説明

熱処理済み木材を用いてシロアリを監視及び制御する方法

シロアリにアクセス可能な領域においてシロアリの集団を監視及び/又は制御する方法において、約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理された固体又は粒子の形態の木材が、領域内に設置され、監視される。有毒餌も領域内に設置されてもよい。別の方法では、有毒物と少なくとも約150℃(302°F)の温度まで熱処理された木材を含有する有毒餌が、領域内に設置されてもよい。別の方法では、そのような熱処理済み木材から抽出された、液体又は固体/粒子の形態の抽出物が、領域内に設置されて監視される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理済み木材を用いてシロアリを監視及び制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木材の乾燥は、木材の製材及び保存の分野において知られている。木材を乾燥するために利用される広範囲のプロセスがある。このプロセスの一つは、木杭上の切断された丸太の老朽化などによる、大気条件で維持された木材に対して自然に生じる。この乾燥は木材の含水率を低減するが、木材は、例えば、真菌性の病原体による腐食及び細胞変性の影響を受けやすいままである。他の乾燥技術は、より迅速に木材を乾燥させるため、約40℃(105°F)〜約90℃(195°F)などの高温で維持されたキルンなどの熱室を利用する。このようにして乾燥された木材は、従来、例えば建設計画などの用材として利用される。他の従来の乾燥プロセスは、高温蒸気を利用して、約90℃(195°F)〜約150℃(302°F)の温度で木材を乾燥する。上述したプロセスと比較して、この温度レベルでは乾燥時間がより短く、用材が寸法的により安定する。そのような従来の用材は、一般的に、約15%〜約18%の含水率を有して市販される。そのような用材が、木造家屋などの周囲環境でしばらくの間使用されていると、木材は、約10%〜約15%の含水率を有する。
【0003】
別の従来の木材乾燥プロセスは、約150℃(302°F)〜約215℃(420°F)などの更に高温を利用して、木材自体の色を変える。加熱の際の上限は、温度が処理される木材の炭化温度未満に留まっている限り、上述の215℃(420°F)よりも高温であることができる。そのような処理は、従来、化学染料を使用せずに染色木材の外観を作り出すのに利用される。そのような木材は高温まで過熱されるので、含水率のほとんどが木材から取り除かれて、熱処理済み木材の水分量が約2%〜約10%になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記プロセスは木材の製材及び保存の分野で知られているが、プロセスによって作成された木材製品は、従来、シロアリを監視又は制御するための媒質として使用されてこなかった。
【0005】
更に、シロアリの監視及び制御に関する従来の技術及び知識は、この木材が、シロアリの監視及び制御には役に立たないことを教示している。第一に、約10%〜約20%などの高い含水率を有する木材は、従来、シロアリをより誘引すると考えられている。第二に、このような木材の熱処理は、未処理の木材又はより低温で乾燥された木材よりも吸湿性が低い熱処理済み木材製品を生じる。そのため、シロアリの摂食に関する従来の通念は、追加の水分が利用可能であったとしても(地下設置などによって)熱処理済み木材は水分を吸収しにくいので、そのような木材はシロアリを誘引しないことを示している。水分を吸収しないと、従来の通念のようにシロアリは摂食に興味を持たない。
【0006】
シロアリの食物選択に関するこの従来の考えとは対照的に、またシロアリの木材嗜好に関する過去の理解及び教示とは反対に、本発明は、従来の処理済み木材よりも水分量が比較的低く、且つ吸湿性が低い、そのような熱処理済み木材を利用して、シロアリの食料源及び誘引剤として予想外に成功している。追加の利益としては、微生物の攻撃に対する耐性の向上、及び採餌しているシロアリを誘引する抽出可能な化合物量の増加が挙げられる。したがって、この熱処理済み木材を利用するシロアリの監視及び制御方法は、従来の木材ベースのシロアリステーションを上回る予想外の利益を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態では、シロアリにアクセス可能な領域においてシロアリの集団を監視する方法は、一般に、約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理された木材を領域内に設置する工程と、シロアリの存在について熱処理済み木材を監視する工程とを含む。
【0008】
別の実施形態では、シロアリにアクセス可能な領域においてシロアリの集団を監視及び制御する方法は、一般に、少なくとも約150℃(302°F)の温度まで熱処理された木材を領域内に設置する工程と、有毒餌を領域内に設置する工程とを含む。
【0009】
別の実施形態では、シロアリにアクセス可能な領域においてシロアリの集団を制御する方法は、一般に、少なくとも約150℃(302°F)の温度まで熱処理された木材及び有毒物を含む有毒餌を領域内に設置する工程を含む。
【0010】
別の実施形態では、一実施形態によるシロアリにアクセス可能な領域においてシロアリの集団を少なくとも監視又は制御する方法は、一般に、熱処理済み木材抽出物であって、約150℃を超える温度まで熱処理された木材から抽出した抽出物を領域内に設置する工程を含む。
【0011】
別の実施形態では、シロアリにアクセス可能な領域内においてシロアリの集団を少なくとも監視又は制御する方法は、一般に、概してシロアリにアクセス可能な領域に、シロアリステーションハウジングの内部と外部との間を連通させる少なくとも一つの開口部を有するシロアリステーションハウジングを設置する工程を含む。凝集ベースはハウジングの内部に位置付けられる。熱処理済み木材抽出物は、ハウジングの内部及びハウジングの環境外部の少なくとも一つに堆積され、熱処理済み木材抽出物は、約150℃を超える温度まで熱処理された木材から抽出されたものである。
【0012】
別の実施形態では、シロアリの集団の監視及び制御に使用される誘引剤は、熱処理済み木材抽出物を含み、抽出物は、約150℃を超える温度まで熱処理された木材の熱水抽出によって抽出される。
【0013】
別の実施形態では、シロアリの集団を監視及び制御する方法は、一般に、概してシロアリにアクセス可能な領域に、シロアリステーションハウジングを設置する工程を含む。シロアリステーションハウジングは、シロアリステーションハウジングの内部と外部との間を連通する少なくとも一つの開口部を有する。粒子状の熱処理済み木材がステーションハウジング内に堆積され、熱処理済み木材は、約150℃を超える温度まで熱処理されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】シロアリステーションの容器の蓋が蓋の閉止位置で示された、シロアリステーションの一実施形態の斜視図である。
【図2】カートリッジが容器内に配置され、容器の蓋が開放位置で示された、シロアリステーションがその保管構成にある、図1に類似した斜視図である。
【図3】容器の蓋がその開放位置にある、シロアリステーション容器の平面図である。
【図3A】アクセスタブを容器から取り外したその側面図である。
【図3B】別のアクセスタブを容器から取り外したその正面図である。
【図3C】シロアリステーション容器の平面斜視図である。
【図4】図3の容器の底面斜視図である。
【図5】カートリッジを容器から取り外した、シロアリステーションカートリッジの正面図である。
【図6】図5のシロアリステーションカートリッジの分解組立斜視図である。
【図6A】カートリッジを部分的にのみ分解した、図6に類似した図である。
【図7】カートリッジのホルダ、カバー、凝集部材、及びカートリッジの餌マトリックスを省略して、ホルダの内部構造を明らかにした平面図である。
【図8】カートリッジホルダの底面図である。
【図9】蓋がその閉止位置にあり、容器のサイドパネル及びカートリッジホルダとカバーの一部分を破断し、アクセスタブを容器から取り外した、その動作構成にあるシロアリステーションの側面図である。
【図10】取付け表面を上って延びる蟻道に沿った垂直取付け表面上に締結した、シロアリステーション容器(カートリッジは取り外している)の斜視図である。
【図11】図10の丸で囲んだ部分の拡大平面図である。
【図12】図11の線12-12の面で取った断面図である。
【図13】容器の側面に沿って設置された容器の開口部及びアクセスタブの拡大図である。
【図14】容器の角に設置された容器の開口部及びアクセスタブの拡大図である。
【図15】容器の蓋がその開放位置にある、シロアリステーションの第2の実施形態によるシロアリステーション容器の平面図である。
【図15A】シロアリステーションの第2の実施形態によるシロアリステーション容器の側面図である。
【図15B】シロアリステーションの第2の実施形態によるシロアリステーション容器の正面図である。
【図16】本発明の害虫駆除デバイスの一実施形態の斜視図である。
【図17】図16の害虫駆除デバイスの分解組立斜視図である。
【図18】図16の害虫駆除デバイスと共に使用される凝集ベースの斜視図である。
【図19】図16の害虫駆除デバイス内で使用される容器の分解組立斜視図である。
【図20】図19の監視容器の構造に類似した、餌が中に設置された餌容器の分解組立斜視図である。
【図21】図19の容器のカップ部分の斜視図である。
【図22】図19のカップの別の斜視図である。
【図23】図19の容器の蓋部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に図面を、特に図1を参照すると、シロアリステーションの一実施形態は、全体が21で示され、また、シロアリステーションの初期包装時又は未使用期間など、本明細書では保管構成と呼ばれる地上シロアリステーションの形態で示される。この実施形態のシロアリステーション21は、非限定的に、土壌の上、ほぼ水平な表面上、傾斜した表面、又は垂直な取付け表面(家や建物の内壁若しくは外壁、木、フェンスの支柱若しくは杭など)を含む、適切な地上取付け表面上に固定されることなどによって、土壌の上で使用されることが意図される、地上シロアリステーションである。シロアリステーション21は、一般に、容器の内部空間33(図3)を共に画定する、ベースパネル25(又は、図1に示される向きでは底部パネル、本明細書では概して容器のベースと呼ばれる)と、長手方向で向かい合ったエンドパネル27と、横方向で向かい合ったサイドパネル29と、蓋31(概して、クロージャ)とを有する、全体が23で示される長方形の箱型容器を備える。図示される実施形態のエンドパネル27及びサイドパネル29は共に、概して、本明細書では容器23の側面と呼ばれるものを規定する。したがって、容器23は、ベースパネル25、側面、及び蓋31が構成され配置されて、共に容器の内部空間33を画定する限り、円筒形(ほぼ環状の側面を有する)又は別の適切な形状など、長方形の箱型以外であってもよいことが理解される。
【0016】
ベースパネル25は、適切には、シロアリステーションがその上に取り付けられる取付け表面M(図10)に面する外表面35(図4)と、容器の内側に面し、容器の内部空間33を部分的に画定する内表面37(図3)とを有する。図示されるベースパネル25は長方形であり、適切にはほぼ平坦又は平面であるので、シロアリステーション21を取り付ける際、ベースパネルの外表面35のほぼ全体が取付け表面Mと向かい合い、それに当接する関係である。しかし、ベースパネル25は、本発明の範囲から逸脱することなく、ベースパネルの外表面35の全体よりも少ない部分が取付け表面に当接するように、凹面、凸面、又は他の非平面構成を有することなどによって、ほぼ平坦又は平面以外であってもよいことが理解される。図示されるエンドパネル27及びサイドパネル29も平坦又は平面であって、ベースパネル25にほぼ垂直に向いている。或いは、エンドパネル27及び/又はサイドパネル29は、ベースパネル25に対して外向きに角度が付けられるか若しくは内向きに角度が付けられるなど、それに対して垂直以外であってもよく、また、平坦又は平面以外であってもよい。また、エンドパネル27及び/又はサイドパネル29は、凹面若しくは凸面、又は他の非平面構成など、湾曲していてもよい。適切な一実施形態では、容器23は、例えばアクリル又は高強度プラスチックなど、シロアリが優先的に摂食しない耐久性材料で作成されてもよい。別の適切な実施形態では、容器23は、例えば有機材料由来の生体高分子など、シロアリが優先的に摂食しない生分解性材料から作成されてもよい。特に適切な一実施形態では、容器23は実質的に不透明であるが、容器は、その代わりにほぼ半透明又は更には透明であってもよいことが理解される。
【0017】
