃棄物の量も低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における交換治具は、照明ランプをその内側に挿入して該照明ランプの外周を弾性的に比較的弱い力で把持して保持する弾性把持筒をMS(Master Slave)マニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第1の交換治具と、照明ランプを挿入するランプ挿入穴の内縁に放射状にスリットを形成して該照明ランプの外周を弾性的に比較的強い力で把持して保持する弾性把持板をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第2の交換治具とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明における照明ランプ交換方法は、機械処理工程セル内に取り付けられた照明装置を該機械処理工程セル内に設けられたパワーマニピュレータにより取り外して保守セル内の作業台上に搬送し、除染・保守セルに設けられたMSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに強く嵌り合っている(以下、嵌着しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを強く把持して回転させることにより該照明ランプのランプソケットへの嵌着を緩め、次いで、MSマニピュレータにより、第1の交換治具を把持して該第1の交換治具の弾性把持筒にランプソケットに緩く嵌り合っている(以下、嵌合しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを弱い力で把持して回転させることにより該照明ランプをランプソケットから取り外して廃棄位置に移し、次いで、第1の交換治具の弾性把持筒に新しい照明ランプを押し入れて保持してランプソケットに嵌合させ、次いで、MSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットに嵌着する照明ランプ交換作業を行い、次いで、照明ランプを交換した照明装置をパワーマニピュレータにより元の取り付け位置に搬送して取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セル内に設置された照明装置における照明ランプのみを交換可能にしたことにより、その他の器具を継続的に使用して照明装置の維持管理費を低減し、また、セル内に発生する廃棄物の量も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】核燃料再処理施設の機械処理工程セルにおける照明ランプ交換方法を示す縦断正面図である。
【図2】機械処理工程セルのセル壁に取り付けられた照明装置の縦断側面図である。
【図3】照明装置の正面図である。
【図4】本発明における第1の交換治具の斜視図である。
【図5】本発明における第1の交換治具の金具部の側面図である。
【図6】本発明における第1の交換治具の金具部の平面図である。
【図7】本発明において第1の交換治具による照明ランプの交換作業態様を示す正面図である。
【図8】本発明における第2の交換治具の斜視図である。
【図9】本発明における第2の交換治具の金具部の側面図である。
【図10】本発明における第2の交換治具の金具部の平面図である。
【図11】本発明における第2の交換治具の弾性把持板の斜視図である。
【図12】本発明において照明ランプを把持した状態を示す第2の交換治具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における照明ランプ交換方法は、機械処理工程セル内に取り付けられた照明装置を該機械処理工程セル内に設けられたパワーマニピュレータにより取り外して保守セル内の作業台上に搬送し、除染・保守セルに設けられたMSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに強く嵌り合っている(以下、嵌着しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを強く把持して回転させることにより該照明ランプのランプソケットへの嵌着を緩め、次いで、MSマニピュレータにより、第1の交換治具を把持して該第1の交換治具の弾性把持筒にランプソケットに緩く嵌り合っている(以下、嵌合しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを弱い力で把持して回転させることにより該照明ランプをランプソケットから取り外して廃棄位置に移し、次いで、第1の交換治具の弾性把持筒に新しい照明ランプを押し入れて保持してランプソケットに嵌合させ、次いで、MSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットに嵌着する照明ランプ交換作業を行い、次いで、照明ランプを交換した照明装置をパワーマニピュレータにより元の取り付け位置に搬送して取り付けることを特徴とする構成であり、
前記第1の交換治具は、
