説明

熱転写プリンタ

【課題】印刷対象物に金属膜を所望の形状で正確に転写できる熱転写プリンタを提供する。
【解決手段】プラテンローラ4と、複数の発熱素子を有しプラテンローラ4に弾接する印刷ヘッド3とを備え、プラテンローラ4と印刷ヘッド3との間に印刷対象物としての印刷フィルム1とリボン2とを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行うものであって、リボン2に、基材上に金属膜層と接着剤層とを形成したものを用い、複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって印刷フィルム1の所定の印刷領域に接着剤層を介して金属膜層を転写させるように構成するとともに、印刷後の前記印刷フィルム1の印刷面1aに対して摺接させることで所定の印刷領域の周囲に生じた金属膜のバリを除去するバリ除去機構6をさらに設けるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷対象物とリボンとを重合させ、印刷ヘッドに熱を付与することで印刷を行うことが可能な熱転写プリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、給紙方向に対して垂直方向に複数の発熱素子を並べて配置した印刷ヘッドをプラテンローラに対して弾接させて、これらの間にインクリボンと用紙とを重合させて送り込みつつ、上記発熱素子を所望のパターンで発熱させてインクリボンの染料を用紙に定着させることにより印刷を行う熱転写プリンタが数多く知られている。その中でも例えば、より高品質の画像を印刷可能とするものとして、例えば特許文献1に記載するように印刷前のインクリボンや用紙の表面に対してクリーニングローラを当接させることで両者に付着したゴミを除去した後で印刷を行わせるようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−120446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような熱転写プリンタが有する高品質な画像印刷能力の有効な活用方法として、RFID関連のフィルムアンテナ等の製作などの用途が考えられる。一般にはこうしたものはフォトリソグラフィーエッチング法などの手法で製作されるために製作に時間を要し、熱転写プリンタによって簡便に製作が可能となれば製作費用および時間の短縮につながり利点が多い。
【0005】
このような用途に熱転写プリンタを使用する場合、印刷対象物を用紙から平滑なフィルムに換え、印刷対象物に対する定着物を染料から金属箔に置き換えることになる。そして、これを実現するためには従来用いていたインクリボンに代わって、樹脂フィルムの上に金属膜層と接着剤層を形成した導電性熱転写タイプのリボンを用いることになる。上記の接着剤層には一般的に熱可塑性樹脂系のものが使われるために、印刷対象物とリボンとを重合させた状態で印刷ヘッドの発熱素子を所望のパターンで発熱させて、当該箇所の接着剤を溶融または軟化させて、金属膜層とともに印刷対象物に転写させる。これによって、任意の形状の金属膜層を印刷対象物上に形成させることができる。
【0006】
しかしながら、単純に従来の熱転写プリンタを用いて、リボンと印刷対象物とを上述のように置き換えるのみでは、高品質な金属膜層の形成を行うことはできない。具体的には、所望の形状の印刷領域を設定してこれに適合したパターンで印刷ヘッドの発熱素子の発熱させることで、上記所望の印刷領域とほぼ同一の領域で接着剤層が印刷対象物に転写され、その上に金属膜層を強固に形成することができるが、このようにして強固に形成された金属膜層は、接着されていない金属膜層の一部をリボンの基材より引き剥がし、いわゆるバリとして面状の剥離物を生じる。例えば、図9(b)に模式的に示すように、矩形状の印刷領域25を設定して当該箇所にのみ金属膜を転写させようとしてとしても、図9(a)に模式的に示すように当該印刷領域25の周囲にバリ26として不要な金属膜層が付着してしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明の熱転写プリンタは、プラテンローラと、複数の発熱素子を有し前記プラテンローラに弾接する印刷ヘッドとを備え、前記プラテンローラと前記印刷ヘッドとの間に前記印刷対象物とリボンとを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行うものであって、前記リボンに、基材上に金属膜層と接着剤層とを形成したものを用い、前記複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって前記印刷対象物の所定の印刷領域に前記接着剤層を介して金属膜層を転写させるように構成するとともに、印刷後の前記印刷対象物の印刷面に対して摺接させることで前記所定の印刷領域の周囲に生じた前記金属膜のバリを除去するバリ除去機構をさらに設けたことを特徴とする。