特に図3、4、及び10を参照すると、ベースパネル25は、より適切には、ベースパネル自体(及びしたがってシロアリステーション容器23)を所望の取付け表面Mに取り付けられるように構成される。例えば、図示される実施形態では、ベースパネルの周縁部41(図4)と間隔を空けた関係で、即ちその内側に、少なくとも一つ以上、適切には複数の開口部39がベースパネル25に形成される(ベースパネルの「周縁部」は、ベースパネルと側面、例えばエンドパネル27及びサイドパネル29との交点として規定される)。図11で最も良く分かるように、図示される開口部39はそれぞれ、ほぼプラス記号又は十字の形状を有する(即ち、交差する細長いスロットで構成される)。しかし、これらの開口部39は、本発明の範囲から逸脱することなく、いずれの形状のものであってもよい。また、開口部39は必ずしも全て同じ形状のものでなくてもよい。11個のそのような開口部39が図示される実施形態のベースパネル25に形成され、開口部の一つがベースパネルの中央(長手方向及び横方向の両方で)に設置されている。11個の開口部39全ての間の間隔は均一ではないが、その代わりに開口部間の間隔が均一であってもよいことが理解される。また、単一の開口部を含む、11個よりも多数又は少数の開口部39がベースパネル25に形成されてもよい。それに加えて、図示される実施形態のように、複数の開口部39がベースパネル25に存在する場合、開口部のパターン又は配列は、図3及び4に示されるもの以外であってもよい。
【0018】
これらのベースパネル開口部39は、開口部を部分的に通り、取付け表面内へと延びるねじ式締結具43(図10)などの適切な締結具を使用して、ベースパネル25(及びしたがって容器23)を取付け表面M上に取り付けるのに使用される。図11に示されるように、締結具が比較的大きな締結具位置決め範囲(fastener location range)に沿って開口部を通って延びることができるように、開口部39はそれぞれ、締結具43の軸の断面よりも実質的に大きい平面寸法(例えば、長さ及び幅、又は開口部が円形の場合は直径)で適切にサイズ決めされる。用語「締結具位置決め範囲」は、本明細書では、締結具43が開口部39内の特定方向でそれに沿って位置決めされてもよい空間の長さを意味するものとする。適切な一実施形態では、例えば、開口部39によって規定される締結具位置決め範囲は、締結具の軸(即ち、ベースパネルを取付け表面上に締結する際に開口部を通って延びる部分)の最大直径の少なくとも約二倍、より適切には最大直径の少なくとも三倍、更により適切には最大直径の少なくとも約四倍である。他の実施形態では、開口部39によって規定される締結具位置決め範囲は、締結具の軸の最大直径の約二倍〜約六倍の範囲、より適切には約三倍〜約六倍の範囲、更により適切には締結具の軸の最大直径の約四倍〜約六倍の範囲である。別の実施例では、図11に示される開口部39及び締結具43によって規定される締結具位置決め範囲は、少なくとも約6.35mm(約0.25インチ)、より適切には約6.35mm〜約31.75mm(約0.25インチ〜約1.25インチ)の範囲である。
【0019】
複数のそのような開口部39をベースパネル25に設けることによって、一つ又は複数の開口部が取付け表面内のシロアリによって形成された開口部(図示なし)の上に位置決めされると共に、取付け表面のより安定した(例えば、損傷の少ない)又はより強度のあるセグメントで、締結具43がそこを通ってベースパネルを通り、取付け表面内へと延びることができる十分な更なる開口部を提供するなど、ベースパネル(及びしたがってシロアリステーション21)を取付け表面M上の所望の場所に配置することが可能になる。したがって、そのような実施形態では、開口部39の数は、ベースパネルを取付け表面M上に締結するのに使用される締結具の数よりも少なくとも一つ多い。また、開口部39により、締結具43を容器23の複数の構成要素に向かい合ったその単一の構造部材、即ちベースパネル25に通すことによって、シロアリステーション21を取付け表面Mに固定することが可能になる。例えば、容器23の蓋31には、別の方法では従来の設計の場合のように使用されることがある開口部がないが、それは、蓋を通って延びるようにして締結具を取り付ける必要がないためである。この配置によって、シロアリステーション21を、特にベースパネル25を取付け表面M上の所望の場所に視覚的に位置決めすることがより容易になり、また、シロアリステーションを取付け表面上に取り付けたまま、特に取付け締結具を緩めたり取り外したりする必要なしに、蓋31を開閉することができる。
【0020】
ベースパネル25の開口部39はまた、ベースパネル25を通してシロアリが容器31の内部空間33に出入りする複数の入口ポイントを提供する。この目的のため、ベースパネルの開口部39は、全体的に面取りされるか、又は、先細部分が容器23の内部空間33内への入口傾斜路45として作用し、それによって容器に入るシロアリが直面する切れ目が低減されるか、若しくは最小限に抑えられるように、図12に示されるようにベースパネルの外表面35からその内表面37まで外向きに先細(例えば、平面寸法が拡大する)になっている。一例として、一実施形態では、先細の開口部39は、ベースパネル25の外表面35から内表面37までの傾斜路45の角度を、約15〜約60°、より適切には約45°の範囲に規定する。
【0021】
周囲(即ち、側面入口)開口部47が、図示される容器23のエンドパネル27及びサイドパネル29(即ち、概して側面)に、容器の周囲で互いに間隔を空けた関係で形成される。より適切には、これらの周囲開口部47は、エンドパネル27及びサイドパネル29それぞれからベースパネル25まで(即ち、エンドパネル及びサイドパネルがベースパネルに接する角まで)延びて、シロアリが、ベースパネルの後方からの代わりに取付け表面M(図10)に沿って形成された蟻道に沿ってなど(即ち、ペースパネルに形成された開口部39以外を通って)、容器23の側面からその内部空間33に入ることを可能にしている。特に適切な一実施形態では、エンドパネル27及びサイドパネル29に形成された周囲開口部47はベースパネル25内へと続くので、周囲開口部を通り抜けるシロアリは、容器と(即ち、ベースパネルと)接触するようになる前に、容器23の内部空間33内のより深くに入る。しかし、周囲開口部47は、本発明の範囲内に留まるために必ずしもベースパネル25内まで延びていなくてもよい。また、ベースパネル25は、周囲開口部47がベースパネルに接触するところで、ベースパネルに形成された先細の開口部39と同様に、面取りされるか、又は先細になっていてもよい。
【0022】
図3及び4で最も良く分かるように、一つのエンドパネル27に形成された周囲開口部47は、向かい合ったエンドパネルの対応する周囲開口部と位置合わせされ、一つのサイドパネル29の周囲開口部は、向かい合ったサイドパネルの対応する周囲開口部と位置合わせされる。容器23の側面(例えば、エンドパネル27及びサイドパネル29)に形成された周囲開口部47によって、蟻道を壊し、図10に示されるように、周囲開口部の一つ又は複数と位置合わせされた蟻道の取り壊し部分内で、取付け表面に接してベースパネル25を配置するなどによって、シロアリステーション21を蟻道Tに沿って取付け表面M上に取り付けることができる。容器23に設けられる周囲開口部47の数は、本発明の範囲を逸脱することなく、単一の周囲開口部のみを含む、図示される容器23よりも多数又は少数であってもよいことが理解される。
【0023】
図示される実施形態(図4に最も良く示される)では、周囲開口部47は、容器から取り外して周囲開口部を通るアクセスを提供することができる、アクセスクロージャ50それぞれによって少なくとも部分的に閉じられている。これにより、容器を、図10のような蟻道と位置合わせされた周囲開口部47を除いて、その周囲の周りでほぼ封止することができる。特に図13(シロアリステーション21の側面に沿って設置された一つのアクセスクロージャ50を示す)及び図14(シロアリステーションの角に設置された一つのアクセスクロージャを示す)を参照すると、図示されるアクセスクロージャ50は、周囲開口部47のところで容器23に取外し可能に接続され、より適切には有形的又は破断可能に接続されるので、クロージャを容器から取り外して(手作業で、又は適切な穴あけ工具、プライヤー、ねじ回し、若しくは他の適切な工具によって)、容器の内部空間へのアクセスが提供されてもよい。例えば、図13及び14の実施形態では、アクセスクロージャ50は、三つの接続ウェブ52において、周囲開口部47それぞれのところで容器23に有形的に接続されている。アクセスクロージャ50は、断面がほぼL字形であって、容器23の側面の周囲開口部の一部分を閉じる直立部分54と、容器のベースパネル25の周囲開口部の一部分を閉じるベース部分56とを有する。特に適切な一実施形態では、アクセスクロージャ50は容器23と一体的に形成(例えば、その一部として成形)される。
【0024】
しかし、アクセスクロージャ50は、本発明の範囲から逸脱することなく、容器とは別個に形成され、周囲開口部47のところで、熱溶接、接着剤、又は他の適切な接続技術などで、それに取外し可能に接続されてもよい。また、いくつかの実施形態では、本発明の範囲内で、異なる蟻道又は他の発生を処理する際に、シロアリステーション21を再構成し再使用できるように、アクセスクロージャ50は、容器23に再締結可能に(例えば、接着剤、マジックテープ式締結具(マジックテープ:登録商標)、又は他の適切な機械的締結具などによって)接続されてもよい。
【0025】
図15、15A、及び15Bに示される別の適切な実施形態では、アクセスクロージャ50は容器23から省略される。
【0026】
ベースパネルの面から容器23の内部空間33内へと延びるようにして、一つ又は複数の隆起した間隔保持要素(例えば、図3に示されるようなナブ、リブ、バンプ、若しくは他の適切な位置決め要素)が、ベースパネル25の内表面37上に設けられる。具体的には、間隔保持要素49は、容器23のベースパネル25と一体的に形成される(例えば、図示される実施形態では成形される)。しかし、これらの間隔保持要素49は、或いは、本発明の範囲から逸脱することなく、ベースパネル25とは別個に形成され、その内表面37に、接着剤、溶接、又は他の適切な固定技術などによって固定されてもよい。ただし、これらの間隔保持要素49は、本発明の範囲から逸脱することなく省略されてもよいことが理解される。
【0027】
図1を再び参照すると、蓋31(概して、容器23のクロージャ)は、閉止位置(図1)と、容器23の内部空間33がアクセス可能である開放位置(図2)との間で適切に位置付けることができる。より具体的には、図示される蓋31は、蓋の閉止位置と開放位置との間で、容器の周囲側壁に(例えば、図示される実施形態のように容器サイドパネル29の一つに、若しくはエンドパネル27の一つに)対して、より適切にはベースパネル25に対して丁番式で動くように、周囲側壁に丁番付けされる。例えば、図3Aに見られるように、蓋31は、「一体丁番」(蓋がサイドパネルに対して丁番式に動くことができるように十分に可撓性がある、薄い若しくは折り目付きの接続ウェブ53に沿って、蓋がサイドパネルと一体的に形成される(成形される))の形で、サイドパネル29に丁番付けされてもよい。ただし、蓋31は、本発明の範囲から逸脱することなく、エンドパネル27及びサイドパネル29と別個に形成され、適切な丁番機構(図示なし)によってそれらに機械的に丁番付けされてもよいことが理解される。図3を参照すると、蓋をその閉止位置で解放可能に固定するため、従来のラッチ及び受金具装置(例えば、図示される実施形態のように、一つ又は複数のラッチ部材55が蓋31上に設けられ、対応する一つ又は複数の受金具57が容器53のサイドパネル29及び/若しくはエンドパネル27上に設けられるか、或いはその逆)が設けられる。
【0028】
他の実施形態では、蓋31は、その代わりに、容器23の残りの部分とは別個に形成され、容器の残りの部分の上に全体を配置し、そこから取り外すことが可能であってもよい。また、ラッチ及び受金具の装置以外のあらゆる適切な解放可能な固定装置を使用して、蓋31をその閉止位置で解放可能に固定してもよく、且つ本発明の範囲内であり得ることが理解される。本明細書において図示される実施形態では、容器23の側面(即ち、エンドパネル27及びサイドパネル29)は、ベースパネル25に固定される(また、より適切にはそれと一体的に形成される)が、その代わりに、側面は、蓋31に固定され、蓋に沿ってその閉止位置と開放位置との間で位置付けて、容器の内部空間33へのアクセスを提供するため、ベースパネル25に対して丁番付けされてもよい。
【0029】
