説明

熱成形可能なポリエステル含有ラミネート

(a)少なくとも80重量%のポリエチレンテレフタレートポリマーを有するポリマー組成物を含むまたはそれから製造された熱成形可能なフィルム層であって、前記フィルムが外面および内面を有するフィルム層、(b)(a)より少なくとも約5%少ない熱収縮を有するフィルム層、(c)ヒートシール可能な層、および任意選択的に(d)追加のバリア層を含むまたはそれらから製造された、包装に有用であり得る熱成形可能なフィルムラミネートが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステルを含有する熱成形可能なフィルムラミネートにおよび該ラミネートフィルムを含むパッケージに広範に関する。
【背景技術】
【0002】
食品アイテム、より具体的にはミート、鶏肉およびシーフード製品のような物品は、包装されるべき製品を外観の損傷および環境汚染から保護するために、そして製品の流通のために便利な、耐久性のあるパッケージを提供し、展示ケースまたは販売の他のポイントで展示するために熱可塑性フィルムまたはラミネートにしばしば包装される。成形、充填およびシール・パッケージは多くの用途向けに多くの形状および形態で存在し、食料品のための包装業界で日常的である。特に肉製品を取り扱う場合、肉製品の新鮮さ、色、および他の特性への有害な影響が最小限にされるようにフィルムを通る酸素の通過を減らすために、良好な酸素バリア特性を有するフィルムを提供することが通常望ましい。
【0003】
良好なバリア性を提供する、そしてまた包装材料を取り除くことなく、中に含有される食料品を調理するために使用できるパッケージ(「クックイン」パッケージ)を提供することは望ましいことであり得る。通常の対流またはマイクロ波オーブンでの加熱もしくは調理に、または沸騰水中での加熱に好適である(「二重オーブンに入れて使える」)かかるパッケージを提供することもまた望ましい。小売りレベルでパッケージ中の新鮮な、部分調理されたまたは付加価値食料品を購入できる、そしてパッケージを通常のオーブンまたはマイクロ波中へ直接入れ、パッケージ中の食料品を調理できる便利さは非常に望ましい。
【0004】
真空成形またはプラグ−アシスト真空成形のような熱成形方法はしばしば製品を包装するのに有用である。大まかに言えば、熱成形は、熱可塑性フィルムまたはラミネートの加熱と入れられるべき製品を保持するための所望の形状へフィルムまたはラミネートの成形とを含む。フィルムまたはラミネートのこのシートは通常成形ウェブと言われる。様々なシステムおよび装置が熱成形プロセスで用いられ、予め定められた形状への成形ウェブの適切な成形を提供するための真空アシストおよびプラグアシスト部品をしばしば伴う。熱成形システムは当該技術で周知である。熱成形パッケージはしばしばミートまたは鶏肉製品を包装するのに有用である。
【0005】
多くのタイプのフィルムおよびラミネートは、成形ウェブが浅い形状(すなわち、比較的低い外形形状)をとる浅絞り操作をはじめとする、熱成形操作に使用されてきた。
【0006】
ポリエチレンなどのポリオレフィンを含む共押出フィルムは、熱成形可能な、しかし熱成形可能なポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)フィルムを含有する積層フィルムで作成されるパッケージほど良好ではないパッケージを製造するのに有用である。さらに、共押出フィルムは、引張強度および弾性率のような、それほど望ましくない機械的性質を有し、それ故これらのフィルムからのパッケージは取扱い中に裂けるまたはさもなければ物理的に損傷を受ける傾向がより強い。ラミネートフィルムもまた用いられてきた。例えば、米国特許第4,940,634号明細書は、熱成形操作で成形ウェブとしての使用に好適なポリオレフィンを含む二軸延伸熱可塑性複合フィルムを開示している。しかしながら、ポリオレフィンを含む共押出および積層フィルムは一般に高温耐熱性を持たず、それはクックイン使用向けのそれらの用途を限定する。
【0007】
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは高い耐熱性を有し、それらをクックイン用途に好適なものにする。ポリエステルは例外的に高い温度で除いてヒートシール可能ではないので、かかるフィルムはそれらが接着剤でシールされなければならないという欠点を典型的には有するが、かかるフィルムは製品への堅固な付着によって強度および保護を提供する。接着剤でシールされたパッケージ(バッグのような)は一般に、ヒートシールされたパッケージほどシール区域で強くなく、既存のヒートシール装置によって開口端で閉鎖することはできない。
【0008】
それ故、クックイン用途向けに使用される能力を持った良好なバリア性とヒートシール性との組合せを提供する熱成形パッケージを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は(a)少なくとも80重量%のポリエチレンテレフタレートポリマーを有するポリマー組成物を含む熱成形可能なフィルム層であって、前記フィルムが第1面および第2面を有するフィルム層、(b)前記熱成形可能なフィルム層の前記第1面に隣接する第2構造フィルム層、(c)前記熱成形可能なフィルム層の前記第2面上のヒートシール可能な層、および任意選択的(optionally)に(d)追加のバリア層を含むまたはそれらから製造された包装に有用であり得る熱成形可能なフィルムラミネートを包含する。
【0010】
本発明はまた、400°F(204.4℃)以下での調理に有用であり、かつまた、−40°F(−40℃)のフリーザー温度にも耐える良好なバリア性とヒートシール性との組合せを有するフィルムラミネートを含むパッケージをも包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
用語「ポリオレフィン」は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような様々なオレフィンに由来する熱可塑性ポリマーを記載するために本明細書では用いられ、そしてまたオレフィンコモノマーが少量の不飽和エステルコモノマーと組み合わせられた共重合体も含む。
【0012】