照明ランプをその内側に挿入して該照明ランプの外周を弾性的に比較的弱い力で把持して保持する弾性把持筒をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた構成とし、第2の交換治具は、照明ランプを挿入するランプ挿入穴の内縁に放射状にスリットを形成して該照明ランプの外周を弾性的に比較的強い力で把持して保持する弾性把持板をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた構成とする。
【実施例】
【0014】
図1は、核燃料再処理施設の機械処理工程セルにおける照明ランプ交換方法を示す縦断正面図、図2は、機械処理工程セルのセル壁に取り付けられた照明装置の縦断側面図、図3は、照明装置の正面図である。
【0015】
図1において、核燃料再処理施設は、機械処理工程セル1と除染・保守セル2を備える。機械処理工程セル1は、実際には、複数のセルに分かれている。
【0016】
機械処理工程セル1と除染・保守セル2には、共通する横行レール3が架設され、遠隔操作されて前記横行レール3上を横行し、支援作業を行うパワーマニピュレータ4が設置される。
【0017】
機械処理工程セル1のセル壁11には、機械処理工程を支援するMSマニピュレータ(図示省略)によって該機械処理工程セル1内で支援作業を行うために該機械処理工程セル1内をセル壁11の外側から覗き見るためのセル窓12が設けられ、このセル窓12から覗き見る機械処理工程セル1内を照明するための照明装置5が各セル窓12に対応するように該機械処理工程セル1内に設置される。
【0018】
各照明装置5は、図2,図3に示すように、セル壁11を貫通させて機械処理工程セル1内に突出させた照明サポート51の先端部に嵌着して該照明サポート51による機械的支持と電気的接続を実現するコネクタ部52と、このコネクタ部52からセル壁11に沿った両横方向に伸びるランプ取り付け支持具53と、このランプ取り付け支持具53の両端部に取り付けられた複数個のランプソケット54と、このランプソケット54の後ろ側部(セル壁側)に着脱自在に設けられた反射板55とを備える。
【0019】
コネクタ部52と各ランプソケット54の間の電気的配線は、ランプ取り付け支持具53に沿って行われる。
【0020】
照明装置5の各ランプソケット54には、ねじ込み式により着脱する照明ランプ(水銀灯)56が嵌着される。
【0021】
除染・保守セル2には、保守作業対象物を載置する台車(作業台)6と、この台車6上に作業手先が届くようにセル壁21を貫通して設けられた照明ランプ交換作業に使用するMSマニピュレータ7と、台車6上での作業(この実施例では照明ランプ交換作業)をセル壁21の外側から覗き見るためのセル窓22を備える。また、この除染・保守セル2は、廃棄物や照明ランプ56や交換治具(後述する)等の出し入れに使用する搬出入口(図示省略)を備える。
【0022】
MSマニピュレータ7により照明ランプ交換作業を行うときに使用する交換治具について説明する。この実施例における交換対象の照明ランプ56は、最大外径が90mmの水銀灯とした。
【0023】
図4は、第1の交換治具の斜視図、図5は、第1の交換治具における金具部の側面図、図6は、第1の交換治具における金具部の平面図、図7は、第1の交換治具による照明ランプの交換作業態様を示す正面図である。
【0024】
この第1の交換治具8は、照明ランプ56をその内側に挿入して該照明ランプ56の外周を弾性的に把持することにより保持する弾性把持筒81をMSマニピュレータ7により把持される把手部82の先に設けた構成である。
【0025】
具体的には、交換対象の照明にランプ56の最大外径よりも僅かに小径の円板状のステンレス製の天板821の上面にステンレス製の垂直把持棒822を鉛直状態に溶接結合して起立させ、この垂直把持棒822の外端に十字状に取り付くようにステンレス製の水平把持棒823を該垂直把持棒822に対して直角方向に溶接結合して前記把手部82を形成し、前記天板821の端面(外周面)に弾性を持ったゴム板811を巻き付けて該端面にネジ止め83で固定することにより照明ランプ56を挿入して該照明ランプ56の外周を比較的弱い力で弾性的に把持して保持する前記弾性把持筒81を形成する構成とする。
【0026】
前記ゴム板811の巻き始め端と巻き終わり端は突合せ状態として突合せ端面がスリット812を形成することにより、弾性把持筒81内に照明ランプ56を挿入したときの該弾性把持筒81の弾性変形(内径拡張)を容易にして該弾性保持筒81内への前記照明ランプ56の挿脱を容易にし、弾性把持筒81の内周面と挿入された照明ランプ56の外周面との摩擦により比較的弱い把持力で該照明ランプ56を保持すると共に前記ランプソケット54に嵌合させて仮止め(軽く捻じ込んで取り付けた状態)することを可能にする。
【0027】
第1の交換治具8における天板821は、厚さが10mm、外径が85mmの円板で、重量を軽減するために直径が20mmの円形の穴8211を4個設け、外周端面に直径が5mmの12個の止めネジ穴8212を形成した構成とし、垂直把持棒822は、直径が8mm、長さが100mmの丸棒を使用し、水平把持棒823には、直径が8mm、長さが40mmの丸棒を使用し、弾性把持筒81を形成するゴム板811は、厚さが3mm、幅(天板821の外周方向寸法)が270mm、長さ(弾性把持筒81の長さ方向寸法)が160mmのものを使用した。