【0010】
このように構成すると、所定の印刷領域の周囲に付着する金属膜の面状剥離物であるバリを、簡単に剪断して除去することができる。そのため、正確に所望の印刷領域のみに金属膜を形成させることができる熱転写プリンタを提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明の熱転写プリンタは、プラテンローラと、複数の発熱素子を有し前記プラテンローラに弾接する印刷ヘッドとを備え、前記プラテンローラと前記印刷ヘッドとの間に前記印刷対象物とリボンとを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行うものであって、前記リボンに、基材上に金属膜層と接着剤層とを形成したものを用い、前記複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって前記印刷対象物の所定の印刷領域に前記接着剤層を介して金属膜層を転写させるように構成するとともに、印刷後の印刷対象物の印刷面に対してローラを転動させることで前記所定の印刷領域の周囲に生じた前記金属膜のバリを前記ローラ表面に移動させて除去するバリ除去機構をさらに設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成しても、所定の印刷領域の周囲に付着する金属膜の面状剥離物であるバリを、簡単に剪断して除去することができる。そのため、正確に所望の印刷領域のみに金属膜を形成させることができる熱転写プリンタを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明した本発明によれば、印刷対象物の表面に金属膜層を転写することができるとともに、印刷領域の周囲に付着する金属膜のバリを除去して、所望の形状を得ることができる熱転写プリンタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱転写プリンタの概略構成図。
【図2】同熱転写プリンタに用いるバリ除去機構を示す拡大斜視図。
【図3】同熱転写プリンタに用いるバリ除去機構の第1変形例を示す拡大斜視図。
【図4】同熱転写プリンタに用いるバリ除去機構の第2変形例を示す拡大斜視図。
【図5】同熱転写プリンタに用いるバリ除去機構の第3変形例を示す拡大斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る熱転写プリンタの概略構成図。
【図7】同熱転写プリンタに用いるバリ除去機構を示す拡大斜視図。
【図8】本発明に係る熱転写プリンタで用いる熱転写リボンの概略断面図。
【図9】従来の熱転写プリンタを用いて金属膜の転写を行ったときの問題点を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態の熱転写プリンタは、図1に模式的に示すように、プラテンローラ4に対して印刷ヘッド3を弾接させて、これらの間に印刷対象物としての印刷フィルム1とリボン2とを重合させつつ送り込むように構成している。印刷フィルム1は、ロール状に形成した供給ロール1Rより引き出され、その後フィードローラ51、ピンチローラ52および上述のプラテンローラ4によって位置および速度を規制されつつ所定の印刷方向で適宜印刷を施される。そして、最終的には図の左方向に搬送されて、図示しないカッターユニットによって所定の大きさに切断された後に熱転写プリンタの外部に排出される。また、リボン2は、2つのリボンロール2R、2Rのいずれか片方より供給して他方によって巻き取るように構成してある。そして、リボンロール2R、2R間を走行するリボン2はガイドローラ53、53によって位置を規制されつつ、上記印刷フィルム1と共にプラテンローラ4、印刷ヘッド3間に送り込まれて熱を付与されて印刷が行われる。
【0017】
そして、本実施形態においては、内部に設けられるリボン2として、上述した導電性熱転写タイプのものを用いている。具体的には、図8に模式的に示すように、PET製の樹脂フィルムを基材21として、その上(図中では下側)に薄い金属膜層23とさらにその上に接着剤層24を設けている。当該接着剤層24が印刷フィルム1(図1参照)に当接する表面側となる。本実施態様においては、金属膜層23を蒸着による銅によって形成し、さらに接着剤層24を熱可塑性樹脂系接着剤によって形成してあるが、目的に応じてこれらの材質を換えることも可能である。また、このリボン2の裏面側にはバックコート層22を設けてあり、走行中のリボン2の摺動抵抗を低下させるとともに、ロール状の形態から引き出される際に表面側より離型しやすいように配慮してある。