カートリッジ51は、容器23内に少なくとも部分的に、より適切には容器の蓋31の閉止位置において容器の内部空間33内に完全に配置されるように、適切にサイズ及び構成が決められる。特に図6を参照すると、カートリッジ51は、一つ又は複数の内部構成要素を、図示される実施形態ではシロアリステーション21の内部構成要素の全てを備える。例えば、図示される実施形態では、カートリッジ51は、凝集部材(全体が61で示される)と、凝集部材とは別個の少なくとも一つの餌マトリックス(全体が63で示される)と、凝集部材を保持するためのホルダ(全体が65で示される)とを備え、餌マトリックス及びホルダが組み合わされて単一ユニットとして容器23に出し入れされる。しかし、カートリッジ51は、本発明の範囲から逸脱することなく、ホルダ65、及び凝集部材61のみ、又は餌マトリックス63のみを備えてもよい。そのような一実施形態では、カートリッジ51から省略された構成要素は、別の方法として、カートリッジとは別個に容器23の内部空間33内に配置されてもよく、又は容器の外部に配置されてもよく、又は全て省略されてもよい。
【0030】
一実施形態の凝集部材61は、誘引剤を、より適切には、本明細書では無形誘引剤と呼ばれるものを含む。「無形」誘引剤は、本明細書では、採餌を誘導するためにシロアリが物理的に接触することを必要としない誘引剤を指すものとする。例えば、特に適切な一実施形態では、無形誘引剤は、少なくとも約150℃(302°F)、より適切には約150℃〜215℃(420°F)の間など、高温で熱処理された木材を含む。
【0031】
木材は、木本(例えば、木及び潅木)の幹の主成分として見出される有機材料である。乾燥した木材は、リグニン(約25〜約30乾燥重量%)によって互いに結合されたセルロース(約40〜約50乾燥重量%)及びヘミセルロース(約20〜約30乾燥重量%)の繊維でできている。木材はまた、様々な溶剤を使用して抽出することができ、多くの場合、分子量で500グラム/モル未満の化合物である抽出物を含有する。一般に、これらの抽出物は、約2%〜8%(乾燥重量)の木材成分を構成する。
【0032】
セルロースは、木材の最も豊富な成分であり、木材にその機械的強度を与えるのに主要な役割を果たす。セルロースの分子は、β(1→4)連結(lingages)によって結合されて、長い直鎖を形成し、数千から数百グラム/モルに及ぶ分子量を有するβ-D-グルコース単位から成る。セルロース中の分子鎖は基本繊維(elementary fibrils)又はミセルを形成する。ミセルは、同じ方向に向いたセルロースフィブリルと整列し、互いに密集している。次に、セルロース基本繊維は、間にあるヘミセルロース及びペクチンと平行に互いに層化されて、ミクロフィブリルを形成する。ミクロフィブリルが構造内でより大きな束状に凝集し、リグニンが含浸すると、フィブリルが生じ、それが次に木材繊維を形成する。
【0033】
ヘミセルロースは約20〜約30乾燥重量%を含む。ヘミセルロースの平均分子量は、セルロース分子より小さく、約10,000グラム/モル〜約30,000グラム/モルの範囲である。ヘミセルロースの構成は、硬材(即ち、カシ、マホガニー)と軟材(即ち、松、杉)との間で変動する。硬材のヘミセルロースは、主にグルクロノキシラン(約15%〜約30%)と、微量のグルコマンナン(約2%〜5%)である。軟材のヘミセルロースは、主にグラクトグルコマンナン(約20%)と、少量のアラビノグルクロキシラン(arabinoglucuroxylan)(約5%〜約10%)から成る。
【0034】
ペクチン及びデンプンも木材に見出されるが、一般的にはそれぞれ約1%未満の微量である。ペクチンは、構造中のヘミセルロースに類似しており、有縁壁孔の中層、一次細胞壁、及び円環体に見出され、フィブリル構造中ではやはり少量である。デンプンは、生木の栄養の貯蔵として役立つ柔細胞に見出すことができ、アミラーゼ及びアミロペクチンから成る。
【0035】
リグニンは構成が様々な非晶質高分子である。リグニンは、木材構造の接着剤と見なされる場合が多い。リグニン構造のバックボーンは、グアイアシル、シリンジル、及びp-ヒドロキシフェニルという三種類のフェニルプロパン単位に基づく。軟材は、主としてグアイアシル単位と、ある程度のp-ヒドロキシフェニル単位とから成る。対照的に、硬材のリグニンは、シリンジル単位及びグアイアシル単位から成る。
【0036】
木材を乾燥させると、木材の構造を構成するこれらの化合物は様々な変化を起こす。具体的には、本明細書の一実施形態によれば、凝集部材61は、約150℃(302°F)〜約215℃(420°F)の高温で乾燥させた木材を含み、この温度におけるそれらの化学変化は、約150℃(302°F)未満などのより低温範囲で乾燥させることによって生産したものとは異なる。本明細書の別の代表的実施形態では、凝集部材61は、約185℃(365°F)〜約215℃(420°F)の高温で乾燥させた木材を含む。特に、熱処理された木材は、木材中の空気及び水分の利用可能な空間に影響を及ぼす変化を起こすと考えられる。特に、木材の孔隙率及び浸透性が変化する。孔隙率は固体中の空隙の体積分率の比を規定する。浸透性は、多孔質体を通る流体の拡散速度を規定する。
【0037】
そのような処理後、液体及び他の化合物は木材の構造に強く結合されておらず、木材の加熱と共に蒸発などによって除去されるので、孔隙率は増加することがあると考えられる。単独で考えると、この変化は、そのような熱処理済み木材は未処理の木材よりも木材内の利用可能な空間が多いため、より吸湿性が高いことを示す。しかし、この結論は、処理済み木材の浸透性に対する変化を無視している。セル及び/又は空隙が互いに相互連結することができる場合、浸透性が存在する。例えば、硬材の場合、脈管間のピッチングによって膜に開口が作られて、浸透性を改善できる場合がある。しかし、そのような熱処理後、それらの膜は閉塞したり、外被で覆われることがあると考えられる。そのような閉塞は全体的な浸透性を減少させる。更に、ピットはまた吸引され、それによって木材が、やはり全体的な浸透性が減少する独立気泡構造をとることがある。また、そのような熱処理は、熱処理済み木材内の隣接したミクロフィブリルの実質的な分断を引き起こす場合があると考えられる。一方で、生木又は未熱処理の木材の場合、これらの隣接したミクロフィブリルは、師部及び木部繊維の正常な層間脈管流によって、液体が木材を通して搬送される構造を提供する。それらが分離することで、木材内に、液体の流れを妨げる分断が作られ、それによって吸湿性が減少する(即ち、疎水性が増加する)。また、熱処理温度で生じる木材の収縮が増加すると、隣接した木部繊維細胞及び隣接した師部繊維細胞(即ち、脈管細胞)の分離の増加につながる場合があり、それによって繊維細胞の通常の経路を通る液体の通路が阻害される。当業者には理解されるように、これらの変化は、木材の開始孔隙率、浸透性、及び密度に応じて変わるが、そのような変化は、一般に、多くの木材種に当てはまると考えられる。更に、そのような熱処理プロセスは、本発明の実施形態の範囲を逸脱することなく、ここでは言及しない木材の構造及び性質に対する他の変化を引き起こすことがある。
【0038】
吸湿性及び疎水性の変化に加えて、このようにして熱処理された木材はまた、木材中のセルロース物質に通常は結合された他の化合物と関連する変化を含む。特定の理論に束縛されるものではないが、熱処理プロセスの一部として、これらの化合物(例えば、特にタンニン、テルペン、及び油由来の化合物など、揮発性、半揮発性、及び天然抽出可能な化合物(例えば、芳香族化合物))を木材のセルロースに通常は結合している結合が壊れ、それによって、従来の木材腐朽に比べて、化合物が木材から木材を取り囲む領域(例えば、土壌)内へとより容易に移動することができるようになる。そのため、これらの化合物は、木材から抽出、放出、又はより容易に拡散されてもよく、それによってシロアリが木材に誘引される。
【0039】
この手法における木材の熱処理は、一般に、以下のように進行する。最初に、木材を乾燥させて、木材から液体の大部分を除去する。一実施形態では、乾燥プロセスは約110℃(230°F)〜約175℃(345°F)の範囲で生じる。次に、乾燥木材を、約150℃(302°F)〜約215℃(420°F)、より適切には約185℃(365°F)〜約215℃(420°F)などの高温まで加熱し、そこで維持する。他の実施形態では、処理済み木材の炭化又は燃焼を阻害するため、温度が木材標本の発火温度未満に留まっている限り、木材を熱処理する高温は215℃(420°F)を超えてもよい。処理済み木材は、適切には、代表的一実施形態における上述の変化を起こすのに十分な時間、この温度で維持され、木材は、約2時間〜約3時間の間高温で維持される。次に、乾燥木材材料を、空冷、液体冷却、又は他の既知の方法など、適切な冷却方法によって冷却する。
【0040】
代表的一実施形態では、次に、乾燥した熱処理済み木材を部分的に再水和して、セルロース材料の液体含有量を約1%〜約18%のレベルまで増加させてもよい。更に別の代表的実施形態では、熱処理済み木材を、約1%〜約10%のレベルまで部分的に再水和してもよい。更にまた別の代表的実施形態では、乾燥木材材料を、約2%〜約10%のレベルまで部分的に再水和してもよい。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、熱処理済み木材は、乾燥木材中の液体含有量が約1%未満であるように、部分的に再水和する必要がないことが理解される。
【0041】
(実験)
この実験では、適切な一実施形態にしたがって熱処理したポプラ材、及び従来の処理を施したポプラ材の試料を評価して、これら木材試料間におけるレチキュリテルメスフラビペス種(Reticulitermues flavipes)のシロアリの摂食嗜好を評価した。
【0042】
熱処理済み木材を以下のように処理した。木材を、標準的なツーバイフォー厚板(即ち、断面が約38mm(1.5インチ)×約89mm(3.5インチ))などの一般的な板材寸法に切断した。次に、木材をキルン又は高温/高圧容器内に配置した。容器内の温度を迅速に約100℃(212°F)まで上昇させ、木材が均一に約0%の含水率に達するまで保持した。次に、温度を徐々に上昇させ、約185℃(365°F)で約120〜180分の期間維持した。乾燥後、木材の温度を約80℃(176°F)〜約90℃(194°F)まで低下させた。冷却期間の間、蒸気噴霧を使用して木材の温度を下げ、木材の含水率を2%〜約10%に増加させた。加熱及び冷却プロセス全体は、完了するまで約36時間かかった。
【0043】
従来の処理を施したポプラ材を、約5〜6日間、約85℃(185°F)〜約90℃(195°F)の温度でキルン乾燥した。乾燥後、従来の処理を施したポプラ材を周囲温度まで冷却した。
【0044】
実験は、選択及び無選択両方の実験室生物検定(laboratory bioassay)を利用して行われた。研究の目的は、群集(association)及び/又は摂取に基づいて、上述した二つの木材試料間での嗜好を判断することであった。選択実験室生物検定では、重量単位で300グラムのシロアリと水分12%の砂20グラム(0.7オンス)をペトリ皿に加え、全ての反復全体にわたって、ペトリ皿の向かい合った半分それぞれに配置した二種類の木材の平均重量は約4グラム(0.141オンス)とした。シロアリは木材の部分の間に配置し、嗜好する木材へと移動しそれを摂取できるようにした。31日後に、木材片それぞれの上又は付近にいるシロアリを計数した。それに加えて、シロアリを木材から取り除き、木材を計量して摂取された量を決定した。この選択試験を、300グラムのシロアリ17組及び新しい木材試料を用いて17回繰り返した。
【0045】
無選択生物検定については、重量単位で300グラムのシロアリを水分12%の砂20グラム(0.7オンス)と共にペトリ皿に加え、全ての反復全体にわたって、木材試料の一つの部分の平均重量を約4グラム(0.141オンス)とした。シロアリは木材の部分の向かい側に配置し、試験チャンバ内を自由に移動し、木材を摂取できるようにした。31日後に、シロアリを木材から除去し、木材を計量して摂取された量を決定した。この選択試験を、二つの異なる種類(熱処理済み及び従来の処理済み)の木材試料それぞれに対して、300グラムのシロアリ5組及び新しい木材試料を用いて繰り返した。
【0046】
選択生物検定における摂取に関しては、高温で熱処理した木材は、1日シロアリ1グラム当たり19.0ミリグラム(1日シロアリ1オンス当たり19.0ミリオンス)の平均摂取率を実現し、17回の選択試験全体の標準偏差は2.9であった。対照的に、従来の処理を施した木材は、1日シロアリ1グラム当たり15.1ミリグラム(1日シロアリ1オンス当たり15.1ミリオンス)の摂取率を実現し、17回の選択試験全体の標準偏差は5.0であった。無選択生物検定では、高温で熱処理した木材は、1日シロアリ1グラム当たり42.4ミリグラム(1日シロアリ1オンス当たり42.4ミリオンス)の平均摂取率を実現し、5回の無選択試験全体の標準偏差は1.6であった。対照的に、従来の処理を施した木材は、1日シロアリ1グラム当たり37.5ミリグラム(1日シロアリ1オンス当たり37.5ミリオンス)の摂取率を実現し、5回の無選択試験全体の標準偏差は5.6であった。したがって、選択及び無選択両方の生物検定について、高温で熱処理した木材は従来の処理を施した木材よりも高い摂取率を実現した。