【0028】
図8は、第2の交換治具の斜視図、図9は、第2の交換治具における金具部の側面図、図10は、第2の交換治具における金具部の平面図、図11は、第2の交換治具における弾性把持板の斜視図、図12は、照明ランプを把持した状態を示す第2の交換治具の斜視図である。
【0029】
この第2の交換治具9は、照明ランプ56を挿入するランプ挿入穴911の内縁に放射状にスリット912を形成することにより前記ランプ挿入穴911に挿入された照明ランプ56の外周を弾性的に比較的強い力で把持する弾性把持板91をMSマニピュレータ7により把持される把手部92の先に設けた構成である。
【0030】
具体的には、把手部92は、交換対象の照明ランプ56の最大外径よりも大径の穴9211,9221を有するステンレス製の2枚の環状天板921,922の一方(第1の環状天板921)の上面にL字状のステンレス製の4本の支持脚923を逆さに溶接して起立させることにより各支持脚923の先端が前記環状天板921の前記穴9211の中心上に集合するように取り付け、その集合点上にステンレス製の垂直把持棒924を鉛直状態に起立するように一体的に溶接して結合し、垂直把持棒924の外端に十字状に取り付くようにステンレス製の水平把持棒925を該垂直把持棒924に対して直角方向に溶接して結合することにより形成する。2枚の環状天板921,922には、それぞれに共締め用の止めネジを貫通させる8個のネジ穴9212,9222を等間隔に設ける。
【0031】
弾性把持板91は、中央部分に形成したランプ挿入穴911の縁に8本の放射状にスリット912を形成して該ランプ挿入穴911に挿入したときに穴径を拡張して照明ランプ56の外周を弾性的に比較的強く把持する構成である。この弾性把持板91は、共締め用の止めネジを貫通させる8個のネジ穴913を備え、前記第1の環状天板921の下面に当接し、その下側に第2の環状天板922を当接して3層状態に重ね合わせ、8本の止めネジ(ボルトとナット)93により共締めして結合することにより把持部92に取り付ける。このように把持部92に取り付けられた弾性把持板91は、ランプ挿入穴911に照明ランプ56を挿入することにより該照明ランプ56の外周を弾性的に比較的強く把持し、前記ランプソケット54に嵌着されている照明ランプ56を緩める方向に回転させて嵌着を解き、前記ランプソケット54に捻じ込んで仮り止めされている照明ランプ56を更に強く捻じ込んで嵌着することを可能にする。
【0032】
第2の交換治具9における2枚の環状天板921,922は、外径が170mm、穴9211,9221の径が150mm、厚さが3mm、共締め用のネジ穴9212,9222の直径が5mmのものとし、支持脚923には、垂直部9231として直径が8mm、長さが100mmの丸棒を使用し、その外端部内側に水平部9232として直径が8mm、長さが75mmの丸棒を溶接して結合し、各内端部を突き合わせ形状に加工したものを使用し、垂直把持棒924には、直径が8mm、長さが100mmの丸棒を使用し、水平把持棒925には、直径が8mm、長さが40mmの丸棒を使用し、弾性把持板91は、厚さ3mmのゴム板の外径が170mm、ランプ挿入穴911の直径が70mm、放射状のスリット912の長さが内縁から10mm、共締め用のネジ穴913の直径が5mmのものとした。
【0033】
このような第1,2の交換治具8,9を使用して行う照明ランプ交換作業(方法)について説明する。
【0034】
除染・保守セル2内に搬出入口(図示省略)から交換用の新しい照明ランプを搬入して待機させる。
【0035】
機械処理工程セル1内にさせた照明サポート51の先端部に取り付けた照明装置5を該機械処理工程セル1内に設けられたパワーマニピュレータ4により取り外して除染・保守セル2内の台車6上に搬送して載置する。
【0036】
そして、除染・保守セル2のセル壁21を貫通させたMSマニピュレータ7により、セル窓21を通して除染・保守セル2内を覗き見しながら照明装置5の反射板55を取り外し、第2の交換治具9を把持して該第2の交換治具9の弾性把持板91のランプ挿入穴911に交換対象の照明ランプ56を押し入れて把持するように該第2の交換治具9を操作し、次いで、ランプソケット54に嵌着している照明ランプ56を緩める方向に回転させることによりランプソケット54への嵌着を解く(緩める)。
【0037】
その後、第2の交換治具9を所定の位置に置き、図7に示すように、MSマニピュレータ7の左腕71の爪711により第1の交換治具8の垂直把持棒822を把持し、ランプソケット54に嵌合している照明ランプ56を該第1の交換治具8の弾性把持筒81に押し入れるように該第1の交換治具8を操作し、次いで、右腕72の爪721により第1の交換治具8の水平把持棒823を把持して回転させることにより該照明ランプ56をランプソケット54から取り外し、廃棄位置に移動させて弾性把持筒81から抜き取って廃棄箱(図示省略)内に収容する。
【0038】