【0018】
さらに、本実施形態においては、図1に示すように、印刷ヘッド3とプラテンローラ4より下流の排出側(図の左方向)にバリ除去機構6を設けている。
【0019】
本実施形態におけるバリ除去機構6は、印刷後の印刷フィルム1の印刷面1aに対して摺接して、上述した金属膜の面状剥離物としてのバリ(図9参照)を除去するものである。
【0020】
本実施形態におけるバリ除去機構6は、図2に示すように、印刷フィルム1の走行方向に対して直交するように配置され、印刷フィルム1の裏面1bに当接しつつ回転するバックアップローラ62と、当該バックアップローラ62と対向するように配置され、バックアップローラ62によって裏面1bの側より位置規制されているフィルム1の表面1aに摺接する面状摺接部材61を備えるものである。この面状摺接部材61は、印刷フィルム1に対する摺接面が平面でかつ印刷フィルムの幅よりも長くなるように摺接部61bを構成し、当該摺接部61bをホルダ部61aによって支持する構成としている。上記の摺接部61bは、印刷フィルム1に対して傷を生じさせない弾性に富むものが好ましく、不織布または発泡ゴム等で構成することが好適である。
【0021】
また、図2におけるバリ除去機構6は、印刷フィルム1を排出方向(図中のXに示す方向)に進行させながら、面状摺接部材61を印刷フィルム1の走行方向とは直交する方向(図中のY方向)に往復動させることができるようにしてある。
【0022】
上記のように構成することで、図1に示すように、印刷フィルム1とリボン2とを重合させた状態で印刷ヘッド3とプラテンローラ4との間に送り込みつつ、所望の印刷領域に対応したパターンで印刷ヘッド3を発熱させることによって、印刷フィルム1の表面1aに、図8に示す基材21上の金属膜23を接着剤層24を介して転写させることができる。この印刷直後において、図9(a)に模式的に示すように印刷領域25の周囲に付着していたバリ26は、バリ除去機構6(図2参照)によって摺接されることで印刷領域25の境界部25aに沿って剪断されて除去される。このとき、上述したように図2に示す面状摺接部材61が印刷フィルム1の走行方向に対して直交する方向に往復動することができるようにしてあるために、図9に示す印刷領域25の境界部25aの方向を問わずに、全体に渡って確実にバリ除去を行うことができる。そのため、所望の印刷領域25にのみ正確に金属膜を形成することが可能となる。
【0023】
こうしたバリ除去を行うことによって、図2に示す面状摺接部材61の摺接部61b表面には、金属膜のバリ26(図9参照)が付着していくため、粘着部材を表面に配した図示しないクリーニングローラによって、定期的に表面の清浄化を行うように構成している。
【0024】
以上のように、本実施形態に係る熱転写プリンタは、プラテンローラ4と、複数の発熱素子を有し前記プラテンローラ4に弾接する印刷ヘッド3とを備え、前記プラテンローラ4と前記印刷ヘッド3との間に印刷対象物としての印刷フィルム1とリボン2とを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行うものであって、前記リボン2に、基材21上に金属膜層23と接着剤層24とを形成したものを用い、前記複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって前記印刷フィルム1の所定の印刷領域に前記接着剤層24を介して金属膜層23を転写させるように構成するとともに、印刷後の前記印刷フィルム1の印刷面1aに対して摺接させることで前記所定の印刷領域の周囲に生じた前記金属膜のバリ26を除去するバリ除去機構6をさらに設けたものである。
【0025】
このように構成しているため、印刷フィルム1に対して金属膜層23を容易に転写することができるとともに、印刷領域の周囲に付着する金属膜の面状剥離物であるバリ26を簡単に剪断して除去することができるため、簡単かつ正確に印刷フィルム1の表面1aに所望の形状の金属膜を形成させることができる。
【0026】
なお、上述の第1実施形態においては、バリ除去機構6を印刷ヘッド3とプラテンローラ4よりも排出側に配置させていたが、これを印刷ヘッド3とプラテンローラ4よりも供給ロール1Rの側に配置しておき、当該箇所を印刷後の印刷フィルム1が通過した後に排出させるようにすることも可能である。
【0027】
以下、上述の第1実施形態を基にして、バリ除去機構6の構成を変更した変形例を示す。
