説明

熱処理対応メッシュ式ベルトコンベァのワンタッチ留金。

【課題】メッシュ式コンベァのメッシュ取替えの能率を上げる。
【解決手段】弾塑性のあるステンレススプリング鋼線を円状に囲うし、その一方の先端に引っ掛けフック、つまり止鍵状に加工し、もう一方の先端には受けるための輪化、つまり受鍵状することによって、ワンタッチ留金具とすることで、時間、労力、費用を節減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、メッシュ式ベルトコンベァの取付けの利便性に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメッシュ式ベルトコンベァのコンベァへのメッシュの取付けは、その特殊性から文例がなく、留金具は使用されず、コンベァの基体及び骨体にステンレススプリング鋼線等を巻きつけ固定されていた。従って、主として熱処理用に使用されるメッシュ式ベルトコンベァの設置または、取替えについて時間と労力を要したのであるが、本願発明は、これら問題点の解決を図った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メッシュ式ベルトコンベァは、食品ではオニギリ、オカキなどの熱処理の必要なものに使用されることから、近年、需要が多くなりつつある産業分野であるが、その用途によっては酸化等が激しく、メッシュを頻繁に取り替える必要もあり、固定されたコンベァ上のメッシュの取替えは困難を要し、取替え時間、労力、費用からも容易に取替えができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明の請求項1は、弾塑性のあるステンレススプリング鋼線を円状に加工し、その一方の先端に引っ掛けフック、つまり留鍵状に加工し、もう一方の先端には受けるための輪化、つまり受鍵状にすることによって、ワンタッチ留金具となる。
【0005】
本願発明の請求項2は、メッシュ式コンベァのメッシュとコンベァ本体とを請求項1を使用して結合させるワンタッチ留金具であって、この場合、コンベァ本体の骨材の大きさ及びメッキ鉄線及びステンレス線で編まれたメッシュ状メッシュの容量に応じ、請求項1でいう円状のステンレススプリング鋼線の大きさを加工することによってすべてのメッシュ式コンベァに対しワンタッチ留金具として使用することができる。
【0006】
メッシュ式コンベァの場合は熱処理用に使用されることが多く、熱により酸化しやすい状態であるが、特に、食品の熱加工に使用されるものは、その使用素材により、メッシュの取替えが頻繁に起こる。
【0007】
この場合、コンベァ本体の移動が不可能な状態であることが多く、編みこまれたメッシュの取替えは、そのメッシュの間隙にステンレス線などを差し込んで引き上げ絞ることで、コンベァ本体と結合させていたのである。
【0008】
本願発明は、この複雑な結合作業に留金具を使用することで、ワンタッチで容易にすばやく結合できるのである。
【0009】
また、従来のメッシュをコンベァ本体に結合する場合の差し込んで引き上げ絞る工法は、メッシュとコンベァ本体に間隙遊びが無く、常に上下が移動するコンベァには耐久性にも問題があった。
【0010】
仮に、意識的に絞るときに間隙遊びをつくったとしても、その間隙遊びは均一なものにはならず、結合部の部分的な疲労を招くことから、この方法の採用は困難である。
【0011】
しかしながら、本願発明のワンタッチフック(留金具)は機械生産により均一な留金具が製造できることから、この均一性が均一な間隙遊びを維持し、更に、間隙遊びが留金具の装着を容易にすることになり、金属疲労も起こりにくく耐久性も増大する。
【発明の効果】
【0012】
本願発明により、メッシュ式コンベァのメッシュの取替えが容易になり、取替え時間の短縮、労力、費用が節減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
メッシュ式コンベァのメッシュに使用するメッキ鉄線及びステンレス線の直径と本願発明の留金具に使用するステンレススプリング鋼線の直径は同等が好ましく、留金具の円部分の大きさはメッシュ式コンベァのコンベァ本体に取付けメッシュを設置し、取付け部分を採寸しその長さの1.3倍の長さが好ましく、それにプラスする留金部分の長さが必要である。また、取付け間隔は短いほど表面波状が少なく好ましい状態となる。
【実施例】
【0014】
株式会社メッシュ技研のメッシュ式コンベァ幅2.1メ−トルで上部長さ7メ−トル、コンベァ本体の骨材は長さに対して、0.3メ−トル間隔に1本あり、8本設置されたものを使用して実施した。
メッシュ式コンベァのメッシュの材質はステンレス線で直径は1.2mmであった。コンベァ本体の骨材(メッシュと結合部分)の直径は17mmの円形である。
従って、留金具の材質はステンレススプリング鋼線で全長108mmのものの両端は図1で説明する形であって、円の直径は22mmのものを使用した。
上記メッシュ式コンベァ本体、骨材部分とメッシュ部分を本願発明の留金具を使用して300mm間隔で固定し、メッシュ式コンベァを稼動し、観察したところ、メッシュ式コンベァの上部から下部への移動の際の表面波状、上部の表面波状、下部の表面波状のいずれも良好で、コンベァの回転稼動音も一定であった。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本願発明の留金具はその能率性から、本願発明者によって、既に製品化されつつあり、産業上の利用性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】留金具の留める前の形である。
【0017】
【図2】留金具の留めた状態の形である。
【0018】
【図3】メッシュ式コンベァでコンベァ本体の骨材にメッシュを留金具で結合した状態を示す。
【符号の説明】
1 留金具
2 メッシュ部分
3 コンベァ本体の骨材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材がステンレススプリング鋼線で、その両端の一方が留鍵状、一方が受鍵状に加工された円状で弾塑性を利用した留金であること。
【請求項2】
請求項1のものであって、メッキ鉄線及びステンレス線で編まれたメッシュ状のものをベルトコンベァ形態で使用するときのメッシュ式ベルトコンベァのメッシュとコンベァ本体を結合する留金具とすることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−69954(P2008−69954A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281925(P2006−281925)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(598017712)株式会社メッシュ技研 (2)
【Fターム(参考)】