その後、第1の交換治具8の弾性把持筒81に新しい照明ランプ56を押し入れて保持してランプソケット54に捻じ込んで嵌合状態(仮り止め状態)とする。
【0039】
次いで、MSマニピュレータ7により把持する交換治具を第2の交換治具9に交換し、ランプソケット54に仮り止めされている照明ランプ56を第2の交換治具9の弾性把持板91のランプ挿入穴911に押し入れるように該第2の交換治具9を操作し、その後、第2の交換治具9を回転させることにより該照明ランプ56をランプソケット54に強く捻じ込んで嵌着する。このような照明ランプ交換作業を全ての照明ランプ56について行い、次いで、反射板55を取り付ける。
【0040】
そして、照明ランプ56を交換した照明装置5をパワーマニピュレータ4により元の取り付け位置の照明サポート51の先端部に搬送して嵌着することにより取り付ける。
【0041】
廃棄箱に収容した廃棄用の照明ランプ56は、搬出入口から搬出して廃棄処理する。
【0042】
このような照明ランプ交換方法及び交換治具は、放射性物質再処理センター分離精製工場の機械処理工程セル内に設置された照明装置の照明ランプのみを交換することを可能にするために、照明装置の維持管理費を低減することができ、また、セル内に発生する廃棄物の量を軽減することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…機械処理工程セル、2…除染・保守セル、3…横行レール、4…パワーマニピュレータ、5…照明装置、6…台車、7…MSマニピュレータ、8…第1の交換治具、9…第2の交換治具、11…セル壁、12,22…セル窓、51…照明サポート、52…コネクタ部、53…ランプ取り付け支持具、54…ランプソケット、55…反射板、56…照明ランプ、81…弾性把持筒、82…把手部、91…弾性把持板、92…把手部、911…ランプ挿入穴。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明ランプ交換方法および交換治具に関する。
【背景技術】
【0002】
再処理センター分離精製工場の機械処理工程セル内には、遠隔操作や機器の状態を監視するために、セル内にはセル窓ごとに照明装置が設置されている。この照明装置の光源である照明ランプには、水銀灯が使用されている。
【0003】
このような照明装置における照明ランプは、経年劣化やその他の原因により、照度が低下したり点灯しなくなったりすることから、適宜、交換することが必要となる。
【0004】
照明ランプの交換方法として、特開2002−104751号公報に、エレベータ外装照明ランプの交換治具として、照明ランプに押し付けることによって先端部を押し広げて該照明ランプを弾性的に把持する把持部を長尺体の先端部に回転可能に設け、この把持部を長尺体の基端部から索状体を介して遠隔操作により回転させることにより照明ランプを回転させてソケットに着脱するものが記載されている。
【0005】
セル内には放射性物質や放射性汚染物質が存在することから、従来の交換治具を使用することは困難であり、照明ランプの交換はマニピュレータを使用した遠隔操作で行うことが必要であり、照明ランプのみを交換することができないことから、照明器具一式(照明ランプと照明ランプ取り付け具と反射鏡等のユニット)を交換せざるを得ない状況である。
【0006】
しかしながら、このような交換方法によれば、照明器具一式は極めて高価であることから照明装置の維持管理費が高額となり、また、セル内に多くの廃棄物が発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−104751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、セル内に設置された照明装置における照明ランプのみを交換可能にすることにより、その他の器具を継続的に使用して照明装置の維持管理費を低減し、更に、セル内に発生する廃棄物の量も低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における交換治具は、照明ランプをその内側に挿入して該照明ランプの外周を弾性的に比較的弱い力で把持して保持する弾性把持筒をMS(Master Slave)マニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第1の交換治具と、照明ランプを挿入するランプ挿入穴の内縁に放射状にスリットを形成して該照明ランプの外周を弾性的に比較的強い力で把持して保持する弾性把持板をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第2の交換治具とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明における照明ランプ交換方法は、機械処理工程セル内に取り付けられた照明装置を該機械処理工程セル内に設けられたパワーマニピュレータにより取り外して保守セル内の作業台上に搬送し、除染・保守セルに設けられたMSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに強く嵌り合っている(以下、嵌着しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを強く把持して回転させることにより該照明ランプのランプソケットへの嵌着を緩め、次いで、MSマニピュレータにより、第1の交換治具を把持して該第1の交換治具の弾性把持筒にランプソケットに緩く嵌り合っている(以下、嵌合しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを弱い力で把持して回転させることにより該照明ランプをランプソケットから取り外して廃棄位置に移し、次いで、第1の交換治具の弾性把持筒に新しい照明ランプを押し入れて保持してランプソケットに嵌合させ、次いで、MSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットに嵌着する照明ランプ交換作業を行い、次いで、照明ランプを交換した照明装置をパワーマニピュレータにより元の取り付け位置に搬送して取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セル内に設置された照明装置における照明ランプのみを交換可能にしたことにより、その他の器具を継続的に使用して照明装置の維持管理費を低減し、また、セル内に発生する廃棄物の量も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】核燃料再処理施設の機械処理工程セルにおける照明ランプ交換方法を示す縦断正面図である。
【図2】機械処理工程セルのセル壁に取り付けられた照明装置の縦断側面図である。
【図3】照明装置の正面図である。
【図4】本発明における第1の交換治具の斜視図である。
【図5】本発明における第1の交換治具の金具部の側面図である。
【図6】本発明における第1の交換治具の金具部の平面図である。
【図7】本発明において第1の交換治具による照明ランプの交換作業態様を示す正面図である。
【図8】本発明における第2の交換治具の斜視図である。
【図9】本発明における第2の交換治具の金具部の側面図である。
【図10】本発明における第2の交換治具の金具部の平面図である。
【図11】本発明における第2の交換治具の弾性把持板の斜視図である。
【図12】本発明において照明ランプを把持した状態を示す第2の交換治具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における照明ランプ交換方法は、機械処理工程セル内に取り付けられた照明装置を該機械処理工程セル内に設けられたパワーマニピュレータにより取り外して保守セル内の作業台上に搬送し、除染・保守セルに設けられたMSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに強く嵌り合っている(以下、嵌着しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを強く把持して回転させることにより該照明ランプのランプソケットへの嵌着を緩め、次いで、MSマニピュレータにより、第1の交換治具を把持して該第1の交換治具の弾性把持筒にランプソケットに緩く嵌り合っている(以下、嵌合しているという)照明ランプを押し入れて該照明ランプを弱い力で把持して回転させることにより該照明ランプをランプソケットから取り外して廃棄位置に移し、次いで、第1の交換治具の弾性把持筒に新しい照明ランプを押し入れて保持してランプソケットに嵌合させ、次いで、MSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットに嵌着する照明ランプ交換作業を行い、次いで、照明ランプを交換した照明装置をパワーマニピュレータにより元の取り付け位置に搬送して取り付けることを特徴とする構成であり、
前記第1の交換治具は、
照明ランプをその内側に挿入して該照明ランプの外周を弾性的に比較的弱い力で把持して保持する弾性把持筒をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた構成とし、第2の交換治具は、照明ランプを挿入するランプ挿入穴の内縁に放射状にスリットを形成して該照明ランプの外周を弾性的に比較的強い力で把持して保持する弾性把持板をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた構成とする。
【実施例】
【0014】
図1は、核燃料再処理施設の機械処理工程セルにおける照明ランプ交換方法を示す縦断正面図、図2は、機械処理工程セルのセル壁に取り付けられた照明装置の縦断側面図、図3は、照明装置の正面図である。
【0015】
図1において、核燃料再処理施設は、機械処理工程セル1と除染・保守セル2を備える。機械処理工程セル1は、実際には、複数のセルに分かれている。
【0016】
機械処理工程セル1と除染・保守セル2には、共通する横行レール3が架設され、遠隔操作されて前記横行レール3上を横行し、支援作業を行うパワーマニピュレータ4が設置される。
【0017】