【0028】
<第1変形例>
上述の第1実施形態におけるバリ除去機構6を変形した第1変形例を図3に示す。図3に示す変形例におけるバリ除去機構106は、印刷フィルム1の走行方向に対して直交するように配置し、印刷フィルム1の裏面1bに当接しつつ回転するバックアップローラ162と、当該バックアップローラ162と対向するように配置して、バックアップローラ162によって裏面1b側より支持されているフィルム1の表面1aに摺接するブラシ状摺接部材163を備えるものである。そして、当該ブラシ状摺接部材163は、フィルム1の表面1aと摺接するブラシ部163bと、当該ブラシ部163bを支持するホルダ部163aとから構成するものである。さらに、フィルム1の走行方向に対してブラシ状摺接部材163を直交方向に往復動させるとなお好適である。こうした形状のバリ除去機構106であっても、上述した場合と同様に、バリ26(図9参照)の除去を行うことができる。
【0029】
<第2変形例>
次に、図3に示したバリ除去機構106を基にして、さらに一部の構成を変形した第2変形例を図4に示す。この変形例におけるバリ除去機構206は、バックアップローラ162(図3参照)を備えておらず、図示しない前後のローラによって支持された状態のフィルム1に対して、ブラシ状摺接部材263を摺接させるものである。当該ブラシ状摺接部材263は、第1変形例の場合と同様に、ブラシ部263bとそれを支持するホルダ部263aとから構成される。そして、ブラシ状摺接部材263の下部には印刷フィルム1の幅方向に延びるバリ収集ケース264を、上方を開口した状態で配置してある。この変形例を用いる場合には排出方向の逆方向(図のR方向)に印刷フィルム1を走行させながらブラシ状摺接部材263を摺接させる。そして、図示しないカッターユニットによって切断された切断端部1eをブラシ状摺接部材263の上を通過させることによって、除去されたバリ26(図9参照)を印刷フィルム1の上からバリ収集ケース264内に落とすことでバリ26(図9参照)を収集することができる。印刷フィルム1は、このようにしてバリ26(図9参照)を除去された後に再度排出方向に走行させられ通常通り排出されることになる。
【0030】
<第3変形例>
次に、図2におけるバリ除去機構6を、印刷フィルム1に摺接させる部材を回転体として構成した第3変形例を図5に示す。この変形例におけるバリ除去機構306では、印刷フィルム1の裏面1b側にバックアップローラ362を設け、これと対向して摺接ローラ365を設けている。当該摺接ローラ365は、バックアップローラ362と平行に配置し、図示しない駆動源によって回動可能にしたローラ本体365aとその円周面に螺旋状に設けたブラシ部365bを有する。そして、バックアップローラ362に対してローラ本体365aは離間した位置を保ちつつ、ブラシ部365bのみが接触するような位置関係にしている。また、図中左奥の摺接ローラ365の下部にはバリ収集ケース364を設けている。
【0031】
このように設けた摺接ローラ365は、排出方向(図中X方向)に走行する印刷フィルム1に対して逆方向に抗うようにして回転しつつ、ブラシ部365bが印刷フィルム1の表面1aと摺接することによって、バリ26(図9参照)の除去を行うことができる。そして、除去されたバリ26(図9参照)はブラシ部365bの螺旋にそって、軸方向に移動して端部のバリ収集ケース364に収集されることになる。
【0032】
以下、上述した第1実施形態およびその変形例とは別の第2実施形態について説明を行う。
【0033】
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態の熱転写プリンタは、図6に模式的に示した構成をとる。図1および図2に示した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。この第2実施形態は、図6に示すように、バリ除去機構7を印刷フィルム1の上を転動するように構成している点が第1実施形態と大きく異なるものである。
【0034】
第2実施形態におけるバリ除去機構7は、具体的には図7のように構成されており、印刷フィルム1を裏面1b側より支持するバックアップローラ72と、当該バックアップローラ72と対向して配置した転動ローラ76を備えている。これらのバックアップローラ72と、転動ローラ76とは印刷フィルム1を印刷面1a、裏面1bより狭持しつつ印刷フィルム1の走行速度に合わせて転動するように構成してある。
【0035】
転動ローラ76は、ローラ本体部76aと、その外周に巻き付けるように形成した粘着性シートからなる弾性を有するローラ外層76bとからなる。また、当該ローラ外層76bは、不織布等によって形成することも可能である。