【0047】
更に、摂取ではなく群集を考慮すると、17回の選択生物検定試験全体にわたって、ペトリ皿の高温で熱処理した木材を含む方の半分に位置するシロアリの平均数は183であり、標準偏差は34であった。対照的に、ペトリ皿の従来の処理を施した木材を含む方の半分に位置するシロアリの平均数は72であり、標準偏差は40であった。各実験に含まれた300グラムのシロアリのうち、平均で47グラムが実験中に死んだ。高温で熱処理した木材は従来の処理を施した木材よりも大幅に乾燥しており、内部含水率はより少なかったにも関わらず、この結果が生じた。このことは、やや予想外ではあったが、高温で熱処理した木材の少ない含水率によって、シロアリが木材を摂食するのを阻むことはなく、更により予想外なことに、木材の物理的及び/又は化学的特性によってシロアリをより誘引したことを示す。この研究において、シロアリは、従来の熱処理を施した木材に比べて、高温で熱処理した木材にはるかに誘引され、それをより好むことが実証された。
【0048】
上述の実験を考慮して、高温で熱処理した木材における増加した無形誘引及び群集嗜好は、そのような木材を含むシロアリ監視及び/又は食餌ステーションの効率を著しく向上することができる。より特定的な実施例として、図示される凝集部材61は、上述したような高温で熱処理した固体木材ブロック67を含む。ただし、或いは、凝集部材61が作られる熱処理済み木材は、根囲い形態、粉末形態、又は他の適切な形態で作られてもよいことが理解される。凝集部材61はまた、適切には有毒物を含まない。例えば、上述の熱処理済み木材は添加有毒物又は天然有毒物を全く有さない。
【0049】
他の実施形態では、凝集部材61は、その代わりに、無毒の物理的誘引剤、即ち、シロアリがそれに摂食するとシロアリの更なる採餌を促進する誘引剤を含んでもよい。そのような物理的誘引剤の適切な例としては、非限定的に、紙、厚紙、木材(例えば、上述のように熱処理された木材以外)、及び他のセルロース材料が挙げられる。それに加えて、寒天マトリックスの単体、又は糖類(即ち、キシロース、マンノース、ガラクトース)及び/若しくは精製セルロース材料との組合せを、その含水率及び/又は摂食誘引剤によってシロアリを誘引する凝集部材61として使用してもよい。
【0050】
餌マトリックス63は、適切には無毒誘引剤を含み、また、シロアリ発生を排除又は抑制するための有毒物を持っていてもいなくてもよい。一例として、図示される餌マトリックス61は、一つ又は複数のタブレット69に圧縮された精製セルロース粉末を含む。有毒物を餌マトリックス61に加えることなく、餌マトリックスは、シロアリステーション21の範囲内におけるシロアリの存在を監視するのに適切に使用されてもよい。有毒物が餌マトリックス61に加えられる場合、適切には、遅効性タイプの有毒物、又は昆虫成長調節剤、病原体、又は代謝阻害剤の一つ又は複数である。一つのそのような有毒餌マトリックス61が、「Termite Bait Composition and Method」という名称の同一出願人による米国特許第6,416,752号に開示されており、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。本発明の範囲を逸脱することなく、他の適切な既知の監視及び/又は有毒餌マトリックス材料及び/又は組成物が使用されてもよいことが理解される。図示される実施形態では、四つのそのような有毒餌マトリックスタブレット69がカートリッジ51内に使用される。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、単一の餌マトリックスを含む任意の数の餌マトリックスが使用されてもよい。
【0051】
図示されるカートリッジホルダ65は、全体が一対の円筒形カップ73(例えば、閉じた端部75、開いた端部77、及びそれらの間を延びる側壁79をそれぞれ有する)として構成されたカップ部分71を備え、カップ部分がほぼ8の字形の餌マトリックスポケット81を画定するように重なり合ったセグメントを有する。ポケット81は、餌マトリックス63を中に少なくとも受け入れるように、より適切には受け入れ保定するように、またより適切には図示される円形タブレット69の一つ又は複数を中に受け入れ保定するように、適切にサイズ及び構成が決められる。例えば、図6及び7の8の字形のポケット81は、適切には、横に並んだ関係で配列された少なくとも二つの円形の餌マトリックスタブレット69を(例えば、ポケットを画定するほぼ円筒形のカップ73それぞれに一つ)中に受け入れ保定することができ、より適切には、最上の餌マトリックスタブレットの露出表面がカップの開いた端部77とほぼ同じ高さにあるようにして、カップそれぞれに一対の積み重ねたタブレットを受け入れるようにサイズ(例えば、深さ)が決められる。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、ポケット81は図7に示されるもの以外の形に作られてもよく、ポケット内に配置されるタブレット69又は他の餌マトリックスは円形以外の形に作られてもよいことが理解される。それに加えて、カートリッジホルダ65は、図7に示された単一のポケット81の代わりに二つ以上の別個のポケットを備えてもよい。
【0052】
図示される実施形態におけるリブ83の形態などの複数の突起部は、各カップの側壁79の内表面に沿って縦方向に配置されて、ほぼ円筒形のカップ73によって形成されるポケット81の内側へ横に延びる。例えば、図6及び7に示されるリブ83は、カップ73の閉じた端部75からその開いた端部77まで縦方向に延び、カップの側壁79の内表面から内向きに十分に突出して、ポケット81内での餌マトリックスタブレットの干渉嵌め又は摩擦嵌めをもたらして、タブレットをポケット内で確実に保定する。ただし、リブ83は、本発明の範囲内に留まるために、カップ73の閉じた端部75から開いた端部77までの全長を延びなくてもよいことが理解される。また、一つ又は複数の餌マトリックス61をカートリッジホルダのポケット81内で保定するため、より多数若しくはより少数のリブ83又は他の適切な突出部が使用されてもよい。複数のナブ85(図6及び7)の形態の離隔要素が、カップ73それぞれの閉じた端部75においてカップ部分71の内表面上に設けられて、ポケット81それぞれの中に延びている。離隔要素85は、タブレット69をカップ73の閉じた端部75から離して、シロアリがポケット81内のそれらの間で移動できるようにする。特に適切な一実施形態では、離隔要素85は、カップ73それぞれの閉じた端部75の外表面に形成された対応するソケット87(図8)によって設けられる。これらのソケット87は、ベースパネル25の内表面37から外に延びる間隔保持要素49を受け入れて、シロアリステーション21の保管構成にある容器23内にカートリッジが十分に収まることができるように構成され配列されるので、容器の蓋を閉じることができる。
【0053】
更に図6及び7を参照すると、カートリッジホルダ65はまた、カートリッジホルダのカップ部分71と一体的に、且つその周りを延びるように形成されたほぼ長方形のトレイ部分91を有して、凝集部材61をカートリッジホルダ内に受け入れ、より適切にはそれを受け入れ保定する。図示されるトレイ部分91(トレイ部分の深さを規定する周囲側壁95も含む)の支持パネル93は、適切には、ほぼ円筒形のカップ73の開いた端部77から縦方向に離れているので、凝集部材61が、餌マトリックス63が中に配置されるカップを少なくとも部分的に取り囲むトレイ部分によって保持される。しかし、トレイ部分91の支持パネル93は、本発明の範囲から逸脱することなく、カップ73の閉じた端部75と開いた端部77との間の実質的にいかなる部分に設置されてもよい。特に適切な一実施形態では、凝集部材をトレイ部分内で干渉嵌め又は摩擦嵌めし、それによって凝集部材をホルダ内で保定するため、凝集部材61及びホルダ65のトレイ部分91は相互にサイズ決めされる。図6で最も良く分かるように、図示される実施形態の凝集部材61を規定する熱処理済み木材ブロック67は、ほぼ長方形であり、中央開口部97を有するので、ホルダ65のトレイ部分91に収められたとき、木材ブロックは、餌マトリックス69を中央に露出させたままで、カップの開いた端部77に近接してカップ部分71のカップ73を取り囲む。
【0054】
本明細書においてシロアリステーション21の動作構成(図9)と呼ばれる状態において、凝集部材61の少なくとも一部分をベースパネル25から離して、シロアリが凝集部材とベースパネルとの間を容易に移動できるように、適切な間隔保持構造が設けられる。例えば、図6の図示される実施形態では、間隔保持構造は、熱処理済み木材ブロック67に固定された、より具体的にはそれと一体的に形成された四つの離隔要素99を備える。四つよりも多数又は少数の離隔要素99が設けられてもよいことが理解される。或いは、シロアリステーション21の動作構成において、木材ブロックの外表面全体よりも少ない面積(例えば、溝などが設置された場所)がベースパネル25に接して位置するように、間隔保持構造は、木材ブロック67の外表面に形成された溝、スロット、又は他の空隙など、凝集部材61内に形成されてもよい。他の実施形態では、適切な間隔保持構造は、ベースパネル25の内表面37と一体的に形成されてもよく、又は、シロアリステーション21の動作構成において凝集部材61が接触する一つ若しくは複数の場所において、内表面とは別個に形成されそれに付着されてもよい。それほど好ましくはないが、他の適切な間隔保持構造が形成され、カートリッジ51及び容器23の両方から分離したまま、それらの間で容器内に配置されて、凝集部材61の少なくとも一部分をベースパネルから離してもよい。
【0055】
図9で最も良く分かるように、間隔保持構造(例えば、図示される実施形態の離隔要素99)は、シロアリが凝集部材とベースパネルとの間を自由に(即ち、凝集部材を通って採餌する必要なく)移動できるようにするのに十分な距離だけ、凝集部材61の外表面(シロアリステーション21の動作構成におけるベースパネル25の内表面37に面する)を離している。より適切には、凝集部材61とベースパネル25との間の間隔は、シロアリが凝集部材を通り過ぎるときにシロアリの触角が凝集部材と接触したままであることができるような間隔である。一例として、一実施形態の間隔構造は、約0.20cm〜約0.6cmの範囲の距離だけ、凝集部材61をベースパネル25から離してもよい。ベースパネル25上の間隔保持要素49は、適切には、餌マトリックス63(例えば、タブレット69)をベースパネルから離して、ベースと餌マトリックスとの間をシロアリが移動できるようにする。
【0056】
図1及び6で最も良く分かるように、カートリッジ51は、任意に、凝集部材61及び/又はカートリッジホルダ65に対する、より適切にはカートリッジホルダのトレイ部分91の周囲側壁95に対する解放可能な固定のために適合されたカバー101を備えて、凝集部材及び餌マトリックス63の空気及び他の環境条件に対する露出を低減するように、それらが中に配置されるカートリッジの内部空間を画定してもよい。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、カバー101がカートリッジ51から省略されてもよいことが理解される。
【0057】
再び図1及び2を参照すると、シロアリステーション21の保管構成では、カートリッジのカップ部分のソケット81がベースパネルの間隔保持部材49を受け入れて、カートリッジを容器内で位置付けるようにして、カートリッジホルダのカップ73の閉じた端部75の外表面がベースパネル25の内表面37に面した状態で、カートリッジ51は容器23の内部空間33内に配置される。したがって、蓋がその閉止位置にあるこの構成では、カートリッジ51のカバー101は容器23の蓋31に面する。シロアリステーション21を所望の取付け表面M上に取り付けるため、容器の蓋31はその開放位置に移動されて、容器23の内部空間33へのアクセスを提供し、カートリッジ51は容器から取り外される。図10に示されるように、蓋31が開き、カートリッジ51が取り外された状態で、ベースパネル25の外表面35は取付け表面Mに接して置かれ、適切な締結具43を使用して(即ち、ベースパネルの開口部39を通って延びる)、ベースパネル(及びしたがって容器23)が取付け表面上に固定される。シロアリステーション21の保管構成でカートリッジ51が更に保管される場合、単に上述の向きで容器23内に戻され、蓋31がその元の閉止位置で固定される。
【0058】