機械処理工程セル1のセル壁11には、機械処理工程を支援するMSマニピュレータ(図示省略)によって該機械処理工程セル1内で支援作業を行うために該機械処理工程セル1内をセル壁11の外側から覗き見るためのセル窓12が設けられ、このセル窓12から覗き見る機械処理工程セル1内を照明するための照明装置5が各セル窓12に対応するように該機械処理工程セル1内に設置される。
【0018】
各照明装置5は、図2,図3に示すように、セル壁11を貫通させて機械処理工程セル1内に突出させた照明サポート51の先端部に嵌着して該照明サポート51による機械的支持と電気的接続を実現するコネクタ部52と、このコネクタ部52からセル壁11に沿った両横方向に伸びるランプ取り付け支持具53と、このランプ取り付け支持具53の両端部に取り付けられた複数個のランプソケット54と、このランプソケット54の後ろ側部(セル壁側)に着脱自在に設けられた反射板55とを備える。
【0019】
コネクタ部52と各ランプソケット54の間の電気的配線は、ランプ取り付け支持具53に沿って行われる。
【0020】
照明装置5の各ランプソケット54には、ねじ込み式により着脱する照明ランプ(水銀灯)56が嵌着される。
【0021】
除染・保守セル2には、保守作業対象物を載置する台車(作業台)6と、この台車6上に作業手先が届くようにセル壁21を貫通して設けられた照明ランプ交換作業に使用するMSマニピュレータ7と、台車6上での作業(この実施例では照明ランプ交換作業)をセル壁21の外側から覗き見るためのセル窓22を備える。また、この除染・保守セル2は、廃棄物や照明ランプ56や交換治具(後述する)等の出し入れに使用する搬出入口(図示省略)を備える。
【0022】
MSマニピュレータ7により照明ランプ交換作業を行うときに使用する交換治具について説明する。この実施例における交換対象の照明ランプ56は、最大外径が90mmの水銀灯とした。
【0023】
図4は、第1の交換治具の斜視図、図5は、第1の交換治具における金具部の側面図、図6は、第1の交換治具における金具部の平面図、図7は、第1の交換治具による照明ランプの交換作業態様を示す正面図である。
【0024】
この第1の交換治具8は、照明ランプ56をその内側に挿入して該照明ランプ56の外周を弾性的に把持することにより保持する弾性把持筒81をMSマニピュレータ7により把持される把手部82の先に設けた構成である。
【0025】
具体的には、交換対象の照明にランプ56の最大外径よりも僅かに小径の円板状のステンレス製の天板821の上面にステンレス製の垂直把持棒822を鉛直状態に溶接結合して起立させ、この垂直把持棒822の外端に十字状に取り付くようにステンレス製の水平把持棒823を該垂直把持棒822に対して直角方向に溶接結合して前記把手部82を形成し、前記天板821の端面(外周面)に弾性を持ったゴム板811を巻き付けて該端面にネジ止め83で固定することにより照明ランプ56を挿入して該照明ランプ56の外周を比較的弱い力で弾性的に把持して保持する前記弾性把持筒81を形成する構成とする。
【0026】
前記ゴム板811の巻き始め端と巻き終わり端は突合せ状態として突合せ端面がスリット812を形成することにより、弾性把持筒81内に照明ランプ56を挿入したときの該弾性把持筒81の弾性変形(内径拡張)を容易にして該弾性保持筒81内への前記照明ランプ56の挿脱を容易にし、弾性把持筒81の内周面と挿入された照明ランプ56の外周面との摩擦により比較的弱い把持力で該照明ランプ56を保持すると共に前記ランプソケット54に嵌合させて仮止め(軽く捻じ込んで取り付けた状態)することを可能にする。
【0027】
第1の交換治具8における天板821は、厚さが10mm、外径が85mmの円板で、重量を軽減するために直径が20mmの円形の穴8211を4個設け、外周端面に直径が5mmの12個の止めネジ穴8212を形成した構成とし、垂直把持棒822は、直径が8mm、長さが100mmの丸棒を使用し、水平把持棒823には、直径が8mm、長さが40mmの丸棒を使用し、弾性把持筒81を形成するゴム板811は、厚さが3mm、幅(天板821の外周方向寸法)が270mm、長さ(弾性把持筒81の長さ方向寸法)が160mmのものを使用した。
【0028】
図8は、第2の交換治具の斜視図、図9は、第2の交換治具における金具部の側面図、図10は、第2の交換治具における金具部の平面図、図11は、第2の交換治具における弾性把持板の斜視図、図12は、照明ランプを把持した状態を示す第2の交換治具の斜視図である。
【0029】
この第2の交換治具9は、照明ランプ56を挿入するランプ挿入穴911の内縁に放射状にスリット912を形成することにより前記ランプ挿入穴911に挿入された照明ランプ56の外周を弾性的に比較的強い力で把持する弾性把持板91をMSマニピュレータ7により把持される把手部92の先に設けた構成である。
【0030】
具体的には、把手部92は、交換対象の照明ランプ56の最大外径よりも大径の穴9211,9221を有するステンレス製の2枚の環状天板921,922の一方(第1の環状天板921)の上面にL字状のステンレス製の4本の支持脚923を逆さに溶接して起立させることにより各支持脚923の先端が前記環状天板921の前記穴9211の中心上に集合するように取り付け、その集合点上にステンレス製の垂直把持棒924を鉛直状態に起立するように一体的に溶接して結合し、垂直把持棒924の外端に十字状に取り付くようにステンレス製の水平把持棒925を該垂直把持棒924に対して直角方向に溶接して結合することにより形成する。2枚の環状天板921,922には、それぞれに共締め用の止めネジを貫通させる8個のネジ穴9212,9222を等間隔に設ける。