用語「延伸された」、「延伸」などは、延伸の方向に材料の分子整列を固定するまたは凍結するためにその延伸温度範囲に加熱され、次に固定される(PETまたはポリプロピレンから製造されたもののような幾つかのフィルムがヒートセットされ、他の材料が冷却される)樹脂性の延伸可能なポリマー熱可塑性材料を延伸することによって得られるプロセスおよび得られた生成物特性を記載するために本明細書では用いられる。このアクションは、収縮張力および残留延伸応力のような、フィルムの機械的性質を改善する。これらの性質の両方ともASTM D2838 69(1975年に再認可された)に従って測定されてもよい。所与のフィルムについての延伸温度範囲は、フィルムを構成する異なる樹脂性熱可塑性材料またはそのブレンドと共に変わるであろう。一般に、この温度範囲は室温より上であり、熱可塑性材料または材料のブレンドの融点より下である。本出願に包含される材料についての延伸温度範囲は当該技術では周知である。延伸が1方向に加えられる時には一軸延伸が起こる。延伸が2方向に加えられる時には二軸延伸が起こる。より大きな収縮特性を有する幾つかのフィルムを熱成形することができるが、熱成形に好適な延伸フィルムはしばしば5%未満の収縮特性を有する。
【0013】
フィルムラミネートは(a)(b)と組み合わせて、ホモポリマーか共重合体かのどちらかの熱成形可能なポリエチレンテレフタレートポリマーの層、(b)隣接する第2構造層、(c)ヒートシーリングに好適なシーラント層、ならびに(d)任意選択である追加の酸素および水分バリア層を含むまたはそれらから製造されることができる。第2構造フィルム層の好ましい例はポリアミド(ナイロン)で作成される。追加のバリア層の好ましい例はポリ塩化ビニリデン(PVDC)で作成される。
【0014】
多層フィルムラミネートは(a)熱成形可能なフィルム層および(c)熱成形可能なフィルム層の第2面上のヒートシール可能な層を有する。幾つかのケースでは、(a)の熱成形可能なフィルム層および(c)のヒートシール可能な層は2つの異なる組成物を含む。しかしながら、他のケースでは、組成物は熱成形可能な層およびヒートシール可能な層の両方として機能するのに好適であってもよい。それらのケースでは、少なくとも80重量%ポリエチレンテレフタレートポリマー組成を有するポリマー組成物の単層が本発明のフィルムラミネートの成分(a)および成分(c)の両方の機能を提供する。
【0015】
用語「隣接する」は、第2構造フィルム層が熱成形可能なベースフィルムの第1面の近くにあることを意味する。そのようなものとして、それはベースフィルムの第1面に直接接合されてもよいし、それは接着層またはタイ層によってベースフィルムの第1面に接着されてもよいし、または第2フィルム層と熱成形可能なベースフィルムの第1面との間に追加の層があってもよい。いずれにしても、第2構造フィルム層は熱成形可能なベースフィルムの面に面しており、それはフィルムラミネートのためのシーリング面を提供するために使用されない。
【0016】
用語「付加価値食料品」は、包装前に幾つかの追加の調理要素を提供された食料品を表す。例えば、付加価値食料品は、少なくとも1つの食品部分と調味料、ソース、マリネなどのような追加成分とを含む。それはまた、食事を提供するミート部分および少なくとも1つの野菜部分のような異なる食品成分の混合物を含んでもよい。本フィルムラミネート構築物は400°F(204.4℃)までの温度に耐えることができる。
【0017】
好ましくは、パッケージは、調理前にガス抜きをするための何の開口部もスリッティングも必要としないラミネートフィルムから製造することができる。成形ウェブおよびキャッピングウェブを一緒に保持するシーラントシステムは、大気交換を可能にする自己ガス抜きをするようにデザインすることができ、調理中の食料品の褐変を促進する。同時に、食料品は熱成形されたポケット中にあり、にじみ出る天然ジュース中で調理される。これは、食料品をしっとりと、柔らかく、そしておいしく保ち、また調理時間を速めることができる。
【0018】
フィルムラミネートは、熱成形可能なベースフィルム層、構造層またはアビューズ層、任意選択のバリア層、最も内側のシーラント層および任意選択的にそれらの間の1つ以上の接着層またはタイ層を含むがそれらに限定されない、少なくとも3つの明確な層を含む多層ポリマーシートであることができる。
【0019】
本発明の熱成形可能なPETフィルム、すなわち「ベースフィルム」は、PETのホモポリマーまたは共重合体であることができる、少なくとも約80、または約90重量%PETを含む。用語「PETホモポリマー」は、エチレングリコールおよびテレフタル酸に実質的に由来する、あるいはまた、その同等物を形成するエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレートのポリマーを究極的に提供するために重合させることができる任意の反応体)に由来するポリマーを意味する。用語「PETの共重合体」は、少なくとも約50モルパーセントのエチレンテレフタレートを含み(またはそれに由来し)、ポリマーの残りがテレフタル酸およびエチレングリコール(または同等物を形成するそれらのエステル)以外のモノマーに由来する任意のポリマーを意味する。
【0020】
PETベースフィルムは、それらが約20%未満、または約5%未満の収縮係数を有するように二軸延伸することができる。
【0021】
好適な熱成形可能なポリエチレンテレフタレートフィルムは、DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)およびMelinex(登録商標)で入手可能である。
【0022】
多層積層ヒートシール可能バージョンは、熱成形可能な蓋ストック(lidstock)および熱成形可能なウェブストックとして使用することができる。すべてのバージョンは、食料品以外の材料を包装するために使用することができる。
【0023】
追加のバリア層と組み合わせられた時、熱成形可能なPET層は、様々な調整気相包装(Modified Atmospheric Packaging)(MAP)または真空包装フォーマットに使用できるタイプの構築物を形成することができる。
【0024】
ラミネートに使用されるべき熱成形可能なベースフィルムはプレーンである(すなわち、コートされていない)または高バリア性を提供し、最終パッケージに増加した貯蔵寿命を与えるためにポリ塩化ビニリデンのようなバリア層でコートされることができる。幾つかのケースでは、ベースフィルムは組み込まれたシーラント層を含んでもよい。例えば、非晶質ポリエステル・コーティングを積層前にベースフィルムに付けることができる。幾つかのケースでは、熱成形可能なベースフィルムは追加のシーラント層なしにヒートシールすることができる。あるいはまた、シーラント層はラミネートの形成後に付けられてもよい。
【0025】
熱成形可能なPETベースフィルムは、包装ニーズおよび意図される使用条件に依存して、全体構造の性能を高めるために他の材料に接合するまたは接着積層することができる。追加フィルムに有用なポリマーフィルムの例は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー、酸共重合体、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、エチレン・ビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、それらの多層共押出物および組合せである。