シロアリ発生に対する監視及び/又は処理にシロアリステーション21を使用するため、蓋31が開かれ、カートリッジ51が容器23から取り外される。カートリッジのカバー101(存在する場合)はカートリッジ51から取り外されて、凝集部材61及び餌マトリックスタブレット69が露出する。カートリッジ51は、開いた端部から先に容器23に再挿入されるので、今度は凝集部材61がベースパネル25に面し、別の方法では離隔要素99(概して、間隔保持構造)によってベースパネルから離され、図9に示されるように、餌マトリックスタブレット69は間隔保持要素49によってベースパネルから離される。次に、カートリッジ51を容器23内に完全に封入するように蓋31がその閉止位置で固定され、それによってシロアリステーション21の動作構成が規定される。凝集部材61(例えば、図示される実施形態の熱処理済み木材ブロック67)、餌マトリックス63(例えば、餌マトリックスタブレット69)、及びカートリッジホルダ65は、凝集部材が餌マトリックスよりもベースパネル25に近く、且つシロアリステーションの動作構成にある餌マトリックスよりも、エンドパネル27及びサイドパネル29の端部に形成される周囲開口部47に横方向及び長手方向の両方で近いようにして、相互にサイズ及び構成が決められる。
【0059】
動作の際、シロアリステーション21はその動作構成で構成され、シロアリが容器23の外部から、ベースパネルの後方から又は容器の側面からのどちらかでベースパネル25に接近すると、シロアリは、ベースパネルに形成された開口部39を通って、又は対応するアクセスパネルが取り外されたエンドパネル27及び/若しくはサイドパネル29に形成された周囲開口部47を通って迅速に中に入る。餌マトリックス63に対する凝集部材61の配置及び配列(即ち、餌マトリックスよりもベースパネル25、エンドパネル27、及びサイドパネル29に近い)によって、シロアリは、容器の内部空間33に入った後、最初に凝集部材に直面する。凝集部材61が、上述した熱処理済み木材ブロック67などの無形誘引剤である場合、シロアリは、凝集部材によってシロアリステーション21内におびき寄せられるか、又は引き込まれることさえある。凝集部材61によって容器23内に誘導されて、容器23内で更に採餌するシロアリは、最終的には餌マトリックス63を発見し、それを摂取するように誘導される。
【0060】
餌マトリックス63が有毒物を含まず、その代わりに監視に使用される場合、シロアリは、シロアリが餌材料を摂取する際に構築した探索道(exploratory tunnels)など、餌マトリックスに取り掛かった視覚的な証拠を残すので、シロアリ発生の兆候が、材料の表面上、又は材料の表面を横切って若しくはカートリッジホルダのカップ部分内に構築された泥の管上に残される。有毒物を餌マトリックス63に加えることによって、採餌するシロアリは有毒物含有餌を摂取し、既に存在する通路のネットワークを通って餌の一部を巣に持ち帰り、それによって発生に対する有効な処理がなされる。
【0061】
長期間発生がなく環境条件に露出された後、又は相当量の餌マトリックス63(例えば、図示される実施形態のタブレット69)が摂取された長期の発生後など、時間が経つと、カートリッジ51を交換する必要が生じる。カートリッジ51は、蓋31を開き、古いカートリッジ(例えば、単一ユニットとしての)を取り外し、新しい凝集部材61及び新しいタブレット69を含む新しいものを挿入することによって交換されてもよい。或いは、新しい凝集部材61が不要の場合古いカートリッジ51内の餌マトリックス63(例えば、タブレット69)のみを交換し、古いカートリッジを容器23に挿入し直してもよい。凝集部材61、餌マトリックス63、及びホルダ65は単一ユニットとして組み合わされて保持されるので、シロアリステーション21の中に手を伸ばす必要なくカートリッジ51が容易に交換され、即ち、ホルダ65のカップ部分71のみを把持し、外に引張って、カートリッジを容器23から取り外せばよい。
【0062】
図1〜15Bの図示される実施形態では、シロアリステーションは地上シロアリステーションの形態であるが、本明細書に記載したような高温で熱処理された木材を含む凝集部材は、地中、即ち地下シロアリステーションに使用されてもよいことが理解される。地下シロアリステーション、又は他の地下性昆虫(例えば、アリ)ステーションは、一般的に、地中のキャビティに収まるステーションハウジングを備え、後に続く処理のためにシロアリ(又は他の昆虫)がハウジングに入ることができるようにする開口部を有する。適切な地下シロアリステーションの一例が、2006年8月8日発行の「Pest Control Device And Method」という名称の同一出願人による米国特許第7,086,196号に例証され記載されており、その全開示を本明細書と一致する程度において参照により本明細書に組み込む。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、他の適切な地下シロアリステーション又は他の昆虫処理ステーションが使用されてもよい。
【0063】
特に図16及び17を参照すると、一つの適切な地下シロアリステーション510は、内容積520を画定する環状の側壁514、上面516、及び底面518を有する、ほぼ中空のハウジング512を含む。ハウジング512の上面16の一部分は開いて、内容積520を露出させている。ステーション10は、凝集ベース522、監視容器524、及び/又は餌容器525(図示していないが、図20を参照して後述する)の一つ若しくは複数を、ハウジング12の内容積520内に受け入れる。
【0064】
キャップ528は、上面516上に取外し可能に受け入れられて、ハウジング512を閉じる。キャップ528は、ハウジング512の上面516に取外し可能に固定される。一実施形態では、キャップ528は、ハウジング512の上面516のスロット532内へと延びる一対のタブ530を有する。その結果、キャップ528は、反時計回り又は時計回りのどちらかで回転されて、キャップ528を係合する。タブは、タブ530の前縁536に沿って食付き部534を含む。キャップ528が所定位置に回転するにつれて、食付き部534は、タブ530をスロット532内の所定位置に案内する助けとなる。キャップ528を上面516に固定する他の適切な手段が使用されてもよい。
【0065】
好ましくは、ハウジング512は、例えばアクリル又は高強度プラスチックなど、耐久性で耐食性の材料から形成される。ほぼ円筒形の形状を有するものとして示したが、ハウジング512は、長方形など、他のあらゆる適切な形状であってもよい。好ましくは、ステーション510は、約457mm(18インチ)未満の最大高さ及び約305mm(12インチ)未満の最大直径又は幅を有し、より好ましくは、ステーションは、約229mm(9インチ)未満の最大高さ及び約102mm(4インチ)未満の最大幅を有する。
【0066】
ステーション510は、シロアリがステーションの内容積520に出入りできるように、側壁514を通り抜ける少なくとも一つの開口部537を含む。好ましくは、側壁514は、側壁のほぼ全長を延びるいくつかの垂直な細長い開口部537を有する。本明細書で使用するとき、垂直は、上面516が上向きの方向に面する状態でのステーション510の好ましい向きを指すのに使用される。しかし、開口部の他の形状及び向きが使用されてもよい。例えば、開口部は、水平の細長い開口部であってもよく、又は、不規則に設置された、若しくは繰り返しパターンで形成された円形の開口部であってもよい。それに加えて、底面518に内容積520につながる開口部537があってもよい。代替例では、開口部537は、ハウジング512の側壁514の下側部分538にのみ形成されるので、ハウジング512の上面516付近の側壁514の上側部分539は無孔である。
【0067】
使用の際、ステーション510は、ユーザーが依然として地上でアクセス可能な状態で、シロアリにアクセス可能なキャビティ内に少なくとも部分的に受け入れられる。キャビティは、地下キャビティであってもよく、或いは、建物又は他の地上構造の壁若しくは他の骨組内のキャビティであってもよい。キャビティは土壌内に形成されてもよく、又は、キャビティは、土壌が舗装材料の下にある、コンクリート若しくはアスファルトなどの舗装材料内に形成されてもよい。好ましくは、ステーション510は、上面516及びキャップ528のみが地上からアクセス可能であるようにして、ほぼ完全にキャビティ内に受け入れられる。しかし、いくつかの状況では、ステーション510が完全に地面の上にあって、キャビティが非常に浅くてもよい。
【0068】
一実施形態では、図17に示されるように、凝集ベース522は、側壁514の下側部分538に隣接して位置付けられて、細長い開口部537が凝集ベース522を地下キャビティに露出させるようにして、ハウジング512の内容積520内に受け入れられる。次に、監視容器524又は餌容器525が、凝集ベース522に隣接して受け入れられるように、ハウジングの内容積520内に受け入れられる。また、凝集ベースは、チューブ、及びチューブの中空内部内に受け入れられるように構成された交換可能な監視容器524又は餌容器525として形成されてもよい。
【0069】
或いは、凝集ベース522はキャビティ内に直接受け入れられる。例えば、凝集ベース522が、キャビティの側壁が凝集ベース522の周りで崩壊する可能性がほとんどない、より耐久性の高い環境、例えば舗装材料内などで使用される場合、凝集ベース522はキャビティ内に直接設置することができる。その結果、監視容器524又は餌容器525が、凝集ベース522に隣接して、好ましくはそのすぐ上に位置付けられてもよい。そのような実施形態では、ステーションが凝集ベース522及び容器524、525を受け入れる必要はない。次に、その設計が当該分野において知られている適切なキャップがキャビティの上に設置されて、凝集ベース522及び容器524又は525がキャビティ内で固定される。しかし、上述の実施形態では、凝集ベース522はほぼ固定された形でキャビティ又はステーション510内に設置されるので、容器524又は525が検査、取外し、及び/又は交換されている間の、凝集部位及びシロアリに対する妨害は最小限である。
【0070】
図18は、凝集ベース522の一実施形態を示す。図示される実施例では、凝集ベースは、設置され使用されているとき、凝集ベースの外表面540がステーション510又はキャビティの側壁514の内部に面するように、ほぼ円筒形の形状で形成される。凝集ベースの他の変形例は、ベースが中に受け入れられるキャビティに応じて、使用に適した異なる幾何学形状を有してもよい。凝集ベース522がステーション510の内容積520内に受け入れられる一実施形態では、凝集ベース522がハウジング512内に滑り嵌めされる関係で取外し可能に受け入れられてもよいように、凝集ベース522は、幅がハウジング512の内幅よりもわずかに短い、ハウジング512の形状に類似した形状を有することが好ましい。好ましくは、凝集ベース522は、シロアリの凝集部位に適した、凝集ベース522内のほぼ中央に位置する空隙542を有する。凝集ベース522は、外表面540から内向きに空隙542まで凝集ベース522を通り抜けるチャネル544を含む。好ましくは、チャネル544は、外表面540から凝集ベース522の空隙542内の凝集部位までシロアリを案内する。好ましくは、凝集ベース522は、木材などのシロアリを誘引するセルロース系材料から作られる。
【0071】
或いは、凝集ベース522は、プラスチック又は他の適切な材料で作られ、紙、厚紙、圧縮タブレット、又は他の適切な摂食材料などのセルロース系材料で充填されてもよく、摂食材料へのアクセスを提供する穴を有してもよい。そのような変形例では、凝集ベース522は構造が容器524に類似していてもよい。それに加えて、凝集ベースは発泡材料から作られてもよい。これらの実施形態のいくつかでは、凝集ベースは材料を含まない空隙空間を有さなくてもよいが、ベースは依然として、凝集ベース又は凝集ベース内の材料を摂食するシロアリがベース内に凝集部位を形成するように構成されることが好ましい。
【0072】
次に図19を参照すると、監視容器524はカップ550を備える。カップ550は付随する蓋552を有してもよい。図示されるように、カップ550は蓋552の反対側に底面554を有するので、監視容器524は、ハウジング512の構成を補完する内部チャンバ553を画定する閉じた円筒として構成される。底面554は、監視容器524が動作様式でステーション510内に設置されたとき、凝集ベース522に隣接する表面として説明され、便宜上、蓋552は向かい合った表面を含む。しかし、監視容器524はまた、蓋552が凝集ベース522に隣接した状態でステーション510に挿入されてもよい。カップ550の外幅はハウジング512(図16)の内幅よりもわずかに短いので、カップは、ハウジング内に取外し可能に受け入れられることができる。好ましくは、容器524はプラスチックで作られる。次に図20を参照すると、餌容器525は、好ましくは、監視容器524に類似した構造のものであり、対応する部品は同じ参照番号によって示される。
【0073】