【0031】
弾性把持板91は、中央部分に形成したランプ挿入穴911の縁に8本の放射状にスリット912を形成して該ランプ挿入穴911に挿入したときに穴径を拡張して照明ランプ56の外周を弾性的に比較的強く把持する構成である。この弾性把持板91は、共締め用の止めネジを貫通させる8個のネジ穴913を備え、前記第1の環状天板921の下面に当接し、その下側に第2の環状天板922を当接して3層状態に重ね合わせ、8本の止めネジ(ボルトとナット)93により共締めして結合することにより把持部92に取り付ける。このように把持部92に取り付けられた弾性把持板91は、ランプ挿入穴911に照明ランプ56を挿入することにより該照明ランプ56の外周を弾性的に比較的強く把持し、前記ランプソケット54に嵌着されている照明ランプ56を緩める方向に回転させて嵌着を解き、前記ランプソケット54に捻じ込んで仮り止めされている照明ランプ56を更に強く捻じ込んで嵌着することを可能にする。
【0032】
第2の交換治具9における2枚の環状天板921,922は、外径が170mm、穴9211,9221の径が150mm、厚さが3mm、共締め用のネジ穴9212,9222の直径が5mmのものとし、支持脚923には、垂直部9231として直径が8mm、長さが100mmの丸棒を使用し、その外端部内側に水平部9232として直径が8mm、長さが75mmの丸棒を溶接して結合し、各内端部を突き合わせ形状に加工したものを使用し、垂直把持棒924には、直径が8mm、長さが100mmの丸棒を使用し、水平把持棒925には、直径が8mm、長さが40mmの丸棒を使用し、弾性把持板91は、厚さ3mmのゴム板の外径が170mm、ランプ挿入穴911の直径が70mm、放射状のスリット912の長さが内縁から10mm、共締め用のネジ穴913の直径が5mmのものとした。
【0033】
このような第1,2の交換治具8,9を使用して行う照明ランプ交換作業(方法)について説明する。
【0034】
除染・保守セル2内に搬出入口(図示省略)から交換用の新しい照明ランプを搬入して待機させる。
【0035】
機械処理工程セル1内にさせた照明サポート51の先端部に取り付けた照明装置5を該機械処理工程セル1内に設けられたパワーマニピュレータ4により取り外して除染・保守セル2内の台車6上に搬送して載置する。
【0036】
そして、除染・保守セル2のセル壁21を貫通させたMSマニピュレータ7により、セル窓21を通して除染・保守セル2内を覗き見しながら照明装置5の反射板55を取り外し、第2の交換治具9を把持して該第2の交換治具9の弾性把持板91のランプ挿入穴911に交換対象の照明ランプ56を押し入れて把持するように該第2の交換治具9を操作し、次いで、ランプソケット54に嵌着している照明ランプ56を緩める方向に回転させることによりランプソケット54への嵌着を解く(緩める)。
【0037】
その後、第2の交換治具9を所定の位置に置き、図7に示すように、MSマニピュレータ7の左腕71の爪711により第1の交換治具8の垂直把持棒822を把持し、ランプソケット54に嵌合している照明ランプ56を該第1の交換治具8の弾性把持筒81に押し入れるように該第1の交換治具8を操作し、次いで、右腕72の爪721により第1の交換治具8の水平把持棒823を把持して回転させることにより該照明ランプ56をランプソケット54から取り外し、廃棄位置に移動させて弾性把持筒81から抜き取って廃棄箱(図示省略)内に収容する。
【0038】
その後、第1の交換治具8の弾性把持筒81に新しい照明ランプ56を押し入れて保持してランプソケット54に捻じ込んで嵌合状態(仮り止め状態)とする。
【0039】
次いで、MSマニピュレータ7により把持する交換治具を第2の交換治具9に交換し、ランプソケット54に仮り止めされている照明ランプ56を第2の交換治具9の弾性把持板91のランプ挿入穴911に押し入れるように該第2の交換治具9を操作し、その後、第2の交換治具9を回転させることにより該照明ランプ56をランプソケット54に強く捻じ込んで嵌着する。このような照明ランプ交換作業を全ての照明ランプ56について行い、次いで、反射板55を取り付ける。
【0040】
そして、照明ランプ56を交換した照明装置5をパワーマニピュレータ4により元の取り付け位置の照明サポート51の先端部に搬送して嵌着することにより取り付ける。
【0041】
廃棄箱に収容した廃棄用の照明ランプ56は、搬出入口から搬出して廃棄処理する。
【0042】