【0026】
例えば、構造層またはアビューズ層は延伸ポリアミド(ナイロン)を含んでもよい。パッケージは多層構造物の全厚さの至るところでシールされるので、この層は好ましくはパッケージを製造するために用いられるシーリング温度による影響を受けない。この層の厚さはパッケージの剛性をコントロールすることができ、約10〜約60μmの範囲、または約50μmであってもよい。構造層は、消費者向け情報および/またはパッケージに見栄の良さを提供するために印刷およびエンボス化のようなグラフィック要素を提供されてもよい。好ましくはこの層は裏刷可能である。使用される特殊な多層フィルムは、パッケージの最終用途に部分的に依存するであろう。例えば、骨または他の硬い突起を含有するパッケージは、より厚いフィルムラミネート構造物を必要とするであろう。ラミネート構造物の厚さはまた、熱成形中に望まれる延伸の深さ依存するであろう。強度層に好ましい材料は、厚さが約0.5ミル〜約5ミルの二軸延伸ナイロンのようなポリアミドである。外層として使用されるナイロンは約1〜5ミル厚さであることができる。別の層と組み合わせて内層として使用されるナイロンは約0.5〜5ミル厚さであることができる。
【0027】
本明細書での使用に好適なポリアミド(ナイロン)には、脂肪族ポリアミド、非晶質ポリアミド、またはそれらの混合物が含まれる。「脂肪族ポリアミド」は、該用語が本明細書で用いられるところでは脂肪族ポリアミド、脂肪族コポリアミド、およびこれらのブレンドまたは混合物を意味することができる。本発明での使用に好ましい脂肪族ポリアミドはナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン6.66、それらのブレンドおよび混合物である。ナイロン6,6は、例えば、DuPont Canada/Liquiboxから商品名Dartek(登録商標)で商業的に入手可能である。ナイロン6は、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware(DuPont)から商品名Nylon4.12で商業的に入手可能である。ナイロン6.66は、BASFから商品名「Ultramid C4」および「Ultramid C35」で、またはUbe Industries Ltd.から商品名「Ube5033FXD27」で商業的に入手可能である。
【0028】
例えば、コートされていない熱成形可能なベースフィルムかポリ塩化ビニリデンで1面コートされた熱成形可能なベースフィルムかのどちらかをポリアミド(ナイロン)フィルムに積層することができる。あるいはまた、コートされていない熱成形可能なベースフィルムをポリ塩化ビニリデンで1面コートされたポリアミド(ナイロン)フィルムに積層することができる。ポリ塩化ビニリデン被覆バージョンは、延びた貯蔵寿命を提供するための高められたバリア性を提供することができる。
【0029】
ナイロンとPET共重合体とを組み合わせた多層構造物は、ポリエステルウレタンのような接着剤を用いて接着することができる。接着剤は溶液として塗布されてもよいし、乾燥を170°F(76.7℃)で達成することができ、残留溶剤レベルを減らせるように接着剤用の溶剤の適切な選択(例えば、好ましくはテトラヒドロフラン)を含むことができる。
【0030】
溶剤ベース接着剤は、当業者に公知の任意の手段によってベースシートの1面(または2面に)途布することができる。例えば、フィルムはローラー(例えば、ドクターロール)コーティング、吹き付けコーティング、グラビアコーティング、またはスロットコーティング、好ましくは溶液コーティング法を用いるローラーまたはグラビアコーティングによってコートされてもよい。
【0031】
例えば、2部ポリエステルウレタン接着剤は、グラビアシリンダーにより熱成形可能なPETに塗布されて積層接着剤として機能を果たすことができる。積層接着剤は溶液からウェブの全域に塗布される。いかなる溶剤の除去も加熱を必要とするかもしれない。2つのフィルム層は次に標準的な積層条件を用いて積層される。
【0032】
PETフィルム層を第2フィルム層に積層するために使用される接着剤はまた「溶剤なし」であることもできる。溶剤なし積層接着剤は当該技術で周知であり、例示的には水性アクリルエマルジョン、ポリウレタン分散系ならびに100%固形分の1および2部ポリウレタン・システムを含む。水性システムは、別の基材と組み合わせる前に水を除去するために高温の接着剤塗布後の乾燥機を必要とする。一方、100%固形分のポリウレタン・システムは硬化のために化学反応を頼りにしており、ほとんどまたは何の熱も必要とされない。
【0033】
好ましいクラスの接着剤はポリウレタンのようなゴム弾性接着剤である。しかしながら、接着剤はゴム弾性である必要はない。
【0034】
積層接着剤は(a)の熱成形可能なフィルムか(b)のフィルムかのどちらかに塗布することができる。これらのフィルムの1つまたは両方を例えばコロナによってなどで表面処理することができる。幾つかのケースでは、塗布された接着剤と接触したフィルム表面間のより良好な接合を促進するために両表面を接着剤の塗布前にコロナ処理することができる。積層接着剤は、接着剤を第1ウェブまたは基材に塗布するマルチプル塗布ロール・システム構造上への低粘度接着剤の計量供給のような周知のコーティング技法によって塗布することができる。第1ウェブは次に、加熱されたニップロールを用いて第2ウェブまたは基材と一体化される。
【0035】
積層されたナイロン/ポリエステルフィルムは次に、パッケージストックへ二次加工するためのロールストックへラミネートを仕上げるための第一ウェブになる。例えば、フィルムの製造ウェブは、所望の寸法のパッケージを製造するために適切なサイズにカットされてもよい。印刷のような他のポスト製造操作は、パッケージ形成操作前に行われてもよい。
【0036】
バリア層は、例えば、延伸PET、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン・ビニルアルコール(EVOH)、ナイロンもしくは二軸延伸ナイロン、それらの関連共重合体だけでなくそのブレンドまたは複合体であることができる。パッケージがマイクロ波加熱を意図されない場合、他のバリア層はまた、金属化または酸化ケイ素被覆ポリマーを含むこともできる。バリア層厚さは、製品の感受性および所望の貯蔵寿命に依存することができる。幾つかの用途では、構造およびバリア層の機能は、好適な樹脂の単層で組み合わせられてもよい。例えば、ナイロンまたはPETは構造およびバリア機能の両方に好適である。その中に含有される食料品の貯蔵および保存のために冷凍されることになっているパッケージでは、それは追加のバリア層を含まなくてもよい。他のケースでは、追加のバリア層を含むことが望ましいかもしれない。