図19及び20の両方を参照すると、シロアリを誘引する監視媒質555(図19に図示)などの適切な材料は、監視容器524のチャンバ553内に受け入れられてもよい。シロアリを誘引し、且つシロアリにとって有害な餌557などの適切な材料は、餌容器525のチャンバ553に受け入れられてもよい。監視媒質555及び餌557は、好ましくは、チャンバ553に容易に挿入することができるタブレットの形態である。監視媒質555及び餌557の使用についてはより詳細に後述する。
【0074】
好ましくは、一つの容器524又は525と凝集ベース522とを組み合わせた長さはハウジング512の長さよりも短いので、ハウジング512の上面516を覆うためのキャップ528の設置を妨げないような形で、容器524又は525をハウジング512内に受け入れることができる。好ましくは、より詳細に後述するような理由で、蓋552及び/若しくはカップ550は透明(又は少なくとも部分的に透明)である。
【0075】
図21に示されるように、カップ550は、凝集ベース522に面する底面554に少なくとも一つの開口部566を有する。容器524又は525が動作位置でハウジング512内に受け入れられたとき、底面554の開口部66はカップ550の内部につながり、それによって、シロアリが凝集ベース522からカップの内部内に移動できるようになる。底面に複数の開口部566があることが好ましいが、単一の開口部を有するものであってもよい。例えば、カップ550は、わずかに不規則な形状(例えば、クローバー形)の単一の開口部566を有してもよい。それに加えて、いくつかの変形例では、カップ550がその側壁に穴を有してもよい。シロアリは、凝集ベース522からカップ550の開口部566へのアクセスを有さなければならない。一実施形態では、カップ550の底面554上の小さな脚体568は、カップを凝集ベース522から離して、シロアリが探索するためのギャップをもたらす。
【0076】
凝集ベース522を妨害することなく、監視容器524を取り外し、検査し、且つ/又は交換し、それによって、空隙542内など、凝集ベース522内にシロアリが形成したあらゆる凝集部位を保存できるように、監視容器524は、凝集ベース522に隣接して交換可能に受け入れられるように構成される(例えば、図17を参照)。同様に、使用中、監視容器524又は餌容器525のどちらかが凝集ベースに隣接して位置付けられるように、餌容器525は、凝集ベース522に隣接して交換可能に受け入れられるように構成される。
【0077】
また、容器524、525の蓋552は、シロアリが容器の蓋552を通して容器に出入りできるようにする、少なくとも一つの開口部570を有してもよい(図23を参照)。それに加えて、開口部570は、ステーション510又はキャビティが水で充填された場合に、容器524、525が浮遊するのを防ぐ。また、容器524、525内に受け入れられた監視媒質555又は餌557が水に浸かって膨張した場合、開口部566、570は膨張の余地を提供し、それにも関わらず餌を容器内に保つ。カップ550の側面572は、好ましくは開口部を含まないので、ハウジング512の開口部537を通り抜けるシロアリは凝集ベース522へと追いやられ、結果として最初の凝集部位は凝集ベース内に形成される。しかし、カップ550が監視容器24として使用されるとき、開口部は側面にも含まれてもよい。
【0078】
蓋552は、あらゆる適切な手段を使用してカップ550に取外し可能に固定される。図22を参照すると、一実施形態では、カップ550はその上縁部558付近にいくつかの陥凹部559を有する。図23は、陥凹部559に受け入れられて蓋552をカップ550に固定する、蓋552上の対応するフランジ560を示す。或いは、カップ550の円形ねじ付き部分(図示なし)が上向きに延び、蓋552の補完的なねじ付きベース部分(図示なし)を、ねじ山によってカップ550に取外し可能に固定することができる。
【0079】
動作の際、ステーション510を位置付けるための適切な寸法のキャビティを、土壌又は他の構造の中に作ることができる。一般的には、凝集ベース522及び監視容器524がステーションハウジング512内部に設置され、次に、ステーション510が、ステーションハウジング512の上面516が土壌表面付近になるまで、キャビティに挿入又は圧入される。しかし、シロアリの存在が分かっているとき、又はシロアリを助長する条件があるときなど、いくつかの例では、餌容器525を凝集ベース522と共に直接使用し始め、監視容器524を使用しないことが望ましいことがある。或いは、凝集ベース522はキャビティ内に直接設置される。次に、容器524又は525のどちらかが凝集ベース522に隣接してキャビティ内に設置される。以下の記載は、ステーション510内に設置されているものとして凝集ベース522について記載するが、上述したようにステーション510を使用することなく、凝集ベースが監視容器524又は餌容器525に隣接して設置されてもよい。シロアリは、食料源を捜して採餌する結果として、ステーション510及び凝集ベース522を見つける。
【0080】
シロアリは、ステーション510の外側に接近すると、開口部537を通って迅速に入り込み、内部を移動して、潜在的な食料源である凝集ベース522を見つける。ステーションの開口部537は、側壁14を迅速に通り抜けて凝集ベース522に行くようにシロアリを促す。シロアリが開口部537を通って入り込み、凝集ベース522の上にある容器524又は525に接触した場合、容器の無孔の側壁は、細長い開口部537に沿って凝集ベース522までシロアリを導く。チャネル544は、凝集ベース522に入り、ベースによって作られた内部空隙542を凝集部位として使用し始めるようにシロアリを促す。空隙542は凝集のための停止領域を中心に作る。一旦中に入ると、シロアリは、凝集ベース522の上部に向かって、監視容器524内へと移動する。シロアリの活動を監視するためには監視容器524のみが取り外されるので、凝集ベース522は妨害されないままであり、それによって、凝集ベース522の空隙542及びその中の凝集部位は無傷で維持される。
【0081】
ステーション510は、発生の兆候について監視容器524を視覚的に調べることによって、シロアリ発生の証拠を周期的に検査することができる。ステーション510の検査は、毎週、隔週、毎月など、必要又は所望に応じて行うことができる。検査は、キャップ528を取り外し、シロアリの攻撃について、監視容器524のチャンバ553又は凝集ベース522を視覚的に検査することによって行われる。監視媒質555又は凝集ベース522などのセルロース系材料に対するシロアリの攻撃の性質により、そのような攻撃の視覚的な兆候又は証拠は常にモニタ上に残される。この証拠としては、例えば、シロアリの発生を知らせる兆候が、材料の表面上、及び/又はステーションハウジング512の内部表面若しくは監視容器524の上に、若しくはそれを横切って構築された泥の管上に残されるような形で、材料を摂取する際にシロアリが構築した探索道を挙げることができる。発生のそのような兆候は、シロアリ被害検出の分野のいかなる当業者にとっても明白であろう。シロアリの攻撃が発見された場合、監視容器524を餌容器525と交換することによってステーション510に餌が付けられる。或いは、監視媒質555を取り外し、餌557と交換することができる。シロアリの攻撃が発見されない場合、監視容器524はステーション510に戻される。キャップ528が交換され、適切な間隔の後にステーション510が再び検査される。
【0082】
凝集ベース522を摂取するシロアリは、監視容器524内にある付近の監視媒質555を発見し、それを摂食するために移行する。これには一つ又は複数の理由があり得る。監視媒質555が凝集ベース522よりもシロアリにとって好ましい粘稠度のものである場合、シロアリは、凝集ベース522を全て摂取する前に凝集ベース522を摂取するのを止め、監視媒質555の摂取に移行することがある。シロアリが凝集ベース522を摂取し続けた場合、やはりシロアリは、シロアリの採餌の通常のプロセスにおいて、凝集ベース522を全て摂取すると、監視媒質555の摂取に移行する。監視媒質555が付近にあり、且つシロアリが好んで摂取する性質のものであるので、シロアリは常に監視媒質を摂取し始める。
【0083】
シロアリが監視媒質555又は凝集ベース522を攻撃しているのが発見されると、有毒物含有餌557を用いてステーション510に餌が付けられる。好ましくは、監視容器524は取り外され、容器525内の餌557と交換される。有毒物含有餌は、精製セルロースの有毒物送達タブレットの形態であってもよい。一つの適切なシロアリ組成物が、「Termite Bait Composition and Method」という名称の同一出願人による米国特許第6,416,752号に記載されており、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0084】
餌57中の有毒物は、好ましくは、遅効性タイプのもの、又は昆虫成長調節剤、病原体、若しくは代謝阻害剤である。好ましくは、無毒の餌組成物を含み、それに殺虫剤有毒物が添加される。あらゆる適切なシロアリ殺虫剤組成物が本発明に関して使用されてもよい。一実施形態では、餌はタブレットの形態である。例えば、適切な一実施形態では、餌557は、約10グラム(0.35オンス)〜約45グラム(1.6オンス)、より好ましくは約25グラム(0.88オンス)〜約40グラム(1.4オンス)、更により好ましくは約35グラム(1.2オンス)の質量を有する少なくとも一つの圧縮タブレットを含む。
【0085】
ベースは容器524、525の取外し及び置換中に変位しないので、ハウジング512内の容器524、525の取外し、検査、及び/又は交換は、シロアリの群体若しくは巣と凝集ベース522内の凝集部位との間に既に確立されたアクセスギャラリー又は通路の既に存在するネットワークを妨害しない。したがって、凝集ベース522内の凝集部位の妨害が最小限に抑えられて、シロアリが摂食部位を捨てる可能性が低減される。また、監視容器524を餌容器525と置換すると、殺虫剤含有容器525とシロアリの群体との間の連通及びアクセスが迅速に確立される。採餌するシロアリは、殺虫剤含有餌557を摂取し、また、既に存在する通路のネットワークを通って有毒餌の一部を巣に持ち帰る。
【0086】
ステーション510は一定間隔(例えば、15〜120日ごと)に検査されて、シロアリによる餌557の摂取の程度が評価される。容器525内の餌557がほぼ摂取されているとき、蓋552を取外し、より多量の餌を容器525に挿入することによって、又は単に容器を新たな容器と交換することによって、より多量の餌を追加することができる。したがって、容器524、525の通常の検査及び/又は交換の間、凝集ベース522は取り外されず、凝集部位に対する妨害は最小限に抑えられる。凝集ベース522を周期的に(例えば、凝集ベース522を新しくするため、一年に一度)交換することが必要なことがある。しかし、これは通常、シロアリが活発に部位から摂食している間は行われない。
【0087】
昆虫を処理する、より適切には地下性昆虫を処理する、更により適切にはイエシロアリを処理する方法の別の実施形態によれば、本明細書に上述した熱処理済み木材は、凝集ベース522の代わりに、又はそれに加えてステーションハウジング内に配備されてもよい。例えば、一実施形態では、凝集ベースは熱処理済み木材で形成されてもよいが、別の方法では、図16及び17に示される凝集ベースと同様に構築される。別の実施形態では、凝集ベース522は熱処理済み木材で形成され、ただし、根囲い、粉末、チップ、又は他の粒子形態としてステーションハウジング内に配備されてもよい。更に別の実施形態では、凝集ベースは、図16及び17に示される凝集ベースと同様に構築されてもよく、また、必ずしも熱処理済み木材から形成されなくてもよいことがある。そのような一実施形態では、根囲い形態、粉末形態、チップ、又は他の粒子形態の熱処理済み木材が、凝集ベースに隣接してステーションハウジング内に付加的に設置されてもよい。
【0088】
上述の実施形態それぞれにおいて、熱処理済み木材は、適切には、例えばステーションハウジングを取り囲む環境に直接露出されることによって、又は適切には液体透過性であって、熱処理済み木材を容器を取り囲む環境の湿気に露出させる容器内に設置されることによって、ステーションハウジングを取り囲む湿潤環境(例えば、湿潤空気、土壌、及び/又は地下水)に露出される。そのような配列では、十分な湿気に露出されると、熱処理済み木材の一つ又は複数の組成物を含有する液体抽出物が、熱処理済み木材からステーションハウジングの外に、そして周りの土壌へと浸出する。したがって、液体抽出物は、概して液体誘引剤を規定し、また一般に、ステーションハウジングを取り囲む誘引剤区域を形成して、シロアリをステーションハウジングへと更に誘引する。
【0089】