このような照明ランプ交換方法及び交換治具は、放射性物質再処理センター分離精製工場の機械処理工程セル内に設置された照明装置の照明ランプのみを交換することを可能にするために、照明装置の維持管理費を低減することができ、また、セル内に発生する廃棄物の量を軽減することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…機械処理工程セル、2…除染・保守セル、3…横行レール、4…パワーマニピュレータ、5…照明装置、6…台車、7…MSマニピュレータ、8…第1の交換治具、9…第2の交換治具、11…セル壁、12,22…セル窓、51…照明サポート、52…コネクタ部、53…ランプ取り付け支持具、54…ランプソケット、55…反射板、56…照明ランプ、81…弾性把持筒、82…把手部、91…弾性把持板、92…把手部、911…ランプ挿入穴。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ランプをその内側に挿入して該照明ランプの外周を弾性的に比較的弱い力で把持して保持する弾性把持筒をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第1の交換治具と、照明ランプを挿入するランプ挿入穴の内縁に放射状にスリットを形成して該照明ランプの外周を弾性的に比較的強い力で把持する弾性把持板をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第2の交換治具とを備えたことを特徴とする交換治具。
【請求項2】
機械処理工程セル内に取り付けられた照明装置を該機械処理工程セル内に設けられたパワーマニピュレータにより取り外して除染・保守セル内の作業台上に搬送し、除染・保守セルに設けられたMSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌着している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプのランプソケットへの嵌着を解き、次いで、MSマニピュレータにより、第1の交換治具を把持して該第1の交換治具の弾性把持筒にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットから取り外して廃棄位置に移し、次いで、第1の交換治具の弾性把持筒に新しい照明ランプを押し入れて保持してランプソケットに嵌合させ、次いで、MSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットに嵌着する照明ランプ交換作業を行い、次いで、照明ランプを交換した照明装置をパワーマニピュレータにより元の取り付け位置に搬送して取り付けることを特徴とする照明ランプ交換方法。
【請求項1】
照明ランプをその内側に挿入して該照明ランプの外周を弾性的に比較的弱い力で把持して保持する弾性把持筒をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第1の交換治具と、照明ランプを挿入するランプ挿入穴の内縁に放射状にスリットを形成して該照明ランプの外周を弾性的に比較的強い力で把持する弾性把持板をMSマニピュレータにより把持される把手部の先に設けた第2の交換治具とを備えたことを特徴とする交換治具。
【請求項2】
機械処理工程セル内に取り付けられた照明装置を該機械処理工程セル内に設けられたパワーマニピュレータにより取り外して除染・保守セル内の作業台上に搬送し、除染・保守セルに設けられたMSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌着している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプのランプソケットへの嵌着を解き、次いで、MSマニピュレータにより、第1の交換治具を把持して該第1の交換治具の弾性把持筒にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットから取り外して廃棄位置に移し、次いで、第1の交換治具の弾性把持筒に新しい照明ランプを押し入れて保持してランプソケットに嵌合させ、次いで、MSマニピュレータにより、第2の交換治具を把持して該第2の交換治具の弾性把持板のランプ挿入穴にランプソケットに嵌合している照明ランプを押し入れて回転させることにより該照明ランプをランプソケットに嵌着する照明ランプ交換作業を行い、次いで、照明ランプを交換した照明装置をパワーマニピュレータにより元の取り付け位置に搬送して取り付けることを特徴とする照明ランプ交換方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−91275(P2012−91275A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240744(P2010−240744)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(505374783)独立行政法人日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(505374783)独立行政法人日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】
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