【0037】
任意選択の追加バリア層用の材料はビニリデンポリマーであり、塩化ビニリデンを含む共重合体をはじめとする、ポリ塩化ビニリデンポリマー(PVDC)が特に好ましい。これらのバリア層は周知であり、それらがガスおよび臭気の透過に対する抵抗性だけでなく脂肪、オイル、水およびスチームに対する優れた抵抗性も提供するので、食品包装業界にとって貴重である。本明細書での使用に好適なポリ塩化ビニリデン(PVDC)は、例えば、商品名Saran(登録商標)でDow Chemicalから商業的に入手することができる。
【0038】
バリアコーティングの付着は上に開示されたように周知である。
【0039】
本フィルムラミネートの最内層はシーラントである。シーラントは、製品により影響を受けないために、かつ、シーリング条件(液体小滴、グリース、ダストなど)に耐えるために、内容物の味または色への最小限の影響を有し得る。シーラントは、最外層の外観がシーリング工程によって影響を受けず、かつ、シーリング棒のジョーにくっつかないように最外層(および他の層)の溶融温度より実質的に下の温度でそれ自体に接合されて(シールされて)密封シール(すなわち、典型的には1,500g/インチ、または590g/cmより大きなシール強度)を形成できる樹脂であることができる。シーラントは、パッケージに所望される形状へのフィルムラミネートの成形および次に造形フィルムラミネートをそれ自体に接着させてパッケージ・エンベロープを提供することによってパッケージ構築を可能にする。シーラントはまた、内容物の充填後にパッケージの閉鎖をも提供する。シーラント層は約6〜約100μm厚さ、または約6〜約25μmであることができる。
【0040】
シーラントは、例えばコポリエステル、アイオノマーまたはエチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体の形などで、全体ウェブの全域に付けることができる。ヒート−シーラント材料はまた、非晶質ポリエチレンテレフタレートのような非晶質コポリエステルであることもできる。当業者に公知の他のシーラントもまた使用することができよう。シーラントは、共押出、押出コーティングまたは積層を用いて付けることができる。シーラントは、それが、典型的には熱成形可能なPET層に直接隣接して、ラミネートの最内層であるように本発明のラミネートへ組み込まれる。
【0041】
アイオノマー樹脂(「アイオノマー」)は、ナトリウム、カリウムまたは亜鉛のような、少なくとも1つ以上のアルカリ金属、遷移金属、またはアルカリ土類金属カチオンが使用されて共重合体中の酸性基のある部分を中和し、機能強化された特性を示す熱可塑性樹脂をもたらす、エチレンのようなオレフィンとアクリル酸、メタクリル酸、またはマレイン酸のような不飽和カルボン酸、および任意選択的に軟化モノマーとの共重合体である。例えば、「エチレン/(メタ)アクリル酸(E/(M)AAと略記される)」は、1つ以上のアルカリ金属、遷移金属、またはアルカリ土類金属カチオンによって少なくとも部分的に中和されてアイオノマーを形成するエチレン(Eと略記される)/アクリル酸(AAと略記される)および/またはエチレン/メタクリル酸(MAAと略記される)の共重合体を意味する。ターポリマーはまた、中和されてより柔らかいアイオノマーを形成することができる「より柔らかい」樹脂を提供するためにエチレンのようなオレフィン、不飽和カルボン酸および(メタ)アクリル酸アルキルのような他のコモノマーで作成されていることができる。アイオノマーは通常公知であり、それらの製造方法は、例えば、米国特許第3,344,014号明細書に記載されている。
【0042】
EVA共重合体は、エチレンのようなオレフィンと酢酸ビニルとの共重合に由来する共重合体である。幾つかのケースでは、追加の不飽和モノマーもまたEVA共重合体の特性を改質するために使用されてもよい。
【0043】
非晶質PETコポリエステル・ヒート−シーラントは、少なくとも次の成分:約10〜約60モル%テレフタル酸(「モノマーA」)、約10〜約60モル%エチレングリコール(「モノマーB」)、および第2二酸(「モノマーC」)および/または第2ジオール(「モノマーD」)である約5〜約60モル%の第3モノマーに由来することができる。モノマーCの例には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ドデカン二酸などが挙げられる。好ましいモノマーCはアゼライン酸、セバシン酸、および/またはイソフタル酸である。モノマーDの例には、プロピレングリコール、メトキシポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
【0044】
ポリエステル組成物の単層は、本発明のフィルムラミネートの熱成形可能な層およびシーラント層の両方の機能を果たすことができる。熱成形およびヒートシーリングの両方に好適な非晶質PETは、高度に熱成形可能な第2構造層でラミネートに使用される場合に特に、Selar(登録商標)PTとしてDuPontから入手可能である。
【0045】
本発明の積層工程で有用なフィルムは、当業者に公知のフィルム形成のための実質的に任意の方法によって製造することができる。本発明の目的のためには、フィルムは、原理上は、単層ポリマーフィルムか多層ポリマーフィルムかのどちらかであることができる。そのようなものとして、フィルムおよびフィルム構造物は、様々な方法論(例えば、ブローンフィルム、機械延伸など)による延伸(一軸か二軸かのどちらか)を含んで、キャスト、押出、共押出、積層などをすることができる。当業者に公知の様々な添加剤が、タイ層などの存在をはじめとするそれぞれのフィルム層中に存在することができる。添加剤には、酸化防止剤および熱安定剤、紫外(UV)光安定剤、顔料および染料、フィラー、艶消剤、スリップ防止剤、可塑剤、ブロック防止剤、他の加工助剤などが含まれる。
【0046】
フィルムの製造は、任意の公知の方法により実施することができる。例えば、いわゆる「ブローンフィルム」または「フラットダイ」方法を用いて組成物を押し出すことによって第一フィルムを製造することが可能である。ブローンフィルムは、環状ダイを通してポリマー組成物を押し出し、ブローンフィルムを提供するために生じた管状フィルムを空気流れで膨らますことによって製造される。キャスト・フラットフィルムは、フラットダイを通して組成物を押し出すことによって製造される。ダイを出るフィルムは、内部循環流体を含有する少なくとも1つのロール(チルロール)によってまたは水浴によって冷却されてキャストフィルムを提供することができる。フィルムは、例えば、約60cm(2フィート)の幅を有することができる。