昆虫を監視する、より適切には昆虫を監視及び/又は制御する、更により適切にはシロアリを監視及び/又は制御する方法の別の実施形態では、熱処理済み木材抽出物は、適切には、熱処理済み木材から発生し、次に、シロアリの活動を誘引し監視するため、監視及び制御される領域に(例えば、ステーションハウジングが使用されない場合、キャビティ内に)堆積し、又はステーションハウジング外部の土壌若しくは他の環境内に堆積し、且つ/又は後でステーションハウジングを取り囲む土壌に放出され、それによって吸収されるように、ステーションハウジング内に堆積する。本明細書で使用するとき、「熱処理済み木材抽出物」は、概して、熱処理済み木材の水性抽出物若しくは非水性抽出物などの液体抽出物、又は熱処理済み木材の液体抽出物の固体抽出物(固体、粒子状、若しくは他の乾燥形態)を指すものとする。
【0090】
特に適切な実施形態の一例として、上述の乾燥した熱処理済み木材は、水抽出に晒されて、水性の熱処理済み木材抽出物を発生させる。より適切には、水性抽出物を発生させる一つのプロセスにしたがって、特定の形態の乾燥した熱処理済み木材は多量の水と組み合わされ、その混合物が加熱され、より適切には、少なくとも約10分の期間、より適切には約10分〜約120分の範囲の期間、更により適切には約30分〜約120分の範囲の期間、沸騰される。次に、混合物がフィルタ処理されて、熱処理済み木材からの抽出物を含有する水性の熱処理済み木材抽出物を残して粒子が取り除かれる。本発明の範囲から逸脱することなく、非水性の熱処理済み木材抽出物をもたらすため、液体抽出物は、水中以外で発生してもよい。抽出によって発生した液体の熱処理済み木材抽出物は、昆虫、例えばシロアリの誘引を容易にするため、それ自体で、又は図1〜15Bの地上システム若しくは図16及び17の地下システムなどの昆虫の監視及び/若しくは制御システムと併せて、誘引剤として使用されてもよい。
【0091】
(実験2)
この実験では、適切な一実施形態にしたがって熱処理したポプラ材の水性の熱処理済み木材抽出物と、濾過水とを評価して、これらの試料間におけるレチキュリテルメスフラビペス種(Reticulitermues flavipes)のシロアリの摂食嗜好を判断した。
【0092】
熱処理済み木材を以下のように処理して、水性抽出物を発生させた。木材を、標準的なツーバイフォー厚板(即ち、断面が約38mm(1.5インチ)×約89mm(3.5インチ))などの一般的な板材寸法に切断した。次に、木材をキルン又は高温/高圧容器内に配置した。容器内の温度を迅速に約100℃(212°F)まで上昇させ、木材が均一に約0%の含水率に達するまで保持した。次に、温度を徐々に上昇させ、約185℃(365°F)で約120〜180分の期間維持した。乾燥後、木材の温度を約80℃(176°F)〜約90℃(194°F)まで低下させた。冷却期間の間、蒸気噴霧を使用して木材の温度を下げ、木材の含水率を2%〜約10%に増加させた。加熱及び冷却プロセス全体は、完了するまで約36時間かかった。
【0093】
材料の粒子サイズが1〜250ミクロンの範囲になるまで、熱処理済み木材を機械的プロセスによって粉砕した。次に、3.8L(標準的米国ガロン単位で1ガロン)の体積の約3分の1に等しい測定量を濾過水中に配置し、20分間沸騰させた。沸騰後、水/熱処理済み木材の混合物を冷却し、次に、フィルタ処理して、水性の熱処理済み木材抽出物を残して混合物から粒子を取り除いた。
【0094】
ワットマン銘柄の濾紙、カタログ番号1001-150(直径150mm)を水性の熱処理済み木材抽出物に浸漬し、空気乾燥した。追加の濾紙を濾過水(例えば、熱処理済み木材抽出物を含まない)に浸漬し、空気乾燥した。次に、乾燥した濾紙を、水槽内のシロアリが発生した土壌の上に約30.5cm(12インチ)離して2週間配置し、その間、水槽を視覚的に検査し、シロアリの活動を観察した。2週間後、目視によって、水性の熱処理済み木材抽出物で処理した濾紙は、広範囲で摂食され侵入されたが、濾過水で処理した濾紙の摂食活動は大幅に少なく、場合によっては全くなかったことが明らかになった。
【0095】
昆虫の集団を、より適切にはシロアリの集団を監視及び/又は制御する方法の適切な一実施形態では、水性の熱処理済み木材抽出物(概して、液体の熱処理済み木材抽出物、及びより広くは熱処理済み木材抽出物)は、図1〜15Bのシステム、図16及び17のシステム、又は別の適切なシステムなど、シロアリの監視及び制御システムのステーションハウジングに送達される。例えば、図16及び17に示されるような地下システムでは、ステーションハウジングが既にキャビティ内に位置付けられている場合、水性の熱処理済み木材抽出物はステーションハウジングに流入して、抽出物は開口部を介してステーションハウジングの外に流れ、ステーションハウジングを取り囲む土壌に分散して、ステーションハウジングの外部にそれを取り囲む誘引区域が作られる。他の実施形態では、凝集ベース(及び、いくつかの例では、監視容器などの他の構成要素)は、水性の熱処理済み抽出物がハウジングに流入する時点で、既にステーションハウジングに装填されていてもよい。
【0096】
別の実施形態では、液体の熱処理済み木材抽出物は、厚紙、紙、木材、若しくは他の適切な基材などの基材に染み込ませるか、又はその上にコーティングするか、溶液をそこから漏出させることができる適切な容器(概して、担体)内に収容することなどによって、適切な担体の上若しくは中に置かれてもよい。そのような実施形態では、担体は、凝集ベースの代わりに、又はそれに加えて、地上システム(図1〜15B)若しくは地下システム(図16及び17)のステーションハウジング内に設置されてもよい。別の態様では、液体の熱処理済み木材抽出物が添加される基材担体は、基材をステーションハウジングに装填する前に乾燥されてもよい。
【0097】
他の実施形態では、液体の熱処理済み木材抽出物は、非限定的に、凍結乾燥によって、蒸気誘起蒸発(vapor induced evaporation)によって、別の適切な脱溶媒化(de-solventization)プロセス、或いはそれらの任意の組合せなどの脱溶媒化に晒されて、固体形態(即ち、固体、又は粉末若しくは結晶形態などの粒子)の熱処理済み木材抽出物を発生してもよい。次に、熱処理済み木材抽出物は、上述した液体の熱処理済み木材抽出物及び/又は粒子状の熱処理済み木材と同様に、ステーションハウジング内に設置されてもよい。
【0098】
本発明又はその一つ若しくは複数の実施形態の要素を紹介するにあたって、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、一つ又は複数の要素が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的であって、列挙した要素以外の追加要素が存在してもよいことを意味するものとする。
【0099】
本発明の範囲を逸脱することなく、上述の製品及び方法を様々に変更することができるので、上述の説明に含まれ添付図面に示される全ての事項は、限定的意味ではなく例証的意味で解釈すべきものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロアリにアクセス可能な領域において前記シロアリの集団を監視する方法であって、
約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理された木材を前記領域内に設置する工程と、
シロアリの存在について前記熱処理された熱処理済み木材を監視する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記領域内に設置する工程は、約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、(i)同じ種の未処理木材、及び(ii)約150℃(302°F)未満まで熱処理された同じ種の木材、の少なくともいずれか一方よりも低い含水率を有する木材を前記領域内に設置する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
約90℃(195°F)未満まで熱処理された同じ種の木材よりも少なくとも20%少ない含水率を、前記熱処理済み木材が有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記領域内に設置する工程は、約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、約10%未満の含水率を有する木材を前記領域内に設置する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記領域内に設置する工程は、約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、約1%から約10%の範囲の含水率を有する木材を前記領域内に設置する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記領域内に設置する工程は、約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理された、粒子形態の木材を前記領域内に設置する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記熱処理済み木材が圧縮セルロース粉末を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a)前記熱処理済み木材を地中のキャビティ内に配置する工程、及び
b)ハウジングを地中のキャビティ内に配置し、前記木材を前記ハウジングの内部空間内に配置する工程、のいずれか一方を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
a)前記熱処理済み木材を地上表面上に取り付ける工程、及び
b)内部空間を有する容器を取付け表面上に取り付け、前記熱処理済み木材を前記容器の前記内部空間内に配置する工程、のいずれか一方を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記領域内に設置する工程は、少なくとも約185℃(365°F)の温度まで熱処理された木材を前記領域内に設置する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
内部空間を有する容器を地上取付け表面上に取り付ける工程と、ホルダ及び木材を単一ユニットとして前記容器の前記内部空間に挿入するために、前記熱処理済み木材が保持されるホルダを備えるカートリッジを前記容器の前記内部空間内に配置する工程と、を前記領域内に設置する工程が含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が更に、前記領域内のシロアリの集団を制御するためのものであり、前記容器の前記内部空間内に有毒餌を設置する工程を前記方法が更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ホルダ、前記熱処理済み木材、及び前記有毒餌を単一ユニットとして前記容器の前記内部空間に挿入するために、前記有毒餌を前記カートリッジ内に配置する工程を、前記有毒餌を設置する工程が含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
シロアリにアクセス可能な領域において前記シロアリの集団を監視及び制御する方法であって、
少なくとも約150℃(302°F)の温度まで熱処理された熱処理済み木材を前記領域内に設置する工程と、
有毒餌を前記領域内に設置する工程と、を含む、方法。
【請求項15】
前記熱処理済み木材を前記領域から取り外す工程と、
前記熱処理済み木材を前記有毒餌と交換する工程と、を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記領域内の前記熱処理済み木材に隣接して前記有毒餌を設置する工程を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
内部空間を有するハウジングを地中のキャビティ内に設置する工程を更に含み、
前記熱処理済み木材を前記ハウジングの前記内部空間内に位置付ける工程を、前記熱処理された木材を前記領域内に設置する工程が含み、
前記熱処理済み木材に隣接して前記有毒餌を前記ハウジングの前記内部空間内に配置する工程を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも約185℃(365°F)の温度まで熱処理された木材を前記領域内に設置する工程を、前記熱処理された木材を前記領域内に設置する工程が含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記熱処理された木材を前記領域内に設置する工程は、
約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、(i)同じ種の未処理木材、及び(ii)約150℃(302°F)未満で熱処理された同じ種の木材、の少なくともいずれか一方よりも低い含水率を有する木材を前記領域内に設置する工程である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