【0036】
このように構成することで、印刷後に印刷フィルムの表面1aに生じたバリ26(図9(a)参照)は、粘着性のあるローラ外層76bによって、剪断および除去される。また、上述したようにローラ外層76bを不織布によって形成した場合には、バリ26(図9参照)は繊維の中に取り込まれるようにして、剪断および除去される。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る熱転写プリンタは、プラテンローラ4と、複数の発熱素子を有し前記プラテンローラ4に弾接する印刷ヘッド3とを備え、前記プラテンローラ4と前記印刷ヘッド3との間に印刷対象物としての印刷フィルム1とリボン2とを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行うものであって、前記リボン2に、基材22上に金属膜層23と接着剤層24とを形成したものを用い、前記複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって前記印刷フィルム1の所定の印刷領域に前記接着剤層24を介して金属膜層23を転写させるように構成するとともに、印刷後の印刷フィルム1の印刷面1aに対してローラ76を転動させることで前記所定の印刷領域の周囲に生じた前記金属膜のバリ26を前記ローラ表面76bに移動させて除去するバリ除去機構7をさらに設けたものである。
【0038】
このように構成しているため、上述の第1実施形態と同様、印刷フィルム1に対して金属膜層23を容易に転写することができるとともに、印刷領域の周囲に付着する金属膜の面状剥離物であるバリ26を簡単に剪断して除去することができるため、簡単かつ正確に印刷フィルム1の表面1aに所望の形状の金属膜を形成させることができる。
【0039】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0040】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…印刷フィルム(印刷対象物)
2…リボン
3…印刷ヘッド
4…プラテンローラ
6…バリ除去機構(第1実施形態)
7…バリ除去機構(第2実施形態)
25…金属膜(接着部)
26…バリ
51…フィードローラ
52…ピンチローラ
53…ガイドローラ
61…面状摺接部材
62…バックアップローラ
76…転動ローラ
163、263…ブラシ状摺接部材
264、364…バリ収集ケース
365…摺接ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンローラと、複数の発熱素子を有し前記プラテンローラに弾接する印刷ヘッドとを備え、前記プラテンローラと前記印刷ヘッドとの間に印刷対象物とリボンとを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行う熱転写プリンタであって、前記リボンに、基材上に金属膜層と接着剤層とを形成したものを用い、前記複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって前記印刷対象物の所定の印刷領域に前記接着剤層を介して金属膜層を転写させるように構成するとともに、印刷後の前記印刷対象物の印刷面に対して摺接させることで前記所定の印刷領域の周囲に生じた前記金属膜のバリを除去するバリ除去機構をさらに設けたことを特徴とする熱転写プリンタ。
【請求項2】
プラテンローラと、複数の発熱素子を有し前記プラテンローラに弾接する印刷ヘッドとを備え、前記プラテンローラと前記印刷ヘッドとの間に印刷対象物とリボンとを重合させた状態で送り込みつつ印刷を行う熱転写プリンタであって、前記リボンに、基材上に金属膜層と接着剤層とを形成したものを用い、前記複数の発熱素子を所定のパターンで発熱させることによって前記印刷対象物の所定の印刷領域に前記接着剤層を介して金属膜層を転写させるように構成するとともに、印刷後の印刷対象物の印刷面に対してローラを転動させることで前記所定の印刷領域の周囲に生じた前記金属膜のバリを前記ローラ表面に移動させて除去するバリ除去機構をさらに設けたことを特徴とする熱転写プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−187882(P2012−187882A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54967(P2011−54967)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】