【0047】
単層または多層フィルムは、比較的高いブローアップ比で押出ダイからホットブローンされてもよい。フィルム構築物の熱可塑性ポリエステルは、好ましくは事実上結晶性であり、ブローアップ手順の間ずっとフィルム完全性を維持するために比較的高い分子量のものある。ポリエステルは、ホットブローイング工程中に十分に延伸されて長さ(縦)および横方向の両方につりあいの取れた延伸を提供することができる。
【0048】
あるいはまた、熱可塑性の結晶性材料は二軸延伸フィルムを得るために延伸配向されてもよい。例えば、管材料が押し出され、次に冷却され、再加熱され、そして次に、例えば、ブローンバブル法によって延伸される。この方法は当該技術では周知である。延伸配向された材料のケースでは、管材料は上に開示されたホットブローン法に比べて比較的低い温度で延伸され、配向される。
【0049】
成形ウェブとしての使用に好適なラミネートの具体的な例には、最外層から最内層へ、PVDCコーティング/ナイロン/接着剤/熱成形可能なPET/シーラント、ナイロン/PVDCコーティング/接着剤/熱成形可能なPET/シーラント、またはナイロン/接着剤/PVDCコーティング/熱成形可能なPET/シーラントが挙げられる。
【0050】
例えば、非晶質PETシール層と共に延伸PETを含む熱成形可能なベースフィルムは、ナイロン層およびPVDCバリアコーティングを含む第2フィルムに接着積層することができる。第2フィルムは、ナイロン層が熱成形可能なPETフィルムに面し、それに接着して上の第1ラミネート構造の例を提供するように延伸することができる。あるいはまた、PVDCコーティングは熱成形可能なPETフィルムに面して上の第1ラミネート構造の例を提供してもよい。別の例では、非晶質PETシール層と共に延伸PETおよびPVDCバリアコーティングを含む熱成形可能なベースフィルムは、ナイロンを含む第2フィルムに接着積層して上の第3ラミネート構造の例を提供してもよい。
【0051】
フィルムラミネートは、多くの製造業者(例えば、TiromatおよびMulti-Vac)から入手可能な既存の成形、充填およびシール(FFS)機を用いて例えばパッケージを形成するためになど、無数の用途で使用することができる。
【0052】
熱成形可能でヒートシール可能な包装フィルムは、ミート、鶏肉またはシーフード製品のような食料品を含有するためのパッケージに使用することができる。本発明のパッケージに包装されてもよい食料品の例には、ソーセージ、ホットドッグなどのような加工肉が挙げられる。食料品にはまた、付加価値を付けた、風味を付けた、マリネにしたおよび/または予備調理した肉製品または調理食も含まれる。食料品はまた、例えばしかし限定されず、豚ロース肉、七面鳥またはチキン胸肉などのような全体筋肉および/または骨入り肉および鶏肉部分であってもよい。鶏肉にはまた、いつでも調理できる全体鳥も含まれる。本発明のパッケージはまた、新鮮な肉、鶏肉およびシーフードを調整気相包装用途または真空包装用途で包装するために使用されてもよい。汚染をずっとシールできるシーラントと組み合わされたバリア特性は、新鮮製品包装操作で材料および労働力を低減することによってより大きな経済的便益を提供することができる。かかるパッケージは、シーラント選択に依存してオーブンに入れて使えるようにすることができ、いったん内部温度および圧力がシーラントの軟化点に達すると自己ガス抜き性になるかもしれない。
【0053】
本発明の好ましいパッケージは本質的に(a)本明細書に開示されるフィルムラミネートを含むまたはそれから製造された熱成形可能な成形ウェブおよび(b)その中で成形ウェブが前記キャッピングウェブにヒートシールされているキャッピングウェブよりなる。
【0054】
パッケージは2つのフィルムシート、成形ウェブおよびキャッピングウェブから形成することができる。2つのフィルムシートはフィルムの2つの個々のシートであってもよい。典型的には、熱成形用途で、成形ウェブはポケットを形成するために使用することができ、次にポケットはインライン包装機で内容物(例えば、鶏肉)で充填される。ポケットは次に、成形ウェブおよびキャッピングウェブが互いに密閉シールされるように水平の成形、充填およびシール用途で成形ウェブの余白をキャッピングウェブにヒートシールすることによって閉鎖される。
【0055】
キャッピングウェブとして使用されるフィルム構造はしばしば、成形ウェブと同じ一般フィルム構造を有して、しかし熱成形可能でないPET層を使用して提供される。典型的に熱成形可能でないPETは、熱成形可能なPETとは異なるポリマー組成を有し、より高度に延伸されている。
【0056】
任意選択的に、キャッピングウェブは、グラフィックス、製品情報などを提供するために表面印刷されるまたは裏刷される(すなわち最終ラミネートで内部にある面上に印刷される)。印刷は、熱成形を受けないキャッピングウェブに典型的には施され、その結果グラフィックスは変形しない。
【0057】
キャッピングウェブの具体的な例には、最外層から最内層へ(これらの例では、インク層は接着積層前に第2フィルムに付けられる印刷グラフィックスを表す)、PVDCコーティング/ナイロン/インク/接着剤/PET/シーラント、ナイロン/PVDCコーティング/インク/接着剤/PET/シーラント、またはナイロン/インク/接着剤/PVDCコーティング/PET/シーラントが挙げられる。
【0058】
例えば、非晶質PETシール層と共に延伸PETを含むベースフィルムは、ナイロン層およびPVDCバリアコーティングを含む第2フィルムに接着積層することができる。第2フィルムは、ナイロン層が熱成形可能なPETフィルムに面し、それに接着して上の第1ラミネート構造の例を提供するように延伸することができる。PVDCコーティングはPETフィルムに面して第1ラミネート構造の例を提供してもよい。同様に例えば、非晶質PETシール層と共に延伸PETおよびPVDCバリアコーティングを含むベースフィルムは、ナイロンを含む第2フィルムに接着積層して上の第3ラミネート構造の例を提供することができる。
【0059】
フィルムのシングルウェブはそれ自体上へ折り畳まれて2つの上を覆うシートを提供してもよいし、またはフィルムのチューブは、チューブの2つの上を覆う部分がフィルムの2シートの同等物を提供するように成形されてもよい。例えば、成形ウェブは、熱成形されたかフラットかのどちらかの成形ウェブの1部分が製品を含有する熱成形ポケットと上を覆う関係で置かれるように折り畳まれてもよい。成形ウェブの2部分は次に互いに密閉シールすることができる。