約90℃(195°F)未満で熱処理された同じ種の木材よりも少なくとも20%少ない含水率を前記木材が有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記熱処理された木材を前記領域内に設置する工程は、
約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、約10%未満の含水率を有する木材を前記領域内に設置する工程である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記熱処理された木材を前記領域内に設置する工程は、
約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、約1%から約10%の範囲の含水率を有する木材を前記領域内に設置する工程である、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
シロアリにアクセス可能な領域内において前記シロアリの集団を制御する方法であって、
少なくとも約150℃(302°F)の温度まで熱処理された木材と有毒物とを含む有毒餌を前記領域内に設置する工程を含む、方法。
【請求項24】
内部空間を有するハウジングを地中のキャビティ内に設置する工程を更に含み、前記有毒餌を前記ハウジングの前記内部空間内に位置付ける工程を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも約185℃(365°F)の温度まで熱処理された木材と有毒物とを含む餌を前記領域内に設置する工程を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、約10%未満の含水率を有する木材と有毒物とを含む餌を前記領域内に設置する工程を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
約150℃(302°F)を超える温度まで熱処理され、約1%から約10%の範囲の含水率を有する木材と有毒物とを含む餌を前記領域内に設置する工程を、前記有毒餌を前記領域内に設置する工程が含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
シロアリにアクセス可能な領域内において前記シロアリの集団を少なくとも監視又は制御する方法であって、
少なくとも約150℃の温度まで熱処理された熱処理済み木材から抽出された熱処理済み木材抽出物を前記領域内に設置する工程を含む、方法。
【請求項29】
前記熱処理済み木材抽出物が液体の熱処理済み木材抽出物である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
地下キャビティを形成する工程を前記方法が更に含み、
前記液体の熱処理済み木材抽出物を前記地下キャビティ内に堆積させる工程を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
監視デバイスを前記地下キャビティ内に配置する工程を更に含み、
前記デバイスの内部と前記監視デバイスの外部を取り囲む環境とを連通させるため、前記監視デバイスが少なくとも一つの開口部を有し、
前記ステーションの外部を取り囲む前記環境に分散させるため、前記液体の熱処理済み木材抽出物が前記ハウジングからその前記開口部を介して流出するようにして、前記液体の熱処理済み木材抽出物を前記監視デバイスの前記内部に堆積させる工程を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記液体の熱処理済み木材抽出物を前記監視デバイスの前記内部に流入させる工程を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記熱処理済み木材抽出物が粒子形態である、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
有毒餌を前記領域内に設置する工程を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
熱処理済み木材抽出物を前記抽出物の担体の上及び中の少なくとも一方に堆積させる工程を更に含み、
前記領域内に設置する工程は、約150℃を超える温度まで熱処理された木材から前記抽出物が抽出され、前記担体を前記熱処理済み木材抽出物と共に前記領域内に設置する工程である、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
監視デバイスを前記領域内に配置する工程を更に含み、
前記領域内に設置する工程は、前記担体を前記熱処理済み木材抽出物と共に前記監視デバイス内に設置する工程である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記監視デバイスが地上監視デバイスである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
液体の熱処理済み木材抽出物を担体基材に適用する工程を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記担体基材を前記領域内に設置する前に、前記液体抽出物を乾燥させる工程を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
液体の熱処理済み木材抽出物を容器内に堆積させる工程を、前記堆積させる工程が含み、
前記容器を前記領域内に設置する工程を、前記領域内に設置する工程が含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
シロアリにアクセス可能な領域において前記シロアリの集団を少なくとも監視又は制御する方法であって、
シロアリステーションハウジングの内部と外部との間を連通させる少なくとも一つの開口部を有するシロアリステーションハウジングを、シロアリにアクセス可能な領域に設置する工程と、
凝集ベースを前記ハウジングの前記内部内に位置付ける工程と、
約150℃を超える温度まで熱処理された木材から抽出された熱処理済み木材抽出物を、前記ハウジングの前記内部内及び前記ハウジング外部の環境内の少なくとも一方に堆積させる工程と、を含む、方法。
【請求項42】
前記熱処理済み木材抽出物が液体の熱処理済み木材抽出物である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記液体の熱処理済み木材抽出物が水性の熱処理済み木材抽出物である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記領域が地下キャビティを含み、
前記ステーションハウジングを少なくとも部分的に前記キャビティ内に設置する工程を、前記シロアリにアクセス可能な領域に設置する工程が含み、
前記液体の熱処理済み木材抽出物が前記ハウジングからその前記少なくとも一つの開口部を介して流出し、前記ステーションを取り囲む前記外部環境に分散して、誘引剤の区域を形成するようにして、前記液体の熱処理済み木材抽出物を前記シロアリステーションハウジングの前記内部に流入させる工程を、前記堆積させる工程が含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
凝集ベースを前記ハウジングの前記内部内に位置付ける工程の後に、前記堆積させる工程が行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記熱処理済み木材抽出物が粒子形態である、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
有毒餌を前記シロアリステーションハウジング内に位置付ける工程を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
熱処理済み木材抽出物を前記抽出物の担体の上及び中の少なくともいずれか一方に堆積させる工程を、前記堆積させる工程が含み、
約150℃を超える温度まで熱処理された木材から前記抽出物が抽出され、前記担体を前記熱処理済み木材抽出物と共に前記ステーションハウジング内に堆積させる工程を、前記堆積させる工程が更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
シロアリにアクセス可能な領域に設置する工程は、シロアリステーションハウジングをシロアリにアクセス可能な地上領域に設置する工程である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
液体の熱処理済み木材抽出物を担体基材に適用する工程を、前記熱処理済み木材抽出物を前記抽出物の担体の上及び中の少なくともいずれか一方に堆積させる工程が含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記担体を前記ステーションハウジング内に堆積させる前に、前記液体抽出物を乾燥させる工程を更に含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
液体の熱処理済み木材抽出物を容器内に堆積させる工程を、前記熱処理済み木材抽出物を前記抽出物の担体の上及び中の少なくともいずれか一方に堆積させる工程が含み、
前記容器を前記ステーションハウジング内に堆積させる工程を、前記熱処理済み木材抽出物を前記抽出物の担体の上及び中の少なくともいずれか一方に堆積させる工程が更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
約150℃を超える温度まで熱処理された木材から抽出された熱処理済み木材抽出物を含む、シロアリの集団を監視及び制御するのに使用される誘引剤。
【請求項54】
前記抽出物が生じる前記熱処理済み木材が少なくとも185℃の温度まで熱処理されている、請求項53に記載の誘引剤。
【請求項55】
前記熱処理済み木材抽出物が液体の熱処理済み木材抽出物である、請求項53に記載の誘引剤。
【請求項56】
前記熱処理済み木材抽出物が水性の熱処理済み木材抽出物である、請求項55に記載の誘引剤。
【請求項57】
前記熱処理済み木材抽出物が粒子状の熱処理済み木材抽出物である、請求項53に記載の誘引剤。
【請求項58】
シロアリの集団を監視及び制御する方法であって、
シロアリステーションハウジングの内部と外部との間を連通させる少なくとも一つの開口部を有するシロアリステーションハウジングを、シロアリにアクセス可能な領域に設置する工程と、
約150℃を超える温度まで熱処理された粒子状の熱処理済み木材を前記ステーションハウジング内に位置付ける工程と、を含む、方法。
【請求項59】
前記シロアリを誘引する凝集ベースを前記ステーションハウジング内に位置付ける工程を更に含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記シロアリを誘引する餌を封入する交換可能な容器を、前記ステーションハウジング内に位置付ける工程を更に含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記熱処理済み木材が少なくとも185℃の温度で熱処理されている、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記シロアリにアクセス可能な地下キャビティを形成する工程を更に含み、
前記ステーションハウジングを少なくとも部分的に前記地下キャビティ内に設置する工程を、前記シロアリにアクセス可能な領域に設置する工程が含む、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記ステーションハウジングを地上に設置する工程を、前記シロアリにアクセス可能な領域に設置する工程が含む、請求項58に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2010−531667(P2010−531667A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515180(P2010−515180)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/068565
【国際公開番号】WO2009/006296
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(591020700)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (53)
【氏名又は名称原語表記】BASF Corporation
【住所又は居所原語表記】100 Campus Drive, Florham Park, New Jersey 07932, USA
【Fターム(参考)】