【0060】
他の用途向けに、フィルムは熱成形されて造形ウェブを提供し、次に予備シールされてオープンバッグを形成してもよく、バッグは次にインライン包装機で内容物で充填されてもよい。バッグは次にヒートシールされて開口端を閉鎖する。
【0061】
フィルムは非収縮バッグを製造するために使用することができる。フィルムは熱成形されないが、周知の成形、充填およびシール技法を用いて充填され、シールされるバッグへ成形することができる。このように、本発明はまた、非収縮バッグの形にある、本明細書に記載されるようなフィルムラミネートを含むパッケージを提供する。
【0062】
シーラントは、シールが加熱時に裂けないように成形ウェブおよびキャッピングウェブが一緒にシールされているシール(非ガス抜きシール)を提供してもよい。かかるシールに好適な材料は非晶質ポリエステルを含む。ヒートシーリングに好適な非晶質PETは、Selar(登録商標)PTとしてDuPontから入手可能である。この材料は、脂肪、ジュース、グリースなどのような汚染物がかかわる場合に特に有用であるかもしれない。成形ウェブおよびキャッピングウェブは、この材料で製造し、一緒にシールして非ガス抜きシールを提供することができる。キャッピングウェブに好適な共押出フィルムは、無色透明な結晶性PET層および非晶質PETヒートシール層を含む。このタイプのフィルムは、商品名Mylar(登録商標)851でDuPont Teijin Filmsから入手可能である。このフィルムのキャッピングウェブはSelar(登録商標)PTシール層を有する成形ウェブにシールすることができる。
【0063】
ガス抜き口区域は、加熱時にパッケージ面にスリットを単に提供することによってパッケージのどこにでも作ることができる。
【0064】
あるいはまた、3層ラミネート構造物中の温度依存性シーラント材料(自己ガス抜き)または温度依存性シーラント材料(自己ガス抜き)と組み合わせて非ガス抜きシーラントを含む材料の組合せは所望のガス抜き効果を与えることができよう。自己ガス抜きは、パッケージを開く時にスチーム噴射の発生を最小限にするために望ましい安全特性である。通常のオーブンで、いったんシーラントがその軟化点に達し、十分な圧力が内部発生すると、シールは裂け、パッケージのガス抜きをする。このガス抜きはまた、そのように望まれる場合にはミートを褐変させるための空気交換を促進する。別の例では、シーラント厚さおよびシール温度は、いったん食料品が170°F(76.7℃)に達するとガス抜き(破断による)を提供するようデザインすることができる。これは、食品が適切な温度に加熱され、いつでも消費できる状態であることを示すための温度指標として自己ガス抜き特性が役立つ、マイクロ波での食料品の加熱時に有用であるかもしれない。
【0065】
加熱するとガス抜きをするシールに好適なシーラントは非晶質PETコポリエステルである。自己ガス抜きパッケージで使用することができる成形ウェブまたはキャッピングウェブの製造に好適な共押出フィルムは、無色透明なPET層および非晶質PETヒートシール層を含む。このタイプのフィルム(様々な厚さの無色透明なPETおよびヒートシール層を有する)は、商品名Mylar(登録商標)OLでDuPont Teijin Filmsから入手可能である。
【0066】
パッケージは、パッケージを開くのを容易にする目打ち、引裂ゾーンなどのような他の特性を組み込んでもよい。ポリアミドおよびPET(ヒートシール可能な)組合せは、予め刻み目を入れたパッケージが縦方向か横方向かのいずれかに一直線に引き裂かれ得るという点において優れた方向引裂性を提供する。これらの引裂性は、パッケージ構造およびデザインで大きな柔軟性を可能にする。このように、加熱後に食料品にアクセスするための開口区域は、パッケージの特定部分(例えばトップ)に限定されない。これは、パッケージの側面で開口に所望の区域に刻み目を置くことを可能にすることができる。
【0067】
ラミネートフィルムはまた、本明細書に列挙される食料品に加えて任意の様々な製品を包装するためのヒートシール可能なバッグおよび熱成形可能な構造物の製造に有用であることもできる。
【0068】
次の実施例は例示的であるに過ぎず、本明細書に記載されるおよび/または特許請求される本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0069】
実施例1
本明細書に記載されるようなパッケージを製造するための熱成形可能な成形ウェブとして有用なフィルムの具体的な例は、高温に耐えるようにデザインされたポリエステルウレタン接着剤を組み込むナイロンとポリエステルとの接着積層であった。ナイロン外層は貫入抵抗のための靱性と耐熱性とをフィルムに与えた。それはまた、酸素バリアおよび可能な印刷キャリアとしての機能も果たした。非晶質ポリエステル・シール層は耐熱性の周辺シールを提供した。
【0070】
構造用部品
外側構造層
一面上をPVDCコーティングでコートしたナイロン6,6;3ミル厚さ;Canada/Liqui−BoxのDuPontから商品名Dartek(登録商標)BF620で入手可能。
【0071】
積層接着剤
Rohm and HaasのMorton部門から触媒Fを用いる商品名Adcote503Aで入手可能なメチルエチルケトン溶剤ベースのポリエステルウレタン接着剤。
【0072】
熱成形可能な/シール層
非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体(APET)ヒートシール層でコートされた二軸延伸ポリエステル(OPET);1.0ミル厚さ;DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)75XPOL12で入手可能。
【0073】
構造用部品を下記のように組み合わせて次の層(最外から最内へ)よりなる多層フィルムを製造する:PVDC/ナイロン/接着剤/OPET/APET。
【0074】
接着剤と接触すべきすべての面を積層前に48ダインにコロナ処理した。接着剤を先ず、110クワタ・グラビア(Quad Gravure)シリンダーを用いる輪転グラビア法によってPVDCコーティングと反対面のナイロン構造層に塗布し、170°F(76.7℃)で乾燥させた。熱成形可能なポリエステル/ヒートシール・ベースフィルムを第2ウェブとして積層させた。ナイロン構造ウェブおよび第2ポリエステルウェブの両方とも24インチ幅であり、接着剤レイダウン最適化のために23.5インチのバックアップ・ロールを用いて積層した。ポリエステルの非シール性面を170°F(76.7℃)の動温度でホットニップ法を用いて構造層に積層し、巻き戻し時に空気側に露出されるヒートシール可能なAPET面を残した。接着剤を活性化させて巻き取られたロールをブロックさせることがないようにヒートシール層をホットニップから離して保った。ポリエステルの非晶質コート面は、キャッピングウェブへのシーリングのための高温シール層を提供した。
【0075】
成形ウェブを、チキンレッグ・クオーターおよびチキン胸肉を保持するのに好適な浅絞りポケットへ包装技術で周知の典型的な熱成形手順で熱成形した。
【0076】
実施例2
本明細書に記載されるようなパッケージを製造するためのキャッピングウェブとして有用なフィルムの具体的な例は、高温に耐えるようにデザインされたポリエステルウレタン接着剤を組み込むナイロンとポリエステルとの接着積層であった。
【0077】
構造用部品
外側構造層
一面上にPVDCコーティング付きナイロン6,6;1ミル厚さ;Canada/Liqui−BoxのDuPontから商品名Dartek(登録商標)B602で入手可能。
【0078】
積層接着剤
Adcote503A/触媒F
【0079】
ポリエステル層
非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体(APET)ヒートシール層でコートされた二軸延伸ポリエステル(OPET);0.5ミル厚さ;DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)50OL13で入手可能。
【0080】
キャッピングウェブを、成形層について上に開示されるのと同様に積層して次の層(最外から最内へ)よりなる多層フィルムを製造した:PVDC/ナイロン/接着剤/OPET/APET。
【0081】
実施例3
チキン部分(レッグ・クオーターおよび胸肉)を、実施例1の熱成形された成形ウェブの適切なサイズのポケットに入れた。実施例2のキャッピングウェブを成形ウェブおよびチキンの上方に置き、1秒間真空にかけ、次に390°Fに2秒間加熱することによって成形ウェブに真空ヒートシールした。シーリングは、少量の調味料のおかげで成し遂げられた。
【0082】
シール強度は、ヒートシールを測定するために用いられるスーター(Suter)圧縮空気駆動式装置を用いて1600g/インチであると測定された。全体パッケージ剥離強度はコーナー区域でスタートして約1500〜2000gであると測定された。
【0083】
実施例4
実施例3のシールされたパッケージを用いる調理試験を、クックインパッケージの調理特性を評価するために行った。チキン部分での内部温度は少なくとも160°Fであった。
【0084】
レッグ・クオーター
全出力で5分間のマイクロ波調理は145°Fの内部チキン温度を与えた。全出力で7分間のマイクロ波調理は、チキンが完全に調理されて、165°Fの内部チキン温度を与えた。パッケージは、4分マーク前に周辺シールの破断によってガスが抜け、それは褐変を高めた。ミートは骨から容易に除去され、非常に柔らかく、しっとりとしていた。
【0085】
胸肉
全出力で7分間のマイクロ波調理は、チキンが完全に調理されて、185°Fの内部チキン温度を与えた。
【0086】
両ケースで、チキン部分は約6分のマイクロ波加熱後に160°Fの必要とされる温度に達した。
【0087】
実施例5
熱成形可能な成形ウェブとして有用なフィルムの別の例は、ポリエステルウレタン接着剤を組み込むナイロンとポリエステルとの接着積層であった。
【0088】
構造用部品
外側構造層
一面上にPVDCコーティング付きナイロン6,6;Canada/Liqui−BoxのDuPontから商品名Dartek(登録商標)BF620で入手可能な3ミル厚さ。
【0089】
積層接着剤
CR−1−80触媒を使ったRohm and HaasのMorton部門から商品名Lamal HSAで入手可能な酢酸エチル溶剤ベースのポリエステルウレタン接着剤。
【0090】
熱成形可能な/シール層
非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体(APET)ヒートシール層でコートされた二軸延伸した熱成形可能な熱収縮性ポリエステル(OPET);0.9ミル厚さ;DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)80XRSOLで入手可能な。積層された非収縮層のような保持力がない場合、このフィルムは、5秒間の沸騰水への曝露後に縦方向(MD)および横方向(TD)の両方に20%収縮することができた。
【0091】
構造用部品を組み合わせて次の層(最外から最内へ)よりなる多層フィルムを製造した:PVDC/ナイロン/接着剤/OPET/APET。
【0092】
接着剤と接触すべきすべての面を積層前に48ダインにコロナ処理した。接着剤を先ず、110クワタ・グラビア・シリンダーを用いる輪転グラビア法によってPVDCコーティングと反対側のナイロン構造層の面に塗布し、160°Fで乾燥させた。ポリエステル・ヒートシール層を第2ウェブとして積層させた。ナイロン構造ウェブおよび第2ポリエステルウェブの両方とも24インチ幅であり、接着剤レイダウン最適化のために23.5インチのバックアップ・ロールを用いて積層した。ポリエステルの非シール性面を160°Fの動温度でホットニップ法を用いて構造層に積層し、巻き戻し時に空気に露出されるヒートシール可能なAPET面を残した。
【0093】
実施例6
キャッピングウェブとして有用なフィルムの別の例は、高温に耐えるようにデザインされたポリエステルウレタン接着剤を組み込むナイロンとポリエステルとの接着積層であった。
【0094】
構造用部品
外側構造層
一面上にPVDCコーティング付きナイロン6,6;Canada/Liqui−BoxのDuPontから商品名Dartek(登録商標)B602で入手可能な1.5ミル厚さ。
【0095】
積層接着剤
Adcote503A/触媒F
【0096】
ポリエステル層
非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体(APET)ヒートシール層でコートされた二軸延伸ポリエステル(OPET);DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)50OL13で入手可能な0.5ミル。
【0097】
キャッピングウェブを、実施例5に開示されるのと同様に積層して次の層(最外から最内へ)よりなる多層フィルムを製造した:PVDC/ナイロン/接着剤/OPET/APET。
【0098】
実施例7
本明細書に記載されるようなパッケージを製造するための熱成形可能な成形ウェブとして有用なフィルムの別の例は、ナイロンとポリエステルとの接着積層であった。
【0099】
構造用部品
外側構造層
一面上にPVDCコーティング付きナイロン6,6;4ミル厚さ;Canada/Liqui−BoxのDuPontから商品名Dartek(登録商標)BF620で入手可能。
【0100】
積層接着剤
Rohm and HaasのMorton部門から触媒9L10を用いる商品名Adcote503Aで入手可能なメチルエチルケトン溶剤ベースのポリエステルウレタン接着剤。ポリウレタン接着剤システム用の9L10触媒は、高温クックイン用途向けに推奨される。
【0101】
熱成形可能な/シール層
非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体(APET)ヒートシール層でコートされた二軸延伸ポリエステル(OPET);2.2ミル厚さ;DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)200XPOL12で入手可能。
【0102】
構造用部品を、接着剤をナイロン層のPVDC被覆面に塗布したことを除いては実施例1に開示されるように積層して次の層(最外から最内へ)よりなる多層フィルムを製造した:ナイロン/PVDC/接着剤/PET/シーラント。
【0103】
実施例8
フィルムの別の例は、高温に耐えるようにデザインされたポリエステルウレタン接着剤を組み込むナイロンとポリエステルとの接着積層であった。
【0104】
構造用部品
外側構造層
一面上にPVDCコーティング付きナイロン6,6;1.25ミル厚さ;Canada/Liqui−BoxのDuPontから商品名Dartek(登録商標)B602で入手可能。
【0105】
積層接着剤
Adcote503A/触媒9L10
【0106】
ポリエステル層
非晶質ポリエチレンテレフタレート共重合体(APET)ヒートシール層でコートされた二軸延伸ポリエステル(OPET);DuPont Teijin Filmsから商品名Mylar(登録商標)50OL13で入手可能な0.5ミル。
【0107】
キャッピングウェブを、成形層について実施例7に開示されるように積層して次の層(最外から最内へ)よりなる多層フィルムを製造した:ナイロン/PVDC/接着剤/PET/シーラント。
【0108】
実施例7の成形ウェブおよび実施例8のキャッピングウェブから製造されたパッケージは、クックイン用途向けの全鳥チキンまたは七面鳥のような生肉製品を包装するために使用することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱成形可能なフィルム層、(b)第2構造フィルム層、(c)ヒートシール可能な層、および任意選択的に(d)バリア層を含むまたはそれらから製造された熱成形可能なフィルムラミネートであって、
前記熱成形可能なフィルム層が、少なくとも80重量%のポリエチレンテレフタレートポリマーを含むまたはそれに由来するポリマー組成物を含むまたはそれから製造され、かつ、前記フィルムが第1面および第2面を有し、
前記構造フィルム層が前記第1面に隣接し、前記構造フィルム層が好ましくはポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー、酸共重合体、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、エチレン・ビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、またはそれらの2つ以上の共押出組合せを含むか、またはポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー、酸共重合体、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、エチレン・ビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、またはそれらの2つ以上の共押出組合せから作成され、かつ、
前記ヒートシール可能な層が前記第2面上にあり、前記ヒートシール可能な層が好ましくはコポリエステル、アイオノマー、もしくはエチレン酢酸ビニル共重合体、またはそれらの2つ以上の共押出組合せを含むか、またはコポリエステル、アイオノマー、もしくはエチレン酢酸ビニル共重合体、またはそれらの2つ以上の共押出組合せから作成される、熱成形可能なフィルムラミネート。
【請求項2】
前記第2構造フィルム層がポリアミドを含むまたはそれから作成される請求項1に記載のラミネート。
【請求項3】
前記ヒートシール可能な層が非晶質ポリエチレンテレフタレートを含むまたはそれから作成される請求項1または2に記載のラミネート。
【請求項4】
前記バリア層が延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール、ナイロンもしくは二軸延伸ナイロン、またはそれらの2つ以上のブレンドもしくは複合体から製造され、そして前記バリア層が好ましくはポリ塩化ビニリデンを含むまたはそれから作成される請求項1〜3のいずれか一項に記載のラミネート。
【請求項5】
前記バリア層を含む請求項4に記載のラミネート。
【請求項6】
前記熱成形可能なフィルム層および前記ヒートシール可能な層のそれぞれが、少なくとも80重量%のポリエチレンテレフタレートを含むまたはそれから製造されたポリマー組成物の単層を含むまたはそれから製造されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のラミネート。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルムラミネートを含むまたはそれから製造されたパッケージ。
【請求項8】
良好なバリア性とヒートシール性との組合せを有するか、またはシーラントの軟化点でパッケージを裂くおよびガス抜きをする温度依存性シーラントで形成されたヒートシールから製造される請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記フィルムラミネートが熱成形されるまたは非収縮バッグの形態にある請求項7または8に記載のパッケージ。
【請求項10】
ミート、鶏肉、シーフード、生鮮食品、冷凍食品、部分調理食品、または付加価値食料品であり得る食料品を含む請求項7〜9のいずれか一項に記載のパッケージ。

【公表番号】特表2007−517685(P2007−517685A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547274(P2006−547274)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/042983
【国際公開番号】WO2005/063